JP5545381B1 - 硫化水素ガス製造プラント及び硫化水素ガスの排気方法 - Google Patents

硫化水素ガス製造プラント及び硫化水素ガスの排気方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硫化水素ガスの排気の安全性を維持しつつ、コストを削減する。
【解決手段】硫化水素ガス製造プラントの排気設備において、反応設備、冷却設備及び硫黄除去設備から漏洩した硫化水素ガスの濃度を測定器で測定し、検出した濃度が所定の濃度未満の場合にはバルブを制御して第1の排気管から硫化水素ガスを大気中に排気し、所定の濃度以上の場合にはバルブを制御して第2の排気管から硫化水素ガスをガス処理設備に排気する。
【選択図】図1

Description

本発明は、硫化水素ガス製造プラント及び硫化水素ガスの排気方法に関し、さらに詳しくは、漏洩した硫化水素ガスを大気又はガス処理設備に排気する排気設備を備えた硫化水素ガス製造プラント及びその硫化水素ガス製造プラントによる硫化水素ガスの排気方法に関する。
例えば、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法においては、ニッケル酸化鉱石の浸出液を中和して得られた溶液や不純物を除去したニッケル回収用溶液に対して、硫化水素ガスを吹き込んで金属硫化物を形成する硫化処理が行われる。
このときに使用される硫化水素ガスは、例えば、硫化水素を製造する硫化水素ガス製造プラントにより製造される。硫化水素ガス製造プラントは、硫化水素ガスを製造するための設備と、発生した硫化水素ガスを冷却する設備と、硫化水素ガス中の硫黄を回収する設備等を備える。このような硫化水素製造プラントには、図3に示すように触媒を使用するものと、図4に示すように触媒を使用しないものとの2つに大きく分けられる。
具体的に、図3に示す硫化水素ガス製造プラント50は、供給された硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガスを発生させる反応設備51と、硫化水素ガスを冷却する冷却設備52と、硫化水素ガス中に含まれる硫黄を洗浄する洗浄設備53と、洗浄後の硫化水素ガスを乾燥し水分を除去する乾燥設備54とで構成されている。また、硫化水素ガス製造プラント50は、付帯設備として、生成した硫化水素ガスを貯留する貯留設備55と、硫化水素ガスを供給する供給設備56とを備えてなる。
硫化水素ガス製造プラント50では、活性化エネルギーを低減することを目的として反応設備51のリアクター内に触媒を使用している。また、硫化水素ガス製造プラント50では、製造した硫化水素ガスに含まれる硫黄を洗浄設備53で除去した後、乾燥設備54で水分を除去することによって水分による設備の腐食を防止している。
また、硫化水素ガス製造プラント50では、製造した硫化水素ガスをコンプレッサー等の供給設備56を使用して必要な圧力まで昇圧し、昇圧させた硫化水素ガスを、例えば上述したニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の脱亜鉛工程や硫化工程等における硫化水素ガスを使用するプラントに供給する。
硫化水素ガス製造プラント50においては、硫化水素ガスを製造する条件として、例えば、圧力が約5kPaG、温度が約380℃で運転される。この硫化水素ガス製造プラント50では、反応設備51に触媒を使用しているため、圧力、温度ともに低い条件での運転が可能となり、その点が操業上の利点となっている。
しかしながら、硫化水素ガス製造プラント50においては、反応設備51内の触媒を定期的に交換する必要があることの他に、触媒の寿命の観点から硫化水素ガスの原料である硫黄の品質を厳しく管理する必要がある。
一方で、図4に示す硫化水素ガス製造プラント60は、リアクターに触媒を使用しないプラントである。硫化水素ガス製造プラント60は、図4に示すように、硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガスを発生させる反応設備(リアクター66、クエンチタワー67、ヒーター68)61と、硫化水素ガスを冷却する冷却設備62(62A,62B)と、硫化水素ガス中の硫黄を除去し硫化水素ガスを供給するノックアウト設備63と、硫化水素ガスから除去した硫黄を回収し硫黄処理プラント等に供給するブローダウン設備64とで構成されている。また、硫化水素ガス製造プラント60は、付帯設備として、熱バランスを調整するために硫黄の温度を冷却する設備65を備える。
硫化水素ガス製造プラント60では、反応設備61のリアクター66内に熔融硫黄が貯留され、下部から水素ガスを供給することにより、水素ガスが熔融硫黄を通過する間に硫化水素ガスの生成反応が進行する。なお、反応によって減少する硫黄は反応設備61上部から供給される。反応設備61にて生成した硫化水素ガスは、大部分が硫化水素であるものの、水素ガスがリアクター内を通過する際に巻き込んだ硫黄蒸気が含まれている。
また、硫化水素ガス製造プラント60では、硫化水素ガスを製造する条件として、例えば、圧力が約800kPaG、温度が約470℃という高温・高圧条件で運転されている。生成した硫化水素ガスは、反応設備61を構成するクエンチタワー67を出る際に約150℃程度の温度まで下がっているが、さらに冷却設備62にて約50℃程度(供給先の設備で使用する温度)にまで冷却され、ノックアウト設備63に移送される。
また、反応設備61にて発生した硫化水素ガスに含まれる硫黄の大部分は、供給先となる硫化水素ガスを使用するプラント等のコントロール弁やマニュアルバルブ等のバルブ類や、温度計や圧力計等の計器類に付着すると操業上大きな支障をきたす。そのため、ノックアウト設備63にて一度固化し、その底部に堆積した硫黄をノックアウト設備63の下部外周囲に設置されたジャケットを介してスチームで加熱することにより熔融して回収する。回収した硫黄は、ブローダウン設備64にて貯留した後に供給ポンプ69を用いて硫黄処理プラントに供給されて処理され、又は繰り返して使用される。
このようにして、硫化水素ガス製造プラント60にて生成した硫化水素ガスに含まれていた硫黄がノックアウトドラムで分離された後、その硫化水素ガスが、例えば上述したニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の脱亜鉛工程や硫化工程等における硫化水素ガスを使用するプラントに供給される。
硫化水素ガス製造プラント60においては、系内の圧力を高い状態にして運転管理されることから、コンプレッサーやチラー設備等の設備が不要となり、初期の投資を抑えることができる。さらに、上述した硫化水素ガス製造プラント50のような触媒の定期交換やそのための交換費用、硫黄の品質管理を含めたメンテナンスコストが不要となり、操業コストを低減できるという利点がある。
しかしながら、硫化水素ガス製造プラント60では、高圧、高温の条件で運転されるため、ガス漏洩による危険性が高くなる。
硫化水素ガスは、非常に危険な物質であるため、ガス漏洩対策を講じる必要があり、例えば建屋やシェルター等で硫化水素ガス製造設備を囲んだり、風向き等を考慮することが必要である。
硫化水素ガスは、通常、除害塔やスクラバー、フレアー設備で処理される。フレアー設備で処理する場合には、硫化水素ガスを燃焼することによってSOxが発生するため環境的な問題が生じる。一方、除害設備やスクラバーで処理する場合には、環境的な問題は生じないものの、硫化水素ガスを中和するため、苛性ソーダ等の中和剤が必要となり、中和剤コストが必要となる。除害設備やスクラバー、フレアー設備は、硫化水素ガスが漏洩していないときにも運転されている。このため、除害設備やスクラバーの場合には、その分の中和剤が必要となりコストが高くなってしまう。
硫化水素ガス製造プラント60では、硫化水素ガスの排気の安全性を維持しつつも、中和剤の使用を少なくしてコストを削減することが求められている。
特開2010−126778号公報
そこで、本発明は、このような問題に鑑みて、硫化水素ガス製造プラントにおいて、硫化水素ガスの排気の安全性を維持しつつ、コスト削減、例えば硫化水素ガスの無害化に必要な中和剤の量を少なくしてコストを削減することが可能な硫化水素ガス製造プラント及びその硫化水素ガス製造プラントによる硫化水素ガスの排気方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、本発明に係る硫化水素ガス製造プラントは、少なくとも、硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガスを発生させる反応設備と、発生した硫化水素ガスを冷却する冷却設備と、該硫化水素ガス中に含まれる硫黄を除去する硫黄除去設備と、上記硫化水素ガスを無害化するガス処理設備とを備え、反応設備、冷却設備及び硫黄除去設備に設けられ、それらの設備から漏洩した硫化水素ガスを排気する排気設備を有する。排気設備は、漏洩した硫化水素ガスを大気に排気する第1の排気管とガス処理設備に排気する第2の排気管とに一端が分岐した排気管と、設備と排気管における分岐点との間に設けられ、硫化水素ガスの濃度を測定する濃度測定器と、濃度測定器が所定の濃度未満の濃度を検出した場合には第1の排気管から硫化水素ガスを大気中へ排気し、所定の濃度以上の濃度を検出した場合には第2の排気管から硫化水素ガスをガス処理設備へ排気するように制御するバルブ機構とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る硫化水素ガス製造プラントの排気方法は、上記硫化水素ガス製造プラントにおいて、濃度測定器が検出した濃度に基づいてバルブ機構を制御して第1の排気管から硫化水素ガスを大気中に排気するか、または第2の排気管から上記硫化水素ガスをガス処理設備に排気することを特徴とする。
本発明では、硫化水素ガス製造プラントにおいて各設備から漏洩した硫化水素ガスをガス処理設備で処理する必要があるかどうかを漏洩した硫化水素ガスの濃度で判断し、処理が必要ない場合には大気中に排気することでガス処理設備の稼働を減らすことができる。これにより、本発明では、常にガス処理設備を稼働させる必要がないため、硫化水素ガスの排気の安全性を維持しつつ、例えばガス処理設備における中和剤の使用を少なくすることができるため、コストを削減することができる。
本発明を適用した硫化水素ガス製造プラントの構成の一例を示す概略構成図である。 同プラントにおける排気方法のフローチャートである。 従来の硫化水素ガス製造プラントの構成を示す概略構成図である。 従来の硫化水素ガス製造プラントの構成を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る硫化水素ガス製造プラント及び硫化水素ガスの排気方法について、以下の順序で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1.本発明の概要
2.硫化水素ガス製造プラント
3.硫化水素ガスの排気方法
[1.本発明の概要]
本発明に係る硫化水素ガス製造プラントは、少なくとも、硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガスを発生させる反応設備と、発生した硫化水素ガスを冷却する複数の冷却設備と、硫化水素ガス中に含まれる硫黄を除去する硫黄除去設備と、硫化水素ガスを無害化するガス処理設備と、ガス処理設備以外の設備から漏洩した硫化水素ガスを大気又はガス処理設備に排気する排気設備とを備える。
この硫化水素ガス製造プラントでは、高温高圧条件で運転をしているため、硫化水素ガスが漏洩する場合がある。この硫化水素ガス製造プラントでは、漏洩した場合であっても、漏洩した硫化水素ガスを無害化する必要があるか否かを判断し、必要がある場合のみガス処理設備で硫化水素ガスを処理し、処理が必要ない場合、即ち大気中に排気しても環境や人体に影響がない場合には大気中に排気することで、ガス処理設備の稼働を減らすことができる。
また、硫化水素ガス製造プラントでは、反応設備等の運転条件が厳しい設備において硫化水素ガスによる爆発限界を避けるため、フランジ部等の硫化水素ガスが漏洩しやすい部分に窒素ガスを流入し、漏洩した硫化水素ガスを除去する場合がある。また、所定の定期点検時、突発のトラブル発生時、プラント立ち上げに際してプラント内に残留する硫化水素ガスを窒素ガスに置換する処理を行う場合がある。
このため、硫化水素ガス製造プラントには、更に、反応設備等に窒素ガスを供給する窒素ガス供給設備を設ける場合がある。硫化水素ガス製造プラントでは、設備内を通風させた窒素ガスによって硫化水素ガスが反応設備等から窒素ガスと共に除去される。窒素ガス供給設備においても、排気設備と同様に除去した硫化水素ガスを無害化する必要があるか否かを判断し、必要がある場合のみガス処理設備で硫化水素ガスを処理し、処理が必要ない場合、即ち大気中に排気しても環境や人体に影響がない場合には大気中に排気することで、ガス処理設備の稼働を少なくすることができる。
[2.硫化水素ガス製造プラント]
図1は、硫化水素ガス製造プラント10の構成の一例を示す概略図である。この図1に示される硫化水素ガス製造プラント10は、硫化水素ガスを発生させる反応設備11と、発生した硫化水素ガスを冷却する複数の冷却設備12と、硫化水素ガス中の硫黄を除去し硫黄が除去された硫化水素ガスを供給する硫黄除去設備13とを備える。また、硫化水素ガス製造プラント10は、硫黄除去設備13において硫黄が除去された硫化水素ガスを硫化処理プラントに供給する供給管14を備えている。
また、硫化水素ガス製造プラント10は、硫黄除去設備13にて除去された硫黄を回収して貯留し、硫黄を処理する設備に供給するブローダウン設備15と、反応設備11における熱バランスを調整するために硫黄を冷却する硫黄冷却設備16とを備える。
更に、硫化水素ガス製造プラント10には、例えば反応設備11、冷却設備12、硫黄除去設備13から漏洩した硫化水素ガスを無害化するガス処理設備17と、反応設備11、冷却設備12、硫黄除去設備13から漏洩した硫化水素ガスを大気又はガス処理設備17に排気する排気設備18とを備える。
更にまた、硫化水素ガス製造プラント10には、反応設備11等に窒素ガスを供給する窒素ガス供給設備19を備えるようにしてもよい。
まず、各設備について説明する。
(反応設備)
反応設備11は、例えば、リアクター20と、クエンチタワー21と、ヒーター22と、建屋23とから構成されている。反応設備11は、供給された硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガス生成反応を生じさせ、硫化水素ガスを発生させる。より具体的には、リアクター20内に熔融硫黄が貯留され、その下部から水素ガスが供給されることによって、水素ガスの上昇流が熔融硫黄を通過する間に反応が進行して硫化水素ガスが発生する。ここで発生した硫化水素ガスは、その大部分が硫化水素であるが、一部に水素ガスがリアクター20を通過する際に巻き込んだ硫黄蒸気が含まれている。
また、反応設備11においては、温度が約470℃、圧力が約800kPaGという比較的に高温かつ高圧の条件下で運転されており、発生した硫化水素ガスも高温かつ高圧になっている。なお、反応設備11において発生した硫化水素ガスは、供給される硫黄と熱交換が行われる結果、クエンチタワー21を通過した際には150℃程度となっている。
反応設備11では、高温かつ高圧の条件下で運転しているため、発生した硫化水素ガスの一部がリアクター20やクエンチタアー21から漏洩する場合がある。反応設備11では、リアクター20やクエンチタワー20等を建屋23で囲むことで、硫化水素ガスの一部が漏洩しても直接大気中に排気されることはなく、建屋23内に留まっている。この建屋23内に溜まった硫化水素ガスは、後述する排気設備18により排気される。
(冷却設備)
冷却設備12は、反応設備11にて発生した硫化水素ガスを回収する。冷却設備12における硫化水素ガスの冷却温度としては、特に限定されず、硫化水素ガス中の硫黄分を低減する上では低い方が好ましい。具体的には、通常(冷却)水を使用していることから、約50℃程度にまで冷却される。
また、硫化水素ガス製造プラント10においては、冷却設備12が複数備えられている。冷却設備12においては、回収した硫化水素ガス中に含まれる硫黄の一部が、設備内部(伝熱面)で固化して固着してしまう。そのため、冷却設備12を複数備えるようにすることによって、それらを交互に切り替えて使用することを可能にし、冷却能力の低下に伴う操業効率の低下を防止している。なお、図1に示す硫化水素ガス製造プラント10は、冷却設備12A,12Bの2系統を有する例である。
また、冷却設備12A,12Bにおいては、例えばその下部周囲にジャケットが設けられており、スチームで加熱することによって固着した硫黄を熔融することが可能となっている。冷却設備12A,12Bにおいては、例えば冷却設備12Aの内部に硫黄が固着した場合、冷却設備12Aの使用を停止して冷却設備12Bに切り替える。使用を停止させた冷却設備12Aでは、スチームにより固着した硫黄が熔融され回収される。
ここで、冷却設備12A,12Bは、使用を一時停止した設備においても直前まで硫化水素ガスを冷却していたものであるため、その内部に高圧かつ高濃度の硫化水素ガスを保持している。そのため、内部に固着した硫黄の熔融回収処理にあたっては、その硫黄を熔融回収する冷却設備12A,12B内の硫化水素ガスを排出し、内部圧力を低下させた状態で行う必要がある。硫化水素ガス製造プラント10では、このとき排出される硫化水素ガスが、いわゆる廃硫化水素ガスとなり、当該冷却設備12A,12Bにて発生する。
硫化水素ガス製造プラント10からの廃硫化水素ガスの排出態様としては、例えば、冷却設備12A,12Bにて熔融回収された硫黄と共に、後述するブローダウン設備15に廃硫化水素ガスを放出させて圧力を開放し、そのブローダウン設備15に設けられた排出口24から排出する。または、冷却設備12A,12Bにて発生した廃硫化水素ガスを、冷却設備12A,12Bに設けられた排出口から直接排出してもよい。
なお、ブローダウン設備15に設けられた排出口24から廃硫化水素ガスを排出する場合、図1に示すように、ブローダウン設備15の排出口24と硫化水素ガスを使用する処理プラントAとを接続させるように後述する配管31を設けるようにする。また、冷却設備12A,12Bに設けられた排出口から直接廃硫化水素ガスを排出する場合には、その冷却設備12A,12Bの排出口と硫化水素ガスを使用する処理プラントAとを接続させるように後述する配管31を設けるようにしてもよい。
また、冷却設備12A,12Bは、建屋25内に設けられている。冷却設備12A,12Bでは、高圧かつ高濃度の硫化水素ガスを保持しているため、硫化水素ガスが漏洩する場合がある。冷却設備12A,12Bを建屋25で囲むことによって、硫化水素ガスの一部が漏洩しても直接大気中に排気されることはなく、建屋25内に留まっている。また、排出口から直接廃硫化水素ガスを排出する場合には、廃硫化水素ガスが建屋25内に排出するようにしてもよい。この建屋25内に溜まった硫化水素ガスや廃硫化水素ガスは、後述する排気設備18により建屋25から排気される。
(硫黄除去設備)
硫黄除去設備(ノックアウト設備)13は、冷却設備12A,12Bにて冷却された硫化水素ガス中に混入した硫黄を除去する。そして、硫黄除去設備13は、硫黄が除去された硫化水素ガスを、硫化水素ガスを使用する硫化処理プラント等に供給する。
反応設備11内で発生した硫化水素ガスには、一部硫黄蒸気が含まれている。硫黄除去設備13では、その硫黄蒸気を固化して底部に堆積させ、例えばその下部の外周囲に設置されたジャケットを介してスチームで加熱することによって熔融し回収する。回収した硫黄は、後述するブローダウン設備15に移送する。
なお、硫黄除去設備13が硫化水素ガスを供給する硫化処理プラントとしては、後述する配管31を介して廃硫化水素ガスを供給する処理プラントAと同一であっても異なってもよい。例えば、硫化処理プラントとしては、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法にて用いられる硫化工程プラントや脱亜鉛工程プラント等が挙げられる。
硫黄除去設備13は、硫化水素ガスの漏洩に備えて建屋26内に設けられている。硫黄除去設備13を建屋26で囲むことによって、硫化水素ガスの一部が漏洩しても直接大気中に排気されることはなく、建屋26内に留まっている。この建屋26内に溜まった硫化水素ガスは、後述する排気設備18により建屋26から排気される。
(配管)
硫黄除去設備13から導出した供給管14は、硫化処理プラントに接続されており、硫黄を除去した硫化水素ガスを硫化処理プラントに供給する。供給管14には、硫化処理プラントに硫化水素ガスの供給を制御するON/OFFバルブ27が設けられている。また、供給管14には、硫化処理プラントへ供給される硫化水素ガスの圧力を測定する圧力計28と、硫化水素ガスの流量を測定する流量計29と、硫化水素ガスの供給を制御するコントロールバルブ30とが設けられている。
(ブローダウン設備)
ブローダウン設備15は、硫黄除去設備13にて硫化水素ガスから除去された硫黄を回収する。また、ブローダウン設備15は、冷却設備12A,12B内に固着していた硫黄を回収する。そして、ブローダウン設備15は、それら回収した硫黄を供給ポンプ30を用いて例えば硫黄処理プラント等に供給する。または、回収した硫黄を、再び反応設備11に対して供給する硫黄源として循環利用させてもよい。
また、ブローダウン設備15には、冷却設備12A,12Bにて発生し当該ブローダウン設備15に放出されてきた廃硫化水素ガスを系外に排出するための排出口24が設けられている。ブローダウン設備15は、図1に示すように、その排出口24に配管31が結合され、配管31によって硫化水素ガスを使用する処理プラントAと接続されており、排出口24から排出される廃硫化水素ガスが配管31を介して処理プラントAに供給されるようになっている。
なお、廃硫化水素ガスを供給する処理プラントAとしては、特に限定されるものではなく、硫化水素ガスを使用する処理プラントであればよい。例えば、上述したニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に用いられる硫化工程プラントや脱亜鉛工程プラント等が挙げられる。処理プラントAは、その硫化水素ガスの使用圧力が当該プラント10の反応設備11における運転圧力条件(780〜800kPaG)よりも低いものであることが、移送ポンプ等を設けなくても圧力差によりスムーズに廃硫化水素ガスを供給できるという点で好ましい。
(硫黄冷却設備)
硫黄冷却設備16は、反応設備11における熱バランスを調整するために硫黄を約470℃から約150℃まで冷却する。また、硫黄冷却設備16は、冷却した硫黄を例えばブローダウン設備15に供給し、冷却設備12A,12Bや硫黄除去設備13から回収した硫黄と共に硫黄処理プラント等に供給する。また、硫黄冷却設備16は、冷却した硫黄を循環ポンプ32を用いて再び反応設備11に供給する硫黄源として循環利用させてもよい。
(ガス処理設備)
ガス処理設備17は、例えば各設備から漏洩した硫化水素ガスを苛性ソーダ等の中和剤を用いて中和して無害化する除害設備、硫化水素ガスを燃焼させて毒性を低下させて無害化するフレアー設備等であり、中和剤を使用する除害設備が好ましいが、硫化水素ガスを無害化することができれば特に限定されるものではない。ガス処理設備17は、後述する排気設備18及び窒素ガス供給設備19と接続され、これらの設備から送られてきた硫化水素ガスを無害化処理する。
(排気設備)
排気設備18は、例えば、硫化水素ガスを生成する反応設備11、硫化水素ガスを処理する冷却設備12、硫黄除去設備13にそれぞれ設けられている。なお、排気設備18は、これらの設備に設けられることに限らず、硫化水素ガス製造プラント10において硫化水素ガスの漏洩のおそれがある他の設備に設けてもよい。
排気設備18は、硫化水素ガスを大気に排気する排気管40を有する。排気管40は、建屋23、25、26から導出し、大気と接続され、硫化水素ガスを大気中に排気する第1の排気管40aと、ガス処理設備17に接続され、ガス処理設備17に排気する第2の排気管40bとに一端が分岐している。
また、排気設備18には、建屋23、25、26と排気管40の分岐点との間に設けられ、漏洩した硫化水素ガスの濃度を測定する濃度測定器41と、濃度測定器41の測定結果に基づいて第1の排気管40a及び第2の排気管40bの排気を制御するバルブ機構42が設けられている。
バルブ機構42は、第1の排気管40a及び第2の排気管40bの排気を制御することができればバルブの種類や配置は限定されない。バルブ機構42の種類は、例えば、ON/OFFバルブであるが、このことに限定されず、コントロールバルブを用いてもよい。バルブ機構42のON/OFFを切り替えることで、建屋23、25、26内と、大気及びガス処理設備17との間の分離・接続を切り替えることができる。ここでは、第1の排気管40aに設けたON/OFFバルブを第1のON/OFFバルブ42aとし、第2の排気管40bに設けたON/OFFバルブを第2のON/OFFバルブ42bとする。第1のON/OFFバルブ42a及び第2のON/OFFバルブ42bは、通常、OFFの状態、即ち第1の排気管40a及び第2の排気管40bは閉鎖した状態である。
更に、排気設備18は、例えば濃度測定器41と分岐点との間に、硫化水素ガスの流れを良くするためファン43を設けてもよい。また、排気設備18には、硫化水素ガスの濃度によって警報がなるように警報器を設けてもよい。
排気設備18では、建屋23、25、26に漏洩した硫化水素ガスの濃度を濃度測定器41で測定し、濃度測定器41の測定結果が所定の濃度未満の場合には第1のON/OFFバルブ42aをONにして開放して、第1の排気管40aを介して建屋23、25、26と大気とを接続し、第2のON/OFFバルブ42bをOFFにして、第2の排気管40bを介して建屋23、25、26とガス処理設備17とが接続されないようにする。このように制御することで、建屋23、25、26内の硫化水素ガスは、大気中に排気される。
一方、濃度測定器41の測定結果が所定の濃度以上の濃度である場合は、逆に、第1のON/OFFバルブ42aをOFFにして閉鎖して、第1の排気管40aを介して建屋23、25、26と大気とが接続されないようにし、第2のON/OFFバルブ42bをONにして、第2の排気管40bを介して建屋23、25、26とガス処理設備17とが接続されるようにする。このように制御することで、建屋23、25、26内の硫化水素ガスは、ガス処理設備17に排気される。
ここで、ON/OFFバルブ42a、42bの制御は、濃度測定器41による測定結果に基づいて、硫化水素ガスの濃度が硫化水素ガスを大気に排気してもよい濃度か否かを判断し、ON又はOFFの制御を行う。硫化水素ガスは、危険性が高いといわれているが、濃度が低ければ大気中に排気しても環境や人体への影響はない。一般に、濃度1ppmは、労働安全衛生法における作業環境管理濃度であり、5ppmは、日本産業衛生学会における許容濃度であり、50〜100ppmは、症状、起動刺激、結膜炎等が生じるといわれている。即ち、濃度が5ppm未満であれば、人体や環境への影響はないものといえる。
したがって、本実施の形態における排気設備18では、硫化水素ガスの所定の濃度を5ppmとすることが好ましい。即ち、排気設備18では、濃度測定器41による測定で硫化水素ガスの濃度が5ppm未満である場合には、硫化水素ガスを第1の排気管40aから大気中に排気し、濃度が5ppm以上である場合には、硫化水素ガスをガス処理設備17で無害化するため第2の排気管40bからガス処理設備17に排気するようにバルブ機構42を制御することが好ましい。なお、1ppmに達した場合に、警報が鳴るようにしてもよい。
以上のような構成の排気設備18では、濃度測定器41で漏洩した硫化水素ガスの濃度を測定し、例えば5ppm未満であった場合に、硫化水素ガスを大気に排気する。これにより、硫化水素ガス製造プラント10では、ガス処理設備17を常に稼働する必要がなくなり、例えば除害設備では、常に硫化水素ガスを中和して無害化する必要がなくなるため、中和剤の使用量を少なくでき、コストを削減できる。
なお、排気設備18において、バルブ機構42の設置位置は、第1の排気管40a及び第2の排気管40bにそれぞれ設けることに限定されず、第1の排気管40a及び第2の排気管40bのうち一方を開放し、他方を閉鎖するバルプであれば分岐点に1つのバルブを設けるようにしてもよい。
(窒素ガス供給設備)
窒素ガス供給設備19は、硫化水素ガス製造プラント10の中でも運転条件が厳しい反応設備11のリアクター20やクエンチタワー21において爆発限界を避けるため、これらのフランジ部等の硫化水素ガスが漏洩しやすい部分に常時窒素ガスを流している。硫化水素ガス製造プラント10では、窒素ガスをフランジ部等に常時供給することで、窒素ガスで漏洩した硫化水素ガスを反応設備から除去することで爆発限界を避けることができる。また、硫化水素ガス製造プラント10では、所定の定期点検時や突発のトラブル発生時、又はプラント立ち上げに際しては、その硫化水素ガス製造プラント10と処理プラントとを切り離した上で、硫化水素ガス製造プラント10の内部を窒素ガス等によって置換する処理が行われる。このため、このような場合において、窒素ガス供給設備19は、プラント10内に窒素ガスを供給する。なお、図1では、リアクター20及びクエンチタワー21のフランジ部等に窒素ガスを供給する窒素ガス供給設備19を示し、定期点検時等における窒素ガス供給設備については省略する。
窒素ガス供給設備19では、リアクター20及びクエンチタワー21の外部からフランジ部等の硫化水素ガスが漏洩しやすい部分に窒素ガスを供給し通風させる。これにより、フランジ部等を窒素ガスが通過することによって、窒素ガスと共に硫化水素ガスがフランジ部等から押し出される。
窒素ガスと共に押し出された硫化水素ガスは、通常、ガス処理設備17にて中和処理又は燃焼により無害化処理される。しかしながら、本実施の形態では、上述した排気設備18と同様に、硫化水素ガスの濃度によって大気中に排気するか、ガス処理設備17に排気するかを判断し、ガス処理設備17の稼働を減らすことができる。
具体的に、窒素ガス供給設備19は、リアクター20及びクエンチタワー21に供給管44を介して供給した窒素ガス及びフランジ部等から除去した硫化水素ガスを排気する混合ガス排気管45を有する。この混合ガス排気管45は、窒素ガスと硫化水素ガスとを大気に排気する第1の混合ガス排気管45aと、ガス処理設備17に排気する第2の混合ガス排気管45bとに一端が分岐している。
また、窒素ガス供給設備19には、リアクター20及びクエンチタワー21と混合ガス排気管45の分岐点との間に設けられ、除去した硫化水素ガスの濃度を測定する濃度測定器46と、濃度測定器46の測定結果に基づいて第1の混合ガス排気管45a及び第2の混合ガス排気管45bの排気を制御するバルブ機構47が設けられている。
バルブ機構47は、第1の混合ガス排気管45a及び第2の混合ガス排気管45bの排気を制御することができればバルブの種類や配置は限定されない。バルブ機構47の種類は、例えば、ON/OFFバルブであるが、このことに限定されず、コントロールバルブを用いてもよい。バルブ機構47のON/OFFを切り替えることで、リアクター20及びクエンチタワー21と、大気及びガス処理設備17との間の分離・接続を切り替えることができる。ここでは、第1の混合ガス排気管45aに設けたON/OFFバルブを第1のON/OFFバルブ47aとし、第2の混合ガス排気管45bに設けたON/OFFバルブを第2のON/OFFバルブ47bとする。第1のON/OFFバルブ47a及び第2のON/OFFバルブ47bは、通常、OFFの状態、即ち第1の混合ガス排気管45a及び第2の混合ガス排気管45bは閉鎖した状態である。
更に、窒素ガス供給設備19は、例えば濃度測定器46と分岐点との間に、窒素ガス及び硫化水素ガスの流れを良くするためファン48を設けてもよい。
窒素ガス供給設備19は、除去した硫化水素ガスの濃度を濃度測定器46で測定し、濃度測定器46の測定結果が所定の濃度未満の場合には第1のON/OFFバルブ47aをONにして開放して、第1の混合ガス排気管45aを介してリアクター20及びクエンチタワー21と大気とを接続し、第2のON/OFFバルブ47bをOFFにして、第2の混合ガス排気管45bを介してリアクター20及びクエンチタワー21とガス処理設備17とが接続されないようにする。このように制御することで、リアクター20及びクエンチタワー21内の硫化水素ガスと窒素ガスは大気中に排気される。
一方、濃度測定器46の測定結果が所定の濃度以上の濃度である場合は、逆に、第1のON/OFFバルブ47aをOFFにして閉鎖して、第1の混合ガス排気管45aを介してリアクター20及びクエンチタワー21と大気とが接続されないようにし、第2のON/OFFバルブ47bをONにして開放し、第2の混合ガス排気管45bを介してリアクター20及びクエンチタワー21とガス処理設備17とが接続されるようにする。このように制御することで、硫化水素ガス及び窒素ガスはガス処理設備17に排気される。
ここで、ON/OFFバルブの制御は、上述した排気設備18と同様であり、濃度測定器46による測定結果に基づいて、硫化水素ガスの濃度が大気に排気してもよい濃度か否かを判断し、ON又はOFFの制御を行う。窒素ガス供給設備19では、上述した排気設備18と同様に、濃度測定器46による測定で硫化水素ガスの濃度が5ppm未満である場合には、硫化水素ガスを第1の混合ガス排気管45aから大気中に排気し、濃度が5ppm以上の場合には、硫化水素ガスをガス処理設備17で無害化するため第2の混合ガス排気管45bからガス処理設備17に排気するようにバルブ機構47を制御することが好ましい。
なお、窒素ガス供給設備19において、バルブ機構47の設置位置は、第1の混合ガス排気管45a及び第2の混合ガス排気管45bにそれぞれ設けることに限定されず、第1の混合ガス排気管45a及び第2の混合ガス排気管45bのうち一方を開放し、他方を閉鎖するバルプであれば分岐点に1つのバルブを設けるようにしてもよい。
以上のような構成の窒素ガス供給設備19では、濃度測定器46で漏洩した硫化水素ガスの濃度を測定し、例えば5ppm未満であった場合に、硫化水素ガスを大気に排気する。これにより、硫化水素ガス製造プラント10では、ガス処理設備17を常に稼働する必要がなくなり、例えば除害設備では常にガス処理設備17で硫化水素ガスを中和して無害化する必要がなくなるため、中和剤の使用を少なくでき、コストを削減できる。
上述した構成からなる硫化水素ガス製造プラント10では、反応設備11で生成された硫化水素ガスを冷却設備12で冷却し、硫黄除去設備13にて混入した硫黄を除去し、硫化水素ガスを製造する。製造した硫化水素ガスは、供給管14から硫化水素ガスを利用する硫化処理プラントに送られる。
また、硫化水素ガスプラント10では、冷却設備12で発生した廃硫化水素ガスを回収し、硫化工程プラント等の処理プラントAに供給するので、これまで単に排出されるだけでロスとなっていた廃硫化水素ガスを効率的に回収し、処理プラントAにて有効に利用することができる。また、従来のように、廃硫化水素ガスをフレアー設備やガス処理設備等による処理を要しないため、苛性ソーダ等の回収溶媒の使用コストを無くすことができ、操業コストを大幅に削減できる。
このように運転している硫化水素ガス製造プラント10では、反応設備11等の建屋23、25、26内に硫化水素ガスが漏洩した場合、漏洩した硫化水素ガスを排気する際にガス処理設備17にすべて排気せず、硫化水素ガスの濃度が人体や環境への影響が少なく大気に排気しても問題がない場合に大気中に排気することで、ガス処理設備17の稼働を少なくすることができる。これにより、硫化水素ガス製造プラント10では、例えば中和剤の使用量が少なくなり、コストを削減できる。
[3.硫化水素ガスの排気方法]
次に、硫化水素ガス製造プラント10の具体的な排気方法について説明する。なお、各設備に設けた排気設備18は、漏洩した硫化水素ガス濃度に応じてそれぞれ単独で稼働するようになっている。
先ず、図2に示すように、ステップ1にて、反応設備11、冷却設備12、硫黄除去設備13の建屋23、25、26内に漏洩した硫化水素ガスの濃度を濃度測定器41にて測定する。
次に、ステップ2にて、濃度測定器41の測定結果が所定の濃度未満であるか否かを判断する。所定の濃度とは、漏洩した硫化水素ガスを大気に排気しても環境や人体への影響がない濃度をいう。上述したように、5ppmは、日本産業衛生学会における許容濃度であり、50〜100ppmは、症状、起動刺激、結膜炎等が生じるといわれていることから、所定の濃度とは例えば5ppmとすることが好ましい。
次に、ステップ2において硫化水素ガスの濃度が所定の濃度未満であった場合(Yes)には、ステップ3に進む。ステップ3にて、第1の排気管40aに設けた第1のON/OFFバルブ42aを開放し、第2の排気管40bに設けた第2のON/OFFバルブ42bを閉鎖する。
そして、ステップ4では、ステップ3にて第1のON/OFFバルブ42aを開放し、第2のON/OFFバルブ42bを閉鎖したことにより、第1の排気管40aを介して建屋23、25、26と大気とが接続され、建屋23、25、26とガス処理設備17は分離されたままとなるため、圧力差が生じ、建屋23、25、26内の硫化水素ガスが大気中に排気される。
一方、ステップ2において硫化水素ガスの濃度が所定の濃度以上であった場合(No)には、ステップ5に進む。ステップ5にて、第1の排気管40aに設けた第1のON/OFFバルブ42aを閉鎖し、第2の排気管40bに設けた第2のON/OFFバルブ42bを開放する。
そして、ステップ6では、ステップ5にて第1のON/OFFバルブ42aを閉鎖し、第2のON/OFFバルブ42bを開放したことにより、第2の排気管40bを介して建屋23、25、26とガス処理設備17とが接続され、建屋23、25、26と大気は分離されたままとなるため、圧力差が生じ、建屋23、25、26内の硫化水素ガスがガス処理設備17に排気される。
以上のようにして、硫化水素ガス製造プラント10では、建屋23、25、26内に漏洩した硫化水素ガスの濃度が所定の濃度未満の場合には大気中に排気することにより、ガス処理設備17における処理を少なくでき、硫化水素ガスの排気の安全性を維持しつつ、コストを削減することができる。
また、硫化水素ガス製造プラント10に窒素ガス供給設備19を設けた場合においても、同様に硫化水素ガスの排気を行う。なお、窒素ガス供給設備19における排気方法も上述の排気設備18と同様であるため、図2を用いて説明する。
ステップ1にて、リアクター20及びクエンチタワー21のフランジ部等に漏洩した硫化水素ガスの濃度を配管45に設けた濃度測定器46で測定する。
次に、ステップ2にて、濃度測定器46の測定結果が所定の濃度未満であるか否かを判断する。所定の濃度については、排気設備18の場合と同様であるため説明を省略する。
次に、ステップ2において硫化水素ガスの濃度が所定の濃度未満であった場合(Yes)には、ステップ3に進む。ステップ3にて、第1の混合ガス排気管45aに設けた第1のON/OFFバルブ47aを開放し、第2の混合ガス排気管45bに設けた第2のON/OFFバルブ47bを閉鎖する。
そして、ステップ4では、ステップ3にて第1のON/OFFバルブ47aを開放し、第2のON/OFFバルブ47bを閉鎖したことにより、第1の混合ガス排気管45aを介してリアクター20及びクエンチタワー21と大気とが接続され、リアクター20及びクエンチタワー21とガス処理設備17は分離されたままとなるため、圧力差が生じ、リアクター20及びクエンチタワー21内の硫化水素ガスが大気中に排気される。
一方、ステップ2において硫化水素ガスの濃度が所定の濃度以上であった場合(No)には、ステップ5に進む。ステップ5にて、第1の窒素ガス配管に設けた第1のON/OFFバルブ47aを閉鎖し、第2の混合ガス排気管45bに設けた第2のON/OFFバルブ47bを開放する。
そして、ステップ6では、ステップ5にて第1のON/OFFバルブ47aを閉鎖し、第2のON/OFFバルブ47bを開放したことにより、第2の混合ガス排気管45bを介してリアクター20及びクエンチタワー21とガス処理設備17が接続され、リアクター20及びクエンチタワー21と大気とは分離されたままとなるため、圧力差が生じ、リアクター20及びクエンチタワー21内の硫化水素ガスがガス処理設備17に排気される。
以上のようにして、硫化水素ガス製造プラント10では、リアクター20及びクエンチタワー21に供給した窒素ガスと共に硫化水素ガスを除去した場合であっても、硫化水素ガスの濃度に応じて大気中に排気することにより、ガス処理設備17における処理を軽減でき、硫化水素ガスの排気の安全性を維持しつつ、コストを削減することができる。
以上のように、硫化水素ガス製造プラント10では、ガス処理設備17において、例えば除害設備では常時硫化水素ガスを中和処理する必要がないため、中和剤の使用量を少なくすることができる。これにより、硫化水素ガス製造プラント10では、硫化水素ガスの排気の安全性を維持しつつ、コストを削減できる。また、ガス処理設備17にフレアー設備を使用した場合には、常に硫化水素ガスを燃焼して毒性を低下させる必要がないため、SOxの発生も軽減することができる。
また、硫化水素ガス製造プラント10では、窒素ガス供給設備19において窒素ガスと共に除去された硫化水素ガスについてもすべてガス処理設備17に排気せず、排気設備18と同様に中和処理が必要な場合のみガス処理設備17に排気し、大気に排気することができる場合には大気中に排気することで、ガス処理設備17における中和処理を軽減できる。したがって、硫化水素ガス製造プラント10では、窒素ガス供給設備19を設けた場合でも、ガス処理設備17の稼働を少なくすることができ、硫化水素ガスの排気の安全性を維持しつつ、特にコストを削減でき、SOxの発生を軽減することができる。
(他の実施形態)
図1では、反応設備11と、冷却設備12と、硫黄回収設備13と、ガス処理設備17と、排気設備18と、窒素ガス供給設備19とを備える硫化水素ガス製造プラント10を示したが、このことに限定されず、この硫化水素ガス製造プラント10を複数系統有するものであってもよい。複数の系統を有する場合には、各プラント10は接続されており、一つのプラント10について点検やトラブルが発生した場合であっても他のプラント10を稼働させることで硫化水素ガスの製造を維持することができる。また、このように複数の系統を有する場合であっても、各プラントにおいて上述した硫化水素ガス製造プラントと同様に排気設備や窒素ガス供給設備によりガス処理設備の稼働を抑制することができる。
1 硫化水素ガス製造プラント、11 反応設備、12 冷却設備、13 硫黄除去設備、14 供給管、15 ブローダウン設備、16 硫黄冷却設備、17 ガス処理設備、18 排気設備、19 窒素ガス供給設備、40 排気管、41 濃度測定器、42 バルブ機構、42a 第1のON/OFFバルブ、43 ファン、44 供給管、45 排気管、46 濃度測定器、47 バルブ機構、47a 第1のON/OFFバルブ、47b 第1のON/OFFバルブ、48 ファン

Claims (12)

  1. 少なくとも、硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガスを発生させる反応設備と、発生した硫化水素ガスを冷却する冷却設備と、該硫化水素ガス中に含まれる硫黄を除去する硫黄除去設備と、上記硫化水素ガスを無害化するガス処理設備とを備える硫化水素ガス製造プラントであって、
    上記反応設備、上記冷却設備及び上記硫黄除去設備に設けられ、それらの設備から漏洩した硫化水素ガスを排気する排気設備を有し、
    上記排気設備は、
    漏洩した硫化水素ガスを大気に排気する第1の排気管と上記ガス処理設備に排気する第2の排気管とに一端が分岐した排気管と、
    上記設備と上記排気管における分岐点との間に設けられ、上記硫化水素ガスの濃度を測定する濃度測定器と、
    上記濃度測定器が所定の濃度未満の濃度を検出した場合には上記第1の排気管から上記硫化水素ガスを大気中へ排気し、所定の濃度以上の濃度を検出した場合には上記第2の排気管から上記硫化水素ガスを上記ガス処理設備へ排気するように制御するバルブ機構と
    を有することを特徴とする硫化水素ガス製造プラント。
  2. 上記バルブ機構は、上記第1の排気管に設けられ、該第1の排気管を介した上記大気への排気を制御する第1のバルブと、上記第2の排気管に設けられ、該第2の排気管を介した上記ガス処理設備への排気を制御する第2のバルブとからなることを特徴とする請求項1記載の硫化水素ガス製造プラント。
  3. 上記排気管には、上記濃度測定器と上記分岐点との間にファンが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の硫化水素ガス製造プラント。
  4. 更に、少なくとも上記反応設備に窒素ガスを供給し、漏洩した硫化水素ガスを該反応設備から除去する窒素ガス供給設備を有し、
    上記窒素ガス供給設備は、
    上記窒素ガスと共に上記漏洩した硫化水素ガスを上記大気に排気する第1の混合ガス排気管と上記ガス処理設備に排気する第2の混合ガス排気管とに一端が分岐している混合ガス排気管と、
    上記反応設備と上記混合ガス排気管における分岐点との間に設けられ、上記硫化水素ガスの濃度を測定する濃度測定器と、
    上記濃度測定器が所定の濃度未満の濃度を検出した場合には上記第1の混合ガス排気管から上記窒素ガスと上記硫化水素ガスを大気中へ排気し、所定の濃度以上の濃度を検出した場合には上記第2の混合ガス排気管から上記窒素ガスと上記硫化水素ガスを上記ガス処理設備に排気するように制御するバルブ機構と
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の硫化水素ガス製造プラント。
  5. 上記窒素ガス供給設備のバルブ機構は、上記第1の混合ガス排気管に設けられ、該第1の混合ガス排気管を介した上記大気への排気を制御する第1のバルブと、第2の混合ガス排気管に設けられ、該第2の混合ガス排気管を介した上記ガス処理設備への排気を制御する第2のバルブとからなることを特徴とする請求項4記載の硫化水素ガス製造プラント。
  6. 上記混合ガス排気管には、上記濃度測定器と上記分岐点との間にファンが設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の硫化水素ガス製造プラント。
  7. 上記硫化水素ガスの上記所定の濃度とは、5ppmであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の硫化水素ガス製造プラント。
  8. 少なくとも、硫黄と水素ガスとにより硫化水素ガスを発生させる反応設備と、発生した硫化水素ガスを冷却する冷却設備と、該硫化水素ガス中に含まれる硫黄を除去する硫黄除去設備と、上記硫化水素ガスを無害化するガス処理設備とを備える硫化水素ガス製造プラントにおける硫化水素ガスの排気方法であって、
    上記硫化水素ガス製造プラントは、上記反応設備、上記冷却設備及び上記硫黄除去設備に設けられ、それらの設備から漏洩した硫化水素ガスを排気する排気設備を有し、
    上記排気設備は、漏洩した上記硫化水素ガスを大気に排気する第1の排気管と上記ガス処理設備に排気する第2の排気管とに一端が分岐した排気管と、上記設備と上記排気管における上記分岐点との間に設けられ、該硫化水素ガスの濃度を測定する濃度測定器と、該濃度測定器が所定の濃度未満の濃度を検出した場合には上記第1の排気管から上記硫化水素ガスを大気中へ排気し、所定の濃度以上の濃度を検出した場合には上記第2の排気管から上記硫化水素ガスを上記ガス処理設備へ排気するように制御するバルブ機構とを有し、
    上記濃度測定器が検出した濃度に基づいて上記バルブ機構を制御して上記第1の排気管から上記硫化水素ガスを大気中に排気するか、または上記第2の排気管から上記硫化水素ガスをガス処理設備に排気することを特徴とする硫化水素ガスの排気方法。
  9. 上記バルブ機構が、上記第1の排気管に設けられ、該第1の排気管を介した上記大気への排気を制御する第1のバルブと、上記第2の排気管に設けられ、該第2の排気管を介した上記ガス処理設備への排気を制御する第2のバルブとからなり、
    上記濃度測定器が所定の濃度未満の濃度を検出した場合には、上記第1の排気管に設けられた第1のバルブを開放し、上記第2のバルブを閉鎖して上記硫化水素ガスを大気中に排気し、
    上記濃度測定器が所定の濃度以上の濃度を検出した場合には、上記第2のバルブを開放し、上記第1のバルブを閉鎖して上記硫化水素ガスをガス処理設備に排気することを特徴とする請求項8記載の硫化水素ガスの排気方法。
  10. 上記硫化水素ガス製造プラントは、更に、少なくとも上記反応設備に窒素ガスを供給し、漏洩した硫化水素ガスを該反応設備から除去する窒素ガス供給設備を有し、
    上記窒素ガス供給設備は、上記窒素ガスと共に上記漏洩した硫化水素ガスを上記大気に排気する第1の混合ガス排気管と上記ガス処理設備に排気する第2の混合ガス排気管とに一端が分岐している混合ガス排気管と、上記反応設備と該混合ガス排気管における分岐点との間に設けられ、上記硫化水素ガスの濃度を測定する濃度測定器と、上記濃度測定器が所定の濃度未満の濃度を検出した場合には上記第1の混合ガス排気管から上記窒素ガスと上記硫化水素ガスを大気中へ排気させ、所定の濃度以上の濃度を検出した場合には上記第2の混合ガス排気管から上記窒素ガスと上記硫化水素ガスを上記ガス処理設備に排気するように制御するバルブ機構とを有し、
    上記濃度測定器が検出した濃度に基づいて上記バルブ機構を制御して上記窒素ガス及び上記硫化水素ガスを大気中に排気するか、または上記ガス処理設備に排気することを特徴とする請求項8又は請求項9記載の硫化水素ガスの排気方法。
  11. 上記窒素ガス供給設備のバルブ機構は、上記第1の混合ガス排気管に設けられ、該第1の混合ガス排気管を介した上記大気への排気を制御する第1のバルブと、上記第2の混合ガス排気管に設けられ、該第2の混合ガス排気管を介した上記ガス処理設備への廃棄を制御する第2のバルブとからなり、
    上記濃度測定器が所定の濃度未満の濃度を検出した場合には、上記第1の混合ガス排気管に設けられた第1のバルブを開放し、上記第2の混合ガス排気管に設けられた第2のバルブを閉鎖して上記窒素ガスと上記硫化水素ガスを大気中に排気し、
    上記濃度測定器が所定の濃度以上の濃度を検出した場合には、上記第2の混合ガス排気管に設けられた上記第2のバルブを開放し、上記第1の混合ガス排気管に設けられた上記第1のバルブを閉鎖して上記窒素ガスと上記硫化水素ガスをガス処理設備に排気することを特徴とする請求項10記載の硫化水素ガスの排気方法。
  12. 上記硫化水素ガスの上記所定の濃度とは、5ppmであることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項記載の硫化水素ガスの排気方法。
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