JP5534027B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

この発明は例えば携帯端末等の機器に備えられるアンテナ装置に関するものである。
人体の近接によって変わるアンテナ特性をフィードバックにより補正するために、周囲状況をセンシングするものが特許文献1,2,3に開示されている。
特許文献1は、周囲状況の変化によって変動したアンテナの入力インピーダンス(リターンロス,VSWR)を直接的に計測するものである。RF回路とアンテナ間の線路に方向性結合器を設置し、RF回路からアンテナへの方向(入力方向)、アンテナからRF回路への方向(反射方向)の電力をモニタリングし、現状態の入力インピーダンスを把握する。
特許文献2は、アンテナから放射される電磁波量の変化を直接計測するものである。周囲の影響によってアンテナからの放射電界の変化をホール素子のようなセンサを用いて検出する。この変化が、入力インピーダンスの変化によるものであるか、近接媒体による放射電磁波の吸収による損失増大によるものであるかは切分けられないが、その総合結果としての放射電界の変化を検出する。
特許文献3は、接近する人体までの距離を計測するものである。発光・受光素子を用い、近接体で反射された光によって距離計測を行う。
ここで、特許文献2に示されているアンテナ装置の構成を、図1を基に説明する。
アンテナ装置は、アンテナ18、無線周波数信号をアンテナ18に入力する高周波回路6、およびいくつかのネットワーク素子から成っていて、アンテナ18と高周波回路6との間で信号路に設けられた第1の整合回路4、制御装置8、アンテナ18によって放射される電磁界を検出する検出器10を含む。制御装置8は、検出された電界に基づいて、アンテナ18の整合制御を行う。
米国特許出願公開第2009/0046030号明細書 国際出願第2009/033510号 米国特許出願公開第2004/0217909号明細書
ところが、特許文献1に開示されているアンテナ装置では、入力インピーダンスの把握のために、アンテナに電力を投入する必要があり、送信周波数帯のインピーダンス変化しか把握できない。実際には特定周波数の入力インピーダンスの変化より「アンテナ共振系が外部影響によってどういう状態にあるのか」の把握が好ましい。
特許文献2に開示されているアンテナ装置では、放射とは関係のない部材を設けることになるので、アンテナ特性を劣化させる懸念がある。また、アンテナとセンサの一体化という観点にしても、これらが単なる組み合わせで別体として存在し、どちらかが他方の占有空間に包含されるという構成では、近接部品が特性に悪影響を与えてしまう。
特許文献3に開示されているアンテナ装置のように、光・赤外線・音波などの反射を利用するものは、回折性がなく[直進性が強く]、検知方向・角度が限定される。そのため、端末のあらゆる方向からの人体等の近接を検知するには十分ではない。あるいは複数の測距センサが必要となってしまう。
したがって、アンテナ特性を安定化させるために周囲状況をセンシングするとしても、上記の何れの構成も好ましいとは言えない。
また、特許文献1〜3のいずれにおいても、人体の近接などを検出する手段をそのためだけに用いている。そのため、人体の近接などを検出する手段が必ずしも有効利用されているとは言えない。
そこで、この発明の目的は、アンテナ特性を変化させる周囲環境を検出し、アンテナ特性を適宜補正して、常に安定したアンテナ特性を維持するようにしたアンテナ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明のアンテナ装置は次のように構成する。
(1)少なくとも第1のアンテナ素子電極と第2のアンテナ素子電極を含む複数のアンテナ素子電極と、
前記第1のアンテナ素子電極に対する無線通信信号経路に設けられたアンテナ整合回路と、
前記第2のアンテナ素子電極に接続され、センシング信号で当該アンテナ素子電極の浮遊容量を検出する容量検出回路と、
前記容量検出回路の出力信号に応じて前記アンテナ整合回路を制御するマッチング制御回路と、を備えたことを特徴としている。
上記構成により、送信時に限らずにアンテナの周囲環境を検出してフィードバックによりアンテナ特性を補正できる。また、放射に要する部材以外の部材を必要としないので、アンテナ特性を劣化させることがない。さらに、光・赤外線・音波などの反射を利用するわけでもないので、検知方向や角度が限定されず、アンテナ特性の変化を的確に検出できる。
(2)前記容量検出回路は、反転増幅回路の帰還回路に帰還容量を含み、前記帰還容量に対する検出対象容量の変化率の比にほぼ比例する電圧を出力する、容量−電圧変換増幅回路であることを特徴としている。
上記構成により、アンテナ素子電極はほぼそのままで、付属物として容量−電圧変換増幅回路など加える程度で済むため、アンテナ装置を組み込む電子機器の設計上の影響が少なく複数のモデルへ適用が容易となる。
(3)前記第2のアンテナ素子電極に対する伝送経路である無線通信信号経路に、前記センシング信号の流入を阻止する(センシング周波数帯においてハイインピーダンスに見せる)リアクタンス素子(キャパシタ)が設けられる。
この構成により、無線通信信号にセンシング信号が回り込まず、アンテナ特性を殆ど劣化させることがない。
(4)前記第2のアンテナ素子電極と前記容量検出回路との間の伝送経路であるセンシング信号経路に、前記第2のアンテナ素子電極に給電される、または前記第2のアンテナ素子電極から伝送される無線通信信号の回り込みを阻止するリアクタンス素子(インダクタ)が設けられる。
この構成により、通信信号周波数帯で容量検出回路がアンテナ素子電極に影響を及ぼさないので、アンテナ特性を殆ど劣化させることがない。
(5)前記第1のアンテナ素子電極は、前記アンテナ整合回路のアンテナ接続部に接続可能な複数種のアンテナ素子電極のうち、前記アンテナ素子電極の単一体で放射Qの良好なアンテナ素子電極とする。
この構成により、放射Qの良好なアンテナを前記アンテナ整合回路に接続することによって、効率の高いアンテナ装置が構成できる。
(6)前記複数種のアンテナ素子電極の選択条件は、前記アンテナ素子電極に対する給電点の位置、アンテナ素子電極と対向するグランドとの間隔、アンテナ素子電極のサイズのいずれかまたはこれらの複数の組み合わせである。
これにより、放射Qの良好なアンテナ素子電極を容易且つ確実に選定でき、高効率なアンテナ装置が構成できる。
(7)給電回路(必要に応じて整合回路を含む)から共に給電される複数のアンテナ素子電極と、
前記複数のアンテナ素子電極に接続され、センシング信号で前記アンテナ素子電極の浮遊容量をそれぞれ検出する容量検出回路と、
前記容量検出回路の検出信号に基づいて前記複数のアンテナ素子電極に対する近接物の近接状態を検知する近接物状態検知手段と、を備えたことを特徴としている。
上記構成により、複数のアンテナ素子電極で単一のアンテナ素子として作用するとともに複数のアンテナ素子電極を用いた容量検出が行われる。そのため、アンテナ装置に対する近接物の複数次元の情報を検知できる。また、放射に要する部材以外の部材を必要としないので、アンテナ特性を劣化させることがない。
(8)前記複数のアンテナ素子電極に対する無線通信信号経路に設けられたアンテナ整合回路と、前記容量検出回路の出力信号に応じて前記アンテナ整合回路を制御するマッチング制御回路と、を備えたことを特徴としている。
上記構成により、アンテナの周囲環境を検出してフィードバックによりアンテナ特性を補正できる。また、光・赤外線・音波などの反射を利用するわけでもないので、検知方向や角度が限定されず、アンテナ特性の変化を的確に検出できる。
(9)前記複数のアンテナ素子電極に対する伝送経路である無線通信信号経路に前記センシング信号の流入を阻止する(センシング周波数帯においてハイインピーダンスに見せる)リアクタンス素子が設けられる。
この構成により、無線通信信号にセンシング信号が回り込まず、アンテナ特性を殆ど劣化させることがない。
(10)前記複数のアンテナ素子電極と前記容量検出回路との間の伝送経路であるセンシング信号経路に、前記複数のアンテナ素子電極に給電される、または前記複数のアンテナ素子電極から伝送される無線通信信号の回り込みを阻止するリアクタンス素子が設けられる。
この構成により、通信信号周波数帯で容量検出回路がアンテナ素子に影響を及ぼさないので、アンテナ特性を殆ど劣化させることがない。
(11)前記複数のアンテナ素子電極は、前記アンテナ整合回路のアンテナ接続部に接続可能な複数種のアンテナ素子電極のうち、前記アンテナ素子の単一体で放射Qの良好なアンテナ素子電極とする。
この構成により、放射Qの良好なアンテナを前記アンテナ整合回路に接続することによって、効率の高いアンテナ装置が構成できる。
(12)前記複数種のアンテナ素子電極の選択条件は、前記アンテナ素子に対する給電点の位置、および前記アンテナ素子電極に対する前記容量検出回路の接続位置を含む。
これにより、放射Qの良好なアンテナ素子電極を容易且つ確実に選定でき、高効率なアンテナ装置が構成できる。
(13)前記センシング信号は前記複数のアンテナ素子電極の共振周波数より1/1000以下の充分に低い周波数の信号である。
この構成により、同一アンテナ素子電極に接続される無線通信信号経路とセンシング信号経路とを併存させることができる。
この発明によれば、送信時に限らずにアンテナの周囲環境を検出してフィードバックによりアンテナ特性を補正できる。また、放射に要する部材以外の部材を必要としないので、アンテナ特性を劣化させることがない。さらに、光・赤外線・音波などの反射を利用するわけでもないので、検知方向や角度が限定されず、アンテナ特性の変化を的確に検出できる。また、放射に要する部材以外の部材を必要としないので、アンテナ特性を劣化させることがない。さらに、光・赤外線・音波などの反射を利用するわけでもないので、検知方向や角度が限定されず、アンテナ特性の変化を的確に検出できる。
図1は特許文献2に示されているアンテナ装置の構成を示す図である。 図2は第1の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。 図3(A)は、第1アンテナ素子電極21と基板のグランド電極50との間に生じる電界を電気力線で模式的に表した図である。図3(B)は、第2アンテナ素子電極22と基板のグランド電極50との間に生じる電界を電気力線で模式的に表した図である。図3(C)はアンテナ装置に人体の一部が近接した状態を示す図である。 図4(A)は容量検出回路の回路図、図4(B)は、その動作を示す波形図である。 図5は図4とは異なる容量−電圧変換回路を示す図である。 図6(A)は、図5に示した回路を基礎にして構成した容量検出回路の回路図である。図6(B)はその動作を示す波形図である。 図7は、容量検出回路60、マッチング制御回路70、および可変マッチング回路31の作用について示す図である。 図8は第2の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。 図9は第3の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。 図10は第4の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。 図11は第5の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。 図12(A)は第6の実施形態のアンテナ装置について、アンテナ素子電極21R,21Lと基板のグランド電極51との間に形成される電界を電気力線で模式的に表した図である。図12(B)はアンテナ装置に人体の一部が近接した状態を示す図である。 図13は、アンテナ素子電極21R,21Lにつながる浮遊容量またはその変化を検出する容量検出回路60R,60Lを備えた第1の実施例に係るアンテナ装置の構成を示す図である。 図14(A)は通話時の携帯端末101の把持状態を示す図である。図14(B)は携帯端末101を縦位置にし、操作者の頭部から離して操作している状態を示す図である。図14(C)は携帯端末101を右手で横位置に把持している状態を示す図である。 図15(A)は携帯端末101を右手で持って通話している状態、図15(B)は携帯端末101を机Dに置いた状態を示す図である。 図16は携帯端末101に対する所定の操作を行う状態を示す図である。 図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、第7の実施形態の携帯電話端末内の基板の位置、および基板とアンテナ素子との位置関係について、幾つかの構成例を示す図である。 図18は第8の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。 図19は第9の実施形態であるアンテナ装置の構成を示す図である。 図20は第10の実施形態であるアンテナ装置の構成を示す図である。 図21は第11の実施形態であるアンテナ装置の構成を示す図である。 図22は、図13に示したアンテナ装置との比較対照であるアンテナ装置の構成図である。
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係るアンテナ装置について、図2〜図7を参照して説明する。
図2は第1の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置は、グランド電極50が形成された基板、第1アンテナ素子電極21および第2アンテナ素子電極22を備えている。第1アンテナ素子電極21と給電回路41との間に可変マッチング回路31が設けられている。第2アンテナ素子電極22と給電回路42との間にはリアクタンス素子X1およびマッチング回路32が設けられている。また、第2アンテナ素子電極22と可変マッチング回路31との間にリアクタンス素子X2、容量検出回路60およびマッチング制御回路70が設けられている。
リアクタンス素子X1は例えばキャパシタであり、マッチング回路32および給電回路42へのセンシング信号の流入を阻止する(センシング周波数帯においてハイインピーダンスに見せる)。また、リアクタンス素子X2は例えばインダクタであり、第2アンテナ素子電極22に給電されるまたは第2アンテナ素子電極22から伝送される無線通信信号の回り込みを阻止する。
前記第2アンテナ素子電極22と給電回路42との間の伝送経路が無線通信信号経路である。また、第2アンテナ素子電極22から容量検出回路60までの信号経路がセンシング信号経路である。
前記第1アンテナ素子電極21は携帯電話端末のメインの(セルラー用の)アンテナとして用いられる。第2アンテナ素子電極22はBluetooth(登録商標)用または無線LAN用のアンテナとして用いられる。
図2において、容量検出回路60は容量−電圧変換回路(C−V変換回路)を構成していて、人体等の近接により生じた浮遊容量の変化を電圧値変化に変換して出力する。可変マッチング回路31はローバンドとハイバンドの二つの周波数帯域についてマッチングするReconfigurableなマッチング回路である。
図3(A)は、第1アンテナ素子電極21と基板のグランド電極50との間に生じる電界を電気力線で模式的に表した図である。また、図3(B)は、第2アンテナ素子電極22と基板のグランド電極50との間に生じる電界を電気力線で模式的に表した図である。いずれのアンテナ素子電極についても、基板のグランド電極50との間に電界が形成される。無線通信信号のような高周波では前記電界が交番することで電磁波が外界に放射される。直流では静電界を形づくる。
図3(A)の右側には、第1アンテナ素子電極21とグランド電極50とによって擬似ダイポールが構成されていることを表している。また、図3(B)の左側には、第2アンテナ素子電極22とグランド電極50とによって擬似ダイポールが構成されていることを表している。
第1、第2アンテナ素子電極21,22と基板のグランド電極50とは、前記電気力線で繋がれたコンデンサにおける対向導体とみなせ、その容量は共振周波数を決定する、いわゆる浮遊容量でもある。
図3(C)は前記アンテナ装置に人体の一部が近接した状態を示している。このように電界中に人体(掌や指)が近接すると、(人体は高抵抗率の誘電体であるため)電気力線は人体に引き寄せられるように入射[終端]し、第2アンテナ素子電極22とグランド電極50との間で増加することになる。等価的には、コンデンサ電極間に誘電体を挿入した状態である。そのため第2アンテナ素子電極22とグランド電極50との間の浮遊容量は増大する。同様に第1アンテナ素子電極21とグランド電極50との間の浮遊容量も増大する。このように人体の近接度と浮遊容量の変化との間には密接な関係がある。
第1の実施形態に係るアンテナ装置は、第1アンテナ素子電極21、第2アンテナ素子電極22およびグランド電極50によって無線通信信号の電磁波の送受を行うとともに、近接物の近接により浮遊容量が変化しても適正なマッチングを維持する。図2に示した容量検出回路60は第2アンテナ素子電極22を用いて浮遊容量を検出する。マッチング制御回路70は容量検出回路60の出力信号に応じて可変マッチング回路31を制御する。これにより、第1アンテナ素子電極21と給電回路41とのマッチングが常に適正に保たれる。
次に、前記容量検出回路60の具体例を示す。図4(A)は前記容量検出回路の回路図、図4(B)は、その動作を示す波形図である。
前記容量検出回路60は、出力信号を電圧信号として取り出すこと、増幅すること、という二つの観点からオペアンプを用いる。容量−電圧変換回路は、オペアンプOP1による反転増幅回路と、検出対象容量Csおよび帰還容量Cfとで構成される。オペアンプOP1の非反転入力端子には基準電位Vref1が印加される。オペアンプOP1の反転入力端子に接続されているリアクタンス素子X2は、図2におけるリアクタンス素子X2に相当する。このリアクタンス素子X2は、第2アンテナ素子電極22に給電される、または第2アンテナ素子電極22から伝送される無線通信信号の回り込みを阻止するものであるので、必ずしも容量検出回路の入力部に設けなくてもよい。第2アンテナ素子電極22と容量検出回路60との間のセンシング信号経路の途中に設ければよい。
この容量−電圧変換回路の動作原理は、検出対象容量Csの容量変化によるCs−Cf間の電荷の出入りによる変化電圧(V=Q/C)を増幅することである。
前記Cs−Cfのみの帰還回路では動作が不安定となるため、帰還容量Cfに対して並列に抵抗Rfが接続されている。抵抗Rfはカットオフ周波数を決めるファクタでもあり、言い換えればCs−Cf間の電荷の出入りの緩やか度(=時定数)のファクタでもある。この抵抗Rfの値は、扱う事象である「人体近接による容量変化」の時間応答や、その状態のホールド性をどの程度必要とするか、を考慮すると非常に大きな値を要する。
この容量検出回路は発振器など交流信号源がないことが前提である。そのため、Cs−Cf帰還回路の後段に、オペアンプによる積分回路を設けている。すなわち、オペアンプOP2による反転増幅回路、キャパシタCiによる帰還回路および抵抗Rで積分回路が構成される。なお、キャパシタCiに対して並列に抵抗Riを接続して積分時定数を定めている。オペアンプOP2の非反転入力端子には基準電位Vref2が印加される。
図4(B)に表れているように、手との距離が変化したとき、容量−電圧変換回路の出力電圧Vaは、検出対象である容量Cの変化率にほぼ比例した電圧となる。また前記積分回路の出力電圧Voutは電圧Vaを積分した電圧であるので、手の接近距離に応じた電圧となる。
この容量検出回路によれば、発振器などの信号源を必要としないので、容量検出回路が簡素化できる。また、信号源がノイズ源になることもない、という利点がある。
図5は別の容量−電圧変換回路である。この容量−電圧変換回路は交流信号源を用いた容量−電圧変換回路である。
検出対象容量Csに対して発振器OSCが直列接続されている。オペアンプOPの非反転入力端子には基準電位Vref1が印加される。そのため、検出対象容量Csと帰還容量Cfとの接続点P5の電位(オペアンプOPの入力電圧)は、検出対象容量に応じた安定した電位となる。発振器OSCの発振周波数は、無線通信信号の周波数帯に比較すれば殆ど直流に近い低周波である。
図6(A)は、図5に示した回路を基礎にして構成した容量検出回路の回路図である。図6(B)はその波形図である。
図6(A)の例では、オペアンプの非反転入力端子に発振器OSCを接続している。また帰還容量Cfに対して並列に抵抗Rfを接続している。オペアンプOPの出力にはダイオードDi、キャパシタCdおよび抵抗Rdによる検波回路を設けて、包絡線を出力として取りだすように構成している。
図6(B)に表れているように、手が接近したとき、検出対象容量Csの容量値の増大に伴って電圧Vdの振幅が増大する。したがって、検波回路の出力電圧Voutが上昇する。手が遠ざかったときは、検出対象容量Csの容量値の減少に伴って電圧Vdの振幅が減少し、出力電圧Voutは下降する。
なお、交流信号源により交流信号を入力し、容量検出回路の交流出力信号として取りだす回路は図5・図6に限らない。また、出力信号が交流電圧信号として取り出されるものに限らないので、検波回路もそれに応じた種々の回路となる。
また、検波回路以外にも、交流成分をブロックするローパスフィルタを設けてもよい。
さらに、交流信号源の位置は図5・図6に限るものではない。また別体の発振器OSCを設けなくとも、高周波回路部の一部を交流信号源としてもよい。すなわち高周波回路から何らかの交流信号を取り出すようにしてもよい。
図7は、前記容量検出回路60、マッチング制御回路70、および可変マッチング回路31の作用について示す図である。図7において横軸は周波数、縦軸はリターンロスである。この例では、ローバンドとハイバンドの2つの周波数帯の何れかで通信を行うアンテナ装置であり、周波数0(静電界)または周波数0付近の低周波信号を浮遊容量の検出のために使用する。
このように、センシング信号は前記複数のアンテナ素子電極の共振周波数に比べれば殆ど直流に近い(1/1000以下程度の)充分に低い周波数である。
アンテナ装置に人体が近接して浮遊容量が変化(増大)すると、ローバンドおよびハイバンドでのアンテナマッチングが不整合状態になろうとする(リターンロスが悪化する)。しかし、前記容量検出回路60は前記浮遊容量の増大に応じた電圧を出力し、マッチング制御回路70は前記浮遊容量の増大に応じた制御電圧を可変マッチング回路31へ与える。これにより、可変マッチング回路31はその回路定数が変化して、適正なマッチング状態に戻る(適正なマッチング状態が維持される)。
図7において、ローバンドのリターンロス波形RLL0は適正なマッチングによりリターンロス波形RLL1のようにAdjustされ、同様に、ハイバンドのリターンロス波形RLH0は適正なマッチングによりリターンロス波形RLH1のようにAdjustされる。
前記ローバンドは例えばGSM(登録商標)(Global System for Mobile communication)の800MHz/900MHz帯、ハイバンドは例えばDCS(DigitalCommunication System)、PCS(Personal Communication Services)、UMTS(Universal Mobile TelecommunicationsSystem)帯である。
第1の実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)周囲状況に応じてマッチング状態が制御できるので、可変マッチング回路を最適設計でき、アンテナ効率を最大限引きだすことができる。
(2)浮遊容量検出用の導体板の占有スペースが、他システムのアンテナとして兼利用することになるので、省スペース化が図れる。
(3)浮遊容量検出のための導体を特別に設けないので、このような浮遊容量検出のための導体がアンテナ素子電極に対して悪影響を与えることがない。
(4)アンテナ共振系の浮遊容量を把握するため、通信周波数の制約を受けることなく浮遊容量が検出できる。
(5)アンテナ共振系全体に広がる電界場、その結果としての浮遊容量を検出対象とするため、携帯端末に対する全方向の検知ができる。
これらの効果は以降に示す各実施形態についても共通である。
《第2の実施形態》
図8は第2の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置は、グランド電極50が形成された基板、第1アンテナ素子電極21および第2アンテナ素子電極22を備えている。第1アンテナ素子電極21と給電回路41との間に可変マッチング回路31が設けられている。第2アンテナ素子電極22と給電回路42との間にはリアクタンス素子X1および可変マッチング回路32が設けられている。また、第2アンテナ素子電極22と可変マッチング回路31との間にリアクタンス素子X2、容量検出回路60およびマッチング制御回路70が設けられている。
リアクタンス素子X1は可変マッチング回路32および給電回路42へのセンシング信号の流入を阻止する(センシング周波数帯においてハイインピーダンスに見せる)。また、リアクタンス素子X2は、第2アンテナ素子電極22に給電されるまたは第2アンテナ素子電極22から伝送される無線通信信号の回り込みを阻止する。
前記第2アンテナ素子電極22と給電回路42との間の伝送経路が無線通信信号経路である。また、第2アンテナ素子電極22から容量検出回路60までの信号経路がセンシング信号経路である。
第2の実施形態では、第2アンテナ素子電極22への無線通信信号経路に設けられたマッチング回路についても可変マッチング回路としている。このことにより、第2のアンテナについても、人体等の近接による浮遊容量の変化に対応して適正なマッチング状態が維持される。
第2の実施形態によれば、一つの浮遊容量情報から二つのアンテナのマッチングが補正されるので容量検出回路およびマッチング制御回路の数を少なく済ませられる。そのため、低コスト化および省スペース化が図れる。
なお、マッチング補正対象のアンテナは三つ以上であってもよい。
《第3の実施形態》
図9は第3の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置は、グランド電極50が形成された基板、第1アンテナ素子電極21、第2アンテナ素子電極22および第3アンテナ素子電極23を備えている。第1アンテナ素子電極21と給電回路41との間に可変マッチング回路31が設けられている。第2アンテナ素子電極22と給電回路42との間にはリアクタンス素子X1およびマッチング回路32が設けられている。第3アンテナ素子電極23と給電回路43との間には可変マッチング回路33が設けられている。また、第2アンテナ素子電極22と可変マッチング回路31,33との間にリアクタンス素子X2、容量検出回路60およびマッチング制御回路70が設けられている。
リアクタンス素子X1は可変マッチング回路32および給電回路42へのセンシング信号の流入を阻止する(センシング周波数帯においてハイインピーダンスに見せる)。また、リアクタンス素子X2は、第2アンテナ素子電極22に給電されるまたは第2アンテナ素子電極22から伝送される無線通信信号の回り込みを阻止する。
第1アンテナ素子電極21および第3アンテナ素子電極23は例えばMIMOシステムにおける2系統のアンテナとして用いられる。
この構成によれば、第2アンテナ素子電極22を用いて検出された浮遊容量に応じて、第1アンテナ素子電極21による第1のアンテナだけてなく、第3アンテナ素子電極23による第3のアンテナについても、人体等の近接による浮遊容量の変化に対応して適正なマッチング状態が維持される。
第3の実施形態によれば、一つの浮遊容量情報から二つのアンテナのマッチングが補正されるので容量検出回路およびマッチング制御回路の数を少なく済ませられる。そのため、低コスト化および省スペース化が図れる。
なお、マッチング補正対象のアンテナは三つ以上であってもよい。
《第4の実施形態》
図10は第4の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置は、グランド電極50が形成された基板、第1アンテナ素子電極21、第2アンテナ素子電極22および第3アンテナ素子電極23を備えている。第1アンテナ素子電極21と給電回路41との間に可変マッチング回路31が設けられている。第2アンテナ素子電極22と給電回路42との間にはリアクタンス素子X1およびマッチング回路32が設けられている。第3アンテナ素子電極23と給電回路43との間にはリアクタンス素子X3およびマッチング回路33が設けられている。なお、第3のアンテナ素子電極23は例えばNFC(Near Field Communication, 近接通信)用のアンテナコイルである。
このアンテナ装置には一つのマッチング制御回路70を備えていて、このマッチング制御回路70と第2アンテナ素子電極22との間にリアクタンス素子X2および容量検出回路60が設けられている。また、マッチング制御回路70と第3アンテナ素子電極23との間にリアクタンス素子X4および容量検出回路63が設けられている。
マッチング制御回路70は容量検出回路60,63からの出力信号に基づいて可変マッチング回路31を制御する。
この構成により、互いに離れた位置にある二つのアンテナ素子電極の浮遊容量によって検出された近接物の近接状態に応じて第1アンテナ素子電極によるアンテナの適正なマッチング状態が維持される。
第4の実施形態によれば、二つのアンテナ素子電極を浮遊容量検出のために用いたので、浮遊容量の検出情報をより高精度にできる。
なお、浮遊容量検出のためのアンテナ素子電極は三つ以上であってもよい。
《第5の実施形態》
図11は第5の実施形態のアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置は、グランド電極50が形成された基板、第1アンテナ素子電極21、第2アンテナ素子電極22および第3アンテナ素子電極23を備えている。図9に示した第3の実施形態のアンテナ装置と異なるのは、第1アンテナ素子電極21の構成である。この第1アンテナ素子電極21はダイポールアンテナの片方の放射電極である。すなわちこの第1アンテナ素子電極21とグランド電極50とで筐体ダイポールアンテナが構成される。
《第6の実施形態》
第6の実施形態に係るアンテナ装置について、図12〜図16を参照して説明する。
アンテナ素子電極21と基板のグランド電極51との間には、図12(A)中に電気力線で模式的に表わされるように電界が形成される。無線通信信号のような高周波では前記電界が交番することで電磁波が外界に放射される。直流では静電界を形づくる。
図12(A)の右側には、アンテナ素子電極21R,21Lと基板のグランド電極51とによって擬似ダイポールが構成されていることを表している。
アンテナ素子電極21R,21Lと基板のグランド電極51とは、前記電気力線で繋がれたコンデンサにおける対向導体とみなせ、その容量は共振周波数を決定する、いわゆる浮遊容量でもある。
図12(B)は前記アンテナ装置に人体の一部が近接した状態を示している。このように電界中に人体(掌や指)が近接すると、(人体は高抵抗率の誘電体であるため)電気力線は人体に引き寄せられるように入射[終端]し、左側のアンテナ素子電極21Lと基板のグランド電極51との間で増加することになる。等価的には、コンデンサ電極間に誘電体を挿入した状態である。そのため左側のアンテナ素子電極21Lと基板のグランド電極51との間の浮遊容量は増大する。右側のアンテナ素子電極21Rと基板のグランド電極51との間の浮遊容量も増大することがあるが、左側のアンテナ素子電極21Lと基板のグランド電極51との間の浮遊容量が相対的に増加する。このように人体の近接度と浮遊容量の変化との間には密接な関係がある。
本発明は、アンテナ素子を無線通信信号の電磁波の送受を行うとともに、アンテナ素子に対する人体等の近接物の方向性や近接物の近接の仕方などを検知できるようにしたことに特徴がある。
図13は、前記アンテナ素子電極21R,21Lにつながる浮遊容量またはその変化を検出する容量検出回路60R,60Lを備えたアンテナ装置の構成を示す図である。
アンテナ素子は左右対称形の二つのアンテナ素子電極21R,21Lで構成されている。このアンテナ素子電極21R,21Lには引出電極25R,25Lがそれぞれ引き出されている。この引出電極25R,25Lと共通電極23との間にはセンシング信号の流入を阻止する(センシング周波数帯においてハイインピーダンスに見せる)リアクタンス素子X1R,X1Lが設けられている。このリアクタンス素子X1R,X1Lは例えばキャパシタである。アンテナ素子電極21R、21Lと給電回路40との間の伝送経路が無線通信信号経路である。共通電極23と給電回路40との間には可変マッチング回路30が設けられている。アンテナ素子電極21R,21Lは無線通信信号経路を介して同時に給電される。そのため、アンテナ素子電極21R,21Lが設けられている空間が一つのアンテナエリアAAとして作用する。
アンテナ素子電極21R,21Lから引出電極25R,25Lを介して容量検出回路60R,60Lまでの信号経路がセンシング信号経路である。
また、アンテナ素子電極21R,21Lと容量検出回路60R,60Lとの間の伝送経路であるセンシング信号経路には、アンテナ素子電極21R,21Lに給電される、または前記アンテナ素子電極21R,21Lから伝送される無線通信信号の回り込みを阻止するリアクタンス素子X2R,X2Lが設けられている。このリアクタンス素子X2R,X2Lは例えばインダクタである。
図13において、容量検出回路60R,60Lは容量−電圧変換回路(C−V変換回路)を構成していて、人体等の近接により生じた浮遊容量の変化を電圧値変化に変換して出力する。可変マッチング回路30はローバンドとハイバンドの二つの周波数帯域についてマッチングするReconfigurableなマッチング回路である。
マッチング制御回路70は二つの容量検出回路60R,60Lの出力信号に基づいて、可変マッチング回路30に制御信号を与える。具体的には例えば二つの容量検出回路60R,60Lが、浮遊容量の大きさに応じた電圧信号を発生する場合、容量検出回路60R,60Lの出力電圧から生成した信号を可変マッチング回路30に与える。可変マッチング回路30はマッチング制御回路70から受けた信号に応じて、前記浮遊容量が存在する状況で、ローバンドとハイバンドの二つの周波数帯の両方について最適な整合がなされるように整合回路の回路定数を定める。
一方、マッチング制御回路70は近接物情報処理手段80へ二つの容量検出回路60R,60Lの出力信号を与える。近接物情報処理手段80はマッチング制御回路70からの信号に応じてアンテナ素子電極21R,21Lに対する近接物の方向性や近接物の近接の仕方などを検知し、それに応じた所定の処理を行う。例えば二つの容量検出回路60R,60Lの出力信号の電圧加算値によってアンテナ素子電極21R,21Lに対する近接物の接近距離を検知し、容量検出回路60R,60Lの出力信号の電圧差分値によって、左右方向についての近接物の接近のアンバランス度を検知する。そして、後に示すようにアンテナ素子に対する近接物の方向性や近接物の近接の仕方などの複数次元の情報を検知して、それに応じた処理を行う。
前記容量検出回路60R,60Lの具体な構成および原理は第1の実施形態で図4に示したものと同じである。
次に、前記二つの容量検出回路60R,60Lの出力信号を基にして、近接物の方向性や近接物の近接の仕方などの検知例を示す。
図14(A)は通話時の携帯端末101の把持状態である。図14(B)は携帯端末101を縦位置にし、操作者の頭部から離して操作している状態である。図14(C)は携帯端末101を右手で横位置に把持している状態である。
通話時は図14(A)に示すように、携帯端末101を縦位置にして下部を片手で把持するため、右手で把持している場合と左手で把持している場合とで、二つのアンテナ素子電極21R,21Lに対する指や掌の近接具合が異なる。このことによって、把持している手の左右判定が可能である。
携帯端末101を横位置にして把持している場合と縦位置で把持しているかによって、図14(B)および図14(C)に示すように、二つのアンテナ素子電極21R,21Lに対する指や掌の近接具合が異なる。このことから、ジャイロセンサ等を用いることなく携帯端末101の向きを検知できる。さらに、操作中に把持している手の左右に応じても二つのアンテナ素子電極21R,21Lに対する指や掌の近接具合が異なるので、このことから左右どちらの手で把持しているかの検知も可能となる。
図13に示した近接物情報処理手段80は、操作者の把持の仕方に応じて携帯端末の動作を定める。例えば、図14(A)のように通話中であれば、表示の輝度を低下させて省電力化を図ったり、図14(B)や図14(C)のように縦横の違いに応じて表示状態を変更したりする。
図15(A)は携帯端末101を右手で持って通話している状態、図15(B)は携帯端末101を机Dに置いた状態である。通話時には、通話を開始するための何らかの操作を行った後に携帯端末101を耳に当てるので、この一連の操作中に二つのアンテナ素子電極21R,21Lに対する浮遊容量が変化する。同様に、携帯端末101を机に置く際にも、置く直前から置いた後にかけて、二つのアンテナ素子電極21R,21Lに対する浮遊容量が変化する。これらの容量変化を検知することによって、携帯端末101の動きを検知できる。
図13に示した近接物情報処理手段80は、図15(A)のように携帯端末を耳に当てて通話しているときと、図15(B)のように机に置いているときとで、送信電力を最適化する用途に用いることもできる。
図16は携帯端末101に対する所定の操作を行う状態を示している。携帯端末101の右下角に指先を触れるか近接させると、二つのアンテナ素子電極21R,21Lのうち一方のアンテナ素子電極21Lの浮遊容量が相対的に大きくなる。図13に示した近接物情報処理手段80は、この容量変化を検出し、例えばトントンという2回の連続タッチが行われたとき電源のオン/オフ制御を行うなどのユーザインターフェースに使用することもできる。
《第7の実施形態》
第7の実施形態では、携帯端末内の基板の位置および基板とアンテナ素子との位置関係について、幾つかの例を示す。
図17(A),図17(B)の例では、何れも単一の筐体内に第1の実施形態で示したものと同様の、基板のグランド電極51、容量検出回路60R,60L、およびアンテナ素子電極21R,21Lが設けられている。
図17(C),図17(D)の例では、クラムシェル型筐体のうち一方の筐体内に基板のグランド電極51、容量検出回路60R,60L、およびアンテナ素子電極21R,21Lが設けられている。
図17(A),図17(C)の例では、基板のグランド電極51より上部にアンテナ素子電極21R,21Lが設けられている。
図17(B),図17(D)の例では、基板のグランド電極51より下部にアンテナ素子電極21R,21Lが設けられている。
また、クラムシェル型以外にも、スライド型やスイーベル型などの携帯端末にも同様に適用できる。
以上に示した実施形態によれば、アンテナ構造体はほぼそのままに、付属物として容量−電圧変換回路などを加える程度で済む。携帯端末の構造設計に対する影響が少なく、複数のモデルへ容易に展開できる。
また、同一のアンテナ素子に接続するものとして、無線通信信号経路とセンシング信号経路とを併存させることができる。すなわち、容量−電圧変換回路の装荷が無線通信信号側の特性(整合特性など)に与える影響を軽減でき、またその逆の影響も軽減できる。
さらに、周囲状況に応じて可変したマッチング状態において、可変マッチング回路を最適設計でき、アンテナ効率を最大限に引きだすことができる。
《第8の実施形態》
図18は第8の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
図18の例では、無線通信信号経路とセンシング信号経路とを分岐する引出電極25R,25Lが基板上の電極パターンで構成されている。また、基板とアンテナ素子電極21R,21Lとをつなぐ伝送線路24R,24Lが設けられている。
このように、無線通信信号経路とセンシング信号経路の分岐はアンテナ素子電極と基板との間に限らず、アンテナ素子側または基板側のいずれにあってもよい。
《第9の実施形態》
図19は第9の実施形態であるアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置は、第6の実施形態で図13に示したアンテナ装置に対してもう一組のアンテナを備えたものである。図19において、アンテナ素子電極21RA,21LA、容量検出回路60RA,60LA、リアクタンス素子X2RA,X2LA、可変マッチング回路30および給電回路40の構成は図13に示したものと同様である。第9の実施形態では、アンテナ素子電極21RB,21LB、容量検出回路60RB,60LBおよびリアクタンス素子X2RB,X2LBがさらに設けられている。アンテナ素子電極21RA,21LA,21RB,21LBは無線通信信号経路を介して同時に給電される。そのため、アンテナ素子電極21RA,21LA,21RB,21LBが設けられている空間が一つのアンテナエリアAAとして作用する。
マッチング制御回路70は容量検出回路60RA,60LA,60RB,60LBから出力される電圧に基づいて可変マッチング回路30に制御信号を与える。このマッチング制御回路70は、容量検出回路60RA,60LAの検出信号に基づいておよび/または容量検出回路60RB,60LBの検出信号に基づいて左右方向(x軸方向)についての浮遊容量の大きさのバランス・アンバランスの程度を検出する。また、容量検出回路60RA,60RBの検出信号に基づいておよび/または容量検出回路60LA,60LBの検出信号に基づいて厚み方向(z軸方向)についての浮遊容量のバランス・アンバランスの程度を検出する。このことにより左右方向と厚み方向の二次元についての近接物体の近接具合を検知できる。
《第10の実施形態》
図20は第10の実施形態であるアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置は、二つのアンテナ素子電極が厚み方向に異なる位置に配列されたものである。この例では、アンテナ素子電極21A,21B、容量検出回路60A,60B、リアクタンス素子X2A,X2B、可変マッチング回路30、給電回路40およびマッチング制御回路70を備えている。アンテナ素子電極21Aは放射電極と容量検出用電極とを兼ねている。アンテナ素子電極21Bは容量検出用電極専用に設けられている。
アンテナ素子電極21A,21Bは近接結合により一体の放射素子として作用する。ここで、アンテナ素子電極21Bは、アンテナ素子電極21Aに対する無給電素子としての機能を持たせても良い。そのため、アンテナ素子電極21A,21Bが設けられている空間が一つのアンテナエリアAAとして作用する。
マッチング制御回路70は二つの容量検出回路60A,60Bの検出信号に基づいて厚み方向についての浮遊容量のバランス・アンバランスの程度を検出する。このことにより厚み方向についての近接物体の近接具合を検知できる。
《第11の実施形態》
図21は第11の実施形態であるアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置は、第6の実施形態で図13に示したアンテナ装置を二組備えたものである。図21において、アンテナ素子電極21RA,21LA,21RB,21LB、容量検出回路60RA,60LA,60RB,60LB、リアクタンス素子X2RA,X2LA,X2RB,X2LB、可変マッチング回路30A,30Bおよび給電回路40A,40Bの構成は図13に示したものと同様である。第11の実施形態では、マッチング制御回路70Aは容量検出回路60RA,60LA,60RB,60LBから出力される電圧に基づいて可変マッチング回路30Aに制御信号を与え、マッチング制御回路70Bは容量検出回路60RA,60LA,60RB,60LBから出力される電圧に基づいて可変マッチング回路30Bに制御信号を与える。いずれのマッチング制御回路70A,70Bも、容量検出回路60RA,60LAの検出信号に基づいておよび/または容量検出回路60RB,60LBの検出信号に基づいて左右方向(x軸方向)についての浮遊容量の大きさのバランス・アンバランスの程度を検出する。また、容量検出回路60RA,60RBの検出信号に基づいておよび/または容量検出回路60LA,60LBの検出信号に基づいて上下方向(y軸方向)についての浮遊容量のバランス・アンバランスの程度を検出する。このようにして左右方向(x軸方向)と上下方向(y軸方向)の二次元についての近接物体の近接具合を検知できる。
《第12の実施形態》
第12の実施形態では、放射Qの良いアンテナの選択について示す。
結論としては、この発明のアンテナ装置の効率は、マッチング可変対象であるアンテナ素子電極の単一体(のアンテナ素子電極と輻射に寄与するグランド電極とを含んだ、擬似ダイポールとしてのアンテナ)での放射Qに依存する。但し、前記アンテナ素子電極単一体には、共振周波数を所望の周波数帯に定める装荷リアクタンスを含む。また、容量検出回路が装荷された状態である。
前記アンテナ素子電極にはできる限り放射Qの良いもの(Q値の小さなもの)を選択すべきである。そのことにより、構造体スペースの限られた条件下でアンテナ効率および周波数帯域幅を最大限に引き出すことができる。
ここでいう「選択」とは、アンテナの放射Qの素性を吟味することは勿論であるが、センシング信号経路の設置がアンテナの放射Qに悪影響を与えないよう留意することも含んでいる。
第12の実施形態では、この効果を実験的に検証するものである。
図22は、図13に示したアンテナ装置との比較対照であるアンテナ装置の構成図である。図22はセンシング信号経路PSR,PSLを無線通信信号経路PWから大きく離れた位置に配置した例である。
図22のような配置では、容量検出回路60R,60Lは外界への放射先に置かれた阻害物となる。結局のところ、放射Qが最適に設定された擬似ダイポールの構成において、センシング信号経路PSR,PSLが無線通信信号経路とほぼ一体である(したがって、無線通信信号経路PWとセンシング信号経路PSR,PSLとが途中で分岐される構造)か、波長に比してほぼ一体に見えるぐらいに、無線通信信号経路PWとセンシング信号経路PSR,PSLとが近接している構造が好ましい。
図3に示した構造のアンテナ装置についても上記の効果を実験的に検証するために、比較対照用のアンテナ装置を用意した。この比較対照用のアンテナ装置は、図3に示したアンテナ装置における第1アンテナ素子電極21の引出位置(可変マッチング回路31との接続位置)を中央から大きくずれた右端付近に配置したものである。
この比較対照用アンテナ装置の第1アンテナ素子電極によるアンテナでは、図3に示したアンテナ装置の第1アンテナ素子電極によるアンテナに比較して、ハイバンドにおいてアンテナの放射Qが悪い(Q値が高い)。そのため、アンテナの効率が低い。結局のところ、図3に示したようにアンテナ素子電極21に対して中央給電にすることによって良好な放射Qが得られる。また、アンテナ素子電極とそれに対向するグランド電極との間隔、アンテナ素子電極のサイズによってもアンテナの放射Qが変わるので、これらのいずれかによってまたは組み合わせによってアンテナの放射Qが良好となるように選択すればよい。
各実施形態で示したようにアンテナ整合回路を装荷したアンテナ装置においては、アンテナの放射Qの実力がアンテナ装置の効率に反映されるので、放射Qが良好な(Q値が小さな)アンテナである程、高効率特性が得られる。
《他の実施形態》
以上に示した幾つかの例では、アンテナ素子電極が基板のグランド電極形成領域外に配置されたが、アンテナ素子電極は基板のグランド電極形成領域内に配置されてもよい。また、基板の非グランド領域にアンテナ素子電極が直接形成されていてもよい。
以上に示した幾つかの例では、アンテナ素子電極をプレーンな板状であるものとして表現していたが、所定形状にパターンニングされていてもよい。センシングに使用する周波数帯では(無線通信の周波数からかけ離れているため)、パターンなど施しても[浮遊]容量の“対向導体”として作用するだけである。
また、複数のアンテナ素子電極が一つの誘電体ブロックに設けられていてもよい。
前記アンテナ素子電極のパターニングとしては、例えばスリットを形成したり、分岐形状にしたりすることによって、基本波と高調波の両方で共振させるようにしたもの、アンテナ素子電極中にリアクタンス素子を挿入して複数のバンドに共振点を有させたもの、給電素子と無給電素子とに分割したものなどであってよい。
また、前記可変マッチング回路は、Reconfigure先である二つの周波数帯で広帯域な2共振特性を有しつつ、周囲環境に応じてマッチングを調整するものであったが、本発明はこれに限らない。例えば、
(1)1共振であるもの、
(2)π型/T型のような回路構成で可変リアクタンス素子を包含するもの(Reconfigureの観点がないもの)、
(3)複数のマッチング回路を予め準備しておき、人体近接の程度に対応して、経路選択でマッチング回路を切り替える、
などに適用してもよい。
また、Reconfigure対象はローバンド[例えばGSM(登録商標)の800MHz/900MHz]とハイバンド[例えばDCS,PCS,UMTS]の場合に限らない。もっと別のシステム(WLAN(Wireless LAN)/Bluetooth(登録商標)/Wimax(登録商標)など)をカバーしたものであってもよいし、五つのバンド(Pentaband)をもっと細かい分割でカバーする場合もあり得る(このとき準備する容量値は細かく設定されることとなる)。
携帯端末に設けられるメインの(セルラー用の)アンテナ以外のアンテナとしては、例えばセルラー用メインアンテナの補助用アンテナ、Bluetooth(登録商標)用または無線LAN用のアンテナ、GPS アンテナ、ディジタルTV受信用アンテナ、NFC(Near Field Communication)用アンテナ、FM受信用アンテナ等がある。これらは統合化が困難であり、個別のアンテナとして設けられる。このような個々に存在しているアンテナの一つまたは複数のアンテナで浮遊容量検出を行い、その検出結果を他のアンテナの可変マッチング回路またはそれとともに自身のアンテナの可変マッチング回路に供給してもよい。
また、可変マッチングを施すアンテナ素子電極または浮遊容量検出用のアンテナ素子電極は、人体通信用の電極であってもよい。例えばNTTジャーナル2010.1「人体近傍電界通信技術「レッドタクトン」とその応用」に示されている人体近傍準静電界通信技術用のアンテナにも適用できる。
前記複数のアンテナ素子電極は携帯端末内の単一の筐体内に設けること以外に、クラムシェル型筐体のうち二つの筐体内に別々に配置されたアンテナ素子電極に適用することもできる。また、クラムシェル型以外にも、スライド型やスイーベル型などの携帯端末にも同様に適用できる。
以上に示した各実施形態によれば、アンテナ構造体はほぼそのままに、付属物として容量−電圧変換回路など加える程度で済む。携帯電話端末の構造設計に対する影響が少なく、複数のモデルへ容易に展開できる。
AA…アンテナエリア
Cf…帰還容量
Cs…検出対象容量
D…机
OSC…発振器
PSR,PSL…センシング信号経路
PW…無線通信信号経路
X1R,X1L…リアクタンス素子
X2…リアクタンス素子
X2A,X2B…リアクタンス素子
X2R,X2L…リアクタンス素子
X2RA,X2LA,X2RB,X2LB…リアクタンス素子
X1〜X4…リアクタンス素子
21…第1アンテナ素子電極(アンテナ素子電極)
22…第2アンテナ素子電極
21A,21B…アンテナ素子電極
21R,21L…アンテナ素子電極
21RA,21LA,21RB,21LB…アンテナ素子電極
23…第3アンテナ素子電極
25R,25L…引出電極
26…共通電極
31…可変マッチング回路
32…マッチング回路,可変マッチング回路
33…マッチング回路,可変マッチング回路
41〜43…給電回路
50…グランド電極
60,63…容量検出回路
70…マッチング制御回路

Claims (13)

  1. 少なくとも第1のアンテナ素子電極と第2のアンテナ素子電極を含む複数のアンテナ素子電極と、
    前記第1のアンテナ素子電極に対する無線通信信号経路に設けられたアンテナ整合回路と、
    前記第2のアンテナ素子電極に接続され、センシング信号で当該アンテナ素子電極の浮遊容量を検出する容量検出回路と、
    前記容量検出回路の出力信号に応じて前記アンテナ整合回路を制御するマッチング制御回路と、を備えたアンテナ装置。
  2. 前記容量検出回路は、反転増幅回路の帰還回路に帰還容量を含み、前記帰還容量に対する検出対象容量の変化率の比にほぼ比例する電圧を出力する、容量−電圧変換増幅回路である請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第2のアンテナ素子電極に対する伝送経路である無線通信信号経路に、前記センシング信号の流入を阻止するリアクタンス素子が設けられた、請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第2のアンテナ素子電極と前記容量検出回路との間の伝送経路であるセンシング信号経路に、前記第2のアンテナ素子電極に給電される、または前記第2のアンテナ素子電極から伝送される無線通信信号の回り込みを阻止するリアクタンス素子が設けられた、請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1のアンテナ素子電極は、前記アンテナ整合回路のアンテナ接続部に接続可能な複数種のアンテナ素子電極のうち、前記アンテナ素子電極の単一体で放射Qの良好なアンテナ素子電極である、請求項1〜4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記複数種のアンテナ素子電極の選択条件は、前記アンテナ素子電極に対する給電点の位置、アンテナ素子電極と対向するグランドとの間隔、アンテナ素子電極のサイズのいずれかまたはこれらの複数の組み合わせである、請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 給電回路から共に給電される複数のアンテナ素子電極と、
    前記複数のアンテナ素子電極に接続され、センシング信号で前記アンテナ素子電極の浮遊容量をそれぞれ検出する容量検出回路と、
    前記容量検出回路の検出信号に基づいて前記複数のアンテナ素子電極に対する近接物の近接状態を検知する近接物状態検知手段と、を備えたアンテナ装置。
  8. 前記複数のアンテナ素子電極に対する無線通信信号経路に設けられたアンテナ整合回路と、
    前記容量検出回路の出力信号に応じて前記アンテナ整合回路を制御するマッチング制御回路と、を備えた請求項7に記載のアンテナ装置。
  9. 前記複数のアンテナ素子電極に対する伝送経路である無線通信信号経路に前記センシング信号の流入を阻止するリアクタンス素子が設けられた、請求項7または8に記載のアンテナ装置。
  10. 前記複数のアンテナ素子電極と前記容量検出回路との間の伝送経路であるセンシング信号経路に、前記複数のアンテナ素子電極に給電される、または前記複数のアンテナ素子電極から伝送される無線通信信号の回り込みを阻止するリアクタンス素子が設けられた、請求項7〜9のいずれかに記載のアンテナ装置。
  11. 前記複数のアンテナ素子電極は、前記アンテナ整合回路のアンテナ接続部に接続可能な複数種のアンテナ素子電極のうち、前記アンテナ素子電極の単一体で放射Qの良好なアンテナ素子電極である、請求項7〜10のいずれかに記載のアンテナ装置。
  12. 前記複数種のアンテナ素子電極の選択条件は、前記アンテナ素子電極に対する給電点の位置、および前記アンテナ素子電極に対する前記容量検出回路の接続位置を含む、請求項11に記載のアンテナ装置。
  13. 前記センシング信号は前記複数のアンテナ素子電極の共振周波数より1/1000以下の充分に低い周波数の信号である、請求項1〜12のいずれかに記載のアンテナ装置。
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