JP5530689B2 - 定着装置および該定着装置を備える画像形成装置 - Google Patents

定着装置および該定着装置を備える画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置および該定着装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、高画質画像を再現性および操作性良くかつ安価に形成できることから、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの2種以上の機能を有する複合機などとして汎用される。電子写真方式の画像形成装置は、たとえば、感光体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部と、定着部とを含む。感光体はその表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される部材である。帯電部は感光体表面を帯電させる部材である。露光部は帯電状態にある感光体表面に信号光を照射して静電潜像を形成する部材である。現像部は感光体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する部材である。転写部は感光体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する部材である。定着部は記録媒体上のトナー像を記録媒体に定着させて画像を形成する部材である。
定着部としては、定着ローラと加圧ローラとを含む定着装置が一般的に使用される。定着ローラはその内部に加熱部を有し、記録媒体上の未定着トナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録媒体に定着させる。加圧ローラは定着ローラに圧接するように設けられ、記録媒体を押圧することによって、溶融したトナーの記録媒体への定着を促進する。定着ローラと加圧ローラとの圧接部は定着ニップ部と呼ばれる。未定着トナー像を担持する記録媒体は、記録媒体のトナー像担持面が定着ローラ表面に接触するようにして定着ニップ部に導入され、加熱加圧によって未定着トナー像が定着される。
近年、環境保護のために、定着装置の省エネルギー化が求められており、ウォームアップ時間の短い定着装置の開発が盛んに行われている。ウォームアップ時間の短縮の方法としては、加熱部による熱変換の高効率化、定着ローラの低熱容量化などが挙げられる。
特許文献1〜3には、熱変換の高効率化のために、加熱部にセラミックヒータを用いた定着装置が記載されている。従来の定着装置が加熱部として備えるハロゲンランプは熱変換効率が約85%であるのに対し、特許文献1〜3に記載の定着装置が備えるセラミックヒータは、熱変換効率がほぼ100%である。
特開平5−188808号公報 特開平5−224554号公報 特開平10−232577号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の定着装置では、熱変換の高効率化は行われているものの、定着ローラは従来のままであり、低熱容量化されてはいない。したがって、充分にウォームアップ時間を短縮することはできない。
また、特許文献1,2の定着装置において定着ローラを低熱容量化すると、却ってウォームアップ時間が延びてしまうという問題がある。定着ローラの低熱容量化は、定着ローラを薄肉化したり、ローラ径を小さくしたりすることで実現できる。しかしながら、上述したように、定着ローラは加圧ローラによって所定の押圧力で押圧されるので、定着ローラを低熱容量化すると、定着ローラに撓みが生じ、これによって、セラミックヒータと定着ローラとの間に隙間が生じてしまう。特許文献1,2に記載の定着装置のような、定着ローラの内周側にセラミックヒータを設ける定着装置の場合、輻射熱を利用して加熱するハロゲンランプ方式の定着装置とは異なり、定着ローラとセラミックヒータとの間に隙間が生じると、定着ローラを充分に加熱することができなくなってしまう。
このような問題に対して、定着ローラと加熱部との隙間を埋めるために、定着ローラの内周側にシリコングリスや導電性グリスを塗布することが考えられるけれども、定着ローラの回転によって塗布されたグリスは薄くなるので、グリスのみによって隙間を埋め続けるのは困難である。また、隙間をグリスで埋め続けようとする場合、グリス塗布機構およびグリス漏れ防止機構が必要となる。
特許文献3に記載の定着装置は、定着ローラの外周面にセラミックヒータが当接する構成であるので、加熱部と定着ローラとの間に隙間が生じるという問題は無い。しかしながら、定着ローラ外周面と加熱部との摩擦によって、定着ローラの外周面に傷などが生じ、定着性が悪くなるという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、熱効率の高い定着装置および該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
発明は、ローラ状部材である定着ローラと、
前記定着ローラの軸線方向端側と比較して該軸線方向中央が強い力となる押圧力で、前記定着ローラの外周面を押圧するローラ状部材である加圧ローラと、
前記定着ローラの内周側に設けられ、該定着ローラを加熱するセラミックヒータと、
前記定着ローラの内周側に設けられ、前記セラミックヒータに当接しながら該セラミックヒータを保持する、アルミニウムからなる保持部材と、
前記保持部材を、弾性力によって、前記定着ローラの内周側から外周側に向かって加圧する加圧部材とを備え、
前記定着ローラの内周面は、直円筒形状の内周面と同一形状の曲面であり、
前記保持部材の、前記定着ローラの内周面に当接する面は、直円柱形状の外周面の一部と同一形状の曲面であり、
前記定着ローラの内周面の曲率半径と、前記保持部材の、前記定着ローラの内周面に当接する面の曲率半径とが同一となるように構成され、
前記保持部材は、フッ素樹脂コート層を含み、該フッ素樹脂コート層が、前記定着ローラの内周面に当接するように構成され、
前記セラミックヒータは、前記保持部材を介して前記定着ローラの内周面の、前記加圧ローラの当接部以外の面と接していることを特徴とする定着装置である。
また本発明は、前記定着ローラの内周面に潤滑材を塗布する潤滑材塗布部材を備えることを特徴とする。
また本発明は、前記定着装置を備え、
前記定着装置によって、未定着のトナー像を記録媒体に定着させるように構成されることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、定着ローラは、加圧ローラによる押圧力によって、軸線方向中央部をより強く押圧される。これによって、定着ローラは、押圧力の方向へ撓む。このとき、保持部材は、加圧部材の弾性力によって加圧され、定着ローラの撓みに沿うように弾性変形する。したがって、定着ローラの撓み幅によらずに、加圧部材による加圧によって、保持部材は、定着ローラの内周面に当接する。よって、本発明に係る定着装置は、定着ローラと保持部材との間に隙間が生じることを防止できるので、定着ローラと保持部材との間に隙間が生じることにより定着ローラの熱効率が低下するのを防ぐことができる。これによって、熱効率の高い定着装置を実現することができる。
また、定着ローラの内周面の曲率半径と、保持部材の、定着ローラの周面に当接する面の曲率半径とが同一となるように構成される。これによって、定着ローラと保持部材とがより広い面積で当接するので、より効率的に保持部材から定着ローラへ熱を伝えることができる。
また、セラミックヒータは、保持部材を介して定着ローラの内周面の、加圧ローラの当接部以外の面と接している。
た、保持部材がアルミニウムからなるので、セラミックヒータから伝わる熱を定着ローラに効率的に伝えることができる。
た、保持部材は、フッ素樹脂コート層が、定着ローラの内周面に当接するように構成される。これによって、定着ローラと保持部材との摩擦を小さくすることができ、保持部材が当接した状態で定着ローラが回転駆動する際のトルクを減少させることができる。
また本発明によれば、定着ローラの内周面に潤滑材を塗布する潤滑材塗布部材を備える。定着ローラの内周面に潤滑材を塗布することによって、定着ローラと保持部材との摩擦を小さくすることができ、保持部材が当接した状態で定着ローラが回転駆動する際のトルクを減少させることができる。
また本発明によれば、熱効率が高い定着装置を備える画像形成装置を実現することができる。
画像形成装置100の断面を模式的に示す概略図である。 画像形成装置100の電気的構成を示すブロック図である。 定着装置4の断面図である。 定着装置4の断面図である。 定着ローラ41の表面を示す図である。 加熱部43に含まれる保持部材432を示す断面図である。 比較例に係る定着装置を示す図である。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着装置を備え、該定着装置によって、未定着のトナー像を記録媒体に定着させるように構成される画像形成装置である。以下に、本発明に係る画像形成装置の実施形態である画像形成装置100、および本発明に係る定着装置の実施形態である定着装置4について示す。
図1は、画像形成装置100の断面を模式的に示す概略図である。画像形成装置100は、トナー像形成部1と、転写部2と、記録媒体供給部3と、定着装置4と、排出部5と、画像読取部6とを含む。
画像読取部6は、原稿台と、光源と、CCD(電荷結合素子)イメージセンサとを含む。原稿台の上面には、複写すべき原稿が載置される。原稿台には、透明ガラスなどの透明性材料からなる板状部材が用いられる。光源は、原稿台に載置される原稿を照明する。CCDイメージセンサは、光源によって照明される原稿からの反射光を光電変換することで、反射光を画像情報(アナログ信号)に変換する。アナログ信号の画像情報は、後述する図2に示す制御ユニット部7によってデジタル信号化されて記憶される。
トナー像形成部1は、感光体ドラム11と、帯電部12と、光走査ユニット13と、現像部14と、現像剤補給容器15と、ドラムクリーナ16と、感光体除電部17とを含む。
感光体ドラム11は、図示しない駆動部によって軸線回りに回転駆動可能に支持されるローラ状部材である。感光体ドラム11は、感光層を含み、該感光層の表面において、静電潜像ひいてはトナー像を担持する像担持体である。
感光体ドラム11には、たとえば、アルミニウムなどからなる導電性基体と、該導電性基体表面に形成される感光層とからなるものを使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状の導電性基体を好ましく使用できる。感光層としては、有機感光層、無機感光層などが挙げられる。
有機感光層としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、または、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光層としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む樹脂層が挙げられる。
導電性基体と感光層との間には、下地層が介在してもよい。また、感光層の表面には感光層を保護するための表面層(保護層)が設けられてもよい。
帯電部12は、感光体ドラム11表面を所定の極性および電位に帯電させる部材である。帯電部12は、感光体ドラム11に臨む位置に、感光体ドラム11の長手方向に沿って設置される。接触帯電方式の帯電装置の場合、帯電部12は、感光体ドラム11表面に接するように設置される。非接触帯電方式の帯電装置の場合、帯電部12は、感光体ドラム11表面から離隔するように設置される。
帯電部12としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを使用できる。ブラシ型帯電装置およびローラ型帯電装置は、接触帯電方式の帯電装置である。ブラシ型帯電装置には、帯電ブラシを用いるもの、磁気ブラシを用いるものなどがある。コロナ放電装置およびイオン発生装置は、非接触帯電方式の帯電装置である。コロナ放電装置には、ワイヤ状の放電電極を用いるもの、鋸歯状の放電電極を用いるもの、針状の放電電極を用いるものなどがある。
光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11表面に、デジタル信号からなる画像情報に対応するレーザ光を照射して、感光体ドラム11表面に該画像情報に対応する静電潜像を形成する。光走査ユニット13には、半導体レーザ装置などを使用できる。
現像部14は、現像ローラと、現像槽と、攪拌ローラとを含む。現像ローラは、現像槽によって軸線回りに回転可能に支持されるローラ状部材である。現像ローラは、現像槽の、感光体ドラム11に臨む面に形成される開口部から、その一部が外方に向けて突出して感光体ドラム11表面に近接するように設けられる。
現像ローラは、図示しない固定磁極を内包しており、該固定磁極によって、現像ローラ表面に現像剤を担持する。現像ローラは、現像ローラと感光体ドラム11との近接部(現像ニップ部)において、担持した現像剤を感光体ドラム11表面の静電潜像に供給し、感光体ドラム11表面にトナー像を形成する。現像ローラは、感光体ドラム11と逆方向に回転駆動する。したがって、現像ニップ部においては、現像ローラ表面と感光体ドラム11表面とが同じ方向に移動する。
現像ローラは、図示しない電源と接続され、該電源から直流電圧(現像電圧)が印加される。これによって、現像ローラ表面の現像剤は、静電潜像に円滑に供給される。
現像槽は、感光体ドラム11に臨む面に開口部が形成され、内部空間を有する容器状部材である。現像槽は、その内部空間に攪拌ローラを備え、現像剤を貯留する。現像剤としては、この分野で常用されるものを使用できる。現像剤は、トナーのみからなる1成分現像剤であっても、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤であってもよい。
攪拌ローラは、現像槽の内部空間において軸線回りに回転駆動可能に支持されるスクリュー状部材である。攪拌ローラは、回転駆動によって、現像槽内の現像剤を現像ローラの表面周辺に送給する。
現像剤補給容器15は、その内部空間に現像剤を貯留する容器状部材である。現像剤補給容器15は、現像部14における現像剤の消費状況に応じて、現像槽に現像剤を補給する。
ドラムクリーナ16は、感光体ドラム11表面のトナー像が記録媒体に転写された後に、感光体ドラム11表面に残存する現像剤を除去、回収する。
感光体除電部17は、ドラムクリーナ16によって現像剤が回収された後の感光体ドラム11を除電する。感光体除電部17にはランプなどの照明部を用いることができる。
転写部2は、図示しない駆動部によって軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。転写部2は、感光体ドラム11に圧接する。転写部2と感光体ドラム11との圧接部を転写ニップ部と呼ぶ。後述する記録媒体供給部3によって供給される記録媒体には、転写ニップ部において、トナー像が転写される。転写部2は、未定着トナー像を担持した記録媒体を、定着装置4へ搬送する。
転写部2には、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面を被覆する導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属によって形成される。導電性層は、導電性の弾性体などによって形成される。導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。
転写部2は、図示しない高圧電源と接続される。転写部2には、高圧電源から、感光体ドラム11の表面に形成されるトナー像の帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、感光体ドラム11表面に形成されるトナー像は、記録媒体の表面に円滑に転写される。
記録媒体供給部3は、記録媒体カセット31a,31b,31cと、ピックアップローラ32と、搬送ローラ34と、レジストローラ35とを含む。記録媒体カセット31a,31b,31cは記録媒体を貯留する。記録媒体には、たとえば、普通紙、コート紙、カラーコピー専用用紙、OHP用フィルム、葉書などがある。記録媒体のサイズには、A4、A3、B5、B4、葉書サイズなどがある。
ピックアップローラ32は、記録媒体を搬送ローラ34に1枚ずつ送給するローラ状部材である。記録媒体カセット31aに貯留される記録媒体は、ピックアップローラ32によって搬送ローラ34に送給される。記録媒体カセット31bに貯留される記録媒体は、記録媒体受入口33aを経て搬送ローラ34に送給される。記録媒体カセット31cに貯留される記録媒体は、記録媒体受入口33bまたは記録媒体受入口33cを経て搬送ローラ34に送給される。
搬送ローラ34は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。搬送ローラ34は、レジストローラ35へ記録媒体を送給する。
レジストローラ35は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。レジストローラ35は、感光体ドラム11上のトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、該転写ニップ部に記録媒体を送給する。
定着装置4は、未定着トナー像を担持した記録媒体に、該未定着トナー像を定着させる装置である。記録媒体は、転写部2から定着装置4へ搬送され、加熱および加圧される。これによって、未定着トナー像を構成するトナーが加熱溶融して記録媒体に定着する。トナー像が定着した後の記録媒体は、排出部5へ搬送される。
定着装置4は、定着ローラ41と、加圧ローラ42と、加熱部43と、サーミスタ44と、サーモスタット45とを含む。定着ローラ41は、図示しない駆動部によって回転駆動するローラ状部材である。加圧ローラ42は、定着ローラ41の外周面を所定の押圧力で押圧するローラ状部材であり、定着ローラ41の回転駆動に伴って従動回転する。定着ローラ41と加圧ローラ42との当接部を定着ニップ部と呼ぶ。記録媒体は、定着ニップ部において加熱および加圧される。加熱部43は、図示しない電源と接続され、定着ローラ41を内周側から加熱する部材である。定着ローラ41、加圧ローラ42、および加熱部43については、後に詳述する。
サーミスタ44は、定着ローラ41の温度を測定する。加熱部43は、サーミスタ44による測定結果が設定値よりも低い場合に定着ローラ41を加熱し、設定値以上である場合は加熱を停止する。サーモスタット45は、定着ローラ41の異常昇温を検知する。異常昇温が検知された場合、加熱部43は、定着ローラ41の加熱を直ちに停止する。
サーミスタ44およびサーモスタット45は、定着ローラ41を介して加熱部43と対向する位置、またはその位置の近傍に設けられることが好ましい。サーミスタ44およびサーモスタット45を、加熱部43に近い領域に設置することで、定着ローラ41が回転駆動を停止している状態においても、定着ローラ41の温度および温度変化を正確に測定することができる。
排出部5は、搬送ローラ51と、排出ローラ52と、貯留部53a,53bと、切換ゲート54とを含む。搬送ローラ51は、定着後の記録媒体を、定着装置4から排出ローラ52へ搬送する。排出ローラ52は、搬送ローラ51から搬送された記録媒体を、貯留部53aまたは貯留部53bに排出する。貯留部53a,53bは、トナー像が定着した記録媒体を貯留する。切換ゲート54は、排出ローラ52による記録媒体の排出先を、貯留部53aおよび貯留部53bのいずれか一方に決定する。
図2は、画像形成装置100の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、制御ユニット部7と、検知部8と、電源部9と、駆動部10とを含む。
検知部8は、画像形成装置100内部の各所に配置されるセンサである。検知部8には、上述したサーミスタ44、サーモスタット45などが含まれる。電源部9は、画像形成装置100を構成する各部材に電力を供給する。電源部9には、上述した加熱部43を加熱するための電源などが含まれる。駆動部10は、画像形成装置100を構成する各部材を駆動させる。駆動部10には、上述した定着ローラ41を回転駆動させる駆動部などが含まれる。
制御ユニット部7は、画像形成装置100の内部空間における鉛直方向上部に設けられ、画像形成装置100を構成する各部材の制御を行う。制御ユニット部7は、記憶部71と演算部72と制御部73とを含む。
記憶部71は、画像形成装置100の鉛直方向上面に配置される図示しない操作パネルを介して入力された各種設定値、検知部8からの検知結果、外部機器からの画像情報などを記憶する。外部機器とは、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気、電子機器であり、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などである。
また、記憶部71は、各種処理を実行するプログラムを記憶している。各種処理とは、たとえば、記録媒体判定処理、付着量制御処理、定着制御処理などである。
記憶部71には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。
演算部72は、記憶部71が記憶する各種データ(各種設定値、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部73は、演算部72の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送信し、動作制御を行う。制御部73および演算部72は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。
制御ユニット部7による定着制御処理は、たとえば以下のように行われる。制御部73は、画像形成指示の入力を受けると、加熱部43に電力を供給する電源に制御信号を送信するとともに、定着ローラ41を回転駆動させる駆動部に制御信号を送る。画像形成指示は、画像形成装置100の操作パネル、画像形成装置100に接続される外部機器などから入力される。制御信号を受信した電源は、加熱部43に電力を供給し、定着ローラ41を加熱する。制御信号を受信した駆動部は、定着ローラ41を回転駆動させる。定着ローラ41の回転駆動に伴って加圧ローラ42が従動回転する。この状態において、サーミスタ44は、定着ローラ41の表面の温度を測定し、その測定結果を制御部73に送信する。演算部72は、測定結果および記憶部71が記憶する設定値に基づき、定着ローラ41の表面温度が該設定値に到達しているか否かを判定する。定着ローラ41の表面温度が設定値に到達していると判定されると、制御部73は、未定着トナー像を担持する記録媒体を、定着ニップ部に搬送させる。このように定着装置4を制御する処理が定着制御処理である。なお、ウォーミングアップ時間をできる限り短縮するために、定着ローラ41の温度が所定温度(たとえば150℃)に到達するまでは、定着ローラ41の回転駆動を開始させないことによって、加圧ローラ42への熱移動を少なくすることが好ましい。定着ローラ41の温度が所定温度まで到達した後、定着ローラ41の回転駆動を開始させ、設定値(たとえば195℃)になるまで、加熱しながら回転駆動させ続けることによって、定着ローラ41の周方向における温度むらを起こさずに、ウォーミングアップ時間を短縮することができる。
次に、定着装置4の具体的な構成を説明する。図3および図4は、定着装置4の断面図である。図3は、定着ローラ41の軸線に垂直な断面図であって、軸線方向中央部を通る面を断面としている。図4は、定着ローラ41の軸線および加圧ローラ42の軸線を含む面を断面としている。図5は、定着ローラ41の表面を示す図である。図6は、加熱部43に含まれる保持部材432を示す断面図である。図6は、保持部材432の長手方向に垂直な面を断面としている。
定着装置4は、定着ローラ41と、加圧ローラ42と、加熱部43とを含む。定着ローラ41は、支持部46によって、軸線方向両端を支持され、かつ図示しない駆動部によって回転駆動するローラ状部材である。加圧ローラ42は、支持部47によって軸線方向両端を支持され、定着ローラ41の回転駆動に従動回転するローラ状部材である。加熱部43は、定着ローラ41の内部空間に配置され、定着ローラ41を内周面に当接して該表面を加熱する部材であり、図示しない支持部によって軸線方向両端を固定される。したがって、定着ローラ41の回転駆動に伴って、定着ローラ41の、加熱部43が当接する箇所は移動することとなる。これによって、定着ローラ41は均一に加熱される。
本発明に係る定着ローラ41は、低熱容量化された定着ローラである。本実施形態では、図5(a)に示すように、定着ローラ41は、芯金41Aと表面層41Cとを含む。
芯金41Aを構成する材料としては、定着ローラ41の低熱容量化のために、熱伝導率の高い金属を使用する。芯金41Aを構成する金属としては、たとえば、アルミニウム、鉄などを使用することができる。本実施形態では、鉄を使用している。
芯金41Aの形状は直円筒状である。芯金41Aの軸線方向両端部には、強度向上のための絞り構造があってもよいし無くてもよいけれども、絞り構造が無い方が好ましい。芯金41Aに絞り構造がある場合、定着ローラ41の内部にセラミックヒータなどを含む加熱部43を当接させるときに、絞り部の段差のために当接させ難くなるからである。本実施形態では、芯金41Aは、外径40mm、内径39.1mm、肉厚0.45mmで、絞り構造の無い鉄製の薄肉ローラである。
表面層41Cは、芯金41Aの外周面上に設けられる。表面層41Cを構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、トナーとの付着力が弱いものを用いることができる。表面層41Cを構成する材料の具体例としては、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴムなどが挙げられる。表面層41Cの厚さは30μm〜50μmであることが好ましい。
本実施形態では、定着ローラ41は、外径40mm、内径39.1mm、肉厚0.45mmの絞り構造の無い芯金41Aの外周面上に、表面層41Cとして厚さ30μmのPFAのコート層が設けられた、外径40.06mmのローラである。なお、コート層の代わりにチューブを用いてもよい。また、定着ローラ41の軸線方向長さは、370mmである。このように構成される定着ローラ41の熱容量は77J/Kである。
定着ローラ41の他の実施形態としては、図5(b)に示すように、芯金41Aと表面層41Cとの間に弾性体層41Bが設けられてもよい。なお、定着ローラ41の低熱容量化という観点から、定着ローラ41には弾性体層41Bが設けられない方が好ましい。
弾性体層41Bを構成する材料としては、ゴム弾性を有するもの、より好ましくは、ゴム弾性を有し、耐熱性に優れるものを用いることができる。弾性体層41Bを構成する材料の具体例としては、たとえば、シリコンゴム、フッ素ゴム、またはフルオロシリコンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコンゴムが好ましい。
加圧ローラ42は、支持部47によって軸線方向両端を支持され、図示しない加圧機構によって定着ローラ41を押圧した状態で回転自在に設けられる。加圧機構は、定着時以外においては、加圧ローラ42が定着ローラ41を押圧しないように制御されることが好ましい。これによって、加圧ローラ42による押圧力で定着ローラ41が塑性変形してしまうことを防止できる。
本実施形態では、加圧ローラ42は、芯金42Aと弾性体層42Bと表面層とを含む。芯金42Aを構成する材料としては、芯金41Aを構成する材料と同じものを使用できる。芯金42Aの形状は直円筒状であり、芯金42Aの軸線方向両端部には、絞り構造があってもよいし無くてもよい。
弾性体層42Bは、芯金42Aの外周面上に設けられる。弾性体層42Bを構成する材料としては、弾性体層41Bを構成する材料と同じものを使用できる。表面層は、弾性体層42Bの外周面上に設けられる。加圧ローラ42の表面層を構成する材料としては、定着ローラ41の表面層41Cを構成する材料と同じものを使用できる。
本実施形態では、加圧ローラ42は、外径24mm、内径18mm、肉厚3mmの芯金42Aの外周面上に、弾性体層42Bとして厚さ8mmのシリコンスポンジ層が設けられ、さらに弾性体層42Bの外周面上に、表面層として厚さ50μmのPFAチューブ層が設けられた、外径40.1mmのローラである。また、芯金42Aの軸線方向長さは313mmであり、弾性体層42Bの軸線方向長さは312mmであり、弾性体層42Bは芯金42Aの軸線方向中央部に設けられる。加圧ローラ42の軸方向の両端部には直径8mmの円柱状のボスが圧着されており、圧着部分にボールベアリングを挿着することで定着ローラ41の回転に伴い加圧ローラ42が従動回転するように構成される。
本実施形態では、加圧ローラ42は、弾性体層42Bにおいて、加圧機構によって、軸線方向において一様な押圧力であって総荷重が450Nである押圧力で、定着ローラ41を押圧している。上記のように、弾性体層42Bは、軸線方向において芯金42Aよりも短いので、芯金42Aの、弾性体層42Bに覆われない箇所での押圧力は0Nである。すなわち、加圧ローラ42による押圧力は、定着ローラ41の軸線方向端側と比較して該軸線方向中央が強い力となる押圧力である。この条件のとき、定着ローラ41は押圧力の方向へ撓んでおり、定着ローラ41の最大撓み幅Hは、80μmである。
加熱部43は、セラミックヒータ431と、保持部材432と、断熱部材433と、加圧部材434と、潤滑材塗布部材435とを含む。
セラミックヒータ431は、基板と抵抗配線とを含み、図示しない電源から電力を供給されることによって、該抵抗配線が発熱して、定着ローラ41を加熱する部材である。本実施形態では、セラミックヒータ431は、基板の材質がアルミナであり、抵抗配線の材質が銀パラジウムである。また、セラミックヒータ431は、長手方向長さ320mm、幅12mm、厚さ0.8mmの板状部材である。これによって、定着装置4は長手方向に320mmの発熱領域を有することになるので、最大でA3サイズの記録媒体にまで対応することができる。
本実施形態では、セラミックヒータ431は、メインセラミックヒータとサブセラミックヒータとが積層されてなる。メインセラミックヒータは、長手方向長さ320mm、幅12mm、厚さ0.4mmの板状部材であり、長手方向中央部の、長手方向に200mmの領域を発熱領域とする。メインセラミックヒータの消費電力は750Wである。サブセラミックヒータは、長手方向長さ320mm、幅12mm、厚さ0.4mmの板状部材であり、長手方向両端部の、長手方向に60mmの領域を発熱領域とする。サブセラミックヒータの消費電力は450Wである。定着装置4は、A4サイズ以上の記録媒体の定着の際には、メインセラミックヒータおよびサブセラミックヒータを発熱させて定着を行い、より小さな記録媒体の定着の際には、メインセラミックヒータのみを発熱させて定着を行う。これによって、定着装置4は、より小さな記録媒体の定着の際に、消費電力を抑えることができる。
保持部材432は、セラミックヒータ431に当接しながらセラミックヒータ431を保持する部材である。保持部材432は、発熱するセラミックヒータ431から熱が伝わり、定着ローラ41の内周面に当接することによって、セラミックヒータ431から伝った熱を定着ローラ41に伝える。本実施形態では、保持部材432は、定着ローラ41の内周面のうち、加圧ローラ42から最も遠い表面に当接する。他の実施形態としては、保持部材432が定着ニップ部の内周面に当接するように構成してもよい。
保持部材432は長手方向に垂直な断面が略U字状であり、幅方向中央部に設けられる凹部分が長手方向に延びている。凹部分は保持部材432の厚さ方向において、定着ローラ41と当接する面とは反対側に設けられる。凹部分にはセラミックヒータ431が嵌まり込んで保持される。保持部材432は、セラミックヒータ431の一方側の平面部に当接するように、セラミックヒータ431を保持する。
保持部材432としては、セラミックヒータ431から伝わる熱を定着ローラ41に効率的に伝えるために、熱伝導率が高い材料が用いられることが好ましく、本実施形態ではアルミニウムが用いられる。また、セラミックヒータ431から伝わる熱を定着ローラ41に効率的に伝えるために、保持部材432の、定着ローラ41と当接する面は、幅方向に湾曲し、長手方向に延びる曲面であることが好ましい。より好ましくは、定着装置4は、定着ローラ41の内周面が、直円筒形状の内周面と同一形状の曲面となり、保持部材432の、定着ローラ41の内周面に当接する面が、直円柱形状の外周面の一部と同一形状の曲面となり、定着ローラ41の内周面の曲率半径と、保持部材432の、定着ローラ41の周面に当接する面の曲率半径とが同一となるように構成される。
本実施形態では、芯金41Aが内径39.1mmの直円筒形状であるので、定着ローラ41の内周面は、直円筒形状の内周面と同一形状の曲面であり、曲率半径は19.55mmである。また、保持部材432の、定着ローラ41の内周面に当接する面は、直円柱形状の外周面の一部となるように構成され、曲率半径は19.55mm、弧の長さは20mmである。これによって、定着ローラ41と保持部材432とがより広い面積で当接するので、より効率的に保持部材432から定着ローラ41へ熱を伝えることができる。保持部材432の、定着ローラ41と当接する面の曲率半径は、定着ローラ41の内周面の曲率半径より小さくてもよい。
保持部材432は、フッ素樹脂コート層432Aを含み、フッ素樹脂コート層432Aが、定着ローラ41の内周面に当接するように構成される。これによって、定着ローラ41と保持部材432との摩擦を小さくすることができ、保持部材432が当接した状態で定着ローラ41が回転駆動する際のトルクを減少させることができる。フッ素樹脂コート層432Aとしては、たとえば、PFA、PTFEなどのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴムなどが挙げられる。本実施形態では、フッ素樹脂コート層432Aは、厚さ10μm〜20μm程度のPFAとPTFEとの混合物からなる。
保持部材432は、定着ローラ41を迅速に加熱するために、低熱容量化されることが好ましい。本実施形態では、保持部材432の肉厚を薄くすることによって、保持部材432を低熱容量化している。保持部材432の、長手方向長さL1は340mmであり、幅L2は18mmであり、中央部厚さL3は約2mmである。
断熱部材433は、セラミックヒータ431の熱が、後述する固定部材4341に伝わるのを抑えるために設けられる部材である。本実施形態では、断熱部材433は、長手方向長さ320mm、幅11mm、厚さ2mmの板状部材である。断熱部材433は、一方側の平面部において、セラミックヒータ431の、保持部材432に当接しない側の平面部と当接した状態で、保持部材432の凹部分に嵌り込んで保持される。断熱部材433には、フッ素ゴム、シリコンゴム、スポンジなどの熱伝導率が小さく耐熱性を有する材料が用いられる。本実施形態では、断熱部材433にフッ素ゴムを用いている。
加圧部材434は、保持部材432を、弾性力によって、定着ローラ41の外周側へ加圧する部材である。加圧部材434は、固定部材4341と、加圧ばね4342と、加圧ばね支持部材4343とを含む。
固定部材4341は、保持部材432の、定着ローラ41に当接しない側の面、および断熱部材433の、セラミックヒータ431に当接しない側の面に当接して設けられる。したがって、固定部材4341と保持部材432とによって筒形状が形成され、該筒形状の内部空間にセラミックヒータ431および断熱部材433が保持される。固定部材4341は、セラミックヒータ431からの熱が保持部材432以外へ伝わるのを抑えるために、熱伝導率の小さい材料が好ましい。本実施形態では、固定部材4341は、耐熱性の高いポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂からなる、長手方向長さ340mm、幅25mm、厚さ5mmの板状部材である。
加圧ばね4342は、ばねの弾性力によって、固定部材4341を加圧し、これによって、保持部材432、セラミックヒータ431、および断熱部材433を、定着ローラ41の外周側へ加圧するために設けられる。本実施形態では、加圧ばね4342は、10本のばねからなり、1本あたりの荷重は1.2Nである。加圧ばね4342は、定着ローラ41の軸方向に、約34mmの間隔で等間隔に設けられる。
加圧ばね支持部材4343は、加圧ばね4342を支持するばね受け部材であって、加圧ばね4342を挟んで固定部材4341に対向する位置に設けられる。加圧ばね支持部材4343は、定着ローラ41の長手方向に延びるように設けられ、図示しない支持部に固定される。加圧ばね支持部材4343には、加圧ばね4342によって、固定部材4341に加わる荷重と同じ大きさの荷重が加わる。加圧ばね支持部材4343には、加圧ばね4342による荷重によって変形しないような材料が用いられる。本実施形態では、加圧ばね支持部材4343に、ステンレスを用いている。
潤滑材塗布部材435は、定着ローラ41の内周面に潤滑材を塗布する部材である。潤滑材塗布部材435は、潤滑材が含浸した多孔質の弾性材料またはフェルト状部材であり、加圧ばね支持部材4343に固定され、定着ローラ41の内周面に当接する。本実施形態では、潤滑材塗布部材435は、シリコンオイルが含浸したフェルトからなり、定着ローラ41にシリコンオイルを塗布する。これによって、定着ローラ41と保持部材432との摩擦を小さくすることができ、保持部材432が当接した状態で定着ローラ41が回転駆動する際のトルクを減少させることができる。
本実施形態のような低熱容量化された定着ローラ41は、加圧ローラ42による押圧力によって該押圧力の方向に撓む。定着ローラ41の撓み幅は、定着ローラ41、加圧ローラ42、定着ローラ41の駆動部、加圧ローラ42の加圧機構などの使用状況、経年劣化などによって変化する。また、加圧ローラ42が定着ローラ41を押圧しないように加圧機構が制御されている状態では、定着ローラ41は撓まない、すなわち、定着ローラ41の撓み幅は0である。
本発明に係る定着装置4は、定着ローラ41の撓み幅によらずに、加圧部材434による加圧によって保持部材432が定着ローラ41の内周面に当接するように構成される。より詳細には、加圧ばね支持部材4343によって支持された加圧ばね4342の弾性力によって、固定部材4341が定着ローラ41の外周側へ直接的に加圧され、断熱部材433、セラミックヒータ431、および保持部材432が間接的に加圧される。これによって、保持部材432が定着ローラ41の撓みに沿うように弾性変形する。同様に、セラミックヒータ431は保持部材432の撓みに沿うように弾性変形し、断熱部材433はセラミックヒータ431の撓みに沿うように弾性変形し、固定部材4341は断熱部材433の撓みに沿うように弾性変形する。したがって、定着ローラ41の撓みの状態が変化しても、常に、定着ローラ41と保持部材432との間に隙間が生じることを防止でき、保持部材432とセラミックヒータ431との間に隙間が生じることも防止できる。よって、定着装置4は、定着ローラ41と保持部材432との間に隙間が生じることにより定着ローラ41の熱効率が低下するのを防ぐことができる。
これに対して、従来の定着装置では、定着ローラと加熱部とが接触しなくなって熱効率が極端に低下したり、定着ローラと加熱部との間に部分的に隙間が生じることによって、定着ローラを軸線方向にわたって均一に加熱できなくなり、これによって熱効率が低下したりしてしまう。なお、上述したように、定着ローラの撓み幅は、定着装置の使用状態などによって異なるものであるので、従来の定着装置において、定着ローラの特定の撓みの状態に対応するように加熱部43の形状を調整したとしても、他の撓みの状態では隙間が生じてしまう。
本実施形態では、上述したように、保持部材432が定着ローラ41の内周面のうち、加圧ローラ42から最も遠い内周面に当接するように構成される。したがって、定着ローラ41が撓む方向と、保持部材432が加圧ばね4342によって加圧される方向とが同一直線状の同じ向きの方向になる。これによって、保持部材432は、定着ローラ41の撓みに精度良く対応することができる。また、サーミスタ44およびサーモスタット45を、定着ローラ41を挟んで保持部材432に対向する位置に取り付けることが容易となり、定着ローラ41が停止した状態においても定着ローラ41の温度管理が可能になるので、精度良く定着ローラ41の温度管理ができる。
他の実施形態としては、保持部材432が定着ニップ部の内周面に当接するように構成してもよい。これによって、定着ローラ41が撓む方向と、保持部材432が加圧ばね4342によって加圧される方向とが同一直線状の逆向きの方向になる。これによって、保持部材432は、定着ローラ41の撓みに精度良く対応することができる。また、定着ローラ41の撓み幅を減少させることができ、駆動部のトルクを減少さえることができる。
本発明に係る定着装置は、本実施形態の構成に限られない。たとえば、定着装置4において、加圧ばね4342による荷重を大きくしたり、保持部材432、セラミックヒータ431などの材質を柔らかいものに変更したり、厚さを小さくしたりなどによって、加熱部43を撓み易く構成しても、定着ローラ41の撓みに対応でき、本発明の効果を得ることができる。なお、定着装置4において、定着ローラ41の肉厚を大きくするなどによって、定着ローラ41を撓み難くしても、定着ローラ41の撓みに対応することはできるけれども、定着ローラ41の低熱容量化の観点から、好ましくない。
(実施例)
上記定着装置4を実施例に係る定着装置とした。なお、投入電力1200W、定着ローラの周速を395mm/secとして、30万枚の通紙エージングを実施したところ、セラミックヒータ431などの定着装置4を構成する各部材の破損は観察されなかった。
(比較例)
図7は、比較例に係る定着装置を示す図である。比較例に係る定着装置は、加熱部43をハロゲンランプ50に変更したこと以外は、定着装置4と同一の構成である。ハロゲンランプ50は、定着ローラ41の内部空間中央部に設けられる、メインハロゲンランプ50Aとサブハロゲンランプ50Bとからなる。メインハロゲンランプ50Aは、軸線方向中央部200mmの領域において発光する消費電力750Wのハロゲンランプである。サブハロゲンランプ50Bは、軸線方向両端部60mmの領域において発光する消費電力450Wのハロゲンランプである。
(ウォームアップ時間の評価)
実施例に係る定着装置、および比較例に係る定着装置それぞれを用いて、投入電力1200W、定着ローラ41の周速を395mm/secとして、サーミスタ44による検知温度が、室温(およそ22℃)から195℃に到達するまでにかかる時間を測定した。ウォームアップ時間の評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。ウォームアップ時間が25秒以下である。
○:良好。ウォームアップ時間が25秒を超え、30秒以下である。
△:実使用上問題なし。ウォームアップ時間が30秒を超え、35秒以下である。
×:不良。ウォームアップ時間が35秒を超える。
(温度追従性の評価)
実施例に係る定着装置、および比較例に係る定着装置それぞれを用いて、投入電力1100W、定着ローラ41の周速を395mm/sec、通紙速度を75枚/分として、A4サイズ(坪量64g)の用紙を100枚連続通紙して、3cm×2cmのべた画像を定着させた。定着されたべた画像を、消しゴムによって、荷重10Nで擦り、擦り前後の残存率(=濃度比(=擦り後の画像濃度/擦り前の画像濃度)×100[%])を、マクベス社製X−Rite938によって測定した。温度追従性の評価基準は以下のとおりである。
◎:非常に良好。残存率(濃度比)が80%(0.8)以上である。
○:良好。残存率が70%以上、80%未満である。
△:実使用上問題なし。残存率が60%以上、70%未満である。
×:不良。濃度比が60%未満である。
実施例および比較例における、ウォームアップ時間の評価、および温度追従性の評価を表1に示す。
Figure 0005530689
表1に示すように、実施例に係る定着装置は、ウォームアップ時間が短く、温度追従性が高いことがわかる。
1 トナー像形成部
2 転写部
3 記録媒体供給部
4 定着装置
5 排出部
6 画像読取部
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
43 加熱部
100 画像形成装置
431 セラミックヒータ
432 保持部材
433 断熱部材
434 加圧部材
435 潤滑材塗布部材
4341 固定部材
4342 加圧ばね
4343 加圧ばね支持部材

Claims (3)

  1. ローラ状部材である定着ローラと、
    前記定着ローラの軸線方向端側と比較して該軸線方向中央が強い力となる押圧力で、前記定着ローラの外周面を押圧するローラ状部材である加圧ローラと、
    前記定着ローラの内周側に設けられ、該定着ローラを加熱するセラミックヒータと、
    前記定着ローラの内周側に設けられ、前記セラミックヒータに当接しながら該セラミックヒータを保持する、アルミニウムからなる保持部材と、
    前記保持部材を、弾性力によって、前記定着ローラの内周側から外周側に向かって加圧する加圧部材とを備え、
    前記定着ローラの内周面は、直円筒形状の内周面と同一形状の曲面であり、
    前記保持部材の、前記定着ローラの内周面に当接する面は、直円柱形状の外周面の一部と同一形状の曲面であり、
    前記定着ローラの内周面の曲率半径と、前記保持部材の、前記定着ローラの内周面に当接する面の曲率半径とが同一となるように構成され、
    前記保持部材は、フッ素樹脂コート層を含み、該フッ素樹脂コート層が、前記定着ローラの内周面に当接するように構成され、
    前記セラミックヒータは、前記保持部材を介して前記定着ローラの内周面の、前記加圧ローラの当接部以外の面と接していることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着ローラの内周面に潤滑材を塗布する潤滑材塗布部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 請求項1または2に記載の定着装置を備え、
    前記定着装置によって、未定着のトナー像を記録媒体に定着させるように構成されることを特徴とする画像形成装置。
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