JP5522071B2 - エッジ中継装置、エッジ中継装置の冗長システム、広域ネットワークシステム、及び、エッジ中継装置用のフレーム転送方法 - Google Patents
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Description
図1は、一実施形態の広域ネットワークシステム10の構成を概略的に示している。具体的には、広域ネットワークシステム10は、複数のユーザ網12a,12b,12c,12dと、ユーザ網12a,12b,12c,12d同士をOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにてレイヤ2レベルで接続する広域網14とからなる。以下では、ユーザ網12a,12b,12c,12dを単にユーザ網12ともいう。
各ユーザ網12は、例えば、広域ネットワークシステム10のユーザが全国に複数の支所を有する会社であれば、各支所に対応して設けられる。そして、各ユーザ網12は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)からなるユーザ端末16a,16b,16c,16d、及び、ユーザ端末16a,16b,16c,16dに接続されたスイッチングハブ(中継装置)18a,18b,18c,18d等を含み、スイッチングハブ18a,18b,18c,18dが広域網14に接続される。
ユーザ網12での通信方式は、例えばIEEE802.1Q規格に準拠している。この規格の場合、MAC(Media Access Control)フレームはC−TAG(カスタマーVLANタグ)を含む。以下では、C−TAGを含むMACフレームをC−TAGフレームともいう。
一方、広域網14は、例えば、通信事業者等によって設置される。広域網14は、プロバイダーブリッジ網(PB網)20a,20c,20dとプロバイダーバックボーンブリッジ網(PBB網)22とからなる。
以下では、PB網20a,20c,20dを単にPB網20ともいう。
ユーザ網12は、対応するPB網20にそれぞれ接続され、PB網20がPBB網22に接続されている。PB網20の各々は、一般的には、相互に接続された複数のスイッチングハブによって構成されるが、図1では、PB網20aは、2つのスイッチングハブ24a,24bによって構成され、PB網20c,20dは、それぞれ1つのスイッチングハブ24c,24dによって構成されている。
以下では、スイッチングハブ24a,24b,24c,24dのことを単にスイッチングハブ24ともいう。
PBB網(コア網)22は、複数のスイッチングハブによって構成されるが、より詳しくは、それぞれ複数のエッジスイッチ(エッジ中継装置)26a,26b,26c,26dとコアスイッチ(コア中継装置)28a,28b,28c,28d,28eとから構成される。以下では、エッジスイッチ26a,26b,26c,26d及びコアスイッチ28a,28b,28c,28d,28eをそれぞれ単にエッジスイッチ26及びコアスイッチ28ともいう。
なお、図1では、PBB網22が4つのエッジスイッチ26及び5つのコアスイッチ28を含んでいるが、エッジスイッチ26及びコアスイッチ28の数は、一般的にこれより多い。従って、コアSW網30内でのコアスイッチ28の構成は、一般的により複雑である。
図2は、B−TAGフレームのフォーマットを示している。B−TAGフレームは、S−TAGフレームに、バックボーン宛先アドレス(B−DA)、バックボーン送信元アドレス(B−SA)、B−TAG(バックボーンタグ)、及び、I−TAG(サービスインスタンスタグ)を付与したものである。ただし、I−TAGは、元々S−TAGフレームに含まれていたカスタマー宛先アドレス(C−DA)及びカスタマー送信元アドレス(C−SA)を含んでいる。
以下では、バックボーン宛先アドレス(B−DA)、バックボーン送信元アドレス(B−SA)、及び、B−TAGを、B−TAGフレームのヘッダ(PBBヘッダ)ともいう。また、バックボーン宛先アドレス(B−DA)のことを単に宛先(B−DA)ともいい、バックボーン送信元アドレス(B−SA)のことを単に送信元(B−SA)ともいう。
送信元(B−SA)としては、エッジスイッチ26の各々に割り当てられたPBB網22内における固有のMACアドレス(B−MAC)が使われる。
また、B−TAG中のB−VID(バックボーンVLANID)としては、PBB網22内において固有のVLAN識別子が使われる。
本実施形態では、エッジスイッチ26のうち、エッジスイッチ26a及びエッジスイッチ26bが所定の関係を存して、対若しくは組みをなすことにより、エッジスイッチ26a及びエッジスイッチ26bの冗長性が確保されている。つまり、エッジスイッチ26a及びエッジスイッチ26bは、エッジスイッチの冗長システムを構成している。
以下では、エッジスイッチ26aを第1エッジスイッチ26aともいい、エッジスイッチ26bを第2エッジスイッチ26bともいう。また、エッジスイッチ26cを第3エッジスイッチ26cともいい、エッジスイッチ26dを第4エッジスイッチ26dともいう。
第1エッジスイッチ26aは複数のポート32を有する。ここでいうポート32は、OSI参照レベルでの物理層を担当し、例えば、ポート32の数と同じ数の物理的なコネクタと、コネクタが接続される1つのインターフェースLSI(大規模集積回路)によって構成される。
なお以下では、S−TAGフレーム及びB−TAGフレームを単にフレームともいう。
学習部40は、受信したフレームの内容を学習し、FDB48の内容を随時更新する。具体的には、学習部40は、PB網20からS−TAGフレームを受信した場合には、S−TAGフレームに含まれるVLANID(S−VID)、及び、カスタマー送信元アドレス(C−SA)を読み込む。そして、学習部40は、読み込んだS−VID及びC−SAがFDB48に登録されていなければ、受信したポート32の番号と関連付けて、S−VID及びC−SAをFDB48に登録する。
FDB48には、検索キー情報及び宛先情報(検索結果)が登録される。即ち、図4(a)に示したように、FDB48には、C−MAC、S−VID、ポート32の番号及びB−MACが相互に関連付けて登録されている。
なお、図4(a)のFDB48では、各項目に適当な数値や「・・・」が記載されている。
〔VIDテーブル〕
VIDテーブル49には、図4(b)に示したように、S−VID、I−SID(サービス・インスタンスID)及びB−VIDが相互に関連付けて登録されている。VIDテーブル49へのS−VID、I−SID及びB−VIDの登録は、例えばネットワークの管理者が手動にて行う。
なお、図4(b)のVIDテーブル49では、各項目に適当な数値や「・・・」が記載されている。
検索部42は、FDB48、VIDテーブル49、マイ代表アドレス50、メイト代表アドレス52、及び、ポート設定DB54を参照しながら、ポート32から入力されたフレームの出力先となるポート32を決定する。そして、検索部42の決定に従って、ポート32からポート32へとフレームが中継される。
一方、検索部42は、S−TAGフレームのS−VIDを検索キーとして、VIDテーブル49内に検索キーと関連付けて登録されているI−SID及びB−VIDを検索する。
カプセル化部44は、受信したS−TAGフレームをPBB網22内のコアスイッチ28又はエッジスイッチ26向けて送信する場合に、PBBヘッダを付与してB−TAGフレームに変換する。
具体的には、カプセル化部44は、PBBヘッダを付与する際に、検索部42によって検索されたB−MAC、I−SID及びB−VIDの値を、B−SA、I−SID及びB−VIDの領域にそれぞれ格納する。
デカプセル化部46は、受信したB−TAGフレームをPB網20内のスイッチングハブ24に向けて送信する場合に、PBBヘッダを外してS−TAGフレームに変換する。
マイ代表アドレス50は、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bの各々に割り当てられた、PBB網22内における一つの固有のアドレスであり、この固有のアドレスは、エッジスイッチ26がフレームをカプセル化するときに、B−TAGフレームの宛先(B−DA)又は送信元(B−SA)として使用される。従って、第1エッジスイッチ26aにとっては、第1エッジスイッチ26aに割り当てられた固有のアドレスがマイ代表アドレス50であり、第2エッジスイッチ26bにとっては、第2エッジスイッチ26bに割り当てられた固有のアドレスがマイ代表アドレス50である。
マイ代表アドレス50は、例えばPBB網22の管理者によって設定され、第1エッジスイッチ26aのマイ代表アドレス50は、第2エッジスイッチ26bのマイ代表アドレス50とは異なる。
メイト代表アドレス52は、対をなす第2エッジスイッチ26b又は第1エッジスイッチ26aに割り当てられた、PBB網22内における一つの固有のアドレスであり、例えばPBB網22の管理者によって設定される。第1エッジスイッチ26aにとっては、第2エッジスイッチ26bに割り当てられた固有のアドレスがメイト代表アドレス52であり、第2エッジスイッチ26bにとっては、第1エッジスイッチ26aに割り当てられた固有のアドレスがメイト代表アドレス52である。
なお、本明細書では、対若しくは組をなすという意味でメイトという単語を使用しており、第1エッジスイッチ26aは第2エッジスイッチ26bのメイトであり、第2エッジスイッチ26bは第1エッジスイッチ26aのメイトである。
ポート設定DB54は、例えばPBB網22の管理者によって設定される。ポート設定DB54には、中継ユニット34が一のポート32から他のポート32へとフレームを中継する際のルールが、ポート32の接続先に応じて、ポート32毎に規定されている。
具体的には、図5に示したように、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bのポート32には、アクセスポート(ACポート)32a、インターコネクションポート(ICポート)32i、及び、ネットワーク−ネットワークインターフェースポート(NNIポート)32nがある。
以下、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bの各ポート32に、ポート設定DB54に基づいて設定されているルールについて説明する。
ICポート32iには、出力側の中継ルールとして、メイトB−SA出力フィルタ(Mate B−SA Egress Filter)60が設定される一方、入力側の中継ルールとして、マイB−SA入力フィルタ(My B−SA Ingress Filter)62、及び、メイトB−SA入力マーカ(Mate B−SA Ingress Marker)64が設定されている。
メイトB−SA出力フィルタ60によれば、B−TAGフレームの送信元(B−SA)がメイト代表アドレス52に一致する場合に、中継ユニット34は、ICポート32iが当該フレームを送信しないように動作する。
(2)マイB−SA入力フィルタ
マイB−SA入力フィルタ62によれば、ICポート32iによって受信されたB−TAGフレームの送信元(B−SA)がマイ代表アドレス50に一致する場合に、中継ユニット34は、当該フレームを破棄して他のポート32に中継しないように動作する。
メイトB−SA入力マーカ64によれば、ICポート32iによって受信されたB−TAGフレームの送信元(B−SA)がメイト代表アドレス52に一致するときに、当該フレームに、ICポート32iによって受信されたこと、即ち、対をなす第2エッジスイッチ26bから直接来たことを示すマーカが付与される。
NNIポート32nには、出力側の中継ルールとして、メイトB−SA出力フィルタ(Mate B−SA Egress Filter)70、及び、マイ/メイトB−DA出力フィルタ(My/Mate B−DA Egress Filter)72が設定される一方、入力側の中継ルールとして、マイB−SA入力フィルタ(My B−SA Ingress Filter)74が設定されている。
(4)メイトB−SA出力フィルタ
メイトB−SA出力フィルタ70によれば、B−TAGフレームの送信元(B−SA)がメイト代表アドレス52に一致する場合に、中継ユニット34は、NNIポート32nが当該フレームを送信しないように動作する。
ただし例外として、メイトB−SA入力マーカ64によってマーカが付与されたフレームについては、送信元(B−SA)がメイト代表アドレス52に一致しても、中継ユニット34は、NNIポート32nが当該フレームを送信することを許容する。
マイ/メイトB−DA出力フィルタ72によれば、B−TAGフレームの宛先(B−DA)がマイ代表アドレス50及びメイト代表アドレス52のうちの何れかに一致する場合に、中継ユニット34は、NNIポート32nが当該フレームを送信しないように動作する。
ただし例外として、第1エッジスイッチ26a自身がカプセル化したB−TAGフレームについては、宛先(B−DA)がメイト代表アドレス52に一致しても、中継ユニット34は、NNIポート32nが当該フレームを送信することを許容する。
マイB−SA入力フィルタ74によれば、NNIポート32nによって受信されたB−TAGフレームの送信元(B−SA)がマイ代表アドレス50に一致する場合に、中継ユニット34は、当該フレームを破棄して他のポート32に中継しないように動作する。
アクセスポート32aには、出力側の中継ルールとして、マイ/メイトB−DA出力フォワーダ(My/Mate B−SA Egress Forwarder)80が設定されている。
(7)マイ/メイトB−DA出力フォワーダ
マイ/メイトB−DA出力フォワーダ80によれば、NNIポート32n又はICポートによって受信されたB−TAGフレームの宛先(B−DA)がマイ代表アドレス50及びメイト代表アドレス52の何れかに一致する場合に、中継ユニット34は、当該フレームをアクセスポート32aから送信するように動作する。
すなわち、マイ/メイトB−DA出力フォワーダ80によれば、B−TAGフレームの宛先(B−DA)が、マイ代表アドレス50に一致するときは当然ながら、メイト代表アドレス52に一致する場合にも、中継ユニット34は、当該B−TAGフレームを自局宛として処理する。
なおこのとき、NNIポート32nには、マイ/メイトB−DA出力フィルタ72が設定されているので、NNIポート32nからB−TAGフレームは送信されない。
また、中継ユニット34は、フレームの宛先(B−DA)がマルチキャストアドレス又はブロードキャストアドレスである場合にも、デカプセル化したフレームを、アクセスポート32aから送信する(フラッディング)。
また、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bの冗長構成を活用するために、PB網20aのスイッチングハブ24a,24bは相互に接続され、これにより、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bに直接的又は間接的に接続されている。つまり、第1エッジスイッチ26a、第2エッジスイッチ26b、スイッチングハブ24a,24bは、リング型伝送路(アクセスリング)を構成している。
なお、このリング型伝送路では、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bを一つのスイッチングハブとみなすことによって、完全なリングを構成する。
リング管理DB58は、リング管理部56によって検出されたリング型伝送路の状態を記憶する。また、リング管理DB58は、マスターポート又はスレーブポートに設定されたポート32も記憶する。
マスターポート及びスレーブポートの設定は、例えば、広域ネットワークシステム10又はリング型伝送路の管理者によって行われる。マスターポート及びスレーブポートの設定は、サービスVLAN(S−VLAN)毎に行うことができ、これにより負荷分散を図ることもできる。
なお、図1では、ブロッキング状態の第2エッジスイッチ26bのアクセスポート32aを黒塗りの四角にて表している。
以下、上述した広域ネットワークシステム10の動作を、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bを中心として、複数のケースについて説明する。
いずれのケースにおいても、図6に示したように、スイッチングハブ24aとスイッチングハブ24bとの間の伝送路において障害が発生し、リングプロトコルの規定に従い、第2エッジスイッチ26bのアクセスポート32aが、ブロッキング状態からフォワーディング状態に遷移させられているものとする。
そして、第3エッジスイッチ26c及び第4エッジスイッチ26dのB−MACは、それぞれ「X」及び「Y」であるとする。マルチキャストアドレスは「MC」であるとする。更に、ユーザ端末16a,16b,16c,16dのMACアドレスは、それぞれ「a」、「b」、「c」及び「d」であるとする。
第1のケースとして、ユーザ網12b内のユーザ端末16bが、ユーザ網12c内のユーザ端末16cに向けてフレームを送信した場合について説明する。第1のケースでは、図5に示したように、第2エッジスイッチ26bのアクセスポート32aがフレームを受信する。第2エッジスイッチ26bは、受信したフレームをカプセル化して、ICポート32i及びNNIポートnのうち一方からフレームを送信する。
カスタマー宛先アドレス(C−DA)である「c」が第2エッジスイッチ26bのFDB48に登録済みの場合には、「c」に対応して、NNIポート32nのうちの1つが登録されているパターン(第1のパターン)と、ICポート32iが登録されているパターン(第2のパターン)がある。後者の第2のパターンにおいては、第1エッジスイッチ26aのFDB48には、「c」に対応して、NNIポート32nのうちの1つが登録されている。
以下、第1のパターンについて図5を参照して説明する。
第2エッジスイッチ26bのFDB48において、NNIポート32nのうちの1つがカスタマー宛先アドレス(C−DA)の「c」と対応付けて登録されている場合、フレームの出力先の候補としてNNIポート32nが選択される。このため、フレームは、NNIポート32nに設定された、出力側の中継ルールである、メイトB−SA出力フィルタ70、及び、マイ/メイトB−DA出力フィルタ72の処理対象になる。
以下、第2のパターンについて図7を参照して説明する。
第2エッジスイッチ26bのFDB48において、ICポート32iがカスタマー宛先アドレス(C−DA)の「c」と対応付けて登録されている場合、フレームの出力先の候補としてICポート32iが選択される。このため、フレームは、ICポート32iに設定された、出力側の中継ルールである、メイトB−SA出力フィルタ60の処理対象になる。
そして、ICポート32iから送信されたフレームは、第1エッジスイッチ26aのICポート32iによって受信され、第1エッジスイッチ26aの入力側の中継ルールである、マイB−SA入力フィルタ62及びメイトB−SA入力マーカ64の処理対象になる。
この場合、フレームの送信元(B−SA)である「B」はメイト代表アドレス52に一致するが、フレームにはマーカが付与されているので、フレームは、メイトB−SA出力フィルタ70の通過を許可される。一方、フレームの宛先(B−DA)は「X」であり、マイ代表アドレス50及びメイト代表アドレス52の何れにも一致しないので、フレームは、マイ/メイトB−DA出力フィルタ72の通過を許可される。
この場合、フレームの宛先(B−DA)は「X」であって、第1エッジスイッチ26aのマイ代表アドレス50及びメイト代表アドレス52の何れにも一致しないので、フレームが第1エッジスイッチ26aのアクセスポート32aから送信されることはない。
以下、第2のケースについて説明する。第2のケースは、ユーザ網12b内のユーザ端末16bがユーザ網12c内のユーザ端末16cに向けてフレームを送信する点においては第1のケースと同じであるが、カスタマー宛先アドレス(C−DA)の「c」が、第2エッジスイッチ26bのFDB48及び第1エッジスイッチ26aのFDB48に登録されていないものとする。このようにカスタマー宛先アドレス(C−DA)の「c」が登録されていない場合としては、ユーザ端末16cが新しい場合の外、何らかの理由によってFDB48がフラッシュ(消去)された場合が考えられる。
この場合、図8に示したように、第2エッジスイッチ26bでは、フレームをカプセル化するときに、宛先(B−DA)にマルチキャストアドレスである「MC」が設定され、受信したアクセスポート32aと同一のB−VIDが割り当てられている全てのポート32が、フレームの出力先の候補に設定される。
この場合、フレームの送信元(B−SA)である「B」はメイト代表アドレス52に一致せず、フレームは、メイトB−SA出力フィルタ70の通過を許可される。一方、フレームの宛先(B−DA)は「MC」であり、マイ代表アドレス50及びメイト代表アドレス52の何れにも一致しないので、フレームは、マイ/メイトB−DA出力フィルタ72の通過を許可される。従って、フレームは、第2エッジスイッチ26bのNNIポート32nから送信される。
この場合、フレームの送信元(B−SA)は第2エッジスイッチ26bのアドレス「B」であって、第1エッジスイッチ26aのマイ代表アドレス50には一致しないが、メイト代表アドレス52には一致する。このため、フレームは、マイB−SA入力フィルタ62の通過を許可され、メイトB−SA入力マーカ64によってマーカを付与される。
この場合、フレームの送信元(B−SA)である「B」はメイト代表アドレス52に一致するが、フレームにはマーカが付与されているので、フレームは、メイトB−SA出力フィルタ70の通過を許可される。一方、フレームの宛先(B−DA)は「MC」であり、マイ代表アドレス50及びメイト代表アドレス52の何れにも一致しないので、フレームは、マイ/メイトB−DA出力フィルタ72の通過を許可される。従って、フレームは、第2エッジスイッチ26bのNNIポート32nから送信される。
以下、第2エッジスイッチ26bのNNIポート32nから送信されたフレームが第1エッジスイッチ26aによって受信された一例として、コアSW網30のコアスイッチ28aを経由して、フレームが第1エッジスイッチ26aに到達した場合について、図9を参照して説明する。
第1エッジスイッチ26aのNNIポート32nによって受信されたフレームは、入力側の中継ルールである、マイB−SA入力フィルタ74の処理対象になる。
第3のケースとして、ユーザ網12b内のユーザ端末16bが、ユーザ網12a内のユーザ端末16aに向けてフレームを送信した場合であって、カスタマー宛先アドレス(C−DA)が第2エッジスイッチ26bのFDB48に登録されている場合について説明する。
この第3のケースは、第1のケースとは、フレームの宛先(B−DA)において異なっているが、第2エッジスイッチ26bのFDB48の登録内容に応じて、図10及び図11に示したように、NNIポート32n又はICポート32iからフレームが送信される点においては同じである。
そしてフレームは、アクセスポート32aに設定されたマイ/メイトB−DA出力フォワーダ80によって、アクセスポート32aから送信され、スイッチングハブ24aを経由して、ユーザ端末16aに到達する。
第4のケースとして、図12を参照して、ユーザ網12c内のユーザ端末16cが、ユーザ網12b内のユーザ端末16bに向けてフレームを送信し、第1エッジスイッチ26aのNNIポート32nがフレームを受信した場合について説明する。
なお、第4のケースでも、アクセスリングを構成するスイッチングハブ24aとスイッチングハブ24bとの間には障害が発生しているが、エッジスイッチ26cは、障害の発生を検知できずに、障害発生前と同様、宛先(B−DA)として「A」を用いてフレームをカプセル化するものとする。
従って、フレームはフラッディングの対象になり、フレームの出力先の候補として、第1エッジスイッチ26aのICポート32iも選択される。フレームの送信元(B−SA)は「X」であるので、フレームは、ICポート32iに設定されたメイトB−SA出力フィルタ60の通過を許可される。このため、フレームは、第1エッジスイッチ26aのICポート32iから第2エッジスイッチ26bに向けて送信される。
第5のケースとして、図13を参照して、ユーザ網12c内のユーザ端末16cが、ユーザ網12b内のユーザ端末16bに向けてフレームを送信し、第1エッジスイッチ26aのNNIポート32nがフレームを受信した場合について説明する。
なお、第5のケースでは、アクセスリングを構成するスイッチングハブ24aとスイッチングハブ24bとの間での障害発生後に、エッジスイッチ26cが、ユーザ端末16bのMACアドレスである「b」を学習しており、宛先(B−DA)として「B」を用いてフレームをカプセル化するものとする。
第6のケースとして、図14を参照して、ユーザ網12d内のユーザ端末16dが、ユーザ網12c内のユーザ端末16cに向けてフレームを送信し、このフレームを第1エッジスイッチ26aのNNIポート32nが受信した場合について説明する。
〔第7のケース/B−SA:X,B−DA:MC〕
図15を参照して第7のケースについて説明する。第7のケースでは、ユーザ網12c内のユーザ端末16cがユーザ網12b内のユーザ端末16bに向けて送信したフレームを、第3エッジスイッチ26cが宛先(B−DA)としてマルチキャストアドレスである「MC」を用いてカプセル化し、このカプセル化されたフレームが第1エッジスイッチ26aのNNIポート32nによって受信されるものとする。
すなわち、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bのうち一方、例えば、第1エッジスイッチ26aが故障したとしても、他方の第2エッジスイッチ26bが正常に動作していれば、ユーザ網12a,12bのユーザ端末16a,16bから、他のユーザ網12c,12dのユーザ端末16c,16dに向けて送信されたフレームは、第2エッジスイッチ26bを介して転送される。
かくして、広域ネットワークシステム10では、エッジスイッチの冗長性が確保されており、通信の安定性が確保されている。
なお、リング型伝送路での障害には、第1エッジスイッチ26a及び第2エッジスイッチ26bの各々の一部又は全体の故障も含まれる。
具体的には、図16は、アクセスリングが正常状態にあるときの、ユーザ端末16cからユーザ端末16bに向けたフレームの転送の様子を示している。アクセスリングが正常状態であれば、ユーザ端末16cからユーザ端末16b宛のフレームは、第1エッジスイッチ26a、スイッチングハブ24a及びスイッチングハブ24bを順次経由する。
アクセスリングに障害が発生すると、リングプロトコルによって、第2エッジスイッチ26bのアクセスポートがフォワーディング状態にされ、ユーザ網12bの接続先(収容先)が第1エッジスイッチ26aから第2エッジスイッチ26bに変更される。
しかしながら、他のエッジスイッチ26c,26dは、接続先の変更を検知できず、接続先の変更後も、変更前の接続先である「A」を宛先(B−DA)として、B−TAGフレームを一定期間送信してしまう。この場合、従来技術では、フレームが、変更前の接続先である第1エッジスイッチにおいて廃棄されてしまうことがあり、宛先のユーザ端末16bに届かないことがあった。
このように、上述した一実施形態の広域ネットワークシステム10では、簡単な構成にて、接続先が変更されたときの不具合が解消される。
例えば上述した一実施形態では、リング型伝送路において使用されるリングプロトコルは特に限定されることはなく、IEEE802.1Dに規定されたSTP(Spanning Tree Protocol)の手法や、ITU−T G.8032に規定されたEthernet Ring Protectionの手法を採用してもよい。
12 ユーザ網
14 広域網
16 ユーザ端末
20 PB網(第2ネットワーク)
22 PBB網(第1ネットワーク)
24 スイッチングハブ(外部中継装置)
26 エッジスイッチ(エッジ中継装置)
26a 第1エッジスイッチ(第1エッジ中継装置)
26b 第2エッジスイッチ(第2エッジ中継装置)
28 コアスイッチ(コア中継装置)
30 コアSW網
19 伝送媒体
32a アクセスポート
32i ICポート
32n NNIポート
Claims (8)
- MAC−in−MAC方式のネットワークの境界に配置されるエッジ中継装置において、
前記ネットワークの境界よりも内側に配置されるコア中継装置との接続に供されるNNIポートと、
前記ネットワークの外側に配置された外部中継装置との接続に供されるアクセスポートと、
前記境界に配置された他のエッジ中継装置との接続に供されるICポートと、
前記NNIポート、前記アクセスポート及び前記ICポートを通じた前記コア中継装置、前記外部中継装置及び前記他のエッジ中継装置の間でのフレームの流れを制御する中継ユニットとを備え、
自身に割り当てられる前記ネットワークにおける固有のMACアドレスをマイ代表アドレスとし、前記他のエッジ中継装置に割り当てられる前記ネットワークにおける固有のMACアドレスをメイト代表アドレスとするとき、
前記中継ユニットは、前記フレームの宛先及び送信元に含まれる、前記マイ代表アドレスと前記メイト代表アドレスの組み合わせに基づいて、前記フレームの流れを制御する、
エッジ中継装置。 - 請求項1に記載のエッジ中継装置において、
前記中継ユニットは、
前記フレームのうち、前記送信元に前記マイ代表アドレスが含まれているフレームについては、前記NNIポート及び前記ICポートの各々によって受信された場合に流れを止め、
前記フレームのうち、前記送信元に前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記ICポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記宛先に前記マイ代表アドレス及び前記メイト代表アドレスのうち一方が含まれているフレームについては、前記アクセスポートによって受信されたフレームを除き、前記NNIポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記送信元に前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記ICポートによって受信されたフレームを除き、前記NNIポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記宛先に前記マイ代表アドレス及び前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記アクセスポートから送信されるように流れを生成する、
エッジ中継装置。 - MAC−in−MAC方式のネットワークの境界に配置されるエッジ中継装置の冗長システムであって、
第1エッジ中継装置及び第2エッジ中継装置を備え、
第1エッジ中継装置及び第2エッジ中継装置の各々は、
前記ネットワークの境界よりも内側に配置されるコア中継装置に接続されるNNIポートと、
前記ネットワークの外部に配置される外部中継装置に接続されるアクセスポートと、
前記第1エッジ中継装置と前記第2エッジ中継装置との間の接続に使用されるICポートと、
前記NNIポート、前記アクセスポート及び前記ICポートを通じた前記コア中継装置、前記外部中継装置、前記第1エッジ中継装置、及び、前記第2エッジ中継装置の間でのフレームの流れを制御する中継ユニットとを有し、
自身に割り当てられる前記ネットワークにおける固有のMACアドレスをマイ代表アドレスとし、前記第1エッジ中継装置については前記第2エッジ中継装置に割り当てられる前記ネットワークにおける固有のMACアドレスをメイト代表アドレスとし、前記第2エッジ中継装置については前記第1エッジ中継装置に割り当てられる前記ネットワークにおける固有のMACアドレスをメイト代表アドレスとするとき、
前記中継ユニットは、前記フレームの宛先及び送信元に含まれる、前記マイ代表アドレスと前記メイト代表アドレスの組み合わせに基づいて、前記フレームの流れを制御する、
エッジ中継装置の冗長システム。 - 請求項3に記載のエッジ中継装置の冗長システムにおいて、
前記中継ユニットは、
前記フレームのうち、前記送信元に前記マイ代表アドレスが含まれているフレームについては、前記NNIポート及び前記ICポートの各々によって受信された場合に流れを止め、
前記フレームのうち、前記送信元に前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記ICポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記宛先に前記マイ代表アドレス及び前記メイト代表アドレスのうち一方が含まれているフレームについては、前記アクセスポートによって受信されたフレームを除き、前記NNIポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記送信元に前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記ICポートによって受信されたフレームを除き、前記NNIポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記宛先に前記マイ代表アドレス及び前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記アクセスポートから送信されるように流れを生成する、
エッジ中継装置の冗長システム。 - 請求項3又は4に記載のエッジ中継装置の冗長システムにおいて、
前記第1エッジ中継装置及び前記第2エッジ中継装置は、前記外部中継装置とともに、リング型伝送路を構成している、
エッジ中継装置の冗長システム。 - 請求項3乃至5の何れか一項に記載のエッジ中継装置の冗長システムを含む、MAC−in−MAC方式の第1ネットワークと、
前記第1ネットワークに接続され、前記第1ネットワークを介して相互に接続される複数の第2ネットワークと
を備える広域ネットワークシステム。 - MAC−in−MAC方式のネットワークの境界に配置されるエッジ中継装置用のフレームの転送方法において、
前記エッジ中継装置のNNIポートを、前記ネットワークの境界よりも内側に配置されるコア中継装置と接続し、
前記エッジ中継装置のアクセスポートを、前記ネットワークの外側に配置された外部中継装置と接続し、
前記エッジ中継装置のICポートを、前記境界に配置された他のエッジ中継装置と接続し、
前記エッジ中継装置及び前記他のエッジ中継装置の各々に前記ネットワークにおける固有のMACアドレスを割り当て、
前記エッジ中継装置に割り当てられた前記MACアドレスをマイ代表アドレスとし、前記他のエッジ中継装置に割り当てられた前記MACアドレスをメイト代表アドレスとするとき、
前記フレームの宛先及び送信元に含まれる、前記マイ代表アドレスと前記メイト代表アドレスの組み合わせに基づいて、前記NNIポート、前記アクセスポート及び前記ICポートを通じた前記コア中継装置、前記外部中継装置及び前記他のエッジ中継装置の間での前記フレームの流れを制御する、
エッジ中継装置用のフレームの転送方法。 - 請求項7に記載のエッジ中継装置用のフレームの転送方法において、
前記フレームのうち、前記送信元に前記マイ代表アドレスが含まれているフレームについては、前記NNIポート及び前記ICポートの各々によって受信された場合に流れを止め、
前記フレームのうち、前記送信元に前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記ICポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記宛先に前記マイ代表アドレス及び前記メイト代表アドレスのうち一方が含まれているフレームについては、前記アクセスポートによって受信されたフレームを除き、前記NNIポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記送信元に前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記ICポートによって受信されたフレームを除き、前記NNIポートから送信されないように流れを止め、
前記フレームのうち、前記宛先に前記マイ代表アドレス及び前記メイト代表アドレスが含まれているフレームについては、前記アクセスポートから送信されるように流れを生成する、
エッジ中継装置用のフレームの転送方法。
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