JP5543931B2 - コンクリート構造物の開口方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設のコンクリート構造物の開口方法に関する。
既設のコンクリート構造物に対して貫通孔(開口部)を形成する場合のように、既設構造物に対して切削を行う場合には、必要以上に既設構造物を破壊することがないように施工を行う必要がある。
特許文献1には、このような施工を行う既設コンクリート構造物の開口方法として、まず、開口部を形成する予定箇所の左右の縦断面をワイヤーソーにより切断し、この予定箇所に対して、コンクリート構造物を前後方向に貫通する水平方向の横ボーリング孔を形成するとともにコンクリート構造物の上方から鉛直方向の縦ボーリング孔を形成し、これらの横ボーリング孔および縦ボーリング孔を利用して、横ボーリング孔および縦ボーリング孔の周囲を破砕して複数のブロックに分割した後、各ブロックを撤去することで開口部を形成する方法が開示されている。
また、特許文献2には、コンクリート構造物に対して、開口部の計画断面の四隅にケーブル通し穴を貫通させた後、ワイヤーソーをコンクリート構造物の表面側からケーブル通し穴に挿通させるとともに隣接するケーブル通し穴に背面側から挿通させた状態で、当該ワイヤーソーを引き出すことで開口部の四辺を引き切りにより切断して柱状体を形成し、この柱状体を破砕除去することで開口部を形成する既設コンクリートの開口方法が開示されている。
特開2000−313010号公報 特許第2554584号公報
特許文献1の開口方法は、コンクリート構造物の上方から作業を行う必要があるため、スリット状の開口部を形成する場合には有効であるものの、開口部の予定箇所の上方に作業スペースが確保できない場合には採用することができなかった。特にコンクリート構造物に対して開口部として貫通孔を形成することはできなかった。
また、特許文献2の開口方法は、ケーブル通し穴として、貫通孔を形成する必要があるため、部材厚が大きい大規模なコンクリート構造物への採用する場合は作業に手間を要していた。
また、切断分離された柱状体を除去するための破砕作業に手間を要するとともに、破砕体の搬出作業にも手間を要していた。
そのため、本発明は、コンクリート構造物の規模等に関わらず高精度かつ簡易に所定形状の開口部を形成することが可能なコンクリート構造物の開口方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、既設のコンクリート構造物に開口部を形成するコンクリート構造物の開口方法であって、前記コンクリート構造物の表面からワイヤーソーを用いた押し切りを行うことにより先進ブロックの周面の少なくとも一部を縁切りする第一工程と、前記先進ブロックを排出して先進坑を形成する第二工程と、前記先進坑を作業坑として当該先進坑の周辺領域から周辺ブロックを切り出す第三工程と、を備えることを特徴としている。
かかるコンクリート構造物の開口方法によれば、任意の形状に切り出された先進ブロックまたは周辺ブロックを排出することで開口部を形成するため、コンクリート構造物の規模に関わらず簡易に所定形状の開口部を形成することができる。
また、先進ブロックまたは周辺ブロックの切り出しは、ワイヤーソーを利用することで、低振動かつ高精度に行うことができ、高品質施工が可能である。
さらに、先進坑を作業坑として利用することで、周辺ブロックの形状(長さ)の自由度が向上し、周辺ブロックを先進ブロックよりも大きな形状で切り出すこともできる。周辺ブロックを大きな形状で切り出せれば、切り出しおよび排出の施工サイクルの回数を削減することができ、施工期間の短縮化が可能となる。
前記第一工程では、前記先進ブロックの角部に対応してワイヤーソー設置孔を形成するとともに、前記先進ブロックの上面に沿ってボーリングを複数回行うことにより当該先進ブロックの上面を縁切りした後、前記ワイヤーソー設置孔を利用して前記コンクリート構造物の前面から前記ワイヤーソーを用いた押し切りを行うことで、前記先進ブロックの左右の側面および底面を縁切りする。
かかるコンクリート構造物の開口方法によれば、先進ブロックの上面に対して、クリアランスがボーリングにより大きめに確保されるため、先進ブロックの排出作業の施工性が向上する。
また、前記第一工程では、前記先進ブロックの一方の側面に沿ってバースター孔を形成するとともに、前記先進ブロックの中心部を押し切ることで当該先進ブロックを左右二つの分割ブロックに分割し、前記バースター孔内に設置したバースター(油圧割岩機)で一方の前記分割ブロックを他方の前記分割ブロック側に押圧することで当該一方の分割ブロックの背面側端部を前記コンクリート構造物から分離させてもよい。
かかるコンクリート構造物の開口方法によれば、先進ブロックの奥側(背面側端部)の切断作業を簡易に行うことができる。そのため、先進ブロックの奥側(背面側端部)に切断用の装置を配置する手間を省略できる。
また、前記第三工程では、前記先進坑を利用して前記周辺ブロックの背面側端面に沿ってボーリングを複数回行うことで当該周辺ブロックの背面側端面を縁切りするとともに、既設コンクリート構造物の表面側からワイヤーソーを用いた引き切りを行うことにより前記周辺ブロックの周面を縁切りした後、当該周辺ブロックを排出させてもよい。
かかるコンクリート構造物の開口方法によれば、低振動かつ高精度に周辺ブロックを排出することができるため、施工性に優れている。
さらに、前記先進ブロックまたは前記周辺ブロックを排出する前に、縁切りされた前記先進ブロックまたは前記周辺ブロックの底面に対して鉄球を配設すれば、摩擦抵抗が減少するので先進ブロックまたは周辺ブロックを簡易に排出することができる。
本発明のコンクリート構造物の開口方法によれば、コンクリート構造物の規模等に関わらず高精度かつ簡易に所定形状の開口部を形成することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るコンクリート構造物の開口方法を適用するダム堤体を示す断面図である。 (a)は先進坑の施工状況を示す正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)は図2に続く先進坑の施工状況を示す正面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 (a)はワイヤーソーを利用した押し切りの説明図、(b)はワイヤーソーを利用した引き切りの説明図である。 (a)はバースターの配置状況を示す縦断面図、(b)は中央ブロックの斜視図である。 (a)は第二分割坑の施工状況を示す正面図、(b)はサイドブロックの斜視図である。 (a)はサイドブロックの引き切り状況を示す縦断面図、(b)はサイドブロックの排出状況を示す縦断面図である。 (a)および(b)は拡幅部の施工状況を示す縦断面図である。
本実施形態では、図1に示すように、既設のダム堤体(コンクリート構造物)1を貫通する開口部10を形成する場合について説明する。
開口部10は、ダムの排水路増設を目的として、既設のダム堤体1に形成されるものである。本実施形態では、ダム堤体1の下流側から削孔することにより開口部10を形成する。
開口部10の上流側端部には、上流に向かって高さおよび幅が大きくなるように、錐台状の拡幅部20が形成されている。
なお、拡幅部20は、必要に応じて形成すればよく、必ずしも形成する必要はない。
開口部10の形成は、図2(a)に示すように、開口部10の計画断面を複数の領域に分割し、各領域に分割坑をそれぞれ形成することにより行う。本実施形態では、上下3段左右3列の合計9つの分割坑11〜19を形成することにより、開口部10を形成する。なお、開口部10の分割数や断面形状等は限定されるものではない。
まず、先進坑として、上段中央の第一分割坑11を形成する。
第一分割坑11の形成は、中央ブロック(先進ブロック)111の周辺を縁切りする中央ブロック縁切り工程(第一工程)と、中央ブロック111を排出する中央ブロック排出工程(第二工程)を備えている。
中央ブロック縁切り工程では、まず、図2(a)に示すように、中央ブロック111の角部に対応してボーリングを行い、ワイヤーソー設置孔32,32,…を形成するとともに、中央ブロック111の上面に沿ってボーリングを複数回行う(以下「連続縁切りボーリング」という)ことにより中央ブロック111の上面の縁切りを行う。
連続縁切りボーリングは、中央ブロック111の上側の左右の角部に形成されたワイヤーソー設置孔32,32の間に、ボーリングを横方向に連続して複数回実施することにより、中央ブロック111の上面の縁切りを行うものである。連続縁切りボーリングは、他のボーリングによって形成されるボーリング孔31又はワイヤーソー設置孔32と部分的に重なり合うように削孔する。
本実施形態では、連続縁切りボーリングとして、φ150mmのボーリングを142mmピッチで行うが、ボーリングの径やピッチは限定されるものではない。
中央ブロック111の上面には、ボーリング孔31およびワイヤーソー設置孔32が横方向につながることにより、所定高さの隙間が形成される。
ワイヤーソー設置孔32,32,…は、図2(a)に示すように、断面矩形の中央ブロック111の四隅に形成する。また、中央ブロック111の下側角部に形成された左右のワイヤーソー設置孔32,32の中間にもボーリングを実施して、ワイヤーソー設置孔33を形成しておく。
なお、ワイヤーソー設置孔32、33の配置や個所数は中央ブロック111の断面形状等に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態では、ワイヤーソー設置孔32(33)を、連続縁切りボーリングで使用したボーリング装置(図示せず)を使用して、連続縁切りボーリングと同じボーリング径により形成するが、ワイヤーソー設置孔32(33)の内径は限定されるものではない。また、ワイヤーソー設置孔32(33)を形成するために、別途ボーリング装置を用意してもよい。
ワイヤーソー設置孔32(33)の形成に伴ない、中央ブロック111の左右の側面に沿ってボーリングを行うことで、バースター孔34を形成しておく。
バースター孔34は、図2(a)および(b)に示すように、中央ブロック111の側面に形成された上下のワイヤーソー設置孔32,32の間に、等間隔で2箇所形成する。なお、バースター孔34の数や位置は中央ブロック111の形状に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態では、バースター孔34を形成するに際し、連続縁切りボーリングで使用したボーリング装置(図示せず)を使用し、同じボーリング径のボーリングを実施するが、バースター孔34の内径は限定されるものではない。また、バースター孔34を形成するために、別途ボーリング装置を用意してもよい。
ワイヤーソー設置孔32,32,…を形成したら、図3(a)および(b)に示すように、上下または左右に隣り合うワイヤーソー設置孔32,32を利用してダム堤体1の前面(下流側面)からワイヤーソー40を用いた押し切りを行い、中央ブロック111の左右の側面および底面を縁切りする。
ワイヤーソー40を用いた押し切りは、図4(a)に示すように、まず、ワイヤーソー40をプーリー41に巻きつけた状態で、縁切りする面の両端に形成されたワイヤーソー設置孔32,32の所定の位置にプーリー41を設置するとともに、ワイヤーソー40の一部をダム堤体1(中央ブロック111)の前面に沿わせる。
このとき、プーリー41は、排出される中央ブロック111の長さ(深さ方向の大きさ)よりも深い位置に配置する。本実施形態では、中央ブロック111の前面から2m乃至4m程度の深さの位置にプーリー41配置する。なお、プーリー41を配置する位置は限定されない。
また、本実施形態では、図3(b)に示すように、ダム堤体1の前面のワイヤーソー設置孔32の近傍(ワイヤーソー設置孔32の開口縁部)にもプーリー42を配設しておくことで、当該ワイヤーソー設置孔32よりも低い位置に配設されたワイヤーソーマシン43にワイヤーソー40を誘導するものとする。なお、ダム堤体1の前面に配設されるプーリー42は、ワイヤーソーマシン43の設置箇所等に応じて配設するものとし、必ずしも配置しなくてもよい。
次に、ワイヤーソー40を回転させつつワイヤーソーマシン43をダム堤体1から離れる方向に移動させることでワイヤーソー40を引っ張る。こうすることで、ダム堤体1の前面に配設されたワイヤーソー40がプーリー41,41側に押し込まれて(食い込んでダム堤体1を切削し、中央ブロック111の縁切りが行われる。
また、中央ブロック111の左右の側面および底面の縁切りに伴ない、ワイヤーソー40を用いた押し切りを行うことで、中央ブロック111を左右二つの分割ブロック112,113に分割する。
中央ブロック111の底面の縁切りを行ったら、中央ブロック111の底面とダム堤体(開口10の内壁面)との間に形成された隙間に鉄球(図示省略)を多数入れておく。
中央ブロック111の分割は、中央ブロック111の上面の隙間の幅方向中間部と底面の幅方向中間部に形成されたワイヤーソー設置孔33を利用してワイヤーソー40を配設し、ダム堤体1の前面から中央ブロック111を縦方向に切断することにより行う。
ワイヤーソー40を用いた押し切りが終了したら、バースター孔34,34内にバースター50を挿入し、このバースター50により一方の分割ブロック112を他方の分割ブロック113側に押圧することで分割ブロック112の背面側端部114に亀裂を生じさせる(破壊する)。背面側端部114に亀裂が形成されることで、分割ブロック112はダム堤体1から分離されて、ダム堤体1からの縁切りが完了する。ダム堤体1から完全に縁切りされた分割ブロック112は、鉄球上に上載された状態となる。
同様に他方の分割ブロック113もバースター50を介して背面側端部114に亀裂を生じさせて、ダム堤体1から完全に縁切りする。なお、他方の分割ブロック113は、一方の分割ブロック112を排出した後にバースター50により押圧してもよいし、一方の分割ブロック112を排出する前にバースター50により押圧してもよい。
本実施形態では、バースター50を、中央ブロック111の前面から数m(本実施形態では1.5m)の深さ付近まで挿入した状態で押圧力を作用させる。こうすることで、中央ブロック111を、長さが数m(本実施形態では約1.5m)となるように切り出す。なお、中央ブロック111の切り出し寸法は、限定されるものではない。また、バースター50の挿入深さは、中央ブロック111の切り出し寸法に応じて適宜設定すればよい。なお、図5(a)の符号51はバースター50に油圧を供給する油圧供給機(バースター装置)である。
中央ブロック排出工程では、中央ブロック縁切り工程においてダム堤体1から分離された分割ブロック112,113を排出して第一分割坑11を形成する。
分割ブロック112,113の排出は、分割ブロック112,113を前面側(下流側)に引き出すことにより行う。このとき、分割ブロック112,113の底面には鉄球が配設されているため、鉄球が転がることで、摩擦抵抗が低減されて簡易に分割ブロック112,113を排出することができる。
中央ブロック縁切り工程と中央ブロック排出工程とを繰り返すことにより、ダム堤体1を貫通する第一分割坑11を形成する。
なお、連続縁切りボーリング、ワイヤーソー設置孔32,33およびバースター孔34は、予めダム堤体1を貫通させた状態で形成してもよいし、中央ブロック111を排出するたびに形成するものとして、排出される中央ブロック111の形状(長さ)に応じて所定の深さで止めてもよい。
第一分割坑11が形成されたら、第一分割坑11(先進坑)を作業坑として第一分割坑11の左右からサイドブロック(周辺ブロック)121,131を切り出して第二分割坑12および第三分割坑13を形成する(第三工程)。
第二分割坑12を形成するためには、図6(a)に示すように、まず、ボーリングによりワイヤーソー設置孔32を形成する。本実施形態では、中央ブロック111の底面から横方向に延びる延長線と開口部10の計画断面の外縁との交点と、開口部10の計画断面の隅部であって円弧の中点との2箇所にワイヤーソー設置孔32,32を形成する。
本実施形態では、開口部10の計画断面に応じて断面台形状の第二分割坑12を形成するものとし、ワイヤーソー設置孔32,32をその角部に形成するものとしたが、ワイヤーソー設置孔32の配置や数は限定されるものではない。
次に、第一分割坑11の中から、図6(b)に示すように、サイドブロック121の背面側端面となる位置で横方向に連続縁切りボーリングを行い、サイドブロック121の背面側端面を複数のボーリング孔31により縁切りする。
なお、連続縁切りボーリングを行う位置は限定されるものではないが、本実施形態では、サイドブロック121の前面から10mの位置において実施する。これにより、長さ10mのサイドブロック121を形成することが可能となる。
連続縁切りボーリングを行ったら、図7(a)に示すように、ワイヤーソー設置孔32,32を利用してワイヤーソー40を用いた引き切りを行うことで、サイドブロック121の底面、上面および側面を縁切りする。
ワイヤーソー40を用いた引き切りは、まず、ワイヤーソー40をワイヤーソー設置孔32に貫通させるとともに、サイドブロック121の背面側端面を廻して隣接するワイヤーソー設置孔32を貫通させた状態で配設する。
次に、図4(b)に示すように、ワイヤーソー40を回転させつつワイヤーソーマシン43をダム堤体1から離れる方向に移動させてワイヤーソー40を引くことで、サイドブロック121の背面側端面からワイヤーソー40が引き出される(食い込む)。こうすることでワイヤーソー40がダム堤体1を切削し、サイドブロック121の縁切りが実現される。
本実施形態では、サイドブロック121の底面の縁切りを上面および側面の縁切りよりも先に行い、サイドブロック121の底面が縁切りされた時点で、サイドブロックの底面とダム堤体1(開口部10の内壁面)との間に形成された隙間に鉄球を入れておく。
なお、サイドブロック121の底面、側面および背面側端面についての縁切りを行う順序は限定されるものではない。
サイドブロック121の底面、上面、側面および背面側端面の縁切りが終了し、サイドブロック121がダム堤体1から分離されたら、背面側端部に油圧ジャッキを配設し、この油圧ジャッキによりサイドブロック121を押し出して第二分割坑12を形成する。
サイドブロック121は、図7(b)に示すように、第二分割坑から数m(本実施形態では1.5m)押し出した状態で、小割りして搬出する。
サイドブロック121の小割方法は限定されるものではないが、本実施形態では、サイドブロック121にバースター孔34,34を形成し、このバースター孔34,34内に設置されたバースター50(図5(a)参照)により小割する。
なお、サイドブロック121の排出方法は限定されるものではない。
第三分割坑13の形成方法は、第二分割坑12の形成方法と同様なため、詳細な説明は省略する。
第一分割坑11、第二分割坑12および第三分割坑13(以下、単に「上段の分割坑11,12,13」という)の形成が終了したら、先進坑である上段の分割坑11,12,13の周辺領域から周辺ブロックを切り出すことで、第四分割坑14、第五分割坑15および第六分割坑16(以下、単に「中段の分割坑14,15,16」という場合がある)(図2(a)参照)を形成する。
第四分割坑14の形成は、先進坑としての上段の分割坑11,12,13を作業坑として、上段の分割坑11,12,13の周辺領域から周辺ブロックを切り出すことにより行う。
第四分割坑14を形成するためには、まず、ボーリングにより第四分割坑14の底面の両端の角部にワイヤーソー設置孔32を形成する。
次に、上段の分割坑11,12,13の中から、周辺ブロックの背面側端面となる位置で鉛直方向に連続縁切りボーリングを行い、周辺ブロックの背面側端面を複数のボーリング孔31により縁切りする。
連続縁切りボーリングを行ったら、ワイヤーソー設置孔32,32を利用してワイヤーソー40を用いた引き切りを行うことで、周辺ブロックの底面および側面を縁切りする(図7(a)参照)。
周辺ブロックの底面、側面および背面側端面の縁切りが終了し、周辺ブロックがダム堤体1から分離されたら、背面側端部に油圧ジャッキを配設し、この油圧ジャッキにより周辺ブロックを押し出して第四分割坑14を形成する。
第五分割坑15および第六分割坑16の形成は、上段の分割坑11,12,13に第四分割坑14を含めた先進坑を作業坑として利用する。
中段の分割坑14,15,16の形成が終了したら、上段の分割坑11,12,13および中段の分割坑14,15,16からなる先進坑の周辺領域から周辺ブロックを切り出すことで、第七分割坑17、第八分割坑18および第九分割坑19(以下、単に「下段の分割坑17,18,19」という)(図2(a)参照)を形成する。
下段の分割坑17,18,19の形成方法は、中段分割坑14,15,16の形成方法と同様なため、詳細な説明は省略する。
拡幅部20は、図8(a)に示すように、まず、各分割坑からダム堤体1の上流側に向けてワイヤーソー設置孔32を形成し、ワイヤーソー設置孔32を通したワイヤーソー40をダム堤体1の背面(上流側面)に沿わせた上で引き切りにより拡幅部ブロック21の周面を縁切りする。
そして、縁切りされた拡幅部ブロック21を、ダム堤体1の上流側から排出することにより、拡幅部20を形成する。
本実施形態のコンクリート構造物の開口方法によれば、任意形状に形成されたブロック(中央ブロック111、サイドブロック121等)を切り出すことで、開口部10を形成するため、ダム堤体1の規模に関わらず簡易に所定形状の開口部10を形成することができる。
中央ブロック111や周辺ブロック(サイドブロック121等)の切り出しは、ワイヤーソー40を利用することで、低振動かつ高精度に行うことができ、高品質施工が可能である。また、供用中のダム堤体1へ悪影響を及ぼすこともない。
また、第一分割坑11を作業坑として利用することで、周辺ブロックの形状(長さ)の自由度が向上し、周辺ブロックを中央ブロック111よりも大きな形状で切り出すことができる。周辺ブロックを大きな形状で切り出すことで、施工サイクルの回数を削減し、施工期間の短縮および施工費の低減化が可能となる。
中央ブロック111は、連続縁切りボーリングにより上面にクリアランスが大きめに確保されているため、中央ブロック111の排出作業を簡易に行うことができる。
バースター50を利用することで、中央ブロック111の背面側の切断(縁切り)作業を容易に行うことができる。
また、サイドブロック121等の周辺ブロックは、先進坑を利用して連続縁切りボーリングにより背面側端面の縁切りを行うことで、バースター孔の形成や、ワイヤーソーを利用した押し切りに要する手間を省略することができる。そのため、高精度かつ低振動に周辺ブロックを排出することができ、なおかつ施工性に優れている。
さらに、中央ブロックや周辺ブロックの排出は、鉄球上を転がすことで容易に行うことができる。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、ダム堤体に開口部を形成する場合について説明したが、本発明のコンクリート構造物の開口方法が適用可能なコンクリート構造物はダムに限定されるものではなく、あらゆるコンクリート構造物に適用可能である。
中央ブロックの上面を連続縁切りボーリングにより縁切りするものとしたが、ワイヤーソーを用いた押し切りにより中央ブロックの上面の縁切りを行ってもよい。
バースター孔を形成するものとしたが、ワイヤーソー設置孔にバースターヘッドを挿入して押圧力を作用させてもよい。
1 ダム堤体(コンクリート構造物)
10 開口部
20 拡幅部
30 ボーリング
31 連続縁切りボーリング
32,33 ワイヤーソー設置孔
34 バースター孔
40 ワイヤーソー
50 バースター
111 中央ブロック(先進ブロック)
112,113 分割ブロック
121,131 サイドブロック(周辺ブロック)

Claims (5)

  1. 既設のコンクリート構造物に開口部を形成するコンクリート構造物の開口方法であって、
    前記コンクリート構造物の表面からワイヤーソーを用いた押し切りを行うことにより先進ブロックの周面の少なくとも一部を縁切りする第一工程と、
    前記先進ブロックを排出して先進坑を形成する第二工程と、
    前記先進坑を作業坑として当該先進坑の周辺領域から周辺ブロックを切り出す第三工程と、を備えており、
    記第一工程では、前記先進ブロックの角部に対応してワイヤーソー設置孔を形成するとともに、前記先進ブロックの上面に沿ってボーリングを複数回行うことにより当該先進ブロックの上面を縁切りした後、
    前記ワイヤーソー設置孔を利用して前記コンクリート構造物の前面から前記ワイヤーソーを用いた押し切りを行うことで、前記先進ブロックの左右の側面および底面を縁切りすことを特徴とする、コンクリート構造物の開口方法。
  2. 前記先進ブロックの一方の側面に沿ってバースター孔を形成するとともに、前記先進ブロックの中心部を押し切ることで当該先進ブロックを左右二つの分割ブロックに分割し、
    前記バースター孔内に設置したバースターで一方の前記分割ブロックを他方の前記分割ブロック側に押圧することで当該一方の分割ブロックの背面側端部を前記コンクリート構造物から分離することを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の開口方法。
  3. 前記第三工程では、前記先進坑を利用して前記周辺ブロックの背面側端面に沿ってボーリングを複数回行うことで当該周辺ブロックの背面側端面を縁切りするとともに、既設コンクリート構造物の表面側からワイヤーソーを用いた引き切りを行うことにより前記周辺ブロックの周面を縁切りした後、当該周辺ブロックを排出することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のコンクリート構造物の開口方法。
  4. 前記先進ブロックまたは前記周辺ブロックを排出する前に、縁切りされた前記先進ブロックまたは前記周辺ブロックの底面に対して鉄球を配設することを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のコンクリート構造物の開口方法。
  5. 既設のコンクリート構造物に開口部を形成するコンクリート構造物の開口方法であって、
    前記コンクリート構造物の表面からワイヤーソーを用いた押し切りを行うことにより先進ブロックの周面の少なくとも一部を縁切りする第一工程と、
    前記先進ブロックを排出して先進坑を形成する第二工程と、
    前記先進坑を作業坑として当該先進坑の周辺領域から周辺ブロックを切り出す第三工程と、を備えており、
    記先進ブロックまたは前記周辺ブロックを排出する前に、縁切りされた前記先進ブロックまたは前記周辺ブロックの底面に対して鉄球を配設すことを特徴とする、コンクリート構造物の開口方法。
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