JP5537418B2 - チタニルのモノマーおよびポリマーを含有する生成物ならびにその製造方法 - Google Patents

チタニルのモノマーおよびポリマーを含有する生成物ならびにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般的に、ナノ微粒子材料およびそれらの製造方法の分野に関する。より具体的には、本発明は、ナノ微粒子材料の前駆体であり得る金属オキシアルコキシド材料に関する。
関連出願に対する相互参照
本願は、その全体があらゆる目的のために本願明細書において参照により援用されている、2007年5月3日に出願された米国仮特許出願第60/924,214号(特許文献1)、2007年5月10日に出願された米国仮特許出願第60/917,171号(特許文献2)、および2008年3月26日に出願された米国仮特許出願第61/039,619号(特許文献3)に対する優先権を主張する。
二酸化チタン(TiO2 )は、塗料および被覆物業界において使用される、至る所に存在する白色顔料であり、また、半導体業界においても普及している。TiO2 は、天然および合成の両方で、3種の形態、すなわち、ルチル、アナターゼおよびブルッカイトで存在している。TiO2 を製造するための合成方法には、典型的に、四塩化チタン(TiCl4 )またはチタンオキシクロリド(塩化チタニル)の加水分解の変形が含まれる。例えば、TiCl4 を水と反応させると、次の反応、
TiCl4 +2H2 O→TiO2 +4HCl
によってTiO2 になることは、100年以上も前から知られている(B. J. Harrington, Trans. Royal Soc. (Canada), [2], 1, 3 (1895)(非特許文献1)を参照)。容易に観察されるように、HClは、このような加水分解の副生成物である。このような酸性環境は、また、多くの応用においても問題がある。例えば、このような酸性環境は、バインダーおよび別の添加物を、含有されたTiO2 を有する物質に分解するかまたはTiO2 含有皮膜もしくは材料が適用される基体と反応することができる。また、TiCl4 は、主として、急速な加水分解によって生じる酸副生成物のために危険な物質であり、これは特別の取扱い予防措置を必要とする。
Encyclopedia of Chemical Reactions, vol. 7, page 404(非特許文献2)に記載されているように、「ルチル結晶は、揮発性塩化チタンへの水蒸気の作用によって得られる。」前述した反応は、大量にバルクTiO2 粉末を製造するために、TiO2 製造業によって使用されてきた。本願明細書中に使用されるとき、バルク粉末は、100nmよりも大きい、例えば、1ミクロン以上の平均粒子サイズを有する粉末を意味する。
広範囲の産業用途に、次の特性、すなわち、(a)水および有機溶媒の両方中に分散させることができるナノ粒子を形成する能力、(b)可視領域(400〜700nm)内の高い光学的透明性および高いUV吸収(400nmよりも低い波長)、(c)数重量%を少し超えて、例えば、5〜10重量%を超えて、別の材料中の粒子充填密度を増加させながら、前述した(b)に記載した光学特性を維持すること、ならびに(d)ナノ粒子が、固体マトリックス材料、例えば、ポリマーと連結または化学的に結合できるようにするために、ナノ粒子上に異なった材料のシェルが存在しないことのうちの1つ以上を有する材料が望ましい。前周期遷移金属系ゾルゲル(sol gel) (すなわち、ゾル)、例えば、Ti、ZrまたはHfのものなどは、このような望ましい特性を示すことができる。
従って、加水分解に起因する残留酸および金属酸化物生成が最小になり、材料の光学的および電気的特性が維持される、チタンおよびジルコニウムゾルの製造が望まれる。
米国仮特許出願第60/924,214号 米国仮特許出願第60/917,171号 米国仮特許出願第61/039,619号
B. J. Harrington, Trans. Royal Soc. (Canada), [2], 1, 3 (1895) Encyclopedia of Chemical Reactions, vol. 7, page 404 Yazu et al., Chemistry Letters 32(10), 920 (2003)
一つの態様において、式(I):Mmm (OR2n (I)の化合物またはこれらのいずれか2種以上の混合物の組成物が提供される。一つの実施形態において、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、それぞれが存在するときにR2 は、個々に、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたシクロアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたシクロアルキルアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたヘテロシクリル基または少なくとも1個のOH基を含有するヘテロシクリルアルキル基であり、mおよびnは、独立に、1〜8の整数である。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(II)もしくは(III)の化合物、
Figure 0005537418
Figure 0005537418
である。式(II)もしくは(III)の化合物の異性体またはいずれか2種以上の化合物および/もしくは異性体の混合物である。このような実施形態において、MはTiまたはZrであり、それぞれが存在するときにR3 は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CN、OR4 、NR56 、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されていないヘテロシクリルまたは置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、R4 は、H、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されていないヘテロシクリルまたは置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、R5 およびR6 は、独立に、H、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、またはR5 およびR6 は、結合して、それらが結合しているNを含有する複素環式環を形成することができ、n’は、0、1、2、3または4である。
この化合物のいくつかの実施形態において、MはTiである。この化合物のいくつかの別の実施形態において、それぞれが存在するときにR3 は、独立に、H、OR4 または置換されたもしくは置換されていないアルキル基である。別の実施形態において、この化合物は、ビス(エチレングリコール)オキソチタン(IV)、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)、ビス(エリトリトール)オキソチタン(IV)またはビス(ソルビトール)オキソチタン(IV)である。前述したこのような化合物は、少なくとも90%の可視波長範囲透過率および/または約400nmよりも低い波長範囲で約20%よりも低い紫外光透過率を有し得る。
別の態様において、式MOX2 の化合物を、少なくとも1個のヒドロキシル基を含有する試薬と反応させて、前述した化合物、HX、水およびこの試薬を含有する第1の反応混合物(ここで、この試薬は、アルコール、ポリオール、糖またはデンプンから選択され、Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択されたハロゲン原子である)を形成することを含む方法が提供される。このような方法には、また、蒸発または中和の少なくとも1つによってHXを除去して、第2の反応混合物を形成することが含まれてもよい。試薬には、これらに限定されないが、ポリオール、例えば、エチレングリコール、グリセロール、エリトリトールおよびソルビトールが含まれてもよい。いくつかの実施形態において、このHXは、塩基を、第1の反応混合物と反応させることによって除去される。例示的な塩基には、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類アルコキシド、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミン、例えば、これらに限定されないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンまたはtert−ブチル−メチルアミンが含まれる。
別の態様において、前述した化合物の1種以上および溶媒またはポリマー樹脂中の前述した化合物の1種以上を含有する組成物も提供される。このような溶媒には、極性有機溶媒および水が含まれてもよい。このようなポリマー樹脂には、ポリウレタン、ポリエチレングリコール、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、これらに限定されないが、酢酸エステル、硝酸エステルなどを含むセルロース性物質、フェノール樹脂、ペンタエリトリトール樹脂、ポリビニルピロリドン、多糖類、ポリグルクロン酸エステル、このような材料のコポリマーまたはいずれか2種以上のブレンドが含まれてもよい。ポリマー樹脂中のこの化合物のいくつかの実施形態において、式(II)、(III)の化合物またはいずれか2種以上の混合物は、正味の樹脂に対して比較したとき、樹脂の屈折率において変化を起こす。このような実施形態において、正味の樹脂は、添加された同定された化合物のいずれも含有しない樹脂である。別の実施形態において、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物またはいずれか2種以上の混合物は、加水分解されて、正味の樹脂に対して比較したとき、樹脂の屈折率において変化を起こす。
別の態様において、このような組成物を含むデバイスが提供される。別の態様において、基体上に、式Mmm (OR2n の化合物の薄膜を有するデバイスが提供される。
別の態様において、ポリマーに、前述した式Mmm (OR2n の化合物の1種以上をドーピングすることを含む、ポリマーの屈折率の調節方法が提供される。このポリマーは、約1%〜約90%のレベルでドーピングすることができる。
別の態様において、式Mmm (OR2n の化合物を加水分解して、加水分解物を形成することによる粒子の製造方法が提供される。このような態様において、加水分解物には、ポリオキソチタネートが含まれてもよい。この粒子は、また、ナノ粒子であってもよい。このようなナノ粒子は、次いで、ポリマーの中に、約1%〜約90%のレベルでドーピングすることができ、これは、ポリマーの屈折率における調節になり得る。いくつかの実施形態において、粒子の複数は90%の可視透過率を有し、別の実施形態において、粒子の複数は、400nmよりも低くて約20%よりも低い紫外光透過率を有する。このような方法によって形成されたナノ粒子の複数の組成物も提供される。
別の実施形態において、加水分解物を焼成して、チタニアまたはジルコニアを形成することができる。
別の態様において、第1の液体および第2の液体中に分散されたナノ粒子の組成物を含む被覆溶液が提供され、第1の液体が蒸気圧を有し、第2の液体が第1の液体の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有し、第1の液体と第2の液体とは混和性であり、ナノ粒子が第1の液体とより相溶性である。いくつかの実施形態において、第2の液体は硬化性液体である。このような第2の液体には、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、ポリエステル、ポリオール、イソシアネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタンまたはいずれか2種以上の混合物が含まれてもよい。例示的なアクリレートには、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートまたはいずれか2種以上の混合物が含まれる。別の実施形態において、第2の液体は、水、有機溶媒、無機溶媒またはこのような液体のいずれか2種以上の混合物である。いくつかの実施形態において、被覆溶液には、また、架橋剤が含有されていてもよい。第1の液体は、水、有機溶媒、無機溶媒またはいずれか2種以上の混合物であってもよい。例示的な有機溶媒には、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素およびこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれる。
いくつかの実施形態において、この被覆溶液には、また、染料、顔料、充填剤、電導性粒子、熱伝導性粒子、繊維、フィルム形成性ポリマー、触媒、開始剤のような材料またはこのような材料のいずれか2種以上の混合物が含有されていてもよい。このようなフィルム形成性ポリマーは、接着剤、ポリアクリレート、ポリウレタン、エポキシ、シリコン、ポリエチレンオキシド、これらのコポリマー、これらのブロックポリマーまたはこのような材料のいずれか2種以上の混合物であってもよい。例えば、ポリアクリレートには、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートのコポリマー、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートのコポリマーまたはこのようなアクリレートのいずれか2種以上の混合物が含まれてもよい。
別の態様において、封入された固体デバイスが提供される。このような封入されたデバイスには、固体デバイスおよび封入剤が含まれてもよく、ここで、封入剤には、(A)約40重量%よりも多いシリコンエポキシ樹脂と、(B)約1重量%〜約20重量%の式Mmm (OR2n の化合物を加水分解することによって製造された加水分解物と、(C)約25重量%よりも少ない無水物硬化剤と、(D)約0.008重量%〜約10重量%の補助硬化触媒とが含まれ、重量%量は、(A)、(B)、(C)および(D)を合わせた重量基準である。いくつかの実施形態において、この固体デバイスは、半導体デバイスである。別の実施形態において、この固体デバイスは、オプトエレクトロニクスデバイスである。別の実施形態において、光電子スデバイスは、集積回路、LED、CCD、メモリもしくは論理デバイス、フォトダイオード、フォトトランジスタまたは光電子結合器である。いくつかの実施形態において、封入剤には、また、添加物、例えば、熱安定剤、UV安定剤、硬化改質剤、カップリング剤、屈折率改質剤またはこのような材料のいずれか2種以上の混合物が含まれてもよい。
いくつかの実施形態において、シリコンエポキシ樹脂には、R3 SiO0.5 、R2 SiO、RSiO1.5 またはSiO2 から選択されたシリコン単位およびEpR2 SiO0.5 、EpRSiOまたはEpSiO1.5 から選択されたエポキシ含有シリコン単位が含まれ、ここで、Epは、グリシドキシプロピル、3,4−エポキシシクロヘキサンエチルまたは1,2−エポキシヘキシルから選択されたエポキシ単位であり、Rは、水素、アルキル、ハロゲン置換されたアルキルまたはアリールである。例えば、シリコンエポキシ樹脂には、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]ジシロキサンが含まれる。
いくつかの実施形態において、無水物硬化剤には、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水フタル酸、ピロメリト酸二無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物またはこのような無水物のいずれか2種以上の混合物が含まれる。このような実施形態において、無水物硬化剤は、ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸無水物であってもよい。
別の態様において、式Mmm (OR2n の化合物は、エステル化触媒、エステル交換反応触媒または架橋剤として使用することができる。
別の態様において、被覆物用の多成分紫外安定剤システムが提供される。このようなシステムには、式Mmm (OR2n の化合物またはこの化合物の加水分解物、置換されたヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールおよびヒンダードアミン光安定剤の組成物が含まれる。
別の態様において、式(I)の化合物を、燃料を除染する方法において使用することができる。いくつかの実施形態において、この方法には、燃料源を含む燃料を供給することと、この燃料、式(I)の化合物、有機酸および酸化剤の混合物を製造することと、除染された燃料を回収することとが含まれる。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、ビス(エチレングリコール)オキソチタン(IV)、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)、ビス(エリトリトール)オキソチタン(IV)またはビス(ソルビトール)オキソチタン(IV)からなる群より選択される。別の実施形態において、この有機酸は、HCO2 H、CH3-x Clx CO2 H、CF3 CO2 H(xは0〜3の整数である)およびこれらのいずれか2種以上の混合物からなる群より選択される。さらに別の実施形態において、この酸化剤は、窒素酸化物、硝酸、過酸化水素、オゾン、有機過酸化物、酸素、空気、過酸およびこれらのいずれか2種以上の混合物からなる群より選択される。
別の実施形態は、硫黄化合物を含有する炭化水素溶液を供給することと、式Mmm (OR)n によって表される金属アルコキシドを含有する触媒溶液を供給することと、炭化水素溶液を触媒溶液と酸化剤の存在下で接触させ、硫黄化合物を酸化する酸化剤になることとが含まれる、スルホキシド化(sulfoxidation) 方法に関する。
別の実施形態は、酸性溶媒、溶媒中に溶解された式Mmm (OR)n によって表される金属アルコキシドおよび溶媒中に溶解された酸化剤を含有する、接触スルホキシド化試薬に関する。
別の実施形態は、スルホキシド化方法に関し、この方法は、硫黄化合物を含有する炭化水素溶液を反応容器の中に導入することと、触媒溶液を容器の中に導入することとを含み、炭化水素溶液と接触する触媒溶液になる、触媒溶液は、式Mmm (OR2n によって表される金属アルコキシド触媒になり、混合物を形成することになり、酸化剤と硫黄化合物との間の酸化反応に触媒作用し、硫黄化合物を酸化する触媒になり、炭化水素溶液中でよりも高い、触媒溶液中での溶解度を有する酸化された硫黄化合物になる。
本発明の1つ以上の実施形態に従った、化合物および製造方法を示す反応図式(反応図式1)である。 本発明の1つ以上の実施形態に従って、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)を溶解し、これを種々の温度で加水分解して、ポリオキソチタネートを製造することによって得られた成長動力学のグラフである。 本発明の1つ以上の実施形態に従った、粉末化した純粋な化学種としての中和したチタニル化合物の製造のフローチャート図である。 本発明の1つ以上の実施形態に従った、チタン加水分解物の図である。 ベンゾチオフェンの酸化(26:1 酸化剤:S比、9700 S:Ti比、2 酢酸:油質量比)についての擬一次プロットである。 サンプル1〜18のパレト(Pareto)分析グラフ(AA=酢酸、Temp=温度、Cat=触媒充填、Perox=過酸化物強度)である。 潜在的酸化反応および関連物質移動の反応図式である。 スルホキシド化方法の実施形態のプロセスの流れ図である。
物質の組成物および式Mmm (OR1n (MはTiまたはZrであり、OR1 は少なくとも2個のOH基を含有する試薬から誘導され、mおよびnは1〜8である)の化合物の製造方法が提供される。例えば、この試薬は、ポリオールもしくはアルコール、例えば、これらに限定されないが、エチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エリトリトールもしくはソルビトールなど、糖またはデンプンであってもよい。いくつかの実施形態において、mがnに等しい場合、R1 が、チタン原子とともに、少なくとも5員を含有する環を形成する環構造を形成する。合成方法の一部として、残留する酸が、反応溶液から除去されおよび/または中和される。得られる物質の組成物は、それらが、加水分解の副生成物としてHClを生成せず、むしろ簡単なアルコールを生成する点で、TiO2 への前駆体として有用である。このことは、これらを、オキシ塩化チタンが適していないプラスチック、溶媒、被覆物などへの添加剤として、遙かに一層適合させる。この反応生成物は、本発明において具体化されたものがTi=O結合を維持すると思われる点で、典型的なアルコキシチタネートから区別される。この結合は、テトラアルコキシチタネートに対して比較したとき、強いUVC−UVB吸収を維持する上で重要であると思われる。さらに、本発明において具体化された化合物は、従来のチタニアおよびジルコニアナノ粒子によってもたらされる乳白色を有しない、UV吸収性で視覚的に透明なチタン材料の配合を可能にする。
定義
本願での開示の目的のために、別の方法で特定されない限り、単数形は、「1以上」を意味する。
本願明細書中に使用されるとき、「約」は、当業者によって理解され、それが使用される文脈に依存してある程度まで変化し得る。当業者に明瞭でない項(term)の使用が存在する場合、これが使用されている文脈が与えられると、「約」は、特定の項の±10%以内を意味する。
一般的に、「置換された基」は、その中に含有されている水素原子への1個以上の結合が、非水素原子または非炭素原子への結合によって置き換えられている、次に定義される(例えば、アルキル基)ような、アルキル基、シクロアルキルアルキル基、ヘテロシクリル基またはヘテロシクリルアルキル基を指す。置換された基には、また、炭素(群)原子または水素(群)原子に対する1個以上の結合が、ヘテロ原子に対する、二重結合または三重結合を含む1個以上の結合によって置き換えられている基が含まれる。従って、置換された基は、別の方法で特定されない限り、1個以上の置換基によって置換される。いくつかの実施形態において、置換された基は、1、2、3、4、5または6個の置換基によって置換されている。置換基の例には、ハロゲン(すなわち、F、Cl、BrおよびI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、ヘテロシクリルオキシおよびヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシル;エステル;エーテル;ウレタン;アルコキシアミン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;スルホンアミド;アミン;N−オキシド;イソシアネート;シアネート;チオシアネート;ニトロ基;ニトリル(すなわち、CN)などが含まれる。
置換された環基、例えば、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基には、また、水素原子に対する結合が、炭素原子に対する結合によって置き換えられている環および縮合環系が含まれる。従って、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基は、また、以下に定義するような置換されたまたは置換されていないアルキルまたはアルケニル基によって置換されていてもよい。
アルキル基には、1〜12個の炭素原子またはいくつかの実施形態において、1〜8個、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する、直鎖および分枝状のアルキル基が含まれる。アルキル基には、さらに、以下に定義するようなシクロアルキル基が含まれる。直鎖アルキル基の例には、1〜8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルおよびn−オクチル基が含まれる。分枝状のアルキル基の例には、これらに限定されないが、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、イソペンチルおよび2,2−ジメチルプロピル基が含まれる。代表的な置換されたアルキル基は、列挙されたもののような置換基によって1回以上置換されていてもよい。
アルケニル基には、2個の炭素原子の間に少なくとも1個の二重結合が存在する以外は、定義されたような直鎖および分枝鎖ならびにシクロアルキル基が含まれる。従って、アルケニル基は、いくつかの実施形態において2〜12個の炭素原子、別の実施形態において2〜10個の炭素原子、別の実施形態において2〜8個の炭素原子を有する。例には、とりわけ、これらに限定されないが、ビニル、アリル、−CH=CH(CH3 )、−CH=C(CH32 、−C(CH3 )=CH2 、−C(CH3 )=CH(CH3 )、−C(CH2 CH3 )=CH2 、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニルおよびヘキサジエニルが含まれる。代表的な置換されたアルケニル基は、モノ置換されていてもよくまたは2回以上置換されていてもよく、例えば、これらに限定されないが、列挙されたもののような置換基によってモノ−、ジ−またはトリ−置換されていてもよい。
シクロアルキル基は、環式アルキル基、例えば、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル基である。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3〜8個の環員を有するが、別の実施形態において、環炭素原子の数は、3〜5、3〜6または3〜7の範囲である。シクロアルキル基には、さらに、単環式、二環式および多環式環系が含まれる。置換されたシクロアルキル基は、定義されたような非水素基および非炭素基によって1回以上置換されていてもよい。しかし、置換されたシクロアルキル基には、また、定義されたような直鎖または分枝鎖アルキル基によって置換されている環も含まれる。代表的な置換されたシクロアルキル基は、モノ置換されたまたは2回以上置換された、例えば、これらに限定されないが、2,2−、2,3−、2,4−、2,5−もしくは2,6−ジ置換された、シクロヘキシル基(これは、列挙されたもののような置換基によって置換されていてもよい)であってもよい。
シクロアルキルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、定義されたようなシクロアルキル基への結合によって置き換えられている、定義されたようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、4〜20個の炭素原子、4〜16個の炭素原子、典型的に4〜10個の炭素原子を有する。置換されたシクロアルキルアルキル基は、この基の、アルキル部分、シクロアルキル部分またはアルキル部分およびシクロアルキル部分の両方で置換されていてもよい。代表的な置換されたシクロアルキルアルキル基は、モノ置換または2回以上置換されてもよく、例えば、列挙されたもののような置換基によってモノ−、ジ−またはトリ置換されていてもよい。
アリール基は、ヘテロ原子を含有しない環式芳香族炭化水素である。アリール基には、単環式、二環式および多環式環系が含まれる。従って、アリール基には、これらに限定されないが、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニレニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニルおよびナフチル基が含まれる。いくつかの実施形態において、アリール基は、基の環部分中に、6〜14個の炭素、別のもので6〜12個または6〜10個の炭素原子を含有する。用語「アリール基」には、縮合環、例えば、縮合された芳香族−脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)を含む基が含まれるけれども、これには、別の基、例えば、環員の1個に結合されたアルキル基またはハロ基を有するアリール基は含まれない。むしろ、トリルのような基は、置換されたアリール基として参照される。代表的な置換されたアリール基は、モノ置換または2回以上置換されていてもよい。例えば、モノ置換されたアリール基には、これらに限定されないが、2−、3−、4−、5−または6−置換されたフェニルまたはナフチル基が含まれ、これらは列挙されたもののような置換基によって置換されていてもよい。
アラルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、定義されたようなアリール基への結合によって置き換えられている、定義されたようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、アラルキル基には、7〜20個の炭素原子、7〜14個の炭素原子または7〜10個の炭素原子が含有される。置換されたアラルキル基は、この基の、アルキル部分、アリール部分またはアルキル部分およびアリール部分の両方で置換されていてもよい。代表的なアラルキル基には、これらに限定されないが、ベンジル基およびフェネチル基ならびに縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基、例えば、4−エチル−インダニルが含まれる。代表的な置換されたアラルキル基は、列挙されたもののような置換基によって、1回以上置換されていてもよい。
ヘテロシクリル基には、3個以上の環員(その1個以上は、ヘテロ原子、例えば、これらに限定されないが、N、OおよびSである)を含有する芳香族環化合物(また、ヘテロアリールとして参照される)および非芳香族環化合物が含まれる。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基には3〜20個の環員が含まれるが、別のこのような基は、3〜6個、3〜10個、3〜12個または3〜15個の環員を有する。ヘテロシクリル基は、不飽和、部分的に飽和および飽和環系、例えば、インダゾリル、イミダゾリニルおよびイミダゾリジニル基を包含する。しかし、用語「ヘテロシクリル基」には、別の基、例えば、環員の1個に結合されたアルキル基、オキソ基またはハロ基を有するヘテロシクリル基は含まれない。むしろ、これらは、「置換されたヘテロシクリル基」として参照される。ヘテロシクリル基には、これらに限定されないが、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアン、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、アザインドリル(ピロロピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル、ベンゾオキサチイニル、ベンゾチアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル(アザベンゾイミダゾリル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフタレニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジルおよびテトラヒドロキノリニル基が含まれる。代表的な置換されたヘテロシクリル基は、モノ置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、これらに限定されないが、列挙されたもののような種々の置換基によって2−、3−、4−、5−もしくは6−置換されたまたはジ置換されたピリジルまたはモルホリニル基であってもよい。
ヘテロシクリルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、定義されたようなヘテロシクリル基への結合によって置き換えられている、定義されたようなアルキル基である。置換されたヘテロシクリルアルキル基は、この基の、アルキル部分、ヘテロシクリル部分またはアルキル部分およびヘテロシクリル部分の両方で置換されていてもよい。代表的なヘテロシクリルアルキル基には、これらに限定されないが、4−エチル−モルホリニル、4−プロピルモルホリニル、フラン−2−イルメチル、フラン−3−イルメチル、ピリジン−3−イルメチル、テトラヒドロフラン−2−イルエチルおよびインドール−2−イルプロピルが含まれる。代表的な置換されたヘテロシクリルアルキル基は、列挙されたもののような置換基によって1回以上置換されていてもよい。
アルコキシ基は、水素原子に対する結合が、定義されたような置換されたまたは置換されていないアルキル基の炭素原子への結合によって置き換えられている、ヒドロキシル基(−OH)である。線状アルコキシ基の例には、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが含まれる。分枝状のアルコキシ基の例には、これらに限定されないが、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペントキシ、イソヘキソキシなどが含まれる。シクロアルコキシ基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。代表的な置換されたアルコキシ基は、列挙されたもののような置換基によって1回以上置換されていてもよい。
本願明細書中に使用されるとき、用語「高沸点」には、大気圧で、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃または200℃よりも高い沸点を有する物質が含まれる。いくつかの実施形態において、高沸点物質は、大気圧で約200℃〜約600℃の沸点を有する。
本願明細書中に使用されるとき、用語「アミン」(または「アミノ」)は、−NR56 基を指し、ここで、R5 およびR6 は、独立に、H、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、またはR5 およびR6 は、結合して、それらが結合しているNを含有する複素環式環および/もしくは基を形成することができる。いくつかの実施形態において、このアミンは、NH2 、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジプロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、フェニルアミノまたはベンジルアミノである。
用語「ナノ粒子」には、いくつかの実施形態において約2〜約100nmの平均サイズ、または別の実施形態において約2〜約50nmの平均サイズを有する粒子が含まれる。このナノ粒子は、また、約2〜約10nmの平均サイズを有してもよい。サイズ分布の第1の標準偏差は、種々の実施形態において、平均粒子サイズの60%以下、40%以下または10〜25%でそれぞれあってもよい。このナノ粒子には、また、酸化物ナノ粒子、例えば、金属または半導体酸化物ナノ粒子、例えば、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムが含まれてもよい。特に、このナノ粒子は、それらの純粋な化学量論的状態で、次のそれぞれの化学式、すなわち、TiO2 、ZrO2 およびHfO2 によって表すことができる、チタニア、ジルコニアまたは酸化ハフニウムナノ粒子を含有していてもよい。
本願明細書中に使用されるとき、用語「反応的蒸留」は、化学反応器が蒸留器である方法である。反応混合物からの物質の分離は、別個の蒸留工程を必要とせず、これは(加熱のための)エネルギーおよび材料を節約する。
本願明細書中に使用されるとき、用語「反応的押出」は、化学反応器が押出機である方法である。反応混合物からの物質の分離は、押出工程の間に起こり、それにより最終生成物は押出機から出る。
化合物
一つの態様において、式Mmm (OR2n の化合物またはいずれか2種以上の混合物が提供され、ここで、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、それぞれが存在するときにR2 は、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたシクロアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたシクロアルキルアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたヘテロシクリル基または少なくとも1個のOH基を含有するヘテロシクリルアルキルであり、mおよびnは、独立に、1〜8である。例えば、R2 は、ポリオール、糖またはデンプンから誘導することができる。適切なポリオールには、これらに限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、エリトリトール、エチレングリコールブチルエーテルおよびソルビトールが含まれる。いくつかの実施形態において、mは1であり、nは2である。いくつかの場合に、この組成物は、式Mmm (OR2n の2種以上の異なった化合物を有してもよい。いくつかの実施形態において、この化合物は式(I)を有する。
Figure 0005537418
いくつかの実施形態において、式Mmm (OR2n の化合物は、式Mmm (OCHR3 CH(OH)R3n (II)またはいずれか2種以上の混合物を有する。このような化合物において、Mは、典型的に、前周期遷移金属、例えば、Ti、ZrまたはHfから選択される。それぞれが存在するときにR3 は、独立に、これらに限定されないが、H、F、Cl、Br、I、CN、OR4 、NR56 、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されていないヘテロシクリルまたは置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルから選択することができ、R4 は、これらに限定されないが、H、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されていないヘテロシクリルまたは置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、R5 およびR6 は、独立に、H、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、またはR5 およびR6 は、結合して、それらが結合しているNを含有する複素環式環を形成することができ、mは、典型的に1〜8の整数であり、nは、典型的に1〜8の整数である。従って、記載された式(II)の化合物は、以下の式(mは1であり、nは2である)によって表すことができる。
Figure 0005537418
別の実施形態において、式Mmm (OR2n の化合物が提供され、ここで、nはmに等しく、R2 上の少なくとも1個のOH基のO酸素は、脱プロトン化されて、Mに結合し、従って、5個以上の環員を有する環構造を形成している。このような環構造は、以下の式(III)、
Figure 0005537418
によって表すことができ、ここで、n’は、0、1、2、3または4である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物はチタニル化合物である。このようなチタニル化合物の例には、ビス(エチレングリコール)オキソチタン(IV)、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)、ビス(エリトリトール)オキソチタン(IV)およびビス(ソルビトール)オキソチタン(IV)が含まれるが、本願明細書中で具体的に例示されるチタニル化合物の範囲は、このように限定されない。
複数の−OH基を有するポリオールまたは別の試薬を、本願明細書中で具体的に例示される化合物を製造するために使用する場合、この試薬の複数の−OH基は、金属原子に結合するために利用可能である。これは、製造される化合物の多数の可能性のある位置異性体になり得る。化合物がビス(グリセロール)オキソチタン(IV)である限定されない実施例として、この化合物は、以下の式によって表すことができる。
Figure 0005537418
および
Figure 0005537418
少なくとも2個の別の位置異性体が存在する。このような異性体は、当業者に公知であり、金属に結合したグリセロールの−OH基のいずれかを含有している。一つのこのような位置異性体は、
Figure 0005537418
であり、別のこのような位置異性体は、
Figure 0005537418
である。この化合物がTi−O−CH2* H(OH)CH2 (OH)フラグメント(* はキラル中心を示す)を有する例において、グリセロール単位はキラル中心を含有しているので、前述した位置異性体の少なくとも6種の立体異性体が公知であり、当業者によって容易に認識されるはずである。
化合物がビス(エチレングリコール)オキソチタンである限定されない実施例として、この化合物は、以下の式によって表すことができる。
Figure 0005537418
一つの実施形態において、この化合物は次の特性、すなわち、90%の可視透過率、400nmよりも低く約20%よりも低い紫外光透過率、光学的透明性ならびに/あるいは光学的および分光的無色を有する。透過および吸光度は、1cmの石英セル内で測定したときに10%w/w溶液をベースにする。
いくつかの実施形態において、この化合物は、加水分解を受けて、有機金属ポリマー、例えば、幾らかのポリオール官能基が加水分解生成物の周辺に残留しているように、化合物の不完全な加水分解から得られるポリオキソメタレート(polyoxometallate)または別の物質を形成することができる。ポリオキソメタレートには、これらに限定されないが、アルコールまたはポリオール官能基を有する、ポリオキソチタネートまたはポリオキソジルコネートのような物質が含まれる。
いくつかの別の実施形態において、この加水分解生成物は、焼成されて、対応する金属二酸化物、例えば、二酸化チタン(すなわち、チタニア)、二酸化ジルコニウム(すなわち、ジルコニア)または二酸化ハフニウムのナノ粒子を形成することができる。例えば、MがTiである式(II)の化合物は、熱の存在下で加水分解されて、TiO2ナノ粒子を形成することができる。
別の態様において、式(I)、(II)および(III)の化合物の製造方法が提供される。図1に示されるように、いくつかの実施形態において、方法の第1の工程には、式MOX2 の化合物を、少なくとも1個のヒドロキシル基を有する試薬と反応させて、式(I)、(II)および/または(III)の化合物ならびにHXを含有する第1の反応混合物を形成することが含まれる。第1の反応混合物には、また、水およびポリオールが含有されていてもよい。任意に、粘度調整剤、例えば、メトキシプロパノールを、第1の反応混合物に添加することができる。また、図1に示されるように、次いで、HXを、蒸発、例えば、単純な蒸発、反応的蒸留もしくは反応的押出によっておよび/または中和によって除去して、式(I)、(II)および/または(III)の化合物、水ならびにポリオールを含有する第2の反応混合物を形成することができる。これを参照するとき、Mは、Ti、ZrおよびHfから選択された金属であり、Xは、ハロゲン原子、例えば、F、Cl、BrまたはIである。この方法で使用するために適している試薬には、これらに限定されないが、高い沸点を有する、ポリオール、アルコール、糖およびデンプンが含まれる。第1の反応混合物は、光学的に透明で、UV吸収性で、酸性の物質であってもよく、次いで、塩基との反応によって中和して、第2の反応混合物を形成することができる。次いで、得られる溶液を、多数の別の方法によってさらに変性することができる。
前述したように、HXは、いくつかの場合に、反応的蒸留または反応的押出によって除去することができる。このような方法において、加水分解は、反応器または押出機内で実施され、HXが反応混合物から除去される。反応的蒸留の場合に、HXは、反応器から気体として除去することができる。反応的押出の場合に、HXは、押出機内に配置されたガス抜き口を経て押出機から除去することができる。理論によって結び付けられることなく、反応混合物からのHXの除去は、加水分解反応を完結のほうに駆動すると信じられる。
いくつかの実施形態において、式MOX2 の化合物は、有機試薬との反応の前に、約20%〜約50%、約25%〜約45%、約30%〜約40%または約35%〜約36%の濃度で存在する。別の実施形態において、試薬は、式MOX2 の化合物の1当量当たり、2当量の量で添加される。
いくつかの実施形態において、このオリオールは、MOX2 化合物と反応することができる2個以上のOH基を有する、置換されたアルキル基、置換されたシクロアルキル基、置換されたシクロアルキルアルキル基、置換されたヘテロシクリル基または置換されたヘテロシクリルアルキル基である。適切なポリオールには、これらに限定されないが、エチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブタントリオール、エリトリトールおよびソルビトールが含まれる。
中和によってHXを除去する工程には、この化合物を塩基と反応させて、HXを除去することが含まれる。適切な塩基には、OHを含有しない塩基、例えば、これらに限定されないが、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類アルコキシドならびにこれらに限定されないが、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンおよびヘテロシクリルアルキルアミンを含むアミンが含まれる。適切なアミンは、これらに限定されないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンおよびtert−ブチルメチルアミンから選択することができる。化合物形成反応によって発生するHXは、塩基と反応して塩を形成し、この塩は、いくつかの実施形態において、反応混合物から除去することができる。塩基が、アルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ土類アルコキシドから選択される例において、その結果は、Xとアルカリ金属またはアルカリ土類金属との塩の形成である。塩基が、アミンから選択される例において、その結果は、Xのアンモニウム塩の形成である。どちらの例においても、Xの塩は、次いで、デカンテーション、遠心分離に続くデカンテーション、カニュレーション(cannulation)、濾過または昇華によって、反応混合物から除去される。
限定されない実施例として、チタン化合物を、図1に示されるようにして形成することができる。例えば、TiOCl2 を、高沸点ポリオールであるグリセロールと反応させ、方法の第1の工程、すなわち、第1の反応混合物の形成の後、TiO(OCH2 CH(OH)CH2 OH)2 または異性体、HCl、グリセロールおよび任意に水を含有する、光学的に透明で、UV吸収性で、酸性の物質を形成させる。いくつかの実施形態において、この溶液のpHは1よりも低い。
前述したように、第2の反応混合物、すなわち、塩基中和生成物は、多数の別の方法において使用することができる。いくつかの実施形態において、この方法には、式(I)、(II)または(III)の化合物を濾液から沈殿させることが含まれる。いくつかの実施形態において、この沈殿は、図1に示されるように反溶媒(anti-solvent)の添加によって達成される。このような反溶媒は、多数の非極性溶媒のいずれか1種またはいずれか2種以上の溶媒の混合物であってもよい。例えば、反溶媒には、これらに限定されないが、アセトン、アルカン、例えば、ペンタン、ヘキサンもしくはオクタン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチル−2−ペンタノン、メチルtert−ブチルエーテル、メチルエチルケトンおよび/またはいずれか2種以上の反溶媒の混合物が含まれてもよい。
組成物/デバイス
溶媒中の、式(I)、(II)、(III)の化合物またはこれらの化合物のいずれか2種以上の混合物を含有する組成物も提供される。この溶媒は、粘度調整剤であってもよい。このような組成物のための適切な溶媒および粘度調整剤には、これらに限定されないが、極性溶媒および水が含まれる。例えば、適切な極性有機溶媒には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、メトキシプロパノール、トリメトキシプロパノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、DMSO、DMF、ピリジンおよび/またはいずれか2種以上のこのような溶媒の混合物が含まれてもよい。
別の組成物には、式(I)、(II)、(III)の化合物またはいずれか2種以上の混合物およびポリマー樹脂が含有されていてもよい。このような組成物のための適切なポリマー樹脂には、これらに限定されないが、ポリウレタン、ポリエチレングリコール、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、セルロース性物質、例えば、酢酸エステル、硝酸エステルなど、フェノール樹脂、ペンタエリトリトール樹脂、ポリビニルピロリドン、多糖類、ポリグルクロン酸エステルもしくはコポリマーまたはいずれか2種以上のブレンドが含まれる。ポリマー樹脂は、硬化させることができるかまたは少なくとも部分的に硬化させることができる。本願明細書中に使用されるとき、「硬化」は、樹脂が、固化、重合、増粘のいずれか一つ以上になる方法を受けて、硬化されたポリマー樹脂をもたらすことができることを意味する。
特定された式の化合物を含有する別の材料でのように、式(I)、(II)、(III)の化合物またはいずれか2種以上の混合物をポリマー樹脂組成物中に含有させることによって、この化合物(群)を含有していない樹脂に対して比較したとき、樹脂の屈折率における変化Δηが起こる。例えば、ηは、約1〜約2、約1.2〜約1.95、約1.3〜約1.9または約1.33〜約1.9の範囲、例えば、1.52であってもよい。いくつかの実施形態において、ポリマー樹脂へのこの化合物の添加は、この化合物(群)によるポリマーのドーピングとして参照される。このようなドーピングには、この化合物(群)が、ポリマー中に約1ppmよりも大きいレベルで存在する場合が含まれる。この化合物(群)は、ポリマー中にドーピングされたとき、90%以下のレベルで存在してもよい。従って、いくつかの実施形態において、ドーピングには、この化合物が、ポリマー中に約1〜約90%のレベルで存在する場合が含まれる。
ポリマー中のこの化合物(群)の組成物は、種々のデバイスに、形成、成形または機械加工することができる。このようなデバイスには、基体上の、式(I)、(II)、(III)の化合物またはいずれか2種以上の混合物の薄膜が含まれる。適切な基体には、金属、ガラス、セラミックスおよび/またはプラスチックが含まれてもよい。
いくつかの任意の実施形態において、粒子、ナノ粒子または有機金属ポリマーは、図1に示されるように、式(I)、(II)、(III)の化合物またはこれらのいずれか2種以上の混合物から形成される。粒子、ナノ粒子、例えば、ナノ微粒子TiO2の製造方法には、式(I)、(II)、(III)の化合物またはいずれか2種以上の混合物を加水分解して、図4に示されるような加水分解物を形成することが含まれる。いくつかの実施形態において、この加水分解物は、ポリオキソチタネートまたはポリオキソジルコネートである。いくつかの実施形態において、加水分解の間に熱が使用される。加水分解工程の間の種々のパラメータ、例えば、温度、時間および添加速度を制御して、広範囲の種々の加水分解物からの特性を有する材料を製造することができる。図2は、純粋なチタニル種を溶解し、それを熱によって加水分解して、ポリオキソチタネートを製造することによって得られた成長動力学を示すグラフである。この加水分解物は、典型的に、アルコキシド単位を含有するポリオキソチタネートの混合物である。
粒子またはナノ粒子の製造方法には、また、加水分解物を焼成して、チタニアおよびジルコニアのような材料を製造することが含まれてもよい。このような方法によって製造された粒子およびナノ粒子は、少なくとも90%の可視波長範囲透過率および/または約400nmよりも低い波長範囲で約20%よりも低い紫外光透過率を有し得る。図3は、粉末化した純粋な化学種としての中和したチタニル化合物の形成方法を説明するフローチャートである。いくつかの実施形態において、この粒子は複数の粒子である。
前述した複数の粒子の有機および/または得られるナノ粒子組成物は、これらに限定されないが、光学デバイスのための屈折率調整剤添加物、摩耗または引掻抵抗皮膜、調整可能な機械的硬度を与える被膜、UV阻止皮膜、太陽電池層、塗料添加物、コンポジット材料、例えば、ナノ粒子−ポリマーコンポジット材料などを含む広範囲の応用のために適している。この組成物は、ガラス窓または風防ガラス上のUV阻止および引掻抵抗性薄膜のような用途のために、マトリックス材料、例えば、ポリマー層の中に含有させることができる。しかし、この組成物は、特に、マトリックス材料が光学的に透明である場合、固体マトリックス中にそれらの光学的特性を保有している。所望により、この組成物を、ゲルまたは粘性の液体マトリックス、例えば、UV吸収特性を有する光学的に透明な日焼け止め剤または化粧品組成物の中に含有させることができる。この組成物は、有機溶媒、例えば、エタノール、メタノール、トルエンなどの中でもそれらの光学的特性を維持し、従って、光学的特性の実質的な損失なしに、有機溶媒およびマトリックスの中に含有させることができる。
第1の液体および第2の液体中に分散させた、前述した方法によって形成された複数のナノ粒子の組成物を有する被覆溶液も提供される。このような被覆溶液において、第1の液体および第2の液体はそれぞれ蒸気圧を有する。しかし、第2の液体の蒸気圧は、第1の液体のものよりも低い。第1の液体と第2の液体とは、好ましくは混和性であるが、ナノ粒子は第1の液体とより相溶性である。本願明細書中に使用されるとき、用語「より相溶性」は、類似するHansenの3−D溶解度パラメータを示す2種の液体または物質として定義される。いくつかの実施形態において第2の液体は硬化性液体であり、別の実施形態において第2の液体は重合性である。本願明細書中に使用されるとき、用語「硬化性」は、重合性を包含することができるが、これはまた、化学的現象、例えば、外部放射性力によって誘導される架橋反応および当業者に公知の別の硬化方法も包含する。従って、第2の液体は、これらに限定されないが、熱、化学線、電子ビーム放射線、水分またはこれらのいずれか2種以上の組み合わせを含む、当業者に公知の方法によって、重合または硬化させることができる。このような被覆溶液は、任意に、架橋剤を含有していてもよい。
適切な第1の液体には、これらに限定されないが、水、有機溶媒、無機溶媒およびこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれる。例示的な有機溶媒には、ケトン、芳香族炭化水素およびこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれる。
適切な第2の液体には、これらに限定されないが、水、有機溶媒、無機溶媒およびこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれる。別の適切な第2の液体には、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、ポリエステル、ポリオール、イソシアネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタンおよびこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれてもよい。例示的なアクリレートには、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよびこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれる。いくつかの実施形態において、第2の液体は1−メトキシ−2−プロパノールである。
この被覆溶液には、また、染料、顔料、充填剤、電導性粒子、熱伝導性粒子、繊維、フィルム形成性ポリマー、触媒、開始剤から選択された材料およびいずれか2種類のこのような材料の混合物が含有されていてもよい。いくつかの実施形態において、このフィルム形成性ポリマーは接着剤である。別の実施形態において、このフィルム形成性ポリマーはポリメチルメタクリレートである。
また、被覆溶液を基体表面に適用し、第1の液体の少なくとも一部を除去することによる、皮膜均一性を向上させる方法が提供される。第1の液体の少なくとも一部を除去することは、第1の液体の蒸発によって達成できる。いくつかの実施形態において、第1の液体の実質的に全部が除去される。第1の液体と第2の液体との異なった蒸気圧を有することによって、このような選択的除去が可能になる。
この方法には、さらに、第2の液体の少なくとも一部を除去することが含まれてもよい。第2の液体の少なくとも一部を除去することは、第2の液体の蒸発によって達成できる。いくつかの実施形態において、第2の液体の実質的に全部が除去される。
いくつかの実施形態において、この方法には、さらに、第2の液体を硬化および/または架橋することが含まれる。
前述したような基体および被覆溶液のデバイスも、製造することができる。この基体には、これらに限定されないが、ガラス、金属、ポリマー、木材、セラミック、紙、布またはこれらのいずれか2種以上の組み合わせが含まれる。いくつかの特定の実施形態において、この基体は、単眼鏡レンズ、カメラレンズ、双眼鏡レンズ、テレスコープレンズ、鏡、フレネルレンズ、コンパクトディスク、DVDディスク、ホログラム、窓、セル電話、個人用携帯情報端末(PDA)、計算器、テレビ、電子ペーパー、コンピュータプライバシーフィルタまたはコンピュータタッチスクリーンである。
封入された固体デバイスも提供され得る。このようなデバイスは、固体デバイスおよび封入剤を有し、この封入剤は、(A)約40重量%よりも多いシリコンエポキシ樹脂と、(B)約1重量%〜約20重量%の製造された加水分解物と、(C)約25重量%よりも少ない無水物硬化剤と、(D)約0.008重量%〜約10重量%の補助硬化触媒とを有し、重量%量は、(A)、(B)、(C)および(D)を合わせた重量基準である。任意に、この固体デバイスおよび封入剤は、パッケージになっていてもよい。いくつかの実施形態において、この固体デバイスは、半導体デバイスである。別の実施形態において、この固体デバイスは、光電子デバイスである。例示的な光電子デバイスには、半導体デバイス、例えば、集積回路、LED、CCD、メモリもしくは論理デバイス、フォトダイオード、フォトトランジスタまたは光電子結合器が含まれる。いくつかの実施形態において、このパッケージは、シェルまたはレンズである。
前述したように、封入剤の成分の一つは、シリコンエポキシ樹脂であってもよい。このような樹脂には、これらに限定されないが、シリコン単位、例えば、R3 SiO0.5 、R2 SiO、RSiO1.5 およびSiO2 ならびに/あるいは式EpR2 SiO0.5 、EpRSiOおよびEpSiO1.5 (Epは、エポキシ単位である)のエポキシ含有シリコン単位が含有される。このエポキシ単位は、グリシドキシプロピル、3,4−エポキシシクロヘキサンエチルおよび/または1,2−エポキシヘキシルから選択された基であってもよく、Rは、水素、アルキル、ハロゲン置換されたアルキルおよび/またはアリールから選択することができる。いくつかの場合に、シリコンエポキシ樹脂は、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)エチル]ジシロキサンである。
前述したように、封入剤には無水物硬化剤が含まれてもよい。このような無水物硬化剤には、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水フタル酸、ピロメリト酸二無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物またはこのような無水物のいずれか2種以上の混合物が含まれてもよい。補助硬化剤が、また、封入剤中に含有されていてもよく、これには、これらに限定されないが、有機金属塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩またはいずれか2種以上の混合物が含まれてもよい。いくつかの特定の実施形態において、補助硬化触媒は、金属アセチルアセトネート、亜鉛オクトエート(zinc octoate)、第一スズオクトエート、金属アセチルアセトネート、亜鉛オクトエートおよび第一スズオクトエート以外のカルボン酸金属塩、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジアリールヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートまたはこのような物質のいずれか2種以上の混合物である。任意に、封入剤には、さらに、添加物、例えば、熱安定剤、UV安定剤、硬化改質剤、カップリング剤、屈折率改質剤およびこれらのいずれか2種以上の混合物が含まれてもよい。例示的なUV安定剤には、ヒンダードフェノール安定剤が含まれる。例示的な熱安定剤には、ホスファイト安定剤が含まれる。
別の実施形態において封入剤は少なくとも部分的に硬化され、いくつかの実施形態において硬化される。
別の態様において、本願明細書中に記載された化合物は、エステル化触媒、エステル交換反応触媒および/または架橋剤として有用である。
このような物質の広範囲の応用性のために、前述した化合物および組成物は、被覆物のためのUV安定剤システムとして使用することができる。このような安定剤システムには、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物、式(I)、(II)もしくは(III)の化合物の加水分解物または前述した方法のいずれかによって製造されたチタニアもしくはジルコニア粒子、置換されたヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾールおよびヒンダードアミン光安定剤が含まれてもよい。この多成分システムのUV光保護効能は、典型的に、置換されたヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾールおよびヒンダードアミン光安定剤を同じレベルで有するが、添加された化合物または粒子を含有しないシステムのものを超える。理論によって結び付けられることなく、UV安定剤システムにおける前述した物質の組み合わせは、個別にまたは二成分組み合わせにある成分の付加的特性を超えた相乗効果を有すると思われる。別のこのような実施形態において、適切なヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾールは、当業者に公知であり、これには、これらに限定されないが、チヌービン(Tinuvin) (登録商標)−化合物のクラス中の多数のヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾールなどが含まれる。例示的なヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾール、チヌービン(登録商標)化合物は、チヌービン(登録商標)P、TP、99−2、171、384、400、R−796、900、928および1130のようなものである。さらに別のこのような実施形態において、ヒンダードアミン光安定剤(HAL)は、当業者に公知であり、これには、これらに限定されないが、チヌービン(登録商標)−化合物のクラス中の多数のHALなどが含まれる。例示的なHALチヌービン(登録商標)化合物は、チヌービン(登録商標)111、123、144、152、292、292−HP、622および5100のようなものである。キマソルブ(CHIMASORB)119は、別の適切なHAL化合物である。いくつかの実施形態において、加水分解物または組成物は、1重量%未満から約5重量%までまたは約0.5重量%〜約4重量%または約1重量%〜約3重量%で存在する。さらなる実施形態において、ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾールは、約0.1重量%〜約5重量%または約1重量%〜約3重量%で存在し、ヒンダードアミン光安定剤は、約0.5重量%〜約4重量%または約0.5重量%〜約2重量%で存在する。このようなUV安定剤は、当業者に公知である種々の塗料および被覆物中に使用することができる。
脱硫
さらなる態様において、この化合物は、燃料の硫黄含有量を減少させるための方法において使用することができる。石油誘導燃料中の硫黄含有量を減少させることは、輸送排気からの空気汚染を軽減する手段として長い間考えられてきた。精製業界では、原油からチオール、スルフィドおよびジスルフィドを除去するために、水素化脱硫方法が典型的に使用されている。しかし、耐熱性化合物、例えば、ジベンゾチオフェンおよびその誘導体は、超低硫黄レベルを達成するために、一層極端な条件、例えば、上昇した温度での高い水素圧力を必要とする。
水素化脱硫に対する一つの代替は、抽出と組み合わせた酸化的脱硫(ODS)である。耐熱性化合物のODSは、このような耐熱性化合物の、穏和な条件下でスルホキシドまたはスルホン(これらは、極性抽出剤によって除去することができる)に酸化させやすいことに基づいている。酸化剤、例えば、酸化窒素、硝酸、過酸化水素、オゾン、有機過酸化物、酸素、空気および過酸が使用されてきた。過酸化水素によるチオフェン誘導体の酸化は、有機酸溶媒、例えば、HCO2 H、CH3-x Clx CO2 H、CF3 CO2 Hなど(xは0、1、2または3である)の存在下で行われることが知られている。研究された種々の触媒および助触媒には、硫酸、タングストリン酸(TPA)、メチルトリオキソレニウム(VII)、バナジウムアセチルアセトネート、チタンモレキュラーシーブス、ケイ酸バナジウムおよびその他多数が含まれる。残念ながら、多数のこのような固体担持触媒は、金属浸出、スルホン吸着またはこれらの組み合わせから生じる失活を受ける。さらに、研究された種々の抽出剤には、極性揮発性有機化合物(VOC)、高価なイオン性液体および腐食性酸が含まれ、これらのいくつかは、さらに環境および安全性問題を有する。
前述した式(I)の化合物は、燃料中の硫黄または窒素レベルの低下のための触媒として使用することができる。理論によって結び付けられることなく、式(I)の化合物は、反応混合物中の過酸生成に触媒作用すると信じられる。次いで、この過酸は、硫黄または窒素種を、それぞれスルホンまたはN−オキシド種に酸化する。次いで、このスルホンまたはN−オキシドは、反応混合物の一部であるバルク酸(bulk acid) による抽出によって、燃料から除去される。
従って、いくつかの実施形態において、スルホキシド化触媒としてこの化合物を使用する方法が提供される。このような実施形態において、硫黄含有耐熱性化合物または硫黄汚染物質を含有する燃料源を適切な溶媒と混合し、式(I)の化合物の溶液のアリコートを添加する。別の実施形態において、窒素酸化触媒としてこの化合物を使用する方法が提供される。このような実施形態において、窒素含有汚染物質を含有する燃料源を、適切な溶媒と混合し、式(I)の化合物の溶液のアリコートを添加する。硫黄および窒素汚染物質がともに、同じ燃料中に存在し、同じ触媒組成物で処理することができる。
適切な燃料源は、これらに限定されないが、原油、ディーゼル燃料および熱分解ガソリン、例えば、ガソリン、ビスブレーカーガソリン、コーカーガソリン(coker gasoline)および接触分解ガソリンを含む、いかなる硫黄−または窒素−汚染燃料源であってもよい。本願明細書中に使用されるとき、用語「分解ガソリン」は、触媒上で高分子量炭化水素を熱的に分解することによって形成された多数の燃料のいずれをも指す。このような分解触媒および方法は当該技術分野で公知であり、燃料源の製造においてごく普通に使用される。
本願明細書中に使用されるとき、用語「汚染物質」は、燃料中の望ましくない化合物または化合物群、例えば、硫黄または窒素を含有する化合物の全ての量を指す。また、本願明細書中に使用されるとき、「除染された」は、処理前の汚染物質のレベルに対して比較した、製品中の汚染物質レベルにおける低下を指す。従って、「除染された」は、全ての汚染物質が除去されることを必ずしも意味せず、これには、完全な除染が含まれてもよいけれども、むしろ、「除染された」とは、汚染物質の量が、除染処理の前の燃料に対して比較したとき減少することを意味する。いくつかの実施形態において、除染された燃料は、提供される汚染された燃料に対して比較したとき、汚染における少なくとも10%減少を有する。別の実施形態において、この減少は、さまざまで、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%のように高くなり得る。
硫黄含有耐熱性化合物には、これらに限定されないが、メルカプタン、スルフィド、ジスルフィド、チオフェン、ベンゾチオフェン(BT)、アルキルベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン(DBT)、4−メチルジベンゾチオフェン(4−MDBT)、アルキルジベンゾチオフェン、例えば、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(DMDBT)、アルキルナフタレンの有機硫黄化合物およびこのような化合物の誘導体が含まれる。
窒素含有汚染物質には、これらに限定されないが、窒素複素環が含まれる。例えば、このような窒素複素環には、これらに限定されないが、カルバゾール、イミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、キヌクリジン、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピラゾリジン、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、テトラゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ジヒドロピリジン、インドール、インドリン、イソインドール、アザインドール、インダゾール、インドリジン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ピラゾロピリジン、アザベンゾイミダゾリル、トリアゾロピリジン、イソキサゾロピリジン、プリン、アデニン、グアニン、キノリン、イソキノリン、キノリジン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、ナフチリジン、プテリジン、ジヒドロインドール、テトラヒドロインドール、テトラヒドロインダゾール、テトラヒドロベンゾイミダゾール、テトラヒドロベンゾトリアゾール、テトラヒドロピロロピリジン、テトラヒドロピラゾロピリジン、テトラヒドロイミダゾピリジン、テトラヒドロトリアゾロピリジンおよびテトラヒドロキノリンならびにこれらの誘導体が含まれる。スルホキシド化のための適切な溶媒には、これらに限定されないが、有機酸溶媒、例えば、HCO2 H、CH3-x Clx CO2 H、CF3 CO2 Hなどが含まれ、ここで、xは0、1、2または3である。
いくつかの実施形態に従って、燃料の除染方法には、硫黄−および/または窒素−汚染された燃料、式(I)の化合物、有機酸および酸化剤の混合物を製造することならびに除染された燃料を回収することが含まれる。ベンゾチオフェンおよびカルバゾールの形で硫黄または窒素含有物を有する油が調製され、本発明の化合物が実験的条件下で油を除染するための触媒として使用される多数の実施例が、以下に示される。条件のこのような制御によって、触媒の有効性を決定し、モニターすることができる。
いくつかの実施形態に従って、脱硫のために使用される触媒は、ビス(エチレングリコール)オキソチタン(IV)、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)、ビス(エリトリトール)オキソチタン(IV)、ビス(ソルビトール)オキソチタン(IV)もしくはこのような化合物のいずれか2種以上の混合物またはクラスタ化合物である。
使用される有機酸は、別のこのような触媒系とともに使用するために当該技術分野で公知であるものであってもよい。例えば、有機酸は、HCO2 H、CH3-x CClx CO2 H、CF3 CO2 H(xは0、1、2または3である)およびこのような酸のいずれか2種以上の混合物であってもよい。同様に、使用される酸化剤は、有機窒素酸化物、硝酸、過酸化水素、漂白剤、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、オゾン、有機過酸化物、酸素、空気、過酸およびこのような化合物のいずれか2種以上の混合物のような物質であってもよい。燃料および別の反応剤に依存して、燃料の量に対する比で、使用される有機酸の量は、1以上:1の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、酸の燃料に対する比は、1:1であり、別の実施形態において4:1であり、さらに別の実施形態において約10:1である。
本願明細書中に使用されるとき、用語「有機過酸化物」は、式RC(O)OOC(O)R' の過酸化物官能基を有する有機基を指し、ここで、RおよびR' は、個々に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクリル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基である。このような化合物には、これらに限定されないが、過酸化ベンゾイルが含まれてもよい。本願明細書中に使用されるとき、用語「有機窒素酸化物」は、NO基によって置換された有機化合物、例えば、これらに限定されないが、ピリジンN−オキシド、モルホリンN−オキシドを指す。本願明細書中に使用されるとき、用語「過酸」は、式R" C(O)OOHのためのペルオキソ官能基を有する全ての有機酸を指し、ここで、R" は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクリル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基である。このような過酸は、一般式R" C(O)OOHの種を形成するために、過酸化水素で処理されたカルボン酸として定義される。このような過酸の例には、これらに限定されないが、過ギ酸、過酢酸、過トリフルオロ酢酸などが含まれる。
燃料を脱硫または脱窒素するための除染反応で使用される成分の比は、特定の触媒、酸、酸化剤または温度について最適化するために変化させることができる。従って、いくつかの実施形態において、反応剤の混合物中の燃料の量は、約30〜70重量%でまたは別の実施形態において、約40〜60重量%で変化させることができる。いくつかの実施形態において、有機酸は、約20〜60重量%で存在し、あるいは別の実施形態において、約25〜40%で存在する。この有機酸は、酸化剤と反応して過酸種を形成し、これが硫黄または窒素汚染物質のための酸化源であるが、有機酸は、また、スルホンまたは窒素酸化物を燃料から除去するための抽出剤としても作用する。
酸化剤レベルは、典型的に、存在する硫黄または窒素汚染物質に対するモル比を基準にする。この所望の比または酸化剤対硫黄はモル基準で1:1であると予想される。しかし、所望の動力学的プロファイルを達成するために、3:1までまたは8:1までのより高い充填量が必要である。いくつかの実施形態において、酸化剤は、混合物中に、約5〜20重量%で存在し、あるいは別の実施形態において、約10〜18重量%で存在する。
一般的に、所望の効率を達成するための触媒充填量が低いほど、コストの項目でより良い。しかし、触媒充填量は広範囲に変化させることができる。触媒は、混合物中に、いくつかの実施形態に従って約0.02〜0.8重量%で存在し、あるいは別の実施形態において約0.04〜0.4重量%で存在してもよい。別の実施形態において、触媒は、燃料に対して、0.5ppm以上の比で存在する。
一つの特定の実施形態において、触媒は除去され、次亜塩素酸塩、例えば、次亜塩素酸ナトリウムが酸化剤として使用される。このような場合に、有機酸、例えば、酢酸への次亜塩素酸塩の作用によって、硫黄をスルホン(これは、次いで燃料混合物から除去される)へ酸化することができる過酸種が製造される。
反応の温度および時間も、触媒効率および反応動力学において重要な役割を演じる。この温度は、環境温度以上の範囲であってもよい。この上限は、反応剤を反応器内に保ち、過熱のために反応剤および/または生成物を失わないという要望によって制限される。従って、いくつかの実施形態において、この方法は、環境温度で実施される。しかし、別の実施形態において、この反応の温度は、約30〜130℃または約40〜60℃の範囲であってもよい。反応の時間にも考慮が払われる。単離された反応器において、これは、単純に、方法の前に反応をどれだけ長くするかである。しかし、オンラインシステムにおいて、時間は、反応器内の滞留時間として決定される。このような時間は、反応剤、汚染物質レベルまたは当業者に公知である多数の別の要因に依存して変えることができる。いくつかの実施形態において、この時間は、約5秒〜60分間の範囲である。一方、別の実施形態において、この時間は、約1分間〜30分間または約1分間〜10分間の範囲である。
図8は、前述したもののようなスルホキシド化方法の実施形態のプロセスの流れ図である。源泉Aは、混合点1でプロセスの中への、硫黄富化有機流体流投入を含有してもよく、ここで、有機流体は、前述したもののような流体であってもよい。源泉Qは、反応器10でシステムの中に導入される酸化剤を含有してもよく、ここで、酸化剤は前述したような酸化剤を含んでもよく、酸化剤は、混合点1で有機流体流と混合する。源泉Qは、酸化剤が加水分解によって製造される実施形態において、電気入力を含んでよい。
混合点1からの混合物は、反応器2内で触媒と合わさって、二相の油−反応混合物を形成することができ、反応器2内で硫黄富化有機流体のスルホキシド化になり、ここで、酸化された硫黄化合物は、有機流体相から水性反応相の中に抽出される。触媒は、前述したものであってもよい。触媒は、反応器2に固体または液体として入ることができ、混合点11から反応器2に移動させることができる。いくつかの実施形態において、混合点1および11で実施される混合を、反応器2で実施することができる。
二相の油−反応流Bは、反応器2から分離器3のほうに移動させることができ、そこで、硫黄富化極性抽出物Eを、低硫黄(または本質的に硫黄非含有)ラフィネートCから分離することができる。硫黄富化抽出物E(酸化された硫黄化合物および触媒を含む)を、分離器3から蒸留塔4のほうに移動させることができ、そこで、留出物オーバーヘッドF(純粋な抽出剤、例えば、溶媒)を、蒸留によって留出物ヘビー(distillate heavy)Gから分離することができ、この留出物ヘビーは、酸化された硫黄化合物(例えば、有機スルホン)および触媒を含有していてもよい。留出物オーバーヘッドFは、混合点11に戻すことができる。いくつかの実施形態において、硫黄富化抽出物Eは、二相の油−反応流Bの約15%に相当し、低硫黄(または本質的に硫黄非含有)ラフィネートCは、二相の油−反応流Bの約85%に相当し得る。
留出物ヘビーGを抽出器5に移動させることができ、そこで、触媒を蒸留塔6を使用するプロセスHによって抽出することができ、溶媒をプロセスIによって抽出器5に戻すことができる。触媒濃縮物Kを、混合点11に戻すことができる。残留する硫黄富化、塩含有ヘビーJを、抽出器5から抽出器7のほうに移動させることができ、塩を、水洗浄アウトプットNによって除去し、反応器10に戻す。酸化剤がNaOClである場合、抽出器7でのプロセスには、塩抽出が含まれてもよい。抽出器7には、別の酸化剤が使用されるとき、溶媒洗浄が含まれてもよい。水を、インプットLにより抽出器7の中に導入する。
硫黄富化ヘビーM(例えば、硫黄富化有機物)を、抽出器7から反応器8のほうに移動させることができる。反応器8は、高温度反応器を含んでもよく、触媒、例えば、固体床触媒を利用することができる。反応器8で、硫黄富化ヘビーを、SO2 および有機化合物に触媒的に分別することができ、そこで、SO2 を、SO2 アウトプットPで反応器8から除去することができる。反応器8内で製造された回収された有機化合物O(例えば、油など)を、反応器8から混合点9のほうに移動させることができ、そこで、有機化合物Oを低硫黄ラフィネートCと混合することができ、低硫黄ガス油アウトプットDのほうに移動させることができる。
当業者であれば、説明した全ての範囲および比が全ての目的のためにその中の全ての下位範囲および下位比を記載することができ、また必然的に記載することならびに全てのこのような下位範囲および下位比が本発明の一部および一群を形成することを、容易に実現する。いずれの記載した範囲または比も、同じ範囲または比を十分に記載し、少なくとも等しい半分、三分の一、四分の一、五分の一、十分の一などに分けることができるとして、容易に認められることができる。限定されない実施例として、本願明細書において検討されたそれぞれの範囲または比は、下三分の一、中三分の一および上三分の一などに容易に分けることができる。
本願明細書中で参照した全ての刊行物、特許出願、発行された特許およびその別の文書は、それぞれ個々の刊行物、特許出願、発行された特許およびその別の文書が、その全体が参照により援用されるように特別に、個々に示されたように、本願明細書において参照により援用されている。参照により援用されているテキスト中に含まれる定義は、それらが本願の開示中の定義を否定する範囲まで排除される。
本発明は、例示の目的のために意図され、本願明細書に付属する特許請求の範囲中に定義された本発明の範囲を限定するとして決して意図されず、解釈されるべきでもない、以下の実施例を参照することによって、より良く理解されるはずである。
実施例
ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)の製造:オキシ塩化チタン(2kg、Millennium Chemical)を、脱イオン水(2Kg)中に希釈し、次いで、グリセリン(2kg)を含有する20L丸底フラスコに添加した。この混合物を、淡黄色になるまで撹拌した。次いで、この20L丸底フラスコを、ロータリーエバポレータ内で真空(約25インチHg)下で50℃まで加熱して、過剰の水および塩酸を除去した。さらなる液体凝縮物が見られなくなったとき、このフラスコに水(0.65L)を再装入し、ロータリー蒸発させて、過剰の水および塩酸をさらに除去した。これを、さらに2回繰り返した。最終蒸発の後、粘性の淡黄色液体を秤量し(2.64kg)、メトキシプロパノール(0.85kg)で希釈して、粘度を低下させた。次いで、これを、トリエチルアミン(3.3kg、エタノール中33%w/w)で中和した。次いで、合わせた中和した溶液を、数時間冷却して、トリエチルアミン塩酸塩の棒状の針状結晶を製造した。この結晶性トリエチルアミン塩酸塩を、真空濾過によって除去した。濾液を、アセトン(70L)にゆっくり添加して、生成物を白色固体として沈殿させた。次いで、アセトンをデカンテーションし、灰白色固体残渣を得た。次いで、この灰白色固体残渣をヘキサン(20L)で激しく洗浄して、微細な白色粉末を得た。この粉末を濾過によって集めた(Ti基準で>63%収率)。Ti%計算値:16.98、分析値:16.7、融点DSC(分解)273℃、ESI−MS(ポジティブモード)245amu、1 H−NMR(DMSO−d6)4.25(br s,4H),3.45(m,2H),3.38(m,4H),3.31(m,4H)である。
ビス(エチレングリコール)オキソチタン(IV)の製造:オキシ塩化チタン(100.75g、Millennium Chemical)を、脱イオン水(100.15g)中に希釈し、次いで、エチレングリコール(59.7g、VWR)を含有する1L丸底フラスコに添加した。この混合物を、薄グレー色になるまで撹拌した。次いで、この1L丸底フラスコを、ロータリーエバポレータ内で真空(約25インチHg)下で65℃まで加熱して、過剰の水および塩酸を除去した。さらなる液体凝縮物が見られなくなったとき、このフラスコに水(50mL)を再装入し、ロータリー蒸発させて、過剰の水および塩酸をさらに除去した。これを、さらに2回繰り返した。最終蒸発の後、粘性の透明液体を秤量した(90.3g)。
ビス(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)オキソチタン(IV)[(BuO(CH22 O(CH22 O)2 TiO]の製造:オキシ塩化チタン(17.6g、Millennium Chemical)を、脱イオン水(17.6g)中に希釈し、次いで、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(15g、VWR)を含有する1L丸底フラスコに添加した。この混合物を、薄橙色になるまで撹拌した。次いで、この1L丸底フラスコを、ロータリーエバポレータ内で真空(約25インチHg)下で65℃まで加熱して、過剰の水および塩酸を除去した。さらなる液体凝縮物が見られなくなったとき、このフラスコに水(50mL)を再装入し、ロータリー蒸発させて、過剰の水および塩酸をさらに除去した。これを、さらに2回繰り返した。最終蒸発の後、粘性の黄色油を秤量した(22g)。1 H−NMR(DMSO−d6 )4.19(br s,6H),3.45〜3.39(m,12H),3.37〜3.34(m,4H),3.31(m,4H),1.41(m,4H),1.24(m,4H),0.81(t,6H)である。
ポリマーの製造:ビスグリセロラト−オキソチタン(IV)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に、10重量%固体の充填量で溶解させた。この溶液2mLを、蒸留水2mLに添加し、均一な出発溶液を確実にするまで撹拌した。得られた溶液を、0.2μmPTFEフィルタに通して濾過した蒸留水で3回洗浄した石英キュベットの中に入れた。このキュベットを粒子サイズアナライザの中に入れた。最初に、温度を20℃で一定に保持し、通常の間隔で粒子サイズを測定した。29時間後に、温度を50℃まで上昇させ、この値で一定に保持し、再び粒子サイズ測定を通常の間隔で行った。この粒子サイズデータは、20℃での時間の間に粒子サイズにおける変化を示さないが、50℃での時間の間に定常的に増加する粒子サイズを示す。
脱硫の実施例
前に一般的に記載された式(I)の化合物でスルホキシド化を実施するプロセスは、以下の一般的な方法および実施例の手段によって、より良く理解されるはずである。
3つの一般的な方法を使用して、種々のサンプルを製造した。それぞれには、テトラリン中にジベンゾチオフェン(DBT)を溶解させて、約15,000部/100万(ppm)の硫黄含有量を有する溶液(8.33gのテトラリン中に溶解させた、約0.76gのDBT)を得ることによる、モデル油の製造が含まれていた。上昇した温度サンプルのために、約323Kで反応器(J−KEM)の温度を制御する(±0.1K)ために、加熱した循環浴を使用した。油相のアリコートを、種々の時間間隔で取り出し、DBTの転化の程度を、クロマトグラフィ技法によって測定した。反応物を、約200回転/分(rpm)の混合速度で撹拌した。
一般的な方法A:メタノール中の40重量%ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)の触媒溶液を製造した。次いで、酸化的脱硫実験を、ガラスバッチ式反応器内で酢酸をモデル油と合わせ、触媒溶液の測定されたアリコートを添加し、次いである量の酸化剤を添加することによって実施した。
一般的な方法B:酸化的脱硫実験を、ガラスバッチ式反応器内で、酢酸および固体触媒、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)をモデル油と合わせ、次いで測定された量の酸化剤を添加することによって実施した。
一般的な方法C:酸化的脱硫実験を、ガラスライニングした圧力反応器内で、酢酸およびメタノール中のビス(グリセロール)オキソチタン(IV)の40重量%溶液の測定したアリコートをモデル油と合わせることによって実施した。反応時間は、空気による加圧の際に開始した。
分析方法
カラムオーブンおよびダイオードアレー検出器を備えたHP1090液体クロマトグラフを使用して、HPLCを実施した。HP Chemstation V.5.03を使用して、このシステムを制御し、データを集めた。このカラムは、Phenomenex Luna(2)C−18カラム、250×4.6mmであった。カラムオーブンを40℃で保った。溶媒は、アセトニトリル(J. T. Baker のHPLCグレードのアセトニトリル(部品番号9017−03))およびMilli−Q水を含有していた。溶媒プログラムは、50%溶媒A、残りB、勾配で20分間に100%溶媒Aへ、2分間保持であった。開始条件に戻って、次のサンプルの注入の前に、8分間の平衡化遅延が存在した。流量は1.0mL/分で、注入体積は10μLであった。ダイオードアレー検出器を、4nmのバンド幅で、260nm(デカリン)および325nm(テトラリン)で設定した。出発物質および反応生成物の同定は、市販の標準物質に対する保持時間の比較によって助けられた。5点較正曲線を使用して、分析物濃度を誘導し、収率パーセント値は、ベンゾチオフェン出発物質の消費パーセントを記載する。
NMR実験は、別の方法で記載しない限り、d8−トルエン中でVarian VNMRS−500で実施した。スチレンオキシドおよびトランス−スチルベンオキシドのスペクトルを、市販の物質で得て、酸化生成物スペクトルに対して比較するために使用した。
脱硫
反応を、一般的な方法Aに従って、触媒充填(触媒体積)、酸化剤強度(酸化剤、H22濃度)、酸強度(酸、25%酢酸対氷酢酸)および温度(T)を変化させて運転し、1時間後に、転化率%(収率%)について分析した。触媒は、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)の40重量%メタノール溶液であった。酸の量は、約8.35gと約8.37gとの間であった。酸化剤の量は、約2.80gであった。得られた結果を、以下の表1および図6に示す。
Figure 0005537418
サンプル19:サンプル16の収率100%の結果のために、同じ条件で繰り返し、40分間、10分間隔でアリコートを取り出した。得られた結果を、以下の表2に示す。
Figure 0005537418
サンプル20:400rpmの反応器攪拌機回転速度以外は、サンプル19の条件を繰り返した。効果を測定するために、5、15および25分で分析のために、アリコートを取り出した。得られた結果を以下の表3に示す。
Figure 0005537418
サンプル21:サンプル20の条件を繰り返したが、氷酢酸対テトラリンの質量比を2倍にした。効果を測定するために、5、10および12分で分析のために、アリコートを取り出した。得られた結果を以下の表4に示す。
Figure 0005537418
サンプル22:サンプル21の条件を繰り返したが、過酸化水素の濃度をDBTに対して3モル当量まで低下させた。効果を測定するために、5、15および25分で分析のために、アリコートを取り出した。得られた結果を以下の表5に示す。
Figure 0005537418
サンプル23〜29:反応を、一般的方法Bに従って、触媒体積の量(触媒体積)、酸化剤レベル(酸化剤、H22 濃度)、酸強度(酸、25%酢酸対氷酢酸)および温度(T)を変化させて運転し、1時間後に、転化率%(収率%)について分析した。RTは、約20℃の室温として定義される。触媒は、固体、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)(酢酸中限定された溶解度)であった。酸の量は、約8.34gと約8.38gとの間であった。酸化剤の量は、約2.80gであった。得られた結果を、以下の表6に示す。
Figure 0005537418
窒素含有有機物への触媒効果
石油留出物は、複雑な混合物であり、しばしば、オレフィンおよび窒素含有複素環を含有する。実験は、また、燃料中のオレフィンおよび窒素複素環への触媒の影響を模するために、スチレンおよびトランス−スチルベンならびにカルバゾールを使用して実施した。使用したモデル担体は、分析をNMR分光法によって実施できるように、d8 −トルエンであった。前述した反応条件および時間で、スチレン酸化生成物は認められなかった。トランス−スチルベンは、15分でいかなる酸化も示さず、1時間後にトランス−スチルベンオキシドへの約13%酸化が認められた。カルバゾールの完全な酸化は、N−Hプロトン共鳴の消滅によって証明されるように、15分以内に認められた。
モデル油を、d8 −トルエン(6グラム)中にオレフィン(スチレンおよびトランス−スチルベン)を10重量%まで独立に溶解させることによって製造した。酸化実験は、ガラスバッチ反応器内で酢酸(18g)をこのモデル油と合わせ、メタノール中のビス(グリセロール)オキソチタン(IV)の40重量%溶液100μLを添加し、次いで50%H22 溶液5モル当量(オレフィン基準)を添加することによって実施した。反応器を、200rpmの攪拌機速度で混合した。323Kで反応器(J−KEM)の温度を制御する(±0.1K)ために、加熱した循環浴を使用した。実験を、転化率のために15分および1時間で引いたアリコートで1時間行った。15分後に、1 H−および13C−NMR分析により、いずれのオレフィンについても酸化は認められなかった。1時間後に、スチレンについて酸化は観察されず、1時間後にトランス−スチルベンについて、部分的酸化(13%)のみが認められた。
モデル油を、d8 −トルエン(6グラム)中にカルバゾール(10%)を溶解させることによって製造した。酸化実験は、ガラスバッチ反応器内で酢酸(18g)をこのモデル油と合わせ、メタノール中のビス(グリセロール)オキソチタン(IV)の40重量%溶液100μLを添加し、次いで50%H22 溶液5モル当量(オレフィン基準)を添加することによって実施した。323Kで反応器(J−KEM)の温度を制御する(±0.1K)ために、加熱した循環浴を使用した。実験を、転化率のために15分および1時間で引いたアリコートで1時間行った。15分後に、1 H−NMR分析によるN−Hストレッチの消滅によって証明されるように、カルバゾールについて完全な酸化が認められた。
このプロセスで起こる反応には、おそらく、式(I)の化合物によって触媒作用される過酢酸の生成が含まれ得る。過酢酸は、油相の中への交差溶解度(cross-solubility)を有し、DBTと反応して、スルホキシドを形成することができる。このスルホキシドは、酢酸相との交差溶解度を有し、スルホン(これは、酢酸相のためにより大きい親和性を有する)にまでさらに酸化され得る。この反応および質量移動を、図7において図式で示す。
脱硫動力学
デカリン中に、DBT(72.4mg、0.39ミリモル)、ベンゾチオフェン(BT)(54.1mg、0.4ミリモル)、4−メチルジベンゾチオフェン(4−MDBT)(81.0mg、0.41ミリモル)および4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(DMDBT)(78.5mg、0.37ミリモル)を溶解させることによって、モデル油を製造した。酸化実験は、ガラスバッチ反応器内で酢酸(12g)をこのモデル油と合わせ、メタノール中のビス(グリセロール)オキソチタン(IV)の40重量%溶液100μLを添加し、次いで50%H22 溶液2.8グラム(O:S比、26:1)を添加することによって実施した。反応器を、200rpmの攪拌機速度で混合した。約323Kで反応器(J−KEM)の温度を制御する(±0.1K)ために、加熱した循環浴を使用した。実験を、5、15および30分間隔で引いたアリコートで半時間行った(サンプリングを行い、時間を記録した点で、全相分離が起きた)。図5に示される動力学データを、Yazu et al., Chemistry Letters 32(10), 920 (2003) (非特許文献3)によって決定されたタングストリン酸の結果に対して比較してプロットする。
図5に示されるように、DBTおよびその誘導体の消滅は、過剰の過酸化物および酢酸条件において擬一次である。判るように、酸化速度は、順序DBT>BT>MDBT>DMDBTに従う。反対に、非特許文献3によって観察されたDBTおよびDMDBTについての速度は同一であった。
本発明の前述した説明は、例示および説明の目的のために示された。包括的であることまたは本発明を開示された正確な形に限定することは意図されず、修正および変形は、この教示に照らして可能であり、あるいは本発明の実施から得ることもできる。図面および説明は、本発明の原理およびその実際的な応用を説明するために選択された。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義されることを意図される。

Claims (14)

  1. 式(I):Mmm (OR2n (I)の化合物であって、
    Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
    それぞれが存在するときにR2 は、個々に、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたシクロアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたシクロアルキルアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたヘテロシクリル基または少なくとも1個のOH基を含有するヘテロシクリルアルキルであり、
    mは、1〜8の整数であり、
    nは、〜8の整数である化合物。
  2. 請求項1記載の化合物において、
    式(I)の化合物が、式(II)の化合物、
    Figure 0005537418
    または立体異性体であり、
    MはTiまたはZrであり、
    それぞれが存在するときにR3 は、独立に、H、F、Cl、Br、I、CN、OR4 、NR56 、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されていないヘテロシクリルまたは置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、
    4 は、H、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキルアルキル、置換されていないヘテロシクリルまたは置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、
    5 およびR6 は、独立に、H、置換されたもしくは置換されていないアルキル、置換されたもしくは置換されていないシクロアルキル、置換されたもしくは置換されていないヘテロシクリルアルキルであり、またはR5 およびR6 は、それらが結合しているNを含有する複素環式環を形成する化合物。
  3. 請求項2記載の化合物において、
    Mが、Tiである化合物。
  4. 請求項2記載の化合物において、
    それぞれが存在するときにR3 が、独立に、H、OR4 または置換されたもしくは置換されていないアルキル基である化合物。
  5. 請求項2記載の化合物において、
    前記化合物が、ビス(エチレングリコール)オキソチタン(IV)、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)、ビス(エリトリトール)オキソチタン(IV)またはビス(ソルビトール)オキソチタン(IV)である化合物。
  6. 請求項1記載の化合物において、
    少なくとも90%の可視波長範囲透過率を有する化合物。
  7. 請求項1記載の化合物において、
    約400nmよりも低い波長範囲で約20%よりも低い紫外光透過率を有する化合物。
  8. 方法であって、
    式MOX2 の化合物を、少なくとも1個のヒドロキシル基を含有する試薬と反応させて、請求項1記載の化合物、HX、水および前記試薬を含有する第1の反応混合物を形成することを含み、
    前記試薬は、アルコール、ポリオール、糖およびデンプンからなる群より選択され、
    Xは、F、Cl、BrまたはIである方法。
  9. 燃料および硫黄汚染物質、窒素汚染物質またはこれらの混合物から選択された1種以上の汚染物質を含有する汚染された燃料を供給することと、
    燃料、式(I)の化合物、有機酸および酸化剤の混合物を製造することと、
    除染された燃料を回収することと、を含む方法であって、
    式(I)が、Mmm (OR2n (I)であり、
    Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
    それぞれが存在するときにR2 は、個々に、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたシクロアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたシクロアルキルアルキル基、少なくとも1個のOH基を含有する置換されたヘテロシクリル基または少なくとも1個のOH基を含有するヘテロシクリルアルキルであり、
    mは、1〜8の整数であり、
    nは、1〜8の整数である方法。
  10. 請求項9記載の方法において、
    式(I)の化合物が、ビス(エチレングリコール)オキソチタン(IV)、ビス(グリセロール)オキソチタン(IV)、ビス(エリトリトール)オキソチタン(IV)またはビス(ソルビトール)オキソチタン(IV)からなる群より選択される方法。
  11. 請求項9記載の方法において、
    前記酸化剤が、有機窒素酸化物、硝酸、過酸化水素、オゾン、有機過酸化物、酸素、空気、過酸、次亜塩素酸塩およびこれらのいずれか2種以上の混合物からなる群より選択される方法。
  12. 請求項9記載の方法において、
    前記混合物を、約30〜130℃の温度まで加熱する方法。
  13. 請求項9記載の方法において、
    前記汚染された燃料が、原油、ディーゼル燃料または熱分解ガソリンである方法。
  14. 請求項9記載の方法において、
    前記除染された燃料に、汚染された燃料源よりも少なくとも10%少ない汚染物質が含有されている方法。
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