JP5543176B2 - 再剥離性を有する多層両面粘着シート - Google Patents

再剥離性を有する多層両面粘着シート Download PDF

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Description

本発明は、2つの部材(被着体)を貼着させることができ、かつ貼着後に再び剥離することができる再剥離性を有する多層両面粘着シート、並びにこのような多層両面粘着シートを用いた積層体に関する。
携帯電話機、PHS機、PDA端末、ポータブル・ゲーム機、パソコン、自動車用ナビゲーター、デジタルカメラなどに用いられている平面型画像表示装置においては、画像表示ユニット表面の保護やタッチパネル機能を付与するなどの目的で、画像表示ユニットの光出射側に光透過性の保護部材が配設されることが多い。この際、光透過性保護部材と画像表示ユニットとの間に隙間、すなわち空気層が存在すると、画像表示ユニットからの出射光が空気層との界面にて界面反射を起こして使用者に届くまでの出射光のロスが大きくなるばかりか、外光も空気層界面にて界面反射を起こすため、光透過性部材の光線透過率が低下し、画像表示画像の視認性が低下する場合があった。加えて、光透過性部材を配しただけの構成では、画像表示装置に落下等衝撃が加わった場合、破損した光透過性部材が飛散する懸念もあった。
そこで、光透過性保護部材と画像表示ユニットとの空隙を粘着シートで埋めて、空気層との界面反射を低減して視認性を確保すると共に、破損時の飛散を防止する手法が開示されている。
このように光透過性保護部材と画像表示ユニットとを粘着シートで貼り合わせて一体化する場合、貼合作業時に気泡や異物などを巻き込むなどの作業ミスが生じることがあるため、このミスを修正するために再剥離する必要が生じたり、例えば画像表示装置を破棄する際に一部の部材を再利用するために再剥離する必要が生じたりするなど、この種の目的に用いられる粘着材には再剥離性(リワーク性)が求められることがある。
従来、再剥離性(リワーク性)を備えた粘着シートとして、例えば特許文献1において、透明タッチパネルの固定電極部材下面と液晶ディスプレイ上面とが透明再剥離シートを全面的に介して装着されている液晶ディスプレイ一体型透明タッチパネルが開示されており、前記透明再剥離シートとして、透明な高分子粘着剤をゲルシート状に成形してなるシートが開示されている。
また特許文献2には、透明基材の一方の面にタッチパネル側透明粘着剤層が形成され、他方の面に表示装置側透明粘着剤層が形成され、且つタッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離可能となるように構成されていることを特徴とする両面粘着シートが開示されている。具体的には、タッチパネル側透明粘着剤層の180°ピール粘着力を、表示装置側透明粘着剤層のそれよりも大きくすることで、タッチパネルとともに表示装置の表示面から再剥離可能となるような構成が開示されている。
さらに特許文献3には、タッチパネルと表示装置の表示面とのうち少なくとも何れか一方の面に対して再剥離可能となるように構成され、光学的に等方性を有していることを特徴とする両面粘着シートとして、表示装置側粘着剤層の表示装置の表示面に対する粘着力を、タッチパネル側粘着剤層のタッチパネルの貼着面に対する粘着力よりも小さくすることにより発揮される再剥離可能な構成が開示されている。
特開平10−260395号公報 特開2003−238915号公報 特開2004−231723号公報
再剥離性(リワーク性)を備えた従来の粘着材(例えば特許文献1〜3参照)の多くは、2つの部材間、例えばタッチパネルと表示装置との間を貼り合わせる場合に、タッチパネルと粘着材との貼着面、或いは、表示装置と粘着材との貼着面を再剥離可能とする構成のものがほとんどであった。
しかし、このような粘着材は、再剥離可能とするために被着体との粘着面の剥離力を低下させる必要があるため、剥がれや発泡等を発生する可能性が高くなるという問題を抱えていた。すなわち、再剥離性と、剥離や発泡の発生などに関する信頼性はトレードオフの関係にあり、両者を両立させることは極めて難しいことであった。
本発明の課題は、2つの部材(被着体)を貼着させることができる粘着材において、再剥離性と、剥離や発泡の発生などの粘着面における信頼性とを両立することができる、新たな両面粘着シートを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、両面粘着シートの内部において、すなわち被着体との粘着界面とは異なる界面又は層において剥離可能とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、表面側粘着剤層及び裏面側粘着剤層のほかに少なくとも1層の中間層を有する多層両面粘着シートであって、少なくとも1層の中間層は、化学的又は物理的に変形させることが可能であって、該変形によって該中間層と他の層とが剥離可能となる変形剥離層である構成を備えた多層両面粘着シートを提案するものである。
本発明の多層両面粘着シートは、変形剥離層を多層構造内部に備えており、この変形剥離層は、化学的又は物理的に変形させることによって他の層と剥離可能となる。すなわち、被着体貼着後に化学的又は物理的にこの変形剥離層を変形させることによって、多層構造内部、すなわち被着体との粘着界面とは異なる界面又は層において剥離することができるから、粘着剤層の剥離力を低下させる必要がなく、剥離や発泡のきっかけとなる欠陥を少なくしつつ再剥離することができる。
この変形剥離層は、他の層の周縁部から外側にはみ出した部分を備えているのが好ましい。このように、変形剥離層が他の層の周縁部から外側にはみ出した部分を備えていれば、このはみ出した部分を起点として化学的又は物理的に変形させることができる。例えば、このはみ出した部分を引っ張ることで、より一層容易に物理的に変形させることができる。
第1の実施形態に係る粘着シートの一例を用いて再剥離する方法を説明するための斜視図である。 第1〜第4の実施形態に係る粘着シートの積層構成例を説明するための断面図である。 第2の実施形態に係る粘着シートの一例を用いて再剥離する方法を説明するための断面図である。 第3の実施形態に係る粘着シートの一例を用いて再剥離する方法を説明するための断面図である。
次に、本発明の実施形態の例について説明するが、本発明の範囲がここで説明する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る多層両面粘着シート(以下「本粘着シート」と称する)は、表面側粘着剤層及び裏面側粘着剤層のほかに少なくとも1層の中間層を有する多層両面粘着シートであって、少なくとも1層の中間層は、化学的又は物理的に変形させることが可能であって、該変形によって該中間層と他の層とが剥離可能となる変形剥離層である構成を備えた多層両面粘着シートである。
本粘着シートは、表面側粘着剤層及び裏面側粘着剤層と中間層との間に他の層が介在してもよい。
変形剥離層の形成手段としては、次の例を挙げることができる。但し、化学的又は物理的に変形させることが可能であって、該変形によって該中間層と他の層とが剥離可能とすることができれば、このような手段(実施形態)に限定されるものではない。
(1)少なくとも一方向に物理的に引き裂いて分断可能な層として形成することができる(第1の実施形態)。
(2)ゴム弾性を備え、変形剥離層の面積方向の何れかの方向に物理的に伸縮可能である層として形成することができる(第2の実施形態)。
(3)熱によって変形剥離層の面積方向の何れかの方向に化学的に伸縮可能である層として形成することができる(第3の実施形態)。
(4)変形剥離層のみが、溶剤(水を含む)により溶解して化学的に変形させることができる性質を備えた層として形成することができる(第4の実施形態)。
以下、それぞれの実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る本粘着シート1は、表面側粘着剤層1A及び裏面側粘着剤層1Bのほかに、少なくとも1層の変形剥離層1Cを有する多層両面粘着シートであって、図1に示すように、該変形剥離層1Cは、その面積方向における一方向、例えばその長さ方向又は幅方向に、物理的に引き裂いて分断可能な層であることを特徴とするものである。
また、表面側粘着剤層1Aの表側面及び裏面側粘着剤層1Bの裏側面にはそれぞれ剥離シート1D、1Eを積層するのが好ましい。
さらにまた、上記以外の層を介在させることは適宜可能である。
変形剥離層1Cが、少なくとも変形剥離層の面積方向の一方向に物理的に引き裂き可能な性質(「手切れ性」とも称する)を備えており、このように引き裂くことによって面積方向に多数に分断することができれば、例えば図1に示すように、横から順次引き裂いて変形剥離層1Cを分断することによって変形剥離層1Cの面積を縮小或いは消失させることができ、これによって表面側粘着剤層1A側と裏面側粘着剤層1B側とを分断して剥離させることができる。このように、変形剥離層1Cを引き裂くという物理的変形によって表面側粘着剤層1A側と裏面側粘着剤層1B側とを分断することができる。
(変形剥離層1C)
変形剥離層1Cは、例えばセロハンや、ポリエステルやポリスチレン系ブロック共重合体、ナイロン、ポリオレフィン等の樹脂を少なくとも1つの方向に配向、すなわち延伸させたシートを用いて形成することにより、少なくとも一方向に物理的に引き裂き可能に形成することができる。
また、ポリエステルやポリスチレン系ブロック共重合体、ナイロン、ポリオレフィン等の任意の樹脂から形成されたフィルムに、エンボス加工、シボ加工、罫線加工などによって凹凸を賦形することにより、一方向に引き裂き可能に形成することができる。
変形剥離層1Cを少なくとも一方向に引き裂く際の引裂強度は、5N以下であることが好ましく、0.05N〜2Nであるのがより好ましい。0.05N以上であれば、粘着シートの取回し時に、不用意に引裂きが生じてしまうことがないし、また、引裂強度が5N以下であれば、引き裂く際の作業性が劣ることもないから、一層好ましい。
なお、ここでいう引裂強度は、JISK6772に準じて測定した値、すなわち幅4
0mm×長150mmの試験片を準備し、短片の中央から長さ方向に75mmの切り込みを入れ、試験片の切り込みを入れた両側が裏表となるよう引張試験機にとりつけ、引張速度200mm/分にて引裂いた時の加重を意図するものである。
変形剥離層1Cは、表面側粘着剤層1A及び裏面側粘着剤層1Bの周縁部から外側にはみ出した部分を備えているのが好ましい。変形剥離層1Cのはみ出した部分から引き裂くことができ、変形剥離層1Cを引き裂いて分離させる作業を一層容易にすることができる。
(表面側粘着剤層1A・裏面側粘着剤層1B)
表面側粘着剤層1A及び裏面側粘着剤層1Bはいずれも、現在公知の粘着剤と同様に形成することができる。
粘着剤の組成は、任意に選択可能であり、粘着剤層の剥離強度、言い換えれば粘着力を調整するには、例えば粘着剤層を構成する主ポリマーのガラス転移温度や極性成分・凝集成分量を調整したり、架橋剤の添加量を調整したりする他、タッキファイヤー等を適宜添加する等して制御することができる。
粘着剤層を構成するベースポリマー(主剤)は、例えばアクリル系、シリコーン系、ゴム系、ポリウレタン系、ポリエステル系などのポリマーを粘着剤の主剤として挙げることができる。中でも、透明性や耐久性、コストの点で、アクリル系、特にアクリル酸エステル重合体(共重合体を含む)をベースポリマー(主剤)として用い、これを熱架橋剤やUV架橋剤等で架橋して粘着剤層を形成するのが好ましい。
アクリル酸エステル重合体を合成するために用いられるアクリルモノマーやメタクリルモノマーとしては、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、イソオクチルアクリート、n−ブチルアクリレート、イソデシルアクリレート、エチルアクリレート等が挙げられる。これら主モノマーに、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、イタコン酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、無水マレイン酸等の架橋性モノマーや、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、アクリルアミド、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、酢酸ビニル、スチレン、フッ素アクリレート、シリコーンアクリレートなどの高凝集モノマーや官能基含有モノマーを挙げることができる。
これらのモノマーを用いた重合処理としては、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の重合方法が採用可能であり、その際に重合方法に応じて熱重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤を用いることによりアクリル酸エステル共重合体を得ることができる。
中でも、高信頼性の粘着剤層を得る為には、上述したアクリル酸エステル共重合体における重量平均分子量が、加工性を損なわない範囲において高い方が好ましく、10万〜100万程度のものが好ましい。分子量が低すぎると流動性が高すぎて凝集力が不足し、被着体への保持力、接着力が損なわれる傾向にある。
また、アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度(理論Tg)は−70℃〜0℃、より好ましくは−55℃〜0℃の範囲にあることが好ましい。理論Tgが低すぎる材料はポリマー中の高凝集成分や高極性成分の含有量が少なく、結果被着体への保持力や接着力に劣る傾向にある。他方、理論Tgが高すぎると粘着力に劣り、常温における感圧接着性が損なわれるため好ましくない。
なお、粘着剤層に接着力や耐久性を付与するために、シランカップリング剤等の改質剤や、酸化防止剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤等の各種安定化剤、タッキファイヤー等を適宜加えて物性調整してもよい。
(剥離シート1D、1E)
剥離シート1D及び1Eには、支持シートの一面を剥離処理してなるシートを適宜用いることができる。
但し、剥離シート1D及び1Eで表面側粘着剤層1A及び裏面側粘着剤層1Bを挟むようにして積層した後、剥離シート1D及び1Eを通して光線を照射して表面側粘着剤層1A及び裏面側粘着剤層1Bを硬化させる場合には、これら剥離シート1D及び1Eの支持シートは、透明なポリマーシートを用いる必要がある。
透明なポリマーシートとしては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系の他、アクリル系、塩化ビニル系、ポリカーボネート系、ポリスチレン系、ポリウレタン系、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種ポリオレフィン系材料の他、TACフィルム等を主成分とするものを例示することができる。
剥離処理は、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、パラフィンワックス、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、尿素−メラミン系、セルロ−ス、ベンゾグアナミンなどの樹脂及び界面活性剤を単独またはこれらの混合物を主成分とした有機溶剤(水を含む)もしくは水に溶解させた塗料を、グラビア印刷法、スクリ−ン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法で、塗布、乾燥(熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂など硬化性塗膜には硬化)させて形成すればよい。特にシリコーンやフッ素化合物、アルキド樹脂系剥離処理剤等による剥離処理を施すのが好ましい。
剥離シート1D及び1Eの剥離強度は、例えば剥離処理に用いる樹脂、例えばシリコーン化合物の骨格及び添加量、架橋度などを調整したり、或いは添加剤又は樹脂組成等によって貼着する両側を構成する樹脂間の極性差や流動特性を制御したりして調整することができる。
剥離処理によって形成される剥離層の厚さは、特に制限するものではなく、例えば0.05μm〜2μm程度に形成するのが好ましい。0.05μm以上であれば離型性能が低下する虞がなく、また、塗膜厚みが2μm以下の場合には、厚くなりすぎて塗膜の硬化が不十分となるおそれがなく、粘着剤層への離型剤成分の移行が起こり難く離型性能が経時的に変化するおそれがないため好ましい。
なお、剥離シート1D、1Eの剥がし易さなどの作業性の点から、剥離シート1Dと1Eの剥離強度を異ならせしめるのが好ましい。例えば、剥離シート1Dと表面側粘着剤層1Aとの剥離強度を、剥離シート1Eと裏面側粘着剤層1Bとの剥離強度よりも強くする場合には、先ず剥離シート1Eを剥がして裏面側粘着剤層1Bの粘着面を被着体Xに粘着し、次に、剥離シート1Dを剥がして裏面側粘着剤層1Aの粘着面を被着体Yに粘着して、被着体XとYとを粘着するようにすれば、より一層容易に粘着することができる。
(積層方法)
剥離シート1Dの剥離処理面に、粘着剤組成物を塗布して乾燥し表面側粘着剤層1Aを形成し、これに別の剥離シート1Dの剥離処理面重ねて積層し、その後、必要に応じて表面側粘着剤層1Aを硬化させればよい。
他方、剥離シート1Eの剥離処理面に、粘着剤組成物を塗布して乾燥し表面側粘着剤層1Bを形成し、これに別の剥離シート1Eの剥離処理面重ねて積層し、その後、必要に応じて表面側粘着剤層1Bを硬化させればよい。
次に、一方の剥離シート1Dを剥がした表面側粘着剤層1Aの粘着面と、一方の剥離シート1Eを剥がした裏面側粘着剤層1Bの粘着面とで挟むようにして、変形剥離層1Cを構成するシートを貼り合わせることにより、図2に示すように、1D/1A/1C/1B/1Eからなる本粘着シート1を形成することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る本粘着シート2は、表面側粘着剤層2A及び裏面側粘着剤層2Bのほかに、少なくとも1層の変形剥離層2Cを有する多層両面粘着シートであって、該変形剥離層2Cは、ゴム弾性を備え、変形剥離層2Cの面積方向の何れかの方向に物理的に伸縮可能である層であることを特徴とするものである。
また、表面側粘着剤層2Aの表側面及び裏面側粘着剤層2Bの裏側面にはそれぞれ剥離シート2D、2Eを積層するのが好ましい。
さらにまた、上記以外の層を介在させることは適宜可能である。
変形剥離層2Cが、ゴム弾性を備えており、変形剥離層2Cの面積方向の何れかの方向に物理的に伸縮可能であれば、図3に示すように、例えば変形剥離層2Cを面積方向の何れかの方向に引っ張ることにより、該変形剥離層2Cが伸長する際に係る変形応力が、変形剥離層2Cと他の層、例えば表面側粘着剤層2A及び裏面側粘着剤層2Bとの界面との接着力より大きくなり、その結果、変形剥離層2Cが変形した箇所より徐々に他の層、例えば表面側粘着剤層2A及び裏面側粘着剤層2Bから分離し、最終的に界面が剥離して表面側粘着剤層2A側と裏面側粘着剤層2B側とを分断することができる。
このように、変形剥離層2Cを物理的に伸縮させるという物理的変形を与えることによって、表面側粘着剤層2A側と裏面側粘着剤層2B側とを分断することができる。
(変形剥離層2C)
変形剥離層2Cは、例えばシリコーンエラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーなどのゴム弾性を発揮し得る樹脂を用いて形成することで当初のサイズを超えて伸びるゴム弾性を備えるものとすることができる。
変形剥離層2Cは、表面側粘着剤層2A及び裏面側粘着剤層2Bの周縁部から外側にはみ出した部分を備えているのが好ましい。変形剥離層2Cのはみ出した部分を掴んで引っ張ることができ、変形剥離層2Cを引っ張って剥離させる作業を容易にすることができる。
(表面側粘着剤層2A・裏面側粘着剤層2B)
表面側粘着剤層2A及び裏面側粘着剤層2Bはいずれも、上記表面側粘着剤層1A及び裏面側粘着剤層1Bと同様に形成すればよい。
(剥離シート2D・2E)
剥離シート2D及び2Eはいずれも、上記剥離シート1D及び1Eと同様に形成すればよい。
(積層方法)
本粘着シート2は、本粘着シート1と同様に各層を積層して製造することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る本粘着シート3は、表面側粘着剤層3A及び裏面側粘着剤層3Bのほかに、少なくとも1層の変形剥離層3Cを有する多層両面粘着シートであって、該変形剥離層3Cは、熱によって変形剥離層3Cの面積方向の何れかの方向に化学的に伸縮可能である層であることを特徴とするものである。
また、表面側粘着剤層3Aの表側面及び裏面側粘着剤層3Bの裏側面にはそれぞれ剥離シート3D、3Eを積層するのが好ましい。
さらにまた、上記以外の層を介在させることは適宜可能である。
変形剥離層3Cが、熱によって変形剥離層3Cの面積方向の何れかの方向に化学的に、すなわち化学反応によって伸縮可能であれば、変形剥離層3Cを加熱することにより、例えば図4に示すように、変形剥離層3Cをその面積方向の何れかの方向に収縮させることができるから、該変形剥離層3Cが収縮する際に係る変形応力が、変形剥離層3Cと他の層、例えば表面側粘着剤層3A及び裏面側粘着剤層3Bとの界面との接着力より大きくなり、その結果、変形剥離層3Cが変形した箇所より徐々に他の層、例えば表面側粘着剤層3A及び裏面側粘着剤層3Bから分離し、最終的に界面が剥離して表面側粘着剤層3A側と裏面側粘着剤層3B側とを分断することができる。
このように、熱によって変形剥離層3Cを化学的に伸縮させるという化学的変形を与えることによって、表面側粘着剤層3A側と裏面側粘着剤層3B側とを分断することができる。
(変形剥離層3C)
変形剥離層3Cは、現在公知の熱収縮フィルムを使用することができる。例えば、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系樹脂からなる熱収縮性フィルムなどを用いて形成することができる。
より具体的には、ポリスチレン系ブロック共重合体(例えば スチレン55重量%、メチルメタクリレート35重量%、ブチルアクリレート10重量%からなるポリスチレン系ブロック共重合体)を110℃にてTD方向に4.0倍延伸して得られた熱収縮性ポリスチレンフィルムを用いることができる。
なお、熱収縮フィルムの詳細については、例えば特開2005−171182号公報の段落[0009]−[0029]等参照のこと。
(表面側粘着剤層3A・裏面側粘着剤層3B)
表面側粘着剤層3A及び裏面側粘着剤層3Bはいずれも、上記表面側粘着剤層1A及び裏面側粘着剤層1Bと同様に形成すればよい。
(剥離シート3D・3E)
剥離シート3D及び3Eはいずれも、上記剥離シート1D及び1Eと同様に形成すればよい。
(積層方法)
本粘着シート3は、本粘着シート1と同様に各層を積層して製造することができる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る本粘着シート4は、表面側粘着剤層4A及び裏面側粘着剤層4Bのほかに、少なくとも1層の変形剥離層4Cを有する多層両面粘着シートであって、該変形剥離層4Cは、溶剤(水を含む)により溶解して化学的に変形させることができる性質を備えた層であることを特徴とするものである。
また、表面側粘着剤層4Aの表側面及び裏面側粘着剤層4Bの裏側面にはそれぞれ剥離シート4D、4Eを積層するのが好ましい。
さらにまた、上記以外の層を介在させることは適宜可能である。
変形剥離層4Cのみが、溶剤(水を含む)により溶解して化学的に変形、すなわち化学反応によって変形させることができれば、例えば本粘着シートを溶剤(水を含む)に浸漬したり、塗布したりして、溶剤(水を含む)と接触させることにより、変形剥離層4Cを溶解することができれば、表面側粘着剤層4A側と裏面側粘着剤層4B側とを分断することができる。
このように、溶剤(水を含む)による化学反応という化学的変形によって表面側粘着剤層4A側と裏面側粘着剤層4B側とを分断することができる。
(変形剥離層4C)
変形剥離層4Cを水溶解性とするには、各種親水性化合物、例えばヒドロキシエチルセルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸・ヒアルロン酸・ポリグルタミン酸等の塩、キトサン、ポリリジン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリジオキソラン、ポリエチレンイミン等やポリアルキレンオキシドの変性体などを配合した樹脂組成物をベースとして水溶解性のシートを形成し、このシートを用いて形成すればよい。
より具体的には、ウレタンアクリレート、ポリオキシエチレン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、光開始剤を混合して得られる紫外線硬化樹脂組成物を、アプリケータにて硬化後の厚みが50μmとなるよう塗工してUV照射すれば、水溶解性のシートを作製することができる。
また、有機溶剤に溶解する材料の例としては、例えばアクリル系モノマーを共重合してなる粘着樹脂(ブチルアクリレート75重量部/メチルメタクリレート20重量部/アクリル酸3重量部)を、金属キレート剤(例えば亜鉛アセチルアセトナート)にてイオン架橋させて得たシートを挙げることができる。これは、化学結合による架橋構造が無いため高極性の有機溶剤(水を含む)(例えばテトラヒドロフラン)等に含浸させる事により架橋構造が解離して該樹脂層が徐々に溶解する。
変形剥離層4Cは、表面側粘着剤層4A及び裏面側粘着剤層4Bの周縁部から外側にはみ出した部分を備えているのが好ましい。変形剥離層4Cのはみ出した部分から徐々に溶解させることができる。
(表面側粘着剤層4A・裏面側粘着剤層4B)
表面側粘着剤層4A及び裏面側粘着剤層4Bはいずれも、上記表面側粘着剤層1A及び裏面側粘着剤層1Bと同様に形成すればよい。
(剥離シート4D・4E)
剥離シート4D及び4Eはいずれも、上記剥離シート1D及び1Eと同様に形成すればよい。
(積層方法)
本粘着シート4は、本粘着シート1と同様に各層を積層して製造することができる。
<積層体>
本粘着シート1〜4の何れかを用いて2つの部材間を接着することにより、当該2つの部材と本粘着シート1〜4の何れかとからなる積層体を形成することができる。
例えば、液晶表示装置、プラズマ表示装置、合わせガラス、太陽電池パネル等においては、合成樹脂板同士、ガラス同士、合成樹脂板とガラスとを本粘着シート1〜4の何れかを用いて接着することができる。
そしていずれの場合にも、接着後に剥離したい場合には、変形剥離層1C〜4Cのいずれかを変形させることにより剥離させることができる。
<画像表示装置>
また、本粘着シート1〜4の何れかを用いて、画像表示装置を構成する2つの部材間を接着することにより、画像表示装置を構成することができる。
例えば、透明カバー材、タッチパネル材、画像表示装置のいずれか2つの光学部材間を、本粘着シート1〜4の何れかを用いて接着し、これらを密着一体化することにより画像表示装置を構成することができる。
このように構成した画像表示装置は、変形剥離層1C〜4Cのいずれかを変形させることにより剥離させることができるため、光学部材と粘着材との界面ではなく、両面粘着シート内部から剥離することができるから、透明カバー材、タッチパネル材、画像表示装置のそれぞれが再利用可能となる。
また、たとえ透明カバー材や画像表示装置を貼り合せた後に、貼着ミスや長期の使用による修理・交換などをすることができる。
1、2、3、4 多層両面粘着シート
1A、2A、3A、4A 表面側粘着剤層
1B、2B、3B、4B 裏面側粘着剤層
1C、2C、3C、4C 変形剥離層
1D、2D、3D、4D 剥離シート
1E、2E、3E、4E 剥離シート
X,Y 被着体

Claims (4)

  1. 表面側粘着剤層及び裏面側粘着剤層のほかに少なくとも1層の中間層を有する多層両面粘着シートであって、少なくとも1層の中間層は、少なくとも一方向に物理的に引き裂いて分断可能であって、該分断によって該中間層と他の層とが剥離可能となる変形剥離層である構成を備えた多層両面粘着シート。
  2. 前記変形剥離層は、他の層の周縁部から外側にはみ出した部分を備えていることを特徴とする請求項1記載の多層両面粘着シート。
  3. 請求項1又は2に記載の多層両面粘着シートを、2つの部材間の貼着に用いてなる積層体。
  4. 請求項1〜の何れかに記載の多層両面粘着シートを、画像表示装置における部材間の貼着に用いてなる画像表示装置。
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