JP5542038B2 - 薄膜太陽電池およびその製造方法、薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

薄膜太陽電池およびその製造方法、薄膜太陽電池モジュール Download PDF

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本発明は、薄膜太陽電池およびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールに関し、特に入射した光の閉じ込め効果を高め、かつその上部に形成する薄膜内の欠陥を抑制する薄膜太陽電池およびその製造方法に関するものである。
現在、薄膜太陽電池に用いられている光閉じこめ技術としては、透明絶縁性基板側から光を入射する薄膜太陽電池の場合には、透明絶縁性基板上に形成した透明導電膜表面に凹凸構造を形成する方法が用いられている。この凹凸構造を形成する光閉じこめ技術は、光反射率の低減、光散乱効果により、薄膜太陽電池の光変換効率が向上することが一般的に知られている。詳しくは、透明絶縁性基板側から入射してきた光は、凹凸形状を有する透明導電膜と光電変換層との界面で散乱された後に光電変換層に入射するので、光電変換層に概ね斜めに入射する。そして、光電変換層に斜めに光が入射することにより、光の実質的な光路が延びて光の吸収が増大するため、光起電力素子の光電変換特性が向上して出力電流が増加する。
従来、凹凸構造を形成する透明導電膜として、酸化スズ(SnO)透明導電膜が良く知られている。一般的に、SnO透明導電膜に形成する凹凸構造は、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法により数10〜数100nm径の結晶粒を膜表面に成長させることにより形成される。しかし、このSnO膜表面に良好な凹凸構造を形成するためには、500〜600℃の高温プロセスが必要であり、また1μm程度の膜厚を要することから、製造コストが増大する要因の1つとなっている。
このため近年は、プラズマ耐性に優れるとともに資源の豊富さという観点から、SnOに変わる材料として酸化亜鉛(ZnO)が普及しつつある。しかし、ZnOの場合には、表面に良好な凹凸構造を形成するためには、2μm程度の膜厚を要するという問題があった。そこで、ZnO膜を低温形成で薄膜にした場合であっても良好な光閉じこめ効果を有する凹凸構造の形成方法として、ガラス基板上にスパッタリング法により透明導電膜を形成し、酸によりエッチングすることで表面に凹凸構造を形成する技術が報告されている。この方法により、太陽電池装置のコスト低減が期待されている。例えば特許文献1には、高反射金属膜上に積層した酸化亜鉛膜表面を2価カルボン酸を含む溶液に浸し、化学反応により析出した物質により凹凸構造を形成する方法が示されている。
また、例えば特許文献2には平板ガラスに粉末ガラスを載せて溶融することで凹凸構造を形成する方法が示されている。また特許文献3、4にはサンドブラスト加工により透明絶縁性基板の表面に凹凸構造を形成することが示されている。
特開平6−196734号公報 特開昭62−98677号公報 特開平9−199745号公報 特開平7−122764号公報
Yoshiyuki Nasuno et al. , "Effects of Substrate Surface Morphology on Microcrystalline Silicon Solar Cells ", Jpn. J. Appl .Phys. , The Japan Society of Applie Physics ,1 April 2001 , Vol40 , pp .L303-L305.
しかしながら、特許文献1では形成される凹凸形状のアスペクト比が大きくなり、凹凸に急峻な斜面が形成されるので素子においてはリークを誘発し、信頼性、歩留まりを低下させる問題がある。また、特許文献2の粒子を付着させる方法や、特許文献3、4のような機械的な加工法では上記のような非晶質膜などの光電変換層の膜厚に比べて大きな段差の凹凸ができやすく、Rmaxなどの表面粗さは大きくなる。このため光電変換層中に大きな残差が生じて断線等などを生じ、薄膜太陽電池の性能を低下させる問題がある。
また、これらのテクスチャ状に形成された透明電極を基板側の電極として使用する技術には、変換効率の向上に限界がある(例えば非特許文献1参照)。これは、テクスチャ状に形成された透明電極は、その上に形成された半導体薄膜に構造欠陥を誘起してしまうからである。透明電極の凹凸を増大させれば、半導体層の光吸収を増大させることができる。しかしながら、透明電極の凹凸の増大は、半導体薄膜に誘起される構造欠陥を増大させ、出力電圧を低下させる。したがって、透明電極に凹凸構造を形成することによる変換効率の向上には限界がある。このような背景から、変換効率を向上するための新たな技術の提供が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光散乱用のテクスチャ構造に起因した信頼性、光電変換特性の低下が防止され、良好な光閉じこめ効果を有し、信頼性、光電変換特性に優れた薄膜太陽電池およびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる薄膜太陽電池は、透明絶縁性基板と、前記透明絶縁性基板上に形成された反射防止層と、前記反射防止層上に前記反射防止層の表面形状に沿って形成された透明導電膜と、前記透明導電膜上に形成された光電変換層と、前記光電変換層上に形成された裏面電極層と、を備え、前記反射防止層は、前記透明絶縁性基板上に多層構造で形成されて前記透明絶縁性基板と反対側の面に平坦部と、前記平坦部からの深さが同一である複数の凹部とからなる凹凸パターンを有する多層反射防止膜と、前記多層反射防止膜上に前記多層反射防止膜の表面形状に沿って形成されるとともに前記多層反射防止膜と反対側の表面の凹凸形状が前記凹凸パターンの凹凸形状よりも緩和された酸化シリコン膜と、により構成されること、を特徴とする。
本発明によれば、良好な光閉じ込め効果を有し、信頼性、光電変換効率に優れた薄膜太陽電池が得られる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の概略構成を示す断面図である。 図2−1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜太陽電池を構成する透明導電膜付き透明基体の概略構造を示す断面図である。 図2−2は、多層反射防止膜の凹凸パターンの他の形態を示す断面図である。 図3−1は、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−2は、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−3は、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−4は、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−5は、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図3−6は、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。 図4は、実施例および比較例の薄膜太陽電池の短絡電流密度および開放電圧を示す特性図である。 図5は、本発明の実施の形態2にかかる薄膜太陽電池の概略構成を示す断面図である。
以下に、本発明にかかる薄膜太陽電池およびその製造方法、薄膜太陽電池モジュールの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の概略構成を示す断面図である。図2−1は、本発明の実施の形態1にかかる薄膜太陽電池を構成する透明導電膜付き透明基体の概略構造を示す断面図である。実施の形態1にかかる薄膜太陽電池は、透明絶縁性基板1上に反射防止層2、第1の電極層となる透明導電膜(透明電極層)5、第1光電変換ユニット6、裏面透明導電膜7、裏面電極層8が順次積層された構成を有する。
透明絶縁性基板1としては、透光性を有する絶縁基板が用いられる。このような透明絶縁性基板1には、通常は光透過率の高い材質が用いられ、例えば可視から近赤外領域までの吸収が小さいガラス基板が使用される。ガラス基板としては無アルカリガラス基板を用いてもよく、また、安価な青板ガラス基板を用いてもよい。この場合には、ガラスに含まれるアルカリ成分の拡散防止のためにその表面に〜100nm程度のSiO膜が形成されていることが好ましい。また、透明絶縁性基板1は、太陽光の全波長領域に対して良好な透過性があることが好ましい。なお、透明絶縁性基板1は必ずしもガラスである必要はなく、光を透過する絶縁性基板であれば、樹脂等の基板を用いることも可能である。
反射防止層2は、透明絶縁性基板1側から多層反射防止膜3と酸化シリコン(SiO)膜4とがこの順で積層されて透明絶縁性基板1と透明導電膜5との界面を構成する。反射防止層2は、薄膜太陽電池に入射した光の反射を抑制する反射防止機能と、薄膜太陽電池に入射した光を散乱させる光散乱機能とを有する。
多層反射防止膜3は、透明絶縁性基板1上に形成された絶縁膜であり、酸化シリコン(SiO)膜4側の表面層がシリコン酸化シリコン(SiO)からなる多層構造を有する。多層反射防止膜3を構成する多層膜としては、例えば透明絶縁性基板1からHfO膜とSiO膜との単位構造が数単位積層された多層構造膜、透明絶縁性基板1からNbO膜とSiO膜との単位構造が数単位積層された多層構造膜、透明絶縁性基板1からTaOとSiOとの単位構造が数単位積層された多層構造膜などが挙げられる。なお、多層反射防止膜3の最表層(透明導電膜5側)は、HfO膜等のSiO膜ではない膜とされる。しかし、多層反射防止膜3はこれらに限定されるものではなく、透明導電膜5側の表面に数nmの厚みの酸化シリコン(SiO)膜4側が設けられた状態で反射防止層2全体として反射防止効果を有する多層構造膜であれば、他の構造の膜でもよい。
また、反射防止層2は、多層反射防止膜3における第1光電変換ユニット6側の表面に平坦部と凹部とからなる複数の凹凸パターンを有する。そして、この凹凸パターン上に酸化シリコン(SiO)膜4が形成されている。図1および図2−1においては、反射防止層2の凹凸パターンの凹部が多層反射防止膜3を貫通して透明絶縁性基板1の内部に達している例を示している。しかし、図2−2に示すように反射防止層2の凹凸パターンの凹部が多層反射防止膜3の膜厚の途中で止まっている形態としてもよい。図2−2は、多層反射防止膜3の凹凸パターンの他の形態を示す断面図である。
平坦部の反射防止層2は、透明絶縁性基板1側から入射した光に対する反射防止膜として機能する。また、凹部の内壁部(斜面)の反射防止層2は、透明絶縁性基板1側から入射した光を散乱させ、第1光電変換ユニット6での光利用効率を高める機能を有する。詳しくは、透明絶縁性基板1側から凹部の内壁部(斜面)に入射した光は、凹部の内壁部(斜面)の反射防止層2と透明導電膜5との界面で反射されずに屈折し、該凹部内の他の内壁部(斜面)で反射して散乱された後に透明導電膜5を介して第1光電変換ユニット6に入射する。また、凹凸パターンの凹部が多層反射防止膜3を貫通して透明絶縁性基板1の内部に達している部分では、透明絶縁性基板1側から凹部の内壁部(斜面)に入射した光は、凹部の内壁部(斜面)の酸化シリコン(SiO)膜4と透明導電膜5との界面で屈折し、該凹部内の他の内壁部(斜面)で反射して散乱された後に透明導電膜5を介して第1光電変換ユニット6に入射する。したがって、反射防止層2では、平坦部における反射防止機能と凹部の内壁部(斜面)における散乱機能とにより入射光の反射成分を低減することができ、光の吸収が増大するため、太陽電池セルの光電変換特性が向上して出力電流が増加する。
多層反射防止膜3の凹凸パターンにおいて、多層反射防止膜3の凹部の内壁(斜面)が該凹部の底面となす角度は90度以上の鈍角とされている。すなわち、多層反射防止膜3の凹凸パターンの凹部の内壁(斜面)が透明絶縁性基板1の面方向となす傾斜角αは、90度未満の鋭角とされている。また、凹凸パターンの凹部の深さは、透明導電膜5上に急峻な凹凸段差を形成しないように、各凹凸が1μm以下の高低差を有する深さとされている。ここで、高低差とは、各凹凸における凸部と凹部との間の高さの差である。また、凹凸パターンの高低差の下限は、該基板を透過する光の干渉を低減させるため、0.1μm以上であることが望ましい。
多層反射防止膜3の凹凸パターンの形状については特に限定されないが、上部に形成される光電変換層の分光感度領域に鑑みて適当な形状とされるべきである。例えば、3層タンデム型の薄膜太陽電池においては、光電変換に適した光の波長が異なるトップ光電変換層、ミドル光電変換層、ボトム光電変換層のそれぞれに対応した分光感度領域中心波長を考慮した凹凸パターン形状を平面的に組み合わせた形状が形成されるべきである。すなわち、トップ光電変換層での光電変換に適した波長の光の透過光量の増加に適した凹凸パターンと、ミドル光電変換層での光電変換に適した波長の光の透過光量の増加に適した凹凸パターンと、ボトム光電変換層での光電変換に適した波長の光の透過光量の増加に適した凹凸パターンと、を透明絶縁性基板1の面方向において組み合わせた凹凸パターンが形成されることが好ましい。
また、凹凸パターンの平面方向周期、すなわち透明絶縁性基板1の面方向における凹凸パターンの周期は、光電変換層での光電変換に用いる光の主要波長領域である300nm〜1500nmに対して十分な反射成分の低減が図れるように、200nm〜1500nm程度の範囲とされることが好ましい。凹凸パターンの平面方向周期が短すぎる場合には、十分な反射成分の低減が図れない。また、このような範囲の平面方向周期が平面的に複合的に組み合わされた複合周期で構成されることが好ましい。
例えば、3層タンデム型の薄膜太陽電池においては、光電変換に適した光の波長が異なるトップ光電変換層、ミドル光電変換層、ボトム光電変換層のそれぞれに対応した分光感度領域中心波長を考慮した平面方向周期が組み合わせた複合周期とされるべきである。すなわち、トップ光電変換層での光電変換に適した波長の光の反射成分の低減に適した凹凸パターンと、ミドル光電変換層での光電変換に適した波長の光の反射成分の低減に適した凹凸パターンと、ボトム光電変換層での光電変換に適した波長の光の反射成分の低減に適した凹凸パターンと、を透明絶縁性基板1の面方向において組み合わせた複合周期とすることが好ましい。
以上のような多層反射防止膜3は、例えばCVD法などの公知の方法で形成できる。また、凹凸パターンは、例えばフォトリソグラフィーに代表される微細加工技術によって形成することができる。
酸化シリコン(SiO)膜4は、多層反射防止膜3上および凹凸パターンの凹部内を覆って数nmの膜厚で設けられている。したがって、透明絶縁性基板1の表面においては、平坦面上に多層反射防止膜3と酸化シリコン(SiO)膜4とが順次積層されている。また、凹凸パターンの凹部内の一部にも、多層反射防止膜部3と酸化シリコン(SiO)膜4とが順次積層されている。また、図1および図2−1においては、多層反射防止膜3の凹凸パターンの凹部が多層反射防止膜3を貫通して透明絶縁性基板1の内部に達しているため、透明絶縁性基板1の凹部内にも酸化シリコン(SiO)膜4が数nmの膜厚で設けられている。
酸化シリコン(SiO)膜4の透明導電膜5側の表面の形状は、多層反射防止膜3の凹凸パターンを引き継いだ形状とされている。そして、酸化シリコン(SiO)膜4の透明導電膜5側の表面の凹凸形状において、酸化シリコン(SiO)膜4の凹部の内壁(斜面)が透明絶縁性基板1の面方向となす傾斜角βは上記の角度αよりも小さく、凹凸形状が多層反射防止膜3の凹凸パターンの凹凸形状よりも緩和された滑らかな凹凸形状とされている。なお、酸化シリコン膜4におけるシリコン(Si)と酸素(O)との化学量論比は特に限定されない。また、本発明において酸化シリコン(SiO)膜4は、SiONのように窒素(N)を含んだものでもよい。
透明導電膜5は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO)および酸化ジルコニウム(ZrO)などの結晶性金属酸化物を主成分とする透明導電性酸化膜や、これらの透明導電性酸化膜にドーパントとしてアルミニウム(Al)を添加した膜などの透光性の膜によって構成される。また、透明導電膜5は、シート抵抗低減のためのドーパントとしてアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)から選択した少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜、ITO膜、SnO膜、またはこれらを積層して形成した透明導電膜であってもよく、光透過性を有している透明導電膜であればよい。
このような透明導電膜5は、例えばDCスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的方法や、スプレー法、ディップ法、熱CVD法や常圧CVD法等のCVD法などの化学的方法を用いて形成できる。本実施の形態では透明導電膜5は、例えば母材が酸化亜鉛(ZnO)であり、ドーパントとして〜3wt%程度の酸化アルミニウム(Al)をドープした膜厚が1000nmの膜とされる。
また、透明導電膜5は、表面に微小凹凸が形成された表面テクスチャ構造を有することが好ましい。このテクスチャ構造は、入射した太陽光を散乱させ、第1光電変換ユニット6での光利用効率を高める機能を有する。詳しくは、透明絶縁性基板1側から入射してきた光は、凹凸を有する透明導電膜5と第1光電変換ユニット6との界面で散乱された後に第1光電変換ユニット6に入射するので、第1光電変換ユニット6に概ね斜めに入射する。斜めに光が入射することにより、光の実質的な光路が延びて光の吸収が増大するため、太陽電池セルの光電変換特性が向上して出力電流が増加する。このような表面テクスチャ構造は、酸やアルカリによるウェットエッチングや、ドライエッチングなどにより形成できる。
本実施の形態では、第1光電変換ユニット6の下層の透明導電膜5の表面形状は、反射防止層2の表面形状を引き継いでおり、凹凸形状が緩和された滑らかな凹凸形状とされている。すなわち、透明導電膜5の第1光電変換ユニット6側の表面の凹凸形状は、凹凸形状が緩和された滑らかな界面形状とされている。また、反射防止層2の表面形状が滑らかな凹凸形状とされているため、透明導電膜5では、下層の表面形状に起因した構造欠陥が発生していない。
第1光電変換ユニット6はp型半導体層6a、i型(真性)光電変換層6b、n型半導体層6cが積層されたp−i−n接合を含んで構成され、本実施の形態では、母材が微結晶シリコン膜とされている。なお、第1光電変換ユニット6の母材は、例えばSiO、SiGe、SiCなどのシリコンを含む化合物を用いることができる。また、p−i−n接合を構成する3層ないしこれ以上の多層構造の母材は一致している必要はなく、その相構造については特に限定されず、非晶質構造、微結晶構造、ナノ結晶構造、結晶構造などの構造が採用可能である。
薄膜太陽電池の出力電圧の低下は、特に急峻なピット状凹凸部の直上に形成される光電変換層の構造欠陥によるものであることが透過電子顕微鏡による解析等で分かっている。したがって、出力電圧の低下を防ぐためには、光電変換層の下層の表面形状が急峻な凹凸形状ではなく、緩やかな凹凸形状であることが必要である。
本実施の形態では、第1光電変換ユニット6の下層の透明導電膜5の表面の凹凸形状は滑らかな形状とされているため、滑らかな界面形状を引き継いだ第1光電変換ユニット6が構造欠陥なく形成されており、第1光電変換ユニット6の構造欠陥に起因した出力電圧の低下が抑制されている。
裏面透明導電膜7は、透明導電膜5と同様に酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化スズ(SnO)および酸化ジルコニウム(ZrO)などの結晶性金属酸化物を主成分とする透明導電性酸化膜や、これらの透明導電性酸化膜にドーパントとしてアルミニウム(Al)を添加した膜などの透光性の膜によって構成される。また、裏面透明導電膜7は、シート抵抗低減のためのドーパントとしてアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)から選択した少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜、ITO膜、SnO膜、またはこれらを積層して形成した透明導電膜であってもよく、光透過性を有している透明導電膜であればよい。
このような裏面透明導電膜7は、透明導電膜5と同様に例えばDCスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的方法や、スプレー法、ディップ法、熱CVD法や常圧CVD法等のCVD法などの化学的方法を用いて形成できる。本実施の形態では裏面透明導電膜7は、例えば母材が酸化亜鉛(ZnO)であり、ドーパントとして〜3wt%程度の酸化アルミニウム(Al)をドープした膜厚が1000nmの膜とされる。
裏面電極層8は、裏面電極として機能するとともに、第1光電変換ユニット6で吸収されなかった光を反射して再度第1光電変換ユニット6に戻す反射層として機能するため、光電変換効率の向上に寄与する。したがって、裏面電極層8は、光反射率が大きく導電率が高いことが好ましい。このような裏面電極層8は、例えば銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属材料、またはこれらの金属材料の合金、これらの金属材料の窒化物、これらの金属材料の酸化物などにより形成することができる。なお、これらの裏面電極層8の具体的材料は特に限定されるものではなく、周知の材料から適宜に選択して用いることができる。裏面電極層8は、蒸着法やスパッタリング法などの公知の方法によって作製できる。
以上のように構成された実施の形態1にかかる薄膜太陽電池では、透明絶縁性基板1と透明導電膜5との界面に滑らかな凹凸形状の反射防止層2を有することにより、該界面において入射光の反射成分が低減され、光散乱成分が増加する。これにより、第1光電変換ユニット6への入射光の入射光量、実効光路長、光強度が共に増加し、出力電流の増加が実現されている。また、該界面がなす滑らかな凹凸形状により、その上部に成膜された透明導電膜5には構造欠陥が誘起されず、該透明導電膜5の第1光電変換ユニット6側の表面形状は該界面の滑らかな界面形状を引き継いでいる。そして、さらにその上部には滑らかな界面形状を引き継いだ第1光電変換ユニット6が構造欠陥なく形成されており、第1光電変換ユニット6での短絡及びリークが防止され、第1光電変換ユニット6の構造欠陥に起因した出力電圧の低下が抑制されている。したがって、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池によれば、良好な光閉じ込め効果を有し、信頼性、光電変換効率に優れた薄膜太陽電池が実現されている。
図3−1〜図3−6は、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造工程を説明するための断面図である。以下、図3−1〜図3−6を参照して実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法について説明する。はじめに透明絶縁性基板1を準備する。透明絶縁性基板1としては、例えばガラス基板を用いる(以下ガラス基板1と記載)。本実施の形態では、ガラス基板1として無アルカリガラス基板を用いた場合について説明する。また、ガラス基板1として安価な青板ガラス基板を用いてもよいが、この場合には基板からのアルカリ成分の拡散を防止するためにプラズマ化学気相成長(PCVD)法によりSiO膜を100nm程度の膜厚で形成するのがよい。
次に、ガラス基板1の一面側に反射防止層2を形成する。まず、ガラス基板1の一面側に多層反射防止膜3として、例えばHfO膜とSiO膜との多層構造膜をCVD法により順次形成する(図3−1)。例えば透明絶縁性基板1からHfO膜とSiO膜との単位構造がこの順で2単位積層され、その上にHfO膜が積層された多層構造膜を形成する。次に、多層反射防止膜3の表面に、平坦部と凹部とからなる複数の凹凸パターンを形成する。例えば、多層反射防止膜3を貫通して透明絶縁性基板1の内部に達するように多層反射防止膜3の表面に凹部を作製して凹凸パターンを形成する(図3−2)。
ここで、凹凸パターンにおいて凹部の内壁(斜面)31が透明絶縁性基板1の面方向となす角度αは90度以上の鈍角とされる。また、凹凸パターンの凹部の深さは、1μm以下の高低差を有する深さとされる。また、凹凸パターンの平面方向周期は、200nm〜1500nm程度の範囲とされる。凹凸パターンは、例えばフォトリソグラフィーに代表される微細加工技術によって形成される。
次に、多層反射防止膜3上および凹凸パターンの凹部内を覆って数nmの膜厚で酸化シリコン(SiO)膜4を例えばCVD法により形成する(図3−3)。多層反射防止膜3の凹凸パターンの凹部は多層反射防止膜3を貫通して透明絶縁性基板1の内部に達しているため、透明絶縁性基板1の凹部内にも酸化シリコン(SiO)膜4が数nmの膜厚で形成される。
ここで、酸化シリコン(SiO)膜4の表面の凹凸形状は、酸化シリコン(SiO)膜4の凹凸パターンにおいて、凹部の内壁(斜面)41が透明絶縁性基板1の面方向となす角度βは上記の角度αよりも大きく、凹凸形状が多層反射防止膜3の凹凸パターンの凹凸形状よりも緩和された滑らかな凹凸形状とされる。これにより、反射防止層2が形成され、透明導電膜付き透明基体が得られる。
次に、透明導電膜5として、3wt%程度の酸化アルミニウム(Al)をドープした酸化亜鉛(ZnO)をCVD法により1000nmの膜厚で酸化シリコン(SiO)膜4上に形成する(図3−4)。また、例えばウェットエッチングにより透明導電膜5の表面に微小凹凸を形成して表面テクスチャ構造を形成する。
次に、透明導電膜5上に第1光電変換ユニット6を公知の方法で形成する(図3−5)。例えば第1光電変換ユニット6として、透明導電膜5側からp型の微結晶シリコン膜、i型(真性)の微結晶シリコン膜、n型の微結晶シリコン膜をPCVD法により順次形成する。
次に、第1光電変換ユニット6上に裏面透明導電膜7を公知の方法で形成する(図3−6)。例えば、第1光電変換ユニット6上に酸化亜鉛(ZnO)膜からなる裏面透明導電膜7をスパッタリング法により形成する。また、成膜方法として、CVD法などの他の成膜方法を用いてもよい。
続いて、裏面透明導電膜7上に裏面電極層8を公知の方法で形成する(図3−6)。例えば、裏面透明導電膜7上に高反射率を有する銀(Ag)膜からなる裏面電極層8をスパッタリング法により形成する。以上の処理により、図1に示す実施の形態1にかかる薄膜太陽電池が得られる。
上述したような実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法では、透明絶縁性基板1と透明導電膜5との界面に滑らかな凹凸形状の反射防止層2を形勢することにより、該界面において入射光の反射成分が低減され、光散乱成分が増加する。これにより、第1光電変換ユニット6への入射光の入射光量、実効光路長、光強度が共に増加し、出力電流の増加が実現されている。また、該界面がなす滑らかな凹凸形状により、その上部に成膜された透明導電膜5には構造欠陥が誘起されず、該透明導電膜5の第1光電変換ユニット6側の表面形状は該界面の滑らかな界面形状を引き継ぐ。そして、さらにその上部には滑らかな界面形状を引き継いだ第1光電変換ユニット6が構造欠陥なく形成されるため、第1光電変換ユニット6での短絡及びリークが防止され、第1光電変換ユニット6の構造欠陥に起因した出力電圧の低下が抑制される。したがって、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、良好な光閉じ込め効果を有し、信頼性、光電変換効率に優れた薄膜太陽電池を実現することができる。
次に、具体的な実施例に基づいて説明する。上述した実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法により作製した薄膜太陽電池を実施例の薄膜太陽電池とする。また、従来例として、反射防止層2を作製せずにガラス基板1に透明導電膜として酸によるエッチングで形成された凹凸構造を表面に有する酸化亜鉛膜を形成すること以外は実施例の薄膜太陽電池と同様にして薄膜太陽電池を作製した。この薄膜太陽電池を従来例の薄膜太陽電池とする。なお、従来例の薄膜太陽電池では、透明導電膜の表面の凹凸パターンの高低差は500nm程度であった。
これらの薄膜太陽電池に対して、ソーラーシミュレーターを用いて光を基板側から入射して動作させ、短絡電流密度(mA/cm)と開放電圧(V)を測定して、太陽電池としての特性を評価した。その結果を図4に示す。図4は、実施例および比較例の薄膜太陽電池の短絡電流密度(mA/cm)および開放電圧(V)を示す特性図である。
図4より、実施例の薄膜太陽電池と比較例の薄膜太陽電池とを比較すると、短絡電流密度は同程度であるが、開放電圧は実施例の薄膜太陽電池の方が比較例の薄膜太陽電池よりも10%程度大きく、光電変換効率の高い薄膜太陽電池が得られていることが分かる。これは、実施例の薄膜太陽電池が反射防止層2を有することにより、透明絶縁性基板1と透明導電膜5との界面において入射光の反射成分が低減され、光散乱成分が増加し、また第1光電変換ユニット6の構造欠陥に起因した出力電圧の低下が抑制されているためであると考えられる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2にかかる薄膜太陽電池の概略構成を示す断面図である。実施の形態2にかかる薄膜太陽電池が、実施の形態1の薄膜太陽電池と異なる点は、光電変換ユニットが2層積層されているタンデム型の薄膜太陽電池とされていることである。すなわち、実施の形態2にかかる薄膜太陽電池は、透明絶縁性基板1上に反射防止層2、透明導電膜(透明電極層)5、第1光電変換ユニット6、中間層9、第2光電変換ユニット10、裏面透明導電膜7、裏面電極層8が順次積層された構成を有する。図5において、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池と同様の部材については、図1と同じ符号を付し、説明を省略する。
中間層9は、第1光電変換ユニット6と第2光電変換ユニット10との間に設けられ、ZnO、ITO、SnO、SiO等の導電性を有する透明な膜からなる。
第2光電変換ユニット10は、p型半導体層10a、i型(真性)光電変換層10b、n型半導体層10cが積層されたp−i−n接合を含んで構成される。第2光電変換ユニット6の母材は、第1光電変換ユニット6の光吸収波長帯域よりも長波長領域に吸収係数のピークを持つ材料であることが好ましい。また、p−i−n接合を構成する3層ないしこれ以上の多層構造の母材は一致している必要はなく、その相構造については特に限定されず、非晶質構造、微結晶構造、ナノ結晶構造、結晶構造などの構造が採用可能である。例えば第1の光電変換ユニット6が非晶質シリコン(a−Si)を母材とする場合には、第2光電変換ユニット10の母材としては非晶質シリコンゲルマニウム(a−SiGe)や微結晶シリコン(μc−Si)、微結晶シリコンゲルマニウム(μc−SiGe)等を用いることできる。
以上のように構成された実施の形態2にかかる薄膜太陽電池においては、透明絶縁性基板1と透明導電膜5との界面に滑らかな凹凸形状の反射防止層2を有することにより、該界面において入射光の反射成分が低減され、光散乱成分が増加する。これにより、第1光電変換ユニット6および第2光電変換ユニット10への入射光の入射光量、実効光路長、光強度が共に増加し、出力電流の増加が実現されている。また、該界面がなす滑らかな凹凸形状により、その上部に成膜された透明導電膜5には構造欠陥が誘起されず、該透明導電膜5の第1光電変換ユニット6側の表面形状は該界面の滑らかな界面形状を引き継いでいる。そして、さらにその上部には滑らかな界面形状を引き継いだ第1光電変換ユニット6が構造欠陥なく形成されており、第1光電変換ユニット6での短絡及びリークが防止され、第1光電変換ユニット6の構造欠陥に起因した出力電圧の低下が抑制されている。また、中間層9および第2光電変換ユニット10も滑らかな界面形状を引き継いでおり、第2光電変換ユニット10が構造欠陥なく形成されて第2光電変換ユニット10での短絡及びリークが防止され、第2光電変換ユニット10の構造欠陥に起因した出力電圧の低下が抑制されている。したがって、実施の形態2にかかる薄膜太陽電池によれば、良好な光閉じ込め効果を有し、信頼性、光電変換効率に優れた薄膜太陽電池が実現されている。
なお、上記においては光電変換ユニットが2層積層されたタンデム型の薄膜太陽電池について説明したが、光電変換ユニットの積層数は2層に限定されず、n層(nは2以上の整数)以上の光電変換ユニットが積層された積層構造とされてもよい。この場合は、第n光電変換ユニットの吸収波長帯域は第(n−1)光電変換ユニットの吸収波長帯域よりも長波長領域である必要がある。また、先に示した中間層9については、第nの光電変換ユニットと第(n+1)の光電変換ユニットの界面に存在していてもよい。
また、上記の実施の形態で説明した構成を有する薄膜太陽電池セルを透明絶縁性基板1上に複数形成し、隣接する薄膜太陽電池セル同士を電気的に接続することにより、良好な光閉じ込め効果を有し、信頼性、光電変換効率に優れた薄膜太陽電池モジュールが実現できる。この場合は、隣接する薄膜太陽電池セルの一方の透明導電膜(透明電極層)5と他方の裏面電極層8とを電気的に接続すればよい。
以上のように、本発明にかかる薄膜太陽電池は、良好な光閉じこめ効果を有し、信頼性、光電変換特性に優れた薄膜太陽電池の実現に有用である。
1 透明絶縁性基板(ガラス基板)
2 反射防止層
3 多層反射防止膜
4 酸化シリコン膜
5 透明導電膜
6 第1光電変換ユニット
6a p型半導体層
6b i型(真性)光電変換層
6c n型半導体層
7 裏面透明導電膜
8 裏面電極層
9 中間層
10 第2光電変換ユニット
10a p型半導体層
10b i型(真性)光電変換層
10c n型半導体層

Claims (9)

  1. 透明絶縁性基板と、
    前記透明絶縁性基板上に形成された反射防止層と、
    前記反射防止層上に前記反射防止層の表面形状に沿って形成された透明導電膜と、
    前記透明導電膜上に形成された光電変換層と、
    前記光電変換層上に形成された裏面電極層と、
    を備え、
    前記反射防止層は、
    前記透明絶縁性基板上に多層構造で形成されて前記透明絶縁性基板と反対側の面に平坦部と、前記平坦部からの深さが同一である複数の凹部とからなる凹凸パターンを有する多層反射防止膜と、
    前記多層反射防止膜上に前記多層反射防止膜の表面形状に沿って形成されるとともに前記多層反射防止膜と反対側の表面の凹凸形状が前記凹凸パターンの凹凸形状よりも緩和された酸化シリコン膜と、
    により構成されること、
    を特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 前記酸化シリコン膜の前記光電変換層側の表面の凹凸形状は、凹部の内壁と前記透明絶縁性基板の面方向とのなす角度が前記凹凸パターンの凹部の内壁と前記透明絶縁性基板の面方向とのなす角度よりも小さくされて前記凹凸パターンの凹凸形状よりも緩和されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 前記透明絶縁性基板の面方向における前記凹凸パターンの周期が、200nm〜150
    0nmの範囲であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の薄膜太陽電池。
  4. 前記光電変換層が複数積層されていること、
    を特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の薄膜太陽電池。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載の複数の薄膜太陽電池が電気的に直列に接続されて
    いること、
    を特徴とする薄膜太陽電池モジュール。
  6. 透明絶縁性基板上に多層構造を有する多層反射防止膜を形成する第1工程と、
    前記多層反射防止膜の表面に、平坦部と複数の凹部とからなる凹凸パターンを、リソグラフィ技術を用いて前記凹凸パターンにおける前記複数の凹部の前記平坦部からの深さを同一の深さとして形成する第2工程と、
    前記凹凸パターンが形成された前記多層反射防止膜上に、前記多層反射防止膜の表面形状に沿うとともに表面の凹凸形状が前記凹凸パターンよりも緩和された表面形状を有する酸化シリコン膜を形成する第3工程と、
    前記酸化シリコン膜上に前記酸化シリコン膜の表面形状に沿って透明導電膜を形成する第4工程と、
    前記透明導電膜上に光電変換層を形成する第5工程と、
    前記光電変換層上に裏面電極層を形成する第6工程と、
    を含むこと、
    を特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
  7. 前記第3工程では、前記酸化シリコン膜の表面の凹凸形状における凹部の内壁と前記透明絶縁性基板の面方向とのなす角度が、前記凹凸パターンの凹部の内壁と前記透明絶縁性基板の面方向とのなす角度よりも小さくすること、
    を特徴とする請求項に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 前記透明絶縁性基板の面方向における前記凹凸パターンの周期を200nm〜1500nmの範囲とすること、
    を特徴とする請求項またはに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  9. 前記光電変換層を複数積層すること、
    を特徴とする請求項のいずれか1つに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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