非接触で電流を測定する電流センサでは、電流線と電流センサとの位置関係が僅かでもずれると大きな測定誤差が生じていた。これは、電流センサ内の磁気センサ素子が受ける磁界の強さが、磁界の源である被測定電流からの距離をパラメータとして決定されるためである。磁気センサ素子と被測定電流との距離が小さくなれば磁界は強くなり、電流センサの測定値は+方向にずれる。磁気センサ素子と被測定電流との距離が大きくなれば磁界は弱くなり、電流センサの測定値は−方向にずれる。
本発明者らはこの点に着目し、誘導磁界によって生じる磁気センサ素子の特性変動を、被測定電流の周りにおいて足し合わせることができるように電流センサを構成することで、+方向の影響と−方向の影響とをキャンセルして位置ずれの影響を低減し、高い電流測定精度を維持できると考えた。すなわち、本発明の骨子は、被測定電流が通流する電流線が配置される軸を囲うように複数の磁気センサ素子を同心円に沿って配置することで、高い電流測定精度を維持しつつ、位置ずれの影響を低減し、電流センサの取り付け精度に対する要求を緩和する点にある。以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、複数の磁気センサユニットを含む一の磁気センサモジュールにより構成される電流センサについて説明する。図1は、本実施の形態に係る電流センサの平面視を示す模式図である。図1に示される電流センサ1は、平面視における正八角形の頂点に相当する位置に配置された磁気センサユニット11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11hを含む一の磁気センサモジュールにより構成されている。なお、図1では、正八角形の頂点に相当する8か所に8個の磁気センサユニットが配置された構成、すなわち、8個の磁気センサユニットが同心円に沿って配置された構成について示しているが、電流センサの構成はこれに限られない。磁気センサユニットの数は、複数であれば良い。また、磁気センサユニットは、少なくとも平面視における一点(一軸、中心)を囲むように配置されていれば良い。例えば、磁気センサユニットは、平面視における多角形(正多角形に限られない)の頂点上や円周上に配置されても良い。
電流センサ1において、被測定電流が通流する電流線(図示せず)は、平面視において各磁気センサユニット11a〜11hから略等距離にある点A(軸A)付近に、図面奥行き方向に配置される。言い換えれば、各磁気センサユニット11a〜11hは、被測定電流が通流する方向(電流線が延在する方向)に垂直な平面に投影した場合に、点A(軸A)から略等距離の正八角形の頂点に相当する位置に配置される。点Aは、平面視において各磁気センサユニット11a〜11hが配置される同心円の中心に相当する。なお、電流線の位置はこれに限られない。本実施の形態に係る電流センサ1では、電流線と、電流センサ1(または各磁気センサユニット11a〜11h)との相対的位置関係に対する要求は緩和されている。言い換えれば、電流線と、電流センサ1(または各磁気センサユニット11a〜11h)との位置関係に関する制約が小さくなり、配置の自由度が高められている。このため、電流線は、点A(軸A)からずれた位置に配置されても良い。ただし、位置ずれの影響を低減するという効果を得るために、電流線は、平面視において各磁気センサユニット11a〜11hによって囲まれる領域に配置されることが望ましい。
各磁気センサユニット11a〜11hの図面奥行き方向(被測定電流が通流する方向、電流線が延在する方向)に関する配置は任意である。被測定電流が通流する方向に垂直な平面において上述の位置関係を有していれば、位置ずれの影響を補償できる。すなわち、各磁気センサユニット11a〜11hは、同一平面内に配置されることに限られない。例えば、各磁気センサユニット11a〜11hは、電流線を中心軸とするらせん状に配置されても良い。以下、特に言及しない場合、各構成要素の配置は、被測定電流が通流する方向に垂直な平面に投影した平面視についてのものとする。
各磁気センサユニット11a〜11hはそれぞれ、感度軸が互いに逆向きの磁気センサ素子(第1磁気センサ素子)12aおよび磁気センサ素子(第2磁気センサ素子)12bを有する。磁気センサ素子としては、例えば、磁気抵抗効果素子やホール素子などを挙げることができるが、特に、GMR素子などの磁気抵抗効果素子を適用することが望ましい。
ここで、磁気センサ素子12aの感度軸は、同心円に沿って反時計回りの方向を向いている。また、磁気センサ素子12bの感度軸は、同心円に沿って時計回りの方向を向いている。このように、被測定電流を効率良く検出するためには、磁気センサ素子12aおよび12bの感度軸は、被測定電流による誘導磁界に平行な方向を向いていることが望ましい。つまり、磁気センサ素子12aおよび12bの感度軸は、各磁気センサユニット11a〜11hにより形成される周の接線方向を向いていることが望ましい。ただし、磁気センサ素子12aおよび12bの感度軸の向きはこれに限定されない。磁気センサ素子12aおよび12bの感度軸が、被測定電流による誘導磁界に垂直な方向を向いていない限り、被測定電流を検出することが可能である。
電流センサ1において、磁気センサユニット(第1磁気センサユニット)11aにおける磁気センサ素子(第1磁気センサ素子)12aの第1端(不図示)は磁気センサユニット11aの端子12aa(第1端)と接続されており、端子12aaには、電源電位Vdd(第1電位)を与える電位源が接続されている。また、磁気センサユニット11aにおける磁気センサ素子(第2磁気センサ素子)12bの第1端(不図示)は磁気センサユニット11aの端子12ba(第3端)と接続されており、端子12baには、接地電位GND(第2電位)を与える電位源が接続されている。また、磁気センサユニット11aと隣接する磁気センサユニット(最終磁気センサユニット)11hにおける磁気センサ素子(第1磁気センサ素子)12aの第2端(不図示)は磁気センサユニット11hの端子12ab(第2端)と接続されており、磁気センサ素子(第2磁気センサ素子)12bの第2端(不図示)は磁気センサユニット11hの端子12bb(第4端)と接続されている。そして、磁気センサユニット11hの端子12abと端子12bbとは電気的に接続され、センサ出力Outを出力する出力端子を構成している。
また、電流センサ1において、感度軸方向が反時計回りの方向となる全ての磁気センサ素子(第1磁気センサ素子)12aは直列に接続されている。また、感度軸方向が時計回りとなる全ての磁気センサ素子(第2磁気センサ素子)12bは直列に接続されている。より具体的には、任意の磁気センサユニットにおける端子12aa(磁気センサ素子(第1磁気センサ素子)12aの第1端)と、これに隣接する磁気センサユニットにおける端子12ab(磁気センサ素子(第1磁気センサ素子)12aの第2端)とが電気的に接続されている。また、任意の磁気センサユニットにおける端子12ba(磁気センサ素子(第2磁気センサ素子)12bの第1端)と、これに隣接する磁気センサユニットにおける端子12bb(磁気センサ素子(第2磁気センサ素子)12bの第2端)とが電気的に接続されている。ただし、電位源が接続される端子や、出力端子を構成する端子は上述の接続関係から除かれる。
すなわち、磁気センサユニット11aにおける磁気センサ素子12aの第1端(端子12aaに相当)と、磁気センサユニット11aにおける磁気センサ素子12bの第1端(端子12baに相当)とは、他の磁気センサユニットを介して電気的に接続され、閉回路が構成されている。当該閉回路はいわゆるハーフブリッジ回路である。当該ハーフブリッジ回路は、各磁気センサ素子の電圧降下を反映した電位をセンサ出力Outとして出力することができるため、誘導磁界による各磁気センサ素子の特性変動を反映したセンサ出力Outを得ることができる。このため、センサ出力Outから、被測定電流の電流値を算出することが可能である。
なお、磁気センサ素子12aおよび磁気センサ素子12bとして磁気抵抗効果素子を用いる場合には、図2に示されるように、各磁気センサユニット11a〜11hにおいて、磁気センサ素子12aおよび磁気センサ素子12bとして用いられる磁気抵抗効果素子31a、および磁気抵抗効果素子31bは同一基板に設けられ、一チップで構成されていることが望ましい。磁気抵抗効果素子31a、および磁気抵抗効果素子31bを同一基板に設けることで、磁気抵抗効果素子31aと磁気抵抗効果素子31bとのばらつき(感度のばらつき等)を抑制し、電流測定精度を高めることができる。なお、図2に示されるように、磁気抵抗効果素子31a、および磁気抵抗効果素子31bの平面形状はミアンダ形状となっている。
図3および図4は、磁気センサ素子12aおよび磁気センサ素子12bとして用いられる感度軸が逆向きの(180°異なる)磁気抵抗効果素子の製造方法を説明するための断面模式図である。まず、図3Aに示される基板41上に、シード層42A、第1の強磁性膜43A、反平行結合膜44A、第2の強磁性膜45A、非磁性中間層46A、軟磁性自由層(フリー磁性層)47A,48A、および保護層49Aを順次形成する。第1の強磁性膜43Aおよび第2の強磁性膜45Aの成膜中には、磁気抵抗効果素子におけるミアンダ形状のストライプ幅方向に磁場を印加する。図3において、第1の強磁性膜43Aについては、印加する磁場の方向は紙面奥側から手前側に向かう方向であり、第2の強磁性膜45Aについては、印加する磁場の方向は紙面手前側から奥側に向かう方向である。また、軟磁性自由層(フリー磁性層)47A,48Aの成膜中には、磁気抵抗効果素子におけるミアンダ形状のストライプ長手方向に磁場を印加する。
次いで、図3Bに示されるように、保護層49A上にレジスト材料を堆積し、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、一方の磁気抵抗効果素子が形成される領域上にレジスト層51を形成する。次いで、図3Cに示されるように、イオンミリングなどの方法を用い、露出している積層膜を除去して、他方の磁気抵抗効果素子が形成される領域の基板41を露出させる。
次いで、図4Aに示されるように、露出した基板41上に、シード層42B、第1の強磁性膜43B、反平行結合膜44B、第2の強磁性膜45B、非磁性中間層46B、軟磁性自由層(フリー磁性層)47B,48B、および保護層49Bを順次形成する。第1の強磁性膜43Bおよび第2の強磁性膜45Bの成膜中には、磁気抵抗効果素子におけるミアンダ形状のストライプ幅方向に磁場を印加する。図4において、第1の強磁性膜43Bについては、印加する磁場の方向は紙面手前側から奥側に向かう方向であり、第2の強磁性膜45Bについては、印加する磁場の方向は紙面奥側から手前側に向かう方向である。また、軟磁性自由層(フリー磁性層)47B,48Bの成膜中には、磁気抵抗効果素子におけるミアンダ形状のストライプ長手方向に磁場を印加する。
次いで、図4Bに示されるように、保護層49A,49B上にレジスト材料を堆積し、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、磁気抵抗効果素子の形成領域上にレジスト層52を形成する。次いで、図4Cに示されるように、イオンミリングなどの方法を用い、露出している積層膜を除去して、磁気抵抗効果素子31a、31bを形成する。
上述の製造方法によれば、二つの磁気抵抗効果素子31a、31bにおいて、セルフピン止め型の強磁性固定層の磁化方向が逆向き(180°異なる方向)となるので、二つの磁気抵抗効果素子31a、31bの特性ばらつきを抑制することができる。このため、このような磁気抵抗効果素子31a、31bを磁気センサ素子12a、12bとして用いることにより、電流測定精度を高めることができる。
図5は、本実施の形態における電流センサ1において、電流線2に対する取り付け位置ずれが発生する様子を示す模式図である。ここで、図5に示されるように、電流センサ1の各磁気センサユニット11a〜11hから等しい距離にある点(図1の点Aに相当)を電流線2の基準位置として、電流線2を磁気センサユニット11cの方向(図中矢印の方向)に移動(位置ずれ)させることを考える。この場合、電流線2の基準位置からの位置ずれ量(mm)と、各磁気センサユニット11a〜11hが受ける磁束密度(mT)との関係は図6Aのようになる。すなわち、電流線位置ずれ量に応じて各磁気センサユニット11a〜11hが受ける磁束密度が大きく変化する。なお、電流センサ1の各磁気センサユニット11a〜11hは、電流線2の基準位置(図1の点A)から10mmの位置に配置した。
一方で、各磁気センサユニット11a〜11hが受ける磁束密度の総和(合計値)は、図6Bのようになる。この場合、各磁気センサユニット11a〜11hが受ける磁束密度の総和は、電流線2の位置ずれの影響をほとんど受けていない。このことは、電流線を囲うように複数の磁気センサユニットを配置して、複数の磁気センサユニットの特性変化の総和が検出されるようにブリッジ回路を構成することで、電流線の位置ずれの影響を十分に低減できることを示している。
本実施の形態における電流センサ1では、上述のように、複数の磁気センサユニットの特性変化の総和が検出されるようにブリッジ回路を構成しているため、電流測定精度を高く維持すると共に、被測定電流が通流する電流線への取り付け精度を緩和することができる。
なお、電流線の位置ずれの影響を十分に低減するためには、各磁気センサユニットは、各磁気センサユニットが受ける磁束密度が電流線からの距離の一次関数で近似表現される領域に配置されることが望ましい。このような領域では、位置ずれに起因して生じる磁気センサユニットの特性変動を、軸A(中心軸)を挟んで向かい合う磁気センサユニットの特性変動によって適切にキャンセルできる。また、位置ずれの影響を十分にキャンセルするためには、三個以上の磁気センサユニットを用いることが望ましい。二個の磁気センサユニットでは、二個の磁気センサユニットを結ぶ線に対して垂直な方向の位置ずれを補償できない可能性があるためである。また、磁気センサユニットは、電流センサ1の軸A(中心軸)に対して均等に配置されることが望ましい。このように配置されることで、位置ずれの影響を十分に緩和できるようになる。特に、電流センサ1の軸A(中心軸)に対して磁気センサユニットが対向するように、偶数個の磁気センサユニットを配置することが望ましい。複数の磁気センサユニットをこのように配置することで、位置ずれの影響をさらに緩和できる。なお、磁気センサユニットの個数は偶数に限定されない。
また、各磁気センサユニットは、任意の磁気センサユニットと電流センサ1の軸Aとの間隔が略一定になるように配置されることが望ましい。これにより、向かい合う磁気センサユニットによる位置ずれの影響の緩和が適切に行われる。ただし、厳密に一定の間隔である必要はない。同様の観点から、複数の磁気センサユニットが略正多角形状、または略同心円状に配置されることが望ましい。ただし、厳密に正多角形状、同心円状である必要はない。また、複数の磁気センサユニットが互いに略等間隔に配置されることが望ましい。
図7A〜図7Dは、磁気センサユニット数を異ならせた場合の電流センサ1の模式図である。図7Aに示される電流センサ1において、2個の磁気センサユニットが電流線2を挟んで配置されている。また、図7Bに示される電流センサ1において、4個の磁気センサユニットが電流線2に対して略点対称に配置されている。また、図7Cに示される電流センサ1において、6個の磁気センサユニットが電流線2に対して略点対称に配置されている。また、図7Dに示される電流センサ1において、8個の磁気センサユニットが電流線2に対して略点対称に配置されている。
図7Eは、計算機シミュレーションによって求めた電流線位置ずれ量(mm)と電流センサ1の出力変動率(%)との関係を、図7A〜図7Dに示される電流センサ1ごとに示したグラフである。図7Eから、電流センサ1内の磁気センサユニット数が増加すると、電流線位置ずれ量が大きくなってもセンサ出力の変動を抑制できることが分かる。当該シミュレーション結果から、磁気センサユニット数は4以上とするのが効果的である。
図8は、一定の外部磁場を加えた条件と、外部磁場を加えない条件とにおいて、計算機シミュレーションによって求めた電流線位置ずれ量(mm)と電流センサ1の出力変動率(%)との関係を示すグラフである。なお、電流センサ1において、磁気センサユニット数は8とした。図8から、電流センサ1は一定の外部磁場の影響を受けていないことが分かる。これは、磁気センサユニット内の感度軸が逆向きの一対の磁気センサ素子と、複数の磁気センサユニットとによって、外部磁場の影響をキャンセルできるためである。このように、本実施の形態の電流センサ1は、外部磁場の影響を低減し電流測定精度を高めるという点においても有効である。なお、外部磁場の影響を十分にキャンセルするためには、磁気センサユニット内の二つの磁気センサ素子の感度の絶対値は、略等しいことが望ましい。
図9Aの模式図に示されるように、電流センサ1(および電流線2)と近接する位置に別の電流線3が配置された状態において、電流線3に所定の電流が通流する場合の電流センサ1の電流測定精度を計算機シミュレーションによって求めた。ここでは、電流線2−電流線3間の距離dをパラメータとして、磁気センサユニットの数および配置が異なる電流センサ1について計算機シミュレーションを行った。以下の表に、当該シミュレーション結果を示す。なお、表中、「4センサA」は、図9Bに示されるように電流センサ1が4個の磁気センサユニットで構成される場合のシミュレーション結果を示し、「4センサB」は、図9Cに示されるように電流センサ1が4個の磁気センサユニットで構成される別の場合のシミュレーション結果を示し、「8センサ」は、図9Dに示されるように電流センサ1が8個の磁気センサユニットで構成される場合のシミュレーション結果を示す。
図9Aに示されるような状態では、通常、電流線3を通流する電流の影響が大きな問題となる。一方、本実施の形態における電流センサ1では、磁気センサユニットの数や配置によって程度の差はあるが、隣接する電流線3の影響を低減できている。これは、磁気センサユニット内の感度軸が逆向きの一対の磁気センサ素子と、複数の磁気センサユニットとによって、電流線3からの影響をキャンセルすることができるためである。なお、上記表からも分かるように、磁気センサユニットの数を多くすることにより、隣接する電流線3の影響をより低減することが可能である。
図10は、電流測定において、各センサユニットの感度ばらつきや角度ばらつきが与える影響を計算機シミュレーションによって求めた結果を示すグラフである。図10A、図10Bは、各磁気センサユニットの感度ばらつきが0%、1%、3%、5%の各場合における、電流線位置ずれ量(mm)と電流センサ1の出力変動率(%)との関係を示している。ここで、図10Aは、磁気センサユニットが8個の場合のシミュレーション結果であり、図10Bは、磁気センサユニットが4個の場合のシミュレーション結果である。図10C、図10Dは、各センサユニットの角度ばらつきが0度、1度、5度、7度の各場合における、電流線位置ずれ量(mm)と電流センサ1の出力変動率(%)との関係を示している。ここで、図10Cは、磁気センサユニットが8個の場合のシミュレーション結果であり、図10Dは、磁気センサユニットが4個の場合のシミュレーション結果である。
図10に示される結果から、各磁気センサユニットの感度ばらつき、および角度ばらつきが小さいほど出力変動率を小さくすることが可能であり、電流測定精度を高めることができるのが分かる。理想的には、各センサユニットの感度(感度の絶対値)は等しいことが望ましく、各センサユニットの角度ばらつきは存在しないことが望ましい。なお、磁気センサユニットの数を多くすることは、感度ばらつき角度ばらつきの影響緩和の点においても効果的である。
以上のように、本実施の形態の電流センサでは、電流測定時において被測定電流が通流する電流線が配置される軸の周囲を囲うように複数の磁気センサユニットが配置されているため、電流線の全周囲において誘導磁界を検出し、その総和から電流値を算出することができる。このような構成では、電流線に対する位置ずれにより一の磁気センサユニットに表れる影響を、軸の周囲に配置された他の磁気センサユニットによってキャンセルすることが可能である。このため、電流線への電流センサの取り付け精度が高くなくとも、高い精度の電流測定が可能になる。つまり、電流測定精度を高く維持すると共に、被測定電流が通流する電流線への取り付け精度が緩和された電流センサを提供することができる。
本実施の形態に係る構成は、他の実施の形態に係る構成と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、複数の磁気センサユニットを含む複数の磁気センサモジュールにより構成される電流センサについて説明する。なお、実施の形態1と同等の構成については、詳細な説明を省略する。
図11は、本実施の形態に係る電流センサの平面視を示す模式図である。図11に示される電流センサ4は、平面視における正八角形の頂点に相当する位置に配置された磁気センサユニット41a、41b、41c、41dを含む磁気センサモジュール4aと、磁気センサユニット41e、41f、41g、41hを含む磁気センサモジュール4bとで構成されている。なお、図11では、正八角形の頂点に相当する8か所に合計8個の磁気センサユニットが配置された構成、すなわち、8個の磁気センサユニットが同心円に沿って配置された構成について示しているが、電流センサの構成はこれに限られない。電流センサに含まれる磁気センサユニットの数は、複数であれば良い。また、磁気センサユニットは、少なくとも平面視における一点(一軸、中心)を囲むように配置されていれば良い。例えば、磁気センサユニットは、平面視における多角形(正多角形に限られない)の頂点上や円周上に配置されても良い。
電流センサ4において、被測定電流が通流する電流線(図示せず)は、平面視において各磁気センサユニット41a〜41hから略等距離にある点A(軸A)付近に、図面奥行き方向に配置される。言い換えれば、各磁気センサユニット41a〜41hは、被測定電流が通流する方向(電流線が延在する方向)に垂直な平面に投影した場合に、点A(軸A)から略等距離の正八角形の頂点に相当する位置に配置される。点Aは、平面視において各磁気センサユニット41a〜41hが配置される同心円の中心に相当する。なお、電流線の位置はこれに限られない。本実施の形態に係る電流センサ4では、電流線と、電流センサ4との相対的位置関係に対する要求は緩和されている。言い換えれば、電流線と、電流センサ4との位置関係に関する制約が小さくなり、配置の自由度が高められている。このため、電流線は、点A(軸A)からずれた位置に配置されても良い。ただし、位置ずれの影響を低減するという効果を得るために、電流線は、平面視において各磁気センサユニット41a〜41hによって囲まれる領域に配置されることが望ましい。
各磁気センサユニット41a〜41hの図面奥行き方向に関する配置は任意である。被測定電流が通流する方向に垂直な平面において上述の位置関係を有していれば、位置ずれの影響を補償できる。すなわち、各磁気センサユニット41a〜41hは、同一平面内に配置されることに限られない。例えば、各磁気センサユニット41a〜41hは、電流線を中心軸とするらせん状に配置されても良い。以下、特に言及しない場合、各構成要素の配置は、被測定電流が通流する方向に垂直な平面に投影した平面視についてのものとする。
各磁気センサユニット41a〜41hの構成は、実施の形態1に係る磁気センサユニットの構成と同様である。すなわち、各磁気センサユニット41a〜41hはそれぞれ、感度軸が互いに逆向きの磁気センサ素子(第1磁気センサ素子)42aおよび磁気センサ素子(第2磁気センサ素子)42bを有する。磁気センサ素子の構成は実施の形態1と同様である。
電流センサ4の磁気センサモジュール4aにおいて、磁気センサ素子42aの感度軸は、同心円に沿って時計回りの方向を向いている。また、磁気センサ素子42bの感度軸は、同心円に沿って反時計回りの方向を向いている。ただし、磁気センサモジュール4aにおける磁気センサ素子42aおよび42bの感度軸の向きはこれに限定されない。
磁気センサモジュール4aにおいて、磁気センサユニット(第1磁気センサユニット)41aにおける磁気センサ素子42aの第1端(不図示)は磁気センサユニット41aの端子42aaと接続されており、端子42aaには、接地電位GNDを与える電位源が接続されている。また、磁気センサユニット41aにおける磁気センサ素子42bの第1端(不図示)は磁気センサユニット41aの端子42baと接続されており、端子42baには、電源電位Vddを与える電位源が接続されている。また、磁気センサユニット(最終磁気センサユニット)41dにおける磁気センサ素子42aの第2端(不図示)は磁気センサユニット41dの端子42abと接続されており、磁気センサ素子42bの第2端(不図示)は磁気センサユニット41dの端子42bbと接続されている。そして、磁気センサユニット41dの端子42abと端子42bbとは電気的に接続され、センサ出力Out1を出力する出力端子を構成している。
また、磁気センサモジュール4aにおいて、感度軸方向が時計回りの方向となる全ての磁気センサ素子42aは直列に接続されている。また、感度軸方向が反時計回りとなる全ての磁気センサ素子42bは直列に接続されている。より具体的には、任意の磁気センサユニットにおける端子42aaと、これに隣接する磁気センサユニットにおける端子42abとが電気的に接続されている。また、任意の磁気センサユニットにおける端子42baと、これに隣接する磁気センサユニットにおける端子42bbとが電気的に接続されている。ただし、電位源が接続される端子や、出力端子を構成する端子は上述の接続関係から除かれる。
すなわち、磁気センサモジュール4aにおいて、磁気センサユニット41aにおける磁気センサ素子42aの第1端(端子42aaに相当)と、磁気センサユニット41aにおける磁気センサ素子42bの第1端(端子42baに相当)とは、他の磁気センサユニットを介して電気的に接続され、閉回路が構成されている。当該閉回路はいわゆるハーフブリッジ回路である。当該ハーフブリッジ回路は、各磁気センサ素子の電圧降下を反映した電位をセンサ出力Out1として出力することができるため、誘導磁界による各磁気センサ素子の特性変動を反映したセンサ出力Out1を得ることができる。
電流センサ4の磁気センサモジュール4bにおいて、磁気センサ素子42aの感度軸は、同心円に沿って時計回りの方向を向いている。また、磁気センサ素子42bの感度軸は、同心円に沿って反時計回りの方向を向いている。つまり、磁気センサモジュール4aの磁気センサ素子42aの感度軸と磁気センサモジュール4bの磁気センサ素子42aの感度軸とは同じ向きになっている。磁気センサモジュール4aの磁気センサ素子42bの感度軸と磁気センサモジュール4bの磁気センサ素子42bの感度軸とは同じ向きになっている。このように磁気センサ素子の感度軸を揃えることで、各磁気センサモジュールが受ける誘導磁界の磁束密度に差が生じることを防止できる。また、磁気センサユニットのパッケージ構成は一種類で済むため、製造コストを抑制できる。ただし、磁気センサ素子42aおよび42bの感度軸の向きはこれに限定されない。
磁気センサモジュール4bにおいて、磁気センサユニット(第1磁気センサユニット)41eにおける磁気センサ素子42aの第1端(不図示)は磁気センサユニット41eの端子42aaと接続されており、端子42aaには、電源電位Vddを与える電位源が接続されている。また、磁気センサユニット41eにおける磁気センサ素子42bの第1端(不図示)は磁気センサユニット41eの端子42baと接続されており、端子42baには、接地電位GNDを与える電位源が接続されている。また、磁気センサユニット(最終磁気センサユニット)41hにおける磁気センサ素子42aの第2端(不図示)は磁気センサユニット41hの端子42abと接続されており、磁気センサ素子42bの第2端(不図示)は磁気センサユニット41hの端子42bbと接続されている。そして、磁気センサユニット41hの端子42abと端子42bbとは電気的に接続され、センサ出力Out2を出力する出力端子を構成している。
また、磁気センサモジュール4bにおいて、感度軸方向が時計回りの方向となる全ての磁気センサ素子42aは直列に接続されている。また、感度軸方向が反時計回りとなる全ての磁気センサ素子42bは直列に接続されている。より具体的には、任意の磁気センサユニットにおける端子42aaと、これに隣接する磁気センサユニットにおける端子42abとが電気的に接続されている。また、任意の磁気センサユニットにおける端子42baと、これに隣接する磁気センサユニットにおける端子42bbとが電気的に接続されている。ただし、電位源が接続される端子や、出力端子を構成する端子は上述の接続関係から除かれる。
すなわち、磁気センサモジュール4bにおいて、磁気センサユニット41eにおける磁気センサ素子42aの第1端(端子42aaに相当)と、磁気センサユニット41eにおける磁気センサ素子42bの第1端(端子42baに相当)とは、他の磁気センサユニットを介して電気的に接続され、閉回路が構成されている。当該閉回路はいわゆるハーフブリッジ回路である。当該ハーフブリッジ回路は、各磁気センサ素子の電圧降下を反映した電位をセンサ出力Out2として出力することができるため、誘導磁界による各磁気センサ素子の特性変動を反映したセンサ出力Out2を得ることができる。
図12は、本実施の形態に係る電流センサ4の構成例を示す機能ブロック図である。電流センサ4の磁気センサモジュール4a、4bは、これらの出力を差動演算する差動アンプ5と接続されている。上述したように、電流センサ4において、磁気センサモジュール4aは、感度軸が反時計回りになるよう配置された磁気センサ素子42bの端子42baに電源電位Vddを与える電位源が接続され、感度軸が時計回りになるよう配置された磁気センサ素子42aの端子42aaに接地電位GNDを与える電位源が接続されている。一方、磁気センサモジュール4bは、感度軸が時計回りになるよう配置された磁気センサ素子42aの端子42aaに電源電位Vddを与える電位源が接続され、感度軸が反時計回りになるよう配置された磁気センサ素子42bの端子42baに接地電位GNDを与える電位源が接続されている。このように、磁気センサモジュール4aおよび磁気センサモジュール4bは、電位源と感度軸方向との関係が互いに逆になっているため、磁気センサモジュール4aおよび磁気センサモジュール4bからは、出力の正負が略反転した関係にある出力Out1および出力Out2が得られる。差動アンプ5によって出力Out1と、出力Out2との差を演算することにより、被測定電流を精度良く算出できる。
本実施の形態に係る電流センサ4も、感度軸が同心円に沿って配置される第1磁気センサ素子および第2磁気センサ素子を有する複数の磁気センサユニットを備えているため、電流測定時において被測定電流が通流する電流線の周囲を囲んで誘導磁界を検出し、その測定値を用いて電流値を算出することができる。このような構成では、電流線に対する位置ずれにより一の磁気センサユニットに表れる影響を、同心円に沿って配置された他の磁気センサユニットによってキャンセルすることが可能である。このため、電流線への電流センサの取り付け精度が高くなくとも、高い精度の電流測定が可能になる。つまり、電流測定精度を高く維持すると共に、被測定電流が通流する電流線への取り付け精度が緩和された電流センサを提供することができる。
さらに、本実施の形態に係る電流センサ4は、ハーフブリッジ回路である2個の磁気センサモジュール4a、4bを組み合わせたフルブリッジ構造になっている。このため、各ハーフブリッジ回路を構成する磁気センサ素子および磁気センサユニットの個数を、実施の形態1に係るハーフブリッジ回路の1/2にできる。これにより、各ハーフブリッジ回路における電圧降下を約1/2に抑えることができるので、印加電圧を約1/2にしても適切な電流測定が可能である。
図13および図14は、本実施の形態に係る電流センサの変形例について示す模式図である。図13Aに示される電流センサ6は、平面視における正八角形の頂点に相当する位置に配置された磁気センサユニット61a、61b、61cを含む磁気センサモジュール6aと、磁気センサユニット61d、61e、61f、61g、61hを含む磁気センサモジュール6bとで構成されている。すなわち、磁気センサモジュール6aを構成する磁気センサユニットの数は3個であり、磁気センサモジュール6bを構成する磁気センサユニットの数は5個であり、これらは異なっている。磁気センサモジュール6a、6bを構成する磁気センサユニットの数以外は電流センサ4と同様である。
この電流センサ6も、ハーフブリッジ回路である2個の磁気センサモジュール6a、6bを組み合わせたフルブリッジ構造になっている。このため、各ハーフブリッジ回路を構成する磁気センサ素子および磁気センサユニットの個数を、実施の形態1に係るハーフブリッジ回路と比較して削減できる。これにより、各ハーフブリッジ回路における電圧降下を小さくできるので、印加する電圧を小さくしても適切な電流測定が可能である。
図13Bに示される電流センサ7は、平面視における正八角形の頂点に相当する位置に配置された磁気センサユニット71a、71b、71c、71dを含む磁気センサモジュール7aと、磁気センサユニット71e、71f、71g、71hを含む磁気センサモジュール7bとで構成されている。電流センサ7においては、各磁気センサモジュールを構成する磁気センサユニットが交互に配置されている。より具体的には、各磁気センサユニットは、同心円に沿って反時計回りに、磁気センサユニット71a、71h、71b、71g、71c、71f、71d、71eの順に配置されている。磁気センサモジュール7a、7bを構成する磁気センサユニットの配置以外は電流センサ4と同様である。
この電流センサ7も、ハーフブリッジ回路である2個の磁気センサモジュール7a、7bを組み合わせたフルブリッジ構造になっている。このため、各ハーフブリッジ回路を構成する磁気センサ素子および磁気センサユニットの個数を、実施の形態1に係るハーフブリッジ回路の1/2にできる。これにより、各ハーフブリッジ回路における電圧降下を約1/2に抑えることができるので、印加する電圧を約1/2にしても適切な電流測定が可能である。
図14Aに示される電流センサ8は、平面視における正八角形の頂点に相当する位置に配置された磁気センサユニット81a、81bを含む磁気センサモジュール8aと、磁気センサユニット81c、81dを含む磁気センサモジュール8bと、磁気センサユニット81e、81fを含む磁気センサモジュール8cと、磁気センサユニット81g、81hを含む磁気センサモジュール8dとで構成されている。すなわち、電流センサ8は、各2個の磁気センサユニットで構成される4個の磁気センサモジュールによって構成されている。
電流センサ8において、磁気センサ素子82aの感度軸は、同心円に沿って時計回りの方向を向いている。また、磁気センサ素子82bの感度軸は、同心円に沿って反時計回りの方向を向いている。磁気センサモジュール8a、8dは、感度軸が反時計回りになるよう配置された磁気センサ素子82bに電源電位Vddを与える電位源が接続され、感度軸が時計回りになるよう配置された磁気センサ素子82aに接地電位GNDを与える電位源が接続されている。一方、磁気センサモジュール8b、8cは、感度軸が時計回りになるよう配置された磁気センサ素子82aに電源電位Vddを与える電位源が接続され、感度軸が反時計回りになるよう配置された磁気センサ素子82bに接地電位GNDを与える電位源が接続されている。つまり、磁気センサモジュール8a、8bは、電位源と感度軸方向との関係が互いに逆になっている。また、磁気センサモジュール8c、8dは、電位源と感度軸方向との関係が互いに逆になっている。また、磁気センサモジュール8a、8dは、電位源と感度軸方向との関係が等しくなっている。また、磁気センサモジュール8b、8cは、電位源と感度軸方向との関係が等しくなっている。ただし、磁気センサ素子82aおよび82bの感度軸の向きはこれに限定されない。
図14Bは、変形例に係る電流センサ8の構成例を示す機能ブロック図である。電流センサ8の磁気センサモジュール8a、8bは、これらの出力を差動演算する差動アンプ9aと接続されている。電流センサ8の磁気センサモジュール8c、8dは、これらの出力を差動演算する差動アンプ9bと接続されている。さらに、差動アンプ9a、9bは、これらの出力を差動演算する差動アンプ9cと接続されている。上述したように、電流センサ8において、磁気センサモジュール8a、8bは、電位源と感度軸方向との関係が互いに逆になっており、磁気センサモジュール8c、8dは、電位源と感度軸方向との関係が互いに逆になっている。このため、磁気センサモジュール8aおよび磁気センサモジュール8bからは、出力の正負が略反転した関係にある出力Out1および出力Out2が得られ、磁気センサモジュール8cおよび磁気センサモジュール8dからは、出力の正負が略反転した関係にある出力Out3および出力Out4が得られる。
また、磁気センサモジュール8a、8dは、電位源と感度軸方向との関係が等しくなっており、磁気センサモジュール8b、8cは、電位源と感度軸方向との関係が等しくなっている。これにより、差動アンプ9aによって演算される出力Out1と出力Out2との差と、差動アンプ9bによって演算される出力Out3と出力Out4との差とは、正負が略反転した関係になる。このため、差動アンプ9cによって出力Out1と出力Out2との差と、出力Out3と出力Out4との差とをさらに差動演算することにより、被測定電流を精度良く算出できる。
この電流センサ8は、磁気センサモジュール8a、8bによるフルブリッジ構造と、磁気センサモジュール8c、8dによるフルブリッジ構造とを組み合わせて構成されている。このため、ハーフブリッジ回路である各磁気センサモジュールを構成する磁気センサ素子および磁気センサユニットの個数を、実施の形態1に係るハーフブリッジ回路の1/4にできる。これにより、各ハーフブリッジ回路における電圧降下を約1/4に抑えることができるので、印加する電圧を約1/4にしても適切な電流測定が可能である。
本実施の形態に係る構成は、他の実施の形態に係る構成と適宜組み合わせて実施することができる。
以上のように、第2の実施の形態の電流センサでは、感度軸が同心円に沿って配置される第1磁気センサ素子および第2磁気センサ素子を有する複数の磁気センサユニットを備えているため、電流測定時において被測定電流が通流する電流線の周囲を囲んで誘導磁界を検出し、その測定値を用いて電流値を算出することができる。このような構成では、電流線に対する位置ずれにより一の磁気センサユニットに表れる影響を、同心円に沿って配置された他の磁気センサユニットによってキャンセルすることが可能である。このため、電流線への電流センサの取り付け精度が高くなくとも、高い精度の電流測定が可能になる。つまり、電流測定精度を高く維持すると共に、被測定電流が通流する電流線への取り付け精度が緩和された電流センサを提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態における各素子の接続関係、大きさなどは、発明の趣旨を変更しない限りにおいて適宜変更することが可能である。また、上記実施の形態に示す構成、方法などは、適宜組み合わせて実施することが可能である。その他、本発明は、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することができる。