以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1により、本発明のシート搬出入装置の一実施形態としてのシート排出装置600を備えるシート処理装置としての画像形成装置であるコピー機1の全体構造について、説明する。図1は、本発明のシート搬出入装置の実施形態であるシート排出装置600を備えるコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
図1に示すように、画像形成装置(シート処理装置)としてのコピー機1は、コピー機1における上下方向Zの上方側に配置される画像読取装置300と、コピー機1における上下方向Zの下方側に配置される画像形成装置本体Mと、を備える。画像形成装置本体Mは、画像読取装置300により読み取られた画像の情報に基づいて、シート(被転写材)としての用紙Tにトナー画像を形成する。
なお、コピー機1の説明において、副走査方向Xをコピー機1の「左右方向」ともいい、主走査方向Y(図1を貫く方向)をコピー機1の「前後方向」ともいう。コピー機1の上下方向Zは、副走査方向X及び主走査方向Yと直交する。
まず、画像読取装置300について説明する。
図1に示すように、画像読取装置300は、原稿Gの画像を読み取る読取部301と、読取部301の上方側に配置され且つ読取部301に原稿Gを搬送する原稿搬送部70と、を備える。
読取部301は、上方側に、第1読取面302A及び第2読取面302Bを備える。第1読取面302Aの上には、原稿搬送部70からの原稿Gが搬送される。第2読取面302Bには、ユーザーにより、原稿Gが載置される。
原稿搬送部70は、読取部301に対して不図示の連結部により、開閉可能に連結されている。原稿搬送部70は、上方側に原稿載置部71を有し、原稿搬送部70の内部に送りローラー(図示せず)を有する。原稿搬送部70は、読取部301の第1読取面302A及び第2読取面302Bを覆う機能を有する。
第1読取面302Aは、原稿搬送部70により搬送される原稿Gを読み取る場合に用いられる読取面である。第1読取面302Aは、第1コンタクトガラス335Aの上面に沿って形成される。第1読取面302Aは、読取部301における左側面の近傍に位置する。
第2読取面302Bは、原稿搬送部70を用いずに原稿Gを読み取る場合に用いられる読取面である。第2読取面302Bは、第2コンタクトガラス335Bの上面に沿って形成される。第2読取面302Bは、第1読取面302Aよりも右側であって、読取部301における副走査方向Xの大部分に亘っている。
第1読取面302A及び第2読取面302Bは、副走査方向X及び主走査方向Yに拡がる。
原稿搬送部70により搬送される原稿Gを読み取る場合、原稿Gは、原稿載置部71に載置される。原稿載置部71に載置された原稿Gは、原稿搬送部70の内部に設けられた前記送りローラー(図示せず)により、読取部301の第1読取面302Aへ搬送される。原稿搬送部70により原稿Gが第1読取面302Aの上に搬送されることで、読取部301により、原稿Gの表面に形成された画像が読み取られる。
また、原稿搬送部70が開状態において、ユーザーにより、原稿Gは、第2読取面302Bに載置される。読取部301により、第2読取面302Bに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
次に、画像形成装置本体Mについて説明する。
画像形成装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
画像形成装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラー8と、対向ローラー18と、定着部9と、を備える。
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラー対80と、カール矯正用ローラー対85と、第1排紙部50aと、第2排紙部50bを含むジョブセパレーター400と、を備える。搬送路Lは、第1主搬送路L1と、第2主搬送路L2と、第3主搬送路L3と、第4主搬送路L4と、手差し搬送路Laと、戻し搬送路Lbと、反転搬送路Lcと、サブ搬送路Ldと、合流搬送路Leとの集合体である。
なお、搬送路Lの詳細については後述する。
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラー37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラー8及び対向ローラー18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に、矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザー光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モーター等を有して構成される。
レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部301により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷は、除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に、静電潜像が形成される。
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置された現像ローラー、トナー攪拌用の攪拌ローラー等を有して構成される。
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられている。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が、順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラー35、駆動ローラーからなる対向ローラー18、テンションローラー36等に掛け渡される。テンションローラー36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより、挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像は、中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、1次転写バイアスが印加される。1次転写バイアスは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるためのバイアスである。
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を、用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラー8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、2次転写バイアスが印加される。2次転写バイアスは、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるためのバイアスである。
2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を、用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
中間転写ベルト7における2次転写ローラー8とは反対側には、対向ローラー18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラー8と対向ローラー18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは、中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラー8との間で、2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像は、用紙Tに2次転写される。
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを、溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを、挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧されることで用紙Tに定着される。
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、給紙カセット52は、用紙Tを収容するカセットであり、画像形成装置本体Mの下部に上下に2個配列される。給紙カセット52は、画像形成装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。用紙Tは、載置板60の上に積層された状態で、給紙カセット52に収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により、搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラー対63とからなる重送防止機構を備える。
手差し給紙部64は、画像形成装置本体Mの右側面(図1において右側)に設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを、画像形成装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において画像形成装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端において給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1主搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2主搬送路L2と、定着部9から第1分岐部Q1までの第3主搬送路L3と、第1分岐部Q1から第1排紙部50aまでの第4主搬送路L4と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1主搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、戻し搬送路Lbと、を備える。その他の搬送路については後述する。
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、片面に印刷が施された用紙Tを表裏反転させて第1主搬送路L1に戻して、2次転写ローラー8の上流側に配置されたレジストローラー対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
第1主搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1主搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻し搬送路Lbが第1主搬送路L1に合流する合流部である。
レジストローラー対80は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行うと共に、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためローラー対である。このレジストローラー対80、及び用紙Tを検出するためのセンサー(図示せず)は、第1主搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラー8との間)に配置される。センサーは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラー対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラー対80は、センサーからの検出信号に基づいて上述の補正やタイミング調整をして、用紙Tを搬送する。
カール矯正用ローラー対85は、用紙Tのカールを矯正(低減)する。カール矯正用ローラー対85は、ローラー対の間に用紙Tを挿通させることで、用紙Tのカールを矯正する。カール矯正用ローラー対85は、第4主搬送路L4の途中に、詳細には、第1分岐部Q1と第3合流部P3との間に配置される。
次に、図2及び図3を参照して、コピー機1における用紙Tの搬送方向を反転する反転部Qb及びジョブセパレーター400の構成について説明する。図2は、コピー機1において、用紙Tの搬送方向を反転する反転部Qb及びジョブセパレーター400の構成を示す要部の概略断面図である。図3は、コピー機1において、用紙Tの搬送方向を反転する反転部Qb及びジョブセパレーター400の具体的構成を示す要部の拡大概略断面図である。
図1から図3に示すように、画像形成装置本体Mにおける上方側には、第1排紙部50a及び第2排紙部50bが設けられる。第1排紙部50aは、用紙Tを画像形成装置本体Mの一方側(図1において左側)の外部に排出する。第2排紙部50bは、ジョブセパレーター400に設けられ、用紙Tを画像形成装置本体Mの他方側(図1において右側)の外部に排出する。
第1排紙部50aは、第4主搬送路L4の端部に設けられる。第1排紙部50aは、画像形成装置本体Mの左側面側(図1において左側、手差し給紙部64とは反対側)の上方側に配置され、外方へ向けて開口している。
第1排紙部50aにおける開口側には、後処理装置(図示せず)を連結することができる。後処理装置は、第1排紙部50aから排出される用紙Tの後処理(ステープル、パンチ等)を行うものである。
第3主搬送路L3と第4主搬送路L4との間には、第1分岐部Q1が設けられている。第4主搬送路L4の途中には、第3合流部P3が設けられている。反転搬送路Lcの途中には、第2分岐部Q2が設けられている。反転搬送路Lcにおける反転ローラー対430の近傍には、反転部Qbが設けられている。
第1分岐部Q1は、第3主搬送路L3から、第4主搬送路L4と反転搬送路Lcとが分岐する分岐部である。第2分岐部Q2は、反転搬送路Lcからサブ搬送路Ldが分岐する分岐部である。反転部Qbは、用紙Tの搬送方向の反転が行われる部位である。第3合流部P3は、合流搬送路Leが第4主搬送路L4に合流する合流部である。
搬送路Lとしては、前述した第1主搬送路L1から第4主搬送路L4の他に、第1分岐部Q1から反転部Qbまでの反転搬送路Lcと、反転搬送路Lcを搬送される用紙を第2分岐部Q2を介して第1主搬送路L1に戻す戻し搬送路Lbと、反転搬送路Lcを搬送する用紙Tを、第2分岐部Q2を介して第2排紙部50bへ搬送するサブ搬送路Ldと、反転搬送路Lcを搬送する用紙Tを反転部Qb及び第3合流部P3を介して第4主搬送路L4へ合流させる合流搬送路Leと、を備える。
なお、各搬送路の所定位置には、用紙検出用のセンサーが配置される。
第2排紙部50bは、画像形成装置本体Mの右側面側(図1において右側、手差し給紙部64側)の上方側に配置され、外方へ向けて開口している。画像形成装置本体Mにおける第2排紙部50bが開口している外部には、画像形成装置本体Mに対して着脱可能なシート排出装置600が装着されている。
シート排出装置600の構成については、後述する。
ジョブセパレーター400は、用紙Tに対して所定の仕分け処理などを行う部位であり、画像形成装置本体Mにおける上方の右側(図1において右側)に設けられる。例えば、ジョブセパレーター400は、用紙Tを第2排紙部50bから排出させる仕分け処理を行う。また、ジョブセパレーター400は、両面印刷を行う際に及び用紙Tを第2排紙部50bから排出させる際に、用紙Tの搬送方向を反転させる処理を行う。
また、詳述しないが、画像形成装置本体Mにおける第2排紙部50b側に、シート排出装置600に代えて、シートインサーター(図示せず)が装着される場合には、ジョブセパレーター400は、シートインサーターからジョブセパレーター400へ導入されるインサート紙T1を、第4主搬送路L4へ合流させる仕分け処理を行う。
図1から図3に示すように、ジョブセパレーター400は、シート排出装置600と、反転ローラー対430と、第1分岐部材440と、第2分岐部材450と、第3分岐部材460と、搬送路切換駆動部470と、制御部500と、を備える。
シート排出装置600は、第2排紙部50bに設置されるシート搬出入ローラーとしての用紙排出ローラー620を備えている。用紙排出ローラー620は、反転部Qbにおいて反転された用紙Tを、第2排紙部50bから排出するように送り出すローラーである。用紙排出ローラー620については後述する。
反転ローラー対430は、反転部Qbに設けられており、反転部Qbに位置する用紙Tを挟持して搬送方向を反転させるローラー対である。反転ローラー対430は、ローラー対を相互に離間させる離間機構490を備えている。
離間機構490は、例えば、ソレノイド等から構成される。離間機構490は、反転ローラー対430の間に2枚の用紙Tを配置させるように、反転ローラー対430を相互に離間させるものである。
第1分岐部材440は、第1分岐部Q1に設けられる。第1分岐部材440は、第3主搬送路L3を搬送する用紙Tの搬送方向を、第4主搬送路L4又は反転搬送路Lcに分岐させる(切り換える)。
第2分岐部材450は、反転部Qbに設けられる。第2分岐部材450は、反転搬送路Lcを搬送する用紙Tを第2分岐部材450の上方に向けて、又は第4主搬送路L4に向けて分岐させる(切り換える)。第2分岐部材450の上方の空間は、反転ローラー対430により挟持した用紙Tを反転させる反転スペースとして利用される。
第3分岐部材460は、第2分岐部Q2に設けられる。第3分岐部材460は、反転搬送路Lcを搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lb又はサブ搬送路Ldに向けて分岐させる(切り換える)。図3に示すように、第3分岐部材460は、リンク機構471を介して搬送路切換駆動部470に連結されている。
なお、第1分岐部材440及び第2分岐部材450もそれぞれ個別に搬送路切換駆動部(図示せず)を備えている。搬送路切換駆動部470を含む各搬送路切換駆動部は、例えば、ソレノイド等から構成される。
そして、第1分岐部材440は、搬送路切換駆動部(図示せず)を介して図3の実線に示す姿勢と図3の点線に示す姿勢とに姿勢を変更することにより、定着部9から排出される用紙Tを、反転部Qbへ導く(分岐する)状態と、第4主搬送路L4へ導く(分岐する)する状態と、に切り換えられる。
また、第3分岐部材460は、搬送路切換駆動部470を介して図3の実線に示す姿勢と図3の点線に示す姿勢とに姿勢を変更することにより、反転部Qbで反転された用紙Tを戻し搬送路Lbへ導く(分岐する)第1状態と、サブ搬送路Ldへ導く(分岐する)第2状態と、に切り換えられる。
次に、図4から図9を参照して、コピー機1におけるジョブセパレーター400のシート排出装置600の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態のシート排出装置600の全体構成を示す斜視図である。図5は、ジョブセパレータートレイ610が折畳み姿勢に変更されているときの状態を示す要部の側面図である。図6は、図5に示す状態における要部の斜視図であって、ジョブセパレータートレイ610を仮想的に展開姿勢で示す図である。図7は、ジョブセパレータートレイ610が展開姿勢に変更されたときの状態を示す要部の側面図である。図8は、図7に示す状態における要部の斜視図である。図9は、ジョブセパレータートレイ610上に所定量以上の用紙が受け止められたときの状態を示す要部の斜視図である。
図4から図9に示すように、シート排出装置600は、装置本体601と、シート受け止め部材としてのジョブセパレータートレイ610と、シート搬出入ローラーとしての用紙排出ローラー620と、第1可動部材630と、姿勢検知センサー640と、第2可動部材660と、オーバーフロー検知センサー670と、ローラー駆動制御部650と、を備える。
図3に示すように、装置本体601は、コピー機1における第2排紙部50bが開口している画像形成装置本体Mの外部に、着脱可能に固定される。
ジョブセパレータートレイ610は、コピー機1における第2排紙部50bの外側に配置され、第2排紙部50bから排出される用紙Tを受け止める。図4に示すように、ジョブセパレータートレイ610は、シート載置部611と、側板部612と、を有する。シート載置部611は、排出方向の先端側ほど上方に位置するように傾斜した姿勢で、第2排紙部50bから排出される用紙Tを載置する。側板部612は、用紙Tの幅方向の両端部に位置し、用紙Tの幅合わせに用いられる。
図4、図5及び図7に示すように、ジョブセパレータートレイ610は、揺動支点としての支点軸613を介して、装置本体601に取り付けられている。支点軸613は、装置本体601の左右両側壁部602の間に亘って、装置本体601に回転可能に支持されている。ジョブセパレータートレイ610は、支点軸613を中心にした揺動により、図7から図9に示すように、コピー機1における第2排紙部50bを開放する外方への展開姿勢と、図5及び図6に示すように、コピー機1における第2排紙部50bを閉塞する上方への折畳み姿勢とに、姿勢を変更可能に構成されている。
なお、図6は、ジョブセパレータートレイ610が折畳み姿勢である状態を示す図であるが、便宜上、ジョブセパレータートレイ610を二点鎖線により展開姿勢で示している。
用紙排出ローラー620は、駆動回転軸621に、その軸線方向に間隔をあけて複数個、固定されている。駆動回転軸621は、装置本体601の左右両側壁部602の間に亘って、装置本体601に回転可能に支持されている。駆動回転軸621の軸方向の一端部は、ローラー駆動部としての用紙排出ローラー駆動部622(図2参照)に連結されている。用紙排出ローラー駆動部622は、例えば、モーターからなる。
図4、図5及び図7に示すように、第1可動部材630は、アーム部材631と、アーム部材631の上方に配置されたリンク部材632と、を有する。アーム部材631は、ジョブセパレータートレイ610の支点軸613における軸方向の一端部に固定されており、支点軸613の周りをジョブセパレータートレイ610と一体的に揺動する。リンク部材632は、装置本体601に固定された固定軸633の軸心周りに、揺動可能(位置を移動可能)に支持されている。リンク部材632の揺動方向の一端面632aは、アーム部材631の先端部631aに対して当接し(図7参照)、又は離間する(図5参照)。
図6、図8及び図9に示すように、姿勢検知センサー640は、第1可動部材630の上方に配置されている。姿勢検知センサー640は、第1可動部材630のリンク部材632の揺動(位置の移動)に基づいて、ジョブセパレータートレイ610の姿勢が展開姿勢であるか、又は折畳み姿勢であるかを、検知する。つまり、姿勢検知センサー640は、リンク部材632の位置の移動により、所定の検知動作を行うように構成されている。
姿勢検知センサー640は、フォトインタラプター(PI)センサー641と、アクチュエーター642と、から構成されている。PIセンサー641は、互いに間隔をあけて対向した状態に配置される投光部641aと受光部641bとを有する。
アクチュエーター642は、回動軸642aと、揺動片部642bと、PI遮光部642cとから構成される。回動軸642aは、装置本体601の上方において用紙Tの幅方向と平行になるように配置されており、装置本体601に回動自在に支持されている。揺動片部642bは、回動軸642aの一端部に固定されており、回動軸642aの径方向に延びている。PI遮光部642cは、揺動片部642bにおける回動軸642aの軸方向外側に設けられており、回動軸642aの軸方向外側に延びている。PI遮光部642cは、PIセンサー641における投光部641aと受光部641bとの間の光路を遮断又は開放する。
揺動片部642bは、その下端縁部に第1可動部材630のリンク部材632が当接又は離間可能に、構成されている。ジョブセパレータートレイ610が折畳み姿勢であるときにおいて、揺動片部642bは、リンク部材632から離間している。そのため、PI遮光部642cは、投光部641aと受光部641bとの間の光路を開放している。一方、ジョブセパレータートレイ610が展開姿勢であるときにおいて、揺動片部642bは、リンク部材632に当接し、更に上方に押圧されて、上方に移動される。そのため、PI遮光部642cは、投光部641aと受光部641bとの間の光路を遮断している。
図4、図6、図8及び図9に示すように、第2可動部材660は、回動軸642aの他端部に固定されており、第1可動部材630と連動して回動することにより、位置を上下に移動可能に構成されている。ジョブセパレータートレイ610に少量の用紙Tしか受け止められていないときには、第2可動部材660の先端部660aは、第2可動部材660の自重によって、用紙排出ローラー620による用紙排出方向の斜め下方に向けて、用紙排出経路に突き出されている。ジョブセパレータートレイ610に多量の用紙Tが積層状態に受け止められたときには、第2可動部材660の先端部660aが積層状態の用紙Tにより上方に押圧されることによって、第2可動部材660は、上方に位置を移動する。
オーバーフロー検知センサー670は、第2可動部材660の位置の移動に基づいて、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け止められたか否かを検知するセンサーである。「所定量」とは、例えば、積層状態のシート(用紙T)の総厚みであり、積層されたシートの枚数にほぼ比例する。ただし、シートの1枚あたりの厚み等によって、所定量としてのシートの枚数は異なる。
ジョブセパレータートレイ610が展開姿勢である場合において、ジョブセパレータートレイ610に所定量未満の用紙Tしか受け止められていないときには、PI遮光部642cは、投光部641aと受光部641bとの間の光路を遮断している。一方、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け止められているときには、第2可動部材660の先端部660aが用紙Tにより上方に押圧されるため、回動軸642aを介して、揺動片部642bは、更に上方に移動される。そのため、PI遮光部642cは、投光部641aと受光部641bとの間の光路を開放している。
本実施形態においては、オーバーフロー検知センサー670と姿勢検知センサー640とは、同一のセンサーから構成されている。
この同一のセンサーは、ジョブセパレータートレイ610の姿勢が展開姿勢であることの姿勢検知センサー640としての検知と、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け止められていないことのオーバーフロー検知センサー670としての検知とを、同じ条件で検知する。
姿勢検知センサー640によりジョブセパレータートレイ610の姿勢が展開姿勢であることが検知されると共に、オーバーフロー検知センサー670によりジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け止められていないことが検知される場合のみ、ローラー駆動制御部650は、用紙排出ローラー620の駆動を可能とする制御信号S6を、用紙排出ローラー駆動部622に出力する。
次に、制御部500について詳述する。図2に示すように、制御部500は、搬送路切換駆動制御部501と、離間機構駆動制御部502と、ローラー駆動制御部650と、を備える。搬送路切換駆動制御部501及び離間機構駆動制御部502は、切換指令操作部504に接続される。
搬送路切換駆動制御部501は、切換指令操作部504から入力される指令信号S1に基づいて、搬送路切換駆動部470を含む各搬送路切換駆動部に制御信号S2を出力する。これにより、搬送路切換駆動制御部501は、第3分岐部材460を含む各分岐部材の姿勢を変更して、搬送路を切り換える(分岐する)制御を行う。
離間機構駆動制御部502は、切換指令操作部504から入力される指令信号S3に基づいて、離間機構490に制御信号S4を出力する。これにより、離間機構駆動制御部502は、反転ローラー対430を離間又は近接させる制御を行う。
ローラー駆動制御部650は、姿勢検知センサー640及びオーバーフロー検知センサー670を兼ねる同一のセンサーからの検知信号S5に基づいて、用紙排出ローラー駆動部622に制御信号S6を出力する。これにより、ローラー駆動制御部650は、用紙排出ローラー620の駆動を可能とするか、又は駆動を不可能とする制御を行う。
次に、コピー機1の全体動作について簡単に説明する。
まず、画像の形成動作について簡単に説明する。
読取部301により読み取られた画像の情報(画像情報)は、画像形成装置本体Mに出力される。画像形成装置本体Mに入力された画像情報は、不図示の画像形成制御部に入力される。画像形成制御部は、画像情報に基づいて、画像形成部GKを構成する感光体ドラム2aから2d、帯電部10aから10d、レーザースキャナーユニット4aから4dや現像器16aから16d等を制御する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dには、画像情報に基づいて、所定のトナー画像が形成される。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像は、1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dにおいて中間転写ベルト7に順次1次転写される。中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像は、2次転写ニップN2において、搬送路Lを搬送される用紙Tに2次転写される。これにより、用紙Tには、原稿Gと同じ画像が形成される(コピーされる)。画像が形成された用紙Tは、第1排紙部50a又は第2排紙部50bから画像形成装置本体Mの外部に排紙される。
次に、各搬送パターンにおける用紙Tの搬送動作について、画像の形成動作と併せて説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷が行われ、第1排紙部50aへ搬送される場合の搬送動作について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラー対63によって第1主搬送路L1に送り出され、レジストローラー対80を経由して、中間転写ベルト7と2次転写ローラー8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、2次転写ニップN2において、トナー画像が(2次)転写される。
その後、用紙Tは、2次転写ニップN2から排出され、第2主搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
次いで、用紙Tは、第3主搬送路L3及び第4主搬送路L4を通して、第1排紙部50aへ搬送される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷が行われ、片面印刷が行われた用紙Tは、第1排紙部50aへ搬送され、後処理装置(図示せず)に供給されて後処理される。
次に、手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合の搬送動作について説明する。
手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1主搬送路L1を介して、レジストローラー対80に搬送される。それ以降の動作は、給紙カセット52に収容された用紙Tに印刷を行う場合と同様であり、説明を省略する。
次に、両面印刷を行う場合の搬送動作について説明する。
片面印刷がされた用紙Tが定着部9から排出されるまでは、片面印刷の場合と同様である。一方、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tは、定着部9から排出された後、第3主搬送路L3を搬送され、第1分岐部Q1において反転搬送路Lcに向けて搬送される。そして、用紙Tは、反転部Qbにおいて反転ローラー対430により第3主搬送路L3を逆方向(反転ローラー対430から第2分岐部Q2へ向かう方向)に搬送される。
第3主搬送路L3を逆方向に搬送される用紙Tは、第2分岐部Q2を介して戻し搬送路Lbに導入される。この用紙Tは、第2合流部P2を介して、第1主搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
更に、用紙Tは、第1主搬送路L1を介して、中間転写ベルト7と2次転写ローラー8との間に導入される。このように、用紙Tが戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が2次転写ローラー8に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
次に、コピー機1において、定着部9から排出される用紙Tが第1排紙部50aから排出される場合、定着部9から排出される用紙Tが反転部Qbまで搬送される場合、反転部Qbにまで搬送された用紙Tが第2排紙部50bから排出される場合それぞれにおける各部の動作状態を説明する。
まず、定着部9から排出される用紙Tを第1排紙部50aから排出する場合には、切換指令操作部504から出力される指令信号S1及び搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動制御部501は、搬送路切換駆動部(図示せず)を介して第1分岐部材440を、図3の点線に示す姿勢に変更させる。これによって、第3主搬送路L3を搬送されてくる用紙Tの搬送方向は、第4主搬送路L4に向かう方向に切り換えられる。これ以降は、片面印刷を行う場合と同様であり、説明を省略する。
次に、定着部9から排出される用紙Tを反転部Qbまで搬送させる場合には、切換指令操作部504から出力される指令信号S1及び搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動制御部501は、搬送路切換駆動部(図示せず)を介して第1分岐部材440を、図3の実線に示す姿勢に変更させる。これによって、第3主搬送路L3を搬送されてくる用紙Tの搬送方向は、反転搬送路Lcに向かう方向に切り換えられ、反転部Qbに搬送される。反転部Qbまで搬送された用紙Tは、反転ローラー対430に挟持されて搬送方向が反転(スイッチバック)され、戻し搬送路Lbに向かう方向に切り換えられる。これ以降は、両面印刷を行う場合と同様であり、説明を省略する。
また、定着部9から排出される用紙Tを第2排紙部50bから排出させる場合には、用紙Tが反転部Qbに搬送された後において、切換指令操作部504から出力される指令信号S1及び搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動部470は、第3分岐部材460を図3の点線に示す姿勢に変更させる。これによって、反転部Qbに位置する用紙Tは、反転ローラー対430に挟持されて搬送方向が反転(スイッチバック)され、第2分岐部Q2に向かう方向に切り換えられる。その後、用紙Tは、第2分岐部Q2を介してサブ搬送路Ldに導入され、第2排紙部50bからシート排出装置600を経て、ジョブセパレータートレイ610に排出される。
次に、図5から図9を参照して、ジョブセパレーター400におけるシート排出装置600の動作について説明する。
図5及び図6に示すように、ジョブセパレータートレイ610が第2排紙部50bを閉塞する折畳み姿勢の状態においては、第1可動部材630のアーム部材631は、ジョブセパレータートレイ610の位置に連動して、リンク部材632から下方に離間している。同時に、第2可動部材660の先端部660aは、第2可動部材660の自重によって、用紙排出ローラー620による用紙排出方向の斜め下方の用紙排出経路に向けて突き出ている。この状態において、PI遮光部642cは、PIセンサー641の投光部641aと受光部641bとの間の光路を開放している。これによって、姿勢検知センサー640は、ジョブセパレータートレイ610の姿勢が折畳み姿勢であることを、検知する。また、姿勢検知センサー640と同一のセンサーで構成されるオーバーフロー検知センサー670は、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け入れられていないことを、検知する。
図2に示すように、同一のセンサー640(670)からの検知信号S5がローラー駆動制御部650に入力されることにより、ローラー駆動制御部650は、用紙排出ローラー駆動部622に対して用紙排出ローラー620の駆動を不能とする制御を行う。
次に、切換指令操作部504から出力される指令信号S1、及び搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動部470は、第3分岐部材460を図3において点線に示す姿勢に変更する。
また、定着部9から排出される用紙Tを第2排紙部50bから排出させる場合、ジョブセパレータートレイ610の姿勢は、第2排紙部50bを開放する外方への展開姿勢に変更される。
ジョブセパレータートレイ610の折畳み姿勢から展開姿勢への姿勢の変更動作に連動して、第1可動部材630のアーム部材631は、図7に示すように、支点軸613の周りを上方へ揺動する。これにより、アーム部材631の先端部631aは、第1可動部材630のリンク部材632の一端面632aに当接する。これに連動して、リンク部材632は、固定軸633の周りを上方へ揺動する。
リンク部材632の上方への揺動に伴って、姿勢検知センサー640のアクチュエーター642の揺動片部642bは、下方から押される。その結果、アクチュエーター642は、回動軸642aの周りを回動する。これによって、アクチュエーター642のPI遮光部642cは、PIセンサー641の投光部641aと受光部641bとの間の光路を遮断する。
以上の動作によって、姿勢検知センサー640は、ジョブセパレータートレイ610の姿勢が外方への展開姿勢であることを検知する。これと共に、姿勢検知センサー640と同一のセンサーで構成されるオーバーフロー検知センサー670は、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け入れられていないことを検知する。
同一のセンサー640(670)からの検知信号S5がローラー駆動制御部650に入力されることにより、ローラー駆動制御部650は、用紙排出ローラー駆動部622に対して用紙排出ローラー620の駆動を可能とする制御を行う。その後、ユーザーによる排紙開始のための操作が入力されることにより、用紙排出ローラー620の駆動が開始され、第2排紙部50bにまで搬送されてきた用紙Tは、用紙排出ローラー620により、ジョブセパレータートレイ610に向けて排出される。
ジョブセパレータートレイ610の姿勢が外方への展開姿勢にあり、且つ、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け入れられていない状態においては、第2排紙部50bから排出される用紙Tは、ジョブセパレータートレイ610に次々と積層されながら受け止められる。そして、第2可動部材660の先端部660aが押圧されるように、用紙Tがジョブセパレータートレイ610に受け止められたときには、それまで用紙排出ローラー620による用紙排出方向の斜め下方に向けて用紙排出経路に突き出ていた第2可動部材660の先端部660aは、積層された用紙Tに押圧されて、上方に位置を移動する。これに伴って、アクチュエーター642は、回動軸642aの周りを更に回動されて、図9に示すように、アクチュエーター642のPI遮光部642cは、PIセンサー641の投光部641aと受光部641bとの間の光路を開放する。
これによって、姿勢検知センサー640と同一のセンサーで構成されるオーバーフロー検知センサー670は、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け入れられたことを検知する。この検知信号S5がローラー駆動制御部650に入力されることにより、ローラー駆動制御部650は、用紙排出ローラー駆動部622に対して用紙排出ローラー620の駆動を停止させる制御を行う。したがって、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが排出されることはない。これにより、所定量以上の用紙Tがジョブセパレータートレイ610に積載され、その積載重量によりジョブセパレータートレイ610が変形したり、破損したりすることを防ぐことができる。
上述した実施形態のシート排出装置600によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態のシート排出装置600は、用紙Tに画像を形成するコピー機1における用紙Tの第2排紙部50bに配置され、第2排紙部50bから排出される用紙Tを受け止めるジョブセパレータートレイ610であって、第2排紙部50bを開放する外方への展開姿勢と第2排紙部50bを閉塞する折畳み姿勢とに姿勢を変更可能なジョブセパレータートレイ610と、ジョブセパレータートレイ610に対して用紙Tを排出する用紙排出ローラー620と、用紙排出ローラー620を駆動するローラー駆動部622と、ジョブセパレータートレイ610における展開姿勢と折畳み姿勢との姿勢の変更動作に連動して位置を移動する第1可動部材630と、第1可動部材630の位置の移動に基づいて、ジョブセパレータートレイ610の姿勢が展開姿勢であるか又は折畳み姿勢であるかを検知する姿勢検知センサー640と、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け止められたときに、その用紙Tに押圧されて上方に位置を移動する第2可動部材660と、第2可動部材660の位置の移動に基づいて、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け止められているか否かを検知するオーバーフロー検知センサー670と、姿勢検知センサー640によりジョブセパレータートレイ610の姿勢が展開姿勢であることが検知されると共にジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け止められていないことが検知される場合のみ、用紙排出ローラー620の駆動を可能とするように制御するローラー駆動制御部650と、を備える。姿勢検知センサー640とオーバーフロー検知センサー670とは、同一のセンサーから構成される。
そのため、ジョブセパレータートレイ610が外方への展開姿勢にあって、用紙Tの受け入れることが可能な姿勢にあるか否かを検知するための姿勢検知センサー640と、ジョブセパレータートレイ610が外方への展開姿勢にあるときに、ジョブセパレータートレイ610に所定量以上の用紙Tが受け止められているか否かを検知するオーバーフロー検知センサー670とを、同一のセンサーから構成することが可能となる。即ち、ジョブセパレータートレイ610の開閉(展開姿勢/折畳み姿勢)を検知する姿勢検知センサー、及び、用紙Tが所定量以上のオーバーフローになったか否かを検知するオーバーフロー検知センサーを、単一のセンサーで兼用することができる。
従って、姿勢検知センサー640及びオーバーフロー検知センサー670は1つで済む。また、センサー640,670を支持するための部材、センサー640,670と制御部とを接続する電子部品や配線を、共用することが可能となる。装置全体として部品点数を削減して、装置の構造の簡素化及びそれらの取り付け作業の工数の減少による製造コストの低減を図ることができる。用紙排出ローラー620の駆動を適確に且つ合理的に制御できると共に、用紙Tの過積載によるジョブセパレータートレイ610の変形や破損を抑制することができる。
また、本実施形態において、シート排出装置600は、コピー機1の画像形成装置本体Mに対して着脱可能に構成されている。そのため、シート排出装置600を、コピー機1を含めて多種多様なシート処理装置に対するオプションアタッチメントとして有効に活用することができる。これによって、各種のシート処理装置をコスト的に安価にできる一方、機能の追加又は拡充を容易に実現することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、画像形成装置(コピー機1)において画像の形成された用紙Tを、ジョブセパレーター400の第2排紙部50bから外部に排出する際に用いられるシート排出装置600について説明したが、シート搬出入装置は、これに制限されない。シート搬出入装置は、第2排紙部50bを導入部とし、この導入部からインサート紙をジョブセパレーター400の内部に導入するためのシートインサーター(シート搬入装置)に適用してもよい。
また、前述の実施形態においては、画像形成装置(コピー機1)におけるジョブセパレーター400の第2排紙部50b側にシート排出装置600を着脱可能に取り付ける場合について説明したが、これに制限されない。シート排出装置を、第1排紙部50a側に着脱可能に取り付けて、使用してもよい。
また、シートは、用紙に限らず、例えば、フィルムシートでもよい。
画像形成装置は、コピー機1に制限されず、プリンター、ファクシミリ、又はそれらの複合機でもよい。
シート処理装置は、画像形成装置に制限されず、シートを処理する他の装置でもよい。