JP2005257597A - ビーズ担体充填式マイクロチップおよびそれを用いたビーズ担体の配置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流路のデザインによりビーズ担体の配置制御を図ることにより、煩雑な操作を必要とせずに、ビーズ担体が任意の充填エリアにおいて均一かつ安定な配置をとることができるビーズ担体充填式マイクロチップおよびそれを用いたビーズ担体の配置方法を提供する。
【解決手段】 ビーズ担体10を導入するための導入口1と、導入口1に連通する少なくとも1の充填エリア2とを備え、少なくとも充填エリア2の上流側4の内壁に突起構造を有し、下流側にビーズ担体の粒径より狭い流路幅の排出口5を有するビーズ担体充填式マイクロチップおよび、ビーズ担体10と液体の混濁液を導入口1に導入し、充填エリア2にビーズ担体10を充填させた後、排出口5より液体を導入するか、あるいは重力の作用により流路内の流れを逆流させ、充填エリア2を越えて存在するビーズ担体を除去するビーズ担体の配置方法である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ビーズ担体充填式マイクロチップおよびそれを用いたビーズ担体の配置方法に関し、詳しくは、ビーズ担体が任意の充填エリアにおいて均一かつ安定な配置をとることを可能とするビーズ担体充填式マイクロチップおよびそれを用いたビーズ担体の配置方法に関する。
ビーズ担体を任意の充填エリアにおいて均一かつ安定な配置とすることは、生体材料を反応エリアに固定する必要のある多チャネルセンサ、微小流体分析装置でカラムを充填する分析装置、および酵素を固定した流路に基質溶液を流すことによる酵素反応生成リアクタなどを実現する際に重要となってくる。
例えば、最近、非特許文献1に、生体材料を反応エリアに固定する必要のある多チャネルセンサとして、イムノアッセイ・マイクロチップを用いて大腸がんの代表的マーカーとして知られるがん胎児性抗原(CEA)の分析を行うことが可能となったことが報告されている。かかる分析では、7cm×5cmのマイクロチップ内部に作製した幅250μm、深さ100μmのチャネルに、抗体を吸着させた直径45μmのポリスチレンビーズを堰き止め、ここに血清試料を導入して抗原抗体反応させた後、順次抗体試薬などを加えて反応させ、これを熱レンズ顕微鏡で検出するものである。このシステムにより、従来では2日程度かかっていた分析時間を30分あまりにまで短縮できたうえ、従来のELISA法と比べ2けた近い高感度化を達成することができるようになり、さらに、ELISA法ときわめて高い相関を示したことから、実用性も充分に高いと考えられると報告されている。
また、酵素反応生成リアクタとしては、マイクロチャネル表面をシラン処理することにより多孔質構造を形成させ、そこに効率よく酵素を固定化する方法が開発された(非特許文献2)。この方法を用いて作製した酵素固定化マイクロリアクタでは、バルク方式と比べて反応効率が格段に向上することが報告されている。
さらに、微小流体分析装置は、試薬の消費量の低減、物質移動や熱伝導効率の改善、分析システムの統合化及び並列化など多くの利点を有するため、近年、この分野の研究が盛んに行われており、微小流体分析装置の機能性が向上している。
ところで、これまでマイクロデバイス等においてビーズ担体を均一に配置する提案はほとんどなく、研究室レベルでは担体を個々に操作して配置していたが、これでは多大な労力を伴い、産業化に結びつけることはできなかった。例えば、従来の微小流体分析装置に用いられるマイクロチップへのビーズ担体の充填方法として、研究室レベルでは主にスポイト、ピンセット等を用いて配置する方法が採用されている。
他に、図19に示すような分岐構造を利用するビーズ担体の充填方法も知られている。この充填方法では、充填流路31からビーズ担体30を流し込み、充填エリア32に十分な量のビーズ担体30が充填されると余分なビーズ担体30が分岐流路33側に流れていき排出され、これにより、充填エリア32に所定量のビーズ担体30が充填されることになる。
また、特許文献1では、ビーズのような充填材料を小型化レベルで効果的に交換することのできるオンチップ充填反応床設計による装置および方法が報告されており、これによると、ビーズ担体を捕捉する主要通路と担体を導入するための流路とを設け、担体を一定量補足するために、担体を物理的に留めるための堰を設け、また、溶媒を使用して担体の凝集および安定化をはかることによりビーズ担体を補足することが提案されている。
「現代化学」2002年7月号第18頁 M.Miyazaki,J.Kaneno,M.Uehara,M.Fujii,H.Shimizu,and H.Maeda,Chem. Commun.,(2003),648-649 特表2003−515167号(特許請求の範囲等)
しかしながら、従来の方法において、ビーズ担体を任意の充填エリアに均一かつ安定な配置をとるようにすることは、必ずしも容易ではなかった。
例えば、図19に示す方法の場合、ビーズ担体30を充填させた後に流す基質や洗浄剤等の溶液が分岐流路33側に拡散してしまうという問題がある。また、ビーズ担体30が充填エリア32に固定されていないので、逆流し、充填エリア32において安定した配置をとることができないという問題もある。
また、特許文献1に記載されている方法の場合には、担体を導入するために主要通路以外の流路を設けたことにより、反応溶液のその流路への進入より捕捉させたい担体の量と、実際に導入する担体の量とが一致せず、担体を必要以上に導入する可能性がある。また、特許文献1に記載の方法においては、使用した担体の交換が可能であることを特徴としているが、現在では、使い捨てセンサのニーズが高く、交換の必要性は殆どない。
そこで、本発明の目的は、流路のデザインによりビーズ担体の配置制御を図ることにより、従来要していたような煩雑な操作を必要とせずに、ビーズ担体が任意の充填エリアにおいて均一かつ安定な配置をとることができるビーズ担体充填式マイクロチップおよびそれを用いたビーズ担体の配置方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、充填エリアの上流側の内面に微細な突起構造を有し、下流側にビーズ担体の粒径より十分に狭い流路幅の排出口を設けたマイクロチップ構造とすることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のビーズ担体充填式マイクロチップは、ビーズ担体を導入するための導入口と、該導入口に連通する少なくとも1の充填エリアとを備えたビーズ担体充填式マイクロチップにおいて、少なくとも前記充填エリアの上流側の内壁に突起構造を有し、下流側にビーズ担体の粒径より狭い流路幅の排出口を有することを特徴とするものである。
また、本発明のビーズ担体の配置方法は、上記ビーズ担体充填式マイクロチップを使用して、ビーズ担体と液体の混濁液を前記導入口に導入し、
前記充填エリアにビーズ担体を充填させた後、前記排出口より液体を導入するか、あるいは重力の作用により流路内の流れを逆流させ、前記充填エリアを越えて存在するビーズ担体を除去することを特徴とするものである。
本発明のビーズ担体充填式マイクロチップの導入口に、ビーズ担体と液体の混濁液を流し込むときは、ビーズ担体が任意濃度にて流れるため、上記突起構造がビーズ担体の流れに影響することはない。このため、ビーズ担体は充填エリアに円滑に充填されていくことになる。十分にビーズ担体が充填エリアに充填された後、排出口より液体を導入するか、あるいは重力の作用により流路内の流れを逆流させると、充填状態にあるビーズ担体の急激な逆流の結果、上記突起構造の部分にビーズ担体が詰まり、逆流による力が突起構造により流路壁面に分散されてしまうため、突起構造の部分のビーズ担体は物理的に留まることになる。これにより、一定量のビーズ担体を所定の場所に均一かつ安定して配置することが可能となる。
本発明によれば、従来必要としていたような煩雑な操作を必要とせずに、ビーズ担体が任意の充填エリアにおいて均一であり、また、配置されたビーズ担体は物理的に留まっているため極めて安定しており、ビーズ担体を配置させたマイクロチップの運搬や操作によってもその配置が乱れることはない。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の好適例であるビーズ担体充填式マイクロチップにビーズ担体を充填する方法を模式的に示す平面図である。図1に示すビーズ担体充填式マイクロチップは、ビーズ担体10を導入するための導入口1と、この導入口1に連通する充填エリア2とを備えている。充填エリア2の上流側の流路4は、内壁に突起構造が形成されている。一方、下流側にはビーズ担体の粒径より十分に狭い流路幅の排出口5が設けられている。
図2は本発明の他の好適例であるビーズ担体充填式マイクロチップにビーズ担体を充填する方法を模式的に示す平面図である。尚、図中の符号は図1に示すものに対応する。図2に示すビーズ担体充填式マイクロチップでは、充填エリア2の上流側の流路4以外の領域の流路幅が流路4よりも大きくなっており、より多くのビーズ担体を充填エリア2に充填することが可能となっている。よって、充填すべきビーズ担体の量が多い場合には、図2に示すビーズ担体充填式マイクロチップが好ましい。
ここで、突起構造の各突起高さは、好ましくはビーズ担体の直径未満とする。上記混濁液の流入を円滑にするためである。更に、突起構造は不規則な凹凸により形成されていることが好ましく(以下「ラフネス構造」という)、あるいは内壁に形成された対向する一対の凸部であってもよい。
本発明のビーズ担体の配置方法の一例として、例えば、図1または図2に示すビーズ担体充填式マイクロチップにビーズ担体を導入するにあたっては、先ず、ビーズ担体10と液体の混濁液をポンプ等を用いて導入口1に導入する。その際、かかる混濁液を充填エリア2にのみ誘導するために、流路3は閉鎖しておく。懸濁液が充填エリア2に導入されると、液体のみ排出口5を介して排出され、一方、ビーズ担体10の粒径は排出口5の流路幅よりも大きいことから充填エリア2内に留まることになる。
ビーズ担体10が充填エリア2内に十分に充填されたら、導入口1を閉鎖し、流路3を開き、次いで、排出口5より液体を導入するか、あるいは重力の作用により流路内の流れを逆流させる。これにより、充填エリア2を越えて存在する過剰のビーズ担体10は流路3を介して除去されることになる。しかし、充填エリア2内に充填されていたビーズ担体10はラフネス構造の流路4において詰まり、逆流による力がラフネス構造により流路壁面に分散されてしまうため、ラフネス構造の流路4のビーズ担体は物理的に留まることになる。排出口から液体を導入した際のラフネス構造による作用の説明図を図3に示す。図3に示すように、ビーズが充填エリアに留まるためには液体の流れる力Aが分散され、力のかかる方向が流路壁面方向になればよい。ラフネス構造により反作用の力が働き、ビーズ担体が留まることになる。これにより、一定量のビーズ担体10が充填エリア2内に均一かつ安定して配置されることになる。
流路4のラフネス構造は、OHPシートマスク使用による流路壁面の粗さとすることができる。図4にラフネス構造を有するマイクロチップの製造工程を示す。先ず、図4(a)に示すように、フォトレジスト21をシリコンウエハ22上に塗布し、OHPシートマスク23を通して、紫外線24の照射を行う。次に、現像を行うことで図4(b)に示すように壁面にラフネス構造を有するマスター25を得ることができる。次に、このマスター25上にポリジメチルシロキサン(PDMS)プレポリマーを流し込むことにより図4(c)に示すようなマイクロチップを得ることができる。レジストパターンは任意の透明または不透明のデザインがされているマスクとUV照射装置によって、任意のパターンを露光し現像を行うことにより作製するため、シートマスクの精度がチップの精度にそのまま反映され、ラフネス構造を有するマイクロチップを作製することができる。また、OHPシートマスクの代わりに、電子ビーム(EB:electron beam)マスクも好適に使用することができる。EBマスクを使用することにより規則性のあるラフネス構造を得ることが可能となり、ラフネス構造の高さ(図5中のLA)も任意に決定することができる。
図5に模式的に示すラフネス構造は、好ましくは流路壁面に対する垂直高さLAの平均がビーズ担体の直径未満とする。これにより、混濁液の流入を円滑にすることができる。
本発明においては、例えば、特許文献1に記載されている担体配置方法や図19に示す従来の充填方法に用いられている充填エリアの上流側壁面に本発明に係るラフネス構造を設けることによっても、安定したビーズ配置が可能となる。
また、図6に本発明の更に他の好適例を示す。この好適例では、突起構造が内壁に形成された対向する一対の凸部により形成されている。尚、図中の符号は図1に示すものに対応する。この好適例ではラフネス構造を有していないが、ラフネス構造と同様の作用を有することが期待できる。
図7に示す各流路の幅WA、WB、WC、WD、流路長さおよび流路深さはビーズ担体10の粒径および分析条件に応じ適宜決定されることになるが、WBがビーズ担体10の直径以上3倍未満であることが好ましい。WBがビーズ担体の直径未満である場合、混濁液としてのビーズ担体10の導入が困難となり、一方、ビーズ担体の直径の3倍以上である場合、排出口5から液体を流しビーズ担体を留める際に安定した配置をとることができなくなる。
図8は、図6に示すビーズ担体充填式マイクロチップの、対向する一対の凸部の流路の幅WEを示す。この幅WEもビーズ担体10の粒径および分析条件に応じ適宜決定されることになるが、上記と同様に、ビーズ担体10の直径以上3倍未満であることが好ましい。
ビーズ担体10としては、例えば、抗体等の生体材料が固定され得るポリスチレンビーズで、平均粒径が1〜100μmのものを好適に使用することができる。また、ビーズ担体10を混濁させる混合液中のビーズ担体10と液体の割合(以下、「濃度」とする)および使用する液体の種類も抗体等の条件により適宜定められることになる。かかる液体としては、例えば、PBS(phosphate buffered saline:リン酸緩衝食塩水)緩衝液が挙げられ、また、濃度としては、好ましくは0.01〜1%(v/v)である。
また、多チャネルを有するマイクロチップに種類の異なる生体材料を固定したビーズ担体を順番に充填することにより、多項目検出センサの開発が可能となる。かかる多チャネルを有するマイクロチップとしては、図9に示すタイプのもの、更には図10に示すタイプのものを挙げることができ、いずれの場合もチャネル数は適宜定めることができる。尚、図中の符号は夫々図1に示すものに対応する。
更に、本発明においてはビーズ担体を一定量均一に任意の場所に配置できるため、生体材料を反応エリアに固定する必要がある多チャネルセンサにおいて、固定された生体材料のチャネル間での量的な差がなくなり、定性ではなく、定量的な検出が可能となる。
また、微小流体分析装置で、カラムを充填する分析装置、酵素を固定した流路に基質を流すことにより酵素反応生成リアクタを実現することが可能となる。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
実験例1
図4に示した製造工程に従い、マイクロチップを作製した。イラストレータのデータを解像度800dpiで(株)サイテックス社のブリスクプリンターで出力することによりOHPシートマスク、(株)エリオニクス社のELS−3300にてEBマスクを作製し、得られたマスクを用いマイクロチップを作製した。OHPシートマスクは精度が悪いので作製したPDMSチップの流路壁面はラフネス構造になってしまう。一方、EBマスクは電子ビーム描画により作製されているため非常に精度がよく、作製したPDMSチップの流路壁面はラフネス構造にならない。ただし、EBマスクを使用してPDMSチップを作製する場合には、意図的に流路壁面をラフネス構造にすることも可能である。
図11はOHPシートマスクの顕微鏡写真である。これにより気泡のようなものが観察され、また、フィルムの透明部分と非透明部分の境界部分の粗さは1.6μmであることが分かる。また、図12はOHPシートマスクを使用して作製したマイクロチップの顕微鏡写真を示す。これにより流路壁面全体が4μm程度の粗さを有していることが分かる。更に、図13はEBマスクを使用して意図的に高さ(図5中のLA)が2.7μmである規則性のある構造を有するように作製したマイクロチップの顕微鏡写真を示す。これによりEBマスクはOHPシートマスクと比較して非常に精度がよく、光学レベルで「粗さ」が見られないことから、意図的に流路壁面をラフネス構造にすることも可能であることが確認された。
実験例2
図2に示すタイプのビーズ担体充填式マイクロチップにおいて、各流路の幅(図7参照)を夫々WA:500μm、WB:100μm、WC:250μmおよびWD:30μmとし、流路深さを120μmとした。また、ビーズ担体としては、平均粒径45μmのポリスチレンビーズを使用した。さらに、流路4のラフネス構造は、OHPシートマスクを使用することによる流路壁面の粗さとした。
まず、流路3を閉鎖し、ビーズ担体濃度が0.1%(v/v)であるビーズ担体10とPBS緩衝液との混濁液を導入口1から流路4へと導入した。その結果、充填エリア2に十分な量のビーズ担体が充填され、さらに、充填させたい充填エリア2を越えてビーズ担体10が充填された(図14に示す顕微鏡写真図参照)。
次に、導入口1を閉鎖し、流路3を開いた後、排出口5よりPBS緩衝液を導入し、流路内の流れを逆流させた。その結果、充填エリア2を越えて配置されていたビーズ担体10はすべて除去され、充填エリア2に均一にビーズ担体が充填された(図15に示す顕微鏡写真図参照)。
実験例3
図9に示すタイプの多チャネルタイプのマイクロチップ(WA:500μm、WB:120μm、WC:250μm、WD:30μm、WF:500μm、流路深さ:120μm)を使用した以外は実験例2と同様にして充填エリア2にビーズ担体を充填した。その結果、図16に示す顕微鏡写真図に見られるように、全てのビーズ担体が充填エリアに均一に充填された。即ち、4つの充填エリアにビーズ担体が一定量かつ均一に配置されており、夫々の充填エリアを比較しても充填されているビーズ担体の量的な差がないことが確かめられた。
実験例4
図17に示すタイプのビーズ担体充填式マイクロチップにおいて、排出口5より液体を導入し、流路内を逆流させた際に、ビーズ担体10が充填エリア2内に留まる理由が、マイクロチップ材料であるポリジメチルシロキサン(PDMS)の性質によるものであるか、それとも、OHPシートマスクを使用したことによる流路壁面の粗さ、即ちラフネス構造によるものなのかを確かめるため、精度の良い流路壁面を作製することができるEBマスクを使用し、意図的に流路4の壁面にラフネス構造を有するものと有さないものとを用意し、かつ、流路4の流路幅を70μm、90μm、110μm、130μm、150μmとして夫々比較を行った。ラフネス構造は高さが2.7μmの規則性のあるものを作製した。
尚、ビーズ担体としては、直径45μmポリスチレンビーズを使用し、PDMS製のマイクロチップの流路の深さを170μmとして、実験例2と同様の操作を行った。
図18は、流路内を逆流させた後の、a)ラフネス構造を有する場合と、b)ラフネス構造を有さない場合と、におけるビーズ担体の状態を示す顕微鏡写真図である。その結果、ラフネス構造を有する場合のみ、流路4の流路幅70μmおよび90μmのときに逆流させた後もビーズ担体は流れなかった。このことより、逆流させた際にビーズ担体が充填エリアに留まるのはラフネス構造を有することによるものであることが確認された。
本発明を利用すれば、例えば、ビーズ担体の配置が必要なフロー型の抗原抗体反応を利用したセンサについて、量産化を踏まえた開発が可能となり、センサおよび検査の一般化・低価格化に貢献できると考えられる。
本発明の一実施形態に係るマイクロチップを模式的に示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係るマイクロチップを模式的に示す平面図である。 排出口から液体を導入した際のラフネス構造による作用の説明図である。 マイクロチップ作成の工程を示す図である。 ラフネス構造の模式図である。 本発明の更に他の実施形態に係るマイクロチップを模式的に示す平面図である。 図2に示すマイクロチップの各流路の幅を示す説明図である。 図6に示すマイクロチップの流路の幅を示す説明図である。 本発明の多チャネルを有する実施形態に係るマイクロチップを模式的に示す平面図である。 本発明の他の多チャネルを有する実施形態に係るマイクロチップを模式的に示す平面図である。 実験例1におけるOHPシートマスクの顕微鏡写真図である。 実験例1においてOHPシートマスクを用いて作成したマイクロチップの顕微鏡写真図である。 実験例1においてEBマスクを用いて作成したマイクロチップの顕微鏡写真図である。 実験例2において逆流を行う前のマイクロチップ顕微鏡写真図である。 実験例2において逆流を行った後のマイクロチップ顕微鏡写真図である。 実験例3において逆流を行った後のマイクロチップ顕微鏡写真図である。 実験例4における各流路の幅を示す説明図である。 実験例4において逆流を行った後の、a)ラフネス構造を有する場合と、b)ラフネス構造を有さない場合と、におけるビーズ担体の状態を示す顕微鏡写真図である。 従来のマイクロチップを模式的に示す平面図である。
符号の説明
1 導入口
2 充填エリア
3,4,6 流路
5 排出口
10,30 ビーズ担体
21 フォトレジスト
22 シリコンウエハ
23 OHPシートマスク
24 紫外線
25 マスター
31 充填流路
32 充填エリア
33 分岐流路

Claims (9)

  1. ビーズ担体を導入するための導入口と、該導入口に連通する少なくとも1の充填エリアとを備えたビーズ担体充填式マイクロチップにおいて、少なくとも前記充填エリアの上流側の内壁に突起構造を有し、下流側にビーズ担体の粒径より狭い流路幅の排出口を有することを特徴とするビーズ担体充填式マイクロチップ。
  2. 前記上流側以外の領域の流路幅が該上流側の流路幅よりも大きい請求項1記載のビーズ担体充填式マイクロチップ。
  3. 前記突起構造を有する部分の流路の幅がビーズ担体の直径以上3倍未満である請求項1または2記載のビーズ担体充填式マイクロチップ。
  4. 前記突起構造の各突起高さがビーズ担体の直径未満である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のビーズ担体充填式マイクロチップ。
  5. 前記突起構造が不規則な凹凸により形成されている構造である請求項1〜4のうちいずれか一項記載のビーズ担体充填式マイクロチップ。
  6. 前記突起構造が、内壁に形成された対向する一対の凸部よりなる請求項1〜3のうちいずれか一項記載のビーズ担体充填式マイクロチップ。
  7. 前記充填エリアが前記導入口に対し片側に複数個形成されている請求項1〜6のうちいずれか一項記載のビーズ担体充填式マイクロチップ。
  8. 前記充填エリアが前記導入口に対し両側に複数個形成されている請求項1〜6のうちいずれか一項記載のビーズ担体充填式マイクロチップ。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか一項記載のビーズ担体充填式マイクロチップを使用して、ビーズ担体と液体の混濁液を前記導入口に導入し、
    前記充填エリアにビーズ担体を充填させた後、前記排出口より液体を導入するか、あるいは重力の作用により流路内の流れを逆流させ、前記充填エリアを越えて存在するビーズ担体を除去することを特徴とするビーズ担体の配置方法。
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