JP5534385B2 - 帯電性粒子、帯電性粒子の製造方法、及びそれを用いた電気泳動粒子組成物 - Google Patents
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Description
電子写真領域では、潜像担持体上に形成した静電潜像を現像するために用いられる現像剤には、顔料等の着色剤及び結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを乾式状態で用いる乾式トナーと、トナーを電気絶縁性液体の担体液に分散した液体現像剤とがある。
また、乾式トナーでは、保存時等における粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとして場合には、上述したような粉体であること^による問題が更に顕著にものとなる。
その結果、液体現像剤は、乾式トナーに比べ細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。これらの優れた特長を生かした、液体現像剤を用いた電子写真技術を利用した高画質高速デジタル印刷装置の開発が盛んになりつつある。このような状況下で、より良い特性を有する液体現像用トナーの開発が求められている。
すなわち、湿式粉砕法では、トナー粒子を十分小さな大きさに粉砕するのが困難であり、トナー粒子の大きさを、十分に小さいものとするには、非常に長い時間、非常に大きな粉砕エネルギーを要し、液体現像剤の生産性が著しく低かった。
また、上述したような方法では、トナー粒子の粒度分布が広くなり易い。その結果、各トナー粒子間での特性(例えば、帯電特性等)のバラツキが大きくなり易い。
更に上述したような従来の重合法では、分散性が十分に高いトナー粒子を含む液体現像剤を得るのが困難であった。トナー粒子の分散性が悪いと、長時間放置した場合、トナー粒子が沈降していまい、トナー粒子の凝集等が生じてしまうという問題があった。
また、このように一旦沈降して凝集等が生じてしまうと、再度攪拌して分散させようとしても分散しにくいものになってしまい、画像形成の際に、トナー粒子を均一に供給できなくなるという問題があった。
このような問題は、液体現像剤だけの問題ではなく、電気絶縁性液体に帯電性粒子を分散した電気泳動組成物についても同様である。
また、本発明は、良好な分散性を有し、粒径、及び帯電特性の均一性の優れた電気泳動粒子組成物を提供するものである。
また、本発明は、良好な分散性を有し、高品位な画像の形成を可能とする電気泳動粒子組成物を提供するものである。
また、該帯電性粒子は、非常に適応範囲の広い、かつ簡便な方法で製造することができる。更に、該帯電性粒子を、電気絶縁性液体に粒子状分散した電気泳動粒子組成物は、分散、及び分散安定性に優れ、長期間に亘って静電的特性、分散性を維持することができる。
本発明の帯電性粒子の製造方法について説明する。
まず、粒子の表面にカルボキシル基、及びエチレンオキシ基を導入する方法について説明する。カルボキシル基、及びエチレンオキシ基の導入方法としては、従来公知の方法を適宜使用できる。例えば、カルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する樹脂に対する溶解度差を利用して造粒する方法、具体的には、カルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する樹脂を溶剤に溶解し、カルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する樹脂に対して貧溶媒中に滴下する方法、特に、カルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する樹脂を溶剤に溶解し、水系連続相中で造粒する方法が次工程への移行が容易である点、及び極性基であるカルボキシル基、及びエチレンオキシ基が特異的に粒子表面に形成される点で好適である。この場合、必要に応じて水系連続相中に分散安定剤等の助剤を添加しても良い(コアセルベーション法)。尚、樹脂中には必要に応じて、着色剤、分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など各種添加剤を均一に溶解、分散するようにしても良い。
重合法は、重合性単量体に、重合開始剤と、必要に応じて着色剤、及び架橋剤等の各種添加剤とともに均一に溶解、あるいは分散させた重合単量体組成物を調整し、昇温して重合することにより、所望の粒径を有する微粒子を得ることができる。また、必要に応じて、連鎖移動剤、ワックス、及び帯電制御剤等の各種添加剤等を添加してもよい。重合法は上記コアセルベーション法と比較して、粒径分布の狭い粒子が得られることより、より均一性を要求される用途には好適に使用される。
相対標準偏差(CV値(%))=(sd/m)×100……(1)
(式中、sdは粒子径の標準偏差を、mは平均径である。)
なお、上記sd、及びmは、粒径アナライザー(FPAR−1000:大塚電子社製)による動的光散乱法により得られる数値である。
上記所望の粒子の作製に適用する必須成分であるカルボキシル基を有する単量体としては、例えば、4−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸などのスチレン誘導体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、イタコン酸モノブチルエステル、マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、2−カルボキシルエチルアクリレート等のアクリル酸系誘導体が挙げられる。
上記カルボキシル基を有する単量体の配合量は、以下に示す通常単量体と併せた総単量体100重量部に対して1〜50重量部とすることが好適である。
また、カルボキシル基、及びエチレンオキシ基を共に有する単量体としては、イタコン酸モノ(ジエチレングリコール)エステル、マレイン酸モノ(ジエチレングルコール)エステル、マレイン酸モノ(ポリエチレングリコール)エステル等が挙げられる。
上記エチレンオキシ基を有する単量体の配合量は、以下に示す通常単量体と併せた総単量体100重量部に対して1〜50重量部とすることが好適である。
反応性非イオン界面活性剤としては、下記一般式(II)が好適に使用される。
ラジカル重合開始剤は、特に限定されず、従来公知のものを適用できる。
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オキソクロロ過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサニエート、ジ−t−ブチルパ−オキサイド等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドリキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルビキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系化合物が挙げられる。中でも、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などの水溶性アゾ系化合物が好適である。上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用してもよい。レドックス開始剤を用いることで、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。また、上記ラジカル重合開始剤の配合量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜10重量部とすることが好適である。
カルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する微粒子を作製する際には、必要に応じて、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性及びノニオン性界面活性剤が好適に用いられる。
イオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、等のスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム、等の硫酸エステル、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリポロピレンオキシド、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの組み合わせ、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸エステル、ポリプロピレンオキシドの高級脂肪酸エステル、アルキルフェノールポリエチレンオキシド、アルキルフェノールポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシドアルキルエーテル、ポリプロピレンオキシドアルキルエーテルグリコール、ソルビタンエステルなどが挙げられる。
界面活性剤の配合量は、総単量体100重量部に対して、0.1〜5重量部とすることが好適である。
着色剤の使用量は、粒子中において樹脂成分100重量部に対する含有量が2〜50重量部、好ましくは5〜30重量部となるような量が好適である。
上述したような、表面にカルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する粒子上に、アミノ基及び機能性基を有する化合物を、縮合剤の存在下で直接結合させて表面機能性部材を作製する。なお、反応工程は、水系連続相中で行う。
粒子状のカルボキシル基と、アミノ基及び機能性基を有する化合物とを結合させる反応は、公知の活性アミド化法である。なお、縮合剤として、下記一般式(III)で表わされるトリアジン化合物を適用した反応については、Tetrahedron55(1999)13159−13170に記載されている。
(但し、R1、R2は、置換もしくは無置換のアルキル基を表す。)
R1、R2で用いられる置換基として、置換もしくは無置換のアルキル基としては以下のものが挙げられる。
例えば、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であり、これらのアルキル基は更に炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基、又は炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらの中で、メチル基、エチル基プロピル基など低級アルキル基は、水に対する溶解性が優れるため、好適に使用できる。一方、炭素数10〜18の直鎖アルキル基も好適に使用できる。これは、R1、R2に長鎖アルキル基を導入することにより、界面活性剤的性質により分散性の改良に寄与したものと考えている。
上記式(IV)は、カルボキシル基を有する化合物(2)と、アミノ基を有する化合物(3)とを、一般式(III)で表されるトリアジン化合物縮合剤(1)下で、中間体(4)を経て、アミド化合物(5)と、副生成物ヒドロキシトリアジン化合物(6)が生成する反応である。
一般式(3)のトリアジン化合物(1)は、水中でも安定であると記載されているが、通常は反応溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)が適用されている。
特に、非イオン性界面活性剤的作用が優れている理由は、上記式(IV)の反応で使用する酸性及び塩基性の試薬に対して、不活性であることに起因していると考えられる。実際、イオン性界面活性剤を使用すると、非常に反応性が悪いか、或いは全く反応しない場合がある。これは、一般式(2)の反応で使用する試薬とイオン性界面活性剤の間に何らかのイオン的相互作用があり、反応を阻害しているものと考えている。
必要に応じて、非イオン界面活性剤を更に添加すること可能である。
その場合、非イオン性界面活性剤としては、前述の化合物が使用でき、必要に応じて2種以上混合して使用しても良い。これらの非イオン性界面活性剤中、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が12〜18の非イオン性界面活性剤が好適である。また、非イオン性界面活性剤を2種以上使用する場合のHLBは、その加重平均になる。HLBが12以下では、親水性部位が不安定化し、HLBが18以上では、疎水性部位が不安定化する。従って、HLBが12〜18の非イオン性界面活性剤、更にHLBが12.5〜17の非イオン性界面活性剤が好適に使用できる。
HLB=(親水性部分の分子量)/(全体の分子量)×100÷5
本発明で使用される縮合剤として、上記式(2)中の、式(3)で表わされるトリアジン化合物以外に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物、及びフェニルスルホン酸ビス(2−ニトロフェニルエステル)等のスルホン酸化合物は相間移動触媒とともに水溶液中で使用されるが、反応性、及び取り扱い容易性により、式(3)で表わされるトリアジン化合物を好適に使用することができる。
本発明のアミノ基及び機能性基を有する化合物中、アミノ基としては、カルボキシル基と反応してアミド結合を形成できるものであれば特に制限はないが、立体障害が大きい場合、反応性の点で二級アミノ基より一級アミノ基の方が好ましい。機能性基としては、特に制限はなく、発現させる機能に応じて、従来公知の原子、置換基、及び官能基等が選ばれる。
例えば、表面硬度に関しては架橋構造が形成される官能基、表面滑性に関してはフッ素原子、或いはジメチルシロキサン骨格を有する置換基、及び、分散安定性、表面の帯電性、導電性、着色剤等の機能性基を挙げることができる。
更に、粒子表面上のエチレンオキシ基により、水系連続相に容易に分散することができ、粒子上に非常に均一に単分子層を形成可能な優れた方法である。
また、本発明で得られる帯電性粒子は、平均粒子径が0.1〜10μm、の範囲内であり、CV値は30%以下で非常に単分散性の高いほぼ真球状粒子である。また本発明の製造方法によれば、非常に容易に、しかも平均粒子径、相対標準偏差(CV値)等の粒子特性を損なうことなく着色粒子を提供することができる。更に、本発明の製造方法では、粒子表面上のエチレンオキシ基の効果により、多くの場合、界面活性剤等の添加物追加の必要が無く、容易に環境面にも配慮された工程(ソープ・フリー)とすることが可能である。
すなわち、上記式(IV)中のアミノ基及び機能性基を有する化合物(3)を構成する機能性基B1、B2で表される機能性基の種類によって左右されるものであり、その帯電性としては、それぞれ(−)帯電性と(+)帯電性を示す場合があり、少なくとも二種以上の複数種の置換基を使用するときには、その(−)及び(+)帯電性を示すもののうち、同種帯電性の置換基同士を複数組み合わせて使用することが好ましい。
また、このように泳動セル中で優れた非凝集性を有しているためには、その形状が定形で、その定形粒子が球状粒子であることが好ましく、更には、その粒径分布がより低いことが望ましい。
更に、着色粒子の表面状態、及び表面の置換基にも左右されるものであり、アミノ基を有する機能性素材である上記式(IV)中のアミノ基及び機能性基を有する化合物(3)の機能性基B1、B2で表わされる機能性基の種類によって左右される。
更に、電気絶縁性液体がシリコーンオイルの場合は、上記式(IV)中のアミノ基及び機能性基を有する化合物(3)として一般的なアミノ変性シリコーンを使用することができるが、この中でも下記一般式(V)、及び一般式(VI)で表されるアミノ化合物より選ばれた1種、又は2種以上の化合物が特に好ましい。
H2N−B11−X … (V)
H2N−B12−NH−B13−X … (VI)
(式中、B11,B12,及びB13は、炭素数2〜6のアルキレン基、Xは炭素数1〜6のアルキル基、及びシロキサン基を示す。
また、本発明の表面機能性部材を利用した帯電性着色粒子には、必要に応じて公知の添加剤を加えてもよい。例えば、分散剤、電荷制御剤、熱安定剤、防腐剤、表面張力調整剤、酸化防止剤、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
<粒径、及び相対標準偏差(CV値)>
粒径アナライザー(FPAR-1000:大塚電子製)−試料−1.0重量%水溶液で測定した。
<ζ(Zeta)電位測定>
・測定装置:ESA9800(Matec Applied Science社製)
〔合成例1〕
温度計と窒素導入管とを装着した500mlの4つ口フラスコに、カルボキシル基を有する単量体であるアクリル酸(2.19重量部)、通常単量体であるメチルメタクリレート(21.89重量部)、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド(5.42重量部)、リン酸二水素カリウム(0.082重量部)、1N−水酸化カリウム水溶液(30.97重量部)、エチレンオキシ基を有する反応性乳化剤RN−20(0.5重量部)<HLB=15.4、第一工業製薬製>、及びイオン交換水89重量部を投入し、強攪拌下で30分間、混合した。
次に、窒素気流下で攪拌を行いながら70℃に昇温した。この反応液を70℃の温度に保持しながら、水溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「V−501」=4,4‘−アゾビス(4−シアノ吉草酸))(0.34重量部)、1N−水酸化カリウム水溶液(2.43重量部)、及びイオン交換水20重量部より成る重合開始剤水溶液を30分間要して滴下し、更に6時間反応を行い、その後、放冷し、2N−硫酸にて酸性化(pH=4)後、濾過し、水洗処理を2回行い、乾燥処理を行うことにより、表面にカルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する粒子(A)が21.42重量部得られた。
この粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:0.45μmであり、その相対標準偏差(CV値)は20.5%であった。
エチレンオキシ基を有する反応性乳化剤RN−30(8.0重量部)<HLB=16.7、第一工業製薬製>、フタロシアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)(20重量部)、及びイオン交換水72重量部をメディア式湿式粉砕器を用い、20重量%のフタロシアニンブルー分散液を得た。
他方、リン酸二水素カリウム(0.82重量部)、1N−水酸化カリウム(27.16重量部)、及びイオン交換水(81重量部)をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)で、カルボキシル基を有する単量体であるアクリル酸(1.91重量部)、通常単量体であるメチルメタクリレート(19.15重量部)、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド(4.74重量部)を投入し、更に前記20重量%のフタロシアニンブルー分散液(15重量部)を10分間、高速攪拌下混合し反応液を得た。
続いて、予め用意しておいた温度計と窒素導入管とを装着した500mlのセパラブルフラスコに、上記反応液を投入し、更に、窒素気流下で攪拌を行いながら、70℃に昇温した。この反応液を70℃の温度に保持しながら、水溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「V−501」=2,2’−アゾビス(4−シアノ吉草酸))(0.298重量部、1N−水酸化カリウム((2.12重量部)、及びイオン交換水20重量部より成る重合開始剤水溶液を30分間要して滴下し、更に6時間反応を行い、その後、放冷し、2N−硫酸にて酸性化(pH=4)後、濾過し、水洗処理を2回行い、乾燥処理を行うことにより、表面にカルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する粒子(B)が24.62重量部得られた。
この粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:0.57μmであり、その相対標準偏差(CV値)は26.2%であった。
次に、上記〔合成例〕で得られた表面にカルボキシル基及びエチレンオキシ基を有する粒子に対してアミド化反応を行った。
イオン交換水285重量部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)、ベンジルアミン3.26重量部を、10分間かけて滴下した。
次に、上記〔合成例1〕で作製した表面にカルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する粒子(A)15.00重量部を加え、更に20分間、高速攪拌し、粒子乳化液を得た。
続いて、予め用意しておいた、温度計と窒素導入管とを装着した500mlの4つ口フラスコに、上記において得た粒子乳化液を投入し、更に、上記一般式(IV)の化合物(1)に示したトリアジン化合物(但し、R1=R2=CH3)8.41重量部を、イオン交換水10重量部の溶液を加え、室温下、窒素気流下で攪拌を6時間行った。
反応終了後、2Nの硫酸を用いて酸性にし、濾過、水洗を2回行った。これを乾燥処理後、表面に機能基を有するアミド基、及びエチレンオキシ基を有する帯電性粒子が14.51重量部(収率88.2%)得られた。
この帯電性粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:0.49μmであり、その相対標準偏差(CV値)は21.9%であった。
イオン交換水285重量部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタックスT25)で高速攪拌下(8000rpm)、N,N−ジ−n−ブチルエチレンジアミン10.62重量部を、10分間かけて滴下した。
次に、上記〔合成例2〕で作製した表面にカルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する粒子(B)15.00重量部を加え、更に20分間、高速攪拌し、粒子乳化液を得た。
続いて、予め用意しておいた、温度計と窒素導入管とを装着した500mlの4つ口フラスコに、上記において得た粒子乳化液を投入し、更に、上記一般式(IV)の化合物(1)に示したトリアジン化合物(但し、R1=R2=CH3)17.06重量部を、イオン交換水10重量部の溶液を加え、室温下、窒素気流下で攪拌を6時間行った。
反応終了後、2Nの硫酸を用いて酸性にし、濾過、水洗を3回行った。これを乾燥処理後、表面に機能基を有するアミド基、及びエチレンオキシ基を有する帯電性粒子が16.12重量部(収率92.1%)得られた。
この帯電性粒子の粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:0.61μmであり、その相対標準偏差(CV値)は24.3%であった。
<シード重合:非イオン界面活性剤のHLB=14.31>
ノニオン系乳化剤EA−177(第一工業製薬(株)製)0.143重量部、XL−60(第一工業製薬(株)製)0.143重量部、及びイオン交換水276重量部を強攪拌下、メチルメタクリレート9.60重量部を10分間かけて滴下した。
次に、上記〔合成例1〕で作製した粒子(A)14.40重量部を加え、更に20分間、高速攪拌し、粒子乳化液を得た。
続いて、予め用意しておいた、温度計と窒素導入管とを装着した500mlの4つ口フラスコに、上記において得た粒子乳化液を投入し、更に、水溶性重合開始剤(和光純薬社製、商品名「VA−057」=2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン])0.487重量部のイオン交換水30重量部の水溶液を加え、窒素気流下で、静かに攪拌しながら室温より40℃まで0.5℃/分の速度で昇温し、更に40℃で2時間吸収・膨潤し、その後、68℃まで0.2℃/分の速度で昇温し、更に68℃で4時間反応した。
反応終了後、1Nの硫酸を用いて酸性にし、濾過、水洗を3回行った。
これを乾燥処理後、シード重合による比較例粒子が19.32重量部(収率80.5%)得られた。
この比較例粒子の、粒度分布測定を行ったところ、平均粒径:1.03μmであり、その相対標準偏差(CV値)は45.3%であった。
上述したように、本発明の方法によれば、相対標準偏差(CV値)を損なうことなく、非常に容易な方法で、単分散性の高い帯電性粒子が作成できた。
実施例1、実施例2、で得られた帯電性粒子を絶縁性液体であるシリコーンオイルSH−200(東レ・ダウコーニング社製)に2重量%の濃度に分散しζ電位を測定した。次に、以下に示す装置により、電気泳動を確認した。
電気泳動装置について説明する。電気泳動の評価は、図1に示す高速度カメラ撮影装置9を用いて行う。まず、ガラス基板9d上にITO9cを、100μm間隔をあけて100nm蒸着し、その上に25μm厚のガラス板9hを100μm間隔で接着し液溜を設ける。次に、液溜に上記表面機能性部材の分散液9gを注入し、ITO電極間に1000Vの電圧を印加した時に液滴が泳動される様子を高速度カメラ9aて上方から観察し、電気泳動の評価を行う。
合成例1で得られた表面にカルボキシル基を有する粒子(A)上記応用例と同様に分散、ζ電位測定、及び電気泳動の確認を行った。
9a 高速度カメラ
9b モニタ
9c ITO
9d ガラス基板
9h ガラス板
9g 分散液
Claims (5)
- 前記表面に機能基を有するアミド基及びエチレンオキシ基を有する帯電性粒子が、着色剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載の帯電性粒子。
- 表面に機能基を有するアミド基、及びエチレンオキシ基を有する帯電性粒子の製造方法であって、少なくとも、重合性単量体を、反応性非イオン界面活性剤を用いて水系連続相中にて重合し、前記表面にカルボキシル基、及びエチレンオキシ基を有する粒子を得、該粒子のカルボキシル基とアミノ基及び機能性基を有する化合物のアミノ基とを縮合剤の存在下で、直接アミド結合させて帯電性粒子を得ることを特徴とする帯電性粒子の製造方法。
- 前記電気絶縁性液体がシリコーンオイルであり、前記帯電性粒子に、更にHLB値が2〜10のポリエーテル変性シリコーンオイルを添加したことを特徴とする請求項4に記載の電気泳動粒子組成物。
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JP2008068746A JP5534385B2 (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | 帯電性粒子、帯電性粒子の製造方法、及びそれを用いた電気泳動粒子組成物 |
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