JP5531374B2 - マイクロ流体デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、充填物を充填したマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイス及びその製造方法に関する。
近年、μ−TAS(Micro Total Analysis System)やLab−on−a−chip、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)と呼ばれるマイクロチップを用いた、化学反応、生化学反応、分離、分析等の研究が行われている。このマイクロチップは、数センチ角の大きさのガラスやプラスチックプレート上に、合流・分岐のあるマイクロサイズの流路や、数種類の試料導入孔を有する。マイクロチップは、その流路内に溶液を流すことで反応や分離、分析を行うシステムである。このマイクロチップは、試料の微量化、反応の効率化を図ることができ、また、反応の選択性が向上するなどという利点を有することが知られており、注目を集めている。これらの利点は、例えば、(1)流路の体積に対する比表面積が大きいために、界面が関与する反応等を向上させることができるということ、(2)流路が狭いために、反応に必要な分子の拡散距離が短くなり、反応時間の短縮が起こるということに起因している。
ところで、マイクロチップに様々な機能を持たせるために、マイクロ流路内にビーズを充填する場合がある。マイクロ流路にビーズを充填する場合には、マイクロ流路の下流部分に設けた、基材と一体型の1つのダムによりビーズの移動を防止する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、下流部分のみにダムがあるマイクロチップでは、試料をマイクロ流路内で往復させる場合や、マイクロ流路内の内圧が変化した場合等に、試料が上流方向に逆流して、ビーズが移動してしまう。
また、2つのダムを有する主流路に、分岐した充填用の分岐流路からビーズを充填して、その分岐流路を、試料が流れ出る隙間がないように、樹脂を用いて完全に封止することにより主流路のビーズを固定する方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。このような場合には、その分岐流路の全長に渡って樹脂を注入することが難しく、樹脂により封止されない部分に液溜まりができる。微量な試料を取り扱う場合には、この液溜まりに試料が入り込むことで試料を無駄に消費してしまう。また、主流路中で複数の試料を用いて反応等を行う場合に、この液溜まりの部分に試料が溜まり、溜まった試料が次に流す試料に混入してしまう恐れがある。
その他、マイクロ流路中に設けた可動式バルブにより固形試料の流れを制御する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような可動式バルブを設置した場合、マイクロチップが高価になることや、電気的な配線が必要になること、構造が複雑になるために故障が起こることなどがある。
マイクロチップにマイクロ流路やダム等の構造体を微細加工する場合には、リソグラフィーやエッチング、マイクロマシーニング、金型成形等の微細加工技術を用いることができる。マイクロ流路やダム等の構造体が作成された基材に、フィルムやガラス等を融着やラミネートすることでマイクロチップが作成される。マイクロチップは、その流路やダム等の構造体が数〜数百マイクロメートルのサイズであるため、チップを成形した後に構造体を付加することが難しい。
特開2005−851号公報 K. Sato, et al. "Microchip-based Enzyme-linked Immunosorbent Assay (ELISA) System", Micro Total Analysis Systems 2002; Proceedings of the μTAS 2002 Symposium, Vol.1 p.190-192 A. B. Jemere, et al. "Integrated Size Exclusion and Reversed-phase Electrochromatography", Micro Total Analysis Systems 2002; Proceedings of the μTAS 2002 Symposium, Vol.1 p.16-18
本発明は、マイクロ流路に充填物が充填されたマイクロ流体デバイスにおいて、充填物が流出することなく、液溜まりのないマイクロ流体デバイスを提供すること、また、その簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らが鋭意検討した結果、マイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスにおいて、マイクロ流路に充填物を充填した後に、該充填物の移動を防止する為の固定部を形成する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、流体が流れることが可能なマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスであって、前記マイクロ流路内に充填物を含み、前記充填物が前記マイクロ流路内で2箇所以上で固定されていることを特徴とするマイクロ流体デバイスが提供される。
また、他の本発明によれば、流体が流れることが可能なマイクロ流路内に充填物を含むマイクロ流体デバイスを製造する方法であって、(I)前記マイクロ流路内に充填物を充填する工程、(II)前記充填物を固定するための少なくとも1個の固定部を前記マイクロ流路内に形成する工程を、工程(I)、工程(II)の順で含むことを特徴とするマイクロ流体デバイスの製造方法、さらに前記製造方法により得られたマイクロ流体デバイスが提供される。
本発明によれば、充填物がマイクロ流体デバイスから流出することなく、液溜まりのないマイクロ流体デバイス、及び、その簡便な製造方法を提供することできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のマイクロ流体デバイスは、流体が流れることができるマイクロ流路を有し、前記マイクロ流路内には充填物が含まれている。本発明のマイクロ流体デバイスは、前記充填物が、前記マイクロ流路内において、2箇所以上で固定されていることを特徴とする。好ましくは、前記充填物が2個以上の固定部により固定されている。
充填物が「固定されている」とは、少なくとも充填物がマイクロ流路から流出しない程度に、充填物の移動が制限される状態をいう。したがって、本発明のマイクロ流体デバイスは、充填物の移動が制限され、充填物がマイクロ流路から流出しない構成を有する。充填物が「固定されている」とは、例えば、充填物が基板などに接着している状態、充填物が動かないようにされている状態、充填物が流動しないようにされている状態、充填物が流動してもマイクロ流路の所定の位置又は所定の範囲から流出しないようにされている状態、充填物が流動してもマイクロ流路から流出しないようにされている状態などをいう。
本発明のマイクロ流体デバイスは、充填物が、流体が流れることができるマイクロ流路内において、2箇所以上で固定されている。好ましくは、充填物が、2個以上の固定部により固定されている。2箇所以上で固定されている例として、分岐していないマイクロ流路417内で充填物413が2個の固定部414により2箇所414aで固定されている場合(図11(a))、分岐していないマイクロ流路427内で充填物423が3個の固定部424により4箇所424aで固定されている場合(図11(b))、分岐しているマイクロ流路437内で充填物433が3個の固定部434により3箇所434aで固定されている場合(図11(c))などがある。また、例えば、1つのマイクロ流体デバイスにおいて、流路内の離れた2箇所以上の範囲に充填物が充填されている場合、上記例を組み合わせて用いることができる。
このマイクロ流体デバイスは、送液装置や検出装置などと組み合わせることで、マイクロ流体システムとして、分析や合成、分離等に使用することができる。また、これらの送液装置や検出装置をマイクロ化してマイクロ流体デバイス内に配置し、送液装置や検出装置を備えたマイクロ流体デバイスとすることもできる。
マイクロ流体デバイスは、マイクロ流路を有するデバイスであれば、その形状は限定されない。マイクロ流体デバイスとして、例えば、マイクロチップ、キャピラリー、チューブがある。本発明においては、マイクロ流体デバイスは、マイクロチップであることが好ましい。
マイクロ流体デバイスを作製するための材料は、例えば、樹脂材料、金属材料、又は無機材料である。樹脂材料としては、通常合成樹脂が用いられ、ポリスチレン、ポリメチルスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート等のポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート等のポリメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリフルオロオレフィンなどのフッ素系樹脂、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサンなどのシリコーン系樹脂が挙げられる。金属材料としては、例えば、鉄、ステンレス、銅、またはこれらの合金が挙げられる。無機材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、半導体など挙げられる。マイクロ流体デバイスの材料は、これに限定されず、さらに、1種類の材料から構成されていても、複数の材料から構成されていてもよい。マイクロ流体デバイスを用いて蛍光や発光を測定する場合には、マイクロ流体デバイスの少なくとも一部を透明な材料を用いて作製することが望ましい。本発明のマイクロ流体デバイスの材料(後述する部材(A)及び(B)の材料や、固定部の材料など)としては、樹脂材料又は無機材料を用いることが好ましい。マイクロ流体デバイスの用途によっては、非特異吸着やコンタミネーション防止の観点から、金属材料を用いないことが好ましい場合もある。
本発明は少なくとも流体、すなわち、試料が流れることが可能なマイクロ流路を有する。マイクロ流路とは、試料を反応、分離、分析等させるための流路である。この他に、実際にマイクロ流体デバイスを使用する際には流体が流れることのない、または、流体が流れることができないマイクロ流路を有していてもよい。例えば、充填物を充填するために用いられる流路、固定部を形成するために用いられる流路などである。流路の断面の形状は、円形、楕円形、矩形(正方形、長方形)、不定形等が考えられるが、特に限定されない。好ましくは、矩形である。マイクロ流路の断面の最大幅及び最大深さは、マイクロ流体デバイスの使用目的によって適宜設定することが可能であるが、好ましくは最大幅10mm以下、最大深さ10mm以下である。より好ましくは最大幅0.0001〜1mm、最大深さ0.0001〜1mm、さらに好ましくは最大幅0.01〜0.5mm、最大深さ0.01〜0.5mmである。最大幅又は最大深さが上記範囲を超えると、反応性の低下や、試料量が大幅に増加する場合があり、また、上記範囲未満であると充填物を充填しにくい、必要な流量が得られない、流路抵抗が高いため試料が流れにくい場合がある。
マイクロ流路に試料を流す場合、試料の線流速は、好ましくは、0.1μm/秒〜300cm/秒、より好ましくは1μm/秒〜100cm/秒である。0.1μm/秒未満であると送液の効率が悪くなる場合があり、300cm/秒を超えるとデバイスが水圧に耐えられない場合がある。
充填物としては、通常マイクロ流体デバイスに用いられる充填物を用いることができる。充填物としては、例えば、樹脂材料、金属材料、無機材料、生体由来物質がある。樹脂材料、金属材料、無機材料としては、上述のマイクロ流体デバイスの材料を用いることができる。生体由来物質としては、例えば、核酸、ペプチド核酸、ペプチド、糖ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、多糖がある。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
充填物の形状は、粒子であることが好ましく、例えば、樹脂粒子、金属粒子、無機粒子、若しくはこれらが生体由来物質で修飾された粒子、又は花粉などの生体由来物質粒子がある。粒子の形状としては、球形、楕円体、直方体、立方体、円錐形、角錐形(三角錐、四角錐など)、円柱形、角柱形、不定形などが挙げられ、球形であることが好ましい。粒子の最大径(球形の場合、直径)は、好ましくは0.00001〜10mm、より好ましくは0.0001〜1mm、さらに好ましくは0.001〜0.5mmである。粒子として、通常、マイクロ流体デバイス充填されるビーズを使用することができる。
本発明のマイクロ流体デバイスにおいては、充填物が2箇所以上で固定されており、好ましくは充填物が2個以上の固定部により固定されている。固定部は、少なくとも充填物がマイクロ流路から流出しない程度に、充填物の移動を制限し得る、いわばダムである。固定部は、マイクロ流路に上述の線流速で試料を流した場合に、充填物を固定し得る強度を有する材料を用いて形成されることが好ましい。
また、固定部は、マイクロ流路内に形成された凸部であることが好ましい。凸部の高さは、充填物を固定することができる高さであり、かつ、試料を流す際にその流れを妨げない高さであればよい。凸部の高さは、流路の最大深さに対して、10〜90%であることが好ましく、20〜80%であることがより好ましく、30〜70%であることがさらに好ましい。凸部の高さとは、流路の底面から凸部の頂点までの高さをいう。
マイクロ流体デバイスとして好ましいマイクロチップは、マイクロチップを形成する2個以上の部材を含む。2個以上の部材は、それぞれ板状部材又はフィルム状部材である。2個以上の部材の少なくとも1個は、マイクロ流路を形成する溝が設けられていることが好ましい。溝は部材の両面に設けられていても、あるいは片面のみに設けられていてもよい。また、1つの面に設けられる溝の数は、1個でも、2個以上でもよい。板状又はフィルム状の2個以上の部材を積層し、接着することにより、マイクロチップを得ることができる。板状部材又はフィルム状部材の材料は、上述のマイクロ流体デバイスの材料である。2個以上の部材の少なくとも1個を、可塑性の部材としてもよい。
マイクロチップは、好ましくは2個の部材、部材(A)及び部材(A)に接着された部材(B)とを有する。部材(A)及び(B)は、共に板状部材、共にフィルム状部材、又は、一方が板状部材であり、もう一方がフィルム状部材である。好ましくは、部材(A)が板状部材であり、部材(B)がフィルム状部材である。部材(A)又は(B)の少なくとも一方には、マイクロ流路となる溝が設けられている。溝は板状の部材に設けられていることが好ましい。例えば、板状の部材(A)の溝が設けられた面に、フィルム状の部材(B)を積層し、接着することにより、マイクロチップを製造することができる。この場合、マイクロ流路は、溝を有する部材(A)、及び溝の蓋となる部材(B)により形成される。
部材(A)の好ましい態様を示す。部材(A)の材料としては、例えば、上述の樹脂材料、金属材料、無機材料を挙げることができる。部材(A)の材料は、好ましくは合成樹脂であり、特に好ましくは透明性、成形性、低自家蛍光性の観点から、アクリレート樹脂やオレフィン樹脂であり、最も好ましくはポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィンである。
部材(A)の形状はいずれの形状でもよいが、好ましくは矩形(正方形、長方形)である。大きさは、特に限定されず、好ましくは縦0.1〜300mm×横0.1〜300mm、より好ましくは縦1〜150mm×横1〜150mm、最も好ましくは縦10〜100mm×横10〜100mmである。部材(A)の厚さは、特に限定されず、好ましくは0.1〜100mm、より好ましくは0.5〜10mm、最も好ましくは1〜2mmである。
部材(A)は、少なくとも一方の面に、マイクロ流路となる溝が形成されていることが好ましい。溝の幅及び深さは、上述のマイクロ流路の幅及び深さと同様である。溝は1個でも、2個以上でもよい。また、溝は、部材(A)の片面だけに形成することも、両面に形成することも可能である。
さらに、固定部の1つが部材(A)と一体的に形成されていることが好ましい。「固定部の1つが部材(A)と一体的に形成されている」とは、固定部が部材(A)と一体となって、部材(A)の一部として、部材(A)と同じ材料により形成されていることを意味する。部材(A)と一体的に形成されている固定部(以下、固定部(a)ともいう。)の形状及び大きさは、充填物の流動を防止することができる形状及び大きさであればよい。好ましくは、半球形、立方体、直方体、角柱形、切頭角錐形、円柱形、切頭円錐形である。固定部(a)は、通常、溝内に形成される。
さらに、部材(A)は、任意の個所に、充填物充填口、試料導入口や、ピラーなどの構造体を有していてもよい。ピラーは、混入物などの流入防止、試料溶液の混合などのために用いられる。
部材(A)にマイクロ流路、固定部等を形成する方法としては、リソグラフィーやエッチング、マイクロマシーニング、金型成形等の微細加工技術を用いることができる。
次に、部材(B)の好ましい態様を示す。部材(B)の材料としては、例えば、上述の樹脂材料、金属材料、無機材料を挙げることができる。部材(B)の材料は、好ましくは合成樹脂であり、特に好ましくは透明性、成形性、低自家蛍光性の観点から、アクリレート樹脂、オレフィン樹脂であり、最も好ましくはポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィンである。部材(B)は可塑性の部材であることが好ましい。
部材(B)の大きさは、通常部材(A)の大きさと同じ大きさであり、好ましくは0.1〜300mm×0.1〜300mm、より好ましくは1〜150mm×1〜150mm、最も好ましくは10〜100mm×10〜100mmである。部材(B)の厚さは、特に限定されず、好ましくは1μm〜5mm、より好ましくは5μm〜1mm、最も好ましくは10μm〜500μmである。
また、必要に応じて部材(B)には、マイクロ流路となる溝、部材(B)と一体的に形成されている固定部(以下、固定部(b)ともいう。)、充填物充填口、試料導入口、ピラー等の構造体が形成されていてもよい。溝の幅及び深さは、上述の部材(A)と同じである。また、固定部(b)の形状及び大きさは、上述の固定部(a)と同じである。固定部(b)は、通常、部材(B)が溝を有する場合には溝内、又は、部材(B)が溝を有しない場合には、部材(A)が有する溝の蓋となる位置に形成される。
部材(A)及び(B)の好ましい態様は上述したとおりであるが、部材(B)が部材(A)と同じ態様でもよく、また、部材(A)が部材(B)と同じ態様でもよい。
部材(A)上に部材(B)を積層し、接着することにより、マイクロチップ(部材(A)と部材(B)との接着体)を得ることができる。部材(A)に溝が形成されている場合、部材(B)は、部材(A)の溝が形成されている面に積層され、接着される。接着方法は特に限定されず、部材(A)及び(B)の材料に応じて適切な方法を用いることができる。例えば、部材(A)と部材(B)のいずれもガラスである場合、摩擦接合、溶融接合、ハンダ接合、陽極接合などの方法がある。また、例えば、一方がガラスでもう一方が合成樹脂である場合、プラズマ処理したガラス表面に合成樹脂を接着させる方法が好ましく用いられる。さらに例えば、いずれも合成樹脂である場合、溶融接合による方法が好ましく用いられる。
従来公知の一般的なマイクロチップの例を図9(a)及び(b)に示す。図9(a)は、マイクロ流路227がマイクロチップの長手方向Xの全長に渡って形成されており、マイクロ流路227の端部が試料導入口224であるマイクロチップの例である。また、図9(b)は、マイクロチップの他の例であり、マイクロ流路217がマイクロチップの長手方向Xの全長より短い長さで形成され、マイクロチップの1つの面に、マイクロ流路217と交わる試料導入口214が設けられている。本発明のマイクロ流体デバイスについても、従来公知のマイクロチップと同様に様々な形態とすることが可能である。
本発明は、マイクロ流体デバイスの製造方法にも関する。本発明のマイクロ流体デバイスの製造方法は、流体が流れることが可能なマイクロ流路に充填物を含むマイクロ流体デバイスを製造する方法であって、(I)前記マイクロ流路内に充填物を充填する工程、(II)前記充填物を固定するための少なくとも1個の固定部を前記マイクロ流路内に形成する工程を、工程(I)、工程(II)の順で含むことを特徴とする。本発明のマイクロ流体デバイスの製造方法は、さらに、任意の工程を有することができる。任意の工程を含む製造方法として、例えば、さらに(III)充填物を固定するための少なくとも1個の固定部を形成する工程を、工程(III)、工程(I)、工程(II)の順で含むマイクロ流体デバイスの製造方法が挙げられる。
この他、任意工程として、例えば、上述の部材にマイクロ流路及び固定部を形成する工程、2枚の部材を接着しマイクロ流路を形成する工程を有することも可能である。また、工程(I)と工程(II)の間に他の工程を有することも可能である。
本発明のマイクロ流体デバイスの製造方法として、マイクロチップを製造する場合を例に説明する。マイクロチップの製造においては、好ましくは、予めマイクロ流路内に少なくとも1個の固定部が形成されたチップを用いる。或いは、マイクロ流路内に、まず、(III)充填物を固定するための少なくとも1個の固定部を形成する。次いで、(I)マイクロ流体デバイスのマイクロ流路に充填物を充填する。充填物は、予め形成された固定部により堰き止められ、流路内に留まる。その後、(II)充填物を固定するための少なくとも1個の固定部を形成する。これにより、流体が流れることができるマイクロ流路に充填物が充填されたマイクロ流体デバイスが製造される。
(I)マイクロ流路に充填物を充填する工程は、従来公知の工程によって行うことができる。例えば、特許第3593525号公報、特開2005−17224号公報、Anal.Chem.2003,75,3250−3255に記載の方法がある。すなわち、充填物を、アスピレーターで吸引したキャピラリーで保持し、充填物を充填物充填口からマイクロチップ内に充填し、その後、水を流すことにより充填物を所定の位置まで移動させる方法である。
上記方法の他に、マイクロ流路の一端をアスピレーターで吸引し、もう一端で充填物を含む懸濁液を吸引することにより、充填物をマイクロ流路内に充填する方法がある。
以下に、マイクロ流体デバイスが、部材(A)及び(B)を含むマイクロチップである場合を例に、固定部の好ましい態様を示す。また、併せて、固定部の製造方法、すなわち、工程(II)及び工程(III)の好ましい態様についても示す。本発明は以下の態様に限定されるものではない。
以下の態様においては、2個以上の固定部の少なくとも1個を、上述の部材(A)又は(B)と一体的に形成された固定部とすることができる。この場合、固定部は、部材(A)又は(B)に設けられた溝内、或いは、部材(A)又は(B)のマイクロ流路となる位置に形成されていることが好ましい。また、2個以上の固定部の少なくとも1個を、部材(A)又は(B)と一体的に形成された固定部以外の固定部とすることができる。すなわち、固定部を、部材(A)又は(B)とは異なる部材を用いて形成することができる。
(第1の態様)
本態様の固定部は、部材(A)又は(B)の少なくともいずれか一方に設けられた孔に挿入された挿入部材からなる。挿入部材は、栓状の部材であることが好ましい。孔は部材(A)又は(B)を貫通している。好ましくは、部材(A)にはマイクロ流路となる溝が形成されており、孔は部材(A)の溝上に設けられている。
孔の形状は、切頭円錐状、円柱状、切頭角錐状、角柱状、切頭半球状などいずれの形状であってもよい。孔の断面模式図を図10(a)〜(d)に示す。孔は、好ましくは、切頭円錐状(図10(a)〜(c))である。例えば、孔が切頭円錐状である場合、図10(a)を用いて説明すると、孔315は、円錐の底面315aが、部材(A)の、部材(A)と部材(B)とが接着している側の面311bと反対の面、すなわちマイクロチップの外面311aに位置するように設けられている。孔の大きさとしては、部材(A)と部材(B)とが接着している側の面(円錐の頂点側315b)の面積が、好ましくは100mm以下、より好ましくは0.00001〜4mm、さらに好ましくは0.0001〜1mmである。また、外面(円錐の底面側315a)の面積が、好ましくは1000mm以下、より好ましくは0.00001〜100mm、さらに好ましくは0.0001〜10mmである。
挿入部材は孔に挿入されており、挿入部材の一部は流路内に突き出ている。流路内に突き出た挿入部材の一部は、流路上において凸部を形成する。凸部の大きさは、孔の大きさと、挿入部材の大きさを変えることで、任意に変更できる。さらに挿入部材が移動しないように、接着剤、充填材、粘土、フィルム等を用いて挿入部材を部材(A)又は(B)に固定すること、また、栓を部材(A)又は(B)に任意の方法で融着、接着等させることにより栓を部材(A)又は(B)に固定することができる。また、挿入部材により孔が完全に塞がれていない場合には、これらを用いて孔を封止することも可能である。
挿入部材の形状としては、例えば、球形、楕円体、直方体、立方体、円錐形、角錐形(三角錐、四角錐など)、円柱形、角柱形、楔形、ワイヤー、バネ、不定形等が挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、球形であり、充填物として用いられるビーズと同様のビーズを用いることができる。挿入部材の材料としては、上述のマイクロ流体システムの材料と同様の材料を用いることができるが、それらに限定されない。好ましくは合成樹脂が用いられる。ゴム弾性を有する合成樹脂を用いることも可能である。挿入部材としてゴム弾性を有する合成樹脂を用いた場合、そのデュロメーター硬度はA20以上であることが好ましく、A30以上であることがより好ましい。デュロメーター硬度が上記範囲未満であると送液時に充填物が挿入部材の変形により流出する場合がある。本発明において、デュロメーター硬度は、JIS K 6253に従って測定した値である。
挿入部材は、孔を通過しないことが好ましい。挿入部材の好ましい最大断面積を図10(a)を用いて説明すると、挿入部材の挿入部分(チップ内に収まる部分)の最大断面積は、好ましくは(円錐の頂点側315bの面積×1.00)〜(円錐の底面側315aの面積)、より好ましくは(円錐の頂点側315bの面積×1.05)〜(円錐の底面側315aの面積)、さらに好ましくは(円錐の頂点側315bの面積×1.10)〜(円錐の底面側315aの面積)である。挿入部材の挿入部分の最大断面積が円錐の頂点側315bの面積より小さい面積である場合、挿入部材の最大高さをマイクロ流路の最大深さより大きくすること、また、上述の接着剤や充填材などを用いて挿入部材を固定することにより、使用できる。本態様における挿入部材の最大断面積とは、孔に挿入部材を挿入する方向に対して垂直となる断面の最大面積をいう。挿入部材の最大高さとは、孔に挿入部材を挿入する方向に対して平行となる高さをいう。
本態様の固定部は、部材(A)又は(B)に設けられた孔に挿入部材を挿入する工程により得ることができる。孔は、部材(A)又は(B)に予め開けられていてもよく、また、部材(A)及び(B)を接着した後に開けてもよい。また、或いは、孔の開いていない部材(A)又は(B)に、挿入部材を刺し込み、孔を開けながら挿入部材を挿入することもできる。孔に栓を挿入する方法は、いずれの方法であってもよく、ピンセットなどを用いて挿入できる。
図1に、固定部として挿入部材を有するマイクロチップの一例の断面模式図を示す。図1のマイクロチップは、マイクロ流路17内に充填物13が充填され、マイクロ流路17上にすり鉢状(切頭円錐状)の孔15を有し、孔15にビーズ16が挿入されている。ビーズ16の一部が孔15を突き抜け、充填物の移動を防止する。
(第2の態様)
本態様の固定部は、可塑性の部材(B)を変形させることにより形成される。可塑性の部材(B)をマイクロ流路に沿って、部材(B)がマイクロ流路内方向に窪むように変形させることにより、流路内に凸部を形成する。好ましくは、部材(A)にはマイクロ流路となる溝が形成されている。窪みが充填物やマイクロ流路内を流れる試料の圧力により、元の平坦な状態に戻らないように、窪みを支持する支持部材を設けることもできる。支持部材の材料は、上述のマイクロチップと同様の材料を用いることができるが、それらに限定されない。また、支持部材の支持部は、充填物の流出を防止するための十分な高さを有していることが好ましい。支持部材の支持部の形状は、部材(B)に接触する部分に角のない形状であることが好ましい。具体的には、半円筒形や半球形の突起であることが好ましく、後述する先端の丸い棒の曲率と同程度の曲率を有する半円筒形や半球形の突起であることがより好ましい。
可塑性の部材(B)は、デュロメーター硬度がA20以上であることが好ましく、A30以上であることがより好ましい。デュロメーター硬度が上記範囲未満であると充填物が流出する場合がある。
本態様の固定部は、可塑性の部材(B)を変形させる工程により得ることができる。変形させる方法は、例えば、先端の丸い棒で部材(B)の必要とされる箇所を、マイクロ流路内に押し込む方法があるが、これに限定されない。棒の材料としては、合成樹脂材料、金属材料、無機材料等が挙げられ、部材(B)より硬い材料が好ましく用いられる。棒の先端の曲率は、流路の幅rに対して1/(0.1r)〜1/(15r)であることが好ましく、1/(0.5r)〜1/(10r)であることがより好ましく、1/r〜1/(5r)であることがさらに好ましい。この際、棒の直径又は圧力を変えることで、窪み205の深さ、すなわち、凸部の高さを変えることができる。また、任意の支持部材は、部材(B)と、支持部材を固定するための治具との間に挟むことにより設けることができる。
図2に、固定部として部材(B)を窪ませることにより形成された凸部を有するマイクロチップの一例の断面模式図を示す。図2のマイクロチップは、マイクロ流路27内に充填物23が充填され、マイクロ流路27内に部材(B)を変形させてなる凸部28を有する。図3に、本態様の他の一つである支持部材を有するマイクロチップの一例の断面模式図を示す。図3のマイクロチップは、マイクロ流路37内に充填物33が充填され、マイクロ流路37内に部材(B)を変形させてなる凸部38を有し、凸部38は支持部材39によって押さえられている。支持部材の支持部39aの形状は、角のない半円筒形である。
(第3の態様)
本態様の固定部は、マイクロ流路内に注入した組成物を硬化させた硬化物からなる。好ましくは、部材(A)又は(B)の少なくともいずれか一方に設けられた孔内に注入した組成物を硬化させた硬化物からなる。孔は部材(A)又は(B)を貫通している。好ましくは、部材(A)にはマイクロ流路となる溝が形成されており、孔は部材(A)の溝上に設けられている。組成物を硬化させた硬化物は、流路内に凸部を形成する。孔の形状、大きさ等は、上述の通りである。本態様においては、孔に代え、分岐した流路を通じて組成物を注入し、凸部を形成することもできる。
組成物としては、孔に注入され得る程度の流動性があり、また、硬化することにより充填物を固定し得る強度を有する硬化物となる組成物を用いることができる。例えば、第7の態様として後述する光硬化性組成物、熱硬化性樹脂組成物などである。また、組成物として従来公知の接着剤を用いることができる。
接着剤としては、無機系接着剤、有機系接着剤のいずれも使用可能である。有機系接着剤としては、熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、エラストマー系などいずれを用いてもよい。本発明においては、例えば、エポキシ系、シアノアクリレート系、イソシアネート系、酢酸ビニル系を用いることが好ましいが、これらに限定されず、部材の材料に応じて適当な接着剤を用いることができる。組成物は、マイクロ流路内に凸形状の硬化物を形成することができ、かつ、マイクロ流路を完全に塞ぐことがない適当な粘度を有していることが好ましい。
本態様の固定部は、部材(A)又は(B)に設けられた孔に組成物を注入し、次いで組成物を硬化させる工程により得ることができる。注入には、ピペット等を用いることができる。硬化温度は、組成物の硬化する温度であればよいが、部材(A)又は(B)が変形しない温度とする。
図4に、固定部として組成物の硬化物を有するマイクロチップの一例の断面模式図を示す。図4のマイクロチップは、マイクロ流路47内に充填物43が充填され、マイクロ流路47上にすり鉢状(切頭円錐状)の孔45を有し、孔45内に硬化物46を有する。硬化物46の一部が孔45を突き抜け、充填物の移動を防止する。
(第4の態様)
本態様の固定部は、マイクロ流路内に注入した組成物(第3の態様の組成物と同じ)を硬化させた硬化物からなり、硬化物がマイクロ流路内の充填物の一部に接着している。好ましくは、部材(A)又は(B)の少なくともいずれか一方に設けられた孔内に注入した組成物を硬化させた硬化物からなる。孔は部材(A)又は(B)を貫通している。好ましくは、部材(A)にはマイクロ流路となる溝が形成されており、孔は部材(A)の溝上に設けられている。組成物を硬化させた硬化物は、流路内に凸部を形成する。本態様においては、組成物により、充填物が部材(A)又は(B)に接着している。孔の形状、大きさ等は、上述の通りであり、組成物も上述の組成物を用いることができる。また、孔に代え、分岐した流路を通じて組成物を注入し、凸部を形成することもできる。
本態様の固定部は、部材(A)又は(B)に設けられた孔に組成物を注入し、次いで組成物を硬化させ、充填物と部材(A)又は(B)とを接着する工程により得ることができる。組成物の注入方法、硬化条件は上述の通りである。組成物を注入する際には、マイクロ流路の断面方向の一部に試料が流れるための空間が存在するように、組成物の粘度を調節する。
図5に、固定部として組成物の硬化物を有するマイクロチップの一例の断面模式図を示す。図5のマイクロチップは、マイクロ流路57内に充填物53が充填され、マイクロ流路57上にすり鉢状(切頭円錐状)の孔55を有し、孔55内に組成物の硬化物56を有する。硬化物56の一部が孔を突き抜け、充填物の一部53aと部材(A)51とを接着し、充填物53の移動を防止する。
(第5の態様)
本態様の固定部は、マイクロ流路内に完全に挿入された挿入部材により形成される。マイクロ流路の断面の形状は上述した形状いずれであってもよい。また、挿入部材の形状は上述した形状いずれであってもよい。マイクロ流路と挿入部材の組み合わせは、マイクロ流路に挿入部材を完全に挿入し、流体を上述の線流速でマイクロ流路に流した場合に、挿入部材が充填物を固定し得る組み合わせを選択すればよい。挿入部材の最大断面積は、マイクロ流路に試料が流れることが可能な面積であり、具体的には、マイクロ流路の断面積に対して、10〜90%の面積であることが好ましく、15〜50%の面積であることがより好ましい。好ましくは、断面が矩形のマイクロ流路と、矩形の短辺よりも大きい直径を有するビーズの組み合わせである。この場合において、ビーズの直径は、矩形の短辺に対して1〜10%大きいことが好ましく、1〜5%大きいことがより好ましい。この場合、ビーズは、マイクロ流路に挿入できる程度に変形する材料からなることが好ましい。マイクロ流路内に挿入された挿入部材により、充填物の移動が防止される。挿入部材の材料としては、上述のマイクロチップの材料と同様であり、特に限定されないが、ゴム弾性を有する合成樹脂であることが好ましい。また、マイクロチップ自体が、ゴム弾性を有する合成樹脂であってもよい。さらに、本態様において、挿入部材としてワイヤーなどの線状の形状を有する部材を用いることも可能であるが、充填物の固定が難しいという点から、マイクロ流体デバイスの使用の態様によってはワイヤーを用いないことが好ましい場合もある。
本態様の固定部は、マイクロ流路内に挿入部材を挿入する工程により得ることができる。挿入部材は、試料導入口などから流路内に挿入することが可能である。挿入部材は、例えばワイヤーで流路内に押し入れることができる。
(第6の態様)
本態様の固定部は、マイクロ流路内に完全に挿入された熱又は光に反応して膨張した挿入部材により形成される。マイクロ流路内に挿入された挿入部材により、充填物の移動が防止される。挿入部材としては、例えば、Akzo Nobel Surface Chemistry AB社製エクスパンセル(登録商標)を用いることができるが、これに限定されない。
本態様の固定部は、マイクロ流路内に膨張する前の挿入部材を挿入し、加熱又は活性光線を照射する工程により得ることができる。挿入部材は、試料導入口などから流路内に挿入することが可能である。栓は、例えばワイヤーで流路内に押し入れることができる。
(第7の態様)
本態様の固定部は、光硬化性化合物(例えば、反応性モノマー、反応性オリゴマー、反応性ポリマー)及び光硬化開始剤を含む組成物を硬化させた硬化物により形成することができる。光硬化性化合物としては、アクリルアミド、アクリレート、メタクリレート、ビニル系モノマー等が挙げられる。光硬化開始剤としては、水溶性光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商品名:イルガキュア2959(登録商標))等が挙げられる。
本態様の固定部は、マイクロ流路内に上記組成物を注入し、活性光線を照射する工程により得ることができる。組成物は、試料導入口などから流路内に注入することが可能である。
組成物を流路の任意の部分に、流路を塞ぐ量注入し、組成物が注入された流路の任意の面に活性光線を照射することにより、流路の活性光線照射側の面のみに凸形状の硬化物を形成させることができる。硬化物により充填物の移動が防止される。このとき、流路に注入された組成物全体が硬化することがないように、光硬化開始剤の濃度を高くすることが好ましい。光硬化開始剤の濃度としては、光硬化性化合物に対して、3〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜10重量%である。組成物が注入された流路の活性光線照射部分のみ硬化させることで、凸部を形成し充填物の移動を防止できる。
本発明においては、固定部は、流体が流れることができるマイクロ流路の如何なる場所にも作成することができ、必要に応じて幾つでも作成することができる。1つの流路の片側もしくは両側の複数カ所に設置することができる。また、1つのマイクロ流体デバイスが同種の固定部を複数有することも、また、異種の固定部を複数有することも可能である。
以上、2つの部材(板状部材又はフィルム状部材)により形成された流路を有するマイクロ流体デバイスの好ましい態様を示したが、マイクロ流体デバイスとしてキャピラリー、チューブを用いた場合にも同様に固定部を設けることが可能である。
本発明のマイクロ流体デバイス及びその製造方法によれば、充填物が流出することなく、液溜まり等のデッドボリュームが少ないマイクロ流体デバイス、及び、その簡便な製造方法が提供される。さらに、マイクロ流体デバイス及びその製造方法に用いる、部材(A)と部材(B)との接着体、また、挿入部材が提供される。
本発明について実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図6は、実施例1において作成した固定部の流路に対して垂直方向の断面を示す写真である。この固定部の作成方法を次に示す。
金型を用いた射出成形により、溝(幅550μm、深さ550μm)及び一体型の凸部(流路方向の長さ500μm、流路断面方向の長さ550μm、高さ200μm)、基板111の流路117上に、チップ外側面の直径が2mm、流路側の面の直径が600μmである切頭円錐状の孔115を有するPMMA製の基板111(4cm×3cm×1.5mm)を作製した。基板の溝を有する側の面に、PMMA製のフィルム112(4cm×3cm×50μm)を積層し、真空加熱プレス機(400kg重圧)を用いて、真空中、100℃で30秒間、加熱圧着した。これにより、基板111とフィルム112とが接着したマイクロチップが得られた。この孔115のチップ外側面から、直径770μmの球状のポリスチレンビーズ(DukeScience社製)116 1個をピンセットを用いて挿入した。その後、孔に接着剤(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ社製、商品名 アラルダイト ラピッド、型番 AR−R30、エポキシ系接着剤)をピペットにより注入し25℃、3時間静置することにより硬化させた。これにより、幅550μm、深さ550μmの流路に、幅550μm、高さ170μmの凸部(固定部構造)が形成された。
(実施例2)
実施例1と同様に、部材の流路上に、チップ外側面の直径が2mm、流路側の面の直径が600μmである切頭円錐状の孔を有する基板とフィルムとが接着したマイクロチップを得た。マイクロチップの流路の両端に、接着剤を用いてキャピラリーを接続した。一端のキャピラリーを吸引しながら、もう一端のキャピラリーからビーズ(Duke Science社製、直径500μmの球状ポリスチレンビーズ)懸濁液を吸引し、ビーズを一つずつマイクロ流路内に充填した。充填されたビーズは基板に設けられた凸部によってマイクロ流路内に留められた。その後、実施例1の凸部を形成することにより、ビーズが充填され固定されたマイクロチップを得た。このマイクロチップに純水を流速3.3cm/秒で流したところ、ビーズは2個の凸部の間から流出することがなかった。また、液溜まりも生じなかった。
(実施例3)
図7は、実施例3において作成したマイクロチップの一部の流路に対して平行方向の断面を示す写真である。この凸部の作成方法を次に示す。
実施例1と同様に、基板121とフィルム122とが接着したマイクロチップを得た。実施例2と同様にマイクロ流路127内にビーズ123を充填した。その後、基板121に設けられた凸部と反対の端のフィルムのビーズ未充填部分を、ボールペン(ZEBBRA製、商品名:Rubber80、型番:R−8000)を用いて150g重の圧力で、流路方向へ押し込んだ。これにより、フィルムは流路方向へ窪み、幅550μm、深さ550μmの流路に、流路方向の長さ5mm、流路断面方向の長さ550μm、高さ100μmの凸部(固定部構造)128が形成された。
このマイクロチップに純水を流速3.3cm/秒で流したところ、ビーズは2個の凸部の間から流出することがなかった。また、液溜まりも生じなかった。
(実施例4)
図8は、実施例4において作成した固定部の流路に対して平行方向の断面を示す写真である。この固定部の作成方法を次に示す。
実施例1と同様に、基板131とフィルム132とが接着したマイクロチップを得た。次いで、基板131の流路137上に、流路側の面の直径が600μmである切頭円錐状の孔135を作成した。この孔135のチップ外側面から接着剤(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ製、商品名 アラルダイト ラピッド、型番 AR−R30、エポキシ系接着剤)を、接着剤がマイクロ流路内に凸部を形成するように、ピペットを用いて注入した。その後、25℃60分間静置することにより接着剤を硬化させた。これにより、幅550μm、深さ550μmの流路に、流路方向の長さ1180μm、流路断面方向の長さ550μm、高さ440μmの接着剤硬化物からなる凸部(固定部構造)138が形成された。
(実施例5)
実施例1の凸部に代え実施例4の凸部を形成した他は、実施例2に記載の方法と同様にしてマイクロチップを得た。このマイクロチップに純水を流速3.3cm/秒で流したところ、ビーズは2個の凸部の間から流出することがなかった。また、液溜まりも生じなかった。
図1は、固定部として挿入部材を有するマイクロ流体デバイスの一例の断面模式図である。 図2は、固定部として部材(B)を窪ませることにより形成された凸部を有するマイクロ流体デバイスの一例の断面模式図である。 図3は、固定部として部材(B)を窪ませることにより形成された凸部、及び凸部を支持する支持部材を有するマイクロ流体デバイスの一例の断面模式図である。図3(a)はマイクロ流体デバイスの長手方向の断面模式図、図3(b)はマイクロ流体デバイスの短手方向の断面模式図である。 図4は、固定部として組成物の硬化物を有するマイクロ流体デバイスの一例の断面模式図である。 図5は、固定部として組成物の硬化物を有するマイクロ流体デバイスの一例の断面模式図である。 図6は、実施例1において作成した固定部の流路に対して垂直方向の断面を示す写真である。 図7は、実施例3において作成したマイクロチップの一部の流路に対して平行方向の断面を示す写真である。 図8は、実施例4において作成した固定部の流路に対して平行方向の断面を示す写真である。 図9(a)及び(b)は、従来公知のマイクロチップの例を示す平面及び断面模式図である。 図10(a)〜(d)は、部材(A)及び(B)を有するマイクロ流体デバイスに設けられた孔の形状の例を示す断面模式図である。 図11(a)〜(c)は、固定部により充填物が固定されたマイクロ流体デバイスの例を示す模式図である。図11(a)及び(b)は分岐していないマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイス、図11(c)は分岐しているマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスの例である。
符号の説明
11、21、31、41、51、111、121、131、211、221、311、321、331、341 部材(A)
12、22、32、42、52、112、122、132、212、222、312、322、332、342 部材(B)
13、23、33、43、53、123、413、423、433 充填物
14、24、34、44、54 部材(A)と一体的に形成された固定部
15、45、55、115、135、315、325、335、345 孔
16、116 ビーズ
17、27、37、47、57、117、127、137、217、227、317、327、337、347、417、427、437 マイクロ流路
18、28、38、48、58、118、128、138 凸部
39 支持部材
39a 支持部
46、56、119、136 硬化物
53a 部材(A)に接着した充填物
214、224 試料導入口
X マイクロチップの長手方向
Y マイクロチップの短手方向
311a、321a、331a、341a マイクロチップの外面
311b、321b、331b、341b 部材(A)と部材(B)とが接着している側の面
315a、325a、335a、345a 円錐の底面側
315b、325b、335b、345b 円錐の頂点側
414、424、434 固定部
414a、424a、434a 固定箇所

Claims (17)

  1. 流体が流れることが可能なマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスであって、前記マイクロ流路内に充填物を含み、前記充填物が前記マイクロ流路内において2個以上の固定部により2箇所以上で固定され、
    固定部の少なくとも1個が、マイクロ流路内に形成された凸部であり、
    マイクロ流体デバイスがマイクロチップであり、それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材を含み、
    それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材として、マイクロ流路を形成する溝を有する部材(A)、及び部材(A)の溝を有する面に接着した部材(B)を含み、
    部材(A)又は部材(B)の少なくともいずれか一方が孔を有し、前記固定部の少なくとも1個が、前記孔に挿入された挿入部材であるマイクロ流体デバイス。
  2. 流体が流れることが可能なマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスであって、前記マイクロ流路内に充填物を含み、前記充填物が前記マイクロ流路内において2個以上の固定部により2箇所以上で固定され、
    固定部の少なくとも1個が、マイクロ流路内に形成された凸部であり、
    マイクロ流体デバイスがマイクロチップであり、それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材を含み、
    それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材として、マイクロ流路を形成する溝を有する部材(A)、及び部材(A)の溝を有する面に接着した部材(B)を含み、
    前記固定部の少なくとも1個が、部材(B)を変形させることにより形成されたマイクロ流体デバイス。
  3. 流体が流れることが可能なマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスであって、前記マイクロ流路内に充填物を含み、前記充填物が前記マイクロ流路内において2個以上の固定部により2箇所以上で固定され、
    固定部の少なくとも1個が、マイクロ流路内に形成された凸部であり、
    マイクロ流体デバイスがマイクロチップであり、それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材を含み、
    それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材として、マイクロ流路を形成する溝を有する部材(A)、及び部材(A)の溝を有する面に接着した部材(B)を含み、
    部材(A)又は部材(B)の少なくともいずれか一方が孔を有し、前記固定部の少なくとも1個が、前記孔に注入された組成物を硬化させた硬化物であるマイクロ流体デバイス。
  4. 流体が流れることが可能なマイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスであって、前記マイクロ流路内に充填物を含み、前記充填物が前記マイクロ流路内において2個以上の固定部により2箇所以上で固定され、
    固定部の少なくとも1個が、マイクロ流路内に形成された凸部であり、
    マイクロ流体デバイスがマイクロチップであり、それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材を含み、
    それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材として、マイクロ流路を形成する溝を有する部材(A)、及び部材(A)の溝を有する面に接着した部材(B)を含み、
    部材(A)又は部材(B)の少なくともいずれか一方が孔を有し、前記固定部の少なくとも1個が、前記孔に注入された組成物を硬化させた硬化物であり、充填物が前記硬化物により部材(A)又は部材(B)に接着されたマイクロ流体デバイス。
  5. 充填物が粒子である請求項1〜4いずれか記載のマイクロ流体デバイス。
  6. それぞれが板状又はフィルム状である2個以上の部材が、それぞれ、樹脂材料、金属材料、及び無機材料からなる群より選択される材料を用いて作製された請求項1〜5いずれか記載のマイクロ流体デバイス。
  7. 固定部の少なくとも他の1個が、部材(A)又は部材(B)と一体的に形成された請求項1〜6いずれか記載のマイクロ流体デバイス。
  8. 部材(B)が、可塑性の部材である請求項1〜7いずれか記載のマイクロ流体デバイス。
  9. 部材(B)の厚さが、10〜500μmである請求項1〜8いずれか記載のマイクロ流体デバイス。
  10. 部材(B)が、ポリメチルメタクリレートフィルムである請求項1〜9いずれか記載のマイクロ流体デバイス。
  11. 孔が切頭円錐状の孔である請求項1、3及び4いずれか記載のマイクロ流体デバイス。
  12. 挿入部材が、樹脂材料、金属材料及び無機材料からなる群より選択される材料を用いて作製された請求項1記載のマイクロ流体デバイス。
  13. 請求項1〜4いずれか記載のマイクロ流体デバイスを製造する方法であって、(I)前記マイクロ流路内に充填物を充填する工程、(II)前記固定部の少なくとも1個を前記マイクロ流路内に形成する工程を、工程(I)、工程(II)の順で含むことを特徴とするマイクロ流体デバイスの製造方法。
  14. 請求項1記載のマイクロ流体デバイスを製造する方法であって、工程(II)が、前記孔に挿入部材を挿入する工程である請求項13記載のマイクロ流体デバイスの製造方法。
  15. 請求項2記載のマイクロ流体デバイスを製造する方法であって、工程(II)が、部材(B)を変形させる工程である請求項13記載のマイクロ流体デバイスの製造方法。
  16. 請求項3記載のマイクロ流体デバイスを製造する方法であって、工程(II)が、前記孔に組成物を注入し、次いで組成物を硬化する工程である請求項13記載のマイクロ流体デバイスの製造方法。
  17. 請求項4記載のマイクロ流体デバイスを製造する方法であって、工程(II)が、前記孔に組成物を注入し、次いで組成物を硬化し、充填物を部材(A)又は部材(B)に接着する工程である請求項13記載のマイクロ流体デバイスの製造方法。
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