JP5549955B2 - 多孔質膜の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質膜の製造方法および製造装置に関する。
本願は、2011年4月20日に、日本に出願された特願2011−094286号、2011年5月12日に、日本に出願された特願2011−107554号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、環境汚染に対する関心の高まりと規制の強化により、水処理方法として、分離の完全性やコンパクト性などに優れた多孔質中空糸膜を用いた方法が注目を集めている。
食品工業、医療、電子工業等の分野においては、有用成分の濃縮、回収、不要成分の除去、造水等を目的として、多孔質膜を用いた精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透濾過膜等が多用されている。
多孔質膜の製造方法としては、例えば、膜形成性樹脂、開孔剤および溶媒を含む製膜原液を吐出手段(紡糸ノズル、Tダイ等)により吐出し、凝固液中で凝固させることで多孔質膜を形成し、洗浄、乾燥等を行う方法が知られている(特許文献1)。このような多孔質膜の製造方法においては、品質の変動を抑える目的で、凝固液の温度が所定の温度に制御される。
多孔質膜の製造装置としては、一般に、製膜原液を吐出する吐出手段(紡糸ノズル、Tダイ等)と、吐出手段から吐出された製膜原液を凝固させて多孔質膜を形成する凝固液を収容する凝固浴槽を備え、凝固浴槽のジャケット部分に温度制御した温水を循環させることで凝固浴槽内の凝固液の温度を制御できる装置が用いられる。
また、多孔質中空糸膜の製造方法としては、高分子溶液を非溶媒により相分離させて多孔化する非溶媒相分離現象を利用した非溶媒相分離法が知られている。非溶媒相分離法としては、湿式または乾湿式紡糸法(以下、両紡糸方法を総称して「湿式紡糸」という。)が知られている。
湿式紡糸により多孔質中空糸膜を製造する方法としては、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、および溶媒を含む製膜原液を調製し、その製膜原液を紡糸ノズルから吐出し、凝固液中で凝固して中空糸を得た後、親水性ポリマーを除去させて多孔質中空糸膜を形成する方法が知られている(特許文献1〜3)。
特開2006−231276号公報 特開2008−126199号公報 特開2010−142747号公報
しかし、前述のような製造装置を用いると、紡糸の初期に得られる多孔質膜と、紡糸の終了直前に得られる多孔質膜との品質に変動が生じることがあった。
特許文献1に記載の方法では、得られる多孔質膜に傷が見られることがあった。本発明者らは、この傷の発生について検討したところ、凝固槽にて脱落したポリマーかす等の異物が、凝固する多孔質膜に接触することによって多孔質膜に傷が生じることを見出した。
その知見に基づき、本発明は凝固槽における多孔質膜への異物の接触を防止する多孔質膜製造装置を提供することを目的とする。
また、本発明者は、多孔質膜の品質の変動について、凝固液の液温の時間変動に着目して検討を行った。その結果、凝固液の温度を安定に制御することで、多孔質膜の品質の変動を抑制する多孔質膜の製造方法および製造装置を提供できる方法を見い出し、本発明を完了するに至った。本発明は、得られる多孔質中空糸膜の品質の変動を抑制できる多孔質中空人膜の製造方法および製造装置の提供を目的とする。
本発明の多孔質膜の製造方法および製造装置は、以下のとおりである。
(1) 製膜原液を凝固液中で凝固させる凝固工程を有する多孔質膜の製造方法であって、温度制御手段によって温度制御した凝固液を、製膜原液を凝固させる凝固手段に送液することにより、前記凝固工程に用いる凝固液の温度を制御する多孔質膜の製造方法。
(2) 前記凝固手段における製膜原液を凝固させる凝固浴槽で前記凝固液の温度を測定し、その測定結果をフィードバックして貯液槽中の凝固液の温度を制御する、(1)記載の多孔質膜の製造方法。
(3) 前記製膜原液を凝固させる凝固手段から前記凝固液を取り出し、前記凝固液の温度を前記貯液槽中で制御した後に前記凝固手段に返送して循環させる、(1)に記載の多孔質膜の製造方法。
(4) 前記凝固手段が凝固浴槽であり、1分間当たりに温度制御手段から凝固槽手段に送液される量が、凝固浴槽内に貯液される液量に対して、30%以上70%以下である(3)記載の多孔質膜の製造方法。
(5) 温度制御手段から送液される凝固液が、内径10mm以上30mm以下の配管を介して凝固浴槽に送液される(4)記載の多孔質膜の製造方法。
(6) 前記配管の長さが、500mm以上20000mm以下である(5)記載の多孔質膜の製造方法。
(7) 温度制御手段から前記配管に送液される液体の温度が、凝固浴温度よりも1〜5℃高い温度である(4)記載の多孔質膜の製造方法。
(8) 製膜原液を凝固液中で凝固させる凝固手段と、前記凝固手段に凝固液を供給する供給手段と、前記凝固液の温度を制御する温度制御手段とを有している多孔質膜の製造装置。
(9) 前記凝固手段が、前記製膜原液を凝固させる凝固浴槽と、前記凝固浴槽内の前記凝固液の温度を測定する温度測定手段を有し、前記温度測定手段による測定結果をフィードバックして前記温度制御手段により凝固液の温度が制御される、(8)に記載の多孔質膜の製造装置。
(10) 前記凝固手段から貯液槽に凝固液が取り出され、前記貯液槽内で温度が制御された凝固液が、前記供給手段により前記凝固手段に返送されて循環される、(8)に記載の多孔質膜の製造装置。
(11) 前記凝固浴槽外に設けられた、前記凝固液を濾過する濾過手段を備える(8)記載の多孔質膜製造装置。
(12) 前記凝固浴槽には、製膜原液の凝固によって得られた中空糸を凝固浴槽外に導くガイドロールが、その周面の一部が凝固液に浸漬され、残る一部の周面が凝固液の液面上に露出するように設けられている、(11)に記載の多孔質膜製造装置。
本発明の多孔質膜の製造方法によれば、凝固液の温度を安定に制御でき、得られる多孔質膜の品質の変動を抑制できる。
また、本発明の多孔質膜の製造装置を用いれば、凝固液の温度を安定に制御でき、得られる多孔質膜の品質の変動を抑制できる。
本発明の多孔質膜製造装置は、多孔質膜を傷付けずに製造できる。
本発明の多孔質膜製造装置においては、凝固槽に、得られた中空糸を凝固槽外に導くガイドロールが、その一部が凝固液に浸漬されるように設けられていれば、下流側の洗浄工程における洗浄の負荷を軽減でき、さらにガイドロールの周面を洗浄できる。
また、得られた中空糸を加熱洗浄液によって洗浄する洗浄槽を備え、洗浄に使用された加熱洗浄液を凝固槽に移送すれば、高濃度のBODを含む排洗浄液の排出量を削減できる。
また、洗浄槽は、その内部を、加熱洗浄液が移動可能に複数に仕切る仕切り板を有し、加熱洗浄液が中空糸の移送方向の下流側から上流側に向かって移動するようになっていれば、加熱洗浄液によって中空糸を効率的に洗浄することができる。
また、洗浄槽の加熱洗浄液の液面よりも下方に位置するように設けられた下部ガイドロールと、加熱洗浄液の液面よりも上方に位置するように設けられた上部ガイドロールとを備えていれば、中空糸を繰り返し加熱洗浄液に浸漬することができ、中空糸の洗浄性をより高くできる。
得られた中空糸を移送する駆動ロールと、前記駆動ロールに向けて前記親水性ポリマーの良溶媒を吐出する駆動ロール洗浄手段とを備えていれば、中空糸を円滑に移送することができる。
前記(1)の態様によれば、季節変動によらず凝固液の温度を一定に保て、品質の変動を抑制することが出来る。
前記(2)の態様によれば、温度の変動を抑制することが出来る。
前記(3)の態様によれば、循環による撹拌効果もあり、より精密かつ均一な温度制御が可能である。
前記(4)の態様によれば、槽内の温度を制御することが出来る。
前記(5)の態様によれば、放熱と圧力損失のバランスが良好である。
前記(6)の態様によれば、放熱と圧力損失のバランスが良好である。
前記(7)の態様によれば、配管中で凝固液の温度が下がりきることがなく、凝固浴の温度制御が可能である。
前記(8)の態様によれば、季節変動によらず凝固液の温度を一定に保て、品質の変動を抑制することが出来る。
前記(9)の態様によれば、温度の変動を抑制することが出来る。
前記(10)の態様によれば、循環による撹拌効果もあり、より精密かつ均一な温度制御が可能である。
前記(11)の態様によれば、異物除去により多孔質中空糸膜の損傷を低減することが出来る。
前記(12)の態様によれば、中空糸膜の洗浄性を向上させることが出来る。
本発明の多孔質膜の製造装置の一例を示した概略図である。 本発明の多孔質膜製造装置の一実施形態を示す模式図である。 図2の多孔質膜製造装置を構成する紡糸ノズルを示す平面図である。 図2の多孔質膜製造装置を構成する洗浄槽を示す上面図である。
以下、本発明の多孔質膜の製造方法および製造装置の一例として、多孔質中空糸膜の製造方法および製造装置を示して詳細に説明する。
なお、本発明における「多孔質中空糸膜」とは、表面及び内部に多孔質層を有する中空糸膜のことである。以下、特に断らない限り、「中空糸膜」は、「多孔質中空糸膜」を意味する。また、「多孔質膜」の具体例としては、「多孔質中空糸膜」の他、「多孔質平膜」が挙げられる。
本発明の多孔質膜の製造装置は、製膜原液を凝固液中で凝固させる凝固手段(凝固部とも云う)と、前記凝固手段に凝固液を供給する供給手段と、前記凝固液の温度を制御する温度制御手段と、多孔質膜に残存する溶媒を除去する洗浄手段(洗浄部とも云う)と、多孔質膜中に残存する開孔剤を除去する除去手段(除去部とも云う)と、多孔質膜を乾燥する乾燥手段(乾燥部とも云う)と、多孔質膜を巻き取る巻き取り手段とを有している。
(多孔質中空糸膜製造装置I)
本実施形態の多孔質中空糸膜の製造装置1は、図1に示すように、膜形成性樹脂、開孔剤および溶媒を含む製膜原液Aを紡糸する紡糸ノズル10と;凝固液12aによって製膜原液Aを凝固させて多孔質中空糸膜Mを形成する凝固手段12と;多孔質中空糸膜Mに残存する溶媒を除去する洗浄手段14と;多孔質中空糸膜M中に残存する開孔剤を除去する除去手段16と;多孔質中空糸膜Mを乾燥する乾燥手段18と;多孔質中空糸膜Mを巻き取る巻き取り手段20と;製造装置1における多孔質中空糸膜Mの走行を規制するガイド部材22と;凝固手段12から送られてくる凝固液12aを貯液する貯液槽26と、凝固手段12に凝固液12aを供給する供給手段と、貯液槽26内において、凝固液12aの温度を制御する温度制御手段28とを有している。
紡糸ノズル10は、製膜原液Aを紡糸するノズルである。紡糸ノズル10としては、多孔質中空糸膜の製造に用いられる通常の紡糸ノズルを採用することができる。紡糸ノズル10の形態としては、例えば、製膜原液Aのみを円筒状に吐出する形態、中空状の補強支持体をノズル内に通過させ、前記補強支持体の外側に製膜原液Aを塗布するように紡糸する形態等が挙げられる。また、紡糸ノズル10は、単一の製膜原液Aを吐出して単層の多孔質膜層を有する多孔質中空糸膜Mを形成する形態であってもよく、複数の製膜原液Aを同心円状に吐出して複数層の多孔質膜層が積層された多孔質中空糸膜Mを形成するものであってもよい。
なお、本実施形態に代えて多孔質平膜を製造する場合には、紡糸ノズル10に代えて、公知のTダイ等の吐出手段を用いることができる。
凝固手段12は、紡糸ノズル10から紡糸された製膜原液Aを凝固液12aにより凝固させる手段である。凝固手段12は、凝固液12aが収容され、製膜原液Aを凝固させる凝固浴槽24を有している。凝固手段12では、凝固液12aによって製膜原液Aが凝固して多孔質中空糸膜Mが形成された後、その多孔質中空糸膜Mが凝固液12aから引き出されるようになっている。
凝固浴槽24と貯液槽26は、一端が凝固浴槽24と連結し、他端が貯液槽26と連結し、凝固浴槽24から貯液槽26に凝固液12aを供給する供給手段30aが途中に設けられた配管32と、一端が貯液槽26と連結し、他端が凝固浴槽24に連結し、貯液槽26から凝固浴槽24に凝固液12aを供給する供給手段30bが設けられた配管34によって接続されている。
供給手段30a、30bとしては、凝固液12aを送液できるものであればよく、例えば、ポンプ等が挙げられる。
温度制御手段28は、凝固液12aを加熱する加熱手段28aと、凝固液12aを冷却する冷却手段28bを有している。つまり、温度制御手段28は、貯液槽26内において、凝固液12aを加熱手段28aと冷却手段28bで直接加熱または冷却することで、貯液槽26内の凝固液12aの温度を制御できるようになっている。
加熱手段28aおよび冷却手段28bは、凝固液12aを加熱または冷却して所定の温度に制御できるものであればよい。加熱手段28a、冷却手段28bを備えた貯液槽26の具体例として、例えば、加熱または冷却機能付き恒温槽等が挙げられる。
製造装置1では、配管32を通じて凝固浴槽24から貯液槽26に凝固液12aが送られ、貯液槽26内において温度制御手段28によって凝固液12aの温度が所定の温度に制御され、貯液槽26から配管34を通じて温度が制御された凝固液12aが凝固浴槽24に返送されて循環される。このように、凝固浴槽24内の凝固液12aを貯液槽26に取り出し、温度制御した後に凝固浴槽24に返送して循環させる形態は、凝固浴槽24内に連続的に温度制御された凝固液12aを投入できるとともに、循環による凝固浴槽24内の撹拌効果も得られるため、より精密かつ均一な温度制御ができる点で好ましい。
製造装置1では、凝固手段12における凝固浴槽24内の凝固液12aの温度を測定する温度測定手段を設け、その測定結果をフィードバックして温度制御手段28により凝固液12aの温度を制御できるようになっていることが好ましい。これにより、製造する多孔質膜の品質の変動を抑えることが容易になる。温度測定手段は貯液槽26に設けてもよいが、多孔質膜の品質の変動を抑えることがより容易になることから、前述のように凝固浴槽24に設けることが好ましい。
また、この例では、紡糸ノズル10と凝固液12aの間に空走区間が設けられた乾湿式紡糸が採用されている。ただし、紡糸ノズル10から凝固液12a中に直接紡糸する湿式紡糸を採用してもよい。
洗浄手段14は、多孔質中空糸膜Mに残存する溶媒を洗浄液14aで洗浄して除去する手段である。この例の洗浄手段14は、洗浄浴14b中に洗浄液14aが収容されており、その洗浄液14a内に多孔質中空糸膜Mを通過させることで、多孔質中空糸膜Mを洗浄液14aで洗浄するものである。
洗浄手段14は、前記形態以外にも、多孔質中空糸膜Mに残存する溶媒を除去する手段として通常使用される手段を採用することができる。例えば、傾斜させた樋状の洗浄浴に洗浄液を流し、前記洗浄液中に多孔質中空糸膜Mを走行させる手段等を採用してもよい。
除去手段16としては、多孔質中空糸膜Mに残存する開孔剤を除去する手段として通常使用されるものが使用できる。例えば、多孔質中空糸膜Mに酸化剤を含む薬液を保持させる薬液保持部と、薬液を保持した多孔質中空糸膜Mを気相中で加熱して開孔剤を酸化分解させる加熱分解部と、低分子量化された開孔剤を洗浄液で洗浄して多孔質中空糸膜Mから除去する洗浄除去部とを有する手段等が挙げられる。
薬液保持部としては、薬液を収容する薬液槽を有し、その薬液中に多孔質中空糸膜Mを走行させることで薬液を保持させるもの等が挙げられる。
薬液を保持した多孔質中空糸膜Mを加熱する加熱分解部としては、大気圧下で加熱流体を用いて多孔質中空糸膜Mを加熱するものが好ましく、次亜塩素酸塩等の酸化剤の乾燥を防ぎ、効率的な分解処理が行える点から、加熱流体として相対湿度の高い流体を使用し、湿熱条件で加熱するものがより好ましい。
洗浄除去部としては、例えば、前記洗浄手段14で挙げた形態を採用することができる。
乾燥手段18は、多孔質中空糸膜Mを乾燥する手段である。乾燥手段18としては、多孔質中空糸膜Mを充分に乾燥することができるものであればよい。例えば、多孔質膜の乾燥に通常用いられる熱風乾燥機等の公知の乾燥装置を採用することができる。この例の乾燥手段18は、熱風を毎秒数m程度の風速で循環させることができる装置内に、多孔質中空糸膜Mを複数回往復させて連続的に走行させ、多孔質中空糸膜Mを外周側から乾燥するものである。
巻き取り手段20は、多孔質中空糸膜Mをボビン等に巻き取れるものであればよく、例えば、テンションロール、トルクモーター等により多孔質中空糸膜Mの張力を制御し、ガイドまたはボビンをトラバースさせながら巻き取る構成を有するものが挙げられる。
ガイド部材22は、製造装置1において、凝固手段12から、洗浄手段14、除去手段16、乾燥手段18、巻き取り手段20までの多孔質中空糸膜Mの走行を規制するものである。ガイド部材22を設けることにより、糸垂れを抑制することができ、それにより多孔質中空糸膜Mが各手段の内外や出入り口付近等に接触することを防止できる。
ガイド部材22は、多孔質中空糸膜の製造に通常用いられるものが使用でき、金属製またはセラミック製のガイド部材等が挙げられる。
本発明の別の実施態様である製造装置は、製膜原液を凝固液中で凝固させる凝固手段(凝固部とも云う)と、多孔質膜に残存する溶媒を除去する洗浄手段(洗浄部とも云う)と、多孔質膜を乾燥する乾燥手段(乾燥部とも云う)とを有している。尚、前記製造装置は、凝固液の温度を制御する温度制御手段を備えていることが好ましく、また、中空糸膜を巻き取る巻き取り手段が設けられていてもよい。
(多孔質中空糸膜製造装置II)
本発明の別の実施形態である前記製造装置は、製膜原液の塗膜を有する中空の糸状体を凝固液に浸漬することによって、前記製膜原液の塗膜を凝固した後、多孔質化して中空糸膜を製造する装置である。具体的には、本実施形態の製造装置は、図2に示すように、紡糸部110と凝固部120と濾過手段123と第1洗浄部130と移送部140と第2洗浄部150と乾燥部160とを有する。
また、図1に示すように温度制御手段28と巻き取り手段20を有していてもよい。
(紡糸部)
本実施形態における紡糸部110は、図3に示すように、中空紐状支持体を吐出させる支持体吐出口111aと、製膜原液を吐出させる環状の製膜原液吐出口111bとが形成された紡糸ノズル111を備えるものである。製膜原液吐出口111bは、支持体吐出口111aよりも外側に、支持体吐出口111aと同心円状に形成されている。
このような紡糸ノズル111は、支持体吐出口111aから中空紐状支持体を吐出させながら、製膜原液吐出口111bから製膜原液を吐出することによって、中空紐状支持体の外周面に製膜原液の塗膜を形成して中空の糸状体X’を作製できるようになっている。
(凝固部)
本実施形態における凝固部120は、凝固液Bが入れられる凝固槽(凝固浴槽とも云う)121と、凝固槽121から凝固液Bを抜き出す導出管122と、導出管122から抜き出された凝固液Bを濾過する濾過手段123と、濾過手段123を凝固槽121に接続する返送管124と、返送管124に設置されたポンプ125と、凝固槽121から凝固液Bの一部を第1洗浄部130に移送する凝固液移送管126とを備える。
凝固槽121には、その底部近傍に配置された第1ガイドロール121aと、凝固槽121の内側且つ縁部の近傍に配置された第2ガイドロール121bとが設けられている。第1ガイドロール121aは、紡糸部110で得た糸状体X’が凝固液B中で巻き掛けられるようになっている。第2ガイドロール121bは、糸状体X’を凝固液B中に通して得た中空糸Xを凝固槽121の外に導くようになっている。また、第2ガイドロール121bは、その周面の一部が凝固液Bに浸漬され、残る一部の周面が凝固液Bの液面上に露出するように設けられている。これにより、第2ガイドロール121bの周面には、常に凝固液Bが付着するようになっている。
濾過手段123は、フィルタを備え、導出管122によって供給された凝固液Bを濾過するものである。濾過法は、減圧濾過法、加圧濾過法、自然濾過法のいずれであってもよいが、簡便な装置で充分に異物捕捉しつつ濾過速度を速くできることから、減圧濾過法が好ましい。
フィルタの目開きは0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上30μm以下であることがより好ましい。フィルタの目開きが前記下限値以上であれば、濾過速度を向上させることができ、前記上限値以下であれば、異物捕捉量を多くできる。
上記凝固部120では、中空紐状支持体の外周面に製膜原液の塗膜を形成した中空の糸状体X’を、第1ガイドロール121aおよび第2ガイドロール121bによって走行させて、凝固槽121内の凝固液Bに浸漬し、製膜原液の塗膜を凝固液Bによって凝固して中空糸Xを得るようになっている。
また、凝固槽121から凝固液Bの一部を、導出管122を介して濾過手段123に移送して濾過し、濾液を、返送管124およびポンプ125を介して凝固槽121に返送するようになっている。
また、凝固槽121から凝固液Bの一部を、凝固液移送管126を介して第1洗浄部130に移送するようになっている。
(第1洗浄部)
本実施形態における第1洗浄部130は、洗浄液Cを自由落下させて吐出する洗浄液吐出手段131と、洗浄液吐出手段131の下方に配置されて、洗浄液Cに接触するように中空糸Xを走行させるガイド手段132と、ガイド手段132の下方に配置されて洗浄液Cを回収する回収手段133と、回収した洗浄液Cを洗浄液吐出手段131に返送する返送管134とを備える。
第1洗浄部130で使用される洗浄液Cは、凝固槽121から抜き出された凝固液Bである。
本実施形態における洗浄液吐出手段131は、洗浄液Cを貯蔵する貯蔵タンク131aと、洗浄液Cを鉛直方向の下方に吐出する複数の吐出口131b、131b・・・とを備えている。吐出口131bの形状については特に制限されない。また、貯蔵タンク131aには凝固液移送管126が接続されて、凝固槽121から、洗浄液Cとして再利用される凝固液Bが供給されるようになっている。
ガイド手段132は、落下する洗浄液Cに接触するように中空糸Xを走行させるものである。
ガイド手段132は、軸方向が水平になるように配置された上下1対の円筒状回転体132a、132bを有する。この円筒状回転体132a、132bは、回転することによって、中空糸Xを円筒状回転体132a、132bの間を往復させながら移送するようになっている。
円筒状回転体132a、132bの長さや、中空糸Xが円筒状回転体132a、132bの間を往復する回数は、中空糸X中の残存溶媒濃度に応じて適宜選択される。残存溶媒濃度が高いほど、往復回数を増すことが好ましい。
回収手段133は、洗浄液吐出手段131から落下して中空糸Xを洗浄した洗浄液Cを受けて回収するものである。
本実施形態における回収手段133は、洗浄液Cを回収する回収タンク133aと、回収された洗浄液Cの一部を中空糸膜製造装置の外に排出する排出管133bを有し、下側の円筒状回転体132bの下方に設けられている。
返送管134は、回収手段133で回収された洗浄液Cの一部を洗浄液吐出手段131に返送するものであり、回収タンク133aと貯蔵タンク131aとを接続している。
上記第1洗浄部130は、洗浄液吐出手段131の吐出口131bから洗浄液Cを落下させながら、ガイド手段132によって中空糸Xを走行させることによって、中空糸Xを洗浄液Cによって洗い流して洗浄するようになっている。
また、中空糸Xを洗浄した後の洗浄液Cは回収手段133で回収され、回収された洗浄液Cの一部は排出管133bを介して中空糸膜製造装置の外に排出され、残りは返送管134を介して洗浄液吐出手段131の貯蔵タンク131aに返送されてリサイクルされるようになっている。
(移送部)
移送部140は、中空糸Xを移送するように力を付与するものである。
本実施形態における移送部140は、回転駆動する複数本の駆動ロール141、141・・・と、駆動ロール141に向けて親水性ポリマーの良溶媒を吐出する駆動ロール洗浄手段142とを備える。
各駆動ロール141は、互いに平行に、且つ、中空糸Xを巻き掛けた際に中空糸Xに張力を付与できるように配置されている。
駆動ロール洗浄手段142の具体例としては、シャワー状に親水性ポリマーの良溶媒を吐出するノズルが挙げられる。親水性ポリマーの良溶媒の吐出は連続的であってもよいし、断続的であってもよい。
(第2洗浄部)
第2洗浄部150は、中空糸Xを加熱洗浄液Dによって洗浄し、親水性ポリマーを分解して中空糸膜Eを得るものである。
本実施形態における第2洗浄部150は、加熱洗浄液Dが入れられる洗浄槽151と、中空糸Xが加熱洗浄液Dに複数回浸漬されるように中空糸Xをガイドするガイド手段152と、加熱洗浄液Dを洗浄槽151に供給する加熱洗浄液供給管153と、洗浄槽151で使用された加熱洗浄液Dを凝固槽121に移送する加熱洗浄液移送管154とを備える。
本実施形態においては、洗浄槽151は略直方体状であり、その内部を加熱洗浄液Dが移動可能に複数に仕切る仕切り板151a、151bを有しており、加熱洗浄液Dが中空糸Xの移送方向の下流側から上流側に向かって移動するようになっている。本実施形態における洗浄槽151は、図4に示すように、上面視で長方形の開口部151cを有しており、開口部の長手方向に沿った一対の側壁(第1側壁151d、第2側壁151e)に垂直に、仕切り板151a、151bが複数取り付けられている。仕切り板151a、151bの長さは、第1側壁151dと第2側壁151eとの間の長さよりも短くされている。これにより、仕切り板151aと第2側壁151eとの間、仕切り板151bと第1側壁151dとの間に隙間が形成されている。また、第1側壁151dに取り付けられた仕切り板151aと、第2側壁151eに取り付けられた仕切り板151bとは交互に配置されている。
このような洗浄槽151では、仕切り板151a、151bに沿って加熱洗浄液Dが蛇行しながら、中空糸Xの移送方向の下流側から上流側に向かって移動するようになっている。
ガイド手段152は、洗浄槽151の加熱洗浄液Dの液面151fよりも下方に位置するように複数設けられた下部ガイドロール152aと、加熱洗浄液Dの液面151fよりも上方に位置するように複数設けられた上部ガイドロール152bとを有する。下部ガイドロール152aは、仕切り板151a、151bによって仕切られて形成された洗浄室151gの内部に設けられ、上部ガイドロール152bは、仕切り板151a、151bの上方に設けられている。
ガイド手段152では、下部ガイドロール152aと上部ガイドロール152bとに、中空糸Xを交互に掛け回して移送方向を反転させることによって、中空糸Xを鉛直方向に往復させながら移送させて、中空糸Xの加熱洗浄液Dへの浸漬と中空糸Xの加熱洗浄液Dからの引き上げとを繰り返すようになっている。これにより、中空糸Xを加熱洗浄液Dに複数回浸漬するようになっている。
加熱洗浄液供給管153は、中空糸Xの移送方向の最下流側の洗浄室151g1に取り付けられ、加熱洗浄液移送管154は、中空糸Xの移送方向の最上流側の洗浄室151g2に取り付けられている。
(乾燥部)
乾燥部160は、第2洗浄部150で洗浄された中空糸膜Eを乾燥するものである。具体的には、熱風乾燥機、真空乾燥機などが挙げられる。
乾燥部160よりも下流側には、中空糸膜Eを巻き取るボビン等の巻き取り手段が設けられていてもよい。
(多孔質膜の製造方法I)
次に、本発明の多孔質膜の製造方法について説明する。本発明の多孔質膜の製造方法は、補強支持体の外側に多孔質膜層を有する多孔質膜を製造する方法であってもよく、前記補強支持体を有さず多孔質膜層を有する多孔質膜を製造する方法であってもよい。また、単層の多孔質膜層を有する多孔質膜を製造する方法であってもよく、多層の多孔質膜層を有する多孔質膜を製造する方法であってもよい。さらに、吐出手段として紡糸ノズルを用いて紡糸して得られる多孔質中空糸膜であってもよく、シート状またはフィルム状の多孔質平膜であってもよい。
以下、本発明の多孔質膜の製造方法の一例として、前記製造装置1を用いた多孔質中空糸膜の製造方法を説明する。
本実施形態の多孔質中空糸膜の製造方法は、下記の紡糸工程、凝固工程、洗浄工程、除去工程、乾燥工程および巻き取り工程を有し、前記凝固工程は、凝固液の温度を制御することを特徴とする。
紡糸工程:紡糸ノズル10により製膜原液Aを紡糸する工程。
凝固工程:凝固手段12によって製膜原液Aを凝固液12a中で凝固させて多孔質中空糸膜Mを形成する工程。本工程においては、前記凝固工程は、凝固液の温度を制御することを特徴とする。
洗浄工程:洗浄手段14によって多孔質中空糸膜Mを洗浄して多孔質中空糸膜Mに残留する溶媒を除去する工程。
除去工程:除去手段16によって多孔質中空糸膜Mに残留する開孔剤を除去する工程。
乾燥工程:乾燥手段18によって多孔質中空糸膜Mを乾燥する工程。
巻き取り工程:巻き取り手段20によって乾燥後の多孔質中空糸膜Mを巻き取る工程。
紡糸工程:
紡糸ノズル10から製膜原液Aを吐出して紡糸する。製膜原液Aとしては、膜形成性樹脂、開孔剤および溶媒を含む製膜原液を使用する。
膜形成性樹脂としては、多孔質膜の多孔質膜層の形成に使用される通常の樹脂が使用でき、例えば、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂等の疎水性ポリマーが挙げられる。これらは必要に応じて適宜選択して使用することができ、中でも耐薬品性に優れることから、ポリフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
膜形成性樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
開孔剤としては、例えば、ポリエチレングリコールによって代表されるモノオール系、ジオール系、トリオール系、ポリビニルピロリドン等の高分子樹脂を使用することができる。これらは必要に応じて適宜選択して使用することができ、疎水性ポリマーとともに脱泡撹拌することにより、凝固後に好適に三次元網目構造の多孔質膜層を形成しうることから、親水性ポリマーを用いることが好ましく、中でも増粘効果に優れることから、ポリビニルピロリドンが好ましい。
開孔剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、前記膜形成性樹脂および開孔剤をいずれも溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドを用いることができる。
溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、ここで用いる製膜原液Aには、相分離の制御を阻害しない範囲で、任意成分として開孔剤以外のその他の添加剤を用いることもできる。
製膜原液A(100質量%)に対して膜形成性樹脂の含有量は、製膜時の安定性が向上し、優れた多孔質膜構造が形成されやすい点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。また、膜形成性樹脂の含有量は、同様の理由から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。すなわち、10質量%以上30質量%以下が好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましい。
製膜原液A(100質量%)に対して開孔剤の含有量は、多孔質中空糸膜Mの形成が容易になる点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、開孔剤の含有量は、製膜原液Aの取扱性の点から、20質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。すなわち、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上12質量%以下がより好ましい。
凝固工程:
紡糸ノズル10によって紡糸された製膜原液Aを、凝固手段12の凝固浴槽24に収容された凝固液12a中に浸漬し、製膜原液Aを凝固させて多孔質中空糸膜Mを形成する。
製膜原液Aは、凝固液12aに浸漬されることで、製膜原液A中に凝固液12aが拡散し、膜形成性樹脂と開孔剤がそれぞれ相分離を起こしつつ凝固して、膜形成性樹脂と開孔剤とが相互に入り組んだ三次元網目構造の多孔質膜層を形成する。この段階において、開孔剤はゲル状態で膜形成性樹脂と三次元的に絡みあっているものと推察される。
紡糸される製膜原液Aの温度は、20℃以上40℃以下が好ましい。
凝固液12aは、膜形成性樹脂を溶解しない溶媒で、開孔剤の良溶媒である必要がある。凝固液12aとしては、水、エタノール、メタノール等や、これらの混合物が挙げられる。なかでも、作業環境、運転管理の点から、製膜原液Aに使用する溶媒と水の混合液が好ましい。
本発明では、貯液槽内で温度制御手段によって温度制御した凝固液を凝固手段に送液することで、凝固工程に用いる凝固液の温度を制御することを特徴とする。具体的には、この例では、凝固浴槽24に収容された凝固液12aを、配管32を通じて貯液槽26に送って取り出し、貯液槽26において、加熱手段28aと冷却手段28bにより凝固液12aを加熱または冷却することで凝固液12aの温度を制御し、さらに配管34を通じて貯液槽26から凝固浴槽24に返送して循環させる。
従来のようにジャケット部分に循環させる温水の温度を制御することで凝固液の温度を間接的に制御する方法に比べて、前述のように貯液槽26で凝固液12aの温度を直接的に制御することにより、凝固液12aの温度の時間変動幅を小さくすることができる。これにより、得られる多孔質膜の透水性能(WF)、表面孔径等の品質の変動を抑えられる。また、凝固液12aを循環させつつ温度を制御する方法は、凝固浴槽内に連続的に温度制御された凝固液を投入できるとともに、循環による凝固浴槽内の撹拌効果も得られるため、より精密かつ均一な温度制御ができる点で好ましい。
一分間あたりに温度制御手段から凝固手段に送液される凝固液の量は、凝固槽内に貯液される液量に対して30%以上70%以下が好ましい。30%以上であると、凝固槽内の精密な温度調節が可能となる。しかし、一度70%を超えた場合には、凝固槽内に乱流が発生する。さらに、温度制御手段から凝固手段への流量が低下したときのギャップにより、凝固槽内に温度ムラが発生するおそれがある。
温度制御手段から凝固槽に送液される液体が、内径10mm以上30mm以下の配管を介して送液されることが好ましい。内径10mm以上30mm以下の範囲内であると、温度制御手段から凝固手段への配管からの放熱と圧力損失のバランスが良好である。
また、前記配管の長さが、500mm以上20000mm以下であることが好ましい。500mm以上20000mm以下の範囲内であると、温度制御手段から凝固槽手段への配管からの放熱と圧力損失のバランスが良好である。
さらに、温度制御手段から前記配管に送液される液体の温度が、凝固浴温度よりも1〜5℃高い温度であることが好ましい。前記液体の温度が凝固浴温度よりも1〜5℃高い温度であると、配管中で凝固液の温度が下がりきることがなく、凝固浴の温度制御が可能となる。
凝固工程における凝固液12aの温度は、60℃以上90℃以下の範囲内で制御されることが好ましい。つまり、前記範囲内で所定の温度を設定し、凝固液12aを前記所定の温度に制御しつつ、多孔質中空糸膜Mを製造することが好ましい。
なお、本発明の多孔質膜の製造における初期の凝固工程においては、凝固浴槽内の凝固液として上記温度のものを用いることは、作業効率化の点で好ましい。
本発明の多孔質膜の製造方法においては、凝固液の温度の変動幅を、予め設定した所定の温度から±1℃以内に抑えることが好ましい。これにより、得られる多孔質膜の透水性能(WF)、表面孔径等の品質の変動を抑えることが容易になる。
また、本発明の多孔質膜の製造方法においては、凝固工程で使用する凝固液の温度を工程中に測定し、その測定結果をフィードバックして凝固液の温度を制御することが好ましい。これにより、多孔質膜の品質の変動を抑制することが容易になる。凝固液の温度の測定は、多孔質膜の品質の変動を抑制することがより容易になることから、本実施形態においては、凝固浴槽24で行うことが好ましい。
また、この例では、紡糸ノズル10と凝固液12aとの間に空走区間が設けた乾湿式紡糸の形態であるが、この形態には限定されず、空走区間を設けずに製膜原液Aを直接凝固液12a中に紡糸する湿式紡糸を採用してもよい。
洗浄工程:
凝固工程で形成された多孔質中空糸膜Mには、溶液状態の開孔剤や溶媒が残存している。特に、多孔質中空糸膜Mは、開孔剤が膜中に残存していると充分な透水性を発揮できない。また、開孔剤が膜中で乾固すると、膜の機械的強度の低下の原因にもなる。一方、後述する除去工程において、酸化剤を使用して開孔剤を酸化分解(低分子量化)する際、多孔質中空糸膜M中に溶媒が残存していると、溶媒と酸化剤とが反応してしまうため、開孔剤の酸化分解が阻害される。そこで、本実施形態では、凝固工程後に、洗浄工程において多孔質中空糸膜M中に残存する溶媒を除去した後、除去工程において多孔質中空糸膜M中に残存する開孔剤を除去する。
洗浄工程では、洗浄手段14において、洗浄浴14bに収容された洗浄液14a中に多孔質中空糸膜Mを走行させ、多孔質中空糸膜Mを洗浄液14aで洗浄することで、多孔質中空糸膜M中に残存している溶媒を除去する。
多孔質中空糸膜M中の溶媒が膜内部から膜表面に拡散移動すると共に、膜表面から洗浄液14aに拡散移動して、多孔質中空糸膜Mから除去される。
洗浄液14aとしては、洗浄効果が高いことから水が好ましい。使用する水としては、水道水、工業用水、河川水、井戸水等が挙げられる。また、これらにアルコール、無機塩類、酸化剤、界面活性剤等を混合して使用してもよい。また、洗浄液14aとしては、製膜原液に含まれる溶媒と水との混合液も使用できる。ただし、前記混合液を使用する場合、溶媒の濃度は10質量%以下が好ましい。
洗浄液14aの温度は、多孔質中空糸膜M中に残存する溶媒の拡散移動速度が向上する点から、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。溶媒の揮発によるポリマーの濃縮の防止や過剰なエネルギー付与防止の点から、100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましい。すなわち、50℃以上100℃以下が好ましく、80℃以上95℃以下がより好ましい。
なお、洗浄工程では主に多孔質中空糸膜M中の溶媒を除去するが、多孔質中空糸膜Mを洗浄することで開孔剤も一部除去される。
除去工程:
除去工程では、除去手段16によって、多孔質中空糸膜Mに残存する開孔剤を除去する。
除去工程としては、例えば、酸化剤を含む薬液中に多孔質中空糸膜Mを浸漬し、多孔質中空糸膜Mに薬液を保持させた後、多孔質中空糸膜Mを気相中で加熱して開孔剤の酸化分解を行い、その後に多孔質中空糸膜Mを洗浄して低分子量化された開孔剤を除去する工程が挙げられる。
酸化剤としては、次亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過硫酸塩等が挙げられる。なかでも、酸化力が強く分解性能に優れること、取扱い性に優れること、安価なこと等の点より、次亜塩素酸塩が好ましい。次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム等が挙げられ、次亜塩素酸ナトリウムが特に好ましい。これらの酸化剤は、取り扱い性の観点から溶媒に溶解した薬液として用いることが好ましい。溶媒としては、公知の易溶解性を示す任意の溶媒を用いることができるが、中でも水溶液として用いることが好ましい。
多孔質中空糸膜Mに残存する開孔剤の酸化分解が薬液中で進行することを抑制しやすく、薬液中に脱落した開孔剤がさらに酸化分解して酸化剤が浪費されることを抑制しやすい点から、薬液の温度は、50℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。また、薬液を低温に制御するためのコスト等が抑えられる点から、薬液の温度は、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。すなわち、0℃以上50℃以下が好ましく、10℃以上30℃以下がより好ましい。
薬液を保持した多孔質中空糸膜Mの加熱は、大気圧下において加熱流体を使用することが好ましい。
加熱流体としては、酸化剤の乾燥が抑制され、より効率的な分解処理が可能となる点から、相対湿度の高い流体を使用すること、すなわち湿熱条件で加熱を行うことが好ましい。この場合、加熱流体の相対湿度は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、100%近傍が特に好ましい。
加熱温度は、連続処理を行う場合、処理時間を短くできることから、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、加熱温度は、大気圧状態では、100℃以下が好ましい。すなわち、50℃以上100℃以下が好ましく、80℃以上100℃以下がより好ましい。
低分子量化された開孔剤を除去する方法としては、多孔質中空糸膜Mを洗浄する方法が好ましい。洗浄方法としては特に制限されず、前記洗浄工程で挙げた洗浄方法を採用できる。
乾燥工程:
乾燥手段18によって多孔質中空糸膜Mを乾燥する。
多孔質中空糸膜Mの乾燥方法としては、多孔質中空糸膜の乾燥方法として通常使用される方法が使用でき、例えば、多孔質中空糸膜Mを熱風によって乾燥する熱風乾燥方法等が挙げられる。具体的には、例えば、熱風を毎秒数m程度の風速で循環させることができる装置内に、多孔質中空糸膜Mを複数回往復させて連続的に走行させ、多孔質中空糸膜Mを外周側から乾燥する方法が挙げられる。
巻き取り工程:
巻き取り手段20によって、乾燥後の多孔質中空糸膜Mを巻き取る。
以上説明した本発明の多孔質膜の製造方法および製造装置にあっては、貯液槽内で温度制御した凝固液を凝固手段に送液して凝固工程に用いる温度を制御するため、従来のようにジャケット部分に循環させる温水の温度を制御することで凝固液の温度を間接的に制御する方法に比べて、凝固液の温度をより精密に制御することができる。そのため、得られる多孔質膜の透水性能(WF)、表面孔径等の品質の変動を抑制できる。特に、本発明の多孔質膜の製造方法及び製造装置にあっては、凝固工程で使用する凝固液の温度を、所定の温度の±5℃以内に制御することもでき、得られる多孔質膜の品質の変動をより抑制することができる。
なお、本発明の多孔質膜の製造装置は、前記製造装置1には限定されない。例えば、吐出手段として、紡糸ノズルの代わりに、Tダイ等を用いて多孔質平膜を製造する方法であってもよい。
また、本発明の多孔質膜の製造方法及び製造装置は、貯液槽内で温度制御した凝固液を凝固手段に送液して凝固工程に用いる温度を制御する以外は公知の方法及び装置形態を採用することができる。
(多孔質中空糸膜の製造方法II)
以下に、多孔質中空糸膜製造装置IIを用いた中空糸膜の製造方法の一例について説明する。
本製造例は、紡糸工程と凝固工程と第1洗浄工程と移送工程と第2洗浄工程と乾燥工程とを有し、前記凝固工程では凝固液を濾過することを特徴とする。
[紡糸工程]
紡糸工程では、紡糸ノズル111の支持体吐出口111aから中空紐状支持体を吐出させながら、製膜原液吐出口111bから製膜原液を吐出することによって、中空紐状支持体の外周面に製膜原液の塗膜を形成して中空の糸状体X’を作製する。
本実施形態で使用される中空紐状支持体としては、編紐または組紐を使用することができる。編紐または組紐を構成する繊維として、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維等が挙げられる。また、繊維の形態は、モノフィラメント、マルチフィラメント、紡績糸のいずれであってもよい。
製膜原液は、通常、疎水性ポリマーと親水性ポリマーとこれらを溶解する溶媒とを含む。製膜原液は、必要に応じてその他の添加成分を含んでもよい。
疎水性ポリマーとしては、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートなどが挙げられる。また、これらの共重合体であってもよい。疎水性ポリマーを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記疎水性ポリマーのなかでも、次亜塩素酸などの酸化剤に対する耐久性が優れる点から、フッ素系樹脂が好ましく、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデンと他の単量体からなる共重合体が好ましい。
親水性ポリマーは、製膜原液の粘度を中空糸Xの形成に好適な範囲に調整し、製膜状態の安定化を図るために添加されるものであって、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンなどが好ましく使用される。これらの中でも、得られる中空糸膜の孔径の制御や中空糸膜の強度の点から、ポリビニルピロリドンやポリビニルピロリドンに他の単量体が共重合した共重合体が好ましい。
また、親水性ポリマーには、2種以上の樹脂を混合して使用することもできる。例えば親水性ポリマーとして、より高分子量のものを用いると、膜構造の良好な中空糸膜を形成しやすい傾向がある。一方、低分子量の親水性ポリマーは、後述の親水性ポリマー除去工程において中空糸Xからより除去されやすい点で好適である。よって、目的に応じて、分子量が異なる同種の親水性ポリマーを適宜ブレンドして用いてもよい。
溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルモルホリン−N−オキシドなどが挙げられ、これらを1種以上使用できる。また、溶媒への疎水性ポリマーや親水性ポリマーの溶解性を損なわない範囲で、疎水性ポリマーや親水性ポリマーの貧溶媒を混合して使用してもよい。
製膜原液の温度は、特に制限はないが通常は20℃以上40℃以下である。
製膜原液中における疎水性ポリマーの濃度は、薄すぎても濃すぎても製膜時の安定性が低下し、目的の中空糸膜が得られに難くなる傾向にあるため、下限は10質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。また、上限は30質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。すなわち、10質量%以上30質量%以下が好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましい。
一方、親水性ポリマーの濃度の下限は、中空糸膜をより形成しやすいものとするために1質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。親水性ポリマーの濃度の上限は、製膜原液の取扱性の点から20質量%が好ましく、12質量%がより好ましい。すなわち、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上12質量%以下がより好ましい。
[凝固工程]
凝固工程では、中空紐状支持体の外周面に形成させた製膜原液の塗膜を凝固させることによって、中空糸Xを得る。
具体的には、製膜原液の塗膜が形成された糸状体X’を、凝固液Bが入った凝固槽121の内部の第1ガイドロール121aに向けて移送し、その移送方向を第1ガイドロール121aにて反転させて凝固液B内を走行させる。製膜原液の塗膜と凝固液Bとが接触すると、製膜原液中に凝固液Bが拡散するにつれて、疎水性ポリマーと親水性ポリマーとが相分離するため、疎水性ポリマーが凝固する。これにより、疎水性ポリマーとゲル状の親水性ポリマーとが相互に入り組んだ三次元網目構造が外周面及び膜内部に形成され、中空糸Xとなる。
凝固により得られた中空糸Xは、第2ガイドロール121bを介して、凝固槽121の外側に移送される。
また、凝固工程では、凝固液Bの一部を、凝固槽121から導出管122を介して濾過手段123に移送し、濾過手段123によって濾過する。次いで、濾過により得られた濾液を、返送管124およびポンプ125によって凝固槽121に返送する。濾過手段123により捕捉された異物は濾過手段123の外部に排出される。
また、凝固工程では、凝固槽121内の凝固液Bの一部を、凝固液移送管126を介して第1洗浄部130の貯蔵タンク131aに移送する。
凝固液Bは、疎水性ポリマーの非溶媒で、親水性ポリマーの良溶媒であり、水、エタノール、メタノール等やこれらの混合物が挙げられるが、なかでも、製膜原液に用いた溶媒と水との混合液が安全性、運転管理の面から好ましい。
尚、凝固液の温度を制御する温度制御手段28(図2の温度制御手段は省略)によって温度制御した凝固液Bを凝固部120に送液することで、凝固工程に用いる凝固液Bの温度を制御することが好ましい。
[第1洗浄工程]
第1洗浄工程では、貯蔵タンク131a内の洗浄液Cを洗浄液吐出手段131の吐出口131bから落下させながら、ガイド手段132によって中空糸Xを円筒状回転体132a、132bの間を往復させつつ移送する。その際、中空糸Xに洗浄液Cが付着し、その洗浄液Cに向かって、中空糸X内部に残留する溶媒が拡散移動する。付着した洗浄液Cは中空糸Xの表面を伝って流れ落ちるため、中空糸Xから主に溶媒を除去する。これにより、中空糸Xを洗浄する。またこの工程において、一部の親水性ポリマーが中空糸Xより脱離する場合もある。
また、中空糸Xを洗浄した洗浄液Cは、回収手段133の回収タンク133aに落下し、回収された洗浄液Cの一部は排出管133bを介して排出され、残りは返送管134を介して洗浄液吐出手段131の貯蔵タンク131aに返送されてリサイクルされる。
[移送工程]
移送工程では、回転駆動する各駆動ロール141に中空糸Xを巻き掛けて、張力を付与しつつ移動させる。
また、移送工程では、駆動ロール洗浄手段142からシャワー状に親水性ポリマーの良溶媒を吐出させて、駆動ロール141を洗浄する。
[第2洗浄工程]
第2洗浄工程では、中空糸Xを洗浄槽151内の加熱洗浄液Dに繰り返し浸漬することによって洗浄する。この工程において、親水性ポリマーが分解及び洗浄されて脱離することにより、疎水性ポリマーによる三次元網目構造が形成された中空糸膜Eが得られる。
具体的には、加熱洗浄液供給管153を介して洗浄槽151の洗浄室151g1に加熱洗浄液を供給し、仕切り板151a、151bによって仕切られた洗浄槽151内を蛇行させながら、洗浄室151g1から洗浄室151g2に向かって移動させる。その後、洗浄に使用した加熱洗浄液Dを、加熱洗浄液移送管154を介して洗浄槽151の洗浄室151g2から排出し、凝固槽121に移送する。
それと同時に、中空糸Xを下部ガイドロール152aと上部ガイドロール152bとの間を往復させながら移送させる。これにより、中空糸Xの加熱洗浄液Dへの浸漬と中空糸Xの加熱洗浄液Dからの引き上げとを繰り返して、中空糸Xを加熱洗浄液Dによって洗浄して、中空糸膜Eを得る。
加熱洗浄液Dとしては、洗浄効果が高いことから水が好ましい。使用する水としては、水道水、工業用水、河川水、井戸水等が挙げられ、これらにアルコール、無機塩類、酸化剤、界面活性剤等を混合して使用してもよい。また、加熱洗浄液Dとしては、製膜原液に含まれる溶媒と水との混合液を用いることもできる。ただし、この混合液を用いる場合、溶媒の濃度は10質量%以下が好ましい。
加熱洗浄液Dの温度は、中空糸X中に残存する溶媒の拡散移動速度の低下を防ぐため、高い方が好適であり、50℃以上が好ましく、より好ましくは80℃以上である。さらに、加熱洗浄液Dを沸騰させながら洗浄を行うと、沸騰によるバブリングによって中空糸Xの外表面を掻き取ることもできるため、効率のよい洗浄が可能となる。
[乾燥工程]
乾燥工程の方法としては特に制限はなく、熱風乾燥、真空乾燥等を適用することができる。乾燥工程後には、乾燥された中空糸膜Eをボビン等の巻き取り手段に巻取ってもよい。
(作用効果)
上記実施形態では、凝固槽121から凝固液Bを抜き出して濾過手段123により濾過することにより、凝固液Bから異物を除去できるため、中空糸Xに異物が接触して傷付くことを防止できる。
また、中空糸Xが第2ガイドロール121bを介して走行することよって、中空糸Xに付着した凝固液Bが第2ガイドロール121bに移行し、さらに第2ガイドロール121bから流れ落ちて凝固槽121に戻される。これにより、第1洗浄部130および第2洗浄部における洗浄の負荷を軽減できる。また、第2ガイドロール121bは、その周面の一部が凝固液Bに浸漬しているため、回転することによって、周面を洗浄できる。第1洗浄部130では、洗浄液吐出手段131から吐出した洗浄液Cにより中空糸Xを洗浄することによって、中空糸Xに含まれる親水性ポリマーや製膜原液に用いた溶媒を除去できる。特に、洗浄液吐出手段131は洗浄液Cを自由落下させて吐出するため、吐出のためのエネルギー量を少なくできる。
また、移送部140では、駆動ロール洗浄手段142によって駆動ロール141を洗浄するため、中空糸Xを円滑に移送することができる。すなわち、駆動ロール141には、中空糸Xから第1洗浄工程において脱落した親水性ポリマーが再付着しやすいが、駆動ロール洗浄手段142によって駆動ロール141に親水性ポリマーの良溶媒を吐出して洗浄することによって、親水性ポリマーの付着・堆積を抑制できる。これにより、中空糸Xの移送を円滑にできる。
第2洗浄部150では、加熱洗浄液Dにより中空糸Xを洗浄することによって、中空糸Xに含まれる親水性ポリマーや製膜原液に用いた溶媒をさらに除去できる。特に、上記第2洗浄部150では、下部ガイドロール152aおよび上部ガイドロール152bを用いて、中空糸Xを繰り返し加熱洗浄液Dに浸漬することによって、中空糸Xの洗浄性をより高くできる。
また、第2洗浄部150では、加熱洗浄液Dを中空糸Xの移送方向の下流側から上流側に向かって移動するようになっており、中空糸Xの下流側ほど、汚れの少ない加熱洗浄液Dに接触するようになっている。そのため、加熱洗浄液Dによって中空糸Xを効率的に洗浄することができる。さらに、仕切り板151a、151bによって加熱洗浄液Dの流れを蛇行させて滞留時間を長くするため、多くの加熱洗浄液Dを中空糸Xに接触させることができる。
また、上記実施形態では、第2洗浄部150で洗浄に使用した加熱洗浄液Dを凝固部120における凝固液Bとして再利用し、さらに、凝固槽121から抜き出した凝固液Bを第1洗浄部130における洗浄液Cとして再利用するので、高濃度のBODを含む排水の排出量を削減できる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態においては、補強用の中空紐状支持体の外周面に多孔質膜層を形成したが、中空紐状支持体を有さず、多孔質膜のみを形成してもよい。その場合、図3における支持体吐出口111aは必ずしも必要ではない。あるいは、支持体吐出口111aを内部凝固液等の吐出口としてもよい。また、多孔質膜のみの場合、単層であってもよいが、図3に示す紡糸ノズル111を二重環状紡糸ノズルに代えて、同時に多層の多孔質膜層を形成し、複合多孔質膜を製造してもよい。
また、凝固部においては、第2ガイドロールが凝固液の液面の上方に設けられていてもよい。
第1洗浄部においては、洗浄液吐出手段から洗浄液を落下させて中空糸に接触させなくてもよい。例えば、洗浄液を、中空糸の側面に吹き付けてもよい。また、回収した洗浄液の一部を洗浄液吐出手段に返送しなくてもよい。また、第1洗浄部で使用する洗浄液は、凝固槽から移送した凝固液でなくてもよく、未使用の洗浄液であってもよい。洗浄液の成分としては、第2洗浄部で使用する洗浄液と同じものを使用することができる。
移送部においては、駆動ロール洗浄手段を備えず、駆動ロールを洗浄しなくてもよい。
第2洗浄部においては、洗浄槽が仕切り板で仕切られていなくてもよい。また、中空糸を加熱洗浄液に繰り返し浸漬させず、1回の浸漬であってもよい。また、加熱洗浄液を、中空糸の移送方向の上流側から下流側に移動させてもよい。また、第2洗浄部で使用した加熱洗浄液を凝固槽に移送しなくてもよい。
また、本発明においては、第1洗浄部、移送部および第2洗浄部を有していなくてもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]
図1に例示した多孔質中空糸膜製造装置1を使用して以下のようにして多孔質中空糸膜を製造した。
膜形成性樹脂としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(アルケマ社製、商品名PVDF301F)の29.7kg、開孔剤としてポリビニルピロリドン(PVP)(日本触媒社製、商品名PVP−K79)の15.6kgと、溶媒としてジメチルアセトアミド(DMAc)(サムソンファインケミカル社製)の112.2Lとを混合して、第1の製膜原液を調製した。また、膜形成性樹脂としてPVDF(アルケマ社製、商品名PVDF301F)の19kgおよびPVDF(アルケマ社製、商品名PVDF9000HD)の18kgと、開孔剤としてPVP(日本触媒社製、商品名PVP−K79)の18kgと、溶媒としてDMAc(サムソンファインケミカル製の103.3Lとを混合して、第2の製膜原液を調製した。第1の製膜原液が内側の多孔質中空糸膜層の形成用、第2の製膜原液が外側の多孔質中空糸膜層の形成用である。
中空状の補強支持体として編紐(三菱レイヨン社製、品番M1205)を使用し、32℃に保温した紡糸ノズル10により、前記補強支持体の外側に、第1の製膜原液と第2の製膜原液を塗布するように紡糸し、温度制御手段28によって80℃に制御した凝固液12a(8質量%DMAc水溶液)中で前記製膜原液を凝固させて多孔質中空糸膜Mを形成した。紡糸速度(多孔質中空糸膜Mの走行速度)は20m/分とした。製造中の凝固浴槽24内の凝固液12aの温度をデジタル温度計(SATO計量器製、SK−1250MCIIIα)により測定したところ、温度の変動は79.5〜80.5℃の範囲内であった。
次いで、洗浄手段14において、90℃の洗浄液14a(熱水)中に多孔質中空糸膜Mを走行させ、多孔質中空糸膜M中に残留する溶媒を除去した。その後、除去手段16において、温度20℃、濃度5%の次亜塩素酸塩水溶液が入れられた薬液槽内に、多孔質中空糸膜Mを走行させて薬液を保持させた後、温度100℃、相対湿度100%、滞在時間3分の条件で加熱して開孔剤を低分子量化した後、低分子量化した開孔剤を60℃の水によって除去した。
次いで、乾燥手段18において、温度120℃、風速3m/秒の熱風を内部に循環させた装置内に多孔質中空糸膜Mを複数回走行させ、多孔質中空糸膜Mを乾燥して巻き取り手段20に巻き取った。
得られた多孔質中空糸膜の外径は約2.8mm、内径は約1.1mm、膜厚は900μm、編紐から表面までの多孔質層の厚みは400μmであった。
[比較例1]
貯液槽26および温度制御手段28を有さず、凝固浴槽のジャケット部分に循環させる温水の温度を制御することで、前記凝固浴槽内の凝固液の温度を制御する凝固手段を備えた以外は、製造装置1と同じ構成の多孔質中空糸膜の製造装置を用いて、凝固液の温度を80℃に制御しつつ、実施例1と同様にして多孔質中空糸膜を製造した。製造中の凝固浴槽内の凝固液の温度をデジタル温度計(SATO計量器製 SK−1250MCIIIα)により測定したところ、温度の変動は78〜82℃の範囲内であった。
得られた多孔質中空糸膜の外径は平均2.8mm、内径は平均1.1mm、膜厚は900μm、編紐から表面までの多孔質層の厚みは400μmであった。
[評価方法]
本実施例において製造した多孔質中空糸膜の品質の評価は、下記の工程(1)〜(5)からなる方法で、同一製造過程(製造装置を止めることなく各条件下で連続的に製造した多孔質中空糸膜)において得られた多孔質中空糸膜からミニモジュールを5個作製して、各ミニモジュールについてバブルポイントを測定することにより行った。
(ミニモジュールの製造方法)
(1)有効長約4cmの多孔質中空糸膜の足部にキャップを取り付けた。
(2)ポッティング剤として、コロネート4403(日本ポリウレタン工業社製)の52質量%と、ニッポラン4423(日本ポリウレタン工業社製)の48質量%を調合し、スパチュラで撹拌した。
(3)調合したポッティング剤をキャップの足部に垂らした。
(4)40℃に設定した乾燥機中で3時間放置し、ポッティング剤を硬化させた。
(5)多孔質中空糸膜の先端部を(2)と同様にして調合したポッティング剤で封止し、(4)と同様にして40℃の乾燥機中でポッティング剤を硬化させた。
(バブルポイントの測定方法)
バブルポイントは、JIS K 3832に従って、エチルアルコールを測定媒体として測定した。前記バブルポイントの値は、多孔質中空糸膜の最大孔径の指標となる値であり、この値が大きいほど最大孔径が小さいことを示す。開孔剤の洗浄性(除去性)が良好であれば、膜表面に微細な亀裂等の欠陥が発生することが抑制され、その結果バブルポイントの値が高くなる。
各例で得られた多孔質中空糸膜についてバブルポイントを評価した結果を表1に示す。なお、表1におけるバブルポイントの最大・最小・平均値は、いずれも5個のミニモジュール測定値のうちの最大・最小・平均した値を意味する。
Figure 0005549955
各例で得られた多孔質中空糸膜の品質を評価したところ、比較例1で得られた多孔質中空糸膜は、平均値で見た場合、バブルポイントが低く、また、実施例1で得られた多孔質中空糸膜に比しては最大値と最小値の差が大きく、すなわち、品質の変動が大きくなった。
本発明によれば、凝固液の温度を安定に制御でき、得られる多孔質膜の品質の変動を抑制できる多孔質膜の製造方法及び製造装置を提供することが出来る。また、多孔質膜を傷付けずに製造する製造装置を提供することが出来る。
1 多孔質膜の製造装置
10 紡糸ノズル
12 凝固手段(凝固部)
12a 凝固液
14 洗浄手段(洗浄部)
14a 洗浄液
16 除去手段(除去部)
18 乾燥手段(乾燥部)
20 巻き取り手段
22 ガイド部材
24 凝固浴槽
26 貯液槽
28 温度制御手段
28a 加熱手段
28b 冷却手段
A 製膜原液
M 多孔質中空糸膜
110 紡糸部
111 紡糸ノズル
111a 支持体吐出口
111b 製膜原液吐出口
120 凝固部
121 凝固槽(凝固浴槽)
121a 第1ガイドロール
121b 第2ガイドロール
122 導出管
123 濾過手段
124 返送管
125 ポンプ
126 凝固液移送管
130 第1洗浄部
131 洗浄液吐出手段
131a 貯蔵タンク
131b 吐出口
132 ガイド手段
132a,132b 円筒状回転体
133 回収手段
133a 回収タンク
133b 排出管
134 返送管
140 移送部
141 駆動ロール
142 駆動ロール洗浄手段
150 第2洗浄部
151 洗浄槽
151a,151b 仕切り板
151c 開口部
151d 第1側壁
151e 第2側壁
151f 液面
151g,151g1,151g2 洗浄室
152 ガイド手段
152a 下部ガイドロール
152b 上部ガイドロール
153 加熱洗浄液供給管
154 加熱洗浄液移送管
160 乾燥部
X 中空糸
X’ 糸状体
B 凝固液
C 洗浄液
D 加熱洗浄液
E 中空糸膜(多孔質中空糸膜)

Claims (11)

  1. 製膜原液を凝固液中で凝固させる凝固工程を有する多孔質膜の製造方法であって、
    前記製膜原液を凝固させる凝固手段から前記凝固液を取り出し、貯液槽中で温度制御手段によって温度制御した凝固液を前記凝固手段に返送して循環させることにより、前記凝固工程に用いる凝固液の温度を制御する多孔質膜の製造方法。
  2. 前記凝固手段における製膜原液を凝固させる凝固浴槽で前記凝固液の温度を測定し、その測定結果をフィードバックして貯液槽中の凝固液の温度を制御する、請求項1に記載の多孔質膜の製造方法。
  3. 前記凝固手段が凝固浴槽であり、1分間当たりに温度制御手段から凝固手段に送液される凝固液の量が、凝固浴槽内に貯液される液量に対して、30%以上70%以下である請求項1または2に記載の多孔質膜の製造方法。
  4. 温度制御手段から送液される凝固液が、内径10mm以上30mm以下の配管を介して凝固浴槽に送液される請求項3に記載の多孔質膜の製造方法。
  5. 前記配管の長さが、500mm以上20000mm以下である請求項4に記載の多孔質膜の製造方法。
  6. 温度制御手段から前記配管に送液される液体の温度が、凝固浴温度よりも1〜5℃高い温度である請求項4または5に記載の多孔質膜の製造方法。
  7. 製膜原液を凝固液中で凝固させる凝固手段と、
    前記凝固手段から取り出した凝固液を貯液する貯液槽と、
    前記貯液槽から前記凝固手段に凝固液を供給する供給手段と、
    前記貯液槽内で前記凝固液の温度を制御する温度制御手段とを有し
    前記温度制御手段により前記貯液槽内で温度が制御された凝固液が、前記供給手段により前記凝固手段に返送されて循環される、多孔質膜の製造装置。
  8. 前記凝固手段が、前記製膜原液を凝固させる凝固浴槽と、前記凝固浴槽内の前記凝固液の温度を測定する温度測定手段を有し、前記温度測定手段による測定結果をフィードバックして前記温度制御手段により凝固液の温度が制御される、請求項に記載の多孔質膜の製造装置。
  9. 前記凝固浴槽外に設けられた、前記凝固液を濾過する濾過手段を備える請求項8記載の多孔質膜製造装置。
  10. 前記多孔質膜が多孔質中空糸膜である請求項7〜9のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造装置。
  11. 前記凝固浴槽には、製膜原液の凝固によって得られた多孔質中空糸を凝固浴槽外に導くガイドロールが、その周面の一部が凝固液に浸漬され、残る一部の周面が凝固液の液面上に露出するように設けられている、請求項10に記載の多孔質膜製造装置。
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