JP5536652B2 - 金属元素がドープされたポリマー材料を調製するプロセスおよびこのプロセスによって得られる材料 - Google Patents
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Description
これらのポリマー材料は、担持された触媒、発光材料、磁性材料またはイオンインプリント材料のように、金属元素がドープされたポリマー材料に適切な応用分野全般にて、応用される。特にそれらは、慣性核融合実験に使用されるレーザーターゲットの製造に応用される。
第1の方策は、ポリマー材料を金属塩溶液で含浸することで構成されている。
故に、特許文献1においてRindeらは、金属元素がドープされたポリマーフォームを調製する方法であって、ポリマーゲルを金属元素の塩を含む水溶液に注ぐことで構成される方法を記載する。次いで、導入された水を除去するために、ゲルを極性を低下させる一連の溶媒と接触させる。使用される各溶媒は、先の溶媒を溶解できなければならず、選択された金属塩で飽和している。
しかし、この方法は、金属塩の結晶化が乾燥中に生じ、その後材料中にナノ結晶またはミクロ結晶が形成するので、金属元素の分布は原子レベルで完全に均質となり得ないという大きな欠点を有する。さらに、含浸はポリマーゲル上で行なわれるという事実のため、金属元素の拡散は、ゲル全体を通しては生じない。
故に、非特許文献1のFaithらは、固体の金粒子で荷電されたフォームを調製するプロセスを記載し、これらのフォームはトリメチロールプロパントリアクリレートモノマーの粒子の存在下でインサイチュ重合によって調製される。しかし、このプロセスは、材料内での均質な分布を可能にするものではなく、ドーピングは、数十またはさらには数百原子を含む凝集粒子の形態である。
最後に、より最近の方策は、(非特許文献2に記載されるように)有機金属モノマー、すなわち金属元素がモノマーの1以上の原子と共有結合したモノマーの共重合によりポリマー材料を調製することで構成されている。
しかし、このタイプの方策は、ドーピング金属元素として使用できる各金属に特異な化学作用を開発しなければならないので、実施が困難であることがわかる。
故に、本発明は、一般に少なくとも1つの金属元素でドープされたポリマー材料を調製するプロセスであって、元素および1以上の元素リガンドから形成される金属元素の配位錯体の重合工程を含み、このリガンドが少なくとも1つのエチレン性基を含む少なくとも1つのモノマーに属するプロセスに関する。
本発明の趣旨上、「配位錯体」という用語は、ドープ金属元素を含む多原子構造体を意味することを意図すると指定し、その構造体の周りには少なくとも1つのモノマーに属する基が配位結合によって結合しており、その配位結合は、その基に属する二重項電子を金属元素の空の軌道へ導入することにより創製される。
−金属元素とモノマーとの間の結合が配位結合によって生じるという事実のため、ポリマー材料に広範で多様な金属元素を組み込むことができる;
−原子スケールでの金属元素の分布が可能である;
−高度に金属元素を組み込むことができ、この程度は、重合工程中に使用される配位錯体の量に依存する。
本発明によれば、リガンドを構成できる基を含むモノマーは、遊離の二重項を保持する少なくとも1つの基、特にアミン基、および場合により少なくとも1つの負に荷電された基、特にカルボキシレート基を含むモノマーである。有利なモノマーは、少なくとも1つのアミン基および少なくとも1つのカルボキシレート基の両方を含んでいてもよく、これら2つのタイプの基がアミノ酸残基に由来することができる。
−Rは、以下の式の基から選択される基を表す:
−R3、R4、R5、R6およびR7は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよいが、ただしR3、R4、R5、R6およびR7の少なくとも1つはエチレン性基を表す;
−R8、R9およびR10は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよい;
−k、lおよびmは0〜20の範囲の整数である。
上述のモノマーの説明をより詳細に行なう前に、次の定義を提案する。
「アルキル基」という用語は、一般に、上記でおよび以降において、1〜20個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖アルキル基または3〜20個の炭素原子を含有する環状アルキル基を意味することを意図する。例として、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、n−ドデカニル、i−ブチル、t−ブチル、シクロプロピルおよびシクロヘキシル基を挙げることができる。
「アリール基」という用語は、一般に、上記でおよび以降において、6〜20個の炭素原子を含有するアリール基を意味することを意図する。例として、ベンジル、ナフチルおよびビフェニル基を挙げることができる。
「−O−アルキル基」または「−O−アリール基」という用語は、上記で与えられたものと同じ定義に対応するアルキル基またはアリール基を意味することを意図し、このアルキルまたはアリール基は、この場合、酸素原子によってモノマーの別の部分に連結する。
「ペルフルオロ基」という用語は、全ての水素原子がフッ素で置換されている基を意味することを意図する。
「エチレン性基」という用語は、二重結合により連結した2つの炭素原子を含む炭素系の基を意味することを意図し、この基は、フリーラジカル重合によって重合できる。特定のエチレン性基は、ビニル基CH2=CH−、または(アルキル)アクリレート基、例えば(メタ)アクリレート基である。
「アシル基」という用語は、−CO−アルキル基を意味することを意図し、アルキル基は、上記で与えられたものと同じ定義に対応する。
「塩」という用語は、イオン性構造を有する化合物を意味することを意図する。例えば、R’がOR13に対応し、R13が金属である場合、金属カルボキシレート塩を挙げることができる。この状況において、「金属」という用語は、通常、アルカリ金属のような一価金属、例えばNaまたはKを意味することを意図する。
特に、金属元素は、ランタニド、例えばイッテルビウムであるのが有利である。
指数k、lおよびmは、括弧内に与えられた繰り返し単位の数を表すことを指定し、この数は0〜20の範囲であることができる。
特定のモノマーは、Rが式:
式(I)のモノマーの定義のもとにある別の群のモノマーは、Rが式:
本発明のプロセスにおいて有利に使用できる他のモノマーは、少なくとも2つの窒素原子を含有する環状アミンを含むモノマーであってもよい。
このタイプの特定モノマーは、以下の式(IV)に対応する:
−R14は、以下の式の基から選択される基を表す:
−R3、R4、R5、R6およびR7は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよいが、ただしR3、R4、R5、R6およびR7の少なくとも1つはエチレン性基を表す;
−R8、R9およびR10は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよい;
−R13は、H、金属、アルキル基、アリール基、アシル基またはアルキルアリール基を表し、このアルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよい;
−R16は、式:
−k、l、m、u、p、q、r、xおよびwは0〜20の範囲の整数であり、vは1〜20の範囲の整数であるが、ただし、xが0に等しい場合、(r+q)は少なくとも2に等しく、xが1に等しい場合、p、qおよびrの少なくとも1つは0以外である。
p、q、rおよびxは、括弧内(p、qおよびrに関して)または角括弧内(xに関して)に与えられた繰り返し単位の数に対応することを指定する。
より詳細には、上記で与えられた定義に従うモノマーは、R14が式:
故に、式(V)のモノマーに関して、R14が式:
有利なことに、R14はまた式:
基R’1およびR’2は式:
故に、式(VI)のこのモノマーに関して、R15は、式:
遊離の二重項を保持する窒素原子の存在によって、これらのモノマーは、適切な金属元素と配位錯体を形成できる。
金属元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニド、アクチニド、およびまた元素Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Tl、Pb、BiおよびPoであってもよい。
配位錯体の形成について以下でさらに説明する。
すなわち、重合工程の前に、本発明のプロセスは上述の配位錯体を調製する工程を含んでいてもよい。例えば、錯体の形成は、上述のモノマーを、適切な金属元素を含む水性および/または有機溶液と接触させることで構成されてもよい。
通常、本発明のプロセスの重合工程は、配位錯体の存在に加えて、場合により重合開始剤、および場合により孔形成(porogenic)溶媒および1以上のコモノマーの存在下で行なわれる。
有利なことに、重合工程はコモノマーなしで行なわれる場合に、配位錯体を構成することになるモノマーは、少なくとも2つのエチレン性基を含む。
重合開始剤は、過酸化物化合物、アゾニトリル化合物(例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)、アゾエステル化合物およびアゾアミド化合物から通常選択されるフリーラジカル開始剤である。
孔形成溶媒は、極性または非極性の有機溶媒であることができ、エーテル溶媒(例えばテトラヒドロフラン)、ジメチルスルホキシド、フタレート溶媒(例えばジメチルフタレートまたはジブチルフタレート)、アルコール性溶媒(例えばメタノールまたはエタノール)、芳香族溶媒(例えばトルエンまたはフルオロベンゼン)およびケトン溶媒から選択できる。
重合工程は、1以上のコモノマーの存在下で行なわれてもよく、このコモノマーは、一般に配位錯体を構成することになるモノマーとは異なる。
これらのコモノマーは、スチレンモノマーまたはアクリレートモノマーから選択されてもよい。
有利なことに、コモノマーが少なくとも2つのエチレン性基を含むことで、架橋剤の役割を果たす。こうして得られた材料は優れた機械的強度を示す。
特に、適切なコモノマーは、ジビニルベンゼン、特に1,4−ジビニルベンゼンであってもよい。
使用できるコモノマーはまた、以下の式(VIII)のアクリレート化合物であってもよい:
特に、重合工程は:
−ジビニルベンゼンの存在下、式(V)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の共重合;
−式(II)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の重合;
−ジビニルベンゼンの存在下またはトリメチロールプロパントリアクリレートの存在下、式(II)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の共重合;
−式(III)のモノマーおよび銅から形成される配位錯体の重合
からなってもよい。
重合工程後、三次元ネットワークに対応するゲルが得られ、その構造体を溶媒に含浸させる。一旦合成されたら、ゲルは、乾燥したドープポリマー材料を得るために乾燥させなければならない。
本発明のプロセスによって、金属元素のパーセンテージが高く(20質量%よりも大きい場合がある)、材料内の金属元素が分子スケールで分布する、金属元素がドープされたポリマー材料が得られる。
故に、本発明は、上記で定義されるようなプロセスによって得ることができる少なくとも1つの金属元素がドープされたポリマー材料に関する。
これらの材料は、金属元素がドープされた材料の使用を必要とする多くの分野、特に慣性核融合実験において使用されるレーザーターゲットの構成要素の製造において特に使用できる。
−ジビニルベンゼンの存在下、式(V)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の共重合;
−式(II)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の重合;
−ジビニルベンゼンの存在下またはトリメチロールプロパントリアクリレートの存在下、式(II)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の共重合;
−式(III)のモノマーおよび銅から形成される配位錯体の重合。
それらは、触媒として、または発光材料として、または磁性材料として使用できる。
本発明のプロセスの状況で使用できるモノマーのうち、一部は新規である。
故に、本発明はまた新規なモノマーに関し、これらのモノマーは、上記で定義された一般式(I)および(IV)に対応するおよび上記で定義された特定式(II)、(III)、(V)および(VI)に対応する。
故に、例として、R13がHまたはNaに対応する式(V)の最終モノマーの調製は、例えば3つの工程による次の反応スキームに従って行なうことができる:
−アルキルブロモアセテート化合物による機能化からなる第1の工程1);
−アルキル化からなる第2の工程2);
−カルボン酸基を遊離するために、酸性または塩基性媒体中での脱プロトン化からなる第3の工程3)。
先行して記述されたように、上記で定義されたモノマーは、本発明のポリマー材料を調製するためのプロセスにおいて、少なくとも1つの金属元素との配位錯体の形態で使用される。
金属元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニド、アクチニド、およびさらに元素Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Tl、Pb、BiおよびPoであってもよい。
特に、金属元素は、ランタニド、例えばイッテルビウムが有利である。
上述の配位錯体は、上記で定義されたような式(I)〜(VI)のモノマーを場合により塩の形態で、MXnの化合物と接触させることによって得られ、Mは金属元素を表し、Xはアニオンを表し、nは金属元素の価数を表す。
例として、Xは塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、ヨウ素酸化物、ニトレート、スルフェート、スルホネート、スルファイト、ニトレート、ニトライト、ホスフェート、ホスファイト、シアニド、アジド、ヒドロキシル、クロレート、ペルクロレート、アセテート、トリフルオロメタンスルホネート(またはトリフレート)、トリフルオロアセテート、トリクロロアセテート、アルコキシド、アセチルアセトネート、シクロペンタジエニルまたはアルキニドであってもよい。
特定の錯体は、金属元素、例えばイッテルビウムまたは銅との式(II)、(III)または(V)のモノマーの錯体である。
ここで、非限定的な例示として与えられる以下の実施例に関連させて、本発明をより詳細に記載する。
収率:98%
物理化学的特徴
1H NMR(200.13MHz,CDCl3): dH 1.27 (3H, t,j = 7.2 Hz, CH2CH3), 2.00 (1H, s, NH), 3.40 (2H, s, -CH2CO-), 4.13 (2H, s, CH2Ar.),
4.18 (2H, q,j = 7.2/7.0 Hz, CH2CH3), 5.21 (1H,
dd,j = 0.7/10.8 Hz, CH=CH2),
5.74 (1H, d,j = 0.7/17.6 Hz, CH=CH2), 6.70 (1H, dd,j = 10.8/17.6 Hz, CH=CH2.), 7.28 (2H,
d,j = 8.0 Hz, CH-Ar), 7.37 (2H,
d,j = 8.2 Hz, CH-Ar)
13C NMR(50.32MHz,CDCl3): dc 13.8; 43.6;
52.5; 60.3; 113.0; 125.9 (2C);
128.0 (2C);
136.1; 136.2; 139.0; 173.9
収率:87%
物理化学的特徴
1H NMR(200.13MHz,CDCl3): dH 1.29 (3H, t,j
= 8.0 Hz, CH2CH3),
3.32 (2H, s, CH2CO), (3.83 4H, s, CH2Ar), 4.19
(2H, q,j = 8.0/6.0 Hz, CH2CH3), 5.24 (2H, dd,j = 0.8/12.0 Hz, CH=CH2),
5.77 (2H, dd, j = 0.8/18.0 Hz, CH=CH2),
6.75 (2H, dd, j = 10.8/17.6 Hz, CH=CH2), 7.0
- 7.40 (8H, m, CH-Ar)
物理化学的特徴
1H NMR(200.13MHz,CDCl3): dH 1.43 (18H, s, tert-Bu),
1.48 (9H, s, tert-Bu), 2.89-3.08
(16H, m, -CH2-CH2N-), 3.28 (2H, s, -CH2CO2-),
3.36 (4H, s, -CH2CO2-),
9.94 (1H, m, NH)
物理化学的特徴
1H NMR(200.13MHz,CDCl3): dH 1.46 (27H, s, tert-Bu), 2.10-2.52 (16H, m, -CH2-CH2N),
2.81 (6H, m, -CH2CO2-),
3.02 (2H, s, CH2Ar), 5.24 (1H, d, j = 10.6
Hz, CH2=CH), 5.70 (1H, d,j
= 18 Hz, CH2=CH),
6.64 (1H, dd,J = 11/18 Hz, CH=CH2), 7.29 (2H, d,
j = 9.2 Hz, CHAr), 7.38 (2H, d,j
= 9.9 Hz, CH-Ar)
13C NMR(50.32MHz,CDCl3): dc 27.4; 27.5; 49.4
(m.); 55.2; 55.4; 58.8; 81.9;
82.4; 113.8; 126.0; 129.8; 135.6; 136.3;
136.7; 172.0; 173.9 (2C)
MALDI−TOF: MH+=631.443;MNa+=653.425 (理論値:631.443および653.425)
物理化学的特徴
1H NMR(200.13MHz,DMSO−d6): dH 2.60-3.43 (24H,
m, CH2), 4.21 (3H, m,
COOH), 5.26 (1H, m, CH2=CH),
5.79 (1H, m, CH2=CH), 6.71 (1H, m, CH=CH2), 7.0-7.47 (4H, m, CH Ar)
13C NMR(50.32MHz,DMSO−d6): dc 48.6 (m); 55.8
(m); 81.2; 81.8; 115.6; 125.8; 126.6; 130.5;
135.9; 138.0; 170.0; 172.0
FAB+質量分析:MH+=463;MNa+=485(理論値:463および485)
物理化学的特徴
1H NMR(400.13MHz,CD3OD): δH -136.0; -94.0; -89.7; -82.4; -74.0; -71.6; -56.2; -54.9; -33.8; -26.7; -12.6; 23.0; 24.5; 38.2; 40.4; 45.7; 65.3; 143.8;
161.9; 186.9; 210.6
MALDI−TOF: MH+=634.48;MNa+=656.14 (理論値:634.17および656.15)
物理化学的特徴
1H NMR(200.13MHz,D2O): dH 3.14 (2H, s, -CH2CO-), 3.69 (2H, s, CH2Ar), 5.27 (1H, dd, j = 0.8/11.8
Hz, CH2=CH), 5.82
(1H, d, j = 0.8/17.8 Hz, CH2=CH), 6.76 (1H, dd, j =
10.8/17.8 Hz, CH2=CH), 7.32
(2H, d,j = 8.2 Hz, CHAr), 7.47 (2H, d,j=8.2 Hz, CHAr)
13C NMR(50.32MHz,D2O): dc 43.9; 51.2; 113.6;
125.8 (2C);
128.4 (2C);
135.8; 135.9; 138.0; 180.5
物理化学的特徴
1H NMR(200.13MHz,D2O): dH 2.96 (2H,
s, -CH2CO-), 3.14
(4H, s, CH2Ar), 4.98 (2H, d,j = 12.0 Hz, CH2=CH), 5.52 (2H, d,j 18.0 Hz, CH2=CH), 6.47 (2H, dd,j = 10.0/18.0 Hz, CH2=CH), 7.14 (4H, d,j = 8.0 Hz, CHAr),
7.28 (4H, d,j = 8.0 Hz, CHAr)
100mlの蒸留水中のGly2Na(7.27g,3当量,34.09mmol)溶液を、100mlの蒸留水中のイッテルビウムトリフレート(7.05g,11.4mmol)の溶液に激しく攪拌しながら滴下する。Gly2Naの添加が完了した後、反応媒体のpHを(1Nの水酸化ナトリウムまたは1Nの塩酸を用いて)7.5に調節し、反応媒体を30分間で50℃にする。反応媒体を周囲温度に戻したら、pHを再び7.5に調節し、媒体を90分間攪拌する。形成された沈殿物をろ過により単離し、20mlの蒸留水ですすぎ、6時間オーブン乾燥する(真空下、40℃)。5.46gのイッテルビウム錯体混合物を、白色粉末の形態で得る。
MALDI−TOFスペクトル:869;891;1015;1038;1285および1658
このMALDI−TOF分析(数回再現される)は、粉末が、想定として次の一般式に対応させることができる種々の二核イッテルビウム錯体の混合物で構成されていることを示す:Yb2(Gly2)x(OH)y(H2O)z、ここでx、yおよびzは変数である。
例えば:x=3、y=3およびz=4である場合、MH+=1038。
x=2、y=4およびz=4である場合、MH+=869。
Yb元素分析:Ybの観測された質量%=30.6%+1.2%(中間値)
10ml蒸留水中の溶液として化合物Gly2’K(0.92g,2当量,2.7mmol)を、同様に10mlの蒸留水中の塩化銅(II)(0.18g,1.3mmol)の溶液に滴下する。Gly2’Kの添加完了後、反応媒体のpHを、水酸化ナトリウム1N溶液で10に調節する。反応媒体を周囲温度で3時間攪拌する。形成された沈殿物をろ過により回収し、ケークを20mlの蒸留水で2回洗浄し、減圧下50℃で8時間乾燥させる。0.59gの紫色粉末が得られる。収率=65%。
物理化学的特徴
Cu元素分析:Cuの理論質量%=9.4%±0.4%
Cuの観測された質量%=9.5%±0.4%。
そうするために、1mlのDMSO、100mgのコモノマー(変更可能な比でのC1−Yb+DVB)および10mgのAiBNを、10mlの丸底フラスコに充填する。得られた溶液を、アルゴンで5分間バブリングすることによって脱気する。最後に、溶液をシリンジを用いて円筒状のガラスモールドに移し、24時間75℃にする。得られたゲルをエタノールでDMSOを交換するためにエタノールに1週間含浸する。次いで超臨界CO2でゲルを乾燥し、イッテルビウムドープされたフォームを得る。イッテルビウムの程度は元素分析により決定される。
C1−Yb/DVB間の比を変更して種々の試験を行ない、次の値を得た:
そうするために、(Gly2)xYb単独、(Gly2)xYb/DVB(50/50)もしくは(Gly2)xYb/TMPTA(50/50)を200mg、30mgのAiBN、3mlのジブチルフタレート、クロロホルムもしくはTHFを3ml、および1mlのメタノールを、25mlの丸底フラスコに充填する。透明な溶液が得られるまで混合物を周囲温度にて攪拌する。次いでクロロホルムおよびメタノールを除去するために溶液をロータリエバポレータに置く(浴温度=35℃、約15分、最終圧力=5ミリバール)。共溶媒を蒸発させた後、次いで100mgのコモノマーを添加し、得られた溶液をアルゴンで5分間バブリングすることによって脱気する。最後に、シリンジを用いて溶液を円筒状ガラスモールドに移し、16時間90℃にする。
ジブチルフタレートをエタノールと交換するために、得られたゲルをエタノール中に1週間含浸させる。次いでゲルを超臨界CO2で乾燥し、イッテルビウムドープされたフォームを得る。イッテルビウムの程度は元素分析によって決定される。
種々の試験を行ない、次の値を得た:
そうするために、1mlのDMSO、100mgのGly2Cuおよび10mgのAiBNを、10mlの丸底フラスコに充填する。得られた溶液を、アルゴンで5分間バブリングすることによって脱気し、次いでシリンジを用いて円筒状ガラスモールドに移す。反応媒体を24時間90℃にする。DMSOをエタノールで交換するために、得られたゲルをエタノール中に1週間含浸させる。次いでゲルを超臨界CO2で乾燥させ、銅ドープされた青色フォームを得る。銅の程度は元素分析によって決定される。
種々の試験を行い、次の値を得る。
Cuの理論質量%=9.4%
Cuの観測された質量%=7.2%±0.2%
Claims (29)
- 少なくとも1つの金属元素がドープされたポリマー材料を調製するためのプロセスであって、前記元素および前記元素の1以上のリガンドから形成された金属元素の配位錯体の重合工程を含み、前記金属元素がランタニド元素であり、前記リガンドが少なくとも1つのエチレン性基を含む少なくとも1つのモノマーに属し、前記モノマーが式(I)およびそれらの塩に対応し:
−Rは、以下の式の基から選択される基を表す:
−R3、R4、R5、R6およびR7は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよいが、ただしR3、R4、R5、R6およびR7の少なくとも1つはエチレン性基を表す;
−R8、R9およびR10は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよい;
−R 11 およびR 12 は、独立して、H、アルキル基、アリール基、以下の式を有する基を表す:
−k、lおよびmは0〜20の範囲の整数である;
または以下の式(IV)に対応する、プロセス:
−R14は、以下の式の基から選択される基を表す:
−R3、R4、R5、R6およびR7は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよいが、ただしR3、R4、R5、R6およびR7の少なくとも1つはエチレン性基を表す;
−R8、R9およびR10は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよい;
−R 11 およびR 12 は、独立して、アルキル基、アリール基、以下の式を有する基を表す:
−R13は、H、金属、アルキル基、アリール基、アシル基またはアルキルアリール基を表し、このアルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよい;
−R16は、式:
−k、l、m、uおよびwは0〜20の範囲の整数であり、vは1〜20の範囲の整数であり、p、q、rおよびxが2に等しい。 - 前記重合工程が、請求項1〜12のいずれか1項に記載のモノマーとは異なる1以上のコモノマーの存在下で行なわれる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記コモノマーが、スチレンモノマーおよびアクリレートモノマーから選択される、請求項13に記載のプロセス。
- 前記コモノマーが少なくとも2つのエチレン性基を含む、請求項13または14に記載のプロセス。
- 前記コモノマーがジビニルベンゼンである、請求項16に記載のプロセス。
- 前記重合工程の前に、請求項1に記載の配位錯体を調製する工程を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載のプロセス。
- 重合工程後、超臨界CO2乾燥工程を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
- 請求項1〜20のいずれか1項に記載の重合工程が:
−ジビニルベンゼンの存在下、請求項9に記載の式(V)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の共重合;
−請求項4に記載の式(II)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の重合;
−ジビニルベンゼンの存在下またはトリメチロールプロパントリアクリレートの存在下、請求項4に記載の式(II)のモノマーおよびイッテルビウムから形成される配位錯体の共重合;
−請求項6に記載の式(III)のモノマーおよび銅から形成される配位錯体の重合
からなる、請求項1〜20のいずれか1項に記載のプロセス。 - 以下の式(IV)に対応するモノマー:
−R14は、以下の式の基から選択される基を表す:
−R3、R4、R5、R6およびR7は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよいが、ただしR3、R4、R5、R6およびR7の少なくとも1つはエチレン性基を表す;
−R8、R9およびR10は、独立して、H、エチレン性基、アルキル基、アリール基、−O−アリール基、−O−アルキル基、アシル基、アルキルアリール基、ハロゲン原子を表し、このアルキル、アリール、アルキルアリール、−O−アリールおよび−O−アルキル基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、窒素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよい;
−R 11 およびR 12 は、独立して、アルキル基、アリール基、以下の式を有する基を表す:
−R13は、H、金属、アルキル基、アリール基、アシル基またはアルキルアリール基を表し、このアルキル、アリールおよびアルキルアリール基は、任意にペルフッ素化されており、1以上の酸素、硫黄および/またはセレン原子がこれらの基に挿入されていてもよい;
−R16は、次式の基を表す:
−k、l、m、uおよびwは0〜20の範囲の整数であり、vは1〜20の範囲の整数であり、p、q、rおよびxが2に等しい。 - ランタニド元素と請求項22〜28のいずれか1項に記載の1以上のモノマーとの配位錯体。
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