JP5539798B2 - パンツ型の吸収性着用物品 - Google Patents

Description

この発明は、パンツ型の吸収性着用物品に関し、さらに詳しくは使い捨てのおむつ、排泄トレーニングパンツ、失禁ブリーフ等のパンツ型の吸収性着用物品に関する。

従来、腹側外層部材と、背側外層部材と、これら腹側外層部材及び背側外層部材を連結する吸収性部材との３つの部材から形成されるパンツ型の吸収性着用物品は公知である。
例えば、特許文献１には、以下のようなパンツ型のおむつに係る技術が開示されている。
（１）腹側外層部材は、着用者の前胴周り域を被覆する前パネルである。背側外層部材は、着用者の後胴周り域を被覆する後パネルである。吸収性部材は、前パネルと後パネルとにつながって着用者のクロッチ域を被覆するクロッチパネルである。
（２）後パネルには、縦方向の寸法が前パネルの寸法と実質的に同じである後胴周り域カバー部と、後胴周り域カバー部の下方に連なって着用者の臀部の少なくとも一部を覆う臀部カバー部とが形成してある。
（３）クロッチパネルは、前後方向に延び、尿等の体液を吸収する吸収部と、吸収部の両側に沿って前後方向へ延び、前後方向へ弾性的に収縮可能なガスケット弾性体を有するガスケットカフス部とを備えている。
（４）臀部カバー部は、臀部カバー部の縁に沿って延びる臀部カバー弾性体を備えている。
（５）臀部カバー弾性体と、ガスケット弾性体とが交差する個所で、臀部カバー部とクロッチパネルとを接合してある。

特開２００７−１４５３８号公報

臀部カバー弾性体と、ガスケット弾性体とが交差する個所で、臀部カバー部とクロッチパネルとを接合した場合、臀部カバー部においても、ガスケット弾性体の収縮力が作用する。すなわち、ガスケット弾性体の収縮力が、臀部カバー部においても働き、臀部カバー部が縦方向に収縮する。これにより、臀部カバー部による着用者の臀部を覆う面積が減少してしまう問題があった。

そこで、この発明では、臀部カバー部による着用者の臀部を覆う面積の減少を抑えることができるパンツ型の吸収性着用物品を提供することを課題にしている。

前記課題を解決するために、この発明が対象とするのは、縦方向と横方向と前後方向とを有する着用物品が、着用者の前胴周り域を被覆する前パネルと、前記着用者の後胴周り域を被覆する後パネルと、前記前パネルと前記後パネルとにつながって前記着用者のクロッチ域を被覆するクロッチパネルとを有し、前記後パネルには、前記縦方向の寸法が前記前パネルの寸法と実質的に同じである後胴周り域カバー部と、前記後胴周り域カバー部の下方に連なって前記着用者の臀部の少なくとも一部分を覆う臀部カバー部とが形成され、前記クロッチパネルが、前記前後方向に延びる吸収部と、前記吸収部の両側に沿って前記前後方向へ延び、前記前後方向に弾性的に収縮可能なガスケット弾性体を有するガスケットカフス部とを備え、前記臀部カバー部が、前記横方向へ延びる臀部カバー弾性体を備えるパンツ型の吸収性着用物品である。

かかる吸収性着用物品において、この発明の特徴は、前記臀部カバー部と、前記クロッチパネルとは、前記横方向において、前記吸収部の両側のガスケットカフス部の間では接合状態にあり、前記ガスケットカフス部では非接合状態にあり、前記後胴周り域カバー部は、前記横方向に弾性的に収縮可能な後胴周り域弾性体を有し、前記ガスケット弾性体と前記後胴周り域弾性体とが交差する部位において、前記クロッチパネルと前記後パネルとが接合し、前記前パネルは、前記横方向に弾性的に収縮可能な前胴周り域弾性体を有し、前記ガスケット弾性体と前記前胴周り域弾性体とが交差する部位において、前記クロッチパネルと前記前パネルとが接合していることにある。

この発明の好ましい実施態様の一つにおいて、前記臀部カバー弾性体が、非伸張状態で前記後パネルに取り付けてある。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、少なくとも前記臀部カバー部と前記吸収部とが重なる部分において、前記臀部カバー弾性体を非伸張状態で前記後パネルに取り付けてある。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記臀部カバー弾性体を含む前記臀部カバー部と、前記後胴周り域弾性体を含む前記後胴周り域カバー部とを前記横方向において同一寸法の小片を取り出した場合、縮んだ状態での前記臀部カバー部の前記横方向の長さ寸法が、縮んだ状態での前記後胴周り域カバー部の前記横方向の長さ寸法よりも大きい。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記臀部カバー弾性体を含む前記臀部カバー部と、前記後胴周り域弾性体を含む前記後胴周り域カバー部とを前記横方向において同一寸法の小片を取り出した場合、縮んだ状態での前記臀部カバー部の前記横方向の長さ寸法と、縮んだ状態での前記後胴周り域カバー部の前記横方向の長さ寸法とが実質的に同一であり、前記臀部カバー弾性体の前記縦方向の間隔を、前記後胴周り域弾性体の前記縦方向の間隔よりも大きくしてある。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記後胴周り域弾性体は、前記横方向において、前記吸収部の両側縁で収縮可能な状態にある。

この発明の好ましい実施態様の他の一つにおいて、前記後胴周り域弾性体が、前記吸収部の両側縁それぞれにおいて収縮可能な範囲は、前記吸収部の前記横方向の寸法の５〜２０％である。

この発明に係る着用物品によれば、臀部カバー部とクロッチパネルとは、横方向において、ガスケットカフス部では非接合状態にあるため、ガスケット弾性体の収縮力が臀部カバー部に作用することを抑えることができる。よって、ガスケット弾性体の収縮力によって臀部カバー部が縦方向に収縮するのを抑えて、臀部カバー部による着用者の臀部を覆う面積の減少を抑えることができる。
しかも、吸収部の両側のガスケットカフス部の間では接合状態にあるため、臀部カバー部に対して吸収部が妄りに移動することを抑えることができる。

パンツ型の吸収性着用物品の一例である使い捨てのパンツ型のおむつの斜視図。 おむつの肌対向面の側から見た展開平面図。 おむつの非肌対向面の側から見た展開平面図。 クロッチパネルの詳細説明図。 図２の矢視Ｖ−Ｖに沿う断面図。 図２の矢視ＶＩ−ＶＩに沿う断面図。 図２の矢視ＶＩＩ−ＶＩＩに沿う断面図。 図７において弾性体の収縮力が作用した状態を示す説明図。 おむつの変形例の展開平面図。

図１〜図８には、この発明のパンツ型の吸収性着用物品として、例えば使い捨ておむつ（以下、単に「おむつ」と省略する）を例に挙げて説明する。図中、Ｘは、横方向を示し、Ｙは、横方向Ｘに直交する縦方向を示し、Ｚは、横方向Ｘおよび縦方向Ｙにそれぞれ直交する前後方向を示している。線Ｐ−Ｐは、縦方向仮想中心線を示し、線Ｑ−Ｑは、横方向仮想中心線であり、線Ｌ１は、横方向仮想境界線を示す。このおむつ１０は、横方向Ｘの寸法を二等分して縦方向Ｙに延びる縦方向仮想中心線Ｐ−Ｐに関して対称となるよう形成してある。

図１は、ウエスト開口１０ａ及びレッグ開口１０ｂが開口するおむつ１０の立面体をその前側から見た斜視図である。このおむつ１０は、前パネル２０と、後パネル３０と、クロッチパネル４０との３つのパネル２０，３０，４０で形成してある。

図２は、前後パネル２０，３０を互いに分離しておむつ１０を展開した状態において、おむつ１０の後述する各弾性体をその収縮力に抗して伸長させ、おむつ１０を平面に保った状態を肌対向面側から見た状態を示し、図３は、これを非肌対向面側から見た状態を示す。
前後パネル２０，３０は、縦方向Ｙに互いに離間した状態で、横方向Ｘにそれぞれ延びている。これら前後パネル２０，３０は、前後両側縁２１，３１を互いに接合することによって、図１に示すように、シーム部１４を形成するとともに、ウエスト開口１０ａ及び一対のレッグ開口１０ｂを形成している。

前パネル２０は、図２及び図３に示すように、それぞれ矩形状の前内面シート２４及び前外面シート２５と、前胴周り域弾性体２６と、前カバーシート２７とを含み、前内面シート２４と前外面シート２５との間に、前胴周り域弾性体２６が介在している。前内面シート２４と前外面シート２５とは、縦方向Ｙと横方向Ｘとの縦横の長さ寸法が実質的に同一である。
前胴周り域弾性体２６は、後述する後胴周り域弾性体３６と構成が同一のため、後胴周り域弾性体３６と共に後述する。
この前パネル２０は、着用者の前胴周り域を被覆するものである。

後パネル３０は、それぞれ矩形状の後内面シート３４及び後外面シート３５と、後胴周り域弾性体３６と、臀部カバー弾性体５１と、後カバーシート３７とを含み、後内面シート３４と、後外面シート３５との間に、後胴周り域弾性体３６及び臀部カバー弾性体５１が介在している。
後パネル３０の横方向Ｘの長さ寸法は、前パネル２０と実質的に同じである。一方、後パネル３０の縦方向Ｙの長さ寸法は、前パネル２０の縦方向Ｙの長さ寸法よりも大きい。具体的には、後パネル３０には、縦方向Ｙにおいて横方向仮想境界線Ｌ１で画成され、縦方向Ｙの寸法が前パネル２０の寸法と実質的に同じである後胴周り域カバー部１２と、後胴周り域カバー部１２の下方に連なる臀部カバー部５０とが形成してある。
後胴周り域カバー部１２は、着用者の後胴周り域を被覆するものであり、臀部カバー部５０は、着用者の臀部の少なくとも一部分を覆うものである。
シート２４，２５，３４，３５は、透湿性かつ液抵抗性の繊維不織布等を用いることができ、例えば、単位面積あたりの質量が約１０〜２５ｇ／ｍ^２のＳＭＳ不織布、スパボンド不織布、ポイントボンド不織布、エアースルー不織布等を用いることができる。内面シート２４，３４と、外面シート２５，３５とは、同一の素材でもよく、異なる素材であってもよい。

前パネル２０、及び後胴周り域カバー部１２の縦方向Ｙの長さ寸法は、好ましくは約７０〜１５０ｍｍ、さらに好ましくは共に約１０５ｍｍである。臀部カバー部５０の縦方向Ｙの長さ寸法は、好ましくは約３０〜約９０ｍｍであり、さらに好ましくは約６０ｍｍである。
上記のような寸法関係によって、おむつ１０の着用状態においては、臀部カバー部５０は、後胴周り域カバー部１２の最下部から、レッグ開口１０ｂの一部を覆うようにそのレッグ開口１０ｂの最下部まで延出し、かつ臀部カバー部５０の下端部は、後述するガスケットカフス部７０及びバリヤーカフス部８０よりも縦方向Ｙの下方に位置する。

前胴周り域弾性体２６及び後胴周り域弾性体３６としては、糸状のものを用いてあり、横方向Ｘに収縮力が作用するように伸長状態で前内外面シート２４，２５の間、後内外面シート３４，３５の間にそれぞれ取り付けてある。これら前後胴周り域弾性体２６，３６は、横方向Ｘにそれぞれ延び、縦方向Ｙに一定の間隔で、前内外面シート２４，２５の間、後内外面シート３４，３５の間にそれぞれ配置してある。前後胴周り域弾性体２６，３６の縦方向Ｙの間隔は、好ましくは約４〜約１０ｍｍである。
前胴周り域弾性体２６は、ウエスト開口１０ａ側に位置する前第１弾性領域２６ａを形成するものと、レッグ開口１０ｂ側に位置する前第２弾性領域２６ｂを形成するものとに区画され、後胴周り域弾性体３６は、ウエスト開口１０ａ側に位置する後第１弾性領域３６ａを形成するものと、レッグ開口１０ｂ側に位置する後第２弾性領域３６ｂを形成するものとに区画されている。
前第１弾性領域２６ａは、着用状態では、縦方向Ｙにおける最上部の近傍、すなわち、ウエスト開口１０ａの近傍に位置し、展開状態では、前パネル２０の前外端縁２２の近傍に位置する。この実施形態では、図２，図３において、例えば、前パネル２０の前外端縁２２から縦方向Ｙの上方に向かった４本の前胴周り域弾性体２６によって前第１弾性領域２６ａが形成され、残りの前胴周り域弾性体２６によって前第２弾性領域２６ｂが形成されている。
後第１弾性領域３６ａは、着用状態では、縦方向Ｙにおける最上部の近傍、すなわち、ウエスト開口１０ａの近傍に位置し、展開状態では、後胴周り域カバー部１２の後外端縁３２の近傍に位置する。この実施形態では、図２，図３において、例えば、後胴周り域カバー部１２における後外端縁３２から縦方向Ｙの下方に向かった４本の後胴周り域弾性体３６によって後第１弾性領域３６ａが形成され、残りの後胴周り域弾性体３６によって後第２弾性領域３６ｂが形成されている。
これら前後第１弾性領域２６ａ，３６ａは、おむつ１０の着用状態において、主としておむつ１０が身体からずり下がることを防止する機能を有している。前後第２弾性領域２６ｂ，３６ｂは、主としておむつ１０が身体からだぶつくことを防止する機能を有している。前後第１弾性領域２６ａ，３６ａの機能と、前後第２弾性領域２６ｂ，３６ｂの機能とは、相互に補完している。
前後第１弾性領域２６ａ，３６ａは、収縮力を実質的に同等にしてもよいし、その一方がその他方よりも大きくしてあっても良く、前後第２弾性領域２６ｂ，３６ｂも同様である。収縮力の大きさについては、後で詳細に説明する。
前後胴周り域弾性体２６，３６は、約３１０〜約１２４０ｄｔｅｘの糸状のものを７〜３７本用いることが好ましい。この一つの実施形態では、例えば、約４７０ｄｔｅｘの糸状の前後胴周り域弾性体２６，３６を２０本ずつ用いてある。前後胴周り域弾性体２６，３６は、約２．０〜約３．４倍に伸長させることによって、収縮力が作用するよう前内外面シート２４，２５の間、後内外面シート３４，３５の間に取り付けてある。この一つの実施形態において、前後第１弾性領域２６ａ，３６ａを構成する前後胴周り域弾性体２６，３６は、例えば、２．３倍に伸長させて前内外面シート２４，２５の間、後内外面シート３４，３５の間に取り付けてあり、前第２弾性領域２６ｂを構成する前胴周り域弾性体２６は、例えば、２．８倍に伸長させて前内外面シート２４，２５の間に取り付けてあり、後第２弾性領域３６ｂを構成する後胴周り域弾性体３６は、例えば、３．２倍に伸長させて後内外面シート３４，３５の間に取り付けてある。
ここで、弾性体に関する倍率は、例えば、非伸張時に１００ｍｍの弾性体を２００ｍｍに伸張させてシートに取り付けた場合を「２．０倍」とする。

前後胴周り域弾性体２６，３６で、クロッチパネル４０と重なる部位は、横方向Ｘにおいて、後述する吸収性コア４１の両側縁４１ｓで収縮可能な状態にある。具体的には、図２に示すように、前後胴周り域弾性体２６，３６で、吸収性コア４１と重なり、横方向Ｘの中央において、前後胴周り域弾性体２６，３６の収縮力を作用させない前後非収縮領域５３，５４を設けてある一方、この前後非収縮領域５３、５４の横方向Ｘの両側には、後述するバリヤーカフス部８０とほぼ重なるように、前後胴周り域弾性体２６，３６の収縮力を作用させる前後収縮領域５５，５６を設けてある。図２中、前後収縮領域５５，５６を「・」で示す一方、前後非収縮領域５３，５４を「×」で示す。
前後非収縮領域５３，５４では、前後胴周り域弾性体２６，３６の収縮力を作用させないことによって、吸収性コア４１が横方向Ｘに収縮されることを抑え、これによって尿等の排泄物を吸収する面積が減少したり、着用者に違和感を与えたり、さらには、排泄物がおむつ１０から漏れたりすることを防止するためである。
一方、前後収縮領域５５，５６では、前後胴周り域弾性体２６，３６の収縮力を作用させることによって、バリヤーカフス部８０を着用者の身体に密着させることができるためである。
この一つの実施形態では、図２中、横方向仮想境界線Ｌ１の縦方向Ｙにおける上方の２本の後胴周り域弾性体３６が吸収性コア４１に重なり、且つ、図２中、横方向仮想中心線Ｑから、縦方向Ｙにおける下方の６本の前胴周り域弾性体２６が吸収性コア４１に重なっている。これら前後胴周り域弾性体２６，３６は、吸収性コア４１の両側縁４１ｓで、それらの収縮力が作用しないように処理することにより前後非収縮領域５３，５４を設けてある。
収縮力を作用させないようにするには、例えば、予め前後パネル２０，３０の横方向Ｘの一方の前後両側縁２１，３１から他方の前後両側縁２１，３１まで前後胴周り域弾性体２６，３６を配置した後、前後非収縮領域５３，５４の前後胴周り域弾性体２６，３６を切断してカットバックし、若しくは切除し、又は弾性劣化処理してもよいし、前後非収縮領域５３，５４に前後胴周り域弾性体２６，３６を配置しなくてもよい。
前後収縮領域５５，５６の横方向Ｘにおける寸法Ｂは、吸収性コア４１の横方向Ｘの寸法Ａの約５〜約２０％であることが好ましい。
前後収縮領域５５，５６が、上記範囲より小さい場合には、バリヤーカフス部８０を着用者の身体に十分に密着させることが困難である一方、上記範囲より大きい場合には、吸収性コア４１の横方向Ｘの寸法Ａが、前後胴周り域弾性体２６，３６の収縮力によって縮小されてしまうおそれがある。
吸収性コア４１の横方向Ｘの寸法Ａに対する、前後収縮領域５５，５６の横方向Ｘの寸法Ｂの関係の一例を表１に示す。

この一つの実施形態では、前後収縮領域５５，５６の横方向Ｘの片側での長さ寸法は、横方向Ｘの両側で実質的に同一である。

臀部カバー弾性体５１としては糸状のものを用いてあり、収縮力が作用するように伸長状態で取り付けてある。臀部カバー弾性体５１は、横方向Ｘにそれぞれ延び、縦方向Ｙに一定の間隔で後内外面シート３４，３５の間に配置してある。この一つの実施形態では、３本の臀部カバー弾性体５１を臀部カバー部５０に設けてある。臀部カバー弾性体５１は、着用者の動きにより臀部カバー部５０が捲れた場合、その収縮力によって臀部カバー部５０が元の状態に復帰する機能を有している。臀部カバー弾性体５１の縦方向Ｙの間隔は、好ましくは約１５〜約３０ｍｍである。
臀部カバー弾性体５１は、約３１０〜約１２４０ｄｔｅｘの糸状のものを１〜４本用いることが好ましい。この一つの実施形態では、例えば、約４７０ｄｔｅｘの臀部カバー弾性体５１を３本用いてある。臀部カバー弾性体５１は、約１．５〜約３．０倍に伸長させることによって、収縮力が作用するよう後内外面シート３４，３５の間に取り付けてある。この一つの実施形態において、横方向仮想境界線Ｌ１に最も近接する臀部カバー弾性体５１は、約２．１倍に伸長させ、残りの２本の臀部カバー弾性体５１は、約１．９倍に伸長させて後内外面シート３４，３５の間に取り付けてある。
横方向Ｘにおいて、臀部カバー部５０の収縮力を後胴周り域カバー部１２の収縮力よりも小さく設定してある。
ここで、伸長状態の弾性体を長さ寸法が２００ｍｍのシートに取り付け、その弾性体を含むシートを切り取った後、縮んだ状態のシートの長さ寸法が１００ｍｍである場合の収縮力を「２．０」とし、５０ｍｍである場合の収縮力を「４．０」とする。よって、収縮力が小さいとは、長さ寸法が同一の小片をおむつ１０からそれぞれ取り出した場合において、縮んだ状態における長さ寸法が大きいことを言う。
この一つの実施形態では、１本の臀部カバー弾性体５１を含む臀部カバー部５０と、１本の後胴周り域弾性体３６を含む後胴周り域カバー部１２とを横方向Ｘにおいて同一寸法の小片を取り出した場合、縮んだ状態での臀部カバー部５０の横方向Ｘの長さ寸法が、縮んだ状態での後胴周り域カバー部１２の横方向Ｘの長さ寸法よりも大きい。
このように、横方向Ｘにおいて、臀部カバー部５０の収縮力を後胴周り域カバー部１２の収縮力よりも小さくするのは、臀部カバー部５０は、大きな収縮力によって着用者の身体に密着する必要がないからであり、仮に、大きな収縮力を設定した場合、その収縮力によって臀部カバー部５０が丸まることによって、着用者の臀部を覆う面積が減少するためである。
しかも、この例では、臀部カバー弾性体５１の縦方向Ｙの間隔を、後胴周り域弾性体３６の縦方向Ｙの間隔よりも大きくしてあるため、上記効果を確実に達成することができる。

臀部カバー弾性体５１は、その周囲に直接接着剤を塗布することによって、後内外面シート３４，３５の間に接合してある。また、臀部カバー弾性体５１に塗布された接着剤によって、後内外面シート３４，３５も互いに接合されている。前後胴周り域弾性体２６，３６も、臀部カバー弾性体５１と同様に前内外面シート２４，２５の間、及び後内外面シート３４，３５の間に接合してある。なお、これらの弾性体５１，２６，３６は、それぞれのシート２４，２５，３４，３５に塗布された接着剤によって接合されるようにしてもよい。

図４は、クロッチパネル４０の詳細説明図であり、図５は図２のＶ−Ｖ線断面図であり、図６は図２のＶＩ−ＶＩ線断面図であり、図７は図２のＶＩＩ−ＶＩＩ線断面図である。
これらの図に示すように、クロッチパネル４０は、着用者の尿等の体液を吸収する吸収部である吸収性コア４１と、吸収性コア４１の肌対向面を覆う内面シート４２と、吸収性コア４１の非肌対向面を覆う漏れ防止シート４３と、漏れ防止シート４３の非肌対向面を覆う外面シート４４とを含み、着用者のクロッチ域を被覆するものである。

吸収性コア４１は、綿状パルプ繊維と、超吸収ポリマ粒子との混合物を含んでいる。吸収性コア４１は、図２及び図３に示すように、横方向仮想中心線Ｑの近傍においてくびれている。

内面シート４２には、透液性の繊維不織布等を用いることができる。この内面シート４２は、例えば、単位面積当たりの質量が約１０〜約３０ｇ／ｍ^２のエアースルー繊維不織布、ポイントボンド繊維不織布、スパンボンド繊維不織布等を用いることができる。
漏れ防止シート４３には、不透液性のプラスチックフィルムを用いることができ、漏れ防止シート４３で少なくとも吸収性コア４１の非肌対向面の全体を覆って、尿等の排泄物がおむつ１０の非肌対向面の側に漏れるのを防止している。

内面シート４２及び漏れ防止シート４３の縦方向Ｙの長さ寸法は、図４に示すように、吸収性コア４１の縦方向Ｙの長さ寸法よりも大きく、これによってクロッチパネル４０の縦方向Ｙの前後端縁４７，４８には吸収性コア４１が存在せず、内面シート４２及び漏れ防止シート４３のみによって前後端縁４７，４８を形成してある。これら前後端縁４７，４８において、内面シート４２と漏れ防止シート４３とは、ホットメルト接着剤等の接着手段によって互いに直接接着してある。

内面シート４２及び漏れ防止シート４３の横方向Ｘの寸法も、図４，６，７，８に示すように、吸収性コア４１の横方向Ｘの長さ寸法よりも大きく、これによってシート４２，４３が吸収性コア４１の両側にそれぞれ延出して両側フラップ４９を形成している。これら両側フラップ４９は、クロッチパネル４０の両側において、縦方向Ｙにそれぞれ延びている。

クロッチパネル４０には、図２及び図３に示すように、肌対向面の側から、その前後端縁４７，４８を覆うように細長い前後カバーシート２７，３７を取り付けてある。前後カバーシート２７，３７は、前後パネル２０，３０の一方の側縁２１，３１と、他方の側縁２１，３１との間で横方向Ｘに延び、クロッチパネル４０の前後端縁４７，４８の全域を覆っている。このように前後端縁４７，４８を前後カバーシート２７，３７で覆うことによって、吸収性コア４１の形成材料がこぼれ出ないようにするとともに、前後端縁４７，４８が着用者の肌に接触することによって発生する肌トラブルを防止している。

外面シート４４には、透湿性かつ液抵抗性の繊維不織布等を用いることができる。この外面シート４４は、例えば、単位面積当たりの質量が約１０〜約２５ｇ／ｍ^２のスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド（ＳＭＳ）繊維不織布、ポイントボンド繊維不織布、スパンボンド繊維不織布等を用いることができる。

外面シート４４の縦方向Ｙの長さ寸法は、図４に示すように、内面シート４２及び漏れ防止シート４３の縦方向Ｙの長さ寸法と実質的に同一である。
外面シート４４の横方向Ｘの長さ寸法は、図４，６，７，８に示すように、吸収性コア４１の横方向Ｘの長さ寸法よりも大きく、且つ内面シート４２及び漏れ防止シート４３の横方向Ｘの長さ寸法よりも大きく、内面シート４２及び漏れ防止シート４３の横方向Ｘに延出した部分によってガスケットカフス部７０及びバリヤーカフス部８０を形成している。

ガスケットカフス部７０は、吸収性コア４１の横方向Ｘの両側に沿ってそれぞれ設けてある。より具体的には、ガスケットカフス部７０は、吸収性コア４１及び漏れ防止シート４３から横方向Ｘに延出した外面シート４４の側部を、吸収性コア４１の横方向Ｘの外側において、縦方向仮想中心線Ｐに向かって相互に近接するように肌対向面の側に折返すことによって吸収性コア４１に重ならない態様で形成してある。

バリヤーカフス部８０は、ガスケットカフス部７０を除く上述の折返した外面シート４４の側部を、吸収性コア４１の肌対向面の側において断面ほぼＺ形に折返すことで形成してある。
上述したように外面シート４４を折返してバリヤーカフス部８０を形成することによって、バリヤーカフス部８０の間には、内面シート４２の肌対向面中間域が位置することとなる。

ガスケットカフス部７０において、外面シート４４を折返した部位の間には、ガスケット弾性体７１を設けてある。ガスケット弾性体７１は、縦方向Ｙに延びる糸状のものを用いてある。ガスケット弾性体７１は、縦方向Ｙに収縮力が作用するように伸長状態で外面シート４４に取り付けてある。ガスケット弾性体７１は、例えば、約３１０〜約１２４０ｄｔｅｘのものを１〜４本を用いてあり、約２．３〜約２．９倍に伸長させることによって、収縮力が作用するよう外面シート４４に取り付けてある。

この一つの実施形態では、吸収性コア４１の横方向Ｘの両側のガスケットカフス部７０のそれぞれに、例えば３本ずつのガスケット弾性体７１を用いてある。また、この例では、ガスケット弾性体７１として、糸状の約４７０ｄｔｅｘのものを用いてある。さらに、この例において、ガスケット弾性体７１は、約２．７倍に伸長させることによって、収縮力が作用するよう外面シート４４に取り付けてある。

この一つの実施形態のガスケット弾性体７１は、クロッチパネル４０の前後端縁４７，４８まで到ることなくその近傍まで延びている。さらに具体的には、図２及び図３に示すように、ガスケット弾性体７１の一端７１ａは、前第２弾性領域２６ｂを形成する前胴周り域弾性体２６の群中まで延び、ガスケット弾性体７１の他端７１ｂは、後胴周り域カバー部１２と臀部カバー部５０とを画成する横方向仮想境界線Ｌ１を越えて臀部カバー部５０に隣接する後第２弾性領域３６ｂを形成する後胴周り域弾性体３６の群中まで延びている。

ガスケットカフス部７０において、外面シート４４を折返した部位の間には、漏れ防止シート４３の側縁が位置している。この外面シート４４を折返した部位の間では、外面シート４４，漏れ防止シート４３が、ホットメルト接着剤等の接合手段４９ａを介して互いに接合してある。

バリヤーカフス部８０において、外面シート４４を折返した部位の間には、バリヤ弾性体８１を設けてある。バリヤ弾性体８１は、縦方向Ｙに延びる糸状のものを用いてある。バリヤ弾性体８１は、縦方向Ｙに収縮力が作用するように伸長状態で外面シート４４に取り付けてある。このバリヤ弾性体８１の収縮力によって、図８に示した状態では、バリヤーカフス部８０が、内面シート４２から離間するように起立して着用者の脚の付け根に密着する。また、ガスケットカフス部７０が、ガスケット弾性体７１によって起立して着用者の脚の付け根に密着する。この実施形態のおむつ１０は、バリヤーカフス部８０及びガスケットカフス部７０によって二重のバリヤを形成し、これによって、着用者の脚回りからの尿等の排泄物が漏れるのを防止することができる。

臀部カバー部５０とクロッチパネル４０とは、横方向Ｘにおいて、吸収性コア４１の両側のガスケットカフス部７０の間に設けた後接合領域６２において互いに接合してある一方、ガスケットカフス部７０に重なるように設けた後非接合領域６４において互いに接合していない。図３中、後接合領域６２を「・」で示す一方、後非接合領域６４を「×」で示す。
この一つの実施形態において、後非接合領域６４は、横方向仮想境界線Ｌ１の下方において、臀部カバー弾性体５１に交差するガスケット弾性体７１と、縦方向仮想中心線Ｐとの間に設定した縦方向Ｙに延びる仮想線Ｌ２から、クロッチパネル４０の各側縁４０ｓまでにそれぞれ設けてある。
仮想線Ｌ２は、吸収性コア４１の両側縁４１ｓの各ガスケットカフス部７０において、複数のガスケット弾性体７１のうち、縦方向仮想中心線Ｐに最も近接するガスケット弾性体７１ｓから、縦方向仮想中心線Ｐに近接する方向に向けて約５〜約１０ｍｍで設定することが好ましい。

ガスケット弾性体７１の収縮力が作用する個所は、ガスケット弾性体７１が存在する個所のみならず、このガスケット弾性体７１が存在する周辺の領域にも及ぶ。この収縮力が作用する領域は、このガスケット弾性体７１の収縮力と、ガスケットカフス部７０を構成する外面シート４４との剛性との相対的関係によって変化する。また、臀部カバー弾性体５１の収縮力が作用する領域も同様である。この実施形態では、発明者の鋭意の研究及び考察により、ガスケット弾性体７１の収縮力、及び臀部カバー弾性体５１の収縮力、並びにガスケットカフス部７０を構成する外面シート４４の剛性、及び臀部カバー部５０を構成する後内外面シート３４，３５の剛性を考慮して後非接合領域６４を設けてある。また、後接合領域６２は、後非接合領域６４の間の全域に設けることが好ましい。

クロッチパネル４０と後胴周り域カバー部１２とには、図３に示すように、クロッチパネル４０と後胴周り域カバー部１２とが互いに重なる個所に設けた後接合領域６５においてクロッチパネル４０と後胴周り域カバー部１２とを互いに接合してある。
後接合領域６５は、図３において、「・」で示すように、横方向仮想境界線Ｌ１を基準とし、この横方向仮想境界線Ｌ１の縦方向Ｙの上方であって、クロッチパネル４０と、後胴周り域カバー部１２とが互いに重なる個所の全域に設けることが好ましい。

クロッチパネル４０と前パネル２０とには、図３に示すように、パネル２０，４０が互いに重なる個所に設けた前接合領域６１においてクロッチパネル４０と前パネル２０とを互いに接合してある。
前接合領域６１は、図３において、「・」で示すように、クロッチパネル４０と、前パネル２０とが互いに重なる個所の全域に設けることが好ましい。

これら前後接合領域６１，６２，６５及び後非接合領域６４は、クロッチパネル４０の外面シート４４と、前後パネル２０，３０の前後内面シート２４，３４との間に設けてある。
クロッチパネル４０の外面シート４４と、前後パネル２０，３０の前後内面シート２４，３４とを接合する場合、例えば、塗工機とシートとが非接触でホットメルト接着剤をΩ字状、波状、縞状に塗工してもよいし、又は塗工機とシートとが接触した状態でホットメルト接着剤をΩ字状、波状、縞状に塗工してもよい。例えば、図６に示すように、ホットメルト接着剤等の接合手段６９により、クロッチパネル４０の外面シート４４と、臀部カバー部５０の後内面シート３４とが互いに接合してある。もちろん、接合手段６９を構成するホットメルト接着剤は、Ω字状や縞状に塗工する必要はなく、接合領域６１，６２，６５の全域に塗工してもよい。

このおむつ１０によれば、臀部カバー部５０と、クロッチパネル４０とは、横方向Ｘにおいて、ガスケットカフス部７０では非接合状態にあるため、ガスケット弾性体７１の収縮力が臀部カバー部５０に作用することを抑えることができる。よって、ガスケット弾性体７１の収縮力によって臀部カバー部５０が縦方向Ｙに収縮するのを抑えて、着用者の臀部を覆う面積の減少を抑えることができる。しかも、臀部カバー弾性体５１の収縮力が吸収性コア４１に作用するのを抑えることができるため、吸収性コア４１による排泄物を吸収する面積が減少することを抑えることもできる。
しかも、横方向Ｘにおいて、吸収性コア４１の両側のガスケットカフス部７０の間では接合状態にあるため、臀部カバー部５０に対して吸収性コア４１が妄りに移動することを抑えることができる。
また、後胴周り域弾性体３６は、横方向Ｘにおいて、吸収性コア４１の両側縁４１ｓで収縮可能な状態にあるため、吸収性コア４１が横方向Ｘに収縮されることを抑え、これによって尿等の排泄物を吸収する面積が減少することを抑えることができ、排泄物がおむつ１０から漏れることを防止することができる。
さらに、ガスケット弾性体７１と、後胴周り域弾性体３６とが交差する個所であって、後胴周り域カバー部１２とクロッチパネル４０とが重なる個所に、後胴周り域カバー部１２とクロッチパネル４０とを接合する後接合領域６５を設けてあり、且つガスケット弾性体７１と、前胴周り域弾性体２６とが交差する個所であって、前パネル２０とクロッチパネル４０とが重なる個所に、前パネル２０とクロッチパネル４０とを接合する前接合領域６１を設けてあるため、おむつ１０を着用するとき、前パネル２０及び後胴周り域カバー部１２が横方向Ｘに広がれば、クロッチパネル４０を横方向Ｘに広げることができる。これにより、吸収性コア４１の排泄物を吸収する面積を広げることができる。

なお、図１〜図８に示す形態は、実施形態の一例であって、本発明はかかる形態に限定されるものではない。例えば、前後胴周り域弾性体２６，３６として糸状のものを用いた例を示したが、これに限られることなく、シート状、又は帯状のもので構成することができる。臀部カバー弾性体５１、ガスケット弾性体７１、及びバリヤ弾性体８１も同様である。
吸収性コア４１として、図３に示すように、縦方向Ｙの中央において横方向Ｘの長さ寸法が、前端縁、若しくは後端縁のそれよりも小さいものを用いているが、すべて同寸法のものを用いることも可能である。もちろん、吸収性コア４１の形状は、これらに限られない。
臀部カバー部５０は、矩形状に形成してあるが、後両側縁３１と後内端縁３３とによって構成される角部３９を形成する必要はない。例えば、臀部カバー部５０が着用者に密着し易くするように、臀部のほほの形状に合わせて、後両側縁３１に接し、かつ後内端縁３３に接する一つの曲線で形成することもできる。
後接合領域６２は、クロッチパネル４０の両側にそれぞれ設けた後非接合領域６４の間の全域に設け、矩形状に形成したが、これに限られず、台形状に形成してもよい。
さらに、接合のとき、接着剤がはみ出ることを考慮すれば、横方向Ｘにおけるクロッチパネル４０の両側縁４０ｓには約５ｍｍ程度、クロッチパネル４０と後胴周り域カバー部１２とを接合しない非接合領域を設け、かつクロッチパネル４０と前パネル２０とを接合しない非接合領域を設けることが好ましい。同様の理由で、図３における前パネル２０の前内端縁２３には約５ｍｍ程度、クロッチパネル４０と前パネル２０とを接合しない非接合領域を設け、後胴周り域カバー部１２の後内端縁３３には、約５ｍｍ程度、クロッチパネル４０と臀部カバー部５０とを接合しない非接合領域を設けることが好ましい。
また、前胴周り域弾性体２６と、後胴周り域弾性体３６との数が同じもので説明したがこれに限られず、両者の数を変えてもよい。
さらに、臀部カバー部５０の下端部は、ガスケットカフス部７０及びバリヤーカフス部８０よりも縦方向Ｙの上方に位置してもよい。
また、前後収縮領域５５，５６は、縦方向仮想中心線Ｐに対して対称に設けてもよいし、非対称に設けてもよい。

さらに、横方向Ｘにおいて、臀部カバー部５０の収縮力と、後胴周り域カバー部１２の収縮力とを実質的に同一にしてもよい。具体的には、１本の臀部カバー弾性体５１を含む臀部カバー部５０と、１本の後胴周り域弾性体３６を含む後胴周り域カバー部１２とを横方向Ｘにおいて同一寸法の小片を取り出した場合、縮んだ状態での臀部カバー部５０の横方向Ｘの長さ寸法と、縮んだ状態での後胴周り域カバー部１２の横方向Ｘの長さ寸法とが実質的に同一でもよい。この場合には、臀部カバー弾性体５１の縦方向Ｙの間隔を、後胴周り域弾性体３６の縦方向Ｙの間隔よりも大きくする必要がある。

また、臀部カバー部５０と吸収性コア４１とが重なる部分において、臀部カバー弾性体５１の収縮力が作用しないようにこの弾性体５１を非伸長状態で後パネル３０に取り付け、且つ臀部カバー部５０と吸収性コア４１とが重ならない部分において、臀部カバー弾性体５１の収縮力が作用するようにこの弾性体５１を伸長状態で後パネル３０に取り付けてもよい。例えば、図９に示すように、臀部カバー部５０と吸収性コア４１とが重なる部分に、臀部カバー弾性体５１の収縮力が作用しない収縮力非作用領域９０を設ける一方、臀部カバー部５０と吸収性コア４１とが重ならない部分に、臀部カバー弾性体５１の収縮力が作用する収縮力作用領域９１を設ける。
このように領域９０を設ければ、領域９０において臀部カバー部５０が横方向に縮むことを抑えることができるため、尿等の排泄物を吸収する面積が減少することを抑えることができる。しかも、領域９０の横方向Ｘの両側に領域９１を設ければ、領域９１において臀部カバー弾性体５１の収縮力によって、着用者の臀部に臀部カバー部５０を沿わせることができ、臀部カバー部５０によって効果的に着用者の臀部をカバーすることができる。
また、収縮力非作用領域９０を、臀部カバー部５０と吸収性コア４１とが重なる部分に設け、収縮力作用領域９１を、臀部カバー部５０と吸収性コア４１とが重ならない部分に設ける必要はない。例えば、収縮力非作用領域９０を、横方向Ｘにおいて吸収性コア４１の長さ寸法よりも大きく設けてもよいし、小さく設けてもよい。もちろん、それらに対応するように、横方向Ｘにおける収縮力作用領域９１の長さ寸法を適宜、変更する。
さらに、収縮力非作用領域９０を後接合領域６２（図３参照）に重なるように設け、かつ収縮力作用領域９１を、後非接合領域６４（図３参照）を含み、臀部カバー部５０から収縮力非作用領域９０を除いた部分に設けてもよい。
収縮力を作用させないようにするには、例えば、予め後パネル３０の横方向Ｘの一方の後両側縁３１から他方の後両側縁３１まで臀部カバー弾性体５１を配置した後、収縮力非作用領域９０の弾性体５１を切断してカットバックし、若しくは切除し、又は弾性劣化処理してもよいし、領域９０に弾性体５１を配置しなくてもよい。もちろん、非伸張状態の弾性体５１を後パネル３０に取り付けてもよい。
なお、臀部カバー弾性体５１は、横方向Ｘの全域において非収縮状態で後パネル３０に取り付けてもよい。

１０ おむつ（吸収性着用物品）
１２ 後胴周り域カバー部
２０ 前パネル
２６ 前胴周り域弾性体
３０ 後パネル
３６ 後胴周り域弾性体
４０ クロッチパネル
４１ 吸収性コア（吸収部）
５０ 臀部カバー部
５１ 臀部カバー弾性体
７０ ガスケットカフス部
７１ ガスケット弾性体
Ｘ 横方向
Ｙ 縦方向
Ｚ 前後方向

Claims (7)

1. 縦方向と横方向と前後方向とを有する着用物品が、着用者の前胴周り域を被覆する前パネルと、前記着用者の後胴周り域を被覆する後パネルと、前記前パネルと前記後パネルとにつながって前記着用者のクロッチ域を被覆するクロッチパネルとを有し、前記後パネルには、前記縦方向の寸法が前記前パネルの寸法と実質的に同じである後胴周り域カバー部と、前記後胴周り域カバー部の下方に連なって前記着用者の臀部の少なくとも一部分を覆う臀部カバー部とが形成され、
   前記クロッチパネルが、前記前後方向に延びる吸収部と、前記吸収部の両側に沿って前記前後方向へ延び、前記前後方向に弾性的に収縮可能なガスケット弾性体を有するガスケットカフス部とを備え、
   前記臀部カバー部が、前記横方向へ延びる臀部カバー弾性体を備えるパンツ型の吸収性着用物品において、
   前記臀部カバー部と、前記クロッチパネルとは、前記横方向において、前記吸収部の両側の前記ガスケットカフス部の間では接合状態にあり、前記ガスケットカフス部では非接合状態にあり、
   前記後胴周り域カバー部は、前記横方向に弾性的に収縮可能な後胴周り域弾性体を有し、
   前記ガスケット弾性体と前記後胴周り域弾性体とが交差する部位において、前記クロッチパネルと前記後パネルとが接合し、
   前記前パネルは、前記横方向に弾性的に収縮可能な前胴周り域弾性体を有し、
   前記ガスケット弾性体と前記前胴周り域弾性体とが交差する部位において、前記クロッチパネルと前記前パネルとが接合していることを特徴とする前記吸収性着用物品。
2. 前記臀部カバー弾性体が、非伸張状態で前記後パネルに取り付けてある請求項１に記載のパンツ型の吸収性着用物品。
3. 少なくとも前記臀部カバー部と前記吸収部とが重なる部分において、前記臀部カバー弾性体を非伸張状態で前記後パネルに取り付けてある請求項１に記載のパンツ型の吸収性着用物品。
4. 前記臀部カバー弾性体を含む前記臀部カバー部と、前記後胴周り域弾性体を含む前記後胴周り域カバー部とを前記横方向において同一寸法の小片を取り出した場合、縮んだ状態での前記臀部カバー部の前記横方向の長さ寸法が、縮んだ状態での前記後胴周り域カバー部の前記横方向の長さ寸法よりも大きい請求項１に記載のパンツ型の吸収性着用物品。
5. 前記臀部カバー弾性体を含む前記臀部カバー部と、前記後胴周り域弾性体を含む前記後胴周り域カバー部とを前記横方向において同一寸法の小片を取り出した場合、縮んだ状態での前記臀部カバー部の前記横方向の長さ寸法と、縮んだ状態での前記後胴周り域カバー部の前記横方向の長さ寸法とが実質的に同一であり、
   前記臀部カバー弾性体の前記縦方向の間隔を、前記後胴周り域弾性体の前記縦方向の間隔よりも大きくしてある請求項１に記載のパンツ型の吸収性着用物品。
6. 前記後胴周り域弾性体は、前記横方向において、前記吸収部の両側縁で収縮可能な状態にある請求項１〜５のいずれかに記載のパンツ型の吸収性着用物品。
7. 前記後胴周り域弾性体が、前記吸収部の両側縁それぞれにおいて収縮可能な範囲は、前記吸収部の前記横方向の寸法の５〜２０％である請求項６に記載のパンツ型の吸収性着用物品。

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