JP5536489B2 - 生産ラインシステム - Google Patents
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Description
請求項5に記載の発明は、上記発明にあって、前記洗浄液は洗浄液槽に蓄えられており、前記凝縮器には、前記洗浄液を受け入れる洗浄液戻り配管及び前記洗浄液を出す洗浄液供給配管が接続され、前記洗浄液供給配管は、前記洗浄液槽に接続され、前記凝縮器は、前記洗浄液戻り配管で受け入れた前記洗浄液を熱交換により加熱して前記洗浄液供給配管から出すことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、上記発明にあって、前記洗浄液槽に、前記洗浄液を加熱するヒーター用熱交換器が配置されており、前記ヒーター用熱交換器には、ヒーターにより加熱された媒体が通過可能であることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、上記目的に加えて、長時間の連続した冷暖同時運転が可能となってより一層エネルギー効率を良好なものとする目的を達成するため、上記発明にあって、前記加熱処理工程と前記冷却処理工程の何れか一方につき、その周辺温度に応じて設定温度を変更することで、前記加熱処理工程における加熱と前記冷却処理工程における冷却に関する熱収支を調整することを特徴とするものである。
≪構成等≫
図1は本発明に係る第1形態の生産ラインシステム1の説明図である。生産ラインシステム1は、ここでは2つのラインF1,F2を有するものとされており、各ラインF1,F2には機械加工機である旋盤Mが複数配置されている。各ラインF1,F2の始点には、共通のワーク投入手段T1が配備されると共に、終点には、共通の洗浄機R及び次工程へのワーク搬送手段T2が設置されている。
図2は、粗加工時のようにクーラントに求められる温度の幅が広く、クーラントの温度設定範囲が広い場合における加熱冷却装置1の動作のフローチャートであり、図3は、高精度加工(仕上げ加工)時のようにクーラントに対して許容される温度の幅が狭く、クーラントの温度設定範囲が狭い場合における加熱冷却装置1の動作のフローチャートである。
以上の生産ラインシステム1では、ワークの機械加工機(旋盤M)のクーラントを冷却する冷却処理工程と、旋盤Mによる加工前或いは加工後にワークの洗浄を行う洗浄機Rに係る洗浄液を加熱する加熱処理工程とを有し、前記加熱処理工程と前記冷却処理工程とをヒートポンプ10により一つのヒートポンプサイクルで行うので、加熱及び冷却について互いの相手から奪った或いは奪われた熱を熱源として行うことができ、エネルギー効率を極めて高いものとすることができる。又、加工機における冷却処理工程の前又は後に洗浄液の加熱処理工程が隣接することとなり、冷却処理工程と加熱処理工程を一連のものとすることが可能となって、ヒートポンプ10から冷却処理工程或いは加熱処理工程への距離が短くなって、配管等の短縮化により低コストとなるし、伝送ロス等が低減されて更に省エネルギーとなる。更に、工場内において一連の加工ライン毎に加熱冷却システムを完結させることができ、フレキシブル性を極めて良好なものとすることができる。そして、一連の加工ラインにおいてヒートポンプを使用しているので、生産中は常に冷却と加熱を同時に必要とされ、よって長時間の冷暖同時運転とすることができ、エネルギー効率の高い生産ラインとすることができる。
尚、主に第1形態を変更して成る、本発明の他の形態を例示する。加熱処理工程と冷却処理工程の何れか一方につき、その周辺温度に応じて設定温度を変更することで熱収支を調整する。加熱処理工程の周辺温度としては、洗浄機温度(洗浄機周辺気温)を挙げることができ、制御手段と接続された洗浄機温度を測定する洗浄機温度センサを洗浄機に設け、当該洗浄機温度が所定温度以上であるとS15やS25に移行するようにする。或いは、冷却処理工程の周辺温度としては、加工機温度(加工機周辺気温)を挙げることができ、制御手段と接続された加工機温度を測定する加工機温度センサを加工機に設け、当該加工機温度が所定温度以下であるとS12やS22を実行するようにする。この場合、周辺温度に応じて片側の処理工程の温度設定を変更して熱収支を安定させることができ、長時間の連続した冷暖同時運転が可能となってより一層エネルギー効率を良好なものとすることができる。
≪構成等≫
図4(a)は本発明に係る第2形態の生産ラインシステム101の説明図である。生産ラインシステム101は、機械加工部品製造の切削工程における切削液の冷却及びその後の洗浄工程における洗浄液の加熱を行うために配備されており、切削液を蓄える複数の切削液槽102と、洗浄液を蓄える洗浄液槽104と、切削液を冷却し洗浄液を加熱するヒートポンプ110を備えている。ヒートポンプ110は、冷水を熱交換により冷却する蒸発器112と、洗浄液を熱交換により加熱する凝縮器114を備えている。蒸発器112と凝縮器114は、ヒートポンプサイクルに組み込まれている。
制御手段により冷水ポンプ124が起動されて冷水戻り配管120を通じた冷水の導入がなされると共に、洗浄液ポンプ144が起動されて洗浄液戻り配管140を通じた洗浄液の導入がなされ、次いでヒートポンプ110が起動される。
以上の生産ラインシステム101では、切削液を冷却すると共に洗浄液を加熱するヒートポンプ110を備えており、ヒートポンプ110は、洗浄液の温度が所定の上限値Hを上回ると加熱量を減少し、所定の下限値Lを下回ると加熱量を増加するので、ヒートポンプで切削液温度及び洗浄液温度をそれぞれ特定温度に維持する従来の場合と比較して、共通のヒートポンプ110によって効率良く冷却及び加熱を行うことができ、又加熱運転状態の切替回数を少なくして更に効率に配慮することができ、切削液の冷却ないし洗浄液の加熱を省エネルギーである状態で行うことが可能となる。
≪構成等≫
図6(a)に示す第3形態に係る生産ラインシステム201は、ヒートポンプが3モード式ヒートポンプ210とされている点を除き、第2形態と同様に成る。3モード式ヒートポンプ210は、ファン211を備えており、冷却・加熱同時運転機能に加えて、冷却単独運転機能或いは加熱単独運転機能を有している。尚、図6(b)に示すように、冷却チラー130やチラー用熱交換器132、或いはヒーター150やヒーター用熱交換器152を省略することができる。
制御手段は、切削液槽102に関する冷水の冷却負荷と洗浄液槽104に関する洗浄液の加熱負荷が同時に存在する場合、3モード式ヒートポンプ210につき、冷却・加熱同時運転を行わせる。又、制御手段は、冷却負荷が存在するものの加熱負荷が存在せず加熱不要である場合、3モード式ヒートポンプ210につき、冷却単独運転を行わせる。更に、制御手段は、加熱負荷が存在するものの冷却負荷が存在せず冷却不要である場合、3モード式ヒートポンプ210につき、加熱単独運転を行わせる。3モード式ヒートポンプ210は、冷却・加熱同時運転や加熱単独運転における加熱側につき、第2形態と同様、温度幅を持った状態で運転する。又、荒削り工程中の冷却・加熱同時運転や冷却単独運転における冷却側につき、冷却・加熱同時運転や加熱単独運転における加熱側につき、第2形態と同様、温度幅を持った状態で運転する。
生産ラインシステム201では、ヒートポンプとして、冷却・加熱同時運転、冷却単独運転或いは加熱単独運転が可能である3モード式ヒートポンプ210が用いられるため、冷却負荷や加熱負荷がどのように出現し或いは変化しても、運転状態を切替えることで柔軟に対応し適切に処理することができる。
ここで、主に第2形態ないし第3形態に係る発明を示す。
当該ヒートポンプは、前記洗浄液の温度が所定の上限値を上回ると加熱量を減少し或いは加熱を停止し、所定の下限値を下回ると加熱量を増加し或いは加熱を再開する
ことを特徴とする生産ラインシステム。
初期費用やランニングコストを抑えることができ、ヒートポンプの高効率運用を行うことで更なる省エネルギー化が可能となる生産ラインシステム(冷却加熱システム)を提供することを目的とする。
ことを特徴とする(1)に記載の生産ラインシステム。
上記目的に加えて、より一層のヒートポンプの高効率運用ないし装置の省エネルギー化を可能とする生産ラインシステムを提供することを目的とする。
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の生産ラインシステム。
上記目的に加えて、良好な冷却加熱性能と高効率を両立させることを目的とする。
ことを特徴とする(1)ないし(3)の何れかに記載の生産ラインシステム。
上記目的に加えて、冷却負荷及び加熱負荷の双方につき大きさや出現タイミングが様々であっても適切に処理することを目的とする。
ことを特徴とする(1)ないし(4)の何れかに記載の生産ラインシステム。
上記目的に加えて、洗浄液温度が下限値を下回る期間や切削液温度が上限値を上回る期間の長期化を防止し、バックアップを確保して信頼性を向上することを目的とする。
尚、主に主に第2形態ないし第3形態を変更して成る、本発明の他の形態を例示する。制御手段をヒートポンプやヒーター、冷却チラー等に設け(ヒートポンプ等の制御手段と共通とし)たり、制御手段を複数分散させ通信により協調処理するものとしたりする。洗浄液温度につき洗浄液槽内や洗浄液供給配管内のものを得るようにし、洗浄液温度センサの設置位置もこれらに応じて変更し、或いは冷水温度(切削液温度)に関し同様に変更する。ヒートポンプの運転につき、洗浄液温度が上限値を超えると加熱を停止し、或いは下限値を下回ると加熱を再開するようにしたり、荒削り工程時の切削液温度に関し同様に変更したりする。切削液につき、投げ込み式の熱交換器を設けず、直接ヒートポンプに導入し冷却して戻したり、洗浄液につき、温水回路や熱交換器を設け、温水を加熱して熱交換器に送り熱交換器を介して加熱したりする。比例弁に代えて、オンオフ弁を設置する。荒削り工程においても冷却チラーを冷却補助のため運転する。
10,110 ヒートポンプ
12 制御手段
102 切削液槽
104 洗浄液槽
130 冷却チラー(他冷熱源)
150 ヒーター(他熱源)
210 3モード式ヒートポンプ
H 上限値
L 下限値
Claims (9)
- ワークの機械加工機のクーラントを冷却する冷却処理工程と、前記機械加工機による加工前或いは加工後にワークの洗浄を行う洗浄機の洗浄液を加熱する加熱処理工程とを、ヒートポンプにより一つのヒートポンプサイクルで行う生産ラインシステムであって、
前記冷却処理工程は、前記ヒートポンプの蒸発器を介して当該ヒートポンプの冷媒との熱交換によりクーラント用冷媒を冷却し、冷却された当該クーラント用冷媒で前記クーラントを冷却する
ことを特徴とする生産ラインシステム。 - 前記クーラントは切削液槽に蓄えられており、
前記切削液槽には、前記クーラント用冷媒と前記クーラントとの熱交換を行う熱交換器が配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の生産ラインシステム。 - 前記機械加工機が複数設置されており、
それぞれの前記機械加工機に、前記クーラントの温度を制御するクーラント温度制御手段が配置されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生産ラインシステム。 - 前記加熱処理工程は、前記ヒートポンプの凝縮器を介して当該ヒートポンプの冷媒との熱交換により前記洗浄液を加熱する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の生産ラインシステム。 - 前記洗浄液は洗浄液槽に蓄えられており、
前記凝縮器には、前記洗浄液を受け入れる洗浄液戻り配管及び前記洗浄液を出す洗浄液供給配管が接続され、
前記洗浄液供給配管は、前記洗浄液槽に接続され、
前記凝縮器は、前記洗浄液戻り配管で受け入れた前記洗浄液を熱交換により加熱して前記洗浄液供給配管から出す
ことを特徴とする請求項4に記載の生産ラインシステム。 - 前記洗浄液槽に、前記洗浄液を加熱するヒーター用熱交換器が配置されており、
前記ヒーター用熱交換器には、ヒーターにより加熱された媒体が通過可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の生産ラインシステム。 - 前記加熱処理工程と前記冷却処理工程の何れか一方につき、その周辺温度に応じて設定温度を変更することで、前記加熱処理工程における加熱と前記冷却処理工程における冷却に関する熱収支を調整する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の生産ラインシステム。 - 前記加熱処理工程における加熱と前記冷却処理工程における冷却に関する熱収支について、前記洗浄液の設定温度で調整する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の生産ラインシステム。 - 前記加熱処理工程における加熱と前記冷却処理工程における冷却に関する熱収支について、前記クーラントの設定温度で調整する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れかに記載の生産ラインシステム。
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