内視鏡システム10は、図1に示すように、経鼻内視鏡(以下、「内視鏡」)11、補助具12、光源装置13、プロセッサ装置14、及びモニタ15等を備えている。内視鏡11には、一方の外鼻孔に挿入される挿入部16を持っている。挿入部16の基端部には、把持部22aが接続されている。把持部22aには手元操作部17が取り付けられ、手元操作部17には、光源装置13、及びプロセッサ装置14にそれぞれ接続されるユニバーサルコネクタ18がユニバーサルケーブル18aの先端に設けられている。この内視鏡11の挿入部16には、先端部から把持部22aへと貫通する内部空間に鉗子管路が設けられている。鉗子管路は、一端が先端面20aに設けた鉗子出口に、また他端は把持部22aに設けた鉗子入口19にそれぞれ接続されている。なお、把持部22aに取り付けられる手元操作部17に鉗子入口19を設けてもよい。把持部22aと手元操作部17とで操作部本体を構成する。
内視鏡11の挿入部16は、周知のように、先端硬質部20、湾曲部21、及び軟性部22とで構成されている。湾曲部21の前後には、補助具12の挿入部16の先端部を固定するための円筒状の磁石体23,24が一対設けられている。なお、先端硬質部20と湾曲部21とが本発明の内視鏡11の挿入部16の先端部を構成する。
内視鏡の先端硬質部20には、硬質な金属材料等で形成された先端部本体の内部に観察光学系、撮像素子や照明光学系等が内蔵されている。ユニバーサルコネクタ18は、ライトガイド用コネクタ(LG用コネクタ)25と、これから延設されたコード26の先端に設けたビデオ用コネクタ(電気用コネクタ)27とから構成されている。電気用コネクタ27がプロセッサ装置14に設けた電気用ソケット28に、また、LG用コネクタ25が光源装置13に設けたLG用ソケット29にそれぞれ接続される。
プロセッサ装置14には、電源回路、撮像素子から得られる撮像信号を画像処理してコンポジット信号やRGBコンポーネント信号にエンコードするための画像処理回路等が設けられている。光源装置13には、光源ランプが内蔵されており、その光は、手元操作部17を通って挿入部16の内部空間に収容したライトガイド(ファイバーバンドル)によって把持部22aから先端部へと導かれて照明光学系に入射する。
軟性部22は、手元操作部17と湾曲部21との間を細径で長尺状に繋ぐ部分であり、可撓性を有している。湾曲部21は、手元操作部17に設けた湾曲操作ノブ30の操作に連動して挿入部16の内部空間に収容したアングルワイヤが押し引きされて湾曲動作する。これにより、先端硬質部20の先端面20aを体腔内の所望の方向に向けて観察部位を観察する。観察部位は、照明光学系から放たれる光により照明され、その反射光を観察光学系を介して撮像素子で撮像し、画像処理回路を介してモニタ15に表示する。
手元操作部17には、2つの湾曲操作ノブ30や鉗子入口19の他に、送気・送水ボタン31、吸引ボタン32、及びウォータージェット口(WJ口)33等が設けられている。WJ口33には、被観察部位に向けて噴射するための洗浄水や薬液等の流体を収容したシリンジや送水装置等が着脱自在に接続される。なお、WJ口33、及び鉗子入口19は、通常は着脱自在な栓により塞がれている。鉗子入口19の栓は、鉗子栓19a(図13参照)であり、鉗子栓19aは、処置具によって押し開かれるスリット又は小孔を形成した弾性を有する栓部をもっており、鉗子管路51を通じて体内汚液等が鉗子入口19から外部に噴出しないように鉗子入口19を部分的にシールする。
補助具12は、内視鏡と組み合わせて使用されるものであり、挿入部34と補助LG用コネクタ35とを有している。挿入部34は、内視鏡11の挿入部16が挿入されていない他方の外鼻孔に挿入される。補助LG用コネクタ35は、挿入部34の後端部36から延設されたコード37の先端に設けられ、光源装置13の補助LG用ソケット43に着脱自在に接続される。補助具12の挿入部34は、先端から順に先端部38、湾曲部39、及び可撓管部40とで構成されている。
補助具12の湾曲部39には、挿入方向に対する前後に、円筒状の磁石体41,42が一対設けられている。これら一対の磁石体41,42は、挿入経路のうちの後鼻道から食道までの範囲に挿入されたときに、内視鏡11の一対の磁石体23,24に磁着する。これにより、補助具12の湾曲部39は、内視鏡11の湾曲部21の湾曲に従動して湾曲し、補助具12の先端部38の先端面38aは、内視鏡11の先端面20aと同じ向きになる。
補助具12の先端部38は、硬質な材料で形成されている。湾曲部39は、内視鏡11の湾曲部21と一緒に湾曲する柔軟な部分である。可撓管部40は、後端部36と湾曲部39との間を細径で長尺状に繋ぐ部分であり、可撓性を有している。なお、先端部38と湾曲部39とは、本発明の補助具12の挿入部34の先端部を構成する。
補助具12の挿入部34には、先端部から後端部36へと貫通する内部空間にライトガイドが設けられている。このライトガイドは、挿入部34の先端面38aに設けた照明窓の奧に配した照明光学系に光源装置13から得られる照明光を伝送する。なお、挿入部16,34は、どちらも外鼻孔から後鼻孔、食道と経て胃や十二指腸等に挿入されるために、細径のフレキシブルな管状に形成されており、略同じ径、及び長さになっている。また、鼻孔への挿入テストで内視鏡11の挿入部16を片方の鼻孔に挿入するのが無理であると判断される場合もあるので、補助具12の挿入部34は、内視鏡11の挿入部16よりも細径にしておくのが好適である。
内視鏡11の軟性部22は、図2に示すように、内側より順に可撓性を保ちながら内部を保護するフレックスと呼ばれる螺管44と、この螺管44の上に被覆され外層46の樹脂を保持するブレードと呼ばれるネット45と、このネット45上に樹脂を被着した外層46との3層からなる可撓性管47で構成されている。
内視鏡11の軟性部22の内部には、先端硬質部20の照明用レンズに照明光を導くためのライトガイド48,49、アングルワイヤ50、鉗子管路51、送気・送水管路52、多芯ケーブル53、及び、ウォータージェット管路(WJ管路)54等の複数本の内容物が遊挿されている。多芯ケーブル53は、主に、映像信号処理部から撮像センサを駆動するための信号を送るとともに、撮影センサから得られる撮像信号を映像信号処理部に送るためのケーブルであり、複数の信号線を保護被膜で覆った断面形状になっている。アングルワイヤ50は、上下用と左右用との2本のアングルワイヤを湾曲操作ノブ30の操作に連動する2つのプーリに各々掛け回してそれら先端を湾曲部21に向けて挿通しているので軟性部22の内部には4本あり、それぞれが密着コイルパイプ50aの中に挿通されている。ライトガイド48,49は、複数の光ファイバを円形に結束させ、その周りをシリコン等の弾性を有する材料で形成した保護チューブ48a,49aで覆った断面形状になっている。
内視鏡11の先端面20aには、図3に示すように、観察窓55、一対の照明窓56,57、ウォータージェットノズル(WJノズル)58、鉗子出口59、送気・送水ノズル60などが露呈して設けられている。観察窓55には、体腔内の被観察部位の像光を取り込むための対物光学系の一部が配されている。照明窓56,57は、観察窓55を挟んだ両側に設けられ、観察視野周辺の光量低下を抑え、鉗子等の影をなくす作用をする。これら照明窓56,57の奧には、照明光学系が内蔵されており、照明光学系は、ライトガイド48,49を介して光源装置13から伝送される光を体腔内の被観察部位に照射する。
内視鏡11の鉗子出口59は、鉗子管路51を介して手元操作部17に設けた鉗子入口19と連通されている。送気・送水ノズル60は、手元操作部17に設けた送気・送水ボタン31を操作することによって患部に送気、送水をしたり、観察窓55に向けて洗浄水やエアーを噴射する。WJノズル58は、WJ口33に着脱自在に取り付けられるシリンジや送水装置から供給される洗浄水や薬液等の流体を被観察部位に向けて噴射する。
観察窓55には、図4に示すように、対物光学系61の一部が露呈して配されている。照明窓56,57から発する照明光は、被観察部位を反射して対物光学系61に入射する。入射した被写体光は、対物光学系61を通ってプリズム62に入射してプリズム62の内部で屈曲することで撮像素子63の結像面に結像する。撮像素子63には、回路基板64が接続されており、この回路基板64には多芯ケーブル53の各信号線53aが接続されている。
内視鏡11の先端硬質部20から湾曲部21の外層は、柔軟性を有するアングルゴム65で形成されている。アングルゴム65の内側には、アングルワイヤ50の先端が係合している先端側接続リング66が設けられている。先端側接続リング66には、軟性部22に向けて、複数の節輪(図示なし)が湾曲中心となる左右及び上下のピンで交互に連結されている。各節輪の内側には、アングルワイヤ50が摺動自在に係合しており、節輪列は、上下用と左右用とのアングルワイヤ50の押し引きにより上下及び左右に湾曲する。
内視鏡11の湾曲部21の内部には、ライトガイド48が配されている。ライトガイド48は、複数の光ファイバを円形に結束させ、その周りをシリコン等の弾性を有する材料で形成した保護チューブ48aで覆った断面形状になっている。先端部本体65の内部では、対物面68aが照明窓56に露呈されている照明レンズ68が固定されている。この照明レンズ68が本発明の照明光学系を構成している。この照明レンズ68の先端面68aとは逆側の入射面には、ライトガイド48の出射端48bが配されている。このライトガイド48の出射端48b側も先端部本体65の内部で固定されている。なお、他方のライトガイド49の方も同じ構成になっている。
補助具12の可撓管部40は、図5に示すように、内視鏡11の軟性部22と同じに、螺管70、ネット71、及び外層72との3層からなる可撓性管73で覆われている。螺管70は、ライトガイド74の周りに設けられており、可撓性を保ちながらライトガイド74を保護する。ネット71は、螺管70の上に被覆され外層72の樹脂を保持する。外層72は、ネット71上に樹脂を被着したものである。
補助具12のライトガイド74は、複数の光ファイバ75を円形に結束させて、その周りをシリコン等の弾性を有する材料で形成した保護チューブ76で覆った断面形状になっている。保護チューブ76を除くライトガイド74の径は、補助具12の挿入部34の外径に対して略70%以上の径、保護チューブ48a,49aを除く内視鏡11の各ライトガイド48、49の径に対して略2倍以上の径になっている。
補助具12の先端部38は、図6に示すように、硬質外管77で覆われている。先端部38の内部には、レンズ保持枠78が固定され、レンズ保持枠78には照明レンズ79が保持されている。照明レンズ79は、照明光学系を構成しており、先端面38aに形成した照明窓80から先端面79aが露呈している。照明レンズ79は、先端面79aとは逆側の入射面にライトガイド74の出射端74aが配されている。なお、照明レンズ79としては、単レンズ以外に、複数のレンズで構成したものでもよい。補助具12に用いる照明レンズ79としては、内視鏡11の照明機能の光量不足を補う場合には疑似光源面に凸面を有する集光レンズを、また配光角を補う場合には疑似光源面に凹面を有する拡散タイプの照明レンズを使用すればよい。
補助具12の湾曲部39は、内視鏡11の湾曲部21に追従して湾曲するように柔軟な表皮81覆われている。この湾曲部39の表皮81は、可撓管部40と略同じ構成をしているが、内視鏡11の湾曲部21の湾曲に対して内側又は外側で追従して湾曲したときに、先端部38の先端面38aが内視鏡11の先端面20aに対してずれることがないように、挿入方向に対して僅かに伸縮する。
補助具12の湾曲部39に設けた一対の磁石体41,42は、図7に示すように、表面に凹凸が出ないように表皮81に設けた一対の凹部82,83にそれぞれ嵌め込まれている。一方、内視鏡11の湾曲部21の前後に設けた一対の磁石体23,24も、表面に凹凸が出ないように、一段凹んだ凹部84,85に嵌め込まれている。これらの一対の磁石体23,24と、磁石体41,42は、間隔が同じになっており、所定距離をおいた二カ所で磁着させることで、内視鏡11と補助具12との湾曲部21,39を先端面20a,38aが揃った状態で並列的に固定することができる。
なお、これら磁石体23,24,41,42が本発明の固定手段を構成する。固定手段としては、磁石体同士を磁着させることに限らず、磁石体と磁着体との組でもよい。また、複数の磁石体をリング状のバンドに取り付け、そのバンドを凹部に嵌め込むようにしてもよい。
内視鏡11は、図8に示す撮像素子63を先端硬質部20に備え、また、CPU86、基準クロック発振器87、タイミングジェネレータ(TG)88、及びアナログ信号処理回路(AFE:Analog Front End processor)89等をユニバーサルコネクタ18の内部に備えている。
撮像素子63は、CCDやCMOS等であり、対物光学系61により結像する被写体像を撮像する。この受光面には、複数の色セグメントからなるカラーフィルタ(例えば、ベイヤー配列の原色カラーフィルタ)が配置されている。
CPU86は、内視鏡11の各部の動作制御を行う。TG88は、基準クロック発振器87により生成される基準クロック信号に基づき、撮像素子63の駆動パルス(垂直/水平駆動パルス)を生成するとともに、AFE89用の同期パルスを生成し、前記駆動パルス及び同期パルスをそれぞれ撮像素子63、及びAFE89に入力する。撮像素子63は、TG88から入力された駆動パルスに応じて撮像動作を行い、撮像信号をAFE89に出力する。
AFE89は、相関二重サンプリング回路(CDS)90、自動ゲイン制御回路(AGC)91、及びアナログ/デジタル変換器(A/D)92により構成されている。CDS90は、撮像素子63から出力される撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、撮像素子63で生じるリセット雑音及びアンプ雑音の除去を行う。AGC91は、CDS90によりノイズ除去が行われた撮像信号をゲイン調整する。A/D92は、AGC91により増幅された撮像信号を、所定のビット数のデジタル信号に変換し、ユニバーサルコネクタ18を介してプロセッサ装置14に送る。
また、TG88は、AFE89から出力される撮像信号に対応した、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号を、それぞれユニバーサルコネクタ18を介してプロセッサ装置14に送る。
プロセッサ装置14は、CPU93、アイソレーション回路(絶縁回路)94、デジタル信号処理回路(DSP)95、同期信号発生回路(SSG)96、及びデジタル/アナログ変換器(D/A)97等を備えている。
CPU93は、プロセッサ装置14、及び光源装置13の動作制御を行う。アイソレーション回路94は、内視鏡11をプロセッサ装置14から絶縁分離するためのものである。デジタル信号処理回路(DSP)95は、撮像信号に信号処理を施して映像信号(ビデオ信号)を生成する。
同期信号発生回路(SSG)96は、補正された水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号を発生する。デジタル/アナログ変換器(D/A)97は、DSP95から出力された映像信号をNTSC方式等のアナログ映像信号に変換する。
SSG96には、内視鏡11のTG88から出力された水平駆動パルス、垂直駆動パルス、及びクロックパルスがアイソレーション回路94を介して入力される。SSG96は、入力された水平駆動パルス、垂直駆動パルス、及びクロックパルスの間の位相ずれを補正して、位相ずれが補正された水平駆動パルス、垂直駆動パルス、及びクロックパルスを発生し、これらの信号をDSP95に入力する。
DSP95には、内視鏡11のAFE89から出力された撮像信号がアイソレーション回路94を介して入力される。DSP95は、入力された撮像信号に対し、色分離、色補間、ゲイン補正、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、画像強調処理等を行い、輝度(Y)信号と色差(C)信号とからなるY/C形式の映像信号を生成し、生成した映像信号をD/A97に入力する。D/A97は、入力された映像信号をNTSC方式のアナログ映像信号に変換し、コネクタ98に外部接続されたモニタ15に出力する。
光源装置13は、光源ランプ99、光源ドライバ100、絞り機構101、光量制限機構102、集光レンズ103、及びCPU104を備えている。光源ランプ99は、キセノンランプやハロゲンランプ等から放たれる白色の光源である。光源ドライバ100は、光源ランプ99を駆動する。絞り機構101は、光源ランプ99とライトガイド48,49の入射端48cとの間に配され、ライトガイド48,49への入射光量を増減させる。光量制限機構102は、照明光の光路上に光量制限フィルタを挿脱する機構であり、そのフィルタを挿入すると白色光の所定波長域の光量を制限する。集光レンズ103は、絞り機構101を通過した光を集光してライトガイド48,49の入射端48cに導く。CPU104は、プロセッサ装置14のCPU93と通信し、ビデオ信号を生成するときに得られる明るさ情報を取得し、その明るさ情報に基づいて光源ドライバ100での光源ランプ99の光量、及び絞り機構101での絞りの開閉動作の制御を行って照明光を調光する。
光源ランプ99から発せられた光は、絞り機構101、及び集光レンズ103を介して調光されて照明光として、内視鏡11のライトガイド48,49と補助具12のライトガイド74との入射端48c、74bにそれぞれ入射する。内視鏡11のライトガイド48,49の出射端48b、49bは、2つの照明レンズ68に向けて分岐されており、一方のライトガイド48の出射端48bから出射される光は、照明レンズ68を介して照明窓56から体腔内へ照射され、また、他方のライトガイド49の出射端49bから出射される光は、照明レンズ68を介して照明窓57から体内に照射される。補助具12のライトガイド74の出射端74aから出射される光は、照明レンズ79を介して照明窓80から体腔内へ照射される。
光源装置13の前面には、図9に示すように、右寄りに電源ボタン105が設けられている。電源ボタン105のオン/オフ操作をすることにより商用電源から光源装置13への電力の供給及び停止が行われる。電源ボタン105の左横には、ランプ点灯ボタン106、明るさ調整ボタン107、光量制限ボタン108、透過照明ボタン109、及び送気ボタン110等が順に並んで設けられている。光源装置13の前面左側には、内視鏡のLG用コネクタ25を接続するLG用ソケット29が、また、補助具12の補助LG用コネクタ35を接続する補助LG用ソケット43がそれぞれ設けられている。
ランプ点灯ボタン106は、図10に示すように、プッシュ式の押しボタンスイッチとなっており、オン/オフ操作をすることにより、前記光源の点灯、及び消灯を行う。明るさ調整ボタン107は、アップボタン107a、及びダウンボタン107bとで構成されており、絞りの開口口径を制御して照明光の明るさを、例えば10段階で調整する。なお、絞りの代わりに、減衰フィルタの挿入、あるいは光源ランプの点灯電流の調節等によって明るさ調整をすることもできる。光量制限ボタン108は、プッシュ式の押しボタンであり、オン/オフ操作をすることで、照明光の光路上に光量制限フィルタを挿脱して白色光の所定波長域の光量を制限するか否かを選択する。
透過照明ボタン109は、暗い環境下でも操作ボタンの位置を認識することができるように、各ボタン106,107,108,109,110を背後から照明するか否かを選択するボタンである。なお、光源装置13には、内視鏡11の内部に設けた送気・送水管路に空気や液を送るためのポンプ120、及びバルブ119が内蔵されている(図11参照)。送気ボタン110は、送気圧が、例えば弱、中、強の3段階のうちのいずれかになるように前記バルブを調節するためのボタンである。
内視鏡11を用いて検診あるいは観察する前には、被検者のデータや、診断や観察部位に応じて、ランプの明るさや照明光の波長の指定を行う。例えば、光源装置13では、電源ボタン105をオンし、その後ランプ点灯ボタン106をオンし、被写体の明るさが適切になるように明るさ調整ボタン107で調整し、光量制限ボタン108のオン/オフを決定する。最後に、送気ボタン110で送気圧を選択する。
内視鏡11の送気・送水ノズル60に繋がる送気・送水管路52の後端は、図11に示すように、送気用管路111と送水用管路112との二股に分かれている。送気用管路111と送水用管路112は、送気・送水ボタン31に各々接続されている。送気・送水ボタン31は、管路切換機能を有し、送気用ポート113、送水用ポート114、給水用ポート115、及び、給気用ポート116を有している。送水用ポート114には送水用管路112が、送気用ポート113には送気用管路111が接続されている。また、給水用ポート115には、ユニバーサルコネクタ18に設けた送水コネクタ117を介して送水タンク118が接続される。給気用ポート116には、ユニバーサルコネクタ18を介して光源装置13に内蔵したバルブ119、及び送気ポンプ120が接続される。
光源装置13の前面に設けた送気ボタン110で選択した送気圧の情報は、CPU104に送られる。CPU104は、送気圧の情報に基づいてバルブ119の弁を調節する。手元操作部17に設けた送気・送水ボタン31には、ボタンの一部に孔121が空いており、送気ポンプ120は常に駆動して前記孔121から空気を吐出している。送気・送水ボタン31の孔121を塞ぐ操作を行うことで、送気・送水ノズル60までの管路が繋がり、送気・送水ノズル60より空気が吹き出す。さらに、図12に示すように、送気・送水ボタン31を押し込む操作を行うと、給気用ポート116が塞がれ、空気は送水タンク118に流れ込む。空気は、送水タンク118内の水を押し出し、水は給水用ポート115を介して送水用ポート114から送気・送水管路52を経て送気・送水ノズル60から吹き出す。
内視鏡11の挿入部16に収容したWJ管路54は、図13に示すように、一端がWJノズル58に接続され、他端が手元操作部17に設けたWJ口33に接続されている。WJ口33には、シリンジ122又はシリンジ122に取り付けたチューブ等が接続される。シリンジ122内に注入した液体は、プランジャーを軸方向に移動操作することでWJ管路54を通ってWJノズル58から患部等に向けて噴出する。
内視鏡11の鉗子管路51の後端は、鉗子入口19と手元操作部17に設けた吸引ボタン32とに分岐して接続されている。吸引ボタン32には、鉗子管路51に繋がるポート123と、ユニバーサルコネクタ18に設けた吸引コネクタ125に繋がるポート124とを有する。吸引コネクタ125には、詳しくは図14に示すように、吸引装置126に繋がるチューブ127が接続される。吸引ボタン32の押下操作によりポート123,124が繋がり、吸引装置126は、内視鏡11の鉗子管路51を介して鉗子出口59から体腔内の汚物や血液その他の体液を吸引し、吸引タンク128に貯留する。
次に上記構成の作用を、図15を参照しながら説明する。経鼻内視鏡検査では、まず前処置として、内視鏡11の挿入部16を挿入するために外鼻孔の奧の鼻腔から中(下)鼻道に麻酔を行うとともに挿通テストを行い、挿入部16が挿通可能な挿入経路のある鼻腔を決定する。前処置は座位又は仰臥位で行い、その後に、仰臥位又は左側臥位で挿入部16を一方の外鼻孔に挿入していく。挿入経路は、図14に示すように、一方の外鼻孔130から中鼻道131又は下鼻道132を通して後鼻孔(内鼻孔)133、食道134、そして胃へと到達させる経路である。
十二指腸や胃を観察するときにモニタの画像を鮮明に確認することができる場合には、内視鏡のみで観察し、必要に応じて内視鏡の鉗子管路を使ってスネアや生体鉗子等の処置具を挿入して処置又は治療を行う。
モニタ15の画面が暗い場合には、補助具12を併用する。補助具12を内視鏡11と併用する場合、まず補助具12の挿入部34を他方の外鼻孔に挿入するため、他方の外鼻孔の奧の鼻腔に麻酔を行う。次に、内視鏡11と補助具12との挿入部16、34の先端部を固定して一緒に挿入する必要があるため、内視鏡11の挿入部16をいったん後鼻孔133から食道134までの範囲に先端部が位置するように引き戻す。その後に、補助具12の挿入部34を他方の外鼻孔から挿入し、中鼻道131又は下鼻道132を通して、後鼻孔133から食道134までの範囲に挿入する。これにより、両方の挿入部16,34の先端面20a、38aが略同じ位置となるように互いの挿入部16,34を相対的にずらして、内視鏡11の磁石体23と補助具12の磁石体41とを、また、内視鏡11の磁石体24と補助具12の磁石体42とを磁着させる。これにより、双方の湾曲部21,39が並列して密着し、双方の先端面20a,38aが同じ向きとなる。
その後、光源装置13のランプ点灯ボタン106がオフになっていることを確認して、補助具12の補助LG用コネクタ35を光源装置13の補助LG用ソケット43に接続する。補助LG用ソケット43には、光漏れを防止するキャップが装着されている。このキャップ外して接続する。接続完了後、ランプ点灯ボタン106をオンしてから、双方の挿入部16,34を徐々に挿入していく。このとき、モニタ15の画面を見ながら湾曲操作ノブ30を操作して内視鏡11の湾曲部21を湾曲させながら挿入を行っていく。補助具12の湾曲部39は、磁石体23,41と磁石体24,42との磁着により内視鏡11の湾曲部21に密着しているため、内視鏡11の湾曲部21と一緒に湾曲し、また、内視鏡11の挿入部16の挿入に追従して挿入される。このため、内視鏡11の挿入部16のみをもって挿入していくだけで補助具12の挿入部34も一緒に挿入される。
その後は、モニタ15の画面で観察し、処置又は治療を施す必要のある場合には、内視鏡11の鉗子管路51を使って、スネアや生検鉗子等の処置具で処置又は治療を行う。
治療又は処置を終了した後には、生検鉗子又はスネア等の処置具を、内視鏡11の鉗子入口19から引き抜き、双方の挿入部16,34を鼻孔からゆっくりと引き抜いていく。この途中、例えば後鼻孔から食道までの範囲を通過するまでに、双方の挿入部16,34の先端部の固定を解除する。この操作は、内視鏡11の挿入部16と補助具12の挿入部34とのいずれか一方を他方に対して挿入方向に相対的にずらすことで磁石体23,24と磁石体41,42との磁着を解除することができる。双方の先端部の固定を解除した後には、補助具12、内視鏡11の順に挿入部34,16を個別に引き抜く。最後に、補助具12の補助LG用コネクタ35を光源装置13の補助LG用ソケット43から取り外す。なお、最初から補助具12を併用してもよい。
上記実施形態では、補助具12を光源装置13に接続しているが、図17に示すように、内視鏡11の手元操作部17に係合する係合部135を補助具12の後端部に設け、補助具12のライトガイド74を内視鏡11のライトガイド48,49に接続して内視鏡11から照明光を伝送するように構成してもよい。この場合、補助具12の係合部135に補助LG用コネクタ136が、またそのコネクタ136が接続される補助LG用ソケット137が手元操作部17にそれぞれ設けられている。内視鏡11に内蔵されるライトガイドは、光源装置13に接続される基幹部138の一方(出射端側)を3つに分岐し、そのうち2つをライトガイド48,49に、残りの分岐ライトガイド139が補助LG用ソケット137に導かれている。前記補助LG用ソケット137と補助LG用コネクタ136との接続によりライトガイド139が補助具12のライトガイド74に接続される。
また、上記各実施形態では、内視鏡用の照明機能と補助具用の照明機能との光源ランプ99を双方で兼用しているが、光源装置13に光源を別々に設けてもよい。この場合には、図18に示すように、光源装置140に補助具12用のランプ点灯ボタン141を別に設け、ランプ点灯ボタン106の操作で内視鏡11用の光源ランプ99のオン−オフを、また、ランプ点灯ボタン141の操作で補助具12用の光源ランプ142のオン−オフを個別に行うようにするのが好適である。同図に示す光源装置140は、内視鏡11用の照明光を作る主照明光作成機能99〜104に加えて、補助具12用の照明光を作る補助照明光作成機能を有している。
補助照明光作成機能は、主照明光作成機能を構成する前述した各部99〜104と略同に、光源ランプ142、光源ドライバ143、絞り機構144、光量制限機構145、及び集光レンズ146で構成されている。光源ランプ142は、キセノンランプやハロゲンランプ等から放たれる白色の光源である。光源ドライバ143は、光源ランプ142を駆動する。絞り機構144は、光源ランプ142とライトガイド74の入射端74bとの間に配され、ライトガイド74への入射光量を増減させる。光量制限機構145は、照明光の光路上に光量制限フィルタを挿脱する機構であり、そのフィルタを挿入すると白色光の所定波長域の光量を制限する。集光レンズ146は、絞り機構144を通過した光を集光してライトガイド74の入射端74bに導く。光源ドライバ143は、光源装置13のCPU104に接続されており、光源ランプ142の光量を制御する。CPU104は、プロセッサ装置14のCPU93と通信し、ビデオ信号を生成するときに得られる明るさ情報を取得し、その明るさ情報に基づいて補助具12の方の光源ドライバ143での光源ランプ142の光量、及び絞り機構144での絞りの開閉動作の制御を行って補助具12の照明光を調光する。
図18で説明した実施形態では、内視鏡11と補助具12とで光源ランプ99,142を別々に設け、しかも、これら光源ランプ99,142を光源装置140に一緒に内蔵している。この場合には、光源装置140に設けた明るさ調整ボタン107での手動操作により内視鏡11の方の絞り機構101、及び補助具12の方の絞り機構144とのいずれか一方又は両方の絞りの開口口径を制御して照明光の明るさを調節する。最も効果的なのは、補助具12の方の絞り機構144の開口口径を制御するのが、補助具12の方の照明機能の光量が多いため効果的である。そこで、補助具12の接続の有無を監視し、補助具12が接続されているときには明るさ調整ボタン107での操作により補助具12の方の絞り機構144の開口口径を制御し、補助具12が接続されていないときには内視鏡11の方の絞り機構101の開口口径を制御するように構成してもよい。
なお、図19に示すように、内視鏡11用の照明光を作成するための光源装置13とは別に、補助具12用の照明光を作成するための補助光源装置148を個別に使用してもよい。この場合にも補助光源装置148には、補助具12用のランプ点灯ボタン141、補助具12用の照明光を作る補助照明光作成機能として、前述した主照明光作成機能99〜104と略同に、光源ランプ142、光源ドライバ143、絞り機構144、光量制限機構145、集光レンズ146、及びCPU147、及び、補助具12の係合部149に設けた補助LG用コネクタ150を接続するための補助LG用ソケット151が設けられている。光源ドライバ143は、補助光源装置148に設けたCPU147に接続されており、光源ランプ142の光量を制御する。CPU147は、プロセッサ装置14のCPU93と通信し、ビデオ信号を生成するときに得られる明るさ情報を取得し、その明るさ情報に基づいて補助具12の方の光源ドライバ143での光源ランプ142の光量、及び絞り機構144での絞りの開閉動作の制御を行って補助具12の照明光を調光する。この場合、明るさ調整ボタンを補助光源装置148に設けることで、明るさを個別に調整することができる。
また、上記各実施形態では、内視鏡11の照明機能を補助する照明手段として、ライトガイド74を使用した照明手段としているが、白色照明用LEDを使用する照明手段としてもよい。この場合には、図20に示すように、補助具153に複数のLED154、ドライバ155、及びLED用補助コネクタ156を設ける。複数のLED154は、補助具12の先端面38aに発光部を外部に向けて露呈する姿勢で設けられている。ドライバ155は、各LED154の発光を駆動するものであり、各LED154との間で信号線により電気的接続がなされる。この信号線としては、フレキシブルな多芯ケーブルを用いるのが望ましい。
LED用補助コネクタ156は、補助具12の後端部から延設されているコード157の先端に設けられており、LEDコントローラ158に接続される。LEDコントローラ158は、プロセッサ装置14と接続されており、プロセッサ装置14のCPU93と通信して、ビデオ信号を生成するときに得られる明るさ情報を取得し、その明るさ情報に基づいて各LED154の明るさを常に最良の観察状態に調節するようにドライバ155を制御する。LEDコントローラには、ランプ点灯ボタン159が設けられている。このランプ点灯ボタン159の操作によりLED154の発光をオン−オフすることができる。なお、同図では、ドライバ155を補助具153の後端部に内蔵しているが、これに限らず、補助具153の先端部に内蔵してもよいし、また、LEDコントローラ158に内蔵してもよい。また、各LED154の先端面38aの配列形態としては、同心円上に並べた形態にしてもよいし、また、先端面38aの中心から放射する線上に配列した形態にしてもよい。なお、LEDコントローラ158を光源装置13に内蔵し、光源装置13にLED用補助コネクタ156を接続してもよい。
また、図20で説明した実施形態では、内視鏡11の照明機能にライトガイド48,49を使用しているが、代わりに白色照明用LEDを使用してもよい。この場合、内視鏡11と補助具12とを単一のLEDコントローラに接続するように構成してLEDコントローラを兼用してもよいし、LEDコントローラを個別に設けて双方を個別に接続するように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、補助具に照明機能のみを内蔵させているが、本発明ではこれに限らず、照明機能に加えて、例えば鉗子チャンネルを内蔵した補助具としてもよい。この場合、図21に示すように、補助具160の挿入部34には、先端部から後端部へと貫通する鉗子管路161が設けられている。この鉗子管路161は、一端が先端面38aに設けた鉗子出口162に、また他端は後端部に設けた鉗子入口163に接続されている。補助具160の後端部には、内視鏡11の手元操作部17に着脱自在に係合する係合部164が設けられている。係合部164は、手元操作部17に設けた鉗子入口19に着脱自在に係合され、係合することで補助具160の鉗子管路161を手元操作部17の鉗子入口19に繋げる短絡路165を有している。これにより、鉗子等の処置具は、補助具160の鉗子入口163から挿入し、挿入後に挿入方向の先端の向きを短絡部165と鉗子管路161とのいずれかに変えることで、使用する鉗子管路を内視鏡11と補助具12とで選択することができる。補助具160の先端面38aには、図22に示すように、照明窓80と鉗子出口162とが並設されている。なお、照明窓を2つ設けても良い。この場合、補助具12のライトガイド74を挿入部34内で2つに分岐すればよい。さらに、補助具160の照明機構としてLEDを使用する場合には、図23に示すように、鉗子出口162を取り巻くように複数のLED166を配列するのが好適である。
ところで、内視鏡11としては、図13で説明したWJノズル58を備えていないものが多い。そこで、このような内視鏡11を補助する補助具170としては、図24に示すように、観察対象に向けて液体を噴出するためのウォータージェット管路(WJ管路)171を、ライトガイド74等を含む照明機能に加えて設ければよい。この場合、補助具170の後端部に送水装置172を接続するためのウォータージェット口(WJ口)173を設け、WJ管路171の後端をWJ口173に接続する。WJ管路171の先端は、先端面38aに設けたウォータージェットノズル(WJノズル)174に接続されている。
送水装置172は、送水用ポンプ175、そのポンプ175の駆動を制御する制御部176、フットスイッチ177、及び送水用ポンプ175に接続された送水タンク178を有する。制御部176は、フットスイッチ177の押下操作に応答して送水用ポンプ175を駆動して送水タンク178の液体を補助具170に送り込む。送り込まれた液体は、WJ管路171を通ってWJノズル174から噴出する。WJノズル174やWJ管路171は、ライトガイド74に比べて小径でよいので、照明窓80を大径に維持することができる。なお、補助具170に設けるWJノズル174の数は複数でもよい。この場合、WJ管路をパラレルに配し、WJ口も個別に設けることで、異なる液体を同時に噴出することができる。また、送水装置172の代わりに、図13で説明したシリンジを取り付けても良い。
また、上記各実施形態では、固定手段として磁石体23,24,41,42を双方に設け、磁石体同士の磁着により双方の先端部を固定しているが、本発明ではこれに限らず、一方に電磁石を、他方に磁性体を設け、電磁石を設けた一方に電磁石をオン−オフするための操作部を設ける構造にしてもよい。電磁石は、操作部の操作に応答して電磁石に電流が流れて磁性体に磁着する。内視鏡11に電磁石を設ける場合には、ユニバーサルコネクタ18を介して光源装置13又はプロセッサ装置14から電流を伝送すればよい。逆に補助具12に電磁石を設ける場合には、電流を取り入れる端子を補助具12の後端部に設け、その端子と光源装置13又はプロセッサ装置14を接続する構造としてもよいし、別に電源装置を用意し、その電源装置と補助具12の端子とを接続する構造としてもよい。
また、固定手段としては、磁力を利用する固定手段に限らず、図25に示すように、補助具180の挿入部34の内部空間にライトガイド74とは別に、スネア型の捕捉具181を挿通するための捕捉用管路182を設け、捕捉具181の先端に設けた捕捉用ループ183で内視鏡11の先端部を捕捉して、互いの先端部を先端面20a,38aが同じ向きになるように固定する構造としてもよい。捕捉用管路182は、ライトガイド74に比べ小径となっており、一端が補助具12の先端部に設けた管路出口184に、また、他端が後端部に設けた管路入口185にそれぞれ接続されている。捕捉具181は、シース内に弾性ワイヤを摺動自在に収容したものであり、先端に弾性ワイヤを折り曲げて形成した開閉自在な捕捉用ループ183を、また、後端には管路入口185から露呈するハンドル186をそれぞれ持っている。
捕捉具181は、ハンドル186をシースに対して押し引きすることで捕捉用ループ183が、シース内に引き込まれた状態では窄まった状態に弾性変形し、シース内から前方に押し出されるとループ状に膨む。鼻孔に挿入するときには、窄まった状態にしておき、先端部同士を固定するときにはループ状に膨らませ、内視鏡11の挿入部16の先端部を捕捉した後にはハンドル186を引くことで、捕捉用ループ183がすぼまって内視鏡11側の先端部を補助具180側の先端部に固定することができる。
この場合、捕捉用ループ183を突出させる管路出口184を、補助具180の先端部38の後端側の周面に形成すれば、捕捉時に先端部同士を並行に密着させることができる。この実施形態では、先端部同士を固定するときに、内視鏡11側の先端部を補助具12よりも挿入方向の後方に位置させておけば、捕捉用ループ183がモニタ15の画面に映るため、そのループ183の画像を見ながら内視鏡11側の先端部が捕捉用ループ183に通るように内視鏡11の挿入部16を挿入していけばよいため、確実な固定が行える。なお、捕捉具181を内視鏡11側に設けてもよい。
さらに、上記各実施形態では、補助具に白色光を用いた通常観察用の照明機能を用いているが、本発明ではこれに限らず、例えば狭帯域光を用いるNBI(Narrow Band Imaging)、赤外光を用いるIRI(Infra Red Imaging)、自家経口の励起光を用いるAFI(Auto Fluorescence Imaging)等の特殊光を使用した観察に用いる照明機能を設けても良い。特殊光は、前述した白色光を用いた観察では観察しにくかった小さな病変をより観察しやすくするために使用される。特殊光を用いた観察では、光の波長を制御することで、粘膜表層の毛細血管や、わずかな粘膜の肥厚、深部血管などを強調して映し出す。このような特殊光を用いた補助具を用いる場合、特殊光作成機能を内蔵する特殊光光源装置を補助具に接続する。そして、内視鏡の白色光をランプ点灯ボタンの操作でオフし、特殊光光源装置に設けた補助具用のランプ点灯ボタンをオンする。これにより、通常観察と特殊光観察とを切り換えて行える。これにより、特殊光観察専用の内視鏡に一々交換する手間が省ける。
狭帯域光を用いる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging:NBI)では、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された2つの波長(390〜445nm/530〜550nm)の光を照射することにより、粘膜表層の毛細血管、粘膜微細模様の強調表示をする。このため、前述した2種類の波長の光を補助具に設けた2つの照明窓から個別に照射するように構成すればよい。
(近)赤外光を用いる赤外光観察(Infra Red Imaging:IRI)では、2つの赤外光(790〜820nm/905〜970nm)を照射することにより、通常の白色光での観察では視認が難しい粘膜深部の血管や血流情報を強調表示する。粘膜深部の血管などをより高いコントラストで観察するために、赤外光が吸収されやすい赤外指標薬剤を静脈注射した上で、赤外指標薬剤の吸収が最も強い波長(790〜820nm)と、赤外指標薬剤の吸収が最も弱い波長(905〜970nm)との2種類の赤外波長の光を照射することにより、粘膜下層の血管像を青色で観察を行う。したがって、前述した2種類の赤外光を補助具に設けた2つの照明窓から照射するように構成すればよい。
自家蛍光の励起光を用いる自家蛍光観察(Auto Fluorescence Imaging:AFI)では、コラーゲンなどの蛍光物質からの自家蛍光を観察するための励起光(390〜470nm)と、血液中のヘモグロビンに吸収される波長(540〜560nm)の光を照射することにより、腫瘍性病変と正常粘膜を異なる色調で強調表示する。この場合も、前述した励起光と波長の光とを個別に照射する2つの照明窓を補助具に設ければよい。自家蛍光は極めて微弱な光である。このため、高感度のCCD等の撮像素子を搭載した内視鏡と併用して使用すればよい。