JP5542856B2 - 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気抵抗効果素子及び磁気メモリに関する。
TMR(Tunnel Magneto Resistive)素子を利用した磁気メモリを実現するために、様々な技術が提案されている。
その1つとして、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子の磁化配列状態に対応するように“1”又は“0”データを、MTJ素子に記録し、TMR効果による素子の抵抗値の違いに基づいて、データを読み出す方式がある。
磁気メモリのデータの書き込み、すなわち、MTJ素子の磁性膜の磁化を反転させる方式として、素子の微細化と低電流化の観点から、スピン偏極電流をMTJ素子に流すことによって引き起こされる磁化反転方式(以下、スピン注入磁化反転方式とよぶ)が、注目されている。
スピン注入磁化反転方式の磁気メモリ(例えば、MRAM)は、低消費電力、高速動作、及び、大容量化が可能なメモリとして、開発が推進されている。
特開2003−142753号公報 国際公開第2009/098796号パンフレット
磁気抵抗効果素子の誤動作を抑制する技術を提案する。
本実施形態の磁気メモリは、磁気抵抗効果素子を含むメモリセルと、前記メモリセルに対するデータの書き込み時、前記磁気抵抗効果素子に、書き込み電流を流す書き込み回路と、前記メモリセルに対するデータの読み出し時、前記磁気抵抗効果素子に、前記書き込み電流より小さい読み出し電流を流す読み出し回路と、を備え、前記磁気抵抗効果素子は、膜面に対して垂直方向の磁化を有し、磁化の向きが可変な第1の磁性膜と、膜面に対して垂直方向の磁化を有し、磁化の向きが不変な第2の磁性膜と、前記第1及び第2の磁性膜間の第1の非磁性膜と、前記第1の磁性膜における前記第1の非磁性膜側とは反対側に設けられ、膜面に対して平行方向の磁化を有し、前記第1の磁性膜の膜面に対して平行方向の磁場を前記第1の磁性膜に印加する第3の磁性膜を含む磁場印加層と、前記第1の磁性膜と前記磁場印加層との間に設けられる中間層と、を含み、前記書き込み電流及び前記読み出し電流は、前記第1及び第2の磁性膜間をそれぞれ流れ、前記読み出し電流が前記磁場印加層内に供給された場合における前記第3の磁性膜の磁化の大きさは、前記書き込み電流が前記磁場印加層内に供給された場合における前記第3の磁性膜の磁化の大きさより大きく、前記書き込み電流が前記磁場印加層内に供給された場合における前記第3の磁性膜の磁化の大きさは、ゼロである。
第1の実施形態の磁気抵抗効果素子を説明するための図。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子を説明するための図。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子を説明するための図。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成例1を説明するための図。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成例1を説明するための図。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成例1を説明するための図。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成例2を示す図。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子を説明するための図。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子を説明するための図。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子を説明するための図。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子を説明するための図。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例を示す図。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例を示す図。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例を示す図。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例を示す図。
[実施形態]
以下、図面を参照しながら、本実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要に応じて行う。
(1) 第1の実施形態
図1乃至図7を参照して、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子について、説明する。
(a) 基本例
図1乃至図3を参照して、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の基本例について、説明する。
図1は、本実施形態の磁気抵抗効果素子1の構造及び動作メカニズムを説明するための模式的な断面図である。
図1に示されるように、本実施形態の磁気抵抗効果素子1は、素子1の2つの電極19A,19B間に、2つの磁性膜10,11を含んでいる。
2つの磁性膜10,11は、磁性膜10,11の膜面に対して垂直方向に、磁気異方性を有する。2つの磁性膜10,11の磁化は、膜面に対して垂直方向を向いている。磁化が膜面に対して垂直方向を向く磁性膜(磁性体、磁性層)のことを、垂直磁化膜ともよぶ。
2つの磁性膜10,11のうち、一方の磁性膜10の磁化の向きは、可変であり、他方の磁性膜11の磁化の向きは、不変(固定状態)である。以下では、磁化の向きが可変な磁性膜10のことを、記憶層10(記録層、自由層、磁化可変層ともよばれる)とよび、磁化の向きが不変な(固定状態)の磁性膜11のことを、参照層11(磁化不変層ともよばれる)とよぶ。
記憶層10及び参照層11の磁化は、記憶層10及び参照層11内の複数のスピンの集合によって、形成されている。
記憶層10は、磁化の向きが反転可能である。参照層11は、記憶層10よりも大きい磁化反転しきい値を有し、参照層11の磁化の向きは実質的に固定状態である。スピン注入磁化反転方式を用いたデータ書き込みを考慮した場合、記憶層10は、ダンピング定数が小さい材料を用いて形成されることが好ましい。
2つの磁性膜(記憶層及び参照層)10,11間に、非磁性膜12が設けられている。2つの磁性膜10,11と2つの磁性膜10,11間の非磁性膜12とによって、磁気トンネル接合が形成される。記憶層10、非磁性膜11、及び、参照層11は、基板(図示せず)上に積層されている。磁気トンネル接合を形成している積層構造は、積層方向において、2つ電極19A,19B間に挟まれている。
磁気抵抗効果素子1が設けられる基板側の電極(以下では、下部電極とよぶ)19Aと記憶層10との間に、下地層(以下では、中間層ともよぶ)16が設けられている。下地層16は、記憶層10に対して、記憶層10における非磁性膜12が設けられた側と反対側に設けられている。下地層16は、記憶層10に接する。下地層16は、記憶層10と下地層16との間で生じるスピンポンピングを低減し、記憶層10のダンピング定数を低下させる。下地層16が設けられることによって、記憶層10のダンピング定数が低減し、記憶層10の磁化反転のための電流の低減に、寄与する。
磁気抵抗効果素子1が設けられる基板側とは反対側において、参照層11上に、電極(以下では、上部電極とよぶ)19Bが設けられている。参照層11は、非磁性膜12と上部電極19Bとの間に設けられている。
図1の(a)及び(b)に示されるように、本実施形態において、下地層16と下部電極19Aとの間に、記憶層10及び参照層11とは異なる磁性膜15が設けられている。磁性膜15は、膜面に対して平行方向に磁気異方性を有している。磁性膜15の磁化M1,M2は、膜面に対して平行方向を向いている。以下では、磁化が膜面に対して平行方向を向く磁性膜のことを、面内磁化膜ともよぶ。例えば、面内磁化膜の磁性膜15の磁化の向きは、不変(固定状態)である。
本実施形態のMTJ素子1は、例えば、スピン注入磁化反転方式(Spin Torque Transfer、以下では、STTと表記する)によって、記憶層10と参照層11との相対的な磁化の向きが反転される。
図1の(b)を用いて、STTによって本実施形態のMTJ素子1の記憶層10の磁化を反転させる場合の動作について説明する。
MTJ素子1の記憶層10の磁化の向きは、MTJ素子1に流された電流IWRに起因するスピントルクによって、変化される。すなわち、記憶層10の磁化の向きは、書き込み電流IWRが含むスピン偏極した電子が、記憶層10の磁化(スピン)に作用することによって、変化する。
ここで、「参照層の磁化の向きが固定状態である」又は「参照層の磁化の向きが不変である」とは、記憶層10の磁化の向きを反転させるための磁化反転しきい値以上の電流(以下では、書き込み電流とよぶ)が、参照層11に流れた場合に、参照層11の磁化の向きが変化しないことを意味する。
したがって、MTJ素子1において、磁化反転しきい値の大きな磁性膜が参照層11として用いられ、参照層11よりも磁化反転しきい値の小さい磁性膜が記憶層10として用いられる。これによって、磁化の向きが可変な記憶層10と磁化の向きが固定された参照層11とを含むMTJ素子1が、形成される。
また、書き込み電流IWRは、記憶層10の磁化反転しきい値以上の電流値を有し、且つ、参照層11の磁化反転しきい値より小さい電流値を有している。
記憶層10の磁化の向きが参照層11の磁化の向きと平行(P:Parallel)状態にされる場合、つまり、記憶層10の磁化の向きが参照層11の磁化の向きと同じにされる場合、記憶層10から参照層11に向かって流れる電流IWRが、MTJ素子1に供給される。
この場合において、電子は、非磁性膜12を経由して、参照層11から記憶層10に向かって移動する。参照層11及び非磁性膜12を通過して記憶層10に移動した電子のうち、マジョリティーな電子(スピン偏極した電子)は、参照層11の磁化(スピン)の向きと同じ向きを有している。このスピン偏極した電子のスピン角運動量(スピントルク)が、記憶層10の磁化(スピン)に印加され、記憶層10の磁化は、参照層11の磁化の向きと同じ向きに反転する。MTJ素子1の磁化配列が平行配列(平行状態)であるとき、MTJ素子1の抵抗値は最も小さくなる。
記憶層10の磁化の向きが参照層11の磁化の向きと反平行(AP:Antiparallel)状態にされる場合、つまり、記憶層10の磁化の向きが参照層11の磁化の向きに対して反対にされる場合、参照層11から記憶層10に向かって流れる電流IWRが、MTJ素子1に供給される。
この場合、電子は、記憶層10から参照層11に向かって移動する。参照層11の磁化の向きと反平行のスピンをもつ電子は、参照層11によって反射される。反射された電子は、スピン偏極した電子として、記憶層10に注入される。このスピン偏極した電子(反射された電子)のスピントルクが、記憶層10の磁化に印加され、記憶層10の磁化は、参照層11の磁化の向きと反対の向きに反転する。MTJ素子1の磁化配列が、反平行配列(反平行状態)であるとき、MTJ素子1の抵抗値は最も大きくなる。
MTJ素子1が、磁気メモリに用いられた場合、例えば、抵抗値が小さい状態(磁化配列が平行状態)のMTJ素子1は、“0”データ保持状態(第1安定状態)に対応づけられ、抵抗値が高い状態(磁化配列が反平行状態)のMTJ素子1は、“1”データ保持状態(第2安定状態)に対応付けられる。
MTJ素子1が、磁気メモリのメモリ素子に用いられた場合、STTによって、メモリ素子としてのMTJ素子1にデータが書き込まれる。
図1の(a)を用いて、本実施形態のMTJ素子1の抵抗状態を判別する場合の動作について説明する。
本実施形態のMTJ素子1の抵抗状態を判別する場合において、MTJ素子1内に電流IRDを流すことによって、MTJ素子1が“0”データ保持状態(磁化平行状態、低抵抗状態)であるか、“1”データ保持状態(磁化反平行状態、高抵抗状態)であるかが判定される。MTJ素子1を流れる抵抗状態を判別するための電流(以下では、読み出し電流又は抵抗判定電流とよぶ)IRDに基づく信号(読み出し出力、読み出し信号)の大きさは、MTJ素子1の抵抗値に応じて、変動する。読み出し電流IRDの電流値は、読み出し電流IRDによって記憶層10の磁化が反転しないように、書き込み電流IWRの電流値(反転しきい値)より小さい値に設定される。
このように、MTJ素子1が、磁気メモリのメモリ素子に用いられた場合、MTJ素子1に電流を流すことによって、メモリ素子としてのMTJ素子に記憶されたデータが、読み出される。
図1に示されるように、本実施形態のMTJ素子1は、MTJ素子の抵抗状態の判別時に、記憶層10に磁場を印加する磁場印加層15を含む。
磁場印加層15は、下地層16と下部電極19Aとの間に設けられている。磁場印加層15は、下地層16を挟んで、記憶層10に隣り合う。磁場印加層15は、下地層16を介して、記憶層10と電気的に導通している。
MTJ素子1の抵抗状態を判別する場合、磁場印加層15が記憶層10の磁化(スピン)の反転を抑制する磁場を記憶層10に印加するように、磁場印加層15が、形成されている。MTJ素子1の磁化を反転させる場合において、磁場印加層15が記憶層10に磁場を印加しない、又は、抵抗状態の判別時に記憶層10に印加される磁場に比較して十分小さくなるように、磁場印加層15が、形成されている。
磁場印加層15に、記憶層10及び参照層11に供給される電流(読み出し電流又は書き込み電流)IRD,IWRと共通の電流が、供給される。
磁場印加層15は、それに供給される電流又は電流によって生じるエネルギー(例えば、熱)に起因して磁化の大きさが変化する材料、より具体的には、供給される電流が大きくなると、磁性膜の磁化が小さくなる材料を用いて、形成される。
これによって、磁場印加層15内を流れる電流IRD,IWRによって、磁場印加層15の磁化の大きさが、変化する。MTJ素子1の抵抗状態の判別のための電流(読み出し電流)IRDの供給時における磁場印加層15の磁化M1は、MTJ素子1の記憶層10の磁化反転のための書き込み電流(書き込み電流)IWRの供給時における磁場印加層15の磁化M2より大きい。
本実施形態のMTJ素子1において、MTJ素子1の磁場印加層15は、磁場印加層15の膜面に対して平行方向を向く磁化を有する面内磁化膜を用いて形成されている。
小さい電流がMTJ素子1内の磁場印加層15に印加されている時、磁場印加層15は、面内磁化M1,M2に起因する磁場を発生する。磁場印加層15から発生する磁場は、記憶層10の近傍において、記憶層10の膜面に対して平行方向を向いている。記憶層10の垂直磁化に、磁場印加層15からの記憶層10の膜面に対して平行方向の磁場が、印加される。以下では、磁場印加層15から記憶層10に印加される記憶層10の膜面に対して平行方向の向きの磁場MF1のことを、面内磁場とよぶ。磁場印加層15のことを、面内磁場発生層15ともよぶ。
図2は、MTJ素子における磁場印加層(面内磁場発生層)からの磁場の有無と磁化反転電流との関係を示す図である。図2の横軸は、MTJ素子のサイズ(平面形状の最大寸法)(単位[nm])を示し、図2の縦軸は、MTJ素子の磁化反転電流(単位[μA])を示している。図2において、面内磁場を発生する磁場印加層15が設けられているMTJ素子の磁化反転電流(図2中の白丸)と磁場印加層が設けられていないMTJ素子の磁化反転電流(図2中の黒い四角)が示されている。
図2に示されるように、MTJ素子のすべての素子サイズにおいて、磁場印加層15からの磁場がMTJ素子1に印加されている場合におけるMTJ素子の磁化反転電流は、磁場印加層を含まないMTJ素子1(磁場印加層がMTJ素子に磁場を印加していない場合)におけるMTJ素子の磁化反転電流より大きい。
図2に示される結果は、磁場印加層15を含むMTJ素子1において、磁場印加層15からの面内磁場が記憶層10の垂直磁化に印加される場合、磁場印加層15からの面内磁場が記憶層10に印加されていない場合に比較して、MTJ素子1の記憶層10の磁化反転が生じにくくなることを、示している。また、磁場印加層15からの磁場が記憶層10に印加されていない場合には、磁場印加層15が設けられていても、小さい磁化反転電流(書き込み電流)でMTJ素子1の記憶層10の磁化を反転させることができる。
ここで、図3を用いて、記憶層10としての磁性膜に電流が供給された場合における磁性膜内のスピンの運動状態について、説明する。
磁性膜に電流が供給された場合、磁性膜内のスピンMMは、歳差運動する。磁性膜のスピンMMの歳差運動時において、磁化がZ方向に緩和する第1のトルク(力)Tq1、第1のトルクTq1とは反対向きに作用する第2のトルクTq2、及び、歳差運動の赤道面の接線方向に作用する第3のトルクTq3が、生じている。
STTにおいて、これらのトルクTq1,Tq2,Tq3は、磁性膜の物性パラメータ及び供給される電流Ixの大きさに依存する。
第1のトルク(以下では、減衰トルクとよぶ)Tq1は、磁性膜(例えば、記憶層)のダンピング定数の大きさに依存する。磁性膜のダンピング定数が大きくなると、減衰トルク(緩和項、ダンピングトルクともよばれる)Tq1の大きさが大きくなり、歳差運動によるスピンMMの反転が抑制される。それゆえ、上述のように、磁性膜の磁化反転に、STTが用いられる場合、記憶層10に用いられる磁性膜のダンピング定数が小さくなるように、記憶層10の物性パラメータが設定される。
第2のトルクTq2は、スピントルクである。スピントルクTq2(スピントランスファートルクなどともよばれる)Tq2は、STTにおいて、主に、供給される電流Ixの大きさに依存する。垂直磁化膜におけるスピントルクによる歳差運動は、膜の面内方向に対して平行方向にこまが回転するように、移動する。磁性膜に供給される電流Ixが大きくなると、スピンMMに印加されるトルクTq2が大きくなる。電流Ixの大きさを大きくすると、トルクTq2の大きさがトルクTq1より大きくなっていき、電流Ixの大きさがある臨界値(磁化反転しきい値)以上になると、スピンMMの向きが反転する。
上述のように、MTJ素子1の磁化を反転させる場合、記憶層10の磁化反転しきい値以上の書き込み電流IWRが、MTJ素子1に供給される。
一方、MTJ素子1の抵抗状態を判別する場合、記憶層10の磁化(スピン)が反転しないように、磁化反転しきい値より小さい読み出し電流IRDが、MTJ素子1に供給される。但し、記憶層10の磁化反転を抑制するために、読み出し電流IRDを小さくすると、MTJ素子1を流れる電流の検出が困難になり、MTJ素子1が高抵抗状態であるか低抵抗状態であるかを判別することが困難になる。
MTJ素子1の抵抗状態の判別の精度を向上するために、磁化反転しきい値より小さい範囲内で読み出し電流IRDを大きくした場合であっても、磁性膜の熱擾乱に起因して、スピン(磁性膜の磁化)が意図せずに反転する読み出しディスターブが発生する可能性がある。例えば、磁気メモリのように、複数のMTJ素子1がメモリセルアレイ内に設けられる場合、素子間の特性ばらつきが生じる。さらに、MTJ素子1単体においても、熱ゆらぎによる磁化反転電流のばらつきを有する。そのため、同じ大きさの読み出し電流を用いた場合、メモリセルアレイ内において、読み出しディスターブが生じる可能性が大きくなる。素子の特性ばらつきを考慮して、素子毎に異なる読み出し電流を用いるメモリの読み出し動作は、動作制御が困難である。
読み出しディスターブを抑制するために、記憶層10としての磁性膜のダンピング定数を大きくすると、磁化反転しきい値が大きくなり、書き込み電流IWRが大きくなる。これは、MTJ素子を用いたメモリの消費電力の増大を、引き起こす。
図1の(a)に示されるように、MTJ素子1の抵抗状態の判別時、面内磁化の磁場印加層(以下では、面内磁場発生層ともよぶ)15によって、記憶層10の膜面に対して平行方向の一定の磁場(面内磁場)MF1が、記憶層10に印加される。図3に示されるように、垂直磁化の記憶層10のスピンMMに対して、面内磁化の磁場印加層15の磁場MFに起因する力が、記憶層10のスピンに印加される。この結果として、スピンMM(又は磁化)の歳差が抑制され、MTJ素子1の抵抗状態の判別時において、記憶層10のスピンが意図せずに反転するのを、低減できる。
それゆえ、読み出しディスターブを抑制するために記憶層10のダンピング定数を大きくすることなしに、比較的大きい読み出し電流IRDを用いて、MTJ素子1の抵抗状態を判別できる。
また、MTJ素子が磁気メモリ(例えば、MRAM)に用いられた場合において、比較的大きな読み出し電流を用いることができることによって、RC遅延の悪影響を抑制でき、大きい読み出し出力(読み出し信号、検知信号)と高速動作とを実現できる。
MTJ素子1の記憶層10の磁化反転時、面内磁化の磁場印加層15の磁化は、供給される磁化反転電流IWRによって消失又は低減する。磁場印加層15の磁化の消失又は低減によって、記憶層10に印加される磁場は、実質的にゼロ又はMTJ素子1の抵抗状態の判別時の磁場に比較して小さくなる。その結果として、記憶層10内で歳差運動しているスピンMMは、磁場印加層15の磁場に起因する力の影響を、ほとんど受けなくなる。
それゆえ、STTによるMTJ素子1の磁化反転時おいて、磁場印加層15がMTJ素子内に設けられたとしても、磁場印加層15からの磁場が、記憶層10の磁化(スピン)の反転に対して悪影響を及ぼさない。
したがって、本実施形態の磁場印加層15を含むMTJ素子1は、磁化反転電流の増大無しに、MTJ素子の抵抗状態の判別のために供給される電流を大きくできる。その結果として、本実施形態のMTJ素子1は、抵抗状態の判別時における記憶層10の磁化の意図しない反転を低減でき、MTJ素子の抵抗状態の判別の精度を、向上できる。
以上のように、本実施形態の磁気抵抗効果素子によれば、磁気抵抗効果素子の誤動作を抑制できる。
(b) 構成例1
図4乃至図6を参照して、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成例1について説明する。
図4は、本実施形態の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)1Aの構造を示す断面図である。図4に示されるように、本実施形態の構成例1のMTJ素子1Aは、記憶層10、参照層11及び非磁性膜12を含む。
図4に示されるMTJ素子1Aは、例えば、トップピン型のMTJ素子1Aであり、非磁性膜12が、下部電極19A上方の記憶層10上に積層され、参照層11が非磁性膜12上に積層されている。
MTJ素子1Aが含む磁性膜(記憶層及び参照層)10,11の垂直磁気異方性は、例えば、磁性体(磁性膜)の結晶磁気異方性を利用して形成される。
結晶磁気異方性を利用した垂直磁化型のMTJ素子1Aは、結晶のc軸が膜面に対して垂直方向に対応するため、各結晶粒が膜の面内方向において回転したとしても、結晶のc軸は膜面に対して垂直方向を保ったままで分散しない。それゆえ、結集磁気方性を利用した垂直磁化膜は、結晶軸の分散を抑制できる。
例えば、大きな結晶磁気異方性エネルギー密度を有する材料として、Co−Cr合金が挙げられる。Co−Cr合金材料の結晶構造は、六方晶構造であり、c軸を磁化容易軸とした一軸の結晶磁気異方性を有する。そのため、Co−Cr合金を用いた磁性膜の結晶方位において、結晶のc軸が膜面の垂直方向と平行になるように、Co−Cr合金の結晶成長の方向が制御される。これによって、結晶磁気異方性を利用した磁性膜における結晶軸の分散が、抑制される。
これと同様に、正方晶構造の磁性膜をMTJ素子1Aに用いた場合においても、c軸を膜面に対して垂直方向に制御することによって、垂直磁化型のMTJ構成を実現することが可能になる。正方晶構造の磁性材料は、例えば、L1型の結晶構造を有する材料が用いられる。例えば、Fe−Pt規則合金、Fe−Pd規則合金、Co−Pt規則合金、Fe−Co−Pt規則合金、Fe−Ni−Pt規則合金、Fe−Ni−Pd規則合金等が挙げられる。L1型の結晶構造の材料を、垂直磁化膜として用いる場合、その結晶配向性が(001)面に優先配向させることが好ましい。
MTJ素子1Aの磁性膜10,12の垂直磁気異方性は、積層膜の界面の歪みや界面の電子状態に起因する磁性膜の界面磁気異方性を利用して、発現されてもよい。結晶磁気異方性を利用した場合と同様に、磁性膜10,12の垂直磁気異方性が界面磁気異方性によって形成された場合においても、結晶軸の分散を抑制できる。結晶軸の分散が抑制されることによって、反転しきい値電流の増大が抑制される。
界面磁気異方性を利用した垂直磁化膜には、例えば、人工格子がある。人工格子の一例として、磁性体のCoと非磁性体のPt(又はPd)とが交互に積層された構造が、挙げられる。人工格子内の各磁性体(各層)は、磁気異方性エネルギー密度の向上のため、0.3〜1.0nm程度の膜厚であることが好ましい。但し、人工格子内の各層の膜厚が薄くなると、スピンポンピング効果がより顕著になり、人工格子のダンピング定数が大きくなる。それゆえ、人工格子が記憶層10に用いられる場合、人工格子の各層の膜厚を考慮することが好ましい。又は、非磁性膜12に、MgO膜が用いられ、記憶層10に、FeB膜又はCoFeB膜が用いられることによって、MgO膜とFeB膜との間、又は、MgO膜とCoFeB膜との間で界面磁気異方性が生じ、垂直磁気異方性を有する磁性膜が形成される。垂直磁気異方性は、非磁性膜12と記憶層10の間で発現するため、異方性分散を抑制でき、書き込み電流の増大が、抑制される。
非磁性膜12は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)膜である。MgO膜のような絶縁膜が用いられた非磁性膜12は、トンネルバリア層12とよばれる。以下では、非磁性膜12のことを、トンネルバリア層12とよぶ。
例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化チタン(TiO)、酸化バナジウム(VO)、酸化ニオブ(NbO)及び酸化アルミニウム(Al)が、非磁性膜に用いられてもよい。Mg窒化物やAl窒化物が、非磁性膜に用いられてもよい。また、これらの酸化物及び窒化物の単層膜に限らず、これらの絶縁体の積層膜が、非磁性膜12に用いられてもよい。
MgOは、塩化ナトリウム(NaCl)構造の結晶構造を有する。MgOのようにNaCl構造を有する材料が、非磁性膜(トンネルバリア層)11として用いられる場合、非磁性膜11としてのMgO膜は結晶配向している、例えば、fcc(001)面(又は方位)及びそれに等価な面(又は方位)に優先配向している、ことが好ましい。
記憶層10とトンネルバリア層12との間、及び、参照層11とトンネルバリア層12との間に、界面層(図示せず)が設けられてもよい。界面層は、トンネルバリア層12に接触する磁性膜である。なお、記憶層10及び参照層11とは別途に設けられた磁性膜だけでなく、トンネルバリア層12に接触する記憶層10又は参照層11の部分(領域)を界面層とよぶ場合もある。界面層は、トンネルバリア層12と磁性膜10,11との格子不整合を緩和し、トンネルバリア層12及び磁性膜10,11の結晶性を改善させる。この結果として、MTJ素子の特性(例えば、MR比)が向上する。例えば、界面層は、Co(コバルト)、Fe(鉄)及びB(ボロン)を含むグループのうち少なくとも2つの元素を含む磁性膜を用いて、形成される。ただし、界面層の材料は、Co、Fe又はBを含む磁性膜に限定されない。
また、MTJ素子1Aは、参照層11の磁化の向きと反対の向きの磁化を有するシフト調整層(図示せず)を含んでもよい。シフト調整層(バイアス層又はシフト磁界調整層ともよばれる)は、参照層11に起因する漏れ磁場を実質的にゼロにし、参照層11からの漏れ磁場に起因して記憶層10内にシフト磁界が生じるのを抑制する。例えば、シフト調整層は、参照層11におけるトンネルバリア層12が設けられた側(面)に対して反対側(対向する面)に設けられている。
下地層(中間層)16は、記憶層10に接するように、MTJ素子1A内に設けられている。例えば、下地層16は、記憶層10におけるトンネルバリア層12が設けられた側と反対側に設けられている。下地層16は、記憶層10と下部電極19Aとの間に設けられている。MTJ素子1Aがトップピン型の構造を有する場合、記憶層10は、下地層16上に積層される。記憶層10は、下地層16とトンネルバリア層12との間に設けられている。記憶層10の磁化特性の向上のため、記憶層10の材料に応じて、原子稠密面を有する材料、或いは、記憶層10のダンピング定数を低減させるために、記憶層10と下地層16の間で生じるスピンポンピング効果の小さい材料が、下地層16に用いられてもよい。例えば、白金(Pt)、Pd(パラジウム)、イリジウム(Ir)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)などが、原子稠密面を有する材料として、下地層16に用いられる。窒化物、ホウ化物などが、スピンポンピング効果が小さい材料として、下地層16に用いられる。
MTJ素子1Aの上部電極19Bは、MTJ素子1Aを所定の形状に加工するためのハードマスクとして用いられてもよい。MTJ素子1Aの下部電極19Aは、基板(図示せず)上に設けられている。下部電極19A及び上部電極19Bは、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、或いは、これらの積層膜が用いられる。下部電極19Aには、Irやルテニウム(Ru)が用いられてもよい。
磁場印加層15Aは、下部電極19Aと下地層16との間に設けられている。
本構成例1において、磁場印加層15Aとしての面内磁化膜15Aは、例えば、鉄(Fe)とパラジウム(Pd)とを含む磁性膜(FePd膜)151とMgO膜152との積層膜である。例えば、磁場印加層15AのFePd膜151において、Feの組成(濃度)がPdの組成(濃度)より大きい。これによって、FePd膜151は、FePd膜の膜面に対して平行方向に磁気異方性を有し、面内磁化(平行磁化)のFePd膜151が形成される。面内磁化のFePd膜151は、2nmの膜厚を有している。
磁場印加層15AのMgO膜152は、トンネルバリア層12としてのMgO膜より抵抗値が低い。磁場印加層15AのMgO膜152は、トンネルバリア層12としてのMgO膜の膜厚より薄い。磁場印加層15A内のMgO膜152は、例えば、1nm以下の膜厚を有している。MgO膜152は、例えば、電流が流れるトンネル膜である。例えば、1nm程度の膜厚のMgO膜は、10Ω・μm程度の抵抗値を有している。
例えば、磁場印加層15Aにおいて、FePd膜151が、記憶層10側に設けられている。電流の供給時におけるMgO膜152からのジュール熱が記憶層10に印加されないように、MgO膜152は、下部電極19A側に設けられていることが好ましい。FePd膜151は、下地層16に接し、MgO膜152は、下部電極19Aに接している。FePd膜151が、下部電極19A上のMgO膜152上に、積層される。MgO膜152とMgO膜152上のFePd膜151との積層膜からなる磁場印加層15Aのことを、FePd/MgO膜15Aと表記する。以下では、積層膜を、“A/B”と表記した場合、“A”が“B”上に積層されていることを示す。
図5に示されるように、FePd膜151とMgO膜152とを含む磁場印加層15Aは、複数のFePd膜151と複数のMgO膜152とが所定の周期で交互に積層された構造(人工格子)でもよい。また、FeとPdとが人工格子を形成していてもよい。
FePd/MgO膜15A内に電流を流すことによって、FePd/MgO膜の磁化が低減する。この結果として、FePd/MgO膜15Aに起因する磁場の大きさは、電流又は電圧の大きさに依存して、変化する。FePd/MgO膜15Aに所定の大きさの書き込み電流IWRが供給された時に、FePd/MgO膜15Aの磁化が、消失する、又は、所定の大きさの読み出し電流IRDが供給された時のFePd/MgO膜15Aの磁化よりも十分小さくなるように、FePd/MgO膜15Aの物性パラメータが調整される。これによって、STTによるMTJ素子1Aの磁化反転時に、FePd/MgO膜15Aの面内磁化によって、書き込み電流IWRとしての磁化反転電流が増大しないように、設計される。
図6は、FePd/MgO膜の磁化の電流依存性を模式的に示す図である。図6の横軸は、FePd/MgO膜に供給される電流(任意単位)を示し、図6の縦軸は、FePd/MgO膜の磁化(任意単位)を示している。
図6に示されるように、磁場印加層15AとしてのFePd/MgO膜15Aの磁化は、供給される電流の大きさに応じて、減少する。
上述のように、読み出し電流(抵抗判別電流)IRDの大きさ(電流値)は、書き込み電流(磁化反転電流)IWRの大きさ(電流値)より小さい。
それゆえ、図6に示されるように、読み出し電流IRDが、MTJ素子1AのFePd/MgO膜15Aに供給されたとしても、FePd/MgO膜15Aは、磁化M1を有している。
したがって、MTJ素子1Aの抵抗状態が判別される場合(データ読み出し時)、FePd/MgO膜15Aの磁化M1に起因する磁場MF1が、記憶層10に一定に印加される。
FePd/MgO膜15Aの面内磁化M1に起因する磁場MF1は、記憶層10の膜面に対して平行方向の向き有している。記憶層10の膜面に対して平行方向の磁場方向を有するFePd/MgO膜からの磁場MF1が、記憶層10に印加される。
磁場印加層15AとしてのFePd/MgO膜15Aからの膜面方向に平行な磁場MF1によって、膜面に対して垂直方向を向く記憶層10のスピン(磁化)に、スピンの歳差運動を抑制する方向の力(磁場)が与えられる。
その結果として、読み出し電流IRDのような小さい電流がMTJ素子1A内を流れる場合、磁場印加層15Aの磁化M1に起因する磁場MF1によって、記憶層10の磁化の反転が抑制される。以上のように、MTJ素子1Aの抵抗状態の判別時、読み出し電流IRDに起因するMTJ素子1Aの記憶層10の磁化の反転が、防止され、読み出しディスターブが抑制される。
図6に示されるように、FePd/MgO膜15Aは、その積層膜15A内を流れる電流が大きくなると、FePd/MgO膜15Aの磁化M2が小さくなる性質を有する。
それゆえ、読み出し電流IRDより大きい書き込み電流IWRが、FePd/MgO積層膜を流れた場合、FePd/MgO膜15Aの磁化は、小さくなる。すなわち、書き込み電流IWRの供給時におけるFePd/MgO膜15Aの磁化M2の大きさは、読み出し電流IRDの供給時におけるFePd/MgO膜15Aの磁化M1の大きさより小さい。
例えば、書き込み電流IWRが、FePd/MgO膜15A内を流れる場合、FePd/MgO膜15Aの磁化が消失する(ほぼゼロになる)ように、FePd/MgO膜15Aのパラメータ(例えば、膜厚又は組成比)が、調整されることが好ましい。
MTJ素子1の記憶層10の磁化を反転させる場合(データ書き込み時)、書き込み電流IWRによって磁場印加層の磁化M2が十分小さくなる或いは消失することによって、磁場印加層15Aから磁場は、MTJ素子1Aに対する抵抗状態の判別時における磁場印加層15Aから記憶層10に印加される面内磁場MF1に比較して小さくなる、或いは、ほとんど印加されなくなる(実質的にゼロになる)。
この結果として、MTJ素子1Aの記憶層10の磁化を反転させる時において、記憶層10に対する磁場印加層15Aの磁化の影響はほぼなくなるため、記憶層10の磁化を形成するスピンは、磁化印加層15Aの磁場の悪影響無しに、書き込み電流IWRのスピントルクによって、自由に歳差運動する。
それゆえ、MTJ素子1Aが、供給される電流IRD,IWRの大きさに応じて磁化(発生する磁場)の大きさが変化する面内磁化の磁場印加層15Aを含んでいた場合であっても、磁場印加層15Aから生じる記憶層10の膜面に対して平行方向の面内磁場に起因した書き込み電流(磁化反転電流)IWRの増大なしに、記憶層10の磁化を反転できる。
尚、本構成例1において、FePd膜とMgOとの積層構造が、磁場印加層15Aに用いられた場合を例示したが、供給される電流の大きさに応じて磁化の大きさが変化する面内磁化膜(積層構造、人工格子又は合金)であれば、他の材料を用いてもよい。
以上のように、本実施形態の構成例1の磁気抵抗効果素子1Aによれば、磁気抵抗効果素子1Aの誤動作を抑制できる。
(c) 構成例2
図7を用いて、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成例2について、説明する。
本構成例2の磁気抵抗効果素子(MTJ素子)の構造は、上述の構成例1の磁気抵抗効果素子1Aの構造と実質的に同じである。そのため、図4を参照して、本構成例2の磁気抵抗効果素子の構造について、説明する。
本構成例2において、磁場印加層(面内磁場発生層)15Aとしての面内磁化膜に、フェリ磁性膜(フェリ磁性体)が用いられている。磁場印加層15A内のフェリ磁性膜151は、希土類金属と遷移金属とを含んでいる。磁場印加層15Aにおいて、希土類金属として、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)及びガドリニウム(Gd)を含むグループから選択される少なくとも1つの元素が用いられ、遷移金属として、鉄(Fe)及びコバルト(Co)を含むグループから選択される少なくとも1つの元素が用いられる。
フェリ磁性体は、希土類金属の副格子と遷移金属の副格子とが、互いに反対方向のスピンを有し、補償温度(ネール温度)近傍の温度領域を除いた温度領域において、各副格子は互いに異なる大きさの磁化を有している。この副格子間のスピンの磁化の大きさの違いに起因して、フェリ磁性体は磁化を有している。そして、補償温度において、各副格子の磁化の大きさが同じになると、フェリ磁性体の磁化は消失する。
本実施形態において、フェリ磁性体を用いた面内磁化膜151は、例えば、膜151内における希土類金属元素の濃度(組成比)が、25atomic.%(原子量%)以上に設定することによって、形成される。尚、フェリ磁性体の人工格子によって、面内磁化膜151が形成されてもよい。
例えば、磁場印加層15Aとしてのフェリ磁性膜151と下部電極19Aとの間に、抵抗膜152が設けられている。例えば、抵抗膜152は、例えば、MgO膜又は酸化アルミニウム(Al)膜を用いて、形成される。抵抗膜152としてのMgO膜の抵抗値は、絶縁体とならない範囲内で、トンネルバリア層12としてのMgO膜の抵抗値より低いことが好ましい。抵抗膜152としてMgO膜は、例えば、トンネルバリア層152としてのMgOの膜厚よりも薄い。抵抗膜152は、電流が流れるトンネル膜である。
フェリ磁性膜151又は抵抗膜152に電流IRD,IWRが供給されることによって、ジュール熱が抵抗膜152及びフェリ磁性膜151自体において生成される。ジュール熱によって、フェリ磁性膜151は加熱される。読み出し電流IRDは、書き込み電流IWRより小さい。それゆえ、読み出し電流IRDによって磁場印加層15A内に生じるジュール熱は、書き込み電流IWRによって磁場印加層15A内に生じるジュール熱より小さい。
抵抗膜152と書き込み電流IWRとによって生じるジュール熱が、フェリ磁性膜の補償温度になるように、抵抗膜152の抵抗値、換言すると、抵抗膜152の物性パラメータ(膜厚又は組成)が調整されることが好ましい。
図7を用いて、MTJ素子の抵抗状態の判別時及び記憶層10の磁化の反転時における、面内磁化のフェリ磁性膜を用いた磁場印加層15Aの磁化状態について、説明する。
図7は、フェリ磁性膜の磁化の電流依存性を模式的に示す図である。図7の横軸は、フェリ磁性膜に供給される電流を示し、図7の縦軸は、フェリ磁性膜の磁化の大きさを示している。
MTJ素子1Aの抵抗状態を判別する場合(データ読み出し時)、構成例1と同様に、読み出し電流IRDが供給された磁場印加層15A内のフェリ磁性膜151は、フェリ磁性膜の磁化M1に起因した記憶層10の膜面に平行方向の面内磁場を、記憶層10に印加する。読み出し電流IRDは、書き込み電流IWRより小さく、読み出し電流IRDの供給によって生じるジュール熱は、小さい。それゆえ、磁場印加層15Aのフェリ磁性膜151の磁化の減少は小さい、又は、ほとんど生じない。磁場印加層15Aの磁化M1に起因する面内磁場が、記憶層10の垂直磁化に印加される。
したがって、MTJ素子の抵抗状態を判別する場合において、磁場印加層15Aからの面内磁場によって、記憶層10の磁化の意図しない反転(読み出しディスターブ)を抑制できる。
STTによって、MTJ素子1Aの記憶層10の磁化を反転させる場合(データ書き込み時)、読み出し電流IRDより大きい書き込み電流IWRによって、フェリ磁性膜151内及び抵抗膜152内に比較的大きいジュール熱が発生する。このジュール熱によって、磁場印加層15Aの磁化は、減少する。磁場印加層(抵抗膜)と供給される電流とによって生成されるジュール熱が、磁場印加層15A内のフェリ磁性膜151の補償温度(ネール温度)に達すると、フェリ磁性膜151の磁化は消失する。例えば、書き込み電流IWRに起因する100℃程度の温度によって、磁場印加層15Aの磁化がほとんど消失し、磁場印加層15Aが面内磁場を発生しないように、磁場印加層15内のフェリ磁性膜151及び抵抗膜152の物性パラメータが調整されることが好ましい。
書き込み電流IWRに起因するジュール熱によって磁場印加層15Aの磁化が減少する又は消失する結果として、磁場印加層15Aが発する磁場は減少し、記憶層10に印加される面内磁場は、減少する。
したがって、STTによりMTJ素子1Aの記憶層10の磁化を反転させる場合に、面内磁場の悪影響に起因して書き込み電流(磁化反転電流)IWRの電流値が大きくなることなしに、記憶層10の物性パラメータに依存した反転しきい値の書き込み電流IWRを用いて、MTJ素子1Aの記憶層10の磁化を反転できる。
以上のように、本実施形態の磁気抵抗効果素子の構成例2において、構成例1の磁気抵抗効果素子と同様の効果が得られ、磁気抵抗効果素子の誤動作を抑制できる。
(2) 第2の実施形態
図8乃至図11を参照して、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子について、説明する。本実施形態の磁気抵抗効果素子において、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子と実質的に同じ構成を有する構成に関しては同じ符号を付し、その構成の説明は、必要に応じて行う。
図8は、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子1Zの構造及び動作を説明するための模式図である。図9は、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子1Zの構造を示す断面図である。
図8及び図9に示されるように、本実施形態のMTJ素子1Zは、絶縁層29が、磁場印加層20と下部電極19Aとの間に設けられている。
磁場印加層20は、絶縁層29によって、下部電極19A及び記憶層10から電気的に分離されている。それゆえ、第2の実施形態のMTJ素子1Zが含む磁場印加層20は、第1の実施形態とは異なって、磁場印加層20内に、読み出し電流IRD及び書き込み電流IWRは流れない。磁場印加層20内には、読み出し電流IRD及び書き込み電流IWRから独立した電流Iが供給される。
図8に示されるように、磁場印加層20は、基板表面(記憶層10の膜面)に対して平行方向に延在し、配線を形成している。
磁場印加層20は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)又はモリブデン(Mo)を含むグループから選択される少なくとも1つの材料を含む金属膜(又は合金)から形成される。磁場印加層20は、合金、導電性化合物、又は、シリサイド層から形成されてもよい。また、磁場印加層20から面内磁場を効率よく記憶層10に印加するために、磁場印加層20が記憶層10に対向する面以外の面上に、磁性体(磁性膜)を設けることによって、磁場印加層20をヨーク配線としてもよい。
図8に示されるように、磁気抵抗効果素子(MTJ素子)の抵抗状態の判別時(MTJ素子からのデータの読み出し時)において、垂直磁化の記憶層10に印加される面内磁場(本実施形態において、配線磁場ともよぶ)MF1は、導電層(以下では、磁場印加層、面内磁場発生層、又は、磁場発生線ともよばれる、)を流れる電流(以下では、磁場発生電流、読み出しアシスト電流ともよぶ)Iによって、生成される。
記憶層10の膜面に対して平行方向の磁場(面内磁場)を記憶層10に印加することが可能なように、磁場印加層20が、記憶層10及び下部電極19Aの下方(基板側)に配置されている。
磁場印加層20に電流Iを流すことによって、右ねじの法則(アンペールの法則)に基づいて、磁場印加層20の周囲に磁場MF1が発生する。磁場印加層20内を流れる電流に起因した磁場印加層20の周囲に発生した磁場は、記憶層10の近傍において、記憶層10の膜面に対して平行方向の向きを有している。磁場印加層20からの磁場が、記憶層10に対する面内磁場として、記憶層10に印加される。
MTJ素子1Zの抵抗状態の判別時において、所定の大きさの磁場MF1が生成されるように、磁場印加層20に供給される電流Iの大きさ、記憶層10と磁場印加層20との間隔が、適宜調整される。
図8に加えて、図10及び図11を用いて、本実施形態のMTJ素子1Zの動作について、説明する。
図10及び図11を用いて、磁場印加層20に対する磁場発生電流の供給タイミング及び磁場発生電流のパルス形状について、説明する。図10及び図11は、MTJ素子に供給される読み出し電流及び書き込み電流のパルス形状、及び、磁場印加層に供給される磁場発生電流のパルス形状を示している。図10及び図11の横軸は、時間に対応し、図10及び図11の縦軸は、各電流の電流値に対応する。
図10に示されるように、例えば、磁場発生電流Iは、MTJ素子1Zに読み出し電流IRDを供給するのと実質的に同時に、供給される。
例えば、磁場発生電流の立ち上がりは、読み出し電流IRDの立ち上がりと実質的に同じ時間に設定される。そして、MTJ素子1Zの抵抗状態を判別する(データを読み出す)ための所定の期間TREADにおいて、所定の電流値の読み出し電流IRDがMTJ素子1Zに供給され、読み出し電流IRDが所定の電流値i1に立ち上げられる。読み出し電流IRDの立ち上がりと実質的に同じ時間に、磁場発生電流が所定の電流値ixに立ち上げられる。磁場発生電流Iが磁場印加層20に供給されることによって、磁場印加層20を中心として、右ねじの法則に従って磁場MF1が発生する。磁場印加層20が発する磁場MF1は、磁場発生電流Iの大きさixに依存する。
磁場印加層に起因する記憶層10の膜面に対して平行方向の磁場が、記憶層10の磁化に印加され、記憶層10のスピンの歳差運動が抑制される。
それゆえ、磁気抵抗効果素子1の抵抗状態の判別時に、記憶層10の磁化が意図せずに反転するのを抑制できる。
そして、MTJ素子1Zからの読み出し信号が検知された後、読み出し電流IRDと磁場発生電流Iは同じタイミングで立ち下げられる。
尚、磁気抵抗効果素子の抵抗状態の判別時において、磁場印加層20内に流される磁場発生電流Iの電流値ixは、その電流に起因する磁場印加層20の磁場MF1によって記憶層10の磁化が反転しない大きさに設定されている。磁場印加層20内に流される磁場発生電流Iの電流値ixは、記憶層10の歳差運動を抑制する大きさの面内磁場が発生する大きさに設定されている。
図10に示されるように、MTJ素子1Zに対して磁化反転しきい値ith以上の書き込み電流IWRが供給される場合、磁場発生電流Iは、磁場印加層20に供給されない。MTJ素子1Zの記憶層の磁化を反転させる場合に、磁場印加層20は、磁場が発しない。
それゆえ、磁化反転電流以上の電流によってMTJ素子1Zの記憶層10の磁化を反転させる場合において、磁場印加層20からの磁場に起因して、磁化反転電流が大きくなるのを、防止できる。
図11は、図10に示される例と異なるパルス形状の磁場発生電流を示している。
図11に示されるように、読み出し電流IRDの供給が開始される前に、磁場発生電流Iの供給が開始される。また、磁場発生電流Iの供給は、読み出し電流IRDの供給が停止された後に、停止される。
図11に示されるように、読み出し電流IRDの立ち上がりの時間の前に、磁場発生電流Iが立ち上げられる時間が設定され、読み出し電流IRDの立ち下がりの時間の後に、磁場発生電流Iが立ち下げられる時間が設定される。
図11に示されるように、読み出し電流IRDと磁場発生電流Iとが異なるパルス形状(異なる発生タイミング)を有する場合においても、書き込み電流IWRがMTJ素子1Zに供給されるときに、磁場発生電流Iは、磁場印加層20に供給されない。
図11に示されるパルス形状の磁場発生電流が用いられた場合においても、図10に示される磁場発生電流が用いられた場合と同様に、MTJ素子1Zの抵抗状態の判別時に、記憶層10の磁化が意図せずに反転するのを抑制でき、MTJ素子1Zの記憶層10の磁化を反転させる場合において、磁場印加層20の磁場に起因した書き込み電流IWRの増大を防止できる。
図11に示されるように、磁場発生電流Iが供給される期間(パルス幅)が、読み出し電流IRDが供給される期間より長く設定されることによって、記憶層のスピンの歳差運動を抑制する効果が増強される。
書き込み電流IWRが、MTJ素子1Zに供給されている場合、磁場印加層20からの磁場は発生しないので、MTJ素子1Zの抵抗状態判別時に記憶層10に印加される磁場MF1は、MTJ素子1Zの記憶層10の磁化を反転させる時に記憶層10に印加される磁場よりも大きい。
以上のように、本実施形態のMTJ素子1Zの抵抗状態の判別時(データ読み出し時)において、磁場印加層20から垂直磁化の記憶層10に印加される面内磁場によって、記憶層10の磁化の意図しない反転(MTJ素子の読み出しディスターブ)を抑制できる。また、MTJ素子1Zの記憶層10の磁化反転時(データ書き込み時)において、磁場印加層20に対する電流を供給しないことによって、磁場印加層20の磁場の悪影響(例えば、書き込み電流の増大)なしに、記憶層10の磁化を反転できる。
尚、磁場印加層の配置は、記憶層に面内磁場を印加することが可能であれば、記憶層10の下方に限定されない。
以上のように、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子においても、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子と同様に、磁気抵抗効果素子の誤動作を抑制できる。
(3) 適用例
図12乃至図15を参照して、各実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例について説明する。尚、上述の各実施形態で述べた構成と実質的に同じ構成に関しては、同じ符号を付し、その構成の説明は、必要に応じて行う。
(a) 適用例1
図12及び図13を参照して、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例について、説明する。
上述の第1の実施形態の磁気抵抗効果素子は、磁気メモリ、例えば、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)のメモリ素子として、用いられる。本適用例において、STT型MRAM(Spin-torque transfer MRAM)が例示される。
(a) 構成
図12は、本適用例1のMRAMのメモリセルアレイ及びその近傍の回路構成を示す図である。
図12に示されるように、メモリセルアレイ9は、複数のメモリセルMCを含む。
複数のメモリセルMCは、メモリセルアレイ9内にアレイ状に配置される。メモリセルアレイ9内には、複数のビット線BL,bBL及び複数のワード線WLが設けられている。ビット線BL,bBLはカラム方向に延在し、ワード線WLはロウ方向に延在する。2本のビット線BL,bBLは、1組のビット線対を形成している。
メモリセルMCは、ビット線BL,bBL及びワード線WLに接続されている。
カラム方向に配列されている複数のメモリセルMCは、共通のビット線対BL,bBLに接続されている。ロウ方向に配列されている複数のメモリセルMCは、共通のワード線WLに接続されている。
メモリセルMCは、例えば、1つの磁気抵抗効果素子(MTJ素子)1と、1つの選択スイッチ2とを含む。メモリセルMC内のMTJ素子1には、第1の実施形態で述べられた磁気抵抗効果素子(MTJ素子)1が用いられている。
選択スイッチ2は、例えば、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)である。以下では、選択スイッチ2としての電界効果トランジスタのことを、選択トランジスタ2とよぶ。
MTJ素子1の一端は、ビット線BLに接続されて、MTJ素子1の他端は、選択トランジスタ2の電流経路の一端(ソース/ドレイン)に接続されている。選択トランジスタ2の電流経路の他端(ドレイン/ソース)は、ビット線bBLに接続されている。選択トランジスタ2の制御端子(ゲート)は、ワード線WLに接続されている。
ワード線WLの一端は、ロウ制御回路4に接続される。ロウ制御回路4は、外部からのアドレス信号に基づいて、ワード線の活性化/非活性化を制御する。
ビット線BL,bBLの一端及び他端には、カラム制御回路3A,3Bが接続される。カラム制御回路3A,3Bは、外部からのアドレス信号に基づいて、ビット線BL,bBLの活性化/非活性化を制御する。
書き込み回路5A,5Bは、カラム制御回路3A,3Bを介して、ビット線BL,bBLの一端及び他端に接続される。書き込み回路5A,5Bは、書き込み電流を生成するための電流源や電圧源などのソース回路、書き込み電流を吸収するためのシンク回路を、それぞれ有する。
STT入型MRAMにおいて、書き込み回路5A,5Bは、データの書き込み時、外部から選択されたメモリセル(以下、選択セル)に対して、書き込み電流を供給する。
書き込み回路5A,5Bは、MTJ素子1に対するデータの書き込み時、選択セルに書き込まれるデータに応じて、書き込み電流をメモリセルMC内のMTJ素子1に双方向に流す。即ち、MTJ素子1に書き込むデータに応じて、ビット線BLからビット線bBLに向かう書き込み電流、或いは、ビット線bBLからビット線BLに向かう書き込み電流が、書き込み回路5A,5Bから出力される。
読み出し回路6Aは、カラム制御回路3A,3Bを介して、ビット線BL,bBLの一端及び他端に接続される。読み出し回路6Aは、読み出し電流を発生する電圧源又は電流源や、読み出し信号の検知及び増幅を行うセンスアンプ、データを一時的に保持するラッチ回路などを含んでいる。読み出し回路6Aは、MTJ素子1に対するデータの読み出し時、選択セルに対して、読み出し電流を供給する。読み出し電流の電流値は、読み出し電流によって記録層の磁化が反転しないように、書き込み電流の電流値(磁化反転しきい値)より小さい。
読み出し電流が供給されたMTJ素子1の抵抗値の大きさに応じて、読み出しノードにおける電流値又は電位が異なる。この抵抗値の大きさに応じた変動量(読み出し信号、読み出し出力)に基づいて、MTJ素子1が記憶するデータが判別される。
尚、図12に示される例において、読み出し回路6Aは、カラム方向の一端側に設けられているが、2つの読み出し回路が、一端及び他端にそれぞれ設けられてもよい。
例えば、メモリセルアレイ9と同じチップ内に、ロウ/カラム制御回路、書き込み回路及び読み出し回路以外の回路(以下、周辺回路とよぶ)が、設けられている。例えば、バッファ回路、ステートマシン(制御回路)、又は、ECC(Error Checking and Correcting)回路などが、周辺回路としてチップ内に設けられてもよい。
図13は、本適用例1のMRAMのメモリセルアレイ9内に設けられるメモリセルMCの構造の一例を示す断面図である。
メモリセルMCは、半導体基板70のアクティブ領域AA内に形成される。アクティブ領域AAは、半導体基板70の素子分離領域に埋め込まれた絶縁膜71によって、区画されている。
MTJ素子1の上端は、上部電極19Bを介してビット線76(BL)に接続される。また、MTJ素子1の下端は、下部電極19A、コンタクトプラグ72Bを介して、選択トランジスタ2のソース/ドレイン拡散層64に接続される。選択トランジスタ2のソース/ドレイン拡散層63は、コンタクトプラグ72Aを介してビット線75(bBL)に接続される。
ソース/ドレイン拡散層64及びソース/ドレイン拡散層63間のアクティブ領域AA表面上には、ゲート絶縁膜61を介して、ゲート電極62が形成される。ゲート電極62は、ロウ方向に延在し、ワード線WLとして用いられる。
尚、MTJ素子1は、プラグ72B直上に設けられているが、中間配線層を用いて、コンタクトプラグ直上からずれた位置(例えば、選択トランジスタのゲート電極上方)に配置されてもよい。
図13において、1つのアクティブ領域AA内に1つのメモリセルが設けられた例が示されている。しかし、2つのメモリセルが1つのビット線bBL及びソース/ドレイン拡散層63を共有するように、2つのメモリセルがカラム方向に隣接して1つのアクティブ領域AA内に設けられてもよい。これによって、メモリセルMCのセルサイズが縮小される。
図13において、選択トランジスタ2は、プレーナ構造の電界効果トランジスタが示されているが、電界効果トランジスタの構造は、これに限定されない。例えば、RCAT(Recess Channel Array Transistor)やFinFETなどのように、3次元構造の電界効果トランジスタが、選択トランジスタとして用いられてもよい。RCATは、ゲート電極が、半導体領域内の溝(リセス)内にゲート絶縁膜を介して埋め込まれた構造を有する。FinFETは、ゲート電極が、短冊状の半導体領域(フィン)にゲート絶縁膜を介して立体交差した構造を有する。
第1の実施形態のMTJ素子1が、MRAMのメモリ素子として用いられる。メモリセルMC内のMTJ素子1は、下部電極19Aと記憶層10との間に、面内磁化膜を有する磁場印加層15を含んでいる。データ読み出し対象として選択されたメモリセルMCに対して、読み出し回路6Aから読み出し電流IRDが供給された場合、MTJ素子の記憶層10及び参照層11に読み出し電流IRDが流れると共に、磁場印加層15に読み出し電流IRDが流れる。
図1を用いて述べたように、読み出し電流IRDの供給時において、磁場印加層15の面内磁化膜は、磁化M1を有する。磁場印加層15の面内磁化膜の磁化M1に応じた大きさの磁場MF1が、記憶層10に印加される。磁場印加層15から記憶層10に印加された磁場(面内磁場)MF1の向きは、記憶層10の近傍において、記憶層10の膜面に対して平行方向になっている。
メモリ素子としてのMTJ素子1に対するデータ読み出し時において、垂直磁化の記憶層10に印加された面内磁場によって、記憶層10のスピンの歳差運動が抑制される。
したがって、本実施形態のMTJ素子1を含むMRAMのデータ読み出し時において、MTJ素子1の記憶層10の磁化反転、すなわち、読み出しディスターブは抑制される。これによって、比較的大きい読み出し電流IRDを用いた大きい読み出し信号を生成でき、メモリ素子としてのMTJ素子からデータを高速に読み出すことができる。
書き込み電流IWRの供給時において、読み出し電流IRDより大きい書き込み電流IWRに起因して、又は、書き込み電流IWRによって生じたジュール熱に起因して、磁場印加層15の面内磁化膜の磁化は、低減する、又は、実質的にゼロになる。
それゆえ、メモリ素子としてのMTJ素子1に対するデータ書き込み時において、磁場印加層15からの磁場の影響を受けずに、記憶層10のスピンが歳差運動する。したがって、磁場印加層15から磁場の影響をほとんど受けずに、面内磁場に依存しない大きさの書き込み電流IWRを用いて、メモリ素子としてのMTJ素子1にデータを書き込むことができる。
以上のように、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子をメモリセル内に含む磁気メモリは、読み出しディスターブの発生を抑制できる。
また、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子をメモリセル内に含む磁気メモリは、読み出しディスターブの発生を抑制することに伴って、書き込み電流IWRの大きさが大きくなることはなく、メモリの消費電力が増大するのを抑制できる。
したがって、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子を含む磁気メモリは、メモリ素子及びメモリの誤動作を抑制できる。
(b) 適用例2
図14及び図15を用いて、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の適用例としての磁気メモリ(例えば、MRAM)について、説明する。尚、適用例1の磁気メモリと実質的に同じ構成に関する説明は、必要に応じて行う。
図14は、第2の実施形態のMTJ素子1Zを含む本適用例2のMRAMのメモリセルアレイ及びその近傍の回路構成を示す図である。
図14に示されるように、本適用例2のMRAMは、磁場印加層20としての複数の磁場発生線(以下では、読み出しアシスト線ともよばれる)RALと、磁場発生線RALを駆動させる磁場発生制御回路(以下では、読み出しアシスト回路ともよばれる)7とを含んでいる。
各磁場発生線RALは、例えば、ロウ方向に延在している。磁場発生線RALの一端は、電流源(又は電圧源)70に接続されている。磁場発生線RALの他端は、接地されている。磁場発生線RALを流れる電流は、一方向に流れる。
磁場発生制御回路7は、磁場発生線RALに対する電流の供給を制御する。磁場発生制御回路7は、データの読み出し時、電流源70と磁場発生線RALとを電気的に接続する。磁場発生制御回路7は、データの書き込み時、電流源70と磁場発生線RALとを電気的に分離する。
図15は、本適用例2のMRAMのメモリセルアレイ内に設けられるメモリセルMCの構造の一例を示す断面図である。
第2の実施形態のMTJ素子1Zは、引き出し配線51によって、コンタクトプラグ72Bの直上からカラム方向にずれた位置、例えば、選択トランジスタ2のゲート電極62の上方に設けられている。
磁場印加層20としての磁場発生線RALは、層間絶縁膜79B内に設けられている。磁場発生線RALは、絶縁層29としての層間絶縁膜79Bを挟んで、MTJ素子1Zの記憶層10の下方に設けられている。磁場発生線RALは、例えば、第2のビット線bBLに接続される中間配線75と同じ配線レベルに設けられている。
図10及び図11を用いて説明したように、データの読み出し時、図14に示される磁場発生制御回路7は、磁場発生線RALを電流源70に接続し、磁場発生線RALに、所定のパルス形状の磁場発生電流(読み出しアシスト電流)Iを流す。
これによって、図8に示されるように、磁場発生線RALを流れる電流Iに起因して、磁場MF1が発生する。記憶層10に印加される磁場発生線RALからの磁場MF1は、記憶層10の膜面方向に平行方向に設定されている。
MTJ素子1Zの記憶層10に、磁場発生線RALからの記憶層10の膜面に対して平行方向の磁場が印加された状態又は印加されるのと同時に、MTJ素子1Zに、トランジスタ2を経由して読み出し電流IRDが供給される。磁場発生線RALからの面内磁場によって、読み出し電流IRDが供給されたMTJ素子1Zのスピンの歳差運動は、抑制される。
それゆえ、第2の実施形態のMTJ素子1Zを含むMRAMのデータ読み出し時において、MTJ素子1Zの読み出しディスターブが抑制される。
データの書き込み時、磁場発生制御回路7は、磁場発生線RALを電流源70から電気的に分離する。そのため、図8、図10及び図11を用いて説明したように、データの書き込み時、磁場発生線RAL内に電流Iは流れず、磁場発生線RALを流れる電流に起因した磁場MF1は、ほとんど生じない。
それゆえ、第2の実施形態のMTJ素子1Zを含むMRAMのデータの書き込み時において、磁場発生線RALが、STTによるMTJ素子1Zの記憶層10の磁化の反転に、悪影響を及ぼすことはない。
以上のように、第2の実施形態のMTJ素子1Zを含む磁気メモリは、第1の実施形態のMTJ素子を含む磁気メモリと同様に、書き込み電流(磁化反転電流、磁化反転しきい値)の増大無しに、読み出しディスターブを抑制できる。
したがって、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子を含む磁気メモリは、メモリ素子及びメモリの誤動作を抑制できる。
[その他]
第1及び第2の実施形態の磁気抵抗効果素子は、MRAM以外の磁気メモリに適用されてもよい。第1又は第2の磁気抵抗効果素子を用いた磁気メモリは、例えば、DRAM、SRAMなどの代替メモリとして、用いられる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,1A,1Z:磁気抵抗効果素子、MC:メモリセル、10:記憶層、11:非磁性膜、12:参照層、15:磁場印加層(面内磁場発生層)。

Claims (8)

  1. 磁気抵抗効果素子を含むメモリセルと、
    前記メモリセルに対するデータの書き込み時、前記磁気抵抗効果素子に、書き込み電流を流す書き込み回路と、
    前記メモリセルに対するデータの読み出し時、前記磁気抵抗効果素子に、前記書き込み電流より小さい読み出し電流を流す読み出し回路と、
    を具備し、
    前記磁気抵抗効果素子は、
    膜面に対して垂直方向の磁化を有し、磁化の向きが可変な第1の磁性膜と、
    膜面に対して垂直方向の磁化を有し、磁化の向きが不変な第2の磁性膜と、
    前記第1及び第2の磁性膜間の第1の非磁性膜と、
    前記第1の磁性膜における前記第1の非磁性膜側とは反対側に設けられ、膜面に対して平行方向の磁化を有し、前記第1の磁性膜の膜面に対して平行方向の磁場を前記第1の磁性膜に印加する第3の磁性膜を含む磁場印加層と、
    前記第1の磁性膜と前記磁場印加層との間に設けられる中間層と、
    を含み、
    前記書き込み電流及び前記読み出し電流は、前記第1及び第2の磁性膜間をそれぞれ流れ、
    前記読み出し電流が前記磁場印加層内に供給された場合における前記第3の磁性膜の磁化の大きさは、前記書き込み電流が前記磁場印加層内に供給された場合における前記第3の磁性膜の磁化の大きさより大きく、
    前記書き込み電流が前記磁場印加層内に供給された場合における前記第3の磁性膜の磁化の大きさは、ゼロである、
    ことを特徴とする磁気メモリ。
  2. 前記磁場印加層に供給される電流の大きさに依存して、前記第3の磁性膜の磁化の大きさが変化する、ことを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  3. 前記磁場印加層は、前記第3の磁性膜に対して前記中間層とは反対側に設けられ、前記第1の非磁性膜よりも低い抵抗値を有する第2の非磁性膜を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の磁気メモリ。
  4. 前記第3の磁性膜は、フェリ磁性膜からなり、前記第3の磁性膜に印加される熱の大きさに依存して、磁化の大きさが変化する、ことを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  5. 前記磁場印加層は、前記第3の磁性膜に対して前記中間層側とは反対側に設けられ、前記書き込み電流によって熱を発生させるための抵抗膜を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の磁気メモリ。
  6. 前記抵抗膜は、前記第3の磁性膜に対して前記中間層側とは反対側に設けられ、前記第1の非磁性膜の抵抗値より低い抵抗値を有する第3の非磁性膜からなる、ことを特徴とする請求項5に記載の磁気メモリ。
  7. 膜面に対して垂直方向の磁化を有し、磁化の向きが可変な第1の磁性膜と、
    膜面に対して垂直方向の磁化を有し、磁化の向きが不変な第2の磁性膜と、
    前記第1及び第2の磁性膜間の非磁性膜と、
    前記第1の磁性膜に対して前記非磁性膜側とは反対側に設けられ、前記第1の磁性膜の膜面に対して平行方向の磁場を、前記第1の磁性膜に印加する磁場印加層と、
    前記第1の磁性膜と前記磁場印加層との間に設けられ、前記第1の磁性膜と前記磁場印加層とを電気的に分離する絶縁層と、
    を具備し、
    前記第1及び第2の磁性膜間に読み出し電流を流す場合において、前記磁場印加層内に供給される磁場発生電流に起因する磁場が、前記第1の磁性膜に印加され、
    前記第1及び第2の磁性膜間に書き込み電流を流す場合において、前記磁場印加層内に磁場発生電流が供給されない、
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  8. 請求項7に記載の磁気抵抗効果素子を含むメモリセルを具備する磁気メモリ。
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