以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1から図14は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1は内視鏡システムの全体構成図、図2は内視鏡の挿入部において、湾曲部の上下方向の湾曲を説明するための図、図3は内視鏡の挿入部において、湾曲部の左右方向の湾曲を説明するための図、図4は図2に対応した湾曲部の内部構成を示す図、図5は図3に対応した湾曲部の内部構成を示す図、図6はマウスピースが患者に銜えられた状態を示し、内視鏡の挿入部の構成、及び装置本体の内部構成を示すブロック図、図7は上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例を示すフローチャート、図8はモニタに表示される口腔内への挿入時における内視鏡画像(観察画像)を示す図、図9は挿入部の先端部が食道入口である狭窄部に到達した状態を示す断面図、図10は従来の挿入部の挿入手技における、挿入部の先端部が食道入口である狭窄部に到達した状態を示す断面図、図11は図9に対応した湾曲部の内部構造を示す図、図12は挿入部の先端部が胃に到達直前のモニタに表示される内視鏡画像(観察画像)を示す図、図13は胃に挿入部の先端部が到達した状態を示す図、図14はモニタに表示される胃内の内視鏡画像(観察画像)を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡システム1は、内視鏡2と、この内視鏡2が接続された光源装置機能が内蔵されたビデオプロセッサであり、制御部である装置本体3と、この装置本体3と電気的に接続された内視鏡画像(観察画像)を表示する表示部であるモニタ4と、この装置本体3に接続されたマウスピース5と、を有して主に構成されている。
内視鏡2は、観察対象部位へ挿入する細長の中空状長尺部材としての挿入部11と、この挿入部11の基端部にユーザによる把持部となると共に、各種操作をおこなうための操作部12と、この操作部12の側面より延設されたユニバーサルケーブル13と、を有
して構成されている。そして、内視鏡2は、ユニバーサルケーブル13の端部に設けられたコネクタ部13aが装置本体3に着脱自在に接続されている。
内視鏡2の挿入部11は、先端側に先端部14を有し、この先端部14の後部に湾曲自在な可動部としての湾曲部15が連続されている。更に、この湾曲部15の後部に軟性の管状の部材より形成される長尺で可撓性を有する可撓管部16が連設されている。
先端部14には、CCD、CMOS等の各種イメージセンサである撮像装置を構成する撮像部が内蔵されている。そして、挿入部11、操作部12、及びユニバーサルケーブル13には、装置本体3に内蔵される光源からの光を伝送するライトガイドバンドルが配設されている。このライトガイドバンドルにより伝送された光は、先端部14から撮像装置の撮影領域に照明光として出射される。
また、操作部12には、湾曲部15のUP/DOWNの湾曲操作を行うUD湾曲操作ノブ17と、湾曲部15のRIGHT/LEFTの湾曲操作を行うRL湾曲操作ノブ18と、が重畳配置された湾曲操作部19等が所定の位置に配設されている。
すなわち、UD湾曲操作ノブ17は、回動操作により、その回動量に応じて、湾曲部15を上下方向に湾曲可動する角度を可変することができる。一方、RL湾曲操作ノブ18は、回動操作により、その回動量に応じて、湾曲部15を左右方向に湾曲可動する角度を可変することができる。尚、この上下左右方向は、先端部14の撮像装置のチップによる画像の水平垂直転送方向の上下左右が一致する方向である。つまり、内視鏡2が撮影する画像の上下左右方向と、湾曲部15が湾曲操作される上下左右方向と、が一致する方向である。
また、内視鏡2は、図2、及び図3に示すように、湾曲部15の最大湾曲角度が設定されており、湾曲部15がニュートラルの状態から、UP側へ最大210°、DOWN側へ最大90°、及びRIGHT側とLEFT側へ共に最大100°に湾曲操作できるように構成されている。その理由として、図4、及び図5に示すように、湾曲部15内には、回動自在な複数の湾曲駒15aが設けられており、これら湾曲駒15aは隣接する前後の当接部15b間の切り欠き量S分だけ移動することで、湾曲部15が上下左右湾曲する湾曲角度が設定されている。また、これら湾曲駒15aの当接部15b間の切り欠き量Sが、湾曲駒15b自身の強度、剛性等を考慮すると共に、内視鏡検査に必要とされる湾曲角度を考慮して、UP側、DOWN側、RIGHT側、及びLEFT側で異なる切り欠き量Su,Sd,Sr,Slが夫々設定されているためである。すなわち、湾曲駒15aの当接部15b間の夫々の切り欠き量Sが、UP側、DOWN側、RIGHT側、及びLEFT側で異なる量が設定されているため、UP側、DOWN側、RIGHT側、及びLEFT側へ湾曲部15が設定された最大湾曲角度210°、90°、及び100°以上に湾曲できない構成となっている。
内視鏡2の挿入部11は、図6に示すように、先端部14の先端面から450mm〜500mmの長さ範囲における、先端部14、湾曲部15、及び可撓管部16の外表面が、ここでは生体適合性のある黒色の塗装がされた濃色部41と、この濃色部41以降の可撓管部16の外表面が、ここでは生体適合性のある白色の塗装がされた淡色部42と、を有している。また、先端部14の先端面から450mm〜500mmの長さ範囲は、人体の口腔の入口から胃に到達する上部体腔の一般的な長さである。つまり、一般的な人体の口腔の入口から胃に到達する上部体腔の長さが450mm〜500mmであり、これに合わせて、先端部14の先端面から450mm〜500mmの位置で挿入部11の外表面の色が濃色部41と淡色部42に濃淡区分けされている。
尚、本実施の形態の内視鏡2は、所謂、上部内視鏡といわれるもので、患者の口腔から上部側の体腔内、食道を介して、胃内に軟性の挿入部11を挿入するタイプのものである。この内視鏡2は、従来から用いられているものであるため、その他に備える各種構成についての詳しい説明を省略する。
マウスピース5は、弾性のある合成樹脂により形成され、通信ケーブル21が延設されている。そして、マウスピース5は、通信ケーブル21の延出端部に設けられたコネクタ部21aが装置本体3と着脱自在に接続され、装置本体3と電気的に接続される。また、マウスピース5には、図6に示すように、患者が銜えたとき、外部側に位置するフランジ状の先端部から突出する突起部22が形成され、この突起部22に位置検出部を構成する光センサ23が組み込まれている。この光センサ23は、通信ケーブル21を介して、検出信号を装置本体3に出力する。
装置本体3には、従来からのビデオプロセッサ、及び光源装置が備える各種構成の他、図6に示すように、映像化回路31と、表示制御部を構成する画像反転回路32と、反射光強度検出部33と、モード切替スイッチ34と、が配設されている(映像化回路31は、既存のビデオプロセッサに備えられたものを利用しても良い)。
映像化回路31は、内視鏡2と、図1に示した、ユニバーサルケーブル13のコネクタ部13aを介して、電気的に接続され、内視鏡2の先端部14内の撮像装置から光電変換された撮像信号が入力される。そして、映像化回路31は、入力された撮像信号をモニタ4に表示させるための映像信号に変換して、画像反転回路32に出力する。
映像信号が入力された画像反転回路32は、その時点における後述する指定された画像方向に従って、モニタ4へ映像信号を出力する。そして、モニタ4は、映像信号に基づいて、内視鏡2が撮影した内視鏡画像(観察画像)を表示する。
また、反射光強度検出部33は、図1に示したように、装置本体3と着脱自在に接続された、マウスピース5から延出する通信ケーブル21の端部に設けられたコネクタ部21aを介して、電気的に接続される。この反射光強度検出部33は、マウスピース5の光センサ23から出力された反射光強度検出信号に応じて、切替信号をモード切替スイッチ34に出力する。
つまり、マウスピース5の光センサ23は、マウスピース5内に挿通され、通過する内視鏡2の挿入部11の外表面に塗装された濃色部41、及び淡色部42の夫々の反射光の強度の違いを検出し、そのときの反射光強度を検出信号として反射光強度検出部33へ出力する。すなわち、挿入部11の濃色部41、及び淡色部42に反射する反射光は、濃色部41の反射強度が微弱であり、淡色部42の反射強度が増大するため、その違いを光センサ23が検出する。
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1による、上部体腔内の検査、治療等のときに、患者の口腔から内視鏡2の挿入部11を挿入するときの動作、及び作用を図7のフローチャートの各ルーチン(各ステップS)、及び主に図8から図14に基づいて、以下に説明する。
先ず、術者は、図1に示したように内視鏡システム1を準備する。そして、患者にマウスピース5を銜えさせて、上部内視鏡検査を開始する。尚、このとき、術者は、マウスピース5の突起部22が図6に示したように、患者の頭部側に位置するように、マウスピース5を患者に銜えさせる(ここでは、マウスピース5の突起部22が患者の頭側に位置するようにしているが、患者に対して予め設定された所定方向に位置していれば良く、例えば、顎側であっても良い)。こうして、上部内視鏡検査の準備が行われる。
次に、術者は、図7に示すように、装置本体3の電源をONする(S1)。すると、装置本体3は、自動で、モード切替スイッチ34がONされる(S2)。尚、このステップS2のモード切替スイッチ34がONされるタイミングは、ステップS1の装置本体3の電源ONの代わりに、検査開始スイッチを設けて、このスイッチのONによるもの、内視鏡2の撮像部が行うホワイトバランス設定の完了時、又は装置本体3の光源装置による照明光の点灯時に合わせて実行するように制御しても良い。
ステップS2の後、モード切替スイッチ34から画像反転回路32に制御信号が出力され、画像反転回路32がONされる(S3)。このとき、画像反転回路32は、内視鏡2の撮像部が光電変換した撮像信号を映像化回路31により映像信号化された、入力される映像信号に基づいた画像を180°回転(反転)させた内視鏡画像(観察画像)をモニタ4に表示させると共に、モニタ4の表示画面上、画面下部側に「挿入モード」の文字を表示させる(図8参照)(S4)。つまり、内視鏡2の撮像部が撮影する内視鏡画像(観察画像)は、通常、湾曲部15のUP側が上に、湾曲部15のDOWN側が下となるように、上下方向の映像が設定されているが、モニタ4上では、180°回転した、上下左右逆さまに表示される。このように、内視鏡2の撮像部が撮影した画像を上下左右逆さまにして、モニタ4が内視鏡画像(観察画像)を表示する状態が挿入モードとなる。尚、ここでは、画面下部側に「挿入モード」の文字を表示させているが、モニタ4上の任意の位置に「挿入モード」の文字を表示させるようにしても良い。
次に、術者は、内視鏡2の挿入部11を180°回転させる(S5)。ここで、従来の内視鏡検査では、術者は内視鏡2の挿入部11を通常、湾曲部15のUP湾曲側を患者の舌側、つまり、湾曲部15のDOWN湾曲側を患者の頭部側となるように、マウスピース5を介して口腔へ挿入する。この挿入手技の場合、図10に示すように、挿入部11の先端部14が患者の食道入口部である狭窄部と接触した状態で、さらに挿入部11を狭窄部内へ押し込んだ場合、UP側湾曲部の構造から、挿入部11の先端部14が狭窄部に固定された状態で、挿入部11へ押し込みの力が加えられる。そのため、湾曲部15の基端側に大きな曲げモーメントが生じ、湾曲部15の基端側の湾曲駒15a群の屈曲度合いが大きく(鋭角に)なり、咽喉後壁を強く圧迫する。この状態では、患者は湾曲部15の基端側の湾曲駒15a群の屈曲部による圧迫により、強い嘔吐反射を生じてしまう。
これに対し、図11に示すように、術者が内視鏡2の挿入部11を180°回転させ、湾曲部15のUP湾曲側を患者の頭部側、つまり、湾曲部15のDOWN湾曲側を患者の舌部側となるように挿入部11が180°回転した状態でマウスピース5を介して口腔へ挿入されると、挿入部11の先端部14が患者の食道入口部である狭窄部と接触した状態で、さらに挿入部11を狭窄部内へ押し込んだ場合に、湾曲部15の基端側に大きな曲げモーメントが生じても、DOWN湾曲側の湾曲角度が機械的に90°以上湾曲しない。そのため、湾曲部15の基端側の湾曲駒15a群は、UP湾曲側を患者の舌側となるように挿入した場合の湾曲部15の基端側の湾曲駒15a群よりも屈曲度合いが大きく(鋭角)ならず、咽喉後壁の圧迫が低減される。これにより、咽喉後壁を強く圧迫することなく、挿入部11の先端部14を患者の食道入口内へ挿入することが可能となる。これにより、湾曲部15の基端側の湾曲駒15a群による咽喉後壁の圧迫が低減されることで、患者の嘔吐反射を低減させることが可能となる。
従って、本実施の形態では、内視鏡2の挿入部11が湾曲部15のUP湾曲側を患者の頭部側、つまり、湾曲部15のDOWN湾曲側を患者の舌部側となるように、挿入部11が180°回転された状態で、マウスピース5を介して口腔へ挿入される。
術者は、患者の口腔内において、湾曲部15をニュートラルの状態からDOWN側へ軽く湾曲させた後、挿入部11を食道入口部である狭窄部へ挿入する(S6)。尚、このとき、術者は、図8に示す内視鏡画像(観察画像)のアプローチ方向に沿って、図9に示すように、湾曲部15を最大に湾曲させた状態で狭窄部を見下ろし、患者の嚥下運動時に狭窄部が開くタイミングに合わせて、挿入部11の先端部14を食道入口部へ挿入する。
このとき、術者は、図8に示すように、モニタ4が表示している内視鏡2の撮像部による撮影された内視鏡画像(観察画像)が上下左右逆さまに180°回転されているため、患者の舌側が上方であり、患者の背側が下方となる、従来から見慣れているもので挿入操作を行うことができる。そのため、術者は、挿入部11の湾曲部15におけるUP湾曲側を患者の頭部側、つまり、湾曲部15のDOWN湾曲側を患者の舌部側となるように、挿入部11を180°回転した状態のまま挿入しても、モニタ4に表示されている内視鏡画像(観察画像)に違和感を覚えることなく挿入部11の先端部14を食道入口である狭窄部を通過させて、頸部食道内へ挿入することができる。さらに、挿入部11は、湾曲部15のUP湾曲側が患者の咽喉壁(咽喉後壁)に接触するが、湾曲部15のDOWN湾曲側の最大湾曲角度が90°であるため、急遽な屈曲状態とならず、従来の挿入手技に比して、患者の嘔吐反射を低減させることができる。
また、内視鏡2の挿入部11の挿入時において、マウスピース5の光センサ23からは、通過する挿入部11の外表面に向けて光が照射されている(S7)。そして、光センサ23は、挿入部11の外表面に反射した反射光を受けて、装置本体3の反射光強度検出部33に反射光検出信号を出力する。この反射光検出信号が入力された反射光強度検出部33は、反射光強度を測定し(S8)、その反射光強度が所定の強度よりも大きいか否かを判定する(S9)。このステップS9において、反射光強度が所定の強度よりも小さい場合、再度、ステップS7に戻り、ステップS7からステップS9のルーチンが繰り返される。
つまり、マウスピース5の光センサ23が検出する挿入部11に反射した反射光が所定の強度よりも小さいとき、挿入部11に塗装された濃色部41に光センサ23からの光が照射されて、濃色部41に反射している状態であるため、挿入部11の先端部14が患者の胃内へ到達していない挿入状態である。
一方で、ステップS9において、反射光強度が所定の強度よりも大きい場合、反射光強度検出部33からモード切替スイッチ34にOFFの切替信号を出力する。これにより、モード切替スイッチ34がOFFする(S10)。
そして、モード切替スイッチ34から画像反転回路32に制御信号が出力され、画像反転回路32がOFFされる(S11)。このとき、画像反転回路32は、内視鏡2の撮像部が光電変換した撮像信号を映像化回路31により映像信号化された、入力される映像信号に基づいた内視鏡画像(観察画像)に合わせて、反転していた画像を180°回転させて通常に戻し、モニタ4に表示させると共に、モニタ4の表示画面上、ここでは画面下部側に「観察モード」の文字を表示させる{図14参照(S12)}。
つまり、マウスピース5の光センサ23が検出する挿入部11に反射した反射光が所定の強度よりも大きいとき、挿入部11に塗装された淡色部42に光センサ23からの光が照射されている状態であるため、挿入部11の先端部14が患者の胃内へ到達した状態である。
このとき、術者は、モニタ4に表示される観察モードを確認したら、図13に示すように、内視鏡2の挿入部11を180°回転する(S13)。そして、術者は、通常の上部内視鏡検査と同様の操作により、患者の胃内部を観察、治療等を行う(S14)。その後、術者は、患者の胃内部を観察、治療等が終了したら、内視鏡2の挿入部11を患者の体内から抜去して(S15)、上部内視鏡検査を終了する。
以上のように、本実施の形態の内視鏡システム1は、内視鏡2の挿入部11の先端部14が患者の口腔から胃まで到達するまでの挿入時において、内視鏡2の撮像部が撮影してモニタ4に表示される内視鏡画像(観察画像)が上下左右の180°回転した画像に制御するため、従来から行っていた挿入部11の挿入手技でのモニタ4に表示される内視鏡画像(観察画像)と方向が同一となり、術者に違和感を与えない構成とすることができる。これにより、術者は、内視鏡2の挿入部11の湾曲部15が鋭角に屈曲しない最大で90°にしか機械的に湾曲形状とならないDOWN湾曲方向へ湾曲部15を湾曲操作し、UP湾曲側の外表面を咽喉壁(咽喉後壁)に沿わして、患者の嘔吐反射を低減すると共に、従来から見慣れている上下方向の内視鏡画像(観察画像)で確認しながら、患者の上部体腔内、特に挿入が困難である食道入口部である狭窄部を容易に挿入部11の先端部14を通過させて食道内へ挿入することが容易に行える。
また、内視鏡システム1は、患者の胃内に挿入部11の先端部14が到達すると、自動で、モニタ4に表示される内視鏡画像(観察画像)が内視鏡2の撮像部が撮影する上下左右方向と一致した通常の画像に切替える。これにより、術者は、モニタ4に表示される通常の内視鏡画像(観察画像)で確認しながら、従来と変わらず、患者の胃内部の観察、治療などのための各種操作を行える。
尚、本実施の形態では、内視鏡2の挿入部11が湾曲部15のUP湾曲側を患者の頭部側、つまり、湾曲部15のDOWN湾曲側を患者の舌部側となるように挿入部11が180°回転した状態で、マウスピース5を介して口腔へ挿入したが、術者は、湾曲部15のRIGHT湾曲側、又はLEFT湾曲側を患者の舌部側となるように挿入部11が90°回転させた状態で患者の口腔へ挿入しても良い。
つまり、湾曲部15は、RIGHT湾曲側、又はLEFT湾曲側が機械的にも最大で100°しか湾曲しないため、UP湾曲側の210°の最大湾曲角度に比して鈍角な状態となる。そのため、挿入部11、特に湾曲部15の外表面が咽喉壁(咽喉後壁)に接触するとき、屈曲することなく滑らかに接触し、湾曲部15のDOWN湾曲側を患者の舌部側にしたときより若干の効果が低くなるが、UP湾曲側に比して患者の嘔吐反射を低減することができる。
この場合、装置本体3は、挿入部11の挿入操作が行われている上述の挿入モードのとき、画像反転回路32が入力される映像化回路31により映像信号化され映像信号に基づいた画像をRIGHT湾曲側、又はLEFT湾曲側に対応して90°回転させた内視鏡画像(観察画像)をモニタ4に表示させるように制御する。そして、装置本体3は、患者の胃に挿入部11の先端部14が到達した上述の観察モードのとき、90°回転させている内視鏡画像(観察画像)を通常に戻し、モニタ4に表示させるように制御する。
尚、図15に示すように、内視鏡2の挿入部11は、先端部14の先端面から450mm〜500mmの可撓管部16外周の位置にアルミ膜等の生体適合性のある高反射部材である高反射率マーキング43が設けられていても良い。また、図15は、変形例を示し、マウスピースが患者に銜えられた状態を示し、内視鏡の挿入部の構成、及び装置本体の内部構成を示すブロック図である。
つまり、図7のステップS9において、マウスピース5の光センサ23が高反射率マーキング43に反射した反射強度の強い反射光を検出すると、ステップS10での反射光強度検出部33からモード切替スイッチ34にOFFの切替信号が出力され、モード切替スイッチ34がOFFされる。また、ここでのモード切替スイッチ34は、一度切替えられたON/OFFを継続して切替えるラッチ式スイッチが用いられる。
(第1変形例)
次に、上述の内視鏡システム1において、挿入モード、及び観察モードの切替を術者が任意に行える構成の内視鏡2の構成である場合の制御例を図16のフローチャートに基づいて、以下に説明する。尚、図16は、本実施の形態の第1の変形例を示す、上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例を示すフローチャートである。
また、以下の説明では、図16において、図7に示した各ルーチン(ステップS)が同一のものについて、同じステップS番号を付して、それら各ルーチンの説明を省略する。
図16に示すように、装置本体3は、電源がONされると(S1)、モニタ4上に挿入モードへの切替指示を表示させる。このモニタ4への表示は、例えば、「挿入モードに切り換えてください」等の文字表示に加え、ブザー等による報知を行うようにしても良い。
この挿入モードへの切り替え指示を確認した術者は、内視鏡2の操作部12に設けられた所定のスイッチ(図1では不図示)を手動でON操作すると、装置本体3のモード切替スイッチ34がONされる(S2A)。すると、装置本体3のモード切替スイッチ34から画像反転回路32に制御信号が出力され、画像反転回路32がONされる(S3)。このとき、画像反転回路32は、内視鏡2の撮像部が光電変換した撮像信号を映像化回路31により映像信号化された、入力される映像信号に基づいた画像を180°回転(反転)させた内視鏡画像(観察画像)をモニタ4に表示させる。これ以降のルーチン(ステップS)は、ステップS9まで、図7と同じである。
また、ステップS9において、反射光強度が所定の強度よりも大きい場合、装置本体3は、モニタ4上に観察モードへの切替指示を表示させる(S9A)。このモニタ4への表示は、例えば、「観察モードに切り換えてください」等の文字表示に加え、上述と同様にブザー等による報知を行うようにしても良い。
この観察モードへの切替指示を確認した術者は、内視鏡2の操作部12に設けられた所定のスイッチを手動でOFF操作すると、装置本体3のモード切替スイッチ34がOFFされる(S10A)。すると、装置本体3のモード切替スイッチ34から画像反転回路32に制御信号が出力され、画像反転回路32がOFFされる(S11)。これ以降のルーチン(ステップS)は、図7と同じである。
以上のように、ここでの内視鏡システム1は、内視鏡画像(観察画像)の上下左右を180°回転させてモニタ4に表示する挿入モード、又は上下左右方向が通常の状態の内視鏡画像(観察画像)をモニタ4に表示する観察モードの切替を術者が任意で行えるような構成としても良い。
(第2の変形例)
次に、上述の内視鏡システム1において、使用される内視鏡2は、湾曲部15を電動湾曲するタイプが用いられ、この内視鏡2の構成を図17に基づいて説明すると共に、この内視鏡2を使用した場合の制御例を図18のフローチャートに基づいて、以下に説明する。尚、図17は、本実施の形態の第2の変形例を示し、電動湾曲内視鏡を示す斜視図、図18、及び図19は上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例の一部を示すフローチャートである。
図17に示す、ここでの内視鏡2は、湾曲部15が上下2方向に湾曲するタイプであって、湾曲部15の湾曲操作を行う湾曲操作指示部であるUD湾曲操作レバー17aが操作部12に回動自在に設けられている。この内視鏡2の操作部12内には、UD湾曲操作レバー17aの回動操作に応じて、湾曲部15内の複数の湾曲駒(不図示)を牽引弛緩して湾曲部15を湾曲させる操作ワイヤ(不図示)をプーリ等により進退駆動させるアングルモータ6が設けられている。
このアングルモータ6は、UD湾曲操作レバー17aの湾曲指示制御信号がユニバーサルケーブル13を介して、一端、装置本体3に出力され、この装置本体3から駆動制御信号が折り返されてユニバーサルケーブル13を介して入力されることで、回転制御される。尚、このように湾曲部15を電動で湾曲させる内視鏡2は、従来からあるものであるため、その他の構成についての説明を省略する。
以上のように、湾曲部15が電動湾曲する内視鏡2を用いた場合、装置本体3は、図18、又は図19に示すような制御例を実行する。尚、以下の説明において、装置本体3は、上述した、図7、又は図16のフローチャートにおける破線で囲んだステップS3からステップS4のルーチンを(A)、及びステップS11からステップS12を(B)として、これらルーチン(A),(B)を図18、又は図19の各ルーチン(ステップS)に置き換えた制御例を実行する。
図18に示すように、装置本体3は、ステップS2(図7)、又はステップS2A(図16)で自動、又は手動でモード切替スイッチ34がONされると、モード切替スイッチ34から出力された制御信号に基づき画像反転回路32がONされる(S31)。この画像反転回路32がONである間、装置本体3は、アングルモータ6の回転方向を反転し、湾曲部15のアングル方向を反転する(S32)。
つまり、装置本体3は、画像反転回路32がONである間だけ、入力されるUD湾曲操作レバー17aの湾曲指示制御信号に基づいて、駆動制御信号を通常とは反対にアングルモータ6を回転駆動させる駆動制御信号として出力する。換言すると、装置本体3は、画像反転回路32がONである間だけ、入力されるUD湾曲操作レバー17aの湾曲指示制御信号に基づいて、アングルモータ6を回転駆動する駆動制御信号を湾曲部15が湾曲するUP/DOWN方向を逆にしたアングルモータ6を回転駆動させる駆動制御信号として出力する。
そして、装置本体3の画像反転回路32は、内視鏡2の撮像部が光電変換した撮像信号を映像化回路31により映像信号化された、入力される映像信号に基づいた画像を180°回転(反転)させた内視鏡画像(観察画像)をモニタ4に表示させると共に、モニタ4の表示画面上、ここでは画面下部側に「挿入モード」の文字を表示させる(図8参照)(S33)。
また、装置本体3は、ステップS10(図7)、又はステップS10A(図16)で自動、又は手動でモード切替スイッチ34がOFFされると、モード切替スイッチ34から出力された制御信号に基づき画像反転回路32がOFFされる(S31)。この画像反転回路32がOFFである間、装置本体3は、反転していたアングルモータ6の回転方向を元に戻し、現在の湾曲部15のアングル方向を反転(通常に戻す)する(S32)。
つまり、装置本体3は、画像反転回路32がOFFであるとき、入力されるUD湾曲操作レバー17aの湾曲指示制御信号に基づいて、アングルモータ6を回転駆動する駆動制御信号を通常に回転駆動させる駆動制御信号として出力する。換言すると、装置本体3は、画像反転回路32がOFFであるとき、入力されるUD湾曲操作レバー17aの湾曲指示制御信号に基づいて、アングルモータ6を回転駆動する駆動制御信号を湾曲部15が湾曲するUP/DOWN方向を通常としてアングルモータ6を回転駆動させる駆動制御信号として出力する。
そして、画像反転回路32は、内視鏡2の撮像部が光電変換した撮像信号を映像化回路31により映像信号化された、入力される映像信号に基づいた内視鏡画像(観察画像)に合わせて、反転していた画像を180°回転させて通常に戻し、モニタ4に表示させると共に、モニタ4の表示画面上、ここでは画面下部側に「観察モード」の文字を表示させる{図14参照(S33)}。
尚、図19に示すように、装置本体3は、ステップS31において、モード切替スイッチ34から出力された制御信号に基づき画像反転回路32がON、又はOFFした後、入力されるUD湾曲操作レバー17aの湾曲指示制御信号を入れ替える(S32A)制御を行うようにしても良い。
つまり、装置本体3は、図18に示した制御例の出力するアングルモータ6を回転制御する駆動制御信号を入れ替えるのではなく、入力される湾曲指示信号を入れ替え制御して、アングルモータ6を回転制御する駆動制御信号を出力する。換言すると、装置本体3は、画像反転回路32がONである間だけ、入力されるUD湾曲操作レバー17aの湾曲指示制御信号を逆に入れ替え制御して、その入れ替えられた湾曲指示制御信号に基づいて、アングルモータ6を回転駆動する駆動制御信号を出力する。すなわち、装置本体3は、アングルモータ6の回転方向を逆に制御するのではなく、入力される湾曲指示制御信号を逆に読み取って、アングルモータ6を回転駆動する。
以上のように、ここでの内視鏡システム1は、内視鏡画像(観察画像)の上下左右を180°回転させてモニタ4に表示する上下左右逆さまの挿入モード、又は上下左右方向が通常の状態の内視鏡画像(観察画像)をモニタ4に表示する観察モードに応じて、内視鏡2の湾曲部15のUP/DOWN方向の湾曲操作を逆方向、又は通常方向に切り換え制御するため、術者がモニタ4に表示された、そのモード時の内視鏡画像(観察画像)の上下(UP/DOWN)方向に合わせて、違和感なく湾曲部15のUP/DOWNの湾曲操作が行える構成とすることができる。
尚、以上では、上下の2方向にしか湾曲部15が湾曲しない電動湾曲の内視鏡2を例示したが、勿論、上下左右方向の4方向に湾曲部15を湾曲させることのできる電動湾曲の内視鏡に転用することは可能である。このように上下左右方向に湾曲部15が電動で湾曲する内視鏡では、上下の他、RIGHT/LEFT方向の湾曲操作を逆方向、又は通常方向に入れ替え制御するように構成すれば良い。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の内視鏡システム1について、図20、及び図21に基づいて以下に説明する。尚、図20、及び図21は、第2の実施の形態に係り、図20はマウスピースが患者に銜えられた状態を示し、内視鏡の挿入部の構成、及び装置本体の内部構成を示すブロック図、図21は上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例の一部を示すフローチャートである。尚、本実施の形態の説明において、第1の実施の形態の内視鏡システム1の構成と同一のものには同じ符号を用いて、それら構成の詳細な説明を省略すると共に、同一作用についても省略する。
ところで、内視鏡2の挿入部11は、従来から、図20に示すように、可撓管部16の外周面上の周方向に、患者の体腔内への挿入長を表示するための表示部である白線表示44が先端部14から150mmの位置から50mm間隔で印刷されている。
本実施の形態の内視鏡システム1は、図6に示したマウスピース5に設けられる光センサ23に代えて、マウスピース5の突起部22に位置検出部であるCCD等の撮像部24を設けた構成となっている。この撮像部24は、マウスピース5に挿入された内視鏡2の挿入部11に従来から印刷されている白線表示44を撮影する。この撮像部24が光電変換した撮像信号は、通信ケーブル21を介して、装置本体3に出力される。
また、装置本体3には、図6に示した反射光強度検出部33に代えて、撮像部24の撮像信号が入力されるカウンタ35が内蔵されている。このカウンタ35は、モード切替スイッチ34と電気的に接続され、所定のカウント数が設定されており、この所定のカウント数に達すると、モード切替スイッチ34に切替信号を出力する構成となっている。
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1は、装置本体3が図21に示すフローチャートの各ルーチン(ステップS)に従った制御例を実行する。尚、以下の説明において、装置本体3は、上述した、図7、又は図16のフローチャートにおける破線で囲んだステップS7からステップS9のルーチンを(B)として、このルーチン(B)を図21の各ルーチン(ステップS)に置き換えた制御例を実行する。
装置本体3は、術者が挿入部11を180°回転させて(S5)、DOWN側アングルを使用して内視鏡2の挿入部11を患者の上部体腔内に挿入している(S6)とき、実際には、ステップS4(図7、及び図16)でモニタ4上に「挿入部モード」を表示させた後、図21に示すように、マウスピース5の撮像部24から内視鏡2の挿入部11の画像データを取得する(S41)。このとき、画像データである撮像信号は、撮像部24から通信ケーブル21を介して、装置本体3のカウンタ35に入力される。
そして、カウンタ35は、入力された画像データから内視鏡2の挿入部11に印刷された白線表示44の通過回数をカウントする(S42)。カウンタ35は、白線表示44の通過回数が所定の回数、ここでは7回以上であるか否かを判定する(S43)。
つまり、挿入部11は、先端部14の先端面から150mmの位置から50mm間隔で白線表示44が印刷されているため、基端側へ7つ目の白線表示44が先端部14の先端面から450mmの長さ位置となる。尚、挿入部11の先端面から500mmの長さ位置に設定したい場合、基端側へ8つ目の白線表示44をカウントして検出する基準値に設定すれば良い。
このステップS43において、装置本体3では、白線表示44の通過回数が7回未満の場合、再度、ステップS41に戻り、ステップS41からステップS43のルーチンが繰り返される。
一方で、ステップS43において、白線表示44の通過回数が7回以上となった場合、カウンタ35は、モード切替スイッチ34にOFFの切替信号を出力する。これにより、モード切替スイッチ34がOFFする(図7のS10)。また、図16の制御例においては、モニタ4上に観察モードへの切替指示を表示させる(S9A)。以降については、図7、又は図16に示した各ルーチン(ステップS)に従って実行される。
このように、本実施の形態の内視鏡システム1は、マウスピース5の撮像部24によって撮影した、挿入部11の白線表示44の通過回数をカウンタ35によってカウントして、挿入モードと観察モードの切替を実行する。つまり、マウスピース5の撮像部24が撮影する挿入部11に印刷された白線表示44の通過回数が7回以上となった場合、挿入部11の先端部14が患者の胃内へ到達した状態である。
このような構成としても、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部11の先端部14が患者の胃内へ到達すると、挿入モードから自動、又は手動で内視鏡画像(観察画像)を180°回転させて、通常の観察状態である観察モードに戻すため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態の内視鏡システム1について、図22、及び図23に基づいて以下に説明する。尚、図22、及び図23は、第3の実施の形態に係り、図22はマウスピースが患者に銜えられた状態を示し、内視鏡の挿入部の構成、及び装置本体の内部構成を示すブロック図、図23は上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例の一部を示すフローチャートである。尚、本実施の形態の説明においても、第1の実施の形態の内視鏡システム1の構成と同一のものには同じ符号を用いて、それら構成の詳細な説明を省略すると共に、同一作用についても省略する。
本実施の形態の内視鏡システム1は、図22に示すように、図6に示したマウスピース5に設けられる光センサ23に代えて、マウスピース5の突起部22に位置検出部である磁気センサ25が設けられた構成となっている。また、本実施の形態の内視鏡2は、挿入部11において、先端部14の先端面から450mm〜500mmとなる可撓管部16内の位置に磁石45が設けられている。
マウスピース5の磁気センサ25は、マウスピース5に挿入された内視鏡2の挿入部11に設けられた磁石45により磁界強度の変化を検知する。この磁気センサ25が検出した磁界強度の検出信号は、通信ケーブル21を介して、装置本体3に出力される。
また、装置本体3には、図6に示した反射光強度検出部33に代えて、磁気センサ25の検出信号が入力される磁界強度検出部36が内蔵されている。この磁界強度検出部36は、モード切替スイッチ34と電気的に接続され、所定の磁界強度が設定されており、この所定の磁界強度よりも大きな磁界強度を検出すると、モード切替スイッチ34に切替信号を出力する構成となっている。尚、ここでのモード切替スイッチ34は、ラッチ式の切替スイッチである。
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1は、装置本体3が図23に示すフローチャートの各ルーチン(ステップS)に従った制御例を実行する。尚、以下の説明においても、装置本体3は、上述した、図7、又は図16のフローチャートにおける破線で囲んだステップS7からステップS9のルーチンを(B)として、このルーチン(B)を図23の各ルーチン(ステップS)に置き換えた制御例を実行する。
装置本体3は、術者が挿入部11を180°回転させて(S5)、DOWN側アングルを使用して内視鏡2の挿入部11を患者の上部体腔内に挿入している(S6)とき、実際には、ステップS4(図7、及び図16)でモニタ4上に「挿入部モード」を表示させた後、図23に示すように、マウスピース5の磁気センサ25によって磁界強度が検出される(S51)。このとき、磁気センサ25の検出信号は、磁気センサ25から通信ケーブル21を介して、装置本体3の磁界強度検出部36に入力される。
そして、磁界強度検出部36は、入力された検出信号から磁界強度を測定する(S52)。磁界強度検出部36は、入力された検出信号の磁界強度が予め設定された所定の強度よりも大きいか否かを判定する(S53)。
このステップS53において、装置本体3では、磁界強度が所定の強度以下であった場合、再度、ステップS51に戻り、ステップS51からステップS53のルーチンが繰り返される。
一方で、ステップS53において、磁界強度が所定の強度以下となった場合、磁界強度検出部36は、モード切替スイッチ34にOFFの切替信号を出力する。つまり、磁気センサ25を通して、磁界強度検出部36により検出される磁界強度は、通過する挿入部11に配設された磁石45の位置によって変化する。そのため、磁界強度検出部36は、磁気センサ25により入力された検出信号から磁界強度の変化を判定している。
これにより、モード切替スイッチ34がOFFする(図7のS10)。また、図16の制御例においては、モニタ4上に観察モードへの切替指示を表示させる(S9A)。以降については、図7、又は図16に示した各ルーチン(ステップS)に従って実行される。
このように、本実施の形態の内視鏡システム1は、マウスピース5の磁気センサ25によって検出した、挿入部11に配設された磁石45による磁界強度の変化によって、挿入モードと観察モードの切替を実行する。つまり、マウスピース5の磁気センサ25が挿入部11の磁石45の通過時に磁界強度が大きく変化することを検出すると、挿入部11の先端部14が患者の胃内へ到達した状態である。
このような構成としても、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部11の先端部14が患者の胃内へ到達すると、挿入モードから自動、又は手動で内視鏡画像(観察画像)を180°回転させて、通常の観察状態である観察モードに戻すため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態の内視鏡システム1について、図24、及び図25に基づいて以下に説明する。尚、図24、及び図25は、第4の実施の形態に係り、図24は内視鏡の操作部に設けられた湾曲操作ノブ、及び装置本体の内部構成を示すブロック図、図25は上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例の一部を示すフローチャートである。尚、本実施の形態の説明においても、第1の実施の形態の内視鏡システム1の構成と同一のものには同じ符号を用いて、それら構成の詳細な説明を省略すると共に、同一作用についても省略する。
本実施の形態の内視鏡システム1は、図24に示すように、内視鏡2の操作部12に回動自在に配設されたU/D湾曲操作ノブ17の回動軸17bの回転量を検出する位置検出部であるエンコーダ46が設けられている。このエンコーダ46は、回動軸17bの回転量を検出して、その検出信号を装置本体3内に内蔵される角度検出回路37にユニバーサルケーブル13を介して出力する。
また、装置本体3内には、2つの第1、第2モード切替スイッチ38,39が設けられている。尚、ここでの第1、第2モード切替スイッチ38,39は、共にラッチ式の切替スイッチである。
この角度検出回路37は、エンコーダ46の検出信号に基づいて、内視鏡2の湾曲部15の湾曲角度を演算する。そして、角度検出回路37は、湾曲部15が所定の角度、ここではDOWN湾曲側の角度が最大の90°に湾曲したとき、第1モード切替スイッチ38に切替信号を出力し、再度、湾曲部15が所定の角度、ここではDOWN湾曲側の角度が0°以下、つまり、UP湾曲側を含む角度に湾曲したとき、第2モード切替スイッチ38に切替信号を出力する。
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1は、装置本体3が図25に示すフローチャートの各ルーチン(ステップS)に従った制御例を実行する。尚、以下の説明において、装置本体3は、上述した、図7のフローチャートにおける破線で囲んだステップS7からステップS10のルーチンを(B´)として、このルーチン(B´)を図25の各ルーチン(ステップS)に置き換えた制御例を実行する。
尚、図7に示したステップS2の自動でモード切替スイッチがONされるルーチンでは、第1、第2モード切替スイッチ38,39が共にONされる。このステップS2の後、本実施の形態では、第1、第2モード切替スイッチ38,39から画像反転回路32に制御信号が出力されないと、ステップS3での画像反転回路32は、ON制御がなされない構成である。
そして、術者が挿入部11を180°回転させて(S5)、DOWN側アングルを使用して内視鏡2の挿入部11を患者の上部体腔内に挿入している(S6)とき、術者によって、患者の口腔内から食道内へ挿入部11をスムーズに挿入するため、内視鏡2の湾曲部15がDOWN湾曲側に湾曲操作される。このとき、UD湾曲操作ノブ17が所定の方向へ回動操作される。
このとき、エンコーダ46は、U/D湾曲操作ノブ17の回動軸17bの回転量を検出し(S61)、その検出信号を装置本体3の角度検出回路37へ出力する。検出信号が入力された角度検出回路37は、湾曲部15のU/D側アングル角度を演算する(S62)。
そして、角度検出回路37は、湾曲部15のDOWN側アングルが90°であるか否かを判定する(S63)。このステップS63において、角度検出回路37は、湾曲部15のDOWN側アングルが90°でない場合、再度、ステップS62に戻り、ステップS62からステップS63のルーチンが繰り返される。
一方で、ステップS63において、湾曲部15のDOWN側アングルが90°となった場合、角度検出回路37は、第1モード切替スイッチ38にOFFの切替信号を出力する。これにより、第1モード切替スイッチ38がOFFする(S64)。そして、第1モード切替スイッチ38から画像反転回路32に制御信号が出力される。
続けて、角度検出回路37には、エンコーダ46がU/D湾曲操作ノブ17の回動軸17bの回転量の検出信号が入力され、湾曲部15のU/D側アングル角度を演算する(S65)。そして、角度検出回路37は、湾曲部15のDOWN側アングルが0°以下となったか否かを判定する(S66)。このステップS66においても、角度検出回路37は、湾曲部15のDOWN側アングルが0°以下でない場合、再度、ステップS65に戻り、ステップS65からステップS66のルーチンが繰り返される。
一方で、ステップS66において、湾曲部15のDOWN側アングルが0°以下となった場合、角度検出回路37は、第2モード切替スイッチ39にOFFの切替信号を出力する。これにより、第2モード切替スイッチ39がOFFする(S67)。そして、第2モード切替スイッチ39から画像反転回路32に制御信号が出力される。
本実施の形態の装置本体3は、第1、第2モード切替スイッチ38,39の両方から画像反転回路32に制御信号が出力されると、画像反転回路32がOFFする(図7のS11)構成となっている。以降については、図7に示した各ルーチン(ステップS)に従って実行される。
つまり、内視鏡2は、挿入部11が患者の食道入口部である狭窄部を通過するとき、先ず、先端部14が狭窄部を臨むように湾曲部15の湾曲角度が最大の90°に操作される。そして、この狭窄部を通過した後、食道に湾曲部15全体が挿入されると、湾曲部15の湾曲角度がニュートラルとなる略直線状の0°、又はUP側へ湾曲操作される0°以下に操作されることを検出している。
内視鏡2の挿入部11が食道に入ってしまえば、内視鏡画像(観察画像)の表示方向を通常の上下左右方向に反転しても、術者はモニタ4に表示される画像に違和感を覚えることがない。このように、本実施の形態の内視鏡システム1は、湾曲部15のDOWN側への湾曲操作に基づいて、挿入部11の湾曲部15が食道入口部である狭窄部を通過するまでを挿入モードとし、湾曲部15が完全に食道に挿入されると観察モードとした切替を実行する。
このような構成としても、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部11の先端部14、及び湾曲部15全体が、ここでは患者の食道内へ到達すると、挿入モードから自動で内視鏡画像(観察画像)を180°回転させて、通常の観察状態である観察モードに戻すため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態の内視鏡システム1は、湾曲部15の湾曲状態を検出して、挿入モードと観察モードの切替を行う構成であるため、各種センサを備えた上述の各マウスピース5を用いる必要がなくなる。また、内視鏡システム1は、挿入モードと観察モードの切替を行うタイミングにおいて、マウスピース5の各種センサの検出結果の誤差、及び内視鏡2の挿入部11に設けられる各種被検出部のマーキング処理、配置位置等の誤差が生じることがない。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態の内視鏡システム1について、図26に基づいて以下に説明する。尚、図26は、第5の実施の形態に係り、上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例の一部を示すフローチャートである。尚、本実施の形態の説明においても、第1の実施の形態の内視鏡システム1の構成と同一のものには同じ符号を用いて、それら構成の詳細な説明を省略すると共に、同一作用についても省略する。
本実施の形態の内視鏡システム1は、第4の実施の形態の変形例であり、挿入部11の湾曲部15の湾曲角度を操作ワイヤの移動量を検出する図示しない位置検出部である検出器を内視鏡2の挿入部11に設けた構成としている。
つまり、術者によって、患者の口腔内から食道内へ挿入部11をスムーズに挿入するため、内視鏡2の湾曲部15がDOWN湾曲側に湾曲操作されたときに、U/D湾曲操作ノブ17の回動操作によって、図26に示すように、牽引弛緩される操作ワイヤの移動量を検出器(不図示)が検出する(S61A)。このとき、検出器は、そのときの検出信号を装置本体3の図24に示した角度検出回路37へ出力する。検出信号が入力された角度検出回路37は、第4の実施の形態と同様にして、湾曲部15のU/D側アングル角度を演算する(S62)。以降は、図25に示した各ルーチン(ステップS)に従って実行され、そして、図7に示した各ルーチン(ステップS)に従って実行される。
このような構成としても、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部11の先端部14、及び湾曲部15全体が、ここでは患者の食道内へ到達すると、挿入モードから自動で内視鏡画像(観察画像)を180°回転させて、通常の観察状態である観察モードに戻すため、第1の実施の形態、及び第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態の内視鏡システム1について、図27、及び図28に基づいて以下に説明する。尚、図27、及び図28は、第6の実施の形態に係り、図27はマウスピースが患者に銜えられた状態を示し、内視鏡の挿入部の構成、及び装置本体の内部構成を示すブロック図、図28は上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例の一部を示すフローチャートである。尚、本実施の形態の説明においても、第1の実施の形態の内視鏡システム1の構成と同一のものには同じ符号を用いて、それら構成の詳細な説明を省略すると共に、同一作用についても省略する。
図27に示すように、内視鏡2の挿入部11の先端部14に内蔵される撮像装置である撮像部14aからの撮像信号は、ここでは、ビデオプロセッサの機能を備えた装置本体3内に出力される。装置本体3内には、撮像部14aからの撮像信号が入力され、この撮像信号に含まれるRGB信号の夫々の輝度状態を検出し、位置検出部を夫々構成するR輝度検出回路53、G輝度検出回路54、及びB輝度検出回路55が内蔵されている。また、装置本体3において、R輝度検出回路53は、R輝度検出部、G輝度検出回路54はG輝度検出部、及びB輝度検出回路55はB輝度検出部を構成する。
また、装置本体3内には、第4の実施の形態と同様に、2つの第1、第2モード切替スイッチ38,39が設けられている。尚、ここでの第1、第2モード切替スイッチ38,39は、共にラッチ式の切替スイッチである。尚、本実施の形態においても、図7に示したステップS2の自動でモード切替スイッチがONされるルーチンでは、第1、第2モード切替スイッチ38,39が共にONされる。このステップS2の後、本実施の形態では、第1、第2モード切替スイッチ38,39から画像反転回路32に制御信号が出力されないと、ステップS3の画像反転回路32は、ON制御がなされない構成である。
上述の3つの輝度検出回路のうち、G輝度検出回路54は、第1モード切替スイッチ38に電気的に接続され、この第1モード切替スイッチ38へ切替信号を出力する。また、B輝度検出回路55は、第2モード切替スイッチ39に電気的に接続され、この第1モード切替スイッチ39へ切替信号を出力する。
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1は、装置本体3が図28に示すフローチャートの各ルーチン(ステップS)に従った制御例を実行する。尚、以下の説明においても、装置本体3は、上述した、図7のフローチャートにおける破線で囲んだステップS7からステップS10のルーチンを(B´)として、このルーチン(B´)を図29の各ルーチン(ステップS)に置き換えた制御例を実行する。
術者が挿入部11を180°回転させて(S5)、DOWN側アングルを使用して内視鏡2の挿入部11を患者の上部体腔内に挿入している(S6)とき、つまり、図8から図12に示した口腔内から食道内へ挿入部11を挿入しているとき、内視鏡2の撮像部14aが撮影している体腔内組織の色が略白色となる。尚、この状態において、本実施の形態の内視鏡システム1は、撮像部14aから出力される撮像信号のRGB輝度信号を基準値とする。
また、装置本体3は、図28に示すように、内視鏡2の撮像部14aからの撮像信号が入力され(S71)、先ず、G輝度検出回路54によって、入力された撮像信号のG輝度信号強度を検出する(S72)。そして、G輝度検出回路54は、検出したG輝度信号強度が所定の値よりも小さいか否か、つまり、上記基準値よりも所定の値に小さいか否かを判定する(S73)。
このステップS73において、G輝度検出回路54は、検出したG輝度信号強度が所定の値よりも小さい値でない場合、再度、ステップS72に戻り、ステップS72からステップS73のルーチンが繰り返される。
一方で、ステップS73において、検出したG輝度信号強度が所定の値よりも小さい値となった場合、G輝度検出回路54は、第1モード切替スイッチ38にOFFの切替信号を出力する。これにより、第1モード切替スイッチ38がOFFする(S74)。そして、第1モード切替スイッチ38から画像反転回路32に制御信号が出力される。
続けて、B輝度検出回路55が入力された撮像信号のB輝度信号強度を検出する(S75)。そして、B輝度検出回路55は、検出したB輝度信号強度が所定の値よりも小さいか否か、つまり、上記基準値よりも所定の値に小さいか否かを判定する(S76)。
このステップS76において、B輝度検出回路55は、検出したB輝度信号強度が所定の値よりも小さい値でない場合、再度、ステップS75に戻り、ステップS75からステップS76のルーチンが繰り返される。
一方で、ステップS76において、検出したB輝度信号強度が所定の値よりも小さい値となった場合、B輝度検出回路55は、第2モード切替スイッチ39にOFFの切替信号を出力する。これにより、第2モード切替スイッチ39がOFFする(S77)。そして、第2モード切替スイッチ39から画像反転回路32に制御信号が出力される。
本実施の形態の装置本体3は、第4の実施の形態と同様に、第1、第2モード切替スイッチ38,39の両方から画像反転回路32に制御信号が出力されると、画像反転回路32がOFFする(図7のS11)構成となっている。以降については、図7に示した各ルーチン(ステップS)に従って実行される。
すなわち、RGB信号の輝度状態のうち、GB輝度が所定の値よりも小さくなった場合、胃内に挿入部11の先端部14が到達して、図14に示したような胃壁の内視鏡画像(観察画像)が表示される。上部体腔のうち、胃は、組織の色が赤いため、内視鏡2の撮像部14aが光電変換する撮像信号のGB信号の輝度強度が低下する。そのため、本実施の形態の内視鏡システム1が、撮像信号におけるGB信号の輝度低下を検出することで、内視鏡2の挿入部11が胃に到達したと判断することができ、挿入モードから観察モードに切り換える制御を行う。
このような構成としても、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部11の先端部14が患者の胃内へ到達すると、挿入モードから自動で内視鏡画像(観察画像)を180°回転させて、観察モードである通常の観察状態に戻すため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、内視鏡システム1は、内視鏡2の撮像部14aから装置本体3に入力される撮像信号のRGBの変化を検出して、挿入モードと観察モードに切替を行う構成であるため、上述のマウスピース5、及び内視鏡2に特別な構成を組み込む必要がなく、従来からある内視鏡2を用いることができる。
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態の内視鏡システム1について、図29、及び図30に基づいて以下に説明する。尚、図29、及び図30は、第7の実施の形態に係り、図29はマウスピースが患者に銜えられた状態を示し、内視鏡の挿入部の構成、及び装置本体の内部構成を示すブロック図、図30は上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例の一部を示すフローチャートである。尚、本実施の形態の説明においても、第1の実施の形態の内視鏡システム1の構成と同一のものには同じ符号を用いて、それら構成の詳細な説明を省略すると共に、同一作用についても省略する。
本実施の形態の装置本体3は、ビデオプロセッサと光源装置の機能を備えており、内視鏡2が撮像する画像をクリアな内視鏡画像(観察画像)にするため、光源装置の光源が発光する照明光の光量を調光して、最適な照明光とするため、図29に示すように、調光信号生成回路51、及びここでの位置検出部となる調光信号検出回路52を備えている。尚、このような光源装置の調光機能は、従来から備わっているものであるため、その詳細な説明を省略する。
つまり、装置本体3は、内視鏡2の挿入部11の先端部14に内蔵される撮像部14aからの撮像信号が映像化回路31に入力される。そして、映像化回路31は、撮像信号から映像信号化して、モニタ4に出力すると共に、調光信号生成回路51へ映像信号を出力する。この調光信号生成回路51は、入力された映像信号に基づいて、内視鏡画像(観察画像)がクリアな画像とするため、図示しない光源の光量を最適となる調光信号を生成して、調光信号検出回路52を介して、光源の光量を可変制御する。
このとき、調光信号検出回路52は、調光信号の可変状態を検出し、光源の光量が設定された所定の光量よりも大きくなるような調光信号を検出すると、モード切替スイッチ34へ切替信号を出力するように設定されている。
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1は、装置本体3が図30に示すフローチャートの各ルーチン(ステップS)に従った制御例を実行する。尚、以下の説明においても、装置本体3は、上述した、図7、又は図16のフローチャートにおける破線で囲んだステップS7からステップS9のルーチンを(B)として、このルーチン(B)を図31の各ルーチン(ステップS)に置き換えた制御例を実行する。
装置本体3は、術者が挿入部11を180°回転させて(S5)、DOWN側アングルを使用して内視鏡2の挿入部11を患者の上部体腔内に挿入している(S6)とき、実際には、ステップS4(図7、及び図16)でモニタ4上に「挿入部モード」を表示させた後、図30に示すように、内視鏡2の撮像部14aからの撮像信号が映像化回路31に入力される(S81)。
そして、調光信号生成回路51は、映像化回路31から入力された撮像信号に基づいて、調光信号を生成する(S82)。また、この調光信号は、調光信号生成回路51から調光信号検出回路に出力される。このとき、調光信号検出回路52は、入力された調光信号に基づく光源の光量が所定の光量よりも大きいか否かを判定する(S83)。
このステップS83において、調光信号検出回路52は、入力された調光信号に基づく光源の光量が所定の光量よりも大きい値でない場合、再度、ステップS81に戻り、ステップS81からステップS83のルーチンが繰り返される。
一方で、ステップS83において、入力された調光信号に基づく光源の光量が所定の光量よりも大きい値となった場合、調光信号検出回路52は、モード切替スイッチ34にOFFの切替信号を出力する。これにより、モード切替スイッチ34がOFFする(図7のS10)。また、図16の制御例においては、モニタ4上に観察モードへの切替指示を表示させる(S9A)。以降については、図7、又は図16に示した各ルーチン(ステップS)に従って実行される。
このような構成としても、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部11の先端部14が患者の胃内へ到達すると、挿入モードから自動、又は手動で内視鏡画像(観察画像)を180°回転させて、観察モードである通常の観察状態に戻すため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態の内視鏡システム1について、図31、及び図32に基づいて以下に説明する。尚、図31、及び図32は、第8の実施の形態に係り、図31はマウスピースが患者に銜えられた状態を示し、内視鏡の挿入部の構成、及び装置本体の内部構成を示すブロック図、図32は上部内視鏡検査時の挿入観察操作、及び装置本体が実行する制御例の一部を示すフローチャートである。尚、本実施の形態の説明においても、第1の実施の形態の内視鏡システム1の構成と同一のものには同じ符号を用いて、それら構成の詳細な説明を省略すると共に、同一作用についても省略する。
図31に示すように、内視鏡2の挿入部11の先端部14には、位置検出部である圧力センサ47が内蔵されている。この圧力センサ47の圧力信号は、装置本体3に出力される。装置本体3内には、圧力センサ47からの圧力信号が入力され圧力検出回路56が内蔵されている。また、装置本体3内のモード切替スイッチ34は、ラッチ式の切替スイッチである。
つまり、内視鏡2は、挿入部11の先端部14が患者の食道入口部である狭窄部を通過するとき、狭窄部に押し込まれるため先端部14に圧力が生じる。そして、この狭窄部を通過した後、食道に先端部14が食道に入ってしまえば、内視鏡画像(観察画像)の表示方向を通常の上下左右方向に反転しても、術者はモニタ4に表示される画像に違和感を覚えることがない。このように、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部11の先端部14が食道入口部である狭窄部を通過するまでを挿入モードとし、先端部14が食道に挿入されると、先端部14に与えられる圧力を検知して観察モードへの切替を実行する。
以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1は、装置本体3が図32に示すフローチャートの各ルーチン(ステップS)に従った制御例を実行する。尚、以下の説明においても、装置本体3は、上述した、図7、又は図16のフローチャートにおける破線で囲んだステップS7からステップS9のルーチンを(B)として、このルーチン(B)を図31の各ルーチン(ステップS)に置き換えた制御例を実行する。
装置本体3は、術者が挿入部11を180°回転させて(S5)、DOWN側アングルを使用して内視鏡2の挿入部11を患者の上部体腔内に挿入され(S6)、実際には、ステップS4(図7、及び図16)でモニタ4上に「挿入部モード」を表示させた後、図32に示すように、内視鏡2の圧力センサ47から圧力信号が圧力検出回路56に入力される(S91)。
そして、圧力検出回路56は、圧力センサ47から入力された圧力信号に基づいて、内視鏡2の先端部14に負荷されている圧力を検出する(S92)。このとき、圧力検出回路56は、入力された圧力信号に基づく内視鏡2の先端部14に負荷されている圧力が所定の圧力よりも大きいか否かを判定する(S93)。
つまり、内視鏡2の先端部14が患者の食道入口部である狭窄部を通過するときに、先端部14に負荷される圧力が大きくなる。そのため、圧力検出回路56に設定された所定の圧力よりも検出された圧力が大きい場合、先端部14が狭窄部を通過しているときである。
ステップS93において、圧力検出回路56は、入力された圧力信号に基づいて、内視鏡2の先端部14に負荷されている圧力が所定の圧力よりも大きい値でない場合、再度、ステップS91に戻り、ステップS91からステップS93のルーチンが繰り返される。
一方で、ステップS93において、入力された圧力信号に基づいて、内視鏡2の先端部14に負荷されている圧力が所定の圧力よりも大きい値となった場合、圧力検出回路56は、モード切替スイッチ34にOFFの切替信号を出力する。これにより、モード切替スイッチ34がOFFする(図7のS10)。また、図16の制御例においては、モニタ4上に観察モードへの切替指示を表示させる(S9A)。以降については、図7、又は図16に示した各ルーチン(ステップS)に従って実行される。
このような構成としても、本実施の形態の内視鏡システム1は、挿入部11の先端部14が患者の食道内へ到達すると、挿入モードから自動、又は手動で内視鏡画像(観察画像)を180°回転させて、観察モードである通常の観察状態に戻すため、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、内視鏡システム1は、内視鏡2の先端部14に口腔から食道入口部である狭窄部を通過するときに必ず生じる圧力を検知して、挿入モードから観察モードへ切替えるため、モード切替のタイミングが精度良く行える。
以上に記載した発明は、各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
例えば、各実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする不具合に対して、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。