JP5549845B2 - ベルトコンベア - Google Patents
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Description
ところで、ベルトは、経年劣化や破損、あるいは磨滅などのため、一定の駆動時間毎に交換が必要となる。無端ベルトについては、上記のような優位性がある反面、交換のための作業が煩雑なものとなる。即ち、従来の無端ベルトを用いたベルトコンベアについて、無端ベルトを交換しようとする場合には、一方のフレームを取り外し、ベルト交換の後に再度フレームを取り付けるということが必要となる。このようなベルト交換作業は、生産ラインを長時間停止せざるを得ず、生産効率という観点から問題がある。
本発明に係るベルトコンベアは、各々が長尺状をし、互いの間に間隙をあけて並設された2本のフレームと、フレームの長手方向において互いの間に間隔をあけ、各々が2本のフレーム間で架設された状態で回転自在に軸支された一対のプーリと、一対のプーリ間で張設された無端ベルトとを有する。そして、本発明に係るベルトコンベアでは、一対のプーリの内の一方が、2本のフレーム間の間隙に対し、フレームの長手方向および2本のフレーム同士の対向方向の双方に交差する方向の外側から挿嵌され、当該挿嵌された状態で2本のフレームに対し連結部材による連結を以って軸支されていることを特徴とする。
なお、一対のプーリの内の他方のプーリの連結構造については特に限定がないが、フレームの取り外しを伴わずに無端ベルトの交換を行うことができる構成とすることが必要となる。例えば、上記一方のプーリと同じ構成を採用することで、ベルト交換に際して、もう一方のプーリについてもコンベアの上方向に抜き出すようにしてもよく、あるいは、フレームの長手方向に沿ってスライド移動させて抜き出すようにすることもできる。
上記本発明に係るベルトコンベアでは、2本のフレームの各々における上記一方のプーリの架設部分に、リング状をしたベアリングと当該ベアリングのリング内孔に一端が圧入された柱状のボスとが取り付けられているという構成を採用することができる。そして、これに加えて、上記一方のプーリの両端面において、各々の中心を通り、且つ、互いに同一方向に延びる溝が彫設され、上記一方のプーリは、ボスの他端部分がプーリの端面に彫設された溝に嵌入された状態で、2本のフレームに対して軸支されているという構成を採用することができる。
[実施の形態]
1.全体構成
実施の形態に係るベルトコンベア1の全体構成について、図1を用い説明する。
フレーム10,11には、その側面に脚部材16,17が接合されている(フレーム10に接合された脚部材については、図示を省略)。また、フレーム10,11には、ガイドプレート18,19が取り付けられている。ガイドプレート18,19は、それぞれX軸方向に長尺状である。
2.駆動プーリ12周辺の構造
ベルトコンベア1における駆動プーリ12周辺(図1における矢印Aで示す部分)の構造について、図2を用い説明する。図2は、駆動プーリ12周辺の構造を示す展開斜視図である。
駆動プーリ12は、フレーム10,11に対し、ベアリング20,21および駆動プーリボス22,23が介挿された状態で、両側からボルト24,25を以って取り付けがなされている。このような取り付け形態により、駆動プーリ12は、回転自在となっている。
ベルトコンベア1における従動プーリ13周辺(図1における矢印Bで示す部分)の構造について、図3を用い説明する。図3は、従動プーリ13周辺の構造を示す展開斜視図である。
図3に示すように、2本のフレーム10,11は、その間が略コ字状をしたフレーム連結部材36により固定されている。フレーム10,11とフレーム連結部材36とは、ボルト37,38により固定されている。なお、図示の都合上、フレーム10とフレーム連結部材36との間を固定するボルトについては、図示を省略している。図3に破線で示すように、フレーム11には、その溝11b内にストッパ部材39が内挿されている。ストッパ部材39は、ボルト37,38を兼用してフレーム11に対して固定されている。
4.ベルト14の交換
ベルトコンベア1においてベルト14の交換手順について、図4を用い説明する。図4は、ベルトコンベア1において、ベルト14を交換するために駆動プーリ12をフレーム10,11から離間させた途中の状態を示す斜視図である。
次に、ボルト24,25を抜き取ることにより、駆動プーリ12の溝12a,12bと駆動プーリボス22,23の内側先端22a、23aとは互いに摺動可能となるので、駆動プーリ12をZ軸方向上側(矢印Cの側)へと取り外すことができる。
本実施の形態に係るベルトコンベア1では、上記のように、駆動プーリ12をフレーム10,11からZ軸方向上側へと抜き出し、さらに、従動プーリ13をX軸方向右上側へと抜き出した後、プーリ12,13からベルト14を取り外すことにより実行が可能となる。ベルト14を取り付けるときには、上記の手順とは逆の操作を行えば良い。
本実施の形態に係るベルトコンベア1では、ボルト24,25の螺結解除の後、無端状のベルト14の張設に係る一対のプーリ12,13の内、駆動プーリ12がフレーム10,11に対してその上側方向(Z軸方向上側)に抜き出すことができる。このため、ベルトコンベア1では、ベルト14を駆動プーリ12とともにZ軸方向上側へと抜き出し、その後に従動プーリ13をフレーム10,11の長手方向にスライドさせて取り外すことが可能である。よって、ベルトコンベア1では、両側のフレーム10,11の一方を取り外したり、変形させたりする必要がなく、また、上記特許文献1〜4に係る従来技術のように、隣接する箇所にベルト14を交換するためのスペースをわざわざ設けておく必要がなく、生産現場におけるスペース効率という観点から優れている。
[変形例1]
変形例1に係るベルトコンベアの構成について、図5〜図7を用い説明する。なお、本変形例1に係るベルトコンベアでは、駆動プーリ42周辺の構造が上記実施の形態に係るベルトコンベア1と相違するので、当該相違部分について説明する。
図5に示すように、変形例1に係るベルトコンベアでは、駆動プーリ42とフレーム40,41との取り付け構造が、上記実施の形態に係るベルトコンベア1と相違する。フレーム40には孔40aが設けられ、同様に、フレーム41には孔41aが設けられている。なお、図5では、隠れているが、フレーム41におけるフレーム40に対向する側では、孔41aのサイズが、ベアリング51の外径に相当するものとなっており、且つ、ベアリング51は、孔41aに対して密に嵌め合わされる。
駆動プーリボス52には、そのY軸方向右手前側の端部52aが円板状になっており、その径中央にキリ穴52cが形成されている。また、駆動プーリボス52の端部52aにおける主面の一部からは、Y軸方向に向けてピン52bが植設されている。このピン52bは、駆動プーリ42におけるY軸方向左奥側の端面に駆動プーリボス52の端部52aの主面を当接させた際に、駆動プーリ42の端面に対応して設けられた孔に挿入され、互いの係合により駆動プーリボス52に対して駆動プーリ42が空転しないようにするためのものである。
2.内部構造
変形例1に係るベルトコンベアの駆動プーリ42周辺の内部構造について、図6を用い説明する。なお、図6では、ベルトコンベアの駆動時における状態での断面を示す。
本変形例1に係るベルトコンベアにおいても、無端状のベルトを交換する際には、駆動プーリ42をフレーム40,41に対して図5のZ軸方向上側へと離間させる。この場合の駆動プーリ42の取り外しに係る操作手順について、図7を用い説明する。
図7(a)に示すように、本変形例1に係るベルトコンベアにおいて、無端状のベルトを交換する場合には、先ず、ボルト56を少し緩めて駆動プーリボス53およびベアリング51がY軸方向に移動できるようにする。なお、ボルト56については、完全には抜ききらず、緊結状態を解除できるまで緩めるだけである。これは、再度、ボルト56を締める際に、駆動プーリボス53における溝53bの位置にボルト56の先端を侵入させる際の容易性を考慮したものである。
上記のように、駆動プーリボス53およびベアリング51を駆動プーリ42のボス孔42a,42dの奥へと押し込んだ状態では、駆動プーリ42のY軸方向右側の端面とフレーム41との間には、隙間t1が空くことになる。
図7(b)の状態にした後、駆動プーリ42をフレーム40,41に対して紙面の手前側(上方)へと抜き出すことができる。この後の操作に関しては、上記実施の形態と同様である。
[変形例2]
変形例2に係るベルトコンベアの構成について、図8および図9を用い説明する。なお、本変形例2に係るベルトコンベアでは、駆動プーリ62周辺の構造が上記実施の形態に係るベルトコンベア1および上記変形例1に係るベルトコンベアと相違するので、当該相違部分について説明する。
図8に示すように、本変形例2に係るベルトコンベアでは、駆動プーリ62の基本的構成および駆動プーリ62へのスプロケット65、駆動プーリボス72の取り付け構造については、上記変形例1に係るベルトコンベアと同様である。ベルトコンベアの駆動時においては、駆動プーリ62に対し、そのネジ穴62bにスプロケット65および駆動プーリボス72を貫いた状態のボルト74が螺合されている。
また、図8に示すように、ボルト76にはボルト頭がなく、ベルトコンベアの駆動時においては、駆動プーリボス73のネジ穴73aに外側先端が埋設された状態となっている。
本変形例2に係るベルトコンベアにおいても、無端状のベルトを交換する際には、駆動プーリ62をフレーム60,61に対して図8における紙面手前側へと離間させる。この場合の駆動プーリ62の取り外しに係る操作手順について、図9を用い説明する。
図9(a)に示すように、先ず、駆動プーリ62からボルト74を抜き取るとともに、駆動プーリボス73における溝73bの底に対しボルト76(図8を参照)を緩め、ボルト75(図8を参照)を駆動プーリボス73に対し抜き出す方向に緩める。なお、ボルト75については、駆動プーリボス73のY軸方向左側奥の底面と面一あるいはそれよりも引っ込むまで緩める。
この後、駆動プーリ62をフレーム60,61に対して紙面の手前側(上方)へと抜き出すことができる。この後の操作に関しては、上記実施の形態および上記変形例1と同様である。
なお、図9(a)および図9(b)に示すように、本変形例においても、ボルト76については緩めるだけであって、完全に抜き取らない。これは、上記同様の理由によるものである。
上記実施の形態および上記変形例1,2では、駆動プーリ12,42,62がフレーム10,11,40,41,60,61に対して上方へと離間させる構成とし、従動プーリ13については、フレーム10,11,・・・の長手方向外側へとスライド移動させて取り外すこととした。しかし、本発明に係るベルトコンベアにおいては、従動プーリについても、駆動プーリ12,42,62と同様の構成を採用し、同様の取り外し方を採用することもできる。
また、上記実施の形態および上記変形例1,2では、フレーム10,11,40,41,60,61として、予め溝が形成されたものを採用したが、フレームについては、これに限らずアングル材やチャネル材、さらにはパイプ材などを用いることもできる。
また、上記実施の形態および上記変形例1,2では、駆動プーリ12,42,62を軸支するためのベアリング20,21,50,70,71をそれぞれフレーム10,11,40,60,61に圧入することとしたが、ピローブロックをフレームに取り付けておく構成を採用することもできる。
10,11,40,41,60,61.フレーム
12,42,62.駆動プーリ
13.従動プーリ
14.ベルト
15,45,65.駆動スプロケット
16,17.脚部材
18,19.ガイドプレート
20,21,30,50,51,70,71.ベアリング
22,23,52,53,72,73.駆動プーリボス
24,25,34,35,37,38,54,56,74,75,76.ボルト
26.受け板
32.従動プーリ軸
36.フレーム連結部材
39.ストッパ部材
Claims (6)
- 各々が長尺状をし、互いの間に間隙をあけて並設された2本のフレームと、
前記フレームの長手方向において互いの間に間隔をあけ、各々が前記2本のフレーム間で架設された状態で回転自在に軸支された一対のプーリと、
前記一対のプーリ間で張設された無端ベルトとを有し、
前記一対のプーリの内の少なくとも一方は、前記2本のフレーム間の間隙に対し、前記フレームの長手方向および前記2本のフレーム同士の対向方向の双方に交差する方向の外側から挿嵌され、当該挿嵌された状態で前記2本のフレームに対し連結部材による連結を以って軸支されており、
前記2本のフレームの各々における前記少なくとも一方のプーリの架設部分には、リング状をしたベアリングと当該ベアリングのリング内孔に一端が圧入された柱状のボスとが取り付けられており、
前記少なくとも一方のプーリには、両端面において、各々の中心を通り、且つ、互いに同一方向に延びる溝が彫設されており、
前記少なくとも一方のプーリの両端面に刻設された前記溝は、各々の延設方向における一方の端部が該端面の周縁まで延びているとともに、当該周縁で開口されており、且つ、前記両端面の中心に対する前記開口の方向が前記両端面で同一であり、他方の端部が該端面の周縁よりも平面視内側に位置しており、
前記少なくとも一方のプーリは、前記ボスの他端部分が前記溝に嵌入された状態で、前記2本のフレームに対して軸支されている
ことを特徴とするベルトコンベア。 - 各々が長尺状をし、互いの間に間隙をあけて並設された2本のフレームと、
前記フレームの長手方向において互いの間に間隔をあけ、各々が前記2本のフレーム間で架設された状態で回転自在に軸支された一対のプーリと、
前記一対のプーリ間で張設された無端ベルトとを有し、
前記一対のプーリの内の少なくとも一方は、前記2本のフレーム間の間隙に対し、前記フレームの長手方向および前記2本のフレーム同士の対向方向の双方に交差する方向の外側から挿嵌され、当該挿嵌された状態で前記2本のフレームに対し連結部材による連結を以って軸支されており、
前記2本のフレームの各々における前記少なくとも一方のプーリの架設部分には、リング状をしたベアリングが位置固定状態で取り付けられているとともに、一方の前記ベアリングのリング内孔には、柱状の第1ボスが圧入され、他方の前記ベアリングのリング内孔に対して、柱状の第2ボスが挿抜自在に取り付けられており、
前記少なくとも一方のプーリには、一方の端面に前記第1ボスの先端に対応する凹部が設けられ、他方の端面に前記第2ボスに対応し、且つ、当該第2ボスの長さ以上の深さを有するボス孔が穿設されており、
前記少なくとも一方のプーリは、前記凹部への前記第1ボスの挿入量に相当する分以上に、前記2本のフレーム間の間隙よりも幅狭であり、前記第1ボスが前記凹部に挿入され、且つ、前記第2ボスが前記ベアリングのリング内孔およびボス孔の双方に挿入された状態で、前記2本のフレームに対して軸支されている
ことを特徴とするベルトコンベア。 - 各々が長尺状をし、互いの間に間隙をあけて並設された2本のフレームと、
前記フレームの長手方向において互いの間に間隔をあけ、各々が前記2本のフレーム間で架設された状態で回転自在に軸支された一対のプーリと、
前記一対のプーリ間で張設された無端ベルトとを有し、
前記一対のプーリの内の少なくとも一方は、前記2本のフレーム間の間隙に対し、前記フレームの長手方向および前記2本のフレーム同士の対向方向の双方に交差する方向の外側から挿嵌され、当該挿嵌された状態で前記2本のフレームに対し連結部材による連結を以って軸支されており、
前記2本のフレームの各々における前記少なくとも一方のプーリの架設部分には、リング状をしたベアリングが取り付けられているとともに、一方の前記ベアリングのリング内孔には、柱状の第1ボスが圧入され、他方の前記ベアリングのリング内孔に対して、柱状の第2ボスが挿抜自在に取り付けられており、
前記少なくとも一方のプーリには、一方の端面に前記第1ボスの先端に対応する凹部が設けられ、他方の端面に前記第2ボスおよびこれが圧入されたベアリングに対応し、且つ、当該第2ボスおよび前記ベアリングの全てを受け入れ可能なサイズのボス孔が穿設されており、
前記少なくとも一方のプーリは、前記凹部への前記第1ボスの挿入量に相当する分以上に、前記2本のフレーム間の間隙よりも幅狭であり、前記第1ボスが前記凹部に挿入され、且つ、前記ベアリングが前記ボス孔から抜き出された状態で前記フレームに嵌め込まれることにより、前記2本のフレームに対して軸支されている
ことを特徴とするベルトコンベア。 - 前記少なくとも一方のプーリは、回転駆動源からの回転駆動力の伝達を受ける
ことを特徴とする請求項1から3の何れかの記載のベルトコンベア。 - 前記2本のフレーム間の間隙に対し、前記フレームの長手方向および前記2本のフレーム同士の対向方向の双方に交差する方向の外側から挿嵌され、当該挿嵌された状態で前記2本のフレームに対し連結部材による連結を以って軸支されているプーリは、前記一対のプーリの内の一方であって、
前記一対のプーリの内の他方は、前記2本のフレームに対し、その長手方向外側からスライド挿入され、当該2本のフレームの少なくとも一方に取り付けられたストッパにより位置規定がなされ、当該位置規定がなされた状態で前記2本のフレームに対して軸支されている
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のベルトコンベア。 - 前記2本のフレーム間の間隙は、前記一方のプーリの挿嵌方向とは反対側に取り付けられた連結部材により固定されている
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のベルトコンベア。
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