JP5544743B2 - 混銑車の耐火物ライニング構造 - Google Patents

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本発明は、高炉から出湯される溶銑を受銑して保持し、保持した溶銑を搬送する或いは保持した溶銑に精錬処理を実施するための混銑車の耐火物ライニング構造に関するものである。
今日、地球環境保全のために、全世界的規模でCO2排出量の削減活動がなされている。製鉄業においても、多量の炭素源を使用することから、特に製銑分野及び製鋼分野においては、CO2排出量削減への取り組みが急務となっており、高炉での還元剤比の低減、熱ロスの低減や、熱の有効利用化などの熱余裕度創出技術などが研究・開発されている。また、熱余裕度の創出は、転炉におけるフェロシリコンなどの発熱剤原単位の削減が見込めるため、製鉄コスト合理化の面からも技術開発が重要である。
製鉄プロセスにおいては、一般に、高炉で製造されて高炉から出湯される溶銑は、混銑車(「トピードカー」ともいう)または溶銑鍋に代表される容器で受銑され、次工程の製鋼工程へと輸送される。輸送の途中で、容器内の溶銑にフラックスを吹き込み、脱燐処理や脱硫処理を行う場合もある。また、製鋼工程の転炉或いは電気炉で溶製された溶鋼は、取鍋などの容器に出湯され、二次精錬工程や連続鋳造工程などの次工程へと輸送される。これらの製鉄用容器は、一般的には、稼働面(溶湯との接触面)側から順に、ワーク耐火物層、永久耐火物層、鉄皮の3層から形成されるライニング構造である。ワーク耐火物層及び永久耐火物層は、ともに成形煉瓦(定形耐火物)または不定形耐火物で構成され、成形煉瓦で構成されるときには、ワーク煉瓦層及び永久煉瓦層とも呼ばれる。
混銑車を用いて溶銑を次工程へ輸送する場合、その経過時間(以下、「リードタイム」と記す)が長くなると、溶銑の熱が耐火物層を伝達し、鉄皮から外気に放出する熱量が増大し、溶銑の温度降下量が増大するという問題が発生する。また、リードタイムが長くなると、最外殻である鉄皮の温度が上昇し、鉄皮のクリープ変形や亀裂発生を引き起こす恐れがある。そこで、これらの問題を解決する手段の一つとして、製鉄用容器のライニング構造を断熱化する技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、鉄皮に断熱ボード及びワーク煉瓦をこの順に施工してなる取鍋において、断熱ボードとワーク煉瓦との間にロー石煉瓦などの断熱煉瓦を設けた断熱ライニング構造が提案されている。そして、特に、断熱煉瓦層厚みは60mm以上、ワーク煉瓦層厚みは30mm以下が望ましいとしている。
しかしながら、特許文献1に記載されている技術を混銑車に適用した場合には、断熱煉瓦の厚みが大きく、容積が低下するという問題点がある。また、断熱煉瓦の厚みが大きいことから断熱煉瓦内の温度勾配が大きくなり、断熱煉瓦内に亀裂が発生して耐火物寿命が低下する恐れもある。また更に、ワーク煉瓦厚みを30mm以下にすると、断熱煉瓦の稼働面側温度が高温になり、結果的に断熱性能が低下するという懸念もある。
一方、特許文献2及び特許文献3には、熱伝導率の範囲を規定した断熱材を、永久耐火物と鉄皮との間に配置し、稼働面側から、ワーク耐火物、永久耐火物、断熱材、鉄皮からなる4層構造の製鉄用容器のライニング構造が提案されている。そして、特に、断熱材は、厚みを30mm以内とし、3〜100nmの細孔を有するものが望ましいとしている。
特許文献2及び特許文献3に開示される技術は、一見、断熱性の効果が得られるように見える。しかしながら、特許文献2及び特許文献3に開示される技術を混銑車において適用した場合、各部位のライニング厚みによっては断熱材の適用温度範囲を超える可能性もあり、長期間にわたって断熱効果を得るためには十分な技術とはいえない。更に、細孔を有する断熱材を使用した場合には、耐火物施工時に断熱材と水分とが反応し、その結果、断熱性能が損なわれるという問題が生じる。
この耐火物施工時での断熱性能の劣化を防止するために、特許文献4では、ワーク耐火物と永久耐火物との間に保護板を配置する技術を提案している。しかし、この方法では耐火物施工時に保護板を施工する工程が増えるため、耐火物施工費が増大するという問題がある。
また、永久耐火物と鉄皮との間に断熱材を施工した場合、ワーク耐火物層の平均温度が上昇し、この温度上昇に伴いワーク耐火物層の膨張量が大きくなり、一方、修理のために冷却した際には逆に収縮量が大きくなり、これにより、ワーク耐火物層に亀裂や剥離などが発生し、損耗量の増大をもたらす懸念もある。従って、断熱材を施工する場合には耐火物ライニング構造を全面的に見直すことが必要な場合も発生し、この点からも特許文献2〜4は十分な技術とはいえない。
特開2004−50256号公報 特開2000−104110号公報 特開2000−226611号公報 特開2003−42667号公報
混銑車のライニング構造を断熱化して、溶銑温度降下量の低減及び鉄皮変形の低減などを図るには、断熱材の材質や配置位置、及び、ワーク耐火物層の膨張及び収縮の影響を十分に考慮した上で、しかも、施工工数を抑えることのできる耐火物ライニング構造とする必要がある。これらの観点から上記従来技術を検証すれば、未だ改善すべき点が多々あるのが実情である。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、高炉から出湯される溶銑を受銑して保持し、保持した溶銑を搬送する或いは保持した溶銑に精錬処理を実施するための混銑車の耐火物ライニング構造において、施工が容易であって施工工数を抑えることができ、且つ、断熱材を配置することにより発生する亀裂などのワーク耐火物層への影響を抑えることができ、長期間にわたって断熱効果を十分に発揮することのできる、混銑車の耐火物ライニング構造を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る混銑車の耐火物ライニング構造は、高炉から出湯される溶銑を受銑して保持する混銑車の耐火物ライニング構造であって、混銑車炉体の外側から、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層をこの順に有し、鉄皮と永久耐火物層との間に、断熱材の圧縮強度が1.0MPa以上、熱伝導率が0.05W/m・K以下であり、且つ、断熱材の熱伝導率を断熱材の施工厚みで除算した値である熱通過率が20W/m2・K以下となるように、熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材が配置されていることを特徴とするものである。
第2の発明に係る混銑車の耐火物ライニング構造は、第1の発明において、前記断熱材の施工厚みが5mm以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層を基本構造とし、鉄皮と永久耐火物層との間に、圧縮強度が1.0MPa以上で、且つ熱通過率が20W/m2・K以下となるように熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材が配置されているので、極めて容易な耐火物施工方法にもかかわらず、断熱材を配置することに起因するワーク耐火物層での亀裂などの発生を抑制し、長期間にわたって十分な断熱効果を得ることが実現される。その結果、鉄皮からの放熱ロスが低減されて溶銑輸送中の溶銑温度の降下量が減少し、転炉におけるフェロシリコンなどの発熱剤原単位の削減などが可能になり、更には、鉄皮の温度が低減するので、鉄皮における亀裂や変形が抑制され、混銑車の長寿命化が実現されるなど、工業上有益な効果がもたらされる。
本発明の対象とする混銑車の概略断面図である。 計算で求めた、放熱量と断熱材の熱通過率との関係を示す図である。 混銑車の受銑回数に伴う鉄皮温度の推移を断熱材の有無で比較して示す図である。 熱応力計算結果による断熱材の収縮率と亀裂幅との関係を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明者らは、混銑車の放熱ロス抑制の観点から、混銑車炉体の外側から、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層の3層により構成される混銑車において、断熱材を配置することを検討した。尚、本発明を適用した混銑車は、永久耐火物層及びワーク耐火物層ともに成形煉瓦からなる煉瓦積み構造の混銑車である。
図1に、本発明の対象とする混銑車の例を概略断面図で示す。図1において、符号1は混銑車、2は混銑車炉体、3は鉄皮、4は永久煉瓦層、5はワーク煉瓦層、6は断熱材、7は溶銑であり、混銑車炉体2は、外殻を鉄皮3とし、鉄皮3の内側に、永久煉瓦層4、ワーク煉瓦層5がこの順に配置され、ワーク煉瓦層5の内側に溶銑7が収容されるように構成されている。
先ず、断熱材6の設置位置について伝熱計算を用いて検討した。同じ種類と厚みの断熱材6を、鉄皮3と永久煉瓦層4との間に配置する場合と、永久煉瓦層4とワーク煉瓦層5との間に配置する場合とで比較すると、鉄皮3と永久煉瓦層4との間に配置した場合の方が、鉄皮3から放出される熱量が減少すること、つまり耐火物ライニング層を通過する熱量が減少することが確認できた。永久煉瓦層4とワーク煉瓦層5との間に断熱材6を配置した場合には、断熱材6の温度が上昇し、その結果、断熱材6の熱伝導率が大きくなるためである。
現在市販されている高性能断熱材は1000℃を超える高温では、断熱材自身の収縮が起こり、熱伝導率が増大して断熱性を失う恐れが高く、従って、その使用温度は1000℃以下にすることが好ましい。断熱材を、永久煉瓦層とワーク煉瓦層との間に配置した場合には、ワーク煉瓦層の損耗により断熱材の温度が1000℃を超えることが発生する。この観点からも鉄皮と永久煉瓦層との間に断熱材を配置することが必要である。このような構成とすることにより、断熱材部分での温度を300〜800℃程度に抑えることが可能となる。
混銑車においては、高炉鋳床下や製鋼工場の溶銑払出場への進入、更には途中経路での寸法の取り合いによって外殻寸法が決定され、一方、受銑量から内面寸法が決定されており、耐火物ライニング層を厚くする余裕代はほとんどない。鉄皮を新設し、十分に厚みの有る断熱材を配置する方法も考えられるが、周辺設備の改造も含めて多大な投資が必要であり、現実的ではない。
ところで、断熱材が鉄皮と永久煉瓦層との間に施工された混銑車においては、断熱材の部位が熱伝導の律速になる。従って、断熱材が施工された混銑車の放熱ロスは、断熱材の厚みとその熱伝導率、つまり、断熱材の熱伝導率を断熱材の厚みで除算した値である熱通過率によって決定される。耐火物ライニング層の厚みに比較的余裕があり、断熱材の厚みが確保できる場合には熱伝導率の高い断熱材でも設置できるが、一般には前述のとおり制約条件が多く、断熱材の厚みを十分に確保できない場合がほとんどであり、この場合、施工する断熱材は、熱伝導率の低い、高断熱性の断熱材が必要となる。
そこで、鉄皮からの放熱量を抑制するには断熱材の部位での熱通過率をどの程度にすべきかを検討するために、熱通過率と放熱量との関係を伝熱計算により求めた。計算結果を図2に示す。
図2に示すように、放熱ロスを現状の80%以下に低減するためには、断熱材部位での熱通過率を20W/m2・K以下にする必要があるとの知見が得られた。因みに、断熱材部位での熱通過率を20W/m2・K以下に制御しようとすると、熱伝導率が0.1W/m・Kである断熱材を配置する場合には、その厚みを5mm以上とする必要がある。
そこで、SiO2系の微細多孔質構造で厚み3mmの断熱材(初期性能:800℃での熱通過率9.3W/m2・K、800℃での圧縮強度0.4MPa)を実機混銑車に施工し、混銑車炉体の鉄皮温度を、断熱材を設置していない混銑車とで比較調査する試験を実施した。図3に調査結果を示す。図3では、断熱材を配置していない混銑車の稼働初期(0〜400チャージの受銑まで)の平均鉄皮温度を基準として、混銑車の鉄皮温度の推移を断熱材の有無で比較して示しており、図3において、鉄皮温度が高いほど、放熱ロスが大きいことを示している。
図3に示すように、断熱材を配置した混銑車では、稼働の初期(0〜400チャージの受銑まで)においては、放熱ロスの低減量が見込みどおり得られたが、受銑回数が増加するに伴って鉄皮温度が上昇し、放熱ロスの低減量が見込みよりも少なくなることが分かった。断熱材を配置していない混銑車においても受銑回数が増加するに伴って鉄皮温度は上昇するが、断熱材を配置していない混銑車に比較して大幅に鉄皮温度が上昇することが分かった。
混銑車から回収した断熱材(800ch超での平均鉄皮温度(指数)が0.88の断熱材)を詳細に調査したところ、受銑前3mmの厚みが2mmとなっており、断熱材の熱伝導率は、0.066W/m・K、熱通過率は33W/m2・Kに上昇していた。この主な原因は断熱材の収縮に起因することが分かった。即ち、1000℃以上に加熱されたため、断熱材の収縮によって微細機構の構造が破壊され、熱伝導率が上昇して断熱効果が小さくなったと考えられた。即ち、断熱材の収縮を抑える必要のあることが分かった。尚、断熱材を配置していない混銑車においても受銑回数が増加するに伴って鉄皮温度は上昇するが、これはワーク煉瓦層の損耗により耐火物ライニング層が薄くなることに起因する。
また更に、断熱材を施工した混銑車では、中間修理のために混銑車炉体を冷却したとき、ワーク煉瓦層に大きな亀裂が発生し、補修部位が増加するという問題が発生した。この原因を究明するために、熱応力計算を実施した。
熱応力計算結果による断熱材の収縮率と亀裂幅との関係を図4に示す。図4に示すように、断熱材の収縮率が大きくなるほどワーク煉瓦層に生じる亀裂が大きくなることが分かった。つまり、ワーク煉瓦層の亀裂発生を防止するためにも、断熱材の収縮を抑制することが必要であることが分かった。断熱材の収縮は、断熱材の圧縮強度を高めることによって抑制可能である。
即ち、混銑車に断熱材を施工して放熱ロスを低減するためには、断熱材の選定条件として、熱伝導率に加えて圧縮強度も考慮する必要があるとの知見を得た。熱応力計算によると、断熱材の部位に作用する応力は0.3〜0.8MPaであり、静鉄圧も1.0MPa程度と考えられる。従って、断熱材に1.0MPa以上の圧縮強度があれば、収縮を低減することができる。混銑車に配置される断熱材は当然ながら室温よりも高い温度に曝される。この観点から、800〜1000℃の温度域であっても1.0MPa以上の圧縮強度を有する断熱材を配置することが好ましい。
本発明は上記検討結果に基づきなされたもので、本発明に係る混銑車の耐火物ライニング構造は、高炉から出湯される溶銑を受銑して保持する混銑車の耐火物ライニング構造であって、混銑車炉体の外側から、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層をこの順に有し、鉄皮と永久耐火物層との間に、断熱材の圧縮強度が1.0MPa以上であり、且つ、断熱材の熱伝導率を断熱材の施工厚みで除算した値である熱通過率が20W/m2・K以下となるように、熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材が配置されていることを特徴とする。
尚、断熱材としては、熱伝導率が0.05W/m・K以下の断熱材を使用することが好ましい。前述のとおり、既存の混銑車に断熱材の施工を行う場合、様々な制約条件によって断熱材の厚みを大きくできない場合が多い。また、厚みを大きくできる場合や新設の場合でも漏銑などのリスクから断熱材の厚みは極力薄くしたい。しかも、厚みが一定の場合、熱伝導率が低いほど断熱効果は高くなる。この観点から、熱伝導率が0.05W/m・K以下の高性能断熱材を使用することが好ましい。
このような断熱材としては、例えば成分系をSiO2−10〜20質量%SiCとし、これをファイバー(繊維)としたものを使用することで、比較的安価に高性能断熱材が得られ、圧縮強度は1.0MPa以上となる。これにより、断熱効果の持続性、亀裂発生の抑制が可能である。尚、熱伝導率が0.05W/m・K以下の高性能断熱材としては、一般的にSiO2−ZrO2系の材料が使用されるが、高価な上に強度が1.0MPa未満であり、断熱効果の継続性や中間修理時の亀裂発生において問題がある。
以上説明したように、本発明によれば、極めて容易な耐火物施工方法ではあるものの、断熱材を配置することに起因するワーク煉瓦層の亀裂などの発生を抑制し、長期間にわたって十分な断熱効果を得ることが実現される。
尚、上記説明の混銑車は、永久耐火物層及びワーク耐火物層が成形煉瓦からなる煉瓦積み構造であるが、本発明を適用するにおいて、永久耐火物層及びワーク耐火物層が成形煉瓦からなる煉瓦積み構造である必要はなく、永久耐火物層及びワーク耐火物層のどちらか一方または双方を不定形耐火物としても、上記にそって本発明を適用することができる。
容量が300トン規模の混銑車において、混銑車炉体の鉄皮と永久煉瓦層との間に、圧縮強度及び熱通過率を変化させて断熱材を設置した(本発明例1、2、参考例1、比較例1〜4)。このうち、本発明例1及び本発明例2では、800℃での熱伝導率が0.028W/m・KであるSiO2−SiC系の高性能断熱材を使用した。
これらの混銑車において、高炉から出湯される溶銑を受銑し、脱燐処理及び脱硫処理などの溶銑温度に影響を及ぼす精錬を施すことなく、受銑してから一定時間経過した時点での溶銑浴部位の鉄皮温度を測定した。また、中間修理のために混銑車炉体を冷却したとき(400ch前後)のワーク煉瓦層の亀裂幅を測定した。また、比較のために、断熱材を設置していない混銑車についても同様の調査を実施した(比較例5)。
表1に、断熱材の特性及び設置条件、並びに調査結果を示す。表1の熱通過率は、断熱材初期の800℃での値を記載した。本発明例は、300〜800℃でも大きな熱通過率の変化はなく、20W/m2・K以下の熱通過率を示していた。尚、表1の鉄皮温度は、断熱材を配置していない混銑車での0〜400chの平均鉄皮温度を基準とし、指数化して表示している。
表1に示すように、断熱材部位の熱通過率が20W/m2・K以下のときには、鉄皮温度が大幅に低下し、放熱ロス低減効果が発現されることが分かった。断熱材を配置しても、断熱材部位の熱通過率が20W/m2・Kを超えるときには、放熱ロス低減効果はほとんど得られないことも分かった。
また、圧縮強度が1.0MPa以上の断熱材を配置した場合には、ワーク煉瓦層の亀裂幅が小さくなることが確認できた。一方、圧縮強度が1.0MPa未満の断熱材を熱通過率が20W/m2・K以下の条件で配置した場合には、ワーク煉瓦層での亀裂幅が15mmを超え、中間修理に支障を来たした。
これらの結果より、本発明を適用することにより、断熱材の配置に起因するワーク煉瓦層の損傷を抑制し、長期間にわたって十分な断熱効果を得られることが確認できた。
1 混銑車
2 混銑車炉体
3 鉄皮
4 永久煉瓦層
5 ワーク煉瓦層
6 断熱材
7 溶銑

Claims (2)

  1. 高炉から出湯される溶銑を受銑して保持する混銑車の耐火物ライニング構造であって、混銑車炉体の外側から、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層をこの順に有し、鉄皮と永久耐火物層との間に、断熱材の圧縮強度が1.0MPa以上、熱伝導率が0.05W/m・K以下であり、且つ、断熱材の熱伝導率を断熱材の施工厚みで除算した値である熱通過率が20W/m2・K以下となるように、熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材が配置されていることを特徴とする、混銑車の耐火物ライニング構造。
  2. 前記断熱材の施工厚みが5mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の混銑車の耐火物ライニング構造。
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