JP5541528B2 - フレーム中継装置、フレーム中継方法、リング型ネットワークシステム、及び、スーパーリング型ネットワークシステム - Google Patents
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Description
リング型伝送路では、フレームのループを防止するために、リングプロトコルが採用される。リングプロトコルによれば、リング型伝送路を構成する複数のフレーム中継装置(スイッチングハブ)のうち1つがマスターノードに設定され、マスターノードの1つのポート(スレーブポート)がブロッキング状態に設定される(例えば特許文献1参照)。
ここで、リング型伝送路の特定の2つのフレーム中継装置間では、スレーブポートを経由する伝送方向での伝送距離に対し、スレーブポートを経由しない伝送方向での伝送距離が長くなってしまうことがある。このため、伝送方向が規定されてしまうと、特定のフレーム中継装置間では、伝送距離が長くなって遅延時間が大きくなるという問題がある。そして、このような問題は、リング型伝送路が長距離になるほど顕著になる。
本発明の目的の一つは、リング型伝送路に適用されるフレームの中継方法であって、リング型伝送路に属するポートをブロッキング状態にせずにフレームのループを防止し、且つ、伝送距離や遅延時間等が小さくなるように伝送路を選択するフレーム中継方法を提供することにある。
本発明の目的の一つは、複数のリング型伝送路を相互に接続して構成されたラダーリング型伝送路を有するスーパーリング型ネットワークシステムであって、冗長性が多角的に確保されながら、フレームのループが確実に防止され且つ伝送距離や遅延時間等が小さくなるように伝送路を選択するスーパーリング型ネットワークシステムを提供することにある。
本発明によれば、リング型伝送路に適用されるフレームの中継方法であって、リング型伝送路に属するポートをブロッキング状態にせずにフレームのループを防止し、且つ、伝送距離や遅延時間等が小さくなるように伝送路を選択するフレーム中継方法が提供される。
本発明によれば、リング型伝送路に属するポートをブロッキング状態にせずにフレームのループを防止し、且つ、伝送距離や遅延時間等が小さくなるように伝送路を選択するリング型ネットワークシステムが提供される。
本発明によれば、複数のリング型伝送路を相互に接続して構成されたラダーリング型伝送路を有し、冗長性が多角的に確保されながら、フレームのループが防止され、且つ、伝送距離や遅延時間等が小さくなるように伝送路を選択するスーパーリング型ネットワークシステムが提供される。
図1は、第1実施形態の広域ネットワークシステム10の構成を概略的に示している。具体的には、広域ネットワークシステム10は、複数のユーザ網12a,12b,12c,12dと、ユーザ網12a,12b,12c,12d同士をOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにてレイヤ2レベルで接続する広域網14とからなる。
本実施形態では、広域ネットワークシステム10のユーザは世界的な企業であって、複数の国に営業所や工場等の拠点を有する。ユーザ網12a,12b,12c,12dは、ユーザの各拠点に対応して設けられ、例えば、上海(中国)、東京(日本)、ニューヨーク(米国)及びロンドン(英国)にそれぞれ設けられている。以下では、ユーザ網12a,12b,12c,12dを単にユーザ網12ともいう。
各ユーザ網12は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)からなるユーザ端末16a,16b,16c,16d、及び、ユーザ端末16a,16b,16c,16dに接続されたスイッチングハブ(フレーム中継装置)18a,18b,18c,18d等を含み、スイッチングハブ18a,18b,18c,18dが広域網14に接続される。
広域網14は、例えば、通信事業者等によって設置される。広域網14は、PB網(プロバイダーブリッジ網)20a,20b,20c,20dとEoE網(イーサネットオーバーイーサネット網(イーサネットは登録商標))22とからなる。以下では、PB網20a,20b,20c,20dを単にPB網20ともいう。
PB網20は、中国、日本、米国及び欧州にそれぞれ設けられている。PB網20の各々は、一般的には、相互に接続された複数のスイッチングハブによって構成されるが、図1では、PB網20a,20b,20c,20dは、それぞれ1つのスイッチングハブ24a,24b,24c,24dによって構成されている。また図1では、1つのPB網20に対し、1つのユーザ網12が接続されているが、複数のユーザ網12が接続されていてもよい。
なお、以下では、スイッチングハブ24a,24b,24c,24dのことを単にスイッチングハブ24ともいう。
EoE網(コア網)22は、複数のスイッチングハブによって構成されており、本実施形態では、例えば、4つのスイッチングハブ26a,26b,26c,26dからなる。スイッチングハブ26a,26b,26c,26dは、中国、日本、米国及び欧州にそれぞれ設置され、地域的に対応するスイッチングハブ24にそれぞれ接続されている。
また、スイッチングハブ26a,26b,26c,26dは、リング型伝送路を構成するように、光ファイバ等の伝送媒体を介して相互に接続されている。本実施形態では、反時計回りでみて、スイッチングハブ26a、スイッチングハブ26b、スイッチングハブ26c、及び、スイッチングハブ26dがこの順序で接続されている。
EoE網22の通信方式は、MAC−in−MAC方式であり、例えばEoE方式(イーサネットオーバーイーサネット方式(イーサネットは登録商標))である。従って、EoE網22内では、図2の中段及び下段に示したフォーマットを有するフレーム(EoEフレーム)が送受信される。なお、図2の上段には、S−TAGフレームのフォーマットが示されている。
以下では、EoE宛先アドレス(EoE−DA)、EoE送信元アドレス(EoE−SA)、EoE TPID、TTL、及び、EDIDをまとめてEoEヘッダともいう。また、EoE宛先アドレス(EoE−DA)のことを単に宛先(EoE−DA)ともいい、EoE送信元アドレス(EoE−SA)のことを単に送信元(EoE−SA)ともいう。
送信元(EoE−SA)としては、エッジスイッチ26の各々に割り当てられたEoE網22内における固有のMACアドレス(EoE−MAC)が使われる。
送信元(EoE−SA)には、カプセル化を行うエッジスイッチ26のMACアドレス(EoE−MAC)が設定され、宛先(EoE−DA)には、デカプセル化を行うエッジスイッチ26のMACアドレス(EoE−MAC)若しくはマルチキャストアドレスが設定される。
EDIDは、S−TAGのTCI(Tag Control Information)に含まれるS−VID(サービスVLANID)を拡張するための値であり、広域網14の管理者によって適当に設定される。
TTLには、カプセル化の際に、適当な初期値が設定される。そして、TTLの値は、1つのエッジスイッチ26を通過するたびに、適当なTTL変化量(ΔTTL)だけ減算される。
図3は、エッジスイッチ26の概略的な構成を示すブロック図である。
エッジスイッチ26は複数のポート32を有する。ここでいうポート32は、OSI参照レベルでの物理層を担当し、例えば、ポート32の数と同じ数の物理的なコネクタと、コネクタが接続される1つのインターフェースLSI(大規模集積回路)によって構成される。
中継ユニット34はメモリ36に接続され、中継ユニット34及びメモリ36は、互いに協働して、OSI参照レベルでのデータリンク層を担当する。つまり、中継ユニット34及びメモリ36は、ポート32から入力されたS−TAGフレーム又はEoEフレームの宛先を決定し、宛先に応じて、カプセル化及びデカプセル化を行ったうえで、S−TAGフレーム又はEoEフレームをポート32に向けて出力する。
なお以下では、S−TAGフレーム及びEoEフレームを単にフレームともいう。
TTL減算・廃棄部40は、EoEフレームの永久ループを防止するように構成されており、受信したEoEフレームに対して所定の処理を行うが、受信したS−TAGフレームに対しては処理を行わない。
具体的には、TTL減算・廃棄部40は、受信したEoEフレームに含まれるTTLを読み出し、読み出したTTLから所定量を引き算して得られる差を、受信したEoEフレームのTTLに新たに設定する。つまり、受信したEoEフレームのTTLが所定量だけ小さくなる。
なお閾値は、例えば広域網14の管理者によって設定され、フレームが広域ネットワークシステム内を永久にループしないように適当な不変の値に設定される。本実施形態では、閾値が例えば1に設定される。
学習部42は、処理対象のフレームに含まれるカスタマー送信元アドレス(C−SA)を学習する機能を有する。
例えば、処理対象がS−TAGフレームである場合、学習部42は、フレームに含まれるS−VID及びカスタマー送信元アドレス(C−SA)を読み込む。そして、学習部42は、S−VID及びカスタマー送信元アドレス(C−SA)がFDB52に登録されているか否か判定する。判定の結果、FDB52に登録されていなければ、学習部42は、受信したポート32の番号と関連付けて、読み込んだS−VID及びC−SAをFDB52に新規登録する。
なお、EoEフレームは、TTL減算・廃棄部40によって転送が許可された場合にのみ学習部42の処理対象になり、FDB52に登録されるTTLは、TTL減算・廃棄部40によって減算された後のTTLである。
検索部44は、FDB52を参照しながら、ポート32から入力されたフレームの出力先となるポート32を決定する。そして、検索部44の決定に従って、ポート32からポート32へとフレームが中継される。
カプセル化部46は、受信したS−TAGフレームをEoE網22内の他のエッジスイッチ26向けて送信する場合に、EoEヘッダを付与してEoEフレームに変換する。
デカプセル化部48は、受信したEoEフレームをPB網20内のスイッチングハブ24に向けて送信する場合に、EoEヘッダを外してS−TAGフレームに変換する。
リング管理部50は、カスタマー送信元アドレス(C−SA)が同一であって、経路が異なるEoEフレームを受信したときに、TTLが最も大きいEoEフレームのみを転送するように構成されている。
具体的には、リング管理部50は、カスタマー送信元アドレス(C−SA)と関連付けてFDB52に登録されているTTL(FDB TTL)と、受信したEoEフレームに含まれるTTL(受信TTL)とを比較し、比較結果に基づいて、FDB52の登録内容を更新するとともに、EoEフレームの転送を許可又は禁止する。なお、受信TTLは、TTL減算・廃棄部40によって減算された後のTTLである。
なおこのとき、比較に供されたFDB TTLを含むFDB52の登録は消去される。つまり、同じ送信元(EoE−SA)の登録が上書き若しくは更新される。
一方、リング管理部50は、比較の結果、受信TTLがFDB TTL以下であり、受信したポートがFDB52に登録されているポートと異なれば、受信したEoEフレームを廃棄する。つまり、EoEフレームの転送が禁止される。
FDB52には、前述したように、学習部42及びリング管理部50によって取得されたS−VID、MACアドレス、ポート32の番号、EoE−MAC及びTTLが相互に関連付けて登録されている。図4は、FDB52の登録内容を概略的に示しているけれども、各項目の値は「・・・」にて表されている。
図5は、TTL変化量DB54の登録内容を概略的に示している。ただし、各項目の値は「・・・」にて表されている。
TTL変化量DB54には、ポート32毎に、TTL変化量(ΔTTL)が登録されている。TTL変化量は、TTL減算・廃棄部40が受信したEoEフレームのTTLから所定量を引き算するときに、受信したポート32をキーとして読み出され、当該所定量として使用される。
TTL変化量は、伝送媒体の仕様に応じて高精度にて設定されていてもよいが、低精度若しくは粗に設定されていてもよい。
以下、上述したエッジスイッチ26がEoEフレームを受信したときに実行する処理の流れを、図6を参照して説明する。
エッジスイッチ26がEoEフレームを受信すると、TTL減算・廃棄部40は、受信したポート32に対応するTTL変化量を読み込む(ステップS10)。そして、TTL減算・廃棄部40は、EoEフレーム中のTTLからTTL変化量を減算し、減算後のTTLを新たにEoEフレームのTTLに設定する(ステップS12)。
この後、検索結果が判定され(ステップS20)、S−VID及びカスタマー送信元アドレス(C−SA)がFDB52に登録されていなければ(Noの場合)、学習部42は、EoEフレーム中に含まれている、送信元(EoE−SA)、カスタマー送信元アドレス(C−SA)、S−VID、及び、TTLを、受信したポート32と関連付けてFDB52に新規に登録する(ステップS22)。
ステップS24の判定の結果、宛先(EoE−DA)がユニキャストアドレスではなく、マルチキャストアドレスである場合(Noの場合)、EoEフレームに含まれるS−VIDに属する、受信したポート32を除く全てのポート32が出力先として選択され、選択された各ポート32からEoEフレーム若しくはS−TAGフレームが送信される(ステップS26)。
この後、検索結果が判定され(ステップS30)、宛先(EoE−DA)が登録されていない場合(Noの場合)、ステップS26が実行される。
かくして、ステップS26又はステップS30が実行され、フレームが転送されると、処理が終了する。
ステップS38の判定の結果、受信ポートがFDBポートと異なれば(Noの場合)、ステップS16が実行され、EoEフレームが廃棄される。一方、ステップS38の判定の結果、受信ポートがFDBポートと一致すれば(Yesの場合)、受信TTLがFDB TTLと等しいか否かが判定される(ステップS40)。
一方、ステップS40の判定の結果、受信TTLがFDB TTLと等しければ、引き続きステップS24が実行される。なお、ステップS22及びステップS36の後にも、ステップS24が実行される。
以下、上述した第1実施形態の広域ネットワークシステム10の動作について、図7を参照して、上海のユーザ端末16aからニューヨークのユーザ端末16cにフレームが送信される場合を例に説明する。
なお、MACアドレスは、通常6バイトのアドレスがあるが、ユーザ端末16aのMACアドレスを「a」とし、ユーザ端末16cのMACアドレスを「c」とし、エッジスイッチ26aのMACアドレス(EoE−MAC)を「A」とし、エッジスイッチ26cのMACアドレス(EoE−MAC)を「C」であるとする。
また、スイッチングハブ24との接続に供されるエッジスイッチ26のポート32をアクセスポート32aとし、エッジスイッチ26同士の接続に供されるポート32をNNIポート(ネットワークネットワークインターフェースポート)32nとする。
このとき、EoE網22の入口側に位置するエッジスイッチ26aのFDB52に、ユーザ端末16cのMACアドレスである「c」が登録されていなければ、EoEフレームの宛先(EoE−DA)にはマルチキャストアドレスが設定される。
エッジスイッチ26bでは、EoEフレーム中のTTLからTTL変化量が減算され、減算されたTTLが新たにEoEフレーム中のTTLに設定される。TTL変化量は、エッジスイッチ26bのTTL変化量DB54bにおいて、受信した第1NNIポート32n1に関連付けて予め設定されており、例えば「4」である。従って減算後、EoEフレームのTTLは「60」に設定される。
エッジスイッチ26cでも、エッジスイッチ26bの場合と同様に、EoEフレーム中のTTLからTTL変化量が減算され、減算されたTTLが新たにTTLに設定される。TTL変化量は、エッジスイッチ26cのTTL変化量DB54cにおいて、受信した第1NNIポート32n1に関連付けて予め設定されており、例えば「16」である。従って減算後、EoEフレームのTTLは「44」に設定される。
アクセスポート32aから送信されたS−TAGフレームは、スイッチングハブ24cを経由してユーザ端末16cに到達する。かくして、所望のフレームの転送が行われる。
エッジスイッチ26dでも、エッジスイッチ26bの場合と同様に、EoEフレーム中のTTLからTTL変化量が減算され、減算されたTTLが新たにTTLに設定される。TTL変化量は、エッジスイッチ26dのTTL変化量DB54dにおいて、受信した第2NNIポート32n2に関連付けて予め設定されており、例えば「16」である。従って減算後、EoEフレームのTTLは「48」に設定される。
エッジスイッチ26cでは、反時計回りの場合と同様に、EoEフレーム中のTTLからTTL変化量が減算され、減算されたTTLが新たにTTLに設定される。TTL変化量は、エッジスイッチ26cのTTL変化量DB54cにおいて、受信した第2NNIポート32n2に関連付けて予め設定されており、例えば「8」である。従って減算後、EoEフレームのTTLは「40」に設定される。
比較の結果、FDB TTLの方が受信TTLよりも大きいので、FDB52cに対して新規登録や更新登録がされることなく、時計回りのEoEフレームが廃棄される。
エッジスイッチ26dでも、他のエッジスイッチ26の場合と同様に、EoEフレーム中のTTLからTTL変化量が減算され、減算されたTTLが新たにTTLに設定される。TTL変化量は、エッジスイッチ26dのTTL変化量DB54dにおいて、受信した第1NNIポート32n1に関連付けて予め設定されており、例えば「8」である。従って減算後、EoEフレームのTTLは「36」に設定される。
かくして、ユーザ端末16aからユーザ端末16cに向けてフレームが送信されると、フレームの転送中に各エッジスイッチ26のFDB52にカスタマー送信元アドレス(C−SA)が新規登録される。そして以降、FDB52に登録された内容に基づいて、フレームの転送が行われる。
そしてこの場合、リング型伝送路の全周が長くても、伝送方向が一律に規定されないので、特定のエッジスイッチ26間でフレームの伝搬距離が極端に長くなってしまうことがない。このため、フレームの遅延時間が抑制され、通信が円滑に行われる。
なお、図7中のFDB52b,52c,52dでは、スペースの関係上、新規に登録されたMACアドレス、TTL及びポート32の欄のみが記載されている。
以下、第2実施形態の広域ネットワークシステム100について説明する。なお、第1実施形態の広域ネットワークシステム10と同一又は類似の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、広域ネットワークシステム100の概略的な構成を示している。図8に示したように、広域ネットワークシステム100は、第1実施形態の広域ネットワークシステム10を内包しており、更に、ユーザ網12e,12f,12g,12h、スイッチングハブ24e,24f,24g,24h及びエッジスイッチ26e,26f,26g,26hを含む。
そして、エッジスイッチ26e,26f,26g,26hが構成するリング型伝送路は、エッジスイッチ26a,26b,26c,26dが構成するリング型伝送路と並行に設けられている。
従って、エッジスイッチ26a,26b,26c,26d,26e,26f,26g,26hは、はしごを折り曲げて両端を繋げたような形状のラダーリング型伝送路(スーパーリング型伝送路)を構成している。
本実施形態では、好ましい態様として、同一の地域に設置されたエッジスイッチ26aとエッジスイッチ26e、エッジスイッチ26bとエッジスイッチ26f、エッジスイッチ26cとエッジスイッチ26g、エッジスイッチ26dとエッジスイッチ26hが、それぞれ対若しくは組をなすように構成されている。各組のエッジスイッチ26は、相補的に動作し、これにより優れた冗長性が確保されている。
そのために、図9に示したように、各エッジスイッチ26においては、メモリ36にマイ代表アドレス58、メイト代表アドレス60、及び、ポート設定DB62が登録されている。
〔マイ代表アドレス〕
マイ代表アドレス58は、エッジスイッチ26の各々に割り当てられた、EoE網22内における一つの固有のアドレスである。当然のことながら、この固有のアドレスが、エッジスイッチ26がフレームをカプセル化するときに、EoEフレームの宛先(EoE−DA)又は送信元(EoE−SA)として使用される。
マイ代表アドレス58は、例えばEoE網22の管理者によって設定され、エッジスイッチ26には、異なるマイ代表アドレス58がそれぞれ割り当てられる。
メイト代表アドレス60は、対をなすエッジスイッチ26に割り当てられた、EoE網22内における一つの固有のアドレスであり、例えばEoE網22の管理者によって設定される。例えばエッジスイッチ26aにとっては、エッジスイッチ26eに割り当てられた固有のアドレスがメイト代表アドレス60であり、エッジスイッチ26eにとってはエッジスイッチ26aに割り当てられた固有のアドレスがメイト代表アドレス60である。
なお、本明細書では、対若しくは組をなすという意味でメイトという単語を使用しており、エッジスイッチ26aはエッジスイッチ26eのメイトであり、エッジスイッチ26eはエッジスイッチ26aのメイトである。他の組についても同様である。
ポート設定DB62は、例えばEoE網22の管理者によって設定される。ポート設定DB62には、中継ユニット34が一のポート32から他のポート32へとフレームを中継する際のルールが、ポート32の接続先に応じて、ポート32毎に規定されている。
なお、エッジスイッチ26のポート32には、アクセスポート32a、NNIポート32nに加えて、組をなすエッジスイッチ26同士を接続するためのインターコネクションポート(ICポート)32iがある。
なお、図10では、アクセスポート32a及びICポート32iの数が1個であり、NNIポート32nの数が2個であるが、アクセスポート32a、ICポート32i及びNNIポート32nの数は、1個又は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。
ICポート32iには、出力側の中継ルールとして、メイトEoE−SA出力フィルタ(Mate EoE−SA Egress Filter)70が設定される一方、入力側の中継ルールとして、マイEoE−SA入力フィルタ(My EoE−SA Ingress Filter)72、及び、メイトEoE−SA入力マーカ(Mate EoE−SA Ingress Marker)74が設定されている。
メイトEoE−SA出力フィルタ70によれば、EoEフレームの送信元(EoE−SA)がメイト代表アドレス60に一致する場合に、中継ユニット34は、ICポート32iが当該フレームを送信しないように動作する。
(2)マイEoE−SA入力フィルタ
マイEoE−SA入力フィルタ72によれば、ICポート32iによって受信されたEoEフレームの送信元(EoE−SA)がマイ代表アドレス58に一致する場合に、中継ユニット34は、当該フレームを破棄して他のポート32に中継しないように動作する。
メイトEoE−SA入力マーカ74によれば、ICポート32iによって受信されたEoEフレームの送信元(EoE−SA)がメイト代表アドレス60に一致するときに、当該フレームに、ICポート32iによって受信されたこと、即ち、対をなすエッジスイッチ26eから直接来たことを示すマーカが付与される。
NNIポート32nには、出力側の中継ルールとして、メイトEoE−SA出力フィルタ(Mate EoE−SA Egress Filter)80、及び、マイ/メイトEoE−DA出力フィルタ(My/Mate EoE−DA Egress Filter)82が設定される一方、入力側の中継ルールとして、マイEoE−SA入力フィルタ(My EoE−SA Ingress Filter)84が設定されている。
(4)メイトEoE−SA出力フィルタ
メイトEoE−SA出力フィルタ80によれば、EoEフレームの送信元(EoE−SA)がメイト代表アドレス60に一致する場合に、中継ユニット34は、NNIポート32nが当該フレームを送信しないように動作する。
ただし例外として、メイトEoE−SA入力マーカ74によってマーカが付与されたフレームについては、送信元(EoE−SA)がメイト代表アドレス60に一致しても、中継ユニット34は、NNIポート32nが当該フレームを送信することを許容する。
マイ/メイトEoE−DA出力フィルタ82によれば、EoEフレームの宛先(EoE−DA)がマイ代表アドレス58及びメイト代表アドレス60のうちの何れかに一致する場合に、中継ユニット34は、NNIポート32nが当該フレームを送信しないように動作する。
ただし例外として、第1エッジスイッチ26a自身がカプセル化したEoEフレームについては、宛先(EoE−DA)がメイト代表アドレス60に一致しても、中継ユニット34は、NNIポート32nが当該フレームを送信することを許容する。
マイEoE−SA入力フィルタ84によれば、NNIポート32nによって受信されたEoEフレームの送信元(EoE−SA)がマイ代表アドレス58に一致する場合に、中継ユニット34は、当該フレームを破棄して他のポート32に中継しないように動作する。
アクセスポート32aには、出力側の中継ルールとして、マイ/メイトEoE−DA出力フォワーダ(My/Mate EoE−SA Egress Forwarder)90が設定されている。
(7)マイ/メイトEoE−DA出力フォワーダ
マイ/メイトEoE−DA出力フォワーダ90によれば、NNIポート32n又はICポート32iによって受信されたEoEフレームの宛先(EoE−DA)がマイ代表アドレス58及びメイト代表アドレス60の何れかに一致する場合に、中継ユニット34は、当該フレームをアクセスポート32aから送信するように動作する。
すなわち、マイ/メイトEOE−DA出力フォワーダ90によれば、EoEフレームの宛先(EoE−DA)が、マイ代表アドレス58に一致するときは当然ながら、メイト代表アドレス60に一致する場合にも、中継ユニット34は、当該EoEフレームを自局宛として処理する。
また、中継ユニット34は、フレームの宛先(EoE−DA)がマルチキャストアドレス又はブロードキャストアドレスである場合にも、デカプセル化したフレームを、アクセスポート32aから送信する(フラッディング)。
また、広域ネットワークシステム100では、エッジスイッチ26が、第1アクセスリング、第2アクセスリング、第3アクセスリング、第4アクセスリング、第1スモールリング、第2スモールリング、第3スモールリング、及び、第4スモールリングを構成しており、これらのリングの各々においてフレームの永久ループを防止する手段が必要である。
そこで、再び図9を参照すると、エッジスイッチ26の中継ユニット34は、第2リング管理部64を有し、メモリ36にはリング管理DB66が登録されている。なお、第1実施形態のリング管理部50は、第1リング管理部50に相当する。
マスターポート及びスレーブポートの設定は、例えば、広域ネットワークシステム100又はリング型伝送路の管理者によって行われる。マスターポート及びスレーブポートの設定は、サービスVLAN(S−VLAN)毎に行うことができ、これにより負荷分散を図ることもできる。
以下、上述した第2実施形態の広域ネットワークシステム100の全体的な動作について説明する。
<正常時>
図11を参照すると、広域ネットワークシステム100においても、上海のユーザ端末16aからニューヨークのユーザ端末16cにフレームが送信される場合、障害が発生していなければ、エッジスイッチ26a、エッジスイッチ26b、及び、エッジスイッチ26cを経由して、フレームが転送される。このフレームの流れは、広域ネットワークシステム10の場合と同様であり、これは、第1乃至第4スモールリングのスレーブポートが、第2ラージリング側に偏って設定され、第1ラージリングではフレームがブロックされないためである。
なお、図11では、エッジスイッチ26g,26h等の広域ネットワークシステム100の一部の構成が省略されている。
なお、エッジスイッチ26fの第1NNIポート32n1はブロッキング状態であるため、エッジスイッチ26eの第2NNIポート32n2から送信されたEoEフレームは廃棄される。
なお、エッジスイッチ26gの第1NNIポート32n1はブロッキング状態であるため、エッジスイッチ26fの第2NNIポート32n2から送信されたEoEフレームは廃棄される。
次に、図12に示したように、エッジスイッチ26aとエッジスイッチ26bとの間で障害が発生した場合について説明する。
障害が発生した場合、障害箇所を含む第1スモールリングを構成するエッジスイッチ26a,26b,26f,26eのFDB52a,52b,52f,52eが、第2リング管理部64の機能によって消去(フラッシュ)される。このため、エッジスイッチ26aでのカプセル化の際、EoEフレームの宛先(EoE−DA)にはマルチキャストアドレスが設定される。
なお、エッジスイッチ26gの第1NNIポート32n1はブロッキング状態であるため、エッジスイッチ26fの第2NNIポート32n2から送信されたEoEフレームは廃棄される。
アクセスポート32aから送信されたS−TAGフレームは、スイッチングハブ24cを経由してユーザ端末16cに到達する。かくして、所望のフレームの転送が行われる。
一方、エッジスイッチ26aの第1NNIポート32n1から送信されたEoEフレームは、エッジスイッチ26dによって転送され、エッジスイッチ26cの第2NNIポート32n2によって受信される。エッジスイッチ26cでは、EoEフレーム中のTTLからTTL変化量が減算され、減算されたTTLが新たにTTLに設定される。TTL変化量は、エッジスイッチ26cのTTL変化量DB54cにおいて、受信した第2NNIポート32n2に関連付けて予め設定されており、例えば「8」である。従って減算後、EoEフレームのTTLは「40」に設定される。
比較の結果、FDB TTLの方が受信TTLよりも大きいので、FDB52cに対して新規登録や更新登録がされることなく、時計回りのEoEフレームが廃棄される。
次に、図13に示したように、エッジスイッチ26aとエッジスイッチ26eとの間、及び、エッジスイッチ26bとエッジスイッチ26fとの間の伝送路におけるTTL変化量がいずれも「1」ではなく「3」であるときに、エッジスイッチ26aとエッジスイッチ26bとの間で障害が発生した場合について説明する。
なお、図11、図12及び図13中のFDB52b,52c,52d,52e,52fでは、スペースの関係上、新規又は更新登録されたMACアドレス、TTL及びポート32の欄のみが記載されている。
以下、組をなす2つのエッジスイッチ26の動作を、エッジスイッチ26a及びエッジスイッチ26eを中心として、複数のケースについて説明する。
いずれのケースにおいても、スイッチングハブ(外部SW)24aとスイッチングハブ(外部SW)24eとの間の伝送路において障害が発生し、リングプロトコルの規定に従い、スイッチングハブ24eのアクセスポート32aが、ブロッキング状態からフォワーディング状態に遷移させられているものとする。
そして、エッジスイッチ26c及びエッジスイッチ26gのEoE−MACは、それぞれ「C」及び「G」であるとする。マルチキャストアドレスは「MC」であるとする。更に、ユーザ端末16a,16c,16e,16gのMACアドレスは、それぞれ「a」、「c」、「e」及び「g」であるとする。
第1のケースとして、ユーザ網12a内のユーザ端末16aが、ユーザ網12c内のユーザ端末16cに向けてフレームを送信した場合について説明する。第1のケースでは、図14に示したように、エッジスイッチ26aのアクセスポート32aがフレームを受信する。エッジスイッチ26aは、受信したフレームをカプセル化して、ICポート32i及びNNIポートnのうち一方からフレームを送信する。
カスタマー宛先アドレス(C−DA)である「c」がエッジスイッチ26aのFDB52aに登録済みの場合には、「c」に対応して、NNIポート32nのうちの1つが登録されているパターン(第1のパターン)と、ICポート32iが登録されているパターン(第2のパターン)がある。後者の第2のパターンにおいては、エッジスイッチ26eのFDB52eには、宛先(EoE−DA)である「C」に対応して、第2NNIポート32n2が登録されているものとする。
以下、第1のパターンについて図14を参照して説明する。
エッジスイッチ26aのFDB52aにおいて、第2NNIポート32n2がカスタマー宛先アドレス(C−DA)の「c」と対応付けて登録されている場合、フレームの出力先の候補として第2NNIポート32n2が選択される。このため、フレームは、第2NNIポート32n2に設定された、出力側の中継ルールである、メイトEoE−SA出力フィルタ80、及び、マイ/メイトEoE−DA出力フィルタ82の処理対象になる。
以下、第2のパターンについて図15を参照して説明する。
エッジスイッチ26aのFDB52aにおいて、ICポート32iがカスタマー宛先アドレス(C−DA)の「c」と対応付けて登録されている場合、フレームの出力先の候補としてICポート32iが選択される。このため、フレームは、ICポート32iに設定された、出力側の中継ルールである、メイトEoE−SA出力フィルタ70の処理対象になる。
そして、ICポート32iから送信されたフレームは、エッジスイッチ26eのICポート32iによって受信され、エッジスイッチ26eの入力側の中継ルールである、マイEoE−SA入力フィルタ72及びメイトEoE−SA入力マーカ74の処理対象になる。
この場合、フレームの宛先(EoE−DA)は「C」であって、エッジスイッチ26aのマイ代表アドレス58及びメイト代表アドレス60の何れにも一致しないので、フレームがエッジスイッチ26aのアクセスポート32aから送信されることはない。
以下、第2のケースについて説明する。第2のケースは、ユーザ網12a内のユーザ端末16aがユーザ網12c内のユーザ端末16cに向けてフレームを送信する点においては第1のケースと同じであるが、カスタマー宛先アドレス(C−DA)である「c」及び宛先(EoE−DA)である「C」が、エッジスイッチ26a及びエッジスイッチ26eのFDB52a,52eに登録されていないものとする。このようにカスタマー宛先アドレス(C−DA)である「c」が登録されていない場合としては、ユーザ端末16cが新しい場合の外、第1スモールリング若しくは第4スモールリングでの障害の発生や時間の経過等に起因して、FDB52a,52eの登録内容の一部又は全部がフラッシュ(消去)された場合が考えられる。
この場合、図16に示したように、エッジスイッチ26aでは、フレームをカプセル化するときに、宛先(EoE−DA)にマルチキャストアドレスである「MC」が設定され、受信したアクセスポート32aと同一のS−VIDが割り当てられている全てのポート32が、フレームの出力先の候補に設定される。
この場合、フレームの送信元(EoE−SA)である「A」はメイト代表アドレス60に一致せず、フレームは、メイトEoE−SA出力フィルタ80の通過を許可される。一方、フレームの宛先(EoE−DA)は「MC」であり、マイ代表アドレス58及びメイト代表アドレス60の何れにも一致しないので、フレームは、マイ/メイトEoE−DA出力フィルタ82の通過を許可される。従って、フレームは、エッジスイッチ26eの第1NNIポート32n1及び第2NNIポート32n2から送信される。
この場合、フレームの送信元(EoE−SA)はエッジスイッチ26aのMACアドレス「A」であって、エッジスイッチ26eのマイ代表アドレス58には一致しないが、メイト代表アドレス60には一致する。このため、フレームは、マイEoE−SA入力フィルタ72の通過を許可され、メイトEoE−SA入力マーカ74によってマーカを付与される。
また、マイEoE−SA入力フィルタ72の通過を許可されたフレームは、NNIポート32nに設定された、エッジスイッチ26aの出力側の中継ルールである、メイトEoE−SA出力フィルタ80、及び、マイ/メイトEoE−DA出力フィルタ82の処理対象になる。
しかしながら、エッジスイッチ26eの第1NNIポートn1はブロッキング状態であり、エッジスイッチ26eの第2NNIポートn2の接続先であるエッジスイッチ26fの第1NNIポートn1はブロッキング状態であるので、フレームは、エッジスイッチ26eの第1NNIポート32n1及び第2NNIポート32n2からは送信されない。
一方、エッジスイッチ26aの第2NNIポート32n2から送信されたフレームは、エッジスイッチ26dによって転送され、エッジスイッチ26cに到達するが、エッジスイッチ26cにおいて、FDB TTLと受信TTLの比較によって廃棄される。
従って、ラダーリング型伝送路が正常であれば、エッジスイッチ26aの第1NNIポート32n1及び第2NNIポート32n2から送信されたフレームが、エッジスイッチ26aに戻ってくることはない。
以下、エッジスイッチ26aのNNIポート32nから送信されたフレームがエッジスイッチ26eによって受信される例として、エッジスイッチ26aのICポート32iとエッジスイッチ26eのICポート32iとの間の伝送路に障害が発生している場合について図17を参照して説明する。
このため、エッジスイッチ26aの第2NNIポート32n2から送信されたフレームは、エッジスイッチ26b及びエッジスイッチ26fによって転送され、エッジスイッチ26eの第2NNIポート32n2によって受信される。同様に、エッジスイッチ26aの第1NNIポート32n1から送信されたフレームは、エッジスイッチ26d及びエッジスイッチ26hによって転送され、エッジスイッチ26eの第1NNIポート32n1によって受信される。
エッジスイッチ26eの第1NNIポート32n1及び第2NNIポート32n2によって受信されたフレームは、FDB TTLと受信TTLがそれぞれ比較され、比較の結果、第1NNIポート32n1によって受信されたフレームが廃棄される。
この場合、フレームの送信元(EoE−SA)はエッジスイッチ26aのアドレス「A」であって、エッジスイッチ26eのマイ代表アドレス58には一致しない。このため、フレームは、マイEoE−SA入力フィルタ84の通過を許可される。そして、フレームの宛先(EoE−DA)は「MC」であるため、受信した以外の他のNNIポート32n、アクセスポート32a及びICポート32iが出力先の候補に設定される。ただし、ICポート32iに接続された伝送路では障害が発生しているので、ICポート32iは候補から外される。
第3のケースとして、ユーザ網12a内のユーザ端末16aが、ユーザ網12e内のユーザ端末16eに向けてフレームを送信した場合であって、ユーザ端末16eのMACアドレスである「e」がエッジスイッチ26aのFDB52aに登録されている場合について説明する。
この第3のケースは、第1のケースとは、フレームの宛先(EoE−DA)において異なっているが、エッジスイッチ26aのFDB52aの登録内容に応じて、図18及び図19に示したように、第1NNIポート32n1又はICポート32iからフレームが送信される点においては同じである。
そしてフレームは、アクセスポート32aに設定されたマイ/メイトEoE−DA出力フォワーダ90によって、アクセスポート32aから送信される、スイッチングハブ24eを経由して、ユーザ端末16eに到達する。
第4のケースとして、図20を参照して、ユーザ網12c内のユーザ端末16cが、ユーザ網12e内のユーザ端末16eに向けてフレームを送信し、エッジスイッチ26aの第2NNIポート32n2がフレームを受信した場合について説明する。
なお、第4のケースでも、第1アクセスリングを構成するスイッチングハブ24aとスイッチングハブ24eとの間には障害が発生しているが、エッジスイッチ26cは、障害の発生を検知できずに、障害発生前と同様、宛先(EoE−DA)として「A」を用いてフレームをカプセル化するものとする。
従って、フレームはフラッディングの対象になり、フレームの出力先の候補として、エッジスイッチ26aのICポート32iも選択される。フレームの送信元(EoE−SA)は「C」であるので、フレームは、ICポート32iに設定されたメイトEoE−SA出力フィルタ70の通過を許可される。このため、フレームは、エッジスイッチ26aのICポート32iからエッジスイッチ26eに向けて送信される。
第5のケースとして、図21を参照して、ユーザ網12c内のユーザ端末16cが、ユーザ網12e内のユーザ端末16eに向けてフレームを送信し、エッジスイッチ26aの第2NNIポート32n2がフレームを受信した場合について説明する。
なお、第5のケースでは、第1アクセスリングを構成するスイッチングハブ24aとスイッチングハブ24eとの間での障害発生後に、エッジスイッチ26cが、ユーザ端末16eのMACアドレスである「e」を学習しており、宛先(EoE−DA)として「E」を用いてフレームをカプセル化するものとする。
第6のケースとして、図22を参照して、ユーザ網12c内のユーザ端末16cが、ユーザ網12g内のユーザ端末16gに向けてフレームを送信し、このフレームをエッジスイッチ26aの第2NNIポート32n2が受信した場合について説明する。
なお、第6のケースでは、このフレームをエッジスイッチ26aが受信する状況として、第1スモールリング及び第2スモールリングに障害が発生しているものとする。このため、エッジスイッチ26fの第1NNIポート32n1はフォワーディング状態にされている。
図23を参照して第7のケースについて説明する。第7のケースでは、ユーザ網12c内のユーザ端末16cがユーザ網12eのユーザ端末16eに向けて送信したフレームを、エッジスイッチ26cが宛先(EoE−DA)としてマルチキャストアドレスである「MC」を用いてカプセル化し、このカプセル化されたフレームがエッジスイッチ26aの第1NNIポート32n1及び第2NNIポート32n2によって受信されるものとする。
なお、表1では、エッジスイッチ26a、エッジスイッチ26e及びエッジスイッチ26cを、それぞれ第1エッジスイッチ26a、第2エッジスイッチ26e及び第3エッジスイッチ26cと記載している。
そして、広域ネットワークシステム100によれば、第1乃至第4のスモールリングの各々において、1つのスレーブポートをブロッキング状態に設定しても、第1及び第2のラージリングでは、ポート32をブロッキング状態に設定する必要がないので、一部のエッジスイッチ26が他のエッジスイッチ26から隔離されてしまうことがない。
すなわち、エッジスイッチ26a及びエッジスイッチ26eのうち一方、例えば、エッジスイッチ26aが故障したとしても、他方のエッジスイッチ26eが正常に動作していれば、ユーザ網12a,12eのユーザ端末16a,16eから、他のユーザ網12b,12c,12d,12f,12g,12hのユーザ端末16b,16c,16d,16f,16g,16hに向けて送信されたフレームは、エッジスイッチ26eを介して転送される。
かくして、広域ネットワークシステム100では、エッジスイッチの冗長性が確保されており、通信の安定性が確保されている。
なお、リング型伝送路での障害には、エッジスイッチ26a及びエッジスイッチ26eの各々の一部又は全体の故障も含まれる。
具体的には、図24は、第1アクセスリングが正常状態にあるときの、ユーザ端末16cからユーザ端末16eに向けたフレームの転送の様子を示している。第1アクセスリングが正常状態であれば、ユーザ端末16cからユーザ端末16e宛のフレームは、エッジスイッチ26a、スイッチングハブ24a及びスイッチングハブ24eを順次経由する。
ここで第1アクセスリングに障害が発生すると、リングプロトコルによって、エッジスイッチ26eのアクセスポートがフォワーディング状態にされ、ユーザ網12eの接続先(収容先)がエッジスイッチ26aからエッジスイッチ26eに変更される。
このように、上述した第2実施形態の広域ネットワークシステム100では、簡単な構成にて、接続先が変更されたときの不具合が解消される。
例えば上述した第1実施形態及び第2実施形態では、カスタマー送信元アドレス(C−DA)が同一であるフレームを複数のポート32で受信したときに、TTLからTTL変化量を減算し、減算後のTTLを用いて、最短経路のフレームを選択したが、TTLとは別のパラメータを新たに設定し、同じ目的にて使用してもよい。
ただし、フレームの汎用性を考慮すれば、パラメータとしてTTLを用いるのが好ましい。
最後に、上述した第1実施形態及び第2実施形態で用いられている装置の具体的な構成や処理手順はいずれも好ましいものであって、これらに限定されることはないのは勿論である。
12 ユーザ網
14 広域網
16 ユーザ端末
20 PB網
22 EoE網
24 スイッチングハブ(外部フレーム中継装置)
26 エッジスイッチ(スイッチングハブ/フレーム中継装置)
32a アクセスポート
32i ICポート
32n NNIポート
40 TTL減算・廃棄部(パラメータ変更部)
46 カプセル化部(パラメータ付加部)
50 リング管理部
Claims (16)
- リング型伝送路を構成するためのフレーム中継装置であって、
前記リング型伝送路に外から入って来るフレームにパラメータを付加するパラメータ付加部と、
前記リング型伝送路に属する2つのポートの各々にはパラメータ変化量が設定されており、前記リング型伝送路を構成する他のフレーム中継装置から受け取ったフレームに付加されている前記パラメータを前記パラメータに前記パラメータ変化量を減算するまたは加算するのいずれか一方向に変化させるパラメータ変更部と、
前記リング型伝送路に属する2つのポートで、送信元が同一である2つのフレームを受信する状況下において、前記2つのフレームの各々に付加されている前記パラメータの大小関係に基づいて、前記2つのポートのうち一方のポートによって受信されたフレームの転送を許可し、他方のポートによって受信されたフレームの転送を禁止する、リング管理部と
を備えるフレーム中継装置。 - 前記パラメータ変化量は、前記他の中継装置からの前記フレームの伝送距離及び遅延時間のうち一方に応じて設定されている、
請求項1に記載のフレーム中継装置。 - 前記パラメータ変化量は、前記他の中継装置からの前記フレームの伝送距離又は遅延時間が大きくなるほど、大きくなるように設定され、
前記パラメータ変更部は、前記ポートでフレームを受信した場合、受信したフレームに付加されているパラメータから、フレームを受信したポートに設定されているパラメータ変化量を減算し、
前記ポートでフレームを受信した場合、受信したフレームの送信元MACアドレス、フレームを受信したポートの番号、及び、受信したフレームに付加されている前記パラメータ変更部による減算後のパラメータを、相互に関連付けて登録可能なFDBを備え、
前記リング管理部は、
受信したフレームの送信元MACアドレスが前記FDBに登録されており、フレームを受信したポートの番号が、前記送信元MACアドレスと関連付けて前記FDBに登録されているポートの番号と異なる場合において、
受信したフレームに付加されている前記パラメータ変更部による減算後のパラメータが、前記送信元MACアドレスと関連付けて前記FDBに登録されているパラメータよりも大きいときには、
前記送信元MACアドレス、並びに、前記送信元MACアドレスと関連付けて前記FDBに登録されているポートの番号及びパラメータを、前記FDBの登録から削除して、受信したフレームの送信元MACアドレス、フレームを受信したポートの番号、及び、受信したフレームに付加されている前記パラメータ変更部による減算後のパラメータを、相互に関連付けて前記FDBに登録するとともに、受信したフレームの転送を許可し、
前記場合において、受信したフレームに付加されている前記パラメータ変更部による減算後のパラメータが、前記送信元MACアドレスと関連付けて前記FDBに登録されているパラメータ以下であるときには、
相互に関連付けて前記FDBに登録されている前記送信元MACアドレス、ポートの番号及びパラメータの変更を行わずに、受信したフレームの転送を禁止する、
請求項2に記載のフレーム中継装置。 - MAC−in−MAC方式のフレームを中継する、
請求項1乃至3の何れか一項に記載のフレーム中継装置。 - 前記MAC−in−MAC方式は、EoE方式であり、
前記パラメータは、EoE方式のフレームのTTL領域に設定される、
請求項4に記載のフレーム中継装置。 - 前記MAC−in−MAC方式は、IEEE802.1ahに規定されたPBB方式であり、
前記パラメータは、PBB方式のフレームの所定の予約領域に設定される、
請求項4に記載のフレーム中継装置。 - リング型伝送路を構成するフレーム中継装置のためのフレーム中継方法であって、
前記リング型伝送路に外から入って来るフレームにパラメータを付加するパラメータ付加工程と、
前記リング型伝送路に属する2つのポートの各々にはパラメータ変化量が設定されており、前記リング型伝送路を構成する他のフレーム中継装置から受け取ったフレームに付加されている前記パラメータを前記パラメータに前記パラメータ変化量を減算するまたは加算するのいずれか一方向に変化させるパラメータ変更工程と、
前記リング型伝送路に属する2つのポートで、送信元が同一である2つのフレームを受信する状況下において、前記2つのフレームの各々に付加されている前記パラメータの大小関係に基づいて、前記2つのポートのうち一方のポートによって受信されたフレームの転送を許可し、他方のポートによって受信されたフレームの転送を禁止するリング管理工程と、
を備えるフレーム中継方法。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載のフレーム中継装置から構成されるリング型伝送路を有する、リング型ネットワークシステム。
- 第1のリング型伝送路を構成する複数のフレーム中継装置と、
第2のリング型伝送路を構成する複数のフレーム中継装置と、
前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路の外に配置され、前記フレーム中継装置に接続される外部フレーム中継装置とを備え、
前記第1のリング型伝送路を構成する前記フレーム中継装置と前記第2のリング型伝送路を構成する前記フレーム中継装置とはインターコネクション伝送路を介して1対1にて接続され、
前記フレーム中継装置の各々は、
前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路に外から入って来るフレームにパラメータを付加するパラメータ付加部と、
前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路のうちいずれかに属するポート、並びに、前記インターコネクション伝送路に接続されたポートの各々にはパラメータ変化量が設定されており、前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路を構成する他のフレーム中継装置から受け取ったフレームに付加されている前記パラメータを前記パラメータに前記パラメータ変化量を減算するまたは加算するのいずれか一方向に変化させるパラメータ変更部と、
前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路のうちいずれかに属する2つのポート、又は、前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路のうちいずれかに属する1つのポートと前記インターコネクション伝送路に接続された1つのポートで、送信元が同一である2つのフレームを受信する状況下において、前記2つのフレームの各々に付加されている前記パラメータの大小関係に基づいて、前記2つのポートのうち一方のポートによって受信されたフレームの転送を許可し、他方のポートによって受信されたフレームの転送を禁止する、リング管理部とを有する、
スーパーリング型ネットワークシステム。 - 前記フレーム中継装置の各々は、
前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路に外から入って来る前記フレームに、前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路において識別力を有する宛先及び送信元を付加するカプセル化部と、
前記宛先及び前記送信元が付加された前記フレームが、前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路から外に出て行くときに、前記宛先及び前記送信元を除去するデカプセル化部とを更に有し、
前記カプセル化部は、前記パラメータ付加部を兼ねる、
請求項9に記載のスーパーリング型ネットワークシステム。 - 前記スーパーリング型ネットワークシステムは、2つの前記インターコネクション伝送路、前記第1のリング型伝送路の一部、及び、前記第2のリング型伝送路の一部をそれぞれ含む複数のスモールリング型伝送路を含み、
前記スモールリング型伝送路の各々では、前記フレーム中継装置のうち一つのフレーム中継装置の一つのポートがスレーブポートに設定され、
前記スモールリング型伝送路が正常状態にあるとき前記スレーブポートはブロッキング状態に設定され、
前記スモールリング型伝送路が異常状態にあるとき前記スレーブポートはフォワーディング状態に設定される、
請求項10に記載のスーパーリング型ネットワークシステム。 - 前記フレーム中継装置の各々は、
前記第1のリング型伝送路又は前記第2のリング型伝送路に属する2つのNNIポートと、
前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路の外側に配置された外部中継装置との接続に供されるアクセスポートと、
前記インターコネクション伝送路に接続されるICポートと、
前記NNIポート、前記アクセスポート及び前記ICポートを通じた前記フレーム中継装置及び前記外部中継装置の間でのフレームの流れを制御する中継ユニットとを備え、
自身に割り当てられる前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路における固有のMACアドレスをマイ代表アドレスとし、自身と前記インターコネクション伝送路を介して接続された中継装置に割り当てられる前記第1のリング型伝送路及び前記第2のリング型伝送路における固有のMACアドレスをメイト代表アドレスとするとき、
前記中継ユニットは、前記フレームの宛先及び送信元に含まれる、前記マイ代表アドレスと前記メイト代表アドレスの組合わせに基づいて、前記フレームの流れを制御する、
請求項10又は11に記載のスーパーリング型ネットワークシステム。 - 前記中継ユニットは、
前記フレームのうち、前記送信元に前記マイ代表アドレスが含まれているフレームについては、前記第NNIポート及び前記ICポートの各々によって受信された場合に流れを止め、
前記フレームのうち、前記送信元に前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記ICポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記宛先に前記マイ代表アドレス及び前記メイト代表アドレスのうち一方が含まれているフレームについては、前記アクセスポートによって受信されたフレームを除き、前記NNIポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記送信元に前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記ICポートによって受信されたフレームを除き、前記NNIポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記宛先に前記マイ代表アドレス及び前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記アクセスポートから送信されるように流れを生成する、
請求項12に記載のスーパーリング型ネットワークシステム。 - 1つの前記外部中継装置は、前記インターコネクション伝送路を介して相互に接続された1組の前記フレーム中継装置に接続されている、
請求項12又は13に記載のスーパーリング型ネットワークシステム。 - 前記フレーム中継装置の各々において、
前記パラメータ変化量は、前記他の中継装置からの前記フレームの伝送距離及び遅延時間のうち一方に応じて設定されている、
請求項9に記載のスーパーリング型ネットワークシステム。 - 前記フレーム中継装置の各々において、
前記パラメータ変化量は、前記他の中継装置からの前記フレームの伝送距離又は遅延時間が大きくなるほど、大きくなるように設定され、
前記パラメータ変更部は、前記ポートでフレームを受信した場合、受信したフレームに付加されているパラメータから、フレームを受信したポートに設定されているパラメータ変化量を減算し、
前記ポートでフレームを受信した場合、受信したフレームの送信元MACアドレス、フレームを受信したポートの番号、及び、受信したフレームに付加されている前記パラメータ変更部による減算後のパラメータを、相互に関連付けて登録可能なFDBを備え、
前記リング管理部は、
受信したフレームの送信元MACアドレスが前記FDBに登録されており、フレームを受信したポートの番号が、前記送信元MACアドレスと関連付けて前記FDBに登録されているポートの番号と異なる場合において、
受信したフレームに付加されている前記パラメータ変更部による減算後のパラメータが、前記送信元MACアドレスと関連付けて前記FDBに登録されているパラメータよりも大きいときには、
前記送信元MACアドレス、並びに、前記送信元MACアドレスと関連付けて前記FDBに登録されているポートの番号及びパラメータを、前記FDBの登録から削除して、受信したフレームの送信元MACアドレス、フレームを受信したポートの番号、及び、受信したフレームに付加されている前記パラメータ変更部による減算後のパラメータを、相互に関連付けて前記FDBに登録するとともに、受信したフレームの転送を許可し、
前記場合において、受信したフレームに付加されている前記パラメータ変更部による減算後のパラメータが、前記送信元MACアドレスと関連付けて前記FDBに登録されているパラメータ以下であるときには、
相互に関連付けて前記FDBに登録されている前記送信元MACアドレス、ポートの番号及びパラメータの変更を行わずに、受信したフレームの転送を禁止する、
請求項15に記載のスーパーリング型ネットワークシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011020877A JP5541528B2 (ja) | 2011-02-02 | 2011-02-02 | フレーム中継装置、フレーム中継方法、リング型ネットワークシステム、及び、スーパーリング型ネットワークシステム |
Applications Claiming Priority (1)
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