JP5534871B2 - セルロースフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
発明者らは、表1ないし表3に基づく原料、試薬を用い、原料セルロースの溶解並びに製膜により、セルロースフィルムを試作した。そして、試作したセルロースフィルムを物性試験に供した。表中の略号について、“BMIMCl”は下記式(ii)参照の1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(メルク株式会社製)でありイオン液体の例である。“LN”は溶解パルプ(日本製紙ケミカル株式会社製)、“AC”はアルカリセルロースを水洗しアルカリ分を除去したセルロース、“微晶セル”は微結晶セルロース(メルク株式会社製)であり、原料セルロースの例である。“DMAc”はN,N−ジメチルアセトアミド(東京化成工業株式会社製)、“NMP”はN−メチル−2−ピロリドン(ナカライテスク株式会社製)、“DMF”はN,N−ジメチルホルムアミド(ナカライテスク株式会社製)、“MeOH”はメタノール(ナカライテスク株式会社製)、“EtOAc”は酢酸エチル(ナカライテスク株式会社製)であり、有機溶媒の例である。“PVA”はポリビニルアルコール(ナカライテスク株式会社製)である。
試作例1ないし14の調製に際し、前記のLN等の原料セルロースを粉砕機により綿状に粉砕した。イオン液体となるBMIMClと試作例毎の有機溶媒とを約3対2の割合で混合し(第1溶液)、80℃に加温しながら両液体を混合した。次にBMIMClと試作例毎の残りの有機溶媒を表中の溶媒比率に応じて80℃に加温しながら混合した(第2溶液)。
有機溶媒に関しては、MeOH、EtOHの例はいずれも原料セルロースを溶解することができなかった(試作例11,12)。その他の溶解可能な有機溶媒の種類、及びハンセン法による溶解度パラメータのSP値を重ねると、10ないし12の範囲が好ましいといえる。
試作例1について凝固、製膜の条件を変えながら試作例1−1ないし1−5の4品試作し、また、試作例5,6,9についても凝固、製膜を行い、試作例5−1,6−1,9−1を試作した。結果は表4、表5である。製膜後に膜外観を目視し、ピンホールの有無を確認した。
試作例6は、原料セルロースに加えてポリビニルアルコール(PVA)をLN:PVAで70:30の重量比として含有する。前記の第1溶液及び第2溶液によるセルロース溶解、その他の処理は、他の試作例と同様の条件下で行った。
表4,5の結果から、水やMeOHについては問題なく製膜することができた。逆にDMAcのような非プロトン系有機溶媒は溶媒種であるため、凝固、製膜には不向きである(試作例1−5)。なお、凝固液を水とした場合であっても、液温を60℃とする場合(試作例1−4)、外観不良を起こした。おそらく、成分分解が進み劣化したと考えられる。従って、凝固液は、水またはアルコールのいずれか、もしくは両方であることが望ましいといえる。
前述の凝固、製膜に加え、凝固膜状物に対して延伸も行い、後記する物性の変化を測定した。凝固膜状物とは、セルロースにイオン液体が残留したゲル化物の状態(半凝固状態)である。実施例においては、凝固膜状物を凝固液中に浸したまま、当該凝固膜状物を前後となる一方向に、むらが生じないように慎重に手で引っ張った。延伸の前後における伸びの割合(延伸倍率)は1.1倍ないし3.0倍である。上記の延伸を終えた後、引っ張った状態のまま、水に浸漬し、凝固膜状物に残留したイオン液体を洗い流した。
凝固膜状物の延伸に際し、イオン液体の残留率が高まるほど、延伸倍率は高まる。ただし、試作例1−3bのように極端に含有率が高まるとフィルムとしての強度が劣化してしまう。これは実需要に向かない。また、試作例1−3cと1−3dの比較から、延伸時の温度を高めた方が反応性、つまり延伸が進行していると言える。これらを踏まえ、延伸時の温度、イオン液体の残留率を制御することにより、延伸倍率を調整することができる。また、試作例6−1aのように原料セルロースに加えてPVAも含む場合、イオン液体の残留率を多くして延伸性も良くなる。
物性評価に際し、試作例1−3aと1−3、5−1aと5−1、6−1aと6−1の6品について、引張強度(MPa)、引張弾性率、加えて膜厚(μm)を測定した。「a」を付した試作例は延伸を伴う。引張強度については、まず、6品の試作例についてJIS K 6251のダンベル状8号形に準拠した試験片を作成した。測定に際し、株式会社島津製作所製オートグラフAG−5000Eを使用した。JIS K 7161(1994){ISO 527−1(1993)}の「プラスチック−引張特性の試験方法」に準拠し、温度23℃、湿度50%RHの環境下、100Nの荷重により、試験片を垂直方向に5mm/minの速度で引張し測定した。引張弾性率についても前記の試験機により測定し算出した。各試作例の測定結果は表7のとおりである。
表7の結果に関し、延伸を伴う場合にあっては、引張強度及び引張弾性率の値において、顕著に向上した。すなわち、延伸によりセルロース樹脂において配向性が生じたことが推察される。そこで、物性の向上へ大きく貢献した。また、試作例6−1aのように原料セルロースに加えてPVAも含む場合、セルロースのみの場合(試作例1−3a)よりもさらに大きく物性値が向上した。従前、ビスコース法よりなるセルロース樹脂フィルム(セロハン)に対しては、延伸することができなかった。これに対し、本発明に規定するように、凝固膜状物の段階で延伸を可能にしたことは、出来上がるセルロース樹脂フィルムの物性を向上させ、さらなる用途を開く上で極めて有用である。併せて、ポリビニルアルコールの添加の有用性も明らかとなった。
Claims (4)
- (i)式で表される化合物であるイオン液体と、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンのいずれか1種あるいは複数である非プロトン系有機溶媒を含む混合溶媒により原料セルロースを溶解してセルロース溶液とし、
ここにポリビニルアルコールを添加するセルロース溶解工程と、
前記セルロース溶液を膜状にしながら水またはアルコールのいずれか一方もしくは両方である凝固液中に吐出して凝固膜状物とする凝固製膜工程と、
前記凝固膜状物を延伸する延伸工程とを
有することを特徴とするセルロースフィルムの製造方法。
- 前記混合溶媒における前記イオン液体と前記非プロトン系有機溶媒との重量混合比が、前記イオン性液体:前記非プロトン系有機溶媒として、60〜85:40〜15である請求項1に記載のセルロースフィルムの製造方法。
- 前記原料セルロースが、重合度200〜2000のセルロースから選択される請求項1または2に記載のセルロースフィルムの製造方法。
- 前記セルロース溶液における前記原料セルロースの質量濃度が、2〜15重量%である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のセルロースフィルムの製造方法。
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