JP5534560B2 - 誘電体共振器装置 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体ブロックに複数の共振器を形成してなる誘電体フィルタや誘電体送受共用器などの誘電体共振部品を実装基板に搭載してなる誘電体共振器装置に関する。
携帯電話などの移動通信機器において、誘電体フィルタや誘電体送受共用器などの誘電体共振部品が用いられる。誘電体共振部品に対しては、適宜の周波数特性が要求されることの他に、形状及び入出力電極位置をニーズに合わせることがしばしば要求される。これに対応し入出力電極のレイアウトの自由度を高める目的で、たとえば特許文献1〜特許文献3に記載されているように、誘電体共振部品は回路基板などの実装基板に実装される。誘電体共振部品を実装基板に実装してなるものを誘電体共振器装置ということにする。
ニーズに合う形状の実装基板の上面に、誘電体共振部品を構成する誘電体ブロックが取り付けられる。誘電体ブロックには、互いに平行な第1の面及び第2の面の間でこれらの面の法線方向の貫通孔が形成され、該貫通孔の内面に内導体が付与されて、共振器が構成される。実装基板の上面には、誘電体共振部品の入出力電極と接続される入出力信号取出しラインパターンが形成される。実装基板の下面には、ニーズに合う位置に、上記入出力信号取出しラインパターンと接続された外部入出力電極パターンが形成される。
特公平3−40962号公報 特開平6−164206号公報 特開平6−132706号公報
ところで、実装基板上面の入出力信号取出しラインパターンの引き回し形態によっては、ライン引き回しに起因する電磁界放射によるパスで、周波数特性の減衰特性が悪化するという問題があった。
そこで、以上のような電磁界放射によるパスを抑制するために、誘電体共振部品の入出力信号の取出し位置を、特許文献2に記載されるように、誘電体ブロックの第1の面と第2の面との中間であって2つの壁面に跨った位置とすることが考えられる。しかしながら、この手法では、加工面が増えコストアップし、更に誘電体ブロックの第1の面から第2の面にかけて形成される貫通孔の形状及び配置を変える必要があり、大幅設計変更を余儀なくされるという技術的課題がある。
本発明の目的は、誘電体ブロックの大幅設計変更の必要がなく、製造コストを抑え、周波数特性の減衰特性を改善できる、誘電体共振器装置を提供することにある。
本発明は、以上の如き目的を達成するものとして、
互いに平行で反対側に位置する第1の面及び第2の面、該第1の面と第2の面との間にある互いに平行で反対側に位置する第1側壁面及び第2側壁面、及び前記第1の面と第2の面との間及び前記第1側壁面と第2側壁面との間にある互いに平行で反対側に位置する第1端壁面及び第2端壁面を有し、更に、それぞれ前記第1の面から第2の面にかけて形成された互いに平行な複数の貫通孔を有する誘電体ブロック;前記貫通孔のそれぞれの内壁面に形成され各共振器の共振導体を構成する内導体;前記第2の面、第1側壁面、第2側壁面、第1端壁面及び第2端壁面にわたって形成された外導体;前記第1の面において前記内導体のそれぞれに接続されるように形成され前記共振器同士を結合させる結合用電極;前記第1側壁面において前記外導体から離隔して形成され前記共振器の少なくとも1つと結合する入出力電極;及び、前記第2側壁面に形成された外導体と接続され、前記第1の面を被うように延出する金属カバー;を備える誘電体共振部品と、
該誘電体共振部品を搭載する実装基板と、
を有する誘電体共振器装置であって、
前記金属カバーは、前記誘電体ブロックの第2側壁面と略平行な第1部分とこれに略直交し前記誘電体ブロックの第1の面と略平行な第2部分とを有しており、前記第1部分と第2部分とにわたって同一幅をもって延出しており、
前記実装基板は、前記第1側壁面が当接するように前記誘電体共振部品が載置される表面とその反対側の裏面とを有し、前記表面には前記誘電体共振部品の入出力電極と接続される入出力信号取出しラインパターンと該入出力信号取出しラインパターンから離隔せるグランドパターンとが形成され、前記裏面には前記入出力信号取出しラインパターンと接続された外部入出力電極パターンが形成されており、
前記入出力信号取出しラインパターンは、前記誘電体共振部品の入出力電極に対応する部分から前記第1の面よりその法線方向と略平行に延出する第1パターン部と、該第1パターン部に連なり前記第1の面の法線方向と略直交する方向に延在する第2パターン部とを含んでおり、前記第1の面と前記金属カバーと前記実装基板の表面とにより囲まれる空間に面して位置する部分の長さの全長に対する割合は50%以上であり、
前記金属カバーの第2部分の先端縁の全体が前記実装基板の表面に形成されたグランドパターンと電気的に接続されていることを特徴とする誘電体共振器装置、
が提供される。
本発明の一態様においては、前記入出力信号取出しラインパターンの第2パターン部の幅寸法が0.15〜0.5mmであり、該第2パターン部と前記グランドパターンとの間隔寸法が0.15〜0.5mmであり、前記誘電体ブロックと前記金属カバーの第2部分との間隔寸法が0.5〜1.5mmである。
本発明によれば、シールド効果を高め、周波数特性において減衰特性が改善された誘電体共振器装置を、誘電体ブロックの設計を大幅変更することなく低コストで、得ることができる。
本発明による誘電体共振器装置の一実施形態を示す模式的斜視図である。 図1の実施形態の模式的分解斜視図である。 図1の実施形態の実装基板の上面図及び側面図である。 比較例1の誘電体共振器装置を示す模式的斜視図である。 図4の誘電体共振器装置の模式的分解斜視図である。 図4の誘電体共振器装置の実装基板の上面図及び側面図である。 比較例2の誘電体共振器装置を示す模式的斜視図である。 図7の誘電体共振器装置の模式的分解斜視図である。 図7の誘電体共振器装置を示す模式的斜視図である。 入出力信号取出しラインパターンの被われ率と減衰量との関係を示す図である。 実装基板表面のライン/スペースと減衰量との関係を示す図である。 誘電体ブロックと金属カバーの第2部分との間隔と減衰量との関係を示す図である。 誘電体共振部品の周波数特性図である。
以下、図面を参照しながら本発明の具体的実施形態を説明する。
図1は本発明による誘電体共振器装置の一実施形態を示す模式的斜視図であり、図2はその模式的分解斜視図である。図2は、右側部及び左側部において互いに異なる角度からみた本実施形態の誘電体共振器装置の2つの模式的分解斜視図を示している。また、図3は、本実施形態の誘電体共振器装置を構成する実装基板の上面図(右側部)及び側面図(左側部)であり、上面図で誘電体共振部品の搭載位置も合わせて示している。図1及び図2に示されているように、誘電体共振器装置1は誘電体共振部品2と実装基板5とを含んでなり、誘電体共振部品2は誘電体フィルタ部3と金属カバー4とを含んで構成される。誘電体フィルタ部3は、誘電体ブロックとその表面に形成された各種機能を有する導体膜とからなる。
誘電体ブロックは、比誘電率εrが10〜100程度の誘電体セラミックスを使用したものであり、直方体の基本形状を持つ。誘電体ブロックは、互いに平行で反対側に位置する第1の面(図2の左側部における左手前面及び図2の右側部における上面)及び第2の面(図2の左側部における右奥面[図に表れていない]及び図2の右側部における下面[図に表れていない])、該第1の面と第2の面との間にある互いに平行で反対側に位置する第1側壁面(図2の左側部における下面[図に表れていない]及び図2の右側部における手前面)及び第2側壁面(図2の左側部における上面及び図2の右側部における奥面[図に表れていない])、及び前記第1の面と第2の面との間及び前記第1側壁面と第2側壁面との間にある互いに平行で反対側に位置する第1端壁面(図2の左側部における左奥面[図に表れていない]及び図2の右側部における左面[図に表れていない])及び第2端壁面(図2の左側部における右手前面及び図2の右側部における右面)を有する。
誘電体ブロックは、更に、それぞれ第1の面から第2の面にかけて形成された互いに平行な複数の貫通孔6を有する。複数の貫通孔6は、全体として幅方向(横方向:図2の右側部における左右方向)に配列される。
誘電体ブロックの表面に形成された各種機能を有する導体膜としては、貫通孔6のそれぞれの内壁面に形成され各共振器の共振導体を構成する内導体;第2の面、第1側壁面、第2側壁面、第1端壁面及び第2端壁面にわたって形成された外導体12;第1の面において内導体のそれぞれに接続されるように形成され共振器同士を結合させる結合用電極7;及び、第1側壁面において外導体12から離隔して形成され共振器の少なくとも1つと結合する入出力電極10,11がある。入出力電極10,11は、それぞれ第1の面にまで延出して延出部8,9を形成している。該入出力電極延出部8,9は、両端の共振器の結合用電極7と結合する。
金属カバー4は、導電性の良好な材料を使用したもので、図1及び図2に示すように、誘電体ブロックの第2側壁面の一部分と重なるように設置される。金属カバー4は、誘電体ブロックの第2側壁面に形成された外導体12と接続されている。金属カバー4は、誘電体ブロックの第2側壁面と略平行な第1部分41とこれに略直交し誘電体ブロックの第1の面と略平行な第2部分42とからなり、第1部分41と第2部分42との境界において略直角に、くの字形状に屈曲している。かくして、金属カバー4は、誘電体ブロックの第1の面を被うように延出している。ここで、「略平行」、「略直交」および「略直角」とは、それぞれ厳密に平行、直交および直角である場合の他、本発明の目的達成に支障のない限りにおいて、それらに対して適度に傾いている場合をも含むものとする。以下の説明では、主として、厳密に平行、直交および直角である場合を例にとって説明するが、これらには、それぞれ上記「略平行」、「略直交」および「略直角」である場合も含まれる。
金属カバー4と誘電体ブロックの第2側壁面との重なりの部分は誘電体ブロックの第1の面に近い領域であり、この領域において金属カバー4と外導体12とが電気的に接続される。この重なり部分の縦方向寸法(誘電体ブロックの第1の面及び第2の面の法線方向の寸法)は、接合強度の確保と電磁界漏れによる減衰特性悪化を防ぐ目的から、1mm以上であるのが好ましい。金属カバー4の幅(図2の右側部における左右方向の寸法)は、第1部分及び第2部分の全体にわたって一定である。金属カバー4の第1部分は、誘電体ブロックの第2側壁面との重なりの部分から誘電体ブロックの第1の面を越えて延び出しており、金属カバー4の第2部分は、誘電体ブロックの第1の面と平行に該第1の面から一定の距離を隔てて位置している。
実装基板5は、一般的な樹脂基板やセラミックス基板であり、誘電体共振部品2が搭載される表面(図2の左側部における上面及び図2の右側部における奥面[図に表れていない])とその反対側の裏面(図2の左側部における下面[図に表れていない]及び図2の右側部における手前面)とを有する。
実装基板5の裏面には、ニーズにより指定された位置にある外部入出力電極パターン17,18と、グランドパターン19とが形成される。実装基板5の表面には、誘電体フィルタ部3の入出力電極10,11と位置関係が対応する入出力信号取出しラインパターン13,14と、グランドパターン19とが形成される。入出力信号取出しラインパターン13,14は、誘電体共振部品2の誘電体フィルタ部3の入出力電極10,11に対応する部分(すなわち、入出力電極10,11と接続される接続部)13’,14’を有する。入出力信号取出しラインパターン13,14は、入出力電極10,11との接続部13’,14’から誘電体ブロックの第1の面よりその法線方向と略平行に延出する第1パターン部と、該第1パターン部に連なり誘電体ブロックの第1の面の法線方向と略直交する方向に延在する第2パターン部とを含んでいる。ここで、「略平行」および「略直交」とは、それぞれ厳密に平行、直交および直角である場合の他、本発明の目的達成に支障のない限りにおいて、それらに対して適度に傾いている場合をも含むものとする。例えば、互いに略平行に延出する第1パターン部については、部分13’,14’から金属カバー4の第2の部分に向かって、換言すれば、図2の左側部における実装基板5の左手前(南西向き)の側端面及び図2の右側部における頂側端面に向かって延出する。他方、略直交する方向に延在する一方の第2パターン部については、一方の第1パターン部から屈曲して実装基板5の外方向に向かって、換言すれば、図2の左側部における実装基板5の右手前(南東向き)の側端面及び図2の右側部における右側端面に向かって延出する。また、略直交する方向に延在する他方の第2パターン部については、他方の第1パターン部から屈曲して実装基板5の外方向に向かって、換言すれば、図2の左側部における実装基板5の左奥(北西向き)の側端面及び図2の右側部における左側端面に向かって延出する。以下の説明では、特にことわらない限り便宜上、厳密に平行、直交および直角である場合を例にとって説明するが、これらには、それぞれ上記「略平行」および「略直交」である場合も含まれる。
信号取出しラインパターン13,14は、実装基板5の側端面に形成された電極15,16を通じて裏面の外部入出力電極パターン17,18と接続されている。グランドパターン19は、入出力信号取出しラインパターン13,14及び外部入出力電極パターン17、18とは離隔しており、電気的に絶縁されている。表面のグランドパターン19と裏面のグランドパターン19とは、側端面に形成された電極もしくは、図示していないが、内部形成スルーホール電極を通じて、互いに接続されている。
上記金属カバー4の第2部分の先端縁の全体が実装基板5の表面グランドパターン19と電気的に接続される。すなわち、金属カバー4の延出部の先端縁の全体が実装基板5の表面に形成されたグランドパターン19と電気的に接続されている。後述のように、入出力信号取出しラインパターン13,14は、誘電体ブロックの第1の面と金属カバー4の延出部と実装基板5の表面とにより囲まれる空間に面して位置する部分の長さが、全長に対して50%以上(被われ率)であるのが好ましい。ここで、全長とは、入出力信号取出しラインパターン13,14の中心線で、誘電体ブロックの第1の面から実装基板5の左右両側端面に形成される電極15,16までの長さL1をいう(図10における上面図参照)。また、部分の長さとは、入出力信号取出しラインパターン13,14の中心線で、誘電体ブロックの第1の面から金属カバー4に被われなくなる位置までの長さL2をいう(図10における上面図参照)。
図3により、実装基板5の表面パターン(入出力信号取出しラインパターン13,14及びグランドパターン19)と搭載される誘電体共振部品2との位置関係を示す。信号周波数が3GHzを超すと実装基板5の入出力信号取出しラインパターン13,14から発生する電磁界放射により入出力間で信号のパスが発生し、周波数特性において減衰特性が悪化しやすくなる傾向がある。そこで、本実施形態では、電磁界放射によるパスを抑制するため、誘電体フィルタ部3の入出力電極10,11から第1の面の法線方向に引出す入出力信号取出しラインパターン13,14の引出量を最小限たとえば0.15〜0.5mmとし、直ちに入出力信号取出しラインパターン13,14を互いに離反する方向に直角に曲げ、誘電体ブロックの幅方向(図3の上面図における左右方向)に実装基板5の左右両側端面に向かってそれぞれ延ばした。直角曲げ部はライン間のパス抑制と電磁界集中による挿入損出悪化を抑制する目的で、C面加工(C面取り)を施している。
更に、電磁界の漏れを封じるため、信号取出しラインパターン13,14を誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分の先端縁との間に配置し、金属カバー4の第2部分の先端縁全体を実装基板5の表面のグランドパターン19と電気的に接続させた。
また、入出力信号取出しラインパターン13,14の第2パターン部の幅寸法20が0.15〜0.5mmであることが好ましい。また、第2パターン部とグランドパターン19との間隔寸法21(ギャップ寸法)が0.15〜0.5mmであることが好ましい。さらに、誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分42との間隔寸法が0.5〜1.5mmであることが好ましい。このように、実装基板表面に形成される入出力信号取出しラインパターン及びグランドパターンの形状及び寸法、並びに金属カバーの形状及び寸法を特定のものに設定することで、よりシールド効果を高め、周波数特性において減衰特性が改善された誘電体共振器装置を、誘電体ブロックの設計を大幅変更することなく低コストで、得ることができる。
以下、実施例及び比較例により、更に本発明を説明する。
[実施例1]
以上のような本実施形態の誘電体共振器装置において、入出力信号取出しラインパターン13,14の第1の面に対する引出し量を0.5mmとし、金属カバー4の第2部分の横方向寸法を変えた時の、入出力信号取出しラインパターン13,14の誘電体ブロックの第1の面から実装基板5の左右両側端面に形成される電極15,16までの長さL1(図10における上面図参照)に対する、入出力信号取出しラインパターン13,14の誘電体ブロックの第1の面から金属カバー4に被われなくなる位置までの長さL2(図10における上面図参照)の百分率比を変化させたときの減衰量の変化を調べた。(L2/L1)の百分率比を被われ率ということにする。図10の実線に、その結果を示す。
また、参考のために、金属カバー4の第2部分の先端縁の一部分(長さ固定)のみがグランドパターン19と接続するように、金属カバー4の第2部分の先端部を形成した場合についても、(L2/L1)の百分率比である被われ率の変化と減衰量の変化との関係を調べた。図10の破線に、その結果を示す。
以上の結果、上面図から見て、入出力信号取出しラインパターン13,14の(L2/L1)の百分率比である被われ率が高くなるほど減衰量が大きくなり、被われ率50%以上でより一層大きな効果が発揮される。又、金属カバー4の第2部分の先端縁の全体を実装基板5のグランドパターン19に接続させた方が、より大きな効果が得られることがわかる。よって、入出力信号取出しラインパターン13,14の(L2/L1)の百分率比である被われ率を50%以上とし、金属カバー4の第2部分42の先端縁の全体を実装基板5のグランドパターン19に接続させるのが好ましい。
[実施例2]
次に、以上のような本実施形態の誘電体共振器装置において、放射源である入出力信号取出しラインパターン13,14自身を細くし、放射した電磁波を即グランドに短絡させるため、入出力信号取出しラインパターン13,14とグランドパターン19とのギャップを狭くした。
入出力信号取出しラインパターン13,14の第1の面に対する引出し量を0.8mmとし、入出力信号取出しラインパターン13,14の(L2/L1)の百分率比である被われ率を80%に設定した構造において、入出力信号取出しラインパターン13,14の幅寸法20及び入出力信号取出しラインパターン13,14とグランドパターン19との間隔寸法21を変化させた時の、減衰量及び挿入損失の変化を調べた。図11に、その結果を示す。
以上の結果、図11から、入出力信号取出しラインパターン13,14の幅寸法20と、入出力信号取出しラインパターン13,14とグランドパターン19との間隔寸法21を0.5mm以下にすると減衰特性が改善する方向にあることがわかる。しかし、0.1mmでは電磁界の集中により損失が増し周波数特性の挿入損失が増加することがわかる。よって、基板エッチング加工の設計ルールであるライン/スペースの下限値については0.15/0.15mmが一般的であることを考慮し、入出力信号取出しラインパターン13,14の幅寸法20は0.15〜0.5mm、入出力信号取出しラインパターン13,14とグランドパターン19との間隔寸法21は0.15〜0.5mmに設定するのが最良と考えられる。
[実施例3]
次に、以上のような本実施形態の誘電体共振器装置において、共振器の開放端である誘電体ブロックの第1の面から発生する電磁界放射を即グランドに短絡させる目的で誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分との間隔を狭くした。
入出力信号取出しラインパターン13,14の第1の面に対する引出し量を0.2mmとし、入出力信号取出しラインパターン13,14の(L2/L1)の百分率比である被われ率を80%に設定し、入出力信号取出しラインパターン13,14の幅寸法20を0.2mm、入出力信号取出しラインパターン13,14とグランドパターン19との間隔寸法21を0.2mmに設定した構造において、誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分との間隔寸法22の変化と減衰量の変化との関係を調べた。図12に、その結果を示す。
以上の結果、図12から、誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分との間隔は、2mm以上と広いと減衰量の向上にさほど効果が見られないが、1.5mm以下で傾きが大きくなり効果が得られることが分かる。尚、図には記してないが、誘電体ブロックとして比誘電率の小さい材料からなるものを使用した場合、より大きな効果が発揮される。これは、第1の面から発生する電磁界放射で発生するパスや漏れが抑制できるためである。
一方、誘電体ブロックの第1の面と金属カバー4の第2部分との間隔を狭くしすぎると、誘電体ブロックの第1の面と金属ケース4の第2部分との間で発生する浮遊容量が増し、製造バラツキで周波数が変動することが考えられるので、誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分との間隔は0.5mm以上が必要と考えられる。
よって、誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分との間隔は0.5〜1.5mmに設定するのが最良と考えられる。
上記の「略平行」、「略直交」および「略直角」についての、厳密に平行、直交および直角である場合に対する適度の傾きの許容範囲を示す基準の1つとして、この誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分との間隔0.5〜1.5mmの条件が維持されることを用いることができる。
[実施例4]
本発明の誘電体共振器装置の周波数特性を評価した。本発明の誘電体共振器装置では、入出力信号取出しラインパターン13,14の第1の面に対する引出し量を0.2mmとし、入出力信号取出しラインパターン13,14の(L2/L1)の百分率比である被われ率を80%に設定し、入出力信号取出しラインパターン13,14の幅寸法20を0.2mmとし、入出力信号取出しラインパターン13,14とグランドパターン19との間隔寸法21を0.2mmとし、誘電体ブロックと金属カバー4の第2部分との間隔寸法22を0.8mmに設定した。図13(実線)に、本発明の誘電体共振器装置の周波数特性を示す。
[比較例1]
本比較例では、図4〜図6に示される誘電体共振器装置を作製した。図4は本比較例を示す模式的斜視図であり、図5はその模式的分解斜視図であり、図6は本比較例の実装基板の上面図及び側面図である。これらの図4〜図6は、それぞれ上記図1〜図3に対応する部分を示す。
誘電体ブロックの基本構成は本発明の誘電体共振器装置の誘電体ブロックと変わりないが、特に図6に示すように、実装基板の表面の入出力信号取出しラインパターン13a,14aが誘電体ブロックの第1の面の法線方向に金属カバーを潜りぬけ引出されて実装基板の両側端面へ向かって曲がりそれぞれ延びている。また金属カバーには入出力信号取出しラインパターンと短絡させないように切り欠け加工4aを施してある。更に、入出力信号取出しラインパターン13a,14aの幅寸法20aは0.8mmであり、入出力信号取出しラインパターン13a,14aとグランドパターンとの間隔寸法21aも0.8mmとなっている。誘電体ブロックと金属カバーの第2部分との間隔寸法22aを0.8mmとした。図13(破線)に、本比較例の誘電体共振器装置の周波数特性を示す。
双方とも、中心周波数は3.16GHzで帯域幅は0.06GHzのバンドパスフィルタが得られている。図13によると、本発明の周波数特性の方が、電磁界放射が抑制されているので、2.2GHz〜2.9GHzの周波数における減衰量が従来の周波数特性より6dB改善できている。
[比較例2]
本比較例では、図7〜図9に示される誘電体共振器装置を作製した。図7は本比較例を示す模式的斜視図であり、図8はその模式的分解斜視図であり、図9は本比較例の実装基板の上面図及び側面図である。これらの図7〜図9は、それぞれ上記図1〜図3に対応する部分を示す。
本比較例では、誘電体ブロックの入出力電極10b,11bの位置及び実装基板表面における入出力信号取出しラインパターン13b,14bの引出し方向が、本発明のものとは異なる。誘電体ブロックの端壁面には入出力電極10b,11bの延出部8b,9bが形成されている。入出力電極延出部8b,9bは、両端貫通孔との結合を促進する。
図8に示すように誘電体ブロックの貫通孔6bの形状及び配置を大きく変える必要があることがわかった。又、誘電体ブロックの端壁面に入出力電極延出部8b,9bを形成する必要があり、加工面が2つ追加されることにより製造コストが増えるという欠点があることがわかった。
以上の本発明実施例においては誘電体共振部品が誘電体バンドパスフィルタであるが、本発明は、誘電体共振部品が誘電体が送受共用器である場合についても適用できる。本発明によれば、送受共用器において、送信通過特性、受信通過特性、及びアイソレーション特性の減衰特性を向上させることができる。
1 誘電体共振器装置
2 誘電体共振部品
3 誘電体フィルタ部
4 金属カバー
41 金属カバー第1部分
42 金属カバー第2部分
4a 金属カバーの切り欠け加工部
5 実装基板
6 貫通孔
7 結合用電極
8,9 入出力電極延出部
8b,9b 入出力電極延出部
10,11 入出力電極
10b,11b 入出力電極
12 外導体
13,14 入出力信号取出しラインパターン
13’,14’ 入出力電極との接続部
13a,14a 入出力信号取出しラインパターン
13b,14b 入出力信号取出しラインパターン
15,16 実装基板の側端面電極
17,18 外部入出力電極パターン
19 グランドパターン
20 入出力信号取出しラインパターンの幅寸法
20a 入出力信号取出しラインパターンの幅寸法
21 入出力信号取出しラインパターンとグランドパターンとのギャップ寸法
21a 入出力信号取出しラインパターンとグランドパターンとのギャップ寸法
22 誘電体ブロックと金属カバーの第2部分とのギャップ寸法
22a 誘電体ブロックと金属カバーの第2部分とのギャップ寸法

Claims (2)

  1. 互いに平行で反対側に位置する第1の面及び第2の面、該第1の面と第2の面との間にある互いに平行で反対側に位置する第1側壁面及び第2側壁面、及び前記第1の面と第2の面との間及び前記第1側壁面と第2側壁面との間にある互いに平行で反対側に位置する第1端壁面及び第2端壁面を有し、更に、それぞれ前記第1の面から第2の面にかけて形成された互いに平行な複数の貫通孔を有する誘電体ブロック;前記貫通孔のそれぞれの内壁面に形成され各共振器の共振導体を構成する内導体;前記第2の面、第1側壁面、第2側壁面、第1端壁面及び第2端壁面にわたって形成された外導体;前記第1の面において前記内導体のそれぞれに接続されるように形成され前記共振器同士を結合させる結合用電極;前記第1側壁面において前記外導体から離隔して形成され前記共振器の少なくとも1つと結合する入出力電極;及び、前記第2側壁面に形成された外導体と接続され、前記第1の面を被うように延出する金属カバー;を備える誘電体共振部品と、
    該誘電体共振部品を搭載する実装基板と、
    を有する誘電体共振器装置であって、
    前記金属カバーは、前記誘電体ブロックの第2側壁面と略平行な第1部分とこれに略直交し前記誘電体ブロックの第1の面と略平行な第2部分とを有しており、前記第1部分と第2部分とにわたって同一幅をもって延出しており、
    前記実装基板は、前記第1側壁面が当接するように前記誘電体共振部品が載置される表面とその反対側の裏面とを有し、前記表面には前記誘電体共振部品の入出力電極と接続される入出力信号取出しラインパターンと該入出力信号取出しラインパターンから離隔せるグランドパターンとが形成され、前記裏面には前記入出力信号取出しラインパターンと接続された外部入出力電極パターンが形成されており、
    前記入出力信号取出しラインパターンは、前記誘電体共振部品の入出力電極に対応する部分から前記第1の面よりその法線方向と略平行に延出する第1パターン部と、該第1パターン部に連なり前記第1の面の法線方向と略直交する方向に延在する第2パターン部とを含んでおり、前記第1の面と前記金属カバーと前記実装基板の表面とにより囲まれる空間に面して位置する部分の長さの全長に対する割合は50%以上であり、
    前記金属カバーの第2部分の先端縁の全体が前記実装基板の表面に形成されたグランドパターンと電気的に接続されていることを特徴とする誘電体共振器装置。
  2. 前記入出力信号取出しラインパターンの第2パターン部の幅寸法が0.15〜0.5mmであり、該第2パターン部と前記グランドパターンとの間隔寸法が0.15〜0.5mmであり、前記誘電体ブロックと前記金属カバーの第2部分との間隔寸法が0.5〜1.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体共振器装置。
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