JP5541517B2 - 経木積層体製造用接着剤並びに経木積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係る経木積層体を模式的に示したものである。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る経木積層体を説明するための模式図であり、それぞれの層の厚み、無機微粒子及び繊維状体の大きさ、木目の幅などについては図面の状態に限定されるものではない。本発明の一実施形態に係る経木積層体は、天然の木材を薄くスライスして得られる2枚の経木1、3が、その2枚の経木1、3の間に形成された接着層2で接合された積層構造を有する。接着層2は、接着基剤5と無機微粒子6と繊維状体7とを含む接着剤の層を硬化させて形成されたものである。本発明の別の実施形態においては、経木積層体は、木材を薄くスライスして得られる3枚以上の経木が、その3枚以上の経木の各々の間に形成された接着層で接合された積層構造を有するものとすることもできる。すなわち、積層体に含まれる経木の枚数は、本発明の目的を達成できる限りにおいて限定されない。以下の説明においては、2枚の経木が接着層で接合された実施形態について説明する。
本発明に係る経木積層体に用いられる接着剤における接着基剤5の種類は特に限定されない。木材を貼り合わせる目的で一般に用いられる接着基剤の中から任意に選択して使用することができる。接着基剤5として、例えば、天然ゴム系接着剤、ゴムラテックス系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤などといった当業者に周知の接着基剤を、単独で又はいくつかの種類を組み合わせて、用いることができる。
エゾマツから、縦100mm×横200m×厚み0.1mmの大きさの経木2枚を作成した。接着剤は、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤(常磐化学工業株式会社製 トキワノール NS−8209)を用いた。接着基剤100ccに対して、アルコール5ccの割合でアルコールを混合して、接着基剤を希釈した。これに、無機微粒子として平均粒径の異なる3種類のホワイトアルミナ(Al2O3)粉末(スルザーメテコジャパン株式会社)と、繊維状体として化学繊維とを混合した。混合されたホワイトアルミナ粉末は以下のとおりである。
(a) ホワイトアルミナ粉末 ♯400
(b) ホワイトアルミナ粉末 −125+90μm
(c) ホワイトアルミナ粉末 200μm
平均粒径は(a)が最も小さく、(c)が最も大きい。また、繊維状体は、化学繊維のロール(ジェックス株式会社製 ロールマットワイド)から必要量をカットし、繊維をほぐして用いた。繊維の長さは、約30mm〜約50mmであった。接着基剤100ccに対して、無機微粒子5ccを混合して撹拌し、さらに繊維状体5ccを混合して撹拌した。無機微粒子は、上述の3種類のホワイトアルミナ粉末を1:1:1の割合で用いた。繊維状体の混合の際には、繊維状体が接着基剤中に均一に混合されるように、前述のように、繊維状体を少量ずつ混合した。なお、繊維状体の体積は、化学繊維のロールから必要量を切り出した状態で計算した。
実施例1において用いられた接着基剤、すなわち、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤に、ゴム系接着剤(セメダイン株式会社製 ゴムラテックス系接着剤Ch−7)を、接着基剤100ccに対して5ccの割合で配合したものを接着基剤として用いた。使用した接着基剤以外の条件は、実施例1と同様であった。ゴム系接着剤を接着基剤として用いることにより、最終的に得られる経木積層体の柔軟性を高めることができる。
実施例1において用いられた接着基剤、すなわち、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤に、ゴム系接着剤(セメダイン株式会社製 ゴムラテックス系接着剤Ch−7)を、接着基剤100ccに対して15ccの割合で配合したものを接着基剤として用いた。使用した接着基剤以外の条件は、実施例1と同様であった。
実施例1において、積層される2枚の経木をエゾマツから作成された10mm×50mm×0.1mmの大きさのものとし、これらの経木を実施例1と同様の方法で貼り合わせて、経木積層体を得た。
実施例1において、接着基剤に無機微粒子及び繊維状体を混合せずに準備した接着剤を用いて、2枚の経木を貼り合わせた。使用した接着剤以外の条件は、実施例1と同様であった。
実施例1において、接着基剤をゴム系接着剤(セメダイン株式会社製 ゴムラテックス系接着剤Ch−7)とし、接着基剤に無機微粒子及び繊維状体を混合せずに準備した接着剤を用いて、2枚の経木を貼り合わせた。使用した接着剤以外の条件は、実施例1と同様であった。
実施例1において、接着基剤をシリコーン系接着剤(セメダイン株式会社製 セメダインAX−016 80%と、同社製 セメダイン8000 20%との混合物)とし、接着基剤に無機微粒子及び繊維状体を混合せずに準備した接着剤を用いて、2枚の経木を貼り合わせた。使用した接着剤以外の条件は、実施例1と同様であった。
実施例1において、積層される2枚の経木をエゾマツから作成された10mm×50mm×0.1mmの大きさのものとし、これらの経木を、実施例1と同様の接着基剤に無機微粒子及び繊維状体を混合せずに準備した接着剤を用いて貼り合わせて、経木積層体を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜3によって作成された経木積層体について、接着強度を測定した。接着強度は、卓上型引張圧縮試験機(株式会社今田製作所製)を用いて行った。上述の実施例1〜3及び比較例1〜3に記載のとおり得られた経木積層体から7cm2の試験体を切り出し、その試験体の両面に接着強さ試験片を接着し、2つの接着強さ試験片を互いに反対方向に引っ張ることによって、経木積層体の接着強度を測定した。実施例1及び実施例2、並びに、比較例2及び比較例3については、同様に作成された2つの経木積層体の接着強度を測定し、実施例3及び比較例1については、同様に作成された3つの経木積層体の接着強度を測定した。
実施例4及び比較例4に記載のとおり得られた経木積層体について、引っ張り強度を測定した。引っ張り強度は以下のように測定した。まず、10mm×50mm×0.5mmの短冊状の経木積層体の2つの短辺部分を両方の端部として、その両端部から長辺と平行な方向にそれぞれ20mmの位置を2つのクランプによって挟んだ(すなわち、2つのクランプの間に、長辺と平行な方向に10mmの経木積層体が露出することになる)。経木積層体の長辺が鉛直方向を向くように経木積層体を縦に配置し、一方のクランプを固定した上で、他方のクランプに荷重を加えた。クランプ間に露出した経木積層体のいずれかの部分が破断したときの荷重を、引っ張り強度とした。なお、参考として、10mm×50mm×0.1mmの大きさの経木1枚の引っ張り強度も測定し、これを比較例5とした。実施例4については、同様に作成された4つの経木積層体の接着強度を測定し、比較例4及び比較例5については、同様に作成された3つの経木積層体の接着強度を測定した。
2 接着層
4 木目
5 接着基剤
6 無機微粒子
7 繊維状体
Claims (15)
- 少なくとも2枚の経木を接合して経木積層体を製造するために用いられる接着剤であって、接着基剤を主成分とし、該接着基剤中に無機微粒子と繊維状体とを含むことを特徴とする、経木積層体の製造用接着剤。
- 前記無機微粒子の形状は、表面に凹凸を有する非球状であることを特徴とする、請求項1に記載の経木積層体の製造用接着剤。
- 前記無機微粒子は、種々の粒径を有する無機微粒子からなることを特徴とする、請求項1に記載の経木積層体の製造用接着剤。
- 前記繊維状体の平均長さは、少なくとも、前記経木が有する隣接する2つの木目間の距離のうち最大の距離より長いことを特徴とする、請求項1に記載の経木積層体の製造用接着剤。
- 前記繊維状体は化学繊維であることを特徴とする、請求項1に記載の経木積層体の製造用接着剤。
- 少なくとも2枚の経木と該少なくとも2枚の経木の間に形成された接着層とを含む経木積層体であって、前記接着層が、主成分となる接着基剤と無機微粒子と繊維状体とを含むことを特徴とする、経木積層体。
- 前記少なくとも2枚の経木は、各々の経木の木目方向が非平行状態となるように積層されたことを特徴とする、請求項6に記載の経木積層体。
- 請求項6又は請求項7に記載の経木積層体を用いて形成されたことを特徴とする容器。
- 接着基剤に無機微粒子と繊維状体とを混合することにより接着剤を準備する工程と、
木材をスライスして作成された少なくとも2枚の経木の間に前記接着剤の層を形成する工程と、
前記少なくとも2枚の経木と前記接着剤の層とを含む積層体を加熱しながら加圧する工程と、
を含むことを特徴とする経木積層体の製造方法。 - 前記接着剤を準備する工程は、前記接着剤を水又はアルコールによって希釈する工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
- 前記無機微粒子の形状は、表面に凹凸を有する非球状であることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
- 前記無機微粒子は、種々の粒径を有する無機微粒子からなることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
- 前記繊維状体の平均長さは、少なくとも、前記経木に含まれる複数の木目のうち最大幅の木目の幅より長いことを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
- 前記繊維状体は化学繊維であることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
- 前記少なくとも2枚の経木は、各々の経木の木目方向が非平行状態となるように積層されることを特徴とする、請求項9に記載の製造方法。
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