JP5530791B2 - 蓄圧式消火器の製造方法、並びにリーク測定システム及びリーク測定方法 - Google Patents

蓄圧式消火器の製造方法、並びにリーク測定システム及びリーク測定方法 Download PDF

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本発明は、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた蓄圧式消火器の製造方法、並びにそのような蓄圧式消火器のリーク測定システム及びリーク測定試験方法に関するものである。
従来、消火器に使用される消火剤貯蔵容器は、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属から製造されている。その中でも鉄製の消火剤貯蔵容器は、頑丈で破損しにくく、製造コストが安価であるため、市場に出される消火器数の約9割に対して鉄が使用されているのが現状である。
他方、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた消火器の例が開示されている。1つの文献には、樹脂製の消火剤貯蔵容器の弱点であった低い耐圧性能であっても保持されるように、充填圧力が可能なかぎり低下された消火器が開示されている(特許文献1)。また、他の1つの文献には、清涼飲料水やアルコール飲料などに用いられる薄肉のポリエチレンテレフタレート(PET)の廃品を利用した消火器が開示されている(特許文献2)。また、本願出願人も、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた初期的な消火器を開示しているが(特許文献3)、個別の技術課題、特に樹脂製の消火剤貯蔵容器の量産化技術の向上に対する具体的な提案は未だ開示されていない。
実開昭56−160560号公報 特開平9−313634号公報 国際公開第2008/133176号パンフレット
上述の通り、一般的に広く利用されている鉄製の消火剤貯蔵容器を備えた消火器は非常に重いため、特に女性や子供、あるいは年配者にとって、持ち運びの不便さや操作性の悪さの問題を生じさせていた。
鉄に代表される金属であるがための上述の技術的課題は、一見すると、樹脂製の消火剤貯蔵容器を採用することによって解決されるように思える。しかしながら、現実には、一般的に採用されている金属製の消火器のように、耐用年数として数年(例えば、8年)以上が要求される消火剤貯蔵容器を、容器全体としての軽量さを維持しつつ、樹脂のみによって形成することは容易ではない。
ところで、消火器には加圧式消火器と蓄圧式消火器とが存在する。加圧式消火器は、使用時に消火剤貯蔵容器内で急激な加圧が生じるために、その急激な加圧に対する反動が特に女性や子供、あるいは年配者にとっての取扱いの不便さを生じさせている。一方で、蓄圧式消火器は、あらかじめ一定の圧力(例えば、約1MPa)が消火剤貯蔵容器内で保持されている。したがって、使用時においても急激な加圧を回避することができるため、反動が殆どなく、前述のような不便さが生じない。
しかしながら、蓄圧式消火器は、上述の通り、消火剤を放出するためのガスを高い圧力で、しかも長期間保持しなければ、その本来の機能を発揮することができない。したがって、消火剤貯蔵容器の開口部やその他の部品との接続部における密閉性の確保が、製品の信頼性及び安全性の観点で特に重要となる。そのため、従来の金属製の消火剤貯蔵容器が採用される場合であっても、より高い精度での製造プロセスが求められてきた。これが、少なくとも日本国において、これまで各消火器製造メーカーが加圧式消火器を中心に製造してきた主たる理由の1つであるといえる。
上述の技術課題は、樹脂製の消火剤貯蔵容器を採用することによってさらに顕在化することになる。具体的には、金属製の消火器において各部品間の密閉性の問題が生じることとは別に、樹脂自体がガスの透過性を有しているため、一旦高い圧力のガスを容器内に封入したとしても、時間の経過に伴って徐々にそのガスが樹脂用器を通過して外部に漏れ出すという問題が生じる。その結果、蓄圧式消火器としての本来の機能は失われてしまう。したがって、特に、蓄圧式消火器として樹脂製の消火剤貯蔵容器を採用することは、加圧式消火器に比べてより多くの技術課題を抱えることになる。
その結果、樹脂製の消火剤貯蔵用器を備えた蓄圧式消火器を製造する場合には、常に2つのガス漏れの態様を考慮することが必要となる。1つは、樹脂製の蓄圧式消火器特有の態様である、樹脂自身を通過するガス漏れの態様である。このガス漏れの態様を、もう1つのガス漏れ態様と区別するために、「樹脂通過漏れ」又は単に「通過漏れ」と呼ぶ。他方は、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴うガス漏れの態様である。前者のガス漏れと区別するために、このガス漏れの態様を「部品間漏れ」と呼ぶ。したがって、そのような2つの異なるガス漏れの態様を峻別した上で、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた蓄圧式消火器を如何に製造するかが、特にその量産性を念頭に置いたときに重要となってくる。
本発明は、上述の技術課題を解決することにより、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えていても、消火剤を放出するためのガスを長期間保持することができる蓄圧式消火器の量産技術の向上に大きく貢献するものである。
本願発明者らは、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた蓄圧式消火器を実現することが、消火器の操作性および安全性の視点から重要であると判断し、その開発に向けて鋭意検討を行った。上述のとおり、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えた蓄圧式消火器の場合、異なる2つのガス漏れの態様が存在する。そこで、本願発明者らは、その2つのガス漏れの態様を複数の角度から入念に調査、分析を行った。その結果、「樹脂通過漏れ」の態様では、特定のガスが関与していることを見出す一方、その特定のガスを排除することは、蓄圧式消火器の製造、特に量産上、極めて困難であることも併せて知見した。そこで、相容れない前述の2つの技術課題について、さらに発明者らによる検討が重ねられた。その結果、樹脂の特性を損なうことなく、長期間(例えば、耐用年数まで)消火剤を放出するためのガスを高い圧力で保持した蓄圧式消火器の量産技術に関する新たな手法が見出された。本発明は、そのような視点に基づいて創出された。
本発明の1つの蓄圧式消火器の製造方法は、閉塞工程と、封入工程と、排気工程と、測定工程とを含む。具体的には、閉塞工程は、貫通経路が形成されるとともにその貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって、樹脂を用いて継ぎ目なく成形されるとともに開口部と深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを有する消火剤貯蔵容器のその開口部を閉塞する。また、封入工程では、アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前述の貫通経路を通じて前述の消火剤貯蔵容器内に封入される。また、排気工程は、前述の封入工程の後、前述の開口部を上に向けた状態で前述の肩部の一部の外周をシールすることにより、前述の蓋体及びその開口部が収容される密閉空間が形成された後、その密閉空間を排気する。また、測定工程は、前述の排気工程の後、前述の密閉空間内の前述の軽元素ガスの量を、前述の封入工程の開始から所定時間が経過するまでに測定する。
この蓄圧式消火器の製造方法によれば、樹脂製の蓄圧式消火器特有の「樹脂通過漏れ」と、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴う「部品間漏れ」とを適切に峻別することができるため、樹脂の特性を損なうことなく、長期間(例えば、耐用年数まで)消火剤を放出するためのガスを高い圧力で保持した蓄圧式消火器を製造することができる。
また、本発明のもう1つの蓄圧式消火器の製造方法は、閉塞工程と、封入工程と、排気工程と、測定工程とを含む。具体的には、閉塞工程は、貫通経路が形成されるとともにその貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって、樹脂を用いて継ぎ目なく成形されるとともに開口部と深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを有する消火剤が収容された消火剤貯蔵容器のその開口部を閉塞する。また、封入工程では、アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前述の貫通経路を通じて前述の消火剤貯蔵容器内に封入される。また、排気工程は、前述の封入工程の後、前述の消火剤が前述の開口部に接触しない状態で前述の肩部の一部の外周をシールすることにより、前述の蓋体及びその開口部が収容される密閉空間が形成された後、その密閉空間を排気する。また、測定工程は、前述の排気工程の後、前述の密閉空間内の前述の軽元素ガスの量を、前述の封入工程の開始から所定時間が経過するまでに測定する。
この蓄圧式消火器の製造方法によれば、樹脂製の蓄圧式消火器特有の「樹脂通過漏れ」と、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴う「部品間漏れ」とを適切に峻別することができるため、樹脂の特性を損なうことなく、長期間(例えば、耐用年数まで)消火剤を放出するためのガスを高い圧力で保持した蓄圧式消火器を製造することができる。
また、本発明の1つのリーク測定システムは、第1チャンバーと、第1ポンプと、タイマーと、測定器とを備えている。具体的には、第1チャンバーは、貫通経路が形成されるとともにその貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって閉塞された開口部と、深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを備え、樹脂を用いて継ぎ目なく成形される消火剤貯蔵容器の前述の開口部を上に向けた状態で前述の肩部の一部の外周がシールされることにより、その蓋体及びその開口部が収容される密閉空間となるものである。また、第1ポンプは、前述の密閉空間を排気する。また、タイマーは、前述の貫通経路を通じて、アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが前述の消火剤貯蔵容器内へ封入され始めてからの時間を計測する。また、測定器は、前述のタイマーによって計測された時間が所定時間を経過するまでに、前述の密閉空間内の前述の軽元素ガスの量を測定する。
このリーク測定システムによれば、樹脂製の蓄圧式消火器特有の「樹脂通過漏れ」と、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴う「部品間漏れ」とが、適切に峻別され得る。従って、樹脂の特性を損なうことなく、長期間(例えば、耐用年数まで)消火剤を放出するためのガスを高い圧力で保持した蓄圧式消火器の実現性が飛躍的に高められる。
また、本発明のもう1つのリーク測定システムは、第1チャンバーと、第1ポンプと、タイマーと、測定器とを備えている。具体的には、第1チャンバーは、貫通経路が形成されるとともにその貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって閉塞された開口部と、深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを備え、樹脂を用いて継ぎ目なく成形される消火剤が収容された消火剤貯蔵容器の前述の消火剤が前述の開口部に接触しない状態で前述の肩部の一部の外周がシールされることにより、その蓋体及びその開口部が収容される密閉空間となるものである。また、第1ポンプは、前述の密閉空間を排気する。また、タイマーは、前述の貫通経路を通じて、アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが前述の消火剤貯蔵容器内へ封入され始めてからの時間を計測する。また、測定器は、前述のタイマーによって計測された時間が所定時間を経過するまでに、前述の密閉空間内の前述の軽元素ガスの量を測定する。
このリーク測定システムによれば、樹脂製の蓄圧式消火器特有の「樹脂通過漏れ」と、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴う「部品間漏れ」とが、適切に峻別され得る。従って、樹脂の特性を損なうことなく、長期間(例えば、耐用年数まで)消火剤を放出するためのガスを高い圧力で保持した蓄圧式消火器の実現性が飛躍的に高められる。
また、本発明の1つのリーク測定方法は、閉塞工程と、封入工程と、排気工程と、測定工程とを含む。具体的には、閉塞工程は、貫通経路が形成されるとともにその貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって、樹脂を用いて継ぎ目なく成形されるとともに開口部と深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを有する消火剤貯蔵容器の前述の開口部を閉塞する。また、封入工程では、アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前述の貫通経路を通じて前述の消火剤貯蔵容器内に封入される。また、排気工程は、前述の封入工程の後、前述の開口部を上に向けた状態で前述の肩部の一部の外周をシールすることにより、前述の蓋体及びその開口部が収容される密閉空間が形成された後、その密閉空間を排気する。また、測定工程は、前述の排気工程の後、前述の密閉空間内の前述の軽元素ガスの量を、前述の封入工程の開始から所定時間が経過するまでに測定する。
このリーク測定方法によれば、樹脂製の蓄圧式消火器特有の「樹脂通過漏れ」と、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴う「部品間漏れ」とが、適切に峻別され得る。従って、樹脂の特性を損なうことなく、長期間(例えば、耐用年数まで)消火剤を放出するためのガスを高い圧力で保持した蓄圧式消火器の実現性が飛躍的に高められる。
また、本発明のもう1つのリーク測定方法は、閉塞工程と、封入工程と、排気工程と、測定工程とを含む。具体的には、閉塞工程は、貫通経路が形成されるとともにその貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって、樹脂を用いて継ぎ目なく成形されるとともに開口部と深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを有する消火剤が収容された消火剤貯蔵容器の前述の開口部を閉塞する。また、封入工程では、アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前述の貫通経路を通じて前述の消火剤貯蔵容器内に封入される。また、排気工程は、前述の封入工程の後、前述の消火剤が前述の開口部に接触しない状態で前述の肩部の一部の外周をシールすることにより、前述の蓋体及びその開口部が収容される密閉空間が形成された後、その密閉空間を排気する。また、測定工程は、前述の排気工程の後、前述の密閉空間内の前述の軽元素ガスの量を、前述の封入工程の開始から所定時間が経過するまでに測定する。
このリーク測定方法によれば、樹脂製の蓄圧式消火器特有の「樹脂通過漏れ」と、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴う「部品間漏れ」とが、適切に峻別され得る。従って、樹脂の特性を損なうことなく、長期間(例えば、耐用年数まで)消火剤を放出するためのガスを高い圧力で保持した蓄圧式消火器の実現性が飛躍的に高められる。
ところで、本出願において、「耐用年数」とは、蓄圧式消火器を製造後、不活性ガスを再度封入する必要がなく、その蓄圧式消火器が本来の機能を維持することができる任意の期間をいう。代表的な消火器の耐用年数は、8年間である。
本出願において、「開口部を上に向けた状態」とは、開口部が鉛直上方に向くことのみを意味するのではなく、仮に消火剤貯蔵容器内にある内容物が収容されたとしても、その内容物が開口部に接触しない範囲の角度に開口部が向いていることを含む意味である。
本発明の1つのリーク測定方法又は本発明の1つのリーク測定システムは、樹脂製の蓄圧式消火器特有の「樹脂通過漏れ」と、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴う「部品間漏れ」とを適切に峻別することができる。加えて、本発明の1つの蓄圧式消火器の製造方法によれば、樹脂製の蓄圧式消火器特有の「樹脂通過漏れ」と、蓄圧式消火器の各部品間の不十分な密閉性に伴う「部品間漏れ」とを適切に峻別することができるため、樹脂の特性を損なうことなく、長期間(例えば、耐用年数まで)消火剤を放出するためのガスを高い圧力で保持した蓄圧式消火器を製造することができる。
本発明の第1の実施形態におけるリーク測定システムの一部断面側面図を含む構成図である。 本発明の第1の実施形態におけるリーク測定システムによって測定される、起動レバーが係合しない蓋体によって開口部が閉塞された消火剤貯蔵容器の側面図である。 本発明の第1の実施形態における消火剤貯蔵容器の正面図である。 本発明の第1の実施形態における消火剤貯蔵容器の正面断面図である。 本発明の第1の実施形態における起動レバーが係合していない蓋体の拡大側面図である。 参考図としての起動レバーが係合した蓋体の拡大側面図である。 本発明の第1の実施形態における起動レバーを示す斜視図である。 安全栓の一例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態における消火剤貯蔵容器のガス透過量を測定する装置を示す概要図である。 本発明の第1の実施形態における消火剤貯蔵容器のガス透過量の一例を示すデータである。 本発明の第1の実施形態における消火剤貯蔵容器のガス透過量の一例を示すデータである。 本発明の第1の実施形態における消火剤貯蔵容器のガス透過量の一例を示すデータである。 本発明の第1の実施形態における蓄圧式消火器の製造フローチャートである。 本発明の第1の実施形態における蓄圧式消火器の側面図である。 本発明の第2の実施形態におけるリーク測定システムの一部断面側面図を含む構成図である。 本発明の第2の実施形態における蓄圧式消火器の製造フローチャートである。 本発明の第3の実施形態におけるリーク測定システムの一部断面側面図を含む構成図である。 本発明の第4の実施形態におけるリーク測定システムの一部断面側面図を含む構成図である。
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。なお、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、本実施形態の要素は必ずしも互いの縮尺を保って記載されるものではない。さらに、各図面を見やすくするために、一部の符号を省略する。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態のリーク測定システム100の一部断面側面図を含む構成図である。また、図2は、リーク測定システム100によって測定される、蓋体31によって開口部13が閉塞された消火剤貯蔵容器10の側面図である。また、図3Aは消火剤貯蔵容器10の正面図であり、図3Bは消火剤貯蔵容器10の正面断面図である。加えて、図4Aは、起動レバー33が係合していない蓋体31の拡大側面図であり、図4Bは、参考図としての起動レバー33が係合した蓋体31の拡大側面図である。
最初に、リーク測定システム100について説明する。図1に示すように、本実施形態のリーク測定システム100は、主として、シール部102(例えば、テフロン(登録商標)製Oリング)に消火剤貯蔵容器10の肩部の一部の外周が密接することにより密閉空間が形成されるチャンバー101と、第1排気ポンプ104と、リーク量の測定部106と、第2排気ポンプ107と、制御部108とを有している。ここで、本実施形態のリーク測定システム100の測定対象は、蓋体31自体及び蓋体31と開口部13との不十分な閉塞状態、換言すれば、不十分な密閉性に伴う消火剤貯蔵容器10内に収容されたガスのリーク(すなわち、「部品間漏れ」)の有無及びその量である。また、本実施形態の測定部106は、公知の測定器(ヤマハファインテック株式会社製、型式YLD−200A)が用いられた。なお、前述の「部品間漏れ」には、例えば、蓋体31と弁棒32との間隙、及び蓋体31と開口部13との間の不十分な接合状態も含まれる。
ここで、第1排気ポンプ104は、上述のとおり密閉空間が形成された後にチャンバー101内のガスを排気するために用いられ、第2排気ポンプ107は、測定部106の空間内を排気するために用いられる。また、測定が行われているときは、チャンバー101と測定部106とは、開状態のバルブ105を介して連通している。他方、測定が行われていないときは、バルブ105は閉状態となっているため、チャンバー101と測定部106とは隔絶されている。また、本実施形態のリーク測定システム100は、消火剤貯蔵容器10内に上述する不活性ガス及び軽元素ガスが封入され始めてからの時間を計測するタイマーを有する制御部108を備えている。制御部108は、前述のタイマーによって計測された時間が所定時間を経過するまでに、チャンバー101内の軽元素ガスの量(具体的には、「部品間漏れ」となるガスのリーク量)を測定するように、排気プロセス及び測定プロセスを監視し、又は統合的に制御する。具体的な測定方法は、後で詳述する。
次に、消火剤貯蔵容器10の構造及び製造方法について説明する。図2、図3A、及び図3Bに示すように、本実施形態の消火剤貯蔵容器10は、開口部13を備える一方、金属製の消火剤貯蔵容器のような継ぎ目が形成されていない。また、消火剤貯蔵容器10は、消火剤貯蔵部11と、消火剤貯蔵部11の上部に位置する開口部13に形成される雄ネジ部12とで構成される。消火剤60(例えば、粉末消火剤又は中性強化液)が消火剤貯蔵容器10内に収容された後、この雄ネジ部12と起動レバー33が係合していない蓋体31とが螺合することにより、消火剤貯蔵容器10内の空間が理想的には密閉状態となる。なお、図3Aにおいて、便宜上、消火剤貯蔵容器の部位を説明するための破線と実線とを設けている。また、消火剤貯蔵容器10と蓋体31との固定手段は、前述の螺合に限られず、公知の接合手段が適用され得る。さらに、本実施形態の消火剤貯蔵容器10は、樹脂(ポリエチレンナフタレート(PEN))製であり、後述するように底部が略球面であるため、その底部と嵌合する支持台50によって立設可能に支持される。
また、図3Bにおいて、便宜上、消火剤貯蔵容器10の肉厚を示すための矢印と、口部91の肉厚を表示するために、口部91の断面形状を延長するための破線とを設けている。本実施形態の消火剤貯蔵容器10の口部91の肉厚(T)は、2mm以上8mm以下である。また、消火剤貯蔵容器10の深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる(本実施形態では曲面となる)肩部92の肉厚(T)は、1.2mm以上12mm以下である。また、円筒状の胴部93の肉厚(T)は、1.2mm以上1.9mm以下であり、曲面を持つ底部94の肉厚(T)は、1.2mm以上12mm以下である。
ここで、本実施形態の消火剤貯蔵容器10の胴部93の肉厚は、0.9mm以上5mm以下であることが好ましい。これは、樹脂の厚さが0.9mmよりも薄いと、消火剤の貯蔵容器として求められる強度(例えば、2.4MPaの耐圧)を達成できなくなるおそれが高まる一方、5mmよりも厚ければ、経済的に好ましくないとともに内容物たる消火剤を視認し得る樹脂性消火剤貯蔵容器の利点の達成が困難になるおそれが高まるためである。上述の観点によれば、胴部93の肉厚は、0.9mm以上3mmであることがより好ましく、1mm以上3mm以下であることが更に好ましい。
また、本実施形態の蓄圧式消火器の軽量化を確認すると、従来の鉄製の消火剤貯蔵容器を備える消火器と比べて、全体として重量を約70%に減少させることができた。消火器としての最軽量化を実現することで、火災時において老若男女を問わず誰もが最も使い易い消火器となり消火活動がし易い状況を提供することができる。
ところで、本実施形態の消火剤貯蔵容器10は、延伸ブロー成形、溶融成形などの従来公知の樹脂成形方法により製造することができるが、この中でも、開口部13を除いて、継ぎ目がなく、成形状態が良好で、かつ適度な肉厚の容器が得られる点で、延伸ブロー成形が好ましい。
次に、蓋体31の構造、機能、及び製造方法について説明する。本実施形態の蓋体31は、樹脂(具体的には、6−ナイロン)を用いて公知の手法により一体成型されている。また、蓋体31の内側には雌ネジ部(図示しない)が形成されている。上述のとおり、この雌ネジ部が消火剤貯蔵容器10に形成される雄ネジ部12と螺合することにより、蓋体31が消火剤貯蔵容器10に取り付けられる。また、図4A及び図4Bに示すように、蓋体31と固定レバー31fとは、一体化されて形成されている。また、蓋体31は、起動レバー33と係合させるための起動レバー係合部31aと、起倒杆34と係合させるための起倒杆係合部31bとを備えている。加えて、蓋体31は、サイホン管70の先端を固定するためのサイホン管固定部31dと、消火剤ホースの先端を固定するための消火剤ホース固定部31cとを備えている。尚、サイホン管固定部31dから消火剤ホース固定部31cに至る流路31e内の一部には、消火剤貯蔵容器10に貯蔵される予定の消火剤60を消火剤ホースへ流通可能にするための金属(具体的には、SUS304)製の弁棒(バルブ)32がバネを用いて開閉自在に配置されている。
図5は、本実施形態の起動レバー33を示す斜視図である。また、図6は、安全栓の一例を示す斜視図である。本実施形態の起動レバー33は、樹脂(具体的には、6−ナイロン)を用いて公知の手法により一体成型されている。起動レバー33は、レバー部33aと、薄肉部33bと、蓋体係合部33cとから構成されている。この起動レバー33は、蓋体係合部33cと蓋体31の起動レバー係合部31aとが係合することにより、蓋体31と接続している。また、レバー部33aは、将来的に後述する安全栓の嵌入棒35cが嵌入する第1開口部33dと、安全栓35の係合突起35a及び突起35bが貫通する第2開口部33eを備えている。薄肉部33bは、押圧力の付与により屈曲可能な程度に薄肉に形成されている。起動レバー33のレバー部33aに押圧力が加えられると、この押圧力に耐えきれずに薄肉部33bが屈曲する。このように薄肉部33bが屈曲すると、起動レバー33は薄肉部33bを中心として蓋体31に対して回動する。
なお、図10に示すように、安全栓35の嵌入棒35cは、起動レバー33が備える第1開口部33d及び起倒杆34が備える開口部に嵌入され得る長さを有している。また、係合突起35aは、起動レバー33が備える第2開口部33eを貫通し、起倒杆34に係合され得る形状を有している。この安全栓35の嵌入棒35cが、起動レバー33及び起倒杆34に嵌入するとともに、係合突起35aが起倒杆34に係合すると、起倒杆34及び起動レバー33が回動不可能な状態となる。一方、安全栓35が、起動レバー33及び起倒杆34から取り外されると、起倒杆34及び起動レバー33が回動可能な状態となる。
また、本実施形態では、起倒杆34も、起動レバー33と同様に、樹脂(具体的には、6−ナイロン)を用いて公知の手法により一体成型されている。また、起倒杆34は、薄肉部34aと安全栓係合部34bとを備えるとともに、安全栓35の嵌入棒35cが嵌入される開口部(図示しない)を備えている。この起倒杆34は、その下端部が蓋体31の起倒杆係合部31bと係合することにより、蓋体31と接続している。薄肉部34aは、押圧力の付与により屈曲可能な程度に薄肉に形成されている。起動レバー33のレバー部33aに押圧力が加えられると起動レバー33が回動し、起倒杆34が起動レバー33により押圧力が加えられる。起倒杆34が起動レバー33に押圧力が加えられると、この押圧力に耐えきれずに薄肉部34aが屈曲する。このように薄肉部34aが屈曲すると、起倒杆34は、薄肉部34aを中心として蓋体31に対して回動する。
次に、本実施形態のリーク測定システム100を用いた測定方法の説明に先立ち、消火剤貯蔵容器10のガスバリアー性について説明する。
発明者らによる消火剤貯蔵容器10を用いた蓄圧式消火器の調査と分析の結果、蓋体31と消火剤貯蔵容器10との接合(本実施形態では、螺合)が適切に行われているか否かを判断するためには、「通過漏れ」の特性を把握しておくことが確度の高い「部品間漏れ」の測定につながることを知見した。すなわち、発明者らは、本実施形態の樹脂製の消火剤貯蔵容器10は継ぎ目がないため、その容器自体の部品間漏れは存在しないが、前述の「通過漏れ」を考慮しなければ信頼性の高い「部品間漏れ」量を測定することが極めて困難であることを知見した。
そこで、本実施形態では、上述の「通過漏れ」を「部品間漏れ」と峻別するために、蓋体31によって開口部13が閉塞された消火剤貯蔵容器10の接合部におけるリーク量の測定とは別に、消火剤貯蔵容器10のガスバリアー性の測定が行われた。
図7は、ガスバリアー性の測定を行うためのガス透過量の測定装置80の構成図である。また、図8A乃至図8Cは、それぞれガス透過量の測定装置80を用いて測定されたデータである。
まず、ガス透過量の測定装置80について説明する。図7に示すように、測定用試料84(具体的には、消火剤貯蔵容器10より切り出した試験片)の上流側空間81aには測定用ガスのガスボンベ82が配置され、このガスボンベ82から送り出された測定用ガスの圧力は、上流側空間81a内において0.3MPaに設定される。この圧力は、連成計83によって測定される。一方、下流側空間81bは、ロータリーポンプ88及びターボ分子ポンプ87によって十分に排気されるため、高真空状態となっている。また、測定試料84は、ヒーター調整器85bに接続するヒーター85aによって40℃になるように調整される。なお、一般的に、蓄圧式消火器が設置される場所の温度は−30℃〜40℃であるため、その範囲のうちで最も高い使用温度条件下でガスバリアー性を測定することは、最も厳しい条件での測定となるため有意義である。
ところで、比較的に検出が容易な軽元素ガスである水素(H)やヘリウム(He)ガスは、迅速なガス漏れ及びその量の測定を可能にする。本実施形態のリーク測定システム100においても、測定部106の性能による制限により、前述の軽元素ガス(本実施形態ではヘリウム(He)ガス))が検出対象のガスとなる。そうすると、ガスの適切な封入の確認、換言すれば蓄圧性の確認を行うためには、少なくともリーク測定システム100によって検出可能な量の軽元素ガスを消火剤貯蔵容器10内に封入する必要がある。
その結果、樹脂製の消火剤貯蔵容器10にとって本来ならば「通過漏れ」を生じさせるため好ましくないヘリウム(He)ガスのような軽元素ガスを、そのリークの確認のために封入せざるを得ない状況が生まれることになる。従って、特に我が国において要求される、製造から8年間の安定した蓄圧性を確保する観点から、発明者らは、消火剤貯蔵容器10内に封入するガスの種類、その比率、及びその圧力を次のとおり定めた。
本実施形態では、消火剤貯蔵容器10内に窒素(N)ガスとヘリウム(He)ガスとの混合ガスが封入される。ここで、本実施形態の消火剤貯蔵容器10の容積から将来的に収容される消火剤の体積を減じた値(以下、「エアスペース1」という。)は、消火剤が粉末消火剤(例えば、第1リン酸アンモニウムを主成分とする粉末状消火剤)の場合は2033cmであり、消火剤が中性強化液(例えば、カリウム塩又はアンモニウム塩を主成分とする中性強化液)の場合は、1140cmである。また、不活性ガスとしての窒素(N)ガスのモル数と軽元素ガスとしてのヘリウム(He)ガスのモル数とを合算した全モル数に対するヘリウム(He)ガスのモル数の比率は、7%である。加えて、ヘリウム(He)ガスが存在しない場合の窒素(N)ガスのみの消火剤貯蔵容器10内の圧力は、20℃下で、約0.88MPaになるように封入される。
なお、ヘリウム(He)ガスが存在しない場合の窒素(N)ガスの消火剤貯蔵容器10内の圧力が、20℃において、0.7MPa以上0.86MPa以下となるようにガスが封入されることは、ヘリウム(He)ガスが時間の経過とともに「通過漏れ」が生じたとしても十分な蓄圧性を保持できる点で好ましい。
なお、本実施形態では、上述の比率が7%であったが、その比率はこれに限定されない。例えば、前述の比率が1%以上10%未満であれば、本実施形態の少なくとも一部の効果が奏され得る。ここで、その比率を1%以上としたのは、リーク測定システム100において、「通過漏れ」の経時的な増加に影響されるノイズ(N)レベルに対するシグナル(S)の比として3.0以上を得るためである。加えて、ノイズとは、本測定における、いわゆるバックグラウンドとして存在する値と経時変化しうる「通過漏れ」による値との合計である。また、閾値とは、製造される蓄圧式消火器が良品として許容されるガス漏れの量の上限値であり、前述のシグナル(S)を意味する。具体的には、この閾値は、以下の式から算出される。
Figure 0005530791
すなわち、本実施形態における閾値は、軽元素ガスであるヘリウム(He)ガスが存在しない場合の、不活性ガスである窒素(N)ガスの消火剤貯蔵容器10内圧力から0.7MPaを減じた値に、全てのガスのモル数に対する軽元素ガスのモル数の比率を乗じた結果を、耐用年数に対応する秒数で割った値をいう。
また、上述の比率を10%未満としたのは、例えばその封入工程から8年間、消火剤貯蔵容器10内の圧力を所定圧力(例えば、0.7MPa)以上に維持することを可能にするためである。その結果、例えば、蓄圧式消火器の点検時にその蓄圧性を保持するための追加的なガスの封入作業が不要となる。
なお、本実施形態のガス漏れ量の測定における具体的な閾値は、以下のように設定された。なお、単位中の「s」は秒である。
(1)消火剤が粉末消火剤の場合、閾値が6.14×10−8Pa・m/sに設定された。
(2)消火剤が中性強化液の場合、閾値が3.55×10−8Pa・m/sに設定され
た。
以上を踏まえて、ガス透過量の測定装置80の構成を用いて、所定時間内に上流側空間81aから下流側空間81bに透過した測定用ガスの量を測定することにより、透過するガス量が測定された。ここで、ガス透過量の測定装置80による測定用ガスは、窒素(N)ガスとヘリウム(He)ガスの混合ガスとした。上述のガスボンベ82内には、この混合ガスが収容されている。より具体的には、この混合ガスにおいては、窒素(N)ガスのモル数とヘリウム(He)ガスのモル数とを合算した全モル数に対するヘリウム(He)ガスのモル数の比率が10%に設定された。この数値は、上述のヘリウム(He)ガスの混合比率の範囲のうち、最もリーク測定において厳しい条件を超える値として設定された。また、図7に示すように、透過するガス量は、レコーダー86bを備えた四重極ガス分析計86aを用いて測定された。なお、この分析計におけるガス測定器は、ULVAC(アルバック株式会社)製の「ベーシックプロセスガスモニタ Qulee BGM−102R」である。
ここで、本実施形態の消火剤貯蔵容器10は、顔料としてぺリノン系レッドを含有するポリエチレンナフタレート(PEN)によって形成されている。具体的には、本実施形態の消火剤貯蔵容器10は、マスターバッチ(顔料とPENとを混合したもの)が混合されたポリエチレンナフタレート(PEN)で形成された。なお、本実施形態では、マスターバッチは、ポリエチレンナフタレート(PEN)100部に対してぺリノン系レッド1.3部の割合で混合することにより形成された。また、ポリエチレンナフタレート(PEN)に対し、前述のマスターバッチが10%の割合で混合された。比較例のために、前述のマスターバッチが全く混合されない消火剤貯蔵容器も作製された。図8Aは、本実施形態の消火剤貯蔵容器10のガスバリアー性の測定結果である。
また、本実施形態の変形例として、消火剤貯蔵容器10に含まれる顔料が、ペリノン系レッドの代わりに酸化チタン(TiO)である点を除いて同じ構成を備えた消火剤貯蔵容器20についてもガスバリアー性の測定が行われた。なお、本実施形態の消火剤貯蔵容器20は、顔料として酸化チタン(TiO)を含有するポリエチレンナフタレート(PEN)によって形成されている。具体的には、本実施形態の消火剤貯蔵容器20は、マスターバッチ(顔料とPENとを混合したもの)が混合されたポリエチレンナフタレート(PEN)で形成されている。また、本実施形態では、マスターバッチは、ポリエチレンナフタレート(PEN)100部に対して酸化チタン(TiO)0.13部の割合で混合することにより形成される。また、ポリエチレンナフタレート(PEN)に対し、前述のマスターバッチが10%の割合で混合される。
図8Bは、本実施形態の変形例において製造された消火剤貯蔵容器20のガスバリアー性の測定結果である。
図8A及び図8Bに示すとおり、顔料を含有するポリエチレンナフタレート(PEN)によって形成された消火剤貯蔵容器10を用いることにより、測定開始から少なくとも1200秒間は、5.0×10−9Pa・m/s未満の量しか軽元素ガスが通過しないことが確認された。
さらに、前述の各マスターバッチが全く混合されない、すなわち顔料が全く含まれていない樹脂を用いた消火剤貯蔵容器のガスバリアー性も、ガス透過量の測定装置80を用いて測定された。図8Cは、その結果を示している。図8Cに示すように、顔料が全く含まれていない消火剤貯蔵容器を用いた場合であっても、少なくとも600秒間は、消火剤貯蔵容器内に封入されたガスが2.5×10−9Pa・m/s未満の量しか軽元素ガスが通過しないことが確認された。
加えて、上述の2つのガス漏れの態様がさらに詳しく分析された結果、消火剤貯蔵容器10,20内に封入されているガスのうち、「通過漏れ」によるガス漏れが、実質的に軽元素ガスであるヘリウム(He)ガスのみに起因していると考えても支障が無いことが分かった。
上述の各調査及びそれらの分析の結果を踏まえ、以下の知見が得られた。
(1)消火剤貯蔵容器10,20が蓋体31によって閉塞され、その後ガスが封入されてから少なくとも10分間(600秒間)は、消火剤貯蔵容器10,20内に封入されたガスの「通過漏れ」が発生しないか又は発生したとしても「部品間漏れ」の測定に影響を及ぼさないと考えても支障はない。換言すれば、ガスが封入されてから少なくとも10分間(600秒間)は、上述のノイズ(N)に対して閾値が3倍以上という状況を確保することができるため、生産の安定性などの量産性の観点で有利である。
(2)消火剤貯蔵容器10,20が蓋体31によって閉塞され、その後ガスが封入されてから少なくとも10分間(600秒間)において、上述の閾値を超える軽元素であるヘリウム(He)ガスが検出された場合は、「部品間漏れ」であると特定することができる。
そこで、発明者らは、蓄圧式消火器の製造工程の一工程として、蓄圧性を維持するための最も大きな障害となる「部品間漏れ」の問題を確度高く発見するために、消火剤貯蔵容器10,20と蓋体31とが螺合され、その後ガスが封入されてから10分(600秒)以内に、ガス漏れ(部品間漏れ)量を測定することとした。
以下に、本実施形態のリーク測定システム100を用いた測定方法について説明する。本実施形態では、まず、消火剤貯蔵容器10,20内に消火剤60が収容された後、蓋体31と消火剤貯蔵容器10,20の雄ネジ部12とが螺合されることによって、消火剤貯蔵容器10,20の開口部13が閉塞される。その閉塞の後、弁棒32を一時的に開状態とすることにより、窒素(N)ガスとヘリウム(He)ガスが、蓋体31における消火剤ホースのための消火剤ホース固定部31c及び流路31eを介して消火剤貯蔵容器10,20内に封入された。
本実施形態では、制御部108の備えるタイマーが、上述の封入工程が開始された時点からの時間の計測を開始する。ここで、封入作業の開始とこのタイマーの計測開始とを連動させる手法は特に限定されない。例えば、封入の際、窒素ガス(N)ガス又はヘリウム(He)の供給装置が作動したことを公知の電気的又は光学的な信号を利用して前述のタイマーに伝達してもよい。また、封入の開始と実質的に同時に前述のタイマーの計測を手動で開始させてもよい。
次に、封入工程が完了すると、蓋体31と閉塞された消火剤貯蔵容器10,20の開口部13とが、リーク測定システム100のチャンバー101内に開口部13を上に向けた状態で入れられる。本実施形態のチャンバー101は、消火剤貯蔵容器10,20の肩部92の一部の外周にシール部102が密接するような開口が設けられている。
ここで、本実施形態では、蓋体31が起動レバー及び起倒杆と係合していないため、蓋体31外縁の正射影が消火剤貯蔵容器10,20における肩部92のシールされている部分の正射影の外縁よりも内側に形成される。従って、消火剤貯蔵容器10,20の直進運動のみにより、リーク測定の対象となる蓋体31及び開口部13の接合部をチャンバー101内に送り込むことができる。これは、リーク測定システムの設計上、機構の単純化及び簡便化につながるため好ましい。さらに、上述のとおり、蓋体31が起動レバー及び起倒杆と係合していないため、起動レバー等を収容するようなチャンバーの容積よりもチャンバー101の容積を格段に小さくすることが可能となる。その結果、第1排気ポンプ104による排気時間が短縮されるため、蓄圧式消火器の量産性が向上する。加えて、リーク測定の際にノイズレベルに影響し得る、外気において付着する起動レバーや起倒杆の表面の微量のヘリウム(He)ガスを考慮する必要がなくなるため、測定精度も向上する。さらに、本実施形態では、消火剤貯蔵容器10,20の開口部13が上に向くようにチャンバー101内に送り込まれているため、消火剤60が開口部13に接触しない状態で前記肩部の一部の外周をシールされる。従って、消火剤の存在によって、部品間漏れが確認できないという事態が実質的に生じない点は特筆すべきである。これは、蓄圧式消火器の量産を考慮した場合に、リーク測定の信頼性、ひいては生産の安定性に大きく貢献する。
その後、消火剤貯蔵容器10,20の肩部92がシール部102によってシールされると、密閉空間となったチャンバー101のガスは、第1排気ポンプ104により排気される。なお、本実施形態の第1排気ポンプ104は、ロータリーポンプであり、約7秒でチャンバー101内の圧力が2.0×10Paに到達する。
ここで、本実施形態では、測定が行われていないときはバルブ105が閉状態であるため、遅くとも第1排気ポンプ104によってチャンバー101内のガスが排気される前に、測定部106の空間内が第2排気ポンプ107により排気される。本実施形態の第2排気ポンプ107は、メカニカルブースターが付属したロータリーポンプであり、約7秒で測定部106の空間内の圧力が2.0×10Paに到達する。なお、第1排気ポンプ104による排気の前に第2排気ポンプ107による排気が行われる理由は、本実施形態のリーク測定時間を封入工程の開始から10分以内に収めるべく、測定部106の排気時間を可能な限り削減するためである。本実施形態のリーク測定システム100のシグナル(S)レベルは、上述の閾値であるため、ノイズ(N)レベルをその3分の1以下、換言すれば、中性強化液を例に取れば1.1×10−8Pa・m/s以下にすることは好適である。従って、微量のリーク量を精度良く検出するには測定部106の空間が十分に排気されていることが要求されるため、第1排気ポンプ104による排気の前に第2排気ポンプ107による排気が行われることは好ましい。他方、本実施形態では、リーク測定システム100が排気ポンプを2つ備えているが、その実施形態は限定されない。例えば、上述の密閉空間が形成されてから、第1排気ポンプ104のみが前述の密閉空間内と測定部106の空間内の両方を排気することも一態様となり得る。但し、排気時間が長くなる点、及び測定精度が落ちる可能性がある点を考慮すれば、2つの排気ポンプを用いた本実施形態は好ましい態様である。
第1排気ポンプ104による排気の後、制御部108によりバルブ105が開状態に変更されるとともに、測定部106による軽元素ガスの有無及びその量の測定が開始される。この測定は、上述のとおり、封入工程の開始から10分以内に行われる。
以下に、上述のリーク測定工程を含めた蓄圧式消火器の製造工程を説明する。図9は、本実施形態における蓄圧式消火器の製造フローチャートである。
まず、ステップS102において、蓄圧式消火器の製造の準備段階として、各部品が製造される。次に、ステップS104において、消火剤貯蔵容器10,20内に、上述の消火剤60が入れられる。その後、ステップS106において、蓋体31が消火剤貯蔵容器10,20の口部91と螺合する。次に、ステップS108において、消火剤貯蔵容器10,20内に、既に述べたガスの封入工程が開始されるとともに、リーク測定システム200の制御部108の備えるタイマーが計測を開始する。封入作業が完了した後、消火剤貯蔵容器10,20の蓋体31と開口部13はチャンバー201内に導入される。シール部102によって密閉空間が形成されると、第1排気ポンプ104により密閉空間内のガスが排気される。その後、バルブ105が開状態となり、リーク測定、換言すれば「部品間漏れ」の測定が開始する(ステップS110)。リーク測定は、前述のタイマーによって計測されるガスの封入開始からの時間が所定時間を経過するまでに終了する(ステップS112)。ここで、ステップS114において、測定したリーク量が、所定の閾値以下であった場合は、耐用年数が経過するまで蓄圧性が確保されることが期待されるため、次の工程に移る。他方、仮に、測定したリーク量が所定の閾値を越えていた場合は、その消火剤貯蔵容器は出荷対象から外される。出荷対象となった消火剤貯蔵容器10,20は、ステップS116において、起動レバー33と起倒杆34とが蓋体31に取り付けられる。その後、その他の各種部品が消火剤貯蔵容器10,20に取り付けられる(ステップS118)。
上述の製造工程(S102〜S118)を経ることにより、図10に示す蓄圧式消火器500が製造される。
上述のとおり、本実施形態では、特定の比率及び特定の圧力範囲でヘリウム(He)ガスと窒素(N)ガスが封入されているため、蓄圧式消火器500が室温(例えば、20℃)において設置される場所では、その蓄圧性を長期間(本実施形態では、8年間)安定して維持することが出来る。すなわち、本実施形態の蓄圧式消火器500は、8年間、消火剤貯蔵容器10,20内の圧力を0.7MPa以上に維持することが可能となる。その結果、例えば、その蓄圧性を保持するための追加的なガスの封入作業が不要となる。
さらに、本実施形態では、ヘリウム(He)ガスが適切な範囲で封入されているため、特に、製造工程における「部品間漏れ」を確度高く知ることができる。従って、樹脂製の消火剤貯蔵容器を備えていても、信頼性及び量産性の高い蓄圧式消火器が得られる。
なお、全てのガスのモル数に対する軽元素ガスのモル数の比率が8%以下に設定されることは、長期間の蓄圧性の確保及び封入されるガスのコストの低減の観点から、さらに好ましい一態様である。また、本実施形態では、リーク測定システム100を用いて測定する際に、S/N比が3.0に設定されたが、S/N比はこの値に限定されない。例えば、S/N比が5.0、あるいは10.0以上に設定されることも他の採用され得る態様である。特に、量産性又は信頼性を高めるために、S/N比を6.0以上に設定することは、好ましい一態様である。
また、本実施形態では、開口部13を上に向けた状態で、蓋体31と開口部13がチャンバー101内に収容されていたが、開口部13の方向はその方向に限定されない。例えば、消火剤60が開口部13に接触しない範囲の角度に開口部13が向いていれば、本実施形態の効果と同様の効果が奏される。すなわち、消火剤60が粉末であるか液体であるかを問わず、消火剤60を開口部13に接触させないように「部品間漏れ」を測定することにより、本実施形態の効果を奏させることができる。特に、消火剤60が液体の場合は、開口部13に消火剤60が接触することが、「部品間漏れ」の適切な測定を阻害することも考えられる。なお、本実施形態においては、前述の消火剤60が開口部13に接触しない範囲の角度は、鉛直上方を中心に±70°以内である。
<第2の実施形態>
図11は、本実施形態のリーク測定システム200の一部断面側面図を含む構成図である。本実施形態では、消火剤貯蔵容器10,20と螺合する蓋体31が起動レバー33及び起倒杆34と係合している点、及びチャンバー201の容積が第1の実施形態のチャンバー101の容積よりも大きい点を除き、第1の実施形態と同じである。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
本実施形態では、蓋体31は、起動レバー33及び起倒杆34が係合している。従って、起動レバー33の正射影が消火剤貯蔵容器10,20における肩部92のシールされている部分の正射影の外縁よりも外側に形成される。そのため、消火剤貯蔵容器10,20の直進運動のみにより起動レバー33を含めた蓋体31をチャンバー201内に送り込むことはできないが、回転運動と直進運動を併せることにより、図11に示すような状態に設置することは可能である。
また、上述のとおり、本実施形態のチャンバー201は起動レバー33を収容するため、その容積は第1の実施形態のチャンバー101の容積よりも大きい。その結果、第1排気ポンプ104による排気時間が比較的長くなる。加えて、リーク測定の際にノイズレベルに影響し得る、外気において付着する起動レバーや起倒杆の表面の微量のヘリウム(He)ガスを考慮する必要が生じるため、その測定精度が比較的低下すると考えられる。上述の観点から言えば、本実施形態よりも第1の実施形態の方が蓄圧式消火器の量産性が高いが、本実施形態であっても消火剤60が収容された状態で「部品間漏れ」を測定することができることは有益である。
以下に、本実施形態の蓄圧式消火器の製造工程を説明する。図12は、本実施形態における蓄圧式消火器の製造フローチャートである。
まず、ステップS202において、蓄圧式消火器の製造の準備段階として、各部品が製造される。次に、ステップS204において、消火剤貯蔵容器10,20内に、第3の実施形態と同じ消火剤が入れられる。その後、ステップS206において、起動レバー33と起倒杆34が係合した蓋体31が消火剤貯蔵容器10,20の口部91と螺合する。次に、ステップS208において、消火剤貯蔵容器10,20内に、既に述べたガスの封入工程が開始されるとともに、リーク測定システム200の制御部108の備えるタイマーが計測を開始する。封入作業が完了した後、消火剤貯蔵容器10,20の前述の蓋体31と開口部13はチャンバー201内に導入される。シール部102によって密閉空間が形成されると、第1排気ポンプ104により密閉空間内のガスが排気される。その後、バルブ105が開状態となり、リーク測定、換言すれば「部品間漏れ」の測定が開始する(ステップS210)。リーク測定は、前述のタイマーによって計測されるガスの封入開始からの時間が所定時間を経過するまでに終了する(ステップS212)。ここで、ステップS214において、測定したリーク量が、所定の閾値以下であった場合は、耐用年数が経過するまで蓄圧性が確保されることが期待されるため、次の工程に移る。他方、仮に、測定したリーク量が所定の閾値を越えていた場合は、その消火剤貯蔵容器は出荷対象から外される。出荷対象となった消火剤貯蔵容器10,20は、ステップS216において、その他の各種部品が消火剤貯蔵容器10,20に取り付けられる。
上述の製造工程(S202〜S216)を経た場合であっても、図10に示す蓄圧式消火器500が製造される。
<第3の実施形態>
本実施形態では、消火剤貯蔵容器10,20内に消火剤が収容されていない点を除き、第1の実施形態のリーク測定システム100及びその方法と同様の測定が行われる。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図13に示すように、リーク測定システム100において、消火剤が収容されていない消火剤貯蔵容器10,20の「部品間漏れ」有無とその量の測定が行われる。なお、この測定は、直接的には蓄圧式消火器の製造には寄与しないが、例えば、蓋体31と消火剤貯蔵容器10,20との組合せの適否を確認するためには、有効な手段であるといえる。
なお、本実施形態においても、蓋体31が起動レバーと係合していないため、その形態に由来する第1の実施形態と同様の効果が奏され得る。具体的には、本実施形態においても第1の実施形態と同様に、消火剤貯蔵容器10,20の直進運動のみにより、リーク測定の対象となる蓋体31及び開口部13の接合部をチャンバー101内に送り込むことができる。また、蓋体31が起動レバー及び起倒杆と係合していないため、チャンバー101の容積が第2の実施形態のチャンバー201よりも小さくすることが可能となる。その結果、第1排気ポンプ104による排気時間が短縮されるため、蓄圧式消火器の量産性が向上する。また、リーク測定の際にノイズレベルに影響し得る、外気において付着する起動レバーや起倒杆の表面の微量のヘリウム(He)ガスを考慮する必要がなくなるため、測定精度も向上する。
<第4の実施形態>
本実施形態では、消火剤貯蔵容器10,20内に消火剤が収容されていない点を除き、第2の実施形態のリーク測定システム200及びその方法と同様の測定が行われる。従って、第1及び第2の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図14に示すように、リーク測定システム200において、消火剤が収容されていない消火剤貯蔵容器10,20の「部品間漏れ」有無とその量の測定が行われる。なお、この測定は、直接的には蓄圧式消火器の製造には寄与しないが、例えば、蓋体31と消火剤貯蔵容器10,20との組合せの適否を確認するためには、有効な手段であるといえる。
<その他の実施形態>
ところで、上述の各実施形態では、「部品間漏れ」の検出に資するため、軽元素ガスとしてヘリウム(He)ガスが消火剤貯蔵容器10,20内に封入されているが、ヘリウム(He)ガスに代えて水素(H)ガスが封入された場合であっても、本実施形態の効果の少なくとも一部の効果が奏され得る。しかしながら、使用時に消火剤貯蔵容器10,20に保持されているガスは消火剤とともに消火対象に向けて放出される場合があるため、水素(H)ガスのように非常に燃えやすい性質を持つガスが含まれることは望ましくない。そのため、上述の各実施形態のようにヘリウム(He)ガスを採用することが好ましい。
また、上述の各実施形態では、消火剤貯蔵容器を形成する樹脂中に含有する顔料が、ペリノン系レッド又は酸化チタン(TiO)であったが、採用される顔料はそれらに限定されない。例えば、アンスラキノン系レッドやシアニン系ブルーが前述の顔料に代えて採用されても、上述の各実施形態の効果と同様の効果が奏され得る。
また、上述の各実施形態では、不活性ガスとして窒素(N)ガスが採用されているが、不活性ガスは窒素(N)ガスに限定されない。例えば、窒素(N)ガスの一部又は全部がアルゴン(Ar)ガスに変更されても良い。但し、製造コストを低減する観点から言えば、不活性ガスとして窒素(N)ガスのみが採用されることが好ましい。
また、上述の第1の実施形態では、消火剤貯蔵容器10,20のうち、最も肉厚の薄い領域の厚みに基づいて「所定時間」を算出したが、その算出方法は、測定において最も安全な基準、換言すれば、最も「通過漏れ」を生じる可能性が低い状況を基準としている。従って、「所定時間」はそれ以外の基準に基づいて算出され得る。例えば、図1に示すような状況の密閉領域が形成される場合、口部91の肉厚(T)と肩部92の肉厚(T)のうち最も薄い肉厚である1.2mmを基準として「所定時間」が算出されても上述の実施形態の効果と同等の効果が奏され得る。例えば、混合ガスとしての窒素(N)ガスのモル数とヘリウム(He)ガスのモル数とを合算した全モル数に対するヘリウム(He)ガスのモル数の比率が10%であって、40℃の条件下において、「所定時間」は、500秒となる。つまり、「所定時間」が肉厚の変化に応じて一定の範囲で変動しうることは当業者であれば理解できる。
また、上述の第1の実施形態では、「所定時間」を10分に設定しているが、特に、消火剤貯蔵容器を構成する樹脂が顔料を含有する場合はガスバリアー性が向上するため、図8A等に示されるように、例えば、「所定時間」を1200秒とすることも、第1の実施形態の変形例となる。逆に、量産性ないし生産性を高めるため、「所定時間」を10分よりも短い時間、例えば30秒、2分、5分、又は7分に設定することも上述の各実施形態及び既述の各数値データに基づいて可能となる。
また、例えば、上述のリーク測定システム100,200が備える各機器及び制御部108が図示しないコンピュータに接続され、当該コンピュータが、図9又は図12に示す各工程を実行するための蓄圧式消火器の製造プログラム又はリーク測定プログラムにより、各工程を監視し、又は統合的に制御することも好ましい一態様である。なお、前述のプログラムは、そのコンピュータ内のハードディスクドライブ、又はそのコンピュータに備え付けられた磁気ディスクドライブ等に挿入される公知の記録媒体に保存されることに限定されない。例えば、この製造プログラムの一部又は全部は、各機器、又は制御部108内に保存されていてもよい。また、この製造プログラムは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、又はインターネット回線、あるいは公知の通信網等の公知の技術を介して遠隔の場所から上述の各プロセスを監視し、又は制御することもできる。
また、上述の各実施形態では、消火剤貯蔵容器を構成する樹脂としてポリエチレンナフタレート(PEN)が採用されているが、採用される樹脂はこれに限定されない。例えば、ジカルボン酸成分として主にナフタレンジカルボン酸またはテレフタル酸、ジオール成分として主にエチレングリコール又はブタンジオールを用いて重縮合させて得られたポリエステル樹脂又はこれらのポリエステル樹脂を主とする材料が消火剤貯蔵容器の材料として採用されても、本発明の少なくとも一部の効果が奏されると考えられる。換言すれば共重合ポリエステル樹脂であれば、本発明の少なくとも一部の効果が奏されると考えられる。
また、他の採用し得る材料の一例として、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスチレン、又はポリカーボネートが挙げられる。但し、上述の全ての材料の中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)を採用することが、強度の観点から好ましい。また、ガスバリアー性の観点から、ポリエチレンナフタレート(PEN)が単独で採用されることが最も好ましい。すなわち、ポリエチレンナフタレート(PEN)を採用することにより、高強度でかつガスバリアー性に優れた消火剤貯蔵容器がより確度高く得られる。
また、上述の第2及び第4の実施形態では、起動レバー33と起倒杆34が蓋体31に係合している状態で「部品間漏れ」が測定されていたが、安全性の観点から、その測定の際に安全栓35によって起動レバー33を誤動作しないように固定することも他の好ましい一態様である。
加えて、上述の各実施形態の消火器の消火剤貯蔵容器の外周表面上に公知の被膜フィルムや公知の顔料を含むフィルムが配置されていてもよい。例えば、消火器の製造メーカー名や消火器の性能を示すための記述や装飾が施されたフィルムは広く一般的に利用されているが、それらの使用は上述の各実施形態の効果を妨げない。
さらに、上述の各実施形態の効果が損なわれない添加剤であれば、消火剤貯蔵容器を構成する樹脂は、変色の防止や耐候性の向上のために、光安定剤、紫外線吸収剤、又は老化防止剤などの公知の添加剤が適宜配合され得る。
なお、上述の各実施形態の開示は、それらの実施形態の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明の蓄圧式消火器の製造方法、リーク測定方法、及びリーク測定システムは、樹脂製の消火剤貯蔵容器内に高いガス圧力を長期間保持し得ることができる蓄圧式消火器を提供することができるため、現在及び将来の消火器産業において極めて有用である。
10,20 消火剤貯蔵容器
11 消火剤貯蔵部
12 雄ネジ部
13 開口部
31 蓋体
31a 起動レバー係合部
31b 起倒杆係合部
31c 消火剤ホース固定部
31d サイホン管固定部
31e 流路
31f 固定レバー
32 弁棒(バルブ)
33 起動レバー
33a レバー部
33b 薄肉部
33c 蓋体係合部
33d 第1開口部
33e 第2開口部
34 起倒杆
34a 薄肉部
34b 安全栓係合部
35 安全栓
35a 係合突起
35b 突起
35c 嵌入棒
50 支持台
60 消火剤
70 サイホン管
80 ガス透過量の測定装置
81a 上流側空間
81b 下流側空間
82 ガスボンベ
83 連成計
84 測定用試料
85a ヒーター
85b ヒーター調整器
87 ターボ分子ポンプ
88 ロータリーポンプ
91 口部
92 肩部
93 胴部
94 底部
100,200 リーク測定システム
101,201 チャンバー
102 シール部
104 第1排気ポンプ
106 測定部
107 第2排気ポンプ
108 制御部
500 蓄圧式消火器

Claims (13)

  1. 貫通経路が形成されるとともに前記貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって、樹脂を用いて継ぎ目なく成形されるとともに開口部と深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを有する消火剤貯蔵容器の前記開口部を閉塞する閉塞工程と、
    アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前記不活性ガスと前記軽元素ガスとの総モル数に対する比率が前記消火剤貯蔵容器を通過して外部に漏れ出たとしても日本国において要求される蓄圧性を有するように、前記貫通経路を通じて前記消火剤貯蔵容器内に封入される封入工程と、
    前記封入工程の後、前記開口部を上に向けた状態で前記肩部の一部の外周をシールすることにより、前記蓋体及び前記開口部が収容される密閉空間が形成された後、前記密閉空間を排気する排気工程と、
    前記排気工程の後、前記密閉空間内の前記軽元素ガスの量を、前記封入工程の開始から所定時間が経過するまでに測定する測定工程とを含む
    蓄圧式消火器の製造方法。
  2. 貫通経路が形成されるとともに前記貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって、樹脂を用いて継ぎ目なく成形されるとともに開口部と深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを有する消火剤が収容された消火剤貯蔵容器の前記開口部を閉塞する閉塞工程と、
    アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前記不活性ガスと前記軽元素ガスとの総モル数に対する比率が前記消火剤貯蔵容器を通過して外部に漏れ出たとしても日本国において要求される蓄圧性を有するように、前記貫通経路を通じて前記消火剤貯蔵容器内に封入される封入工程と、
    前記封入工程の後、前記消火剤が前記開口部に接触しない状態で前記肩部の一部の外周をシールすることにより、前記蓋体及び前記開口部が収容される密閉空間が形成された後、前記密閉空間を排気する排気工程と、
    前記排気工程の後、前記密閉空間内の前記軽元素ガスの量を、前記封入工程の開始から所定時間が経過するまでに測定する測定工程とを含む
    蓄圧式消火器の製造方法。
  3. 前記排気工程の前に、前記密閉空間と弁を介して連通する、前記軽元素ガスを測定する測定器を有する測定空間を排気する工程をさらに含む
    請求項1又は請求項2に記載の蓄圧式消火器の製造方法。
  4. 前記測定工程の後に、起動レバーを前記蓋体に係合させる工程をさらに含む
    請求項1又は請求項2に記載の蓄圧式消火器の製造方法。
  5. 前記樹脂が顔料を含み、かつ
    前記所定時間が、1200秒である
    請求項1又は請求項2に記載の蓄圧式消火器の製造方法。
  6. 前記不活性ガスのモル数と前記軽元素ガスのモル数とを合算した全モル数に対する軽元素ガスのモル数の比率が10%未満である
    請求項1又は請求項2に記載の蓄圧式消火器の製造方法。
  7. 貫通経路が形成されるとともに前記貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって閉塞された開口部と、深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを備え、樹脂を用いて継ぎ目なく成形される消火剤貯蔵容器の前記開口部を上に向けた状態で前記肩部の一部の外周がシールされることにより、前記蓋体及び前記開口部が収容される密閉空間となる第1チャンバーと、
    前記密閉空間を排気する第1ポンプと、
    前記貫通経路を通じて、アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前記不活性ガスと前記軽元素ガスとの総モル数に対する比率が前記消火剤貯蔵容器を通過して外部に漏れ出たとしても日本国において要求される蓄圧性を有するように、前記消火剤貯蔵容器内へ封入され始めてからの時間を計測するタイマーと、
    前記タイマーによって計測された時間が所定時間を経過するまでに、前記密閉空間内の前記軽元素ガスの量を測定する測定器とを備える
    リーク測定システム。
  8. 貫通経路が形成されるとともに前記貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって閉塞された開口部と、深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを備え、樹脂を用いて継ぎ目なく成形される消火剤が収容された消火剤貯蔵容器の前記消火剤が前記開口部に接触しない状態で前記肩部の一部の外周がシールされることにより、前記蓋体及び前記開口部が収容される密閉空間となる第1チャンバーと、
    前記密閉空間を排気する第1ポンプと、
    前記貫通経路を通じて、アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前記不活性ガスと前記軽元素ガスとの総モル数に対する比率が前記消火剤貯蔵容器を通過して外部に漏れ出たとしても日本国において要求される蓄圧性を有するように、前記消火剤貯蔵容器内へ封入され始めてからの時間を計測するタイマーと、
    前記タイマーによって計測された時間が所定時間を経過するまでに、前記密閉空間内の前記軽元素ガスの量を測定する測定器とを備える
    リーク測定システム。
  9. 前記密閉空間と弁を介して連通する、前記軽元素ガスを測定する測定器を有する第2チャンバーと、
    前記密閉空間を排気する前に前記第2チャンバーを排気する第2ポンプとをさらに備える
    請求項7又は請求項8に記載のリーク測定システム。
  10. 前記樹脂が顔料を含み、かつ
    前記所定時間が、1200秒である
    請求項7又は請求項8に記載のリーク測定システム。
  11. 前記不活性ガスのモル数と前記軽元素ガスのモル数とを合算した全モル数に対する軽元素ガスのモル数の比率が10%未満である
    請求項7又は請求項8に記載のリーク測定システム。
  12. 貫通経路が形成されるとともに前記貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって、樹脂を用いて継ぎ目なく成形されるとともに開口部と深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを有する消火剤貯蔵容器の前記開口部を閉塞する閉塞工程と、
    アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前記不活性ガスと前記軽元素ガスとの総モル数に対する比率が前記消火剤貯蔵容器を通過して外部に漏れ出たとしても日本国において要求される蓄圧性を有するように、前記貫通経路を通じて前記消火剤貯蔵容器内に封入される封入工程と、
    前記封入工程の後、前記開口部を上に向けた状態で前記肩部の一部の外周をシールすることにより、前記蓋体及び前記開口部が収容される密閉空間が形成された後、前記密閉空間を排気する排気工程と、
    前記排気工程の後、前記密閉空間内の前記軽元素ガスの量を、前記封入工程の開始から所定時間が経過するまでに測定する測定工程とを含む
    リーク測定方法。
  13. 貫通経路が形成されるとともに前記貫通経路を開閉自在にする弁棒を備える蓋体によって、樹脂を用いて継ぎ目なく成形されるとともに開口部と深さ方向に進むにしたがって外径が大きくなる肩部とを有する消火剤が収容された消火剤貯蔵容器の前記開口部を閉塞する閉塞工程と、
    アルゴンガスと窒素ガスからなる群から選択される少なくとも1つの不活性ガス及びヘリウムガスと水素ガスとからなる群から選択される少なくとも1つの軽元素ガスが、前記不活性ガスと前記軽元素ガスとの総モル数に対する比率が前記消火剤貯蔵容器を通過して外部に漏れ出たとしても日本国において要求される蓄圧性を有するように、前記貫通経路を通じて前記消火剤貯蔵容器内に封入される封入工程と、
    前記封入工程の後、前記消火剤が前記開口部に接触しない状態で前記肩部の一部の外周をシールすることにより、前記蓋体及び前記開口部が収容される密閉空間が形成された後、前記密閉空間を排気する排気工程と、
    前記排気工程の後、前記密閉空間内の前記軽元素ガスの量を、前記封入工程の開始から所定時間が経過するまでに測定する測定工程とを含む
    リーク測定方法。
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