JP5535893B2 - ブレーキ装置及びこれを備えた軌道系車両 - Google Patents
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Description
また、例えば特許文献2には、鉄道車両のブレーキ装置に用いられる弁装置として、中継弁よりも簡易な構成をなす圧力制御弁が開示されている。
即ち、本発明に係るブレーキ装置は、空気バネの圧力に基づいて、圧縮空気源の空気圧から非常ブレーキ時のブレーキ圧に相当する応荷重圧を生成する応荷重弁と、常用ブレーキ時に前記圧縮空気源の圧縮空気圧を出力する一方、非常ブレーキ時に前記応荷重圧を出力する切換弁と、常用ブレーキ時に前記切換弁から供給される前記圧縮空気圧を調圧してブレーキ圧として出力するとともに、非常ブレーキ時に前記切換弁から供給される前記応荷重圧をそのままブレーキ圧として出力する圧力制御弁とを備え、前記圧力制御弁は、前記切換弁の出力圧が一次側圧力として供給される第一室と、前記ブレーキ圧としての二次側圧力が生成される第二室と、パイロット圧としての前記一次側圧力が導入された際に、前記第一室及び第二室間の連通路を閉塞するとともに、パイロット圧としての大気圧が導入された際に前記第一室及び前記第二室間の連通路を開放する第一弁部と、パイロット圧としての前記二次側圧力が導入された際に前記第二室及び大気間の連通路を閉塞するとともに、パイロット圧としての大気圧が導入された際に前記第二室及び大気間の連通路を開放する前記第二弁部と、励磁されることで前記第一弁部に前記一次側圧力を供給する一方、消磁されることで前記第一弁部に大気圧を供給する第一電磁弁と、励磁されることで前記第二弁部に大気圧を供給する一方、消磁されることで前記第二弁部に前記二次側圧力を供給する第二電磁弁とを有することを特徴とする。
一方、非常ブレーキ時には、応荷重弁によって圧縮空気源の圧縮空気圧から生成される応荷重圧が、切換弁を介して圧力制御弁に供給される。この応荷重圧は、非常ブレーキ時のブレーキ圧に相当する。そして、圧力制御弁では、この応荷重圧に調圧を施すことなく、ブレーキ圧として出力する。
このように、応荷重弁、切換弁及び圧力制御弁によって常用ブレーキ時、非常ブレーキ時に適切なブレーキ圧を生成することができるため、構造が複雑で使用頻度の高い中継弁を使用しない分、メンテナンスコストの低減を図ることができる。
さらに、常用ブレーキ時のブレーキ圧を生成する圧力制御弁が故障し、入力される圧力に対して調圧を施すことができなくなった場合であっても、応荷重弁が非常ブレーキ時のブレーキ圧に相当する応荷重圧を生成し、圧力制御弁が当該応荷重弁をそのまま出力することによって、非常ブレーキ時のブレーキ圧を出力することができる。
また、圧力制御弁は、二次側圧力を任意に増圧及び減圧することができるとともに、故障時、特に、第一電磁弁及び第二電磁弁の励磁が不可能となった場合であっても一次側圧力をそのまま二次側圧力として出力することができる。
即ち、二次側圧力を増圧する際には、第一電磁弁を消磁することで第一室及び第二室間の連通路を開放する。すると、当該連通路を介して第一室の空気が第二室に導入され二次側圧力が増圧する。また、この際、第二電磁弁を消磁すると第二室及び大気間の連通路が閉塞されることで第二室内の空気が大気へ排出されることが妨げられる。これにより、二次側圧力の低下が阻止される。そして、二次側圧力が所望の圧力に達した際には、第一電磁弁を励磁することにより第一弁部に一次側圧力を導入し、第一室及び第二室間の連通路を閉塞する。これにより、第二室への一次側圧力の導入が停止され、二次側圧力の増加が停止する。
一方、二次側圧力を減圧する際には、第二電磁弁を励磁することで第二室及び大気間の連通路を開放する。すると、当該連通路を介して第二室の空気が大気に放出されることで二次側圧力が減圧される。
このように、第一電磁弁、第二電磁弁を消励磁することで、二次側圧力を任意の圧力に設定することができる。
さらに、第一電磁弁及び第二電磁弁が励磁不可能となった場合には、第一室及び第二室間の連通路が開放状態となるとともに、第二室及び大気間の連通路が閉塞状態となることで、一次側圧力がそのまま第二室に導入される。これにより、一次側圧力を二次側圧力として出力することができる。
これに対して本発明のブレーキ装置においては、制御装置による車輪が滑走しているか否かの判定に基づいて第一電磁弁及び第二電磁弁を励磁することでブレーキ圧の開放を行うことができる。これによって、別個に滑走防止弁を設けずとも、圧力制御弁を利用して容易に滑走制御を行うことができる。
図1に示すように、ブレーキ装置1は、弁本体ブロック2と、該弁本体ブロック2内に一体に収容された応荷重弁10、切換弁40、圧力制御弁60、複式逆止弁140及び圧力センサ150と、弁本体ブロック2の外部に設けられた速度センサ160及び制御装置200とによって構成されている。本実施形態のブレーキ装置1は、軌道系車両としての鉄道車両に搭載される。
また、空気バネ接続ポート4には、それぞれ鉄道車両の台車上にて車両本体を支持する空気バネ310が接続されており、一対の空気バネ310の圧力(AS1圧、AS2圧)が弁本体ブロック2の管路に導入される。これらAS1圧及びAS2圧は乗客を含む車両の重量に応じた圧力を有している。
なお、これらAS1圧及びAS2圧は、車両の複数の台車にそれぞれ設けられた空気バネ310毎の圧力であってもよいし、複数の空気バネ310の平均圧力であってもよい。例として、一車両が4つの台車を備え、各台車に1つの空気バネ310が設けられている場合には、2つの台車における空気バネ310の平均圧力をAS1圧とし、残りの2つの台車における空気バネ310の平均圧力をAS2としてもよい。
そして、保安ブレーキ接続ポート6には、保安ブレーキが接続されており、常用ブレーキが故障した際に保安ブレーキの圧力(HB圧)が保安ブレーキ接続ポート6を介して弁本体ブロック2の管路に導入されるようになっている。
また、第五室16と第六室17との間は、これら第五室16と第六室17とを互いに連通する連通孔26aを備えた仕切り板26によって仕切られている。
また、第二室13には、該第二室13内外を連通するとともに一対の空気バネ接続ポート4のうちの他方と管路を介して接続された第二空気バネ圧導入口13aが形成されている。この第二空気バネ圧導入口13aを介して第二室13内に常にAS2圧が導入されるようになっている。
また、第五室16には、該第五室16を内外に連通する応荷重圧出力口16aが形成されている。応荷重弁10によって生成されるVL圧はこの応荷重圧出力口16aから出力される。
また、この第六室17内には、軸線P方向にスライド可能な可動弁座27が設けられている。この可動弁座27は、軸線P方向一方側の端部に仕切り板26における連通孔26aの縁部と密着可能とされたリング状の弁座本体27aを備え、さらに、該弁座本体27aから軸線P方向他方側に向かって該軸線Pを中心として筒状に延びる仕切り筒体27bを備えている。
そして、この可動弁座27はコイルスプリング等の付勢部材17eによって軸線P方向一方側に付勢されている。これにより、可動弁座27に外力が作用しない限り弁座本体27aが仕切り板26の連通孔26aの縁部と密着するようになっている。また、この状態においては、連通孔26aは第五室16と第六室17における圧力排出室17cとを連通状態とし、第六室17の圧力導入室17dは第五室16及び圧力排出室17cと隔離されている。
この弁棒28は、第一ダイアフラム21及び第二ダイアフラム22とはそれぞれ軸線P方向に独立して移動可能とされる一方、第三ダイアフラム23及び第四ダイアフラム24とは互いに接続されており、これら第三ダイアフラム23及び第四ダイアフラム24の移動に連動して弁棒28が軸線P方向に移動するようになっている。
この切換弁本体41は、図3に示すように、パイロット室42と、該パイロット室42の一方側に隣接する応荷重圧導入室43と、該応荷重圧導入室43の一方側に隣接し出力口44aが形成された出力室44と、該出力室44の一方側に隣接する圧縮空気圧導入室45とを備えている。
パイロット室42は、管路を介して圧縮空気源接続ポート3に接続されており、これによってパイロット室42にはSR圧がパイロット圧として導入される。
応荷重圧導入室43は、管路を介して応荷重弁10の応荷重圧出力口16aを接続されている。これによって、応荷重圧導入室43には、応荷重弁10の出力であるVL圧が導入される。
また、圧縮空気圧導入室45は管路を介して圧縮空気源接続ポート3に接続されている。これによって、圧縮空気圧導入室45には、SR圧が導入される。
なお、応荷重圧導入室43と出力室44とは第一連通孔46を介して互いに連通されており、さらに、圧縮空気圧導入室45と出力室44とは第二連通孔47を介して互いに連通されている。
なお、このパイロット電磁弁50は、車両の電源がオンとなることに伴って励磁された状態となる。
本実施形態の圧力制御弁60は、図4に示すように、弁装置本体70、第一電磁弁100、副第一電磁弁110、第二電磁弁120及び副第二電磁弁130から構成されている。
第一室71は、該第一室71内外を連通するとともに切換弁40における切換弁本体41の出力口44aと管路を介して接続された一次側圧力導入口71aを備えている。これにより、第一室71内には、一次側圧力導入口71aを介して切換弁本体41の出力圧が供給される。
また、第一室71及び第二室72間には、これらを互いに連通する連結連通路(連通路)73が設けられており、さらに、第二室72には、該第二室72内外を連通して大気と接続された大気連通路(連通路)74が設けられている。
この第一弁部80は、パイロット圧としての一次側圧力が第一パイロット室71に導入された際に、第一室71及び第二室72間の連結連通路73を閉塞する一方、パイロット圧としての大気圧が第一パイロット室82に導入された際には第一室71及び前記第二室72間の連結連通路73を開放する。
この第二弁部90は、パイロット圧としての二次側圧力が第二パイロット室92に導入された際に第二室72及び大気間の大気連通路73を閉塞する一方、パイロット圧としての大気圧が第二パイロット室92に導入された際に第二室72及び大気間の大気連通路73を開放する。
第一電磁弁100は、上記第一供給通路85に設けられている。この第一電磁弁100は、消磁されている状態においては、第一電磁弁100の上流側の第一供給通路85を閉塞するとともに下流側の第一供給通路85を大気に連通させる。これによって、第一パイロット室82内に大気圧を供給する。一方、第一電磁弁100は、励磁されている状態においては、該第一電磁弁100の上流側及び下流側の第一供給通路85を連通させて上記第一パイロット室82への一次側圧力の導入を許容する。
そして、この副第一電磁弁110は、消磁されている状態においては、第一供給通路85における第一電磁弁100と第一パイロット圧導入口84との間を開放状態とする一方、励磁された際には、第一供給通路85における第一電磁弁100と第一パイロット圧導入口84との間を閉塞状態とするとともにバイパス路111を介して第一パイロット室82に一次側圧力を導入する。
図1に示すように、複式逆止弁140は、保安ブレーキ接続ポート6、ブレーキシリンダ接続ポート5及び圧力制御弁60の弁装置本体70における二次側圧力出力口72a(図3参照)の3つに接続されている。そして、保安ブレーキ接続ポート6から供給されるHB圧と二次側圧力出力口72aから供給される圧力制御弁60の二次側圧力とのうち、圧力の高い方を保安ブレーキ接続ポート6に供給する。
これにより、通常時、即ち、保安ブレーキが非作動の場合には、圧力制御弁60の二次側圧力がブレーキシリンダ接続ポート5に供給される一方、保安ブレーキが作動して保安ブレーキ接続ポート6にHB圧が供給された際には、当該HB圧は圧力制御弁60の二次側圧力よりも常に高い圧力となるため、ブレーキシリンダ接続ポート5にはHB圧が供給される。
圧力センサ150は、複式逆止弁140とブレーキシリンダ接続ポート5との間の管路に設けられえており、当該管路の圧力を検出している。なお、この管路には、ブレーキシリンダ320に対して供給される圧力、即ち、BC圧が存在している。したがって、圧力センサ150は、常にBC圧を検出している。この圧力センサ150が検出したBC圧の値は制御装置200へと入力される。
なお、この速度センサ160としては、例えば速度発電機を用いることができ、該速度発電機の発電量から車輪340の回転数を求めることができる。
本実施形態の制御装置200は、圧力センサ150の出力が入力される圧力比較部210と、該圧力比較部210の出力が入力される調圧部220と、速度センサ160の出力が入力される滑走判定部230と、滑走判定部230の出力が入力される滑走解除部240と、調圧部220及び滑走解除部240の出力が入力される電磁弁制御部270と、副電磁弁操作指令が入力される遠隔操作部250と、非常ブレーキ指令が入力されるパイロット電磁弁消磁部260とを備えている。
調圧部220は、圧力比較部210の比較結果に基づき、第一電磁弁100及び第二電磁弁120を消励磁制御する信号を出力する。
即ち、圧力比較部210により二次側圧力の方が指令圧力よりも小さいと判断された場合には、第一電磁弁100を消磁するとともに第二電磁弁120を消磁する信号、即ち、増圧制御指令を出力する。また、圧力比較部210により二次側圧力と指令圧力とが同等と判断した場合には、第一電磁弁100を励磁するとともに第二電磁弁120を消磁する信号、即ち、圧力保持指令を出力する。さらに、圧力比較部210により二次側圧力が指令圧力よりも大きいと判断した場合には、第一電磁弁100を励磁するとともに第二電磁弁120を励磁する信号、即ち、減圧制御指令を出力する。
また、パイロット電磁弁消磁部260は、ブレーキハンドルの操作に基づいて非常ブレーキ指令が入力された際に、パイロット電磁弁50に対して消磁される指令を出力する。
まず、応荷重弁10の動作について説明する。
応荷重弁10では、応荷重弁本体11の第一室12及び第二室13内にそれぞれ空気バネ310よりAS1圧及びAS2圧が導入されると、第一室12内の圧力と第二室13内の圧力の一部が第一ダイアフラム21を介して相殺されることで、これら第一室12と第二室13との圧力を平均化した圧力、即ち、AS1圧及びAS2圧の平均圧が第二ダイアフラム22に対して軸線P方向他方側に向かって付与される。
これにより第二ダイアフラム22が軸線P方向他方側に変位すると、コイルスプリング25を介して第三ダイアフラム23も軸線P方向他方側に変位し、これに伴って第三ダイアフラム23に接続された弁棒28も軸線P方向他方側に変位する。
即ち、第五室16に導入された圧力は、増圧電磁弁31の後室35にも導入される。この際、増圧電磁弁31の電磁弁本体36が励磁されると、後室35と中間室34とが連通状態となり、即ち、応荷重弁本体11の第五室16の圧力が増圧電磁弁31の後室35及び中間室34を介して応荷重弁10の第四室15に導入される。これにより、第四ダイアフラム24を介して第五室16の圧力が第四室15の圧力によって一部相殺されるため、第五室16の圧力に基づいて弁棒28に対して軸線P方向一方側に作用する力の大きさが減少する。これにより、第五室16の圧力がさらに増圧されない限り、弁棒28を軸線P方向一方側に向かって移動させることはできない。結果として、第五室16には、AS1圧及びAS2圧の平均圧よりも高い圧力を導入することができるようになる。
以上のようにして、応荷重弁10では、AS1圧及びAS2圧に応じてSR圧から非常ブレーキ時のBC圧に相当するVL圧を生成し出力する。
この切換弁40においては、切換弁本体41の出力室44から、VL圧又はSR圧のいずれか一方が出力される。即ち、パイロット電磁弁50が消磁されている際には、切換弁40のパイロット室にSR圧が導入される。すると、切換弁本体41の圧縮空気圧導入室45に導入されたSR圧とパイロット室42のSR圧とが相殺される。この際、応荷重圧導入室43に導入されたVL圧が弁体48aを押圧することで第一連通孔46が開放され、第二連通孔47が閉塞される。これによって、VL圧が出力室44から出力される。
このように、本実施形態の切換弁40は、パイロット電磁弁50の消磁時にはVL圧を出力し、パイロット電磁弁50の励磁時にはSR圧を出力する。
本実施形態の圧力制御弁60は、二次側圧力を任意に増圧及び減圧することができる。 即ち、二次側圧力を増圧する際には、第一電磁弁100を消磁状態するとともに第二電磁弁120を消磁状態とする。
第一電磁弁100を消磁状態とすると、第一弁部80内、即ち、第一パイロット室82内に大気圧が導入される。すると、第一パイロット室82内の大気圧よりも第一室71内の一次側圧力の方が大きいことにより、第一ダイアフラム81は第一パイロット室82に向かって変位する。これにより、連結連通路73の閉塞状態が解除され、当該連結連通路73を介して第一室71内の一次側圧力が第二室72内へと順次導入されている。
このように、第一電磁弁100、第二電磁弁120を消励磁することで、二次側圧力を任意の圧力に設定することができる。
即ち、第一電磁弁100及び第二電磁弁120がともに消磁の際には、第一室71及び第二室72間の連通路が開放状態となるとともに、第二室72及び大気間の連通路が閉塞状態となる。これによって、一次側圧力がそのまま第二室72に導入され、一次側圧力を二次側圧力として出力される。
まず、常用ブレーキを作動させる場合について、図6に示すフローチャートに沿って説明する。常用ブレーキは、運転手のブレーキハンドルの操作により常用ブレーキ指令が制御装置200に入力されることにより作動する。また、本実施形態においては、常用ブレーキ時に車輪340に滑走が生じている場合には、常用ブレーキの作動に優先して滑走制御がなされる。なお、常用ブレーキ時には、切換弁40を介して圧力制御弁60には一次側圧力としてSR圧が導入されている。
一方、常用ブレーキ指令が入力されたと判断した場合には、圧力比較部210が指令圧力P1と圧力センサ150が検出する検出圧力P2との大小を比較する(S2)。そして、この結果が調圧部220に入力される。
以上のように、制御装置200による制御ステップが実行される。
運転手のブレーキハンドルの操作により非常ブレーキ指令が制御装置200に入力されると、該制御装置200のパイロット電磁弁消磁部260が、切換弁40のパイロット電磁弁消磁部260に対して消磁指令を出力する。これにより、車両の電源のオンとともに励磁状態とされていたパイロット電磁弁50が消磁され、圧力制御弁60には一次側圧力としてSR圧ではなくVL圧が導入される。
本実施形態においては、例えば第一電磁弁100や第二電磁弁120が故障してBC圧を開放できなくなってしまった場合、即ち、固着してしまった場合であっても、遠隔制御によりBC圧を開放することができる。
即ち、固着が発生した際には、例えば運転手の操作によって副電磁弁操作指令が送出される。この副電磁弁操作指令は、制御装置200における遠隔操作部250に入力され、遠隔操作部250は副第一電磁弁110及び副第二電磁弁130にこれらを励磁させる指令を出力する。
また、このような固着時のみならず、第一電磁弁100及び第二電磁弁120の故障によりこれらを励磁できなくなった場合には、副第一電磁弁110及び副第二電磁弁130を適宜遠隔操作することにより、圧力制御弁60に所望の二次側圧力を生成することができる。
さらに、常用ブレーキ時のBC圧を生成する圧力制御弁60が故障し、入力される圧力に対して調圧を施すことができなくなった場合であっても、応荷重弁10が非常ブレーキ時のBC圧に相当する応荷重圧を生成し、圧力制御弁60が当該応荷重弁10をそのまま出力することによって、非常ブレーキ時のBC圧力を出力することができる。
したがって、コストの低減を図ることができるとともに、常用ブレーキの故障時であっても非常ブレーキを作動させることが可能なフェールセーフの観点から優れたブレーキ装置1を実現することができる。
これに対して本実施形態のブレーキ装置1においては、制御装置200による車輪340の滑走判定に基づいて第一電磁弁100及び第二電磁弁120を消励磁することで、容易にBC圧の開放を行うことができる。したがって、別個に滑走防止弁を設けずとも、圧力制御弁60を利用して容易に滑走制御を行うことができる。
例えば、応荷重弁10は、本実施形態のように応荷重弁本体11と増圧電磁弁31とを備えた構成のみならず、AS1圧及びAS2圧の大きさに応じて非常ブレーキ時のBC圧に相当するVL圧を生成、出力可能であれば他の構成であってもよい。
Claims (5)
- 空気バネの圧力に基づいて、圧縮空気源の空気圧から非常ブレーキ時のブレーキ圧に相当する応荷重圧を生成する応荷重弁と、
常用ブレーキ時に前記圧縮空気源の圧縮空気圧を出力する一方、非常ブレーキ時に前記応荷重圧を出力する切換弁と、
常用ブレーキ時に前記切換弁から供給される前記圧縮空気圧を調圧してブレーキ圧として出力するとともに、非常ブレーキ時に前記切換弁から供給される前記応荷重圧をそのままブレーキ圧として出力する圧力制御弁とを備え、
前記圧力制御弁は、
前記切換弁の出力圧が一次側圧力として供給される第一室と、
前記ブレーキ圧としての二次側圧力が生成される第二室と、
パイロット圧としての前記一次側圧力が導入された際に、前記第一室及び第二室間の連通路を閉塞するとともに、パイロット圧としての大気圧が導入された際に前記第一室及び前記第二室間の連通路を開放する第一弁部と、
パイロット圧としての前記二次側圧力が導入された際に前記第二室及び大気間の連通路を閉塞するとともに、パイロット圧としての大気圧が導入された際に前記第二室及び大気間の連通路を開放する前記第二弁部と、
励磁されることで前記第一弁部に前記一次側圧力を供給する一方、消磁されることで前記第一弁部に大気圧を供給する第一電磁弁と、
励磁されることで前記第二弁部に大気圧を供給する一方、消磁されることで前記第二弁部に前記二次側圧力を供給する第二電磁弁とを有することを特徴とするブレーキ装置。 - 前記二次側圧力を検出する圧力センサをさらに有し、
前記圧力センサの検出する前記二次側圧力と外部から入力される常用ブレーキ指令の指令圧力とを比較する圧力比較部と、
該圧力比較部による前記二次側圧力及び前記指令圧力の比較結果に基づき前記第一電磁弁及び前記第二電磁弁を消励磁する調圧部とを有する制御装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。 - 前記圧力制御弁は、
励磁されることで前記第一弁部に前記一次側圧力を供給する副第一電磁弁と、
前記第二電磁弁と直列的に配置され、励磁されることで前記第二電磁弁による前記第二弁部への前記二次側圧力の供給を停止して、前記第二弁部に大気圧を供給する副第二電磁弁とをさらに有し、
前記制御装置は、
外部から入力される副電磁弁操作指令に基づいて、前記副第一電磁弁及び前記副第二電磁弁を消励磁する遠隔操作部をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のブレーキ装置。 - 車輪の速度を検出する速度センサをさらに備え、
前記制御装置は、
前記速度センサの検出する前記車輪の速度に基づいて、前記車輪が滑走しているか否かを判定する滑走判定部と、
前記車輪が滑走していると前記滑走判定部が判定した際に、前記第一電磁弁を励磁するとともに及び前記第二電磁弁を励磁する滑走解除部とをさらに有することを特徴とする請求項2又は3に記載のブレーキ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のブレーキ装置を備えることを特徴とする軌道系車両。
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