<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明は、例示のために特定の詳細な内容が含まれている。しかし、当業者であれば、以下に説明する詳細な内容に様々な変更を加えた場合であっても、本発明の範囲を超えないことは理解できるであろう。従って、以下に説明する本発明の例示的な実施形態は、権利を請求された発明に対して、一般性を失わせることなく、また、何ら限定をすることもなく、述べられたものである。
図1は、本第1の実施形態における撮像装置の概略構成を示したブロック図である。ここに示した各構成要素は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子で実現することができ、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるものであるが、ここでは、これらの連携によって実現される機能ブロックとして示している。従って、これらの機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェアの組合せによって、様々な形式で実現できるということは、当業者には理解できるであろう。
図1に示した撮像装置100は、レンズ1と、撮像部2と、画像処理部3と、表示部4と、読出シーケンス選択部6と、読出シーケンス設定部7と、駆動制御部8と、レンズ制御部9と、カメラ制御部10と、カメラ操作部11と、カメラ速度検出部12と、を備えている。なお、図1に示した撮像装置100の構成要素であるメモリカード5は、撮像装置100に対して着脱可能に構成されており、撮像装置100に固有の構成でなくてもよい。
図1に示した撮像装置100は、画像信号を読み出す読み出しシーケンスとして、被撮像範囲をリアルタイムに表示する動画(ライブビュー)用の画像信号を読み出す第3の読出シーケンス(以下、「動画表示シーケンス」という)と、動画表示を行わずに連写で複数の静止画像用の画像信号を連続して読み出す第1の読出シーケンス(以下、「動画非表示連写シーケンス」という)と、連写で複数の静止画像用の画像信号を連続して読み出す間に動画用の画像信号を読み出して動画表示を行う第2の読出シーケンス(以下、「動画表示連写シーケンス」という)を少なくとも有している。
レンズ1は、レンズ制御部9によってレンズ1内に備えるフォーカスレンズの駆動、絞り機構の駆動、シャッタ機構の駆動などが制御され、被写体の光学像を撮像部2に備える撮像素子の撮像面に結像するための撮影レンズである。
撮像部2は、レンズ1によって結像された被写体の光学像を光電変換する固体撮像素子を備え、被写体光に応じた画像信号(デジタル信号)を出力する。また、撮像部2は、少なくとも、全画素の露光開始タイミングおよび露光終了タイミングを一括して制御するグローバルシャッタモードを有しており、駆動制御部8による駆動制御によって、グローバルシャッタ動作を行う。また、撮像部2は、例えば、固体撮像素子内の画素の行単位または画素単位で、露光および画像信号の読み出しを順次制御するローリングシャッタモードも有しており、駆動制御部8による駆動制御によって、ローリングシャッタ動作を行う。そして、撮像部2は、グローバルシャッタ動作またはローリングシャッタ動作によって得た画像信号を、画像処理部3および読出シーケンス選択部6に出力する。
画像処理部3は、撮像部2から出力された画像信号に種々のデジタル的な画像処理を行う。画像処理部3による画像処理には、例えば、画像信号を記録するための記録用の画像処理や、被写体の画像(動画)を表示部4に表示させるための表示用の画像処理が含まれる。そして、記録用の画像処理を行った画像信号をメモリカード5に、表示用の画像処理を行った画像信号を表示部4に出力する。
表示部4は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置を備え、画像処理部3によって表示用の画像処理がされた画像信号に基づいた画像を表示する。表示部4は、撮像装置100が撮影した静止画像や、メモリカード5に保存されている画像の再生表示をすることができる共に、撮像装置100が撮影する被撮像範囲をリアルタイムに表示する動画(ライブビュー)表示を行うことができる。また、表示部4は、カメラ制御部10から入力された情報を表示する。
メモリカード5は、撮像装置100によって撮影された静止画像を保存するための記録媒体である。メモリカード5には、画像処理部3によって記録用の画像処理がされ、さらに、例えば、圧縮処理などの画像処理が行われた静止画像のデータが記録される。
カメラ速度検出部12は、例えば、ジャイロセンサーなどを備え、撮像装置100自体の動きを検出することによって、被写体が移動する速度を検出する。また、カメラ速度検出部12は、検出した撮像装置100自体の動きに基づいて被写体の移動速度を表す情報(以下、「カメラ速度情報」という)を、読出シーケンス選択部6に出力する。
読出シーケンス選択部6は、撮像装置100が連写モードに設定された場合に、連写を行うときの読み出しシーケンスを選択する。読出シーケンス選択部6は、連写中に動画表示を行わない動画非表示連写シーケンス、または連写を行いながら動画表示を行う動画表示連写シーケンスのいずれか一つの読み出しシーケンス(以下、「連写シーケンス」という)を選択する。この連写シーケンス(動画非表示連写シーケンスまたは動画表示連写シーケンス)の選択は、例えば、撮像装置100のユーザー(使用者)が、撮像装置100を連写モードに選択した際の指示に応じて選択される。また、例えば、撮像部2から出力された画像信号もしくは、カメラ速度検出部12から入力されたカメラ速度情報に基づいて選択することもできる。
読出シーケンス設定部7は、読出シーケンス選択部6によって選択された連写シーケンスに従って、撮像部2を駆動する読み出しシーケンスに関する種々の設定を行う。そして、設定した読み出しシーケンスに基づいた読み出し指令を、駆動制御部8に出力する。
駆動制御部8は、読出シーケンス設定部7またはカメラ制御部10から入力された読み出し指令に基づいて、撮像部2を駆動し、撮像部2による撮像および露光の動作を制御する。なお、駆動制御部8による撮像部2の駆動制御に関する詳細な説明は、後述する。
レンズ制御部9は、カメラ制御部10から入力されたレンズ制御指令に基づいて、レンズ1の絞りや焦点位置などを制御する。より具体的には、レンズ制御部9は、カメラ制御部10から入力されたフォーカス制御指令に基づいて、レンズ1に備えるフォーカスレンズを駆動し、撮像部2に結像される被写体像を合焦させる。また、レンズ制御部9は、カメラ制御部10から入力された露出制御指令に基づいて、レンズ1に備える絞り機構を駆動し、撮像部2に結像される被写体像の明るさを変化させる。また、レンズ制御部9は、カメラ制御部10から入力されたシャッタ制御指令に基づいて、レンズ1に備えるシャッタ機構を駆動し、撮像部2に被写体像を結像させる。
カメラ操作部11は、撮像装置100のユーザーが、撮像装置100に対して各種の操作を入力するための操作部である。このカメラ操作部11に含まれる操作部材の例としては、撮像装置100の電源をオン/オフするための電源スイッチ、撮像装置100に静止画像(被写体)の撮影を指示入力するための2段式押圧ボタンであるレリーズボタン、撮像装置100の撮影モードを単写モードと連写モードとに切り替えるための静止画撮影モードスイッチなどがある。カメラ操作部11は、これらの操作部材によって設定されたカメラの操作情報を、カメラ制御部10に出力する。
カメラ制御部10は、撮像装置100の全体を制御する。カメラ制御部10は、画像処理部3から入力された記録用の画像処理を行った画像信号、表示用の画像処理を行った画像信号、カメラ操作部11からの操作入力などに基づいて、撮像装置100における撮像動作や記録動作に関する制御指令を、読出シーケンス選択部6、駆動制御部8、レンズ制御部9に出力する。また、撮像装置100における撮像動作や記録動作に関する情報を表示部4に出力すると共に、撮像装置100の設定を促すための指示要求の情報を表示部4に出力する。これにより、撮像装置100のユーザーは、現在の撮像装置100の動作状態を確認することができ、また、カメラ操作部11を操作して撮像装置100の動作において必要な設定を行うことができる。
次に、本第1の実施形態の撮像装置に備えた撮像部について説明する。図2は、本第1の実施形態の撮像装置100における撮像部2の概略構成を示したブロック図である。図2において、撮像部2は、グローバルシャッタ機能を持った、例えば、MOS(Metal Oxide Semiconductor:金属酸化膜半導体)型の固体撮像素子21と、AD(アナログ−デジタル)変換部22と、ノイズ除去部23と、を備えている。また、固体撮像素子21は、画素部24と、列処理回路部25と、垂直制御回路26と、水平制御回路27と、を備えている。
画素部24は、複数の画素28が、行方向および列方向(図2においては、3行3列)の2次元状に配列されている。なお、画素28の構成については後述する。
垂直制御回路26は、画素部24に配列された画素28を行単位で制御するための制御信号を、画素28の行毎に出力する垂直走査回路である。また、垂直制御回路26は、垂直走査回路の他に、画素28をリセットするためのリセット制御部、画素28から信号を読み出すための信号読出制御部を含んでいる。この垂直制御回路26によって選択された行の画素28から出力された画素信号は、列毎に設けられている画素28の出力信号線(後述する図3の垂直信号線VTL)に出力される。
列処理回路部25は、駆動制御部8による駆動制御によって垂直信号線VTLに出力された画素信号を列毎に処理する。列処理回路部25による処理には、例えば、画素信号の増幅処理や、固体撮像素子21をローリングシャッタ動作させたときのノイズ除去のために行う相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)の処理が含まれる。
水平制御回路27は、垂直制御回路26に選択され、列処理回路部25から出力された1行分の画素信号を取り込む。そして、水平制御回路27は、画素28の水平方向の並び順で取り込んだ画素信号(アナログ画素信号)を、時系列にAD変換部22に出力する。
AD変換部22は、固体撮像素子21から出力されたアナログ画素信号を、デジタルの画素信号(デジタル画素信号)に変換する。そして、AD変換部22は、変換したデジタル画像信号をノイズ除去部23に出力する。なお、列処理回路部25内にAD変換回路を備えている場合には、AD変換回路22は不要である。
ノイズ除去部23は、固体撮像素子21がグローバルシャッタ動作を行うときに、AD変換部22から出力されたデジタル画像信号に、ノイズ除去の処理を行う。このノイズ除去の処理が行われたデジタル画像信号が、撮像部2から出力される被写体光に応じた画像信号として、画像処理部3および読出シーケンス選択部6に出力される。
<画素構成>
次に、本第1の実施形態の撮像装置に備えた撮像部における画素の構成例について説明する。図3は、本第1の実施形態の撮像部2内の画素部24における画素28の構成例を示した回路図である。なお、図3では、2つの画素28を表している。図3に示した画素28は、フォトダイオードPD、信号蓄積部FD、転送トランジスタMtx1、PDリセットトランジスタMtx2、増幅トランジスタMa、選択トランジスタMb、FDリセットトランジスタMrから構成される。図3に示した画素28では、信号蓄積部FDを画素内メモリとして用いることにより、グローバルシャッタ機能を可能としている。
フォトダイオードPDは、被写体光を光電変換して信号電荷を発生する光電変換部である。信号蓄積部FDは、フォトダイオードPDで発生した信号電荷を一時的に保持し、電荷電圧変換する信号蓄積部(フローティングディフュージョン)である。PDリセットトランジスタMtx2は、PDリセットパルスTX2に応じて、フォトダイオードPDで発生した信号電荷を、電圧VDDのレベルにリセットする。転送トランジスタMtx1は、行転送パルスTX1に応じて、フォトダイオードPDで発生した信号電荷を信号蓄積部FDに転送する。増幅トランジスタMaは、信号蓄積部FDによって電荷電圧変換された信号を増幅して出力する。この増幅トランジスタMaは、電源VDDに接続され、垂直信号線VTLに設けられた不図示の電流源とでソースフォロア回路が構成されている。信号蓄積部FDから出力された電荷電圧変換後の信号は、このソースフォロア回路によって増幅される。選択トランジスタMbは、行選択パルスSELに応じて、ソースフォロア回路によって増幅された信号を選択し、画素28の出力信号線である垂直信号線VTLに出力する。FDリセットトランジスタMrは、FDリセットパルスRESに応じて、信号蓄積部FDでありソースフォロア回路の入力部である増幅トランジスタMaのゲート部を、電圧VDDのレベルにリセットする。
なお、図3に示した画素28の構成例において、行転送パルスTX1とFDリセットパルスRESとを同時に印加し、転送トランジスタMtx1とFDリセットトランジスタMrとを同時にオンすることによって、信号蓄積部FDをリセットするのみではなく、同時にフォトダイオードPDもリセットすることができる。このように、転送トランジスタMtx1とFDリセットトランジスタMrとの組み合わせによって、PDリセットトランジスタMtx2と同様に、フォトダイオードPDをリセットすることもできる。
<グローバルシャッタ動作>
次に、本第1の実施形態の撮像装置に備えた固体撮像素子の動作について説明する。図4は、本第1の実施形態の撮像装置100におけるグローバルシャッタ動作のタイミングを示したタイミングチャートである。図4に示したグローバルシャッタ動作のタイミングは、撮像装置100が静止画像を撮影する際に、駆動制御部8によって行われる固体撮像素子21の駆動制御である。このグローバルシャッタ動作による駆動制御を連続して行うことによって、撮像装置100による連写を行うことができる。つまり、撮像装置100における動画非表示連写シーケンスまたは動画表示連写シーケンスの連写シーケンスにおける静止画像用の画像信号の取得は、グローバルシャッタ動作によって行われる。なお、図4に示したグローバルシャッタ動作のタイミングにおいては、駆動制御部8による駆動制御に応じて固体撮像素子21内の垂直制御回路26から出力される画素部24の制御パルスの内、行転送パルスTX1とPDリセットパルスTX2とを示す。
図4(a)は、静止画像の撮影動作の際に用いられるグローバルシャッタ動作を示したタイミングチャートである。そして、図4(a)は、横軸を時間として、縦方向には画素部24に配列された画素28を、1行目からn行目(最終行)まで順次選択して画素信号を出力させる様子を示している。なお、図4(a)の行転送パルスTX1およびPDリセットパルスTX2については、画素部24の全ての画素28に同時に印加される信号のタイミングのみを示している。
グローバルシャッタ動作によって静止画像の露光(光信号の蓄積)を行う前に、まず、リセット信号読出期間において、信号蓄積部FDのリセットレベルの読み出しを行う。より具体的には、この期間では、まず、画素部24の第1行目に配列された各画素28のFDリセットトランジスタMrに、“H”レベルのFDリセットパルスRESを印加して、第1行目の信号蓄積部FDのリセットを行う。さらに、画素部24の第1行目に配列された各画素28の選択トランジスタMbに、“H”レベルの行選択パルスSELを印加する。これにより、画素部24の第1行目の各画素28に備えた信号蓄積部FDのリセットレベルの信号が、増幅トランジスタMaによって増幅されて、選択トランジスタMbを介して垂直信号線VTLに読み出される。ここで読み出されたリセットレベルの信号は、列処理回路部25、水平制御回路27を介してAD変換部22に出力にされ、AD変換部22によってデジタルのリセット信号に変換された後に、ノイズ除去部23に読み出されて記憶される。
このようなリセット信号の読み出し動作によって、画素部24の第1行目から第n行目(最終行)までの各画素28を駆動し、全ての画素28に備えた信号蓄積部FDのリセットレベルの信号の読み出しが完了したところで、リセット信号読出期間を終了する。なお、グローバルシャッタ動作によるリセット信号の読み出し動作においては、列処理回路部25による相関二重サンプリングの処理は行わない。
続いて、露光期間において、グローバルシャッタ動作による静止画像の露光を行う。より具体的には、まず、画素部24の全ての画素28のPDリセットパルスTX2を“H”レベルにして、PDリセットトランジスタMtx2を同時にオン状態にすることにより、全ての画素28のフォトダイオードPDを一括してリセットする。その後、画素部24の全ての画素28のPDリセットパルスTX2を“L”レベルにして、PDリセットトランジスタMtx2を同時にオフ状態にする。これにより、全ての画素28のフォトダイオードPDへの信号電荷の蓄積(露光)が同時に開始される。
その後、所定の露光時間が経過した後に、画素部24の全ての画素28の行転送パルスTX1を“H”レベルにして、転送トランジスタMtx1を同時にオン状態にすることにより、露光期間中にフォトダイオードPDに蓄積された信号電荷を、信号蓄積部FDに一括して転送する。つまり、全ての画素28の露光を同時に終了する。
続いて、光信号読出期間において、露光した画素信号を読み出す。より具体的には、この期間では、まず、画素部24の第1行目に配列された各画素28の選択トランジスタMbに、“H”レベルの行選択パルスSELを印加する。これにより、画素部24の第1行目の各画素28に備えた信号蓄積部FDによって電荷電圧変換された信号が、増幅トランジスタMaによって増幅されて、選択トランジスタMbを介して垂直信号線VTLに読み出される。ここで読み出された信号は、列処理回路部25、水平制御回路27を介してAD変換部22に出力にされ、AD変換部22によってデジタルの信号に変換された後に、ノイズ除去部23に読み出される。そして、ノイズ除去部23において、リセット信号読出期間に記憶したリセット信号と、光信号読出期間に読み出された信号との差分処理が行なわれ、ノイズが除去された光信号が画像処理部3に出力される。
このような光信号の読み出し動作によって、画素部24の第1行目から第n行目(最終行)までの各画素28を駆動し、全ての画素28が露光した画素信号の読み出しが完了したところで、光信号読出期間を終了する。なお、グローバルシャッタ動作による光信号の読み出し動作においては、列処理回路部25による相関二重サンプリングの処理は行わない。
上記に述べたようなグローバルシャッタ動作を行うことによって、1枚の静止画像用の画像信号が画像処理部3に出力される。なお、グローバルシャッタ動作において画素部24に配列された画素28を読み出す順番は、必ずしも画素部24の第1行目から第n行目(最終行)まで順に読み出す必要はない。すなわち、グローバルシャッタ動作において、画像処理部3に出力する1枚の静止画像用の画像信号を分割して読み出すこともできる。図4(b)は、静止画像用の画像信号を複数に分割して読み出すグローバルシャッタ動作を示したタイミングチャートである。
図4(b)に示したタイミングチャートは、リセット信号読出期間と光信号読出期間における信号の読み出しを、それぞれ3つのフィールドに分けて行った場合の例を示している。ここで、図4(b)では、画素部24の第1行目、4行目、7行目、・・・の画素28を第1フィールドf−A、第2行目、5行目、8行目、・・・の画素28を第2フィールドf−B、第3行目、6行目、9行目、・・・の画素28を第3フィールドf−Cとしている。そして、最初に第1フィールドf−Aに属する画素28を読み出し、続いて第2フィールドf−Bに属する画素28を読み出し、最後に第3フィールドf−Cに属する画素28を読み出すという順番で各画素28の読み出しを行っている。
なお、図4(b)に示したタイミングチャートにおける各画素28の駆動は、図4(a)に示したタイミングチャートにおける各画素28の駆動に対して、各画素28を読み出す順番が異なるのみである。従って、図4(b)に示した複数に分割して読み出すグローバルシャッタ動作の詳細な説明は省略する。
<ローリングシャッタ動作>
次に、本第1の実施形態の撮像装置に備えた固体撮像素子におけるローリングシャッタ動作について説明する。図5は、本第1の実施形態の撮像装置100におけるローリングシャッタ動作のタイミングを示したタイミングチャートである。図5に示したローリングシャッタ動作のタイミングは、撮像装置100が被撮像範囲をリアルタイムに表示する動画を撮影する際に、駆動制御部8によって行われる固体撮像素子21の駆動制御である。このローリングシャッタ動作による駆動制御を連続して行うことによって、撮像装置100が動画表示を行うことができる。つまり、撮像装置100における動画表示シーケンスにおける動画用の画像信号の取得は、ローリングシャッタ動作によって行われる。なお、図5に示したローリングシャッタ動作のタイミングにおいては、駆動制御部8による駆動制御に応じて固体撮像素子21内の垂直制御回路26から出力される画素部24の制御パルスの内、行転送パルスTX1とPDリセットパルスTX2とを示す。
また、図5に示したローリングシャッタ動作のタイミングにおいては、横軸を時間として、縦方向には画素部24に配列された画素28を、1行目からn行目(最終行)まで順次制御している様子を示している。そして、破線は画素28をリセットするための走査(リセット走査)を示し、実線は画素28から光信号を読み出す走査(光信号読み出し走査)を示している。また、行転送パルスTX1およびPDリセットパルスTX2は、画素部24のそれぞれの画素28を駆動している様子を示している。
ローリングシャッタ動作では、画素部24の行毎に時間をずらして画素28のリセット、露光、および光信号の読み出しを順次行うことによって、動画用の画像信号を取得する。より具体的には、例えば、1行目の画素28の駆動は、まず、画素部24の第1行目に配列された各画素28のPDリセットトランジスタMtx2に、“H”レベルのPDリセットパルスTX2を印加して、第1行目のフォトダイオードPDのリセットを行う。これにより、フォトダイオードPDがリセットされ、画素部24の第1行目に配列された各画素28のフォトダイオードPDへの信号電荷の蓄積(露光)が開始される。なお、フォトダイオードPDのリセットは、以下の駆動によって行うこともできる。まず、画素部24の第1行目に配列された各画素28のFDリセットトランジスタMrに、“H”レベルのFDリセットパルスRESを印加して、第1行目の信号蓄積部FDのリセットを行う。さらに、画素部24の第1行目に配列された各画素28の転送トランジスタMtx1に、“H”レベルの行転送パルスTX1を印加して、フォトダイオードPDに蓄積されている信号電荷を信号蓄積部FDに転送する。このような駆動を画素部24の行毎に順次行うことによって、フォトダイオードPDをリセットすることもできる。
その後、所定の露光時間が経過した後に、画素部24の第1行目に配列された各画素28のFDリセットトランジスタMrに、“H”レベルのFDリセットパルスRESを印加して、第1行目の信号蓄積部FDのリセットを行う。その後、画素部24の第1行目に配列された各画素28の行転送パルスTX1を“H”レベルにして、転送トランジスタMtx1をオン状態にすることにより、第1行目の露光期間中にフォトダイオードPDに蓄積された信号電荷を、信号蓄積部FDに転送する。つまり、画素部24の第1行目の各画素28の露光を終了する。この期間、画素部24の第1行目に配列された各画素28の選択トランジスタMbに、“H”レベルの行選択パルスSELを印加している。これにより、信号蓄積部FDをリセットしたときのリセットレベルの信号と、フォトダイオードPDに蓄積された信号電荷を信号保持部FDに転送した後の電荷電圧変換された信号とが、増幅トランジスタMaと選択トランジスタMbとを介して垂直信号線VTLに読み出される。そして、列処理回路部25によって読み出されたリセットレベルの信号と電荷電圧変換された信号との差分処理が行なわれ、画素28毎のバラツキなどのノイズを除去した光信号を生成する。その後、水平走査回路27、AD変換部22を介して、デジタルの信号に変換された光信号が画像処理部3に出力される。
このような行毎の駆動を画素部24の第1行目から第n行目(最終行)まで行うことによって、1フレーム分の動画用の画像信号を取得することができる。なお、撮像装置100の動画(ライブビュー)モードにおいては、画素部24に配列された全ての画素28から光信号を読み出すのではなく、画素部24の行を間引いた光信号の読み出しを行うことができる。
図6は、本第1の実施形態の撮像装置100において動画モードのときに読み出される画素部24の行の例を示した図である。図6は、網掛けで示された行の画素28から光信号を読み出す例を示している。図6に示すように画素部24の行を間引いて光信号を読み出すことにより、1フレーム分の動画用の画像信号の取得に要する期間を短くすることができ、滑らかな動画表示をすることができる。
なお、動画モードにおいて画素部24の行を間引いて光信号を読み出す場合の画素28の駆動方法は、時間をずらして画素28のリセット、露光、および光信号の読み出しを行う画素部24の行が異なるのみである。より具体的には、画素部24に配列された全ての画素28から光信号を読み出す場合に、第1行目、2行目、3行目、・・・という順番で駆動していたのに対し、例えば、画素部24の行を1/3間引きで光信号を読み出す場合には、第1行目、4行目、7行目、・・・という順番で駆動する。従って、画素部24の行を間引いて光信号の読み出すローリングシャッタ動作の詳細な説明は省略する。
次に、本第1の実施形態の撮像装置の動作について説明する。本第1の実施形態の撮像装置100は、画像信号を読み出す読み出しシーケンスとして、動画表示シーケンスと、動画非表示連写シーケンスと、動画表示連写シーケンスとを有している。なお、撮像装置100においては、動画表示シーケンスによって動画用の画像信号を取得する際、画素部24の行を1/3に間引いて、すなわち、画素部24の1/3の画素28から光信号を読み出す。また、動画非表示連写シーケンスおよび動画表示連写シーケンスによって静止画像用の画像信号を取得する際、画素部24を行毎に3つのフィールドに分けて、それぞれのフィールドに属する画素28の読み出しを順次行う。
<第1の読出シーケンス(動画非表示連写シーケンス)>
図7は、本第1の実施形態の撮像装置100において動画表示から静止画像の連写に切り替わるタイミングを示したタイミングチャートである。図7は、動画(ライブビュー)モードの動作、すなわち、動画表示シーケンスによって動画用の画像信号を読み出して動画表示をしている最中に、静止画像を連写する指示があった場合のタイミングチャートを示している。そして、図7では、動画表示を行わずに連写を行う動画非表示連写シーケンスによって静止画像用の画像信号を連続して読み出す場合を示している。また、図7は、横軸を時間として、縦方向には画素部24に配列された画素28を行毎に選択して、画素信号を読み出す様子を示している。
なお、図7では、動画表示シーケンスから動画非表示連写シーケンスへの切り替わりを示しているため、図4および図5に示したように、画素28に入力される駆動パルスのタイミングが読み出しシーケンス毎に異なる。しかし、図7においては、動画表示シーケンスと動画非表示連写シーケンスとにおける駆動パルスのタイミングの違いを明確に示すため、画素部24の全ての画素28に同時に印加される行転送パルスTX1およびPDリセットパルスTX2のタイミングのみを示すこととする。また、図7の動画表示シーケンスの期間では、図5で示したリセット走査と光信号読み出し走査との内、光信号読み出し走査のみを示すこととする。
図7において、動画表示シーケンスの期間では、画素部24の行を間引きながら動画用の画像信号を読み出す。そして、読み出された動画用の画像信号は、画像処理部3によって表示用の画像処理が行われ、表示部4に表示される。この動画表示シーケンスは、図7に示すように、撮像装置100に静止画像の連写を指示入力するレリーズボタンの押圧(例えば、2段式押圧ボタンの2段目の押圧)がされるまで、繰り返される。
そして、動画表示を行っている最中に、レリーズボタンによって、静止画像を連写する指示が入力されると、動画表示シーケンスが中止されて、動画用の信号出力動作が中止されて、動画非表示連写シーケンスに移行する。動画非表示連写シーケンスでは、図4(b)に示したグローバルシャッタ動作と同様に、静止画像用の画像信号の取得を連続して行う。図7においては、4枚の静止画像用の画像信号を連続して取得する場合を示している。
より具体的には、静止画像用の画像信号を取得するとき、リセット信号読出期間において、最初に、フィールドf_Aのリセット信号の読み出しを行う。そして、フィールドf_Aのリセット信号の読み出しが終了した後に、フィールドf_Bのリセット信号、最後に、フィールドf_Cのリセット信号を続けて読み出す。その後、静止画像の露光期間において、図4(b)に示したグローバルシャッタ動作と同様に、画素部24内の全ての画素28の露光を同時に開始する。そして、光信号読出期間において、最初に、フィールドf_Aの光信号の読み出しを行う。そして、フィールドf_Aの光信号の読み出しが終了した後に、フィールドf_Bの光信号、最後に、フィールドf_Cの光信号を続けて読み出す。このようにして、複数の静止画像用の画像信号を連続して読み出す。
そして、所望の静止画像の連写撮影が終了した後、再び動画表示シーケンスに移行して、動画表示が再開される。
上記に述べたように、動画非表示連写シーケンスでは、静止画像を連写している期間中の動画表示が一時的に黒表示の状態(ブラックアウト)や、同じ画面が続けて表示される状態(フリーズ)となってしまう。しかし、動画非表示連写シーケンスでは、静止画像用の画像信号の取得、すなわち、静止画撮影にかかる時間を最短の時間とすることができる。従って、動画非表示連写シーケンスによる静止画像の連写撮影においては、静止画像を撮影する間隔によって決まる連写速度を最大にすることができる。
<第2の読出シーケンス(動画表示連写シーケンス)>
図8は、本第1の実施形態の撮像装置100において動画表示を行いながら静止画像を連写するタイミングを示したタイミングチャートである。図8に示したタイミングチャートも、図7に示したタイミングチャートと同様に、動画モードにおいて、動画表示シーケンスによって動画用の画像信号を読み出して動画表示をしている最中に、静止画像を連写する指示があった場合のタイミングチャートを示している。そして、図8では、動画表示を行いながら連写を行う動画表示連写シーケンスによって静止画像用の画像信号を連続して読み出す場合を示している。また、図8は、図7と同様に、横軸を時間として、縦方向には画素部24に配列された画素28を行毎に選択して、画素信号を読み出す様子を示している。
なお、図8では、動画表示シーケンスから動画表示連写シーケンスへの切り替わりを示しているため、図4および図5に示したように、画素28に入力される駆動パルスのタイミングが読み出しシーケンス毎に異なる。また、動画表示連写シーケンスでは、動画表示を行いながら静止画像の連写を行うため、動画表示連写シーケンス中にも動画用の画像信号の読み出しが行われる。しかし、図8においては、動画表示シーケンスと動画表示連写シーケンスとにおける駆動パルスのタイミングの違い、さらに、動画表示連写シーケンス内における動画用の画像信号の読み出しと、静止画像用の画像信号の読み出しとにおける駆動パルスのタイミングの違いを明確に示すため、画素部24の全ての画素28に同時に印加される行転送パルスTX1およびPDリセットパルスTX2のタイミングのみを示すこととする。また、図8の動画表示シーケンスの期間では、図7と同様に、図5で示したリセット走査と光信号読み出し走査との内、光信号読み出し走査のみを示すこととする。
図8の動画表示シーケンスの期間では、図7と同様に、画素部24の行を間引きながら動画用の画像信号を読み出し、読み出された動画用の画像信号が画像処理部3によって表示用の画像処理が行われて、表示部4に表示される。この動画表示シーケンスは、図8に示すように、撮像装置100に静止画像の連写を指示入力するレリーズボタンの押圧がされるまで繰り返される。
そして、動画表示を行っている最中に、レリーズボタンによって、静止画像を連写する指示が入力されると、動画表示シーケンスから動画表示連写シーケンスに移行する。動画表示連写シーケンスでは、図4(b)に示したグローバルシャッタ動作において、静止画像用の画像信号を読み出す各フィールドの間の期間に、図5に示したローリングシャッタ動作のタイミングによる動画用の画像信号の読み出しが行われる。すなわち、動画表示連写シーケンスでは、静止画像用の画像信号を読み出すための画素28の駆動と、動画用の画像信号を読み出すための画素28の駆動とが、交互に行われる。そして、読み出された動画用の画像信号は、画像処理部3によって表示用の画像処理が行われて、表示部4に表示される。図8においては、3枚の静止画像用の画像信号を連続して取得する間に、15フレームの動画用の画像信号が読み出される場合を示している。
より具体的には、静止画像用の画像信号を取得するとき、リセット信号読出期間において、図4(b)に示したように、フィールドf_A、フィールドf_B、フィールドf_Cの順番でリセット信号の読み出しを行う。また、リセット信号を読み出すフィールドとフィールドとの間(例えば、フィールドf_Aとフィールドf_Bとの間)に、リセット信号の読み出しを完了していないフィールド(図8においては、フィールドf_C)を用いて、動画用の画像信号の読み出しを行う。なお、リセット信号の読み出しを完了していないフィールドを用いて動画用の画像信号の読み出しを行う理由は、リセット信号の読み出しを完了したフィールドf_A、またはフィールドf_Bを使用して動画用の画像信号を取得すると、すでに取得している信号蓄積部FDのリセットレベルを破壊してしまい、次に良好な静止画像用の光信号の読み出しができないためである。
そして、最後に、フィールドf_Cのリセット信号を読み出した後に、静止画像の露光期間において、図4(b)に示したグローバルシャッタ動作と同様に、画素部24内の全ての画素28の露光を同時に開始する。
そして、光信号読出期間において、図4(b)に示したように、フィールドf_A、フィールドf_B、フィールドf_Cの順番で光信号の読み出しを行う。また、光信号を読み出すフィールドとフィールドとの間(例えば、フィールドf_Aとフィールドf_Bとの間)に、光信号の読み出しを完了したフィールド(図8においては、フィールドf_A)を用いて、動画用の画像信号の読み出しを行う。このようにして、動画用の画像信号の読み出しを行いながら、複数の静止画像用の画像信号を連続して読み出す。なお、光信号の読み出しを完了したフィールドを用いて動画用の画像信号の読み出しを行う理由は、光信号の読み出しを完了してないフィールドf_B、またはフィールドf_Cを使用して動画用の画像信号を取得すると、信号蓄積部FDによって電荷電圧変換された被写体の光信号を破壊してしまうためである。
そして、所望の静止画像の連写撮影が終了した後、再び動画表示シーケンスに移行して、動画表示が再開される。
上記に述べたように、動画表示連写シーケンスでは、動画非表示連写シーケンスのように、連写速度を最大にすることができないが、静止画像を連写している期間中においても動画表示を継続して行うことができる。その結果、本第1の実施形態の撮像装置100のユーザーは、表示部4に表示された動画の画像を確認しながら被写体の動きに追従した静止画像の連写を行うことができる。
なお、本第1の実施形態の撮像装置100の連写モードにおける連写シーケンス(動画非表示連写シーケンスまたは動画表示連写シーケンス)の選択は、撮像装置100のユーザーが、撮像装置100を連写モードに選択した際の指示によって選択される。すなわち、撮像装置100のユーザーが、動画非表示連写シーケンスまたは動画表示連写シーケンスを選択する。そして、読出シーケンス選択部6は、指示された連写シーケンスの情報を読出シーケンス設定部7に出力し、読出シーケンス設定部7は、入力された連写シーケンスの情報に従って駆動制御部8に指示する読み出しシーケンスを設定し、駆動制御部8は、読出シーケンス設定部7からの設定に従って撮像部2の駆動を制御する。
また、本第1の実施形態の撮像装置100は、カメラ速度検出部12から入力されたカメラ速度情報に基づいて、連写シーケンスを選択することもできる。例えば、撮像装置100の連写モードにおいて連写シーケンスを自動で選択する場合は、撮像装置100のユーザーが、撮像装置100を連写モードに選択した際に、連写シーケンスを自動で選択する指示を行う。そして、読出シーケンス選択部6は、連写シーケンスに移行する前にカメラ速度検出部12から入力されたカメラ速度情報に含まれる被写体の移動速度が、予め定められた被写体の移動速度の閾値よりも大きい(移動速度が速い)場合には、連写速度を優先した動画非表示連写シーケンスを選択し、予め定められた被写体の移動速度の閾値よりも小さい(移動速度が遅い)場合には、動画表示を優先した動画表示連写シーケンスを選択する。これにより、撮像装置100のユーザーは、被写体の移動速度が速い場合には、最大の連写速度で撮影を行うことができ、被写体の移動速度が遅い場合には、被写体の動きを確認しながら撮影を行うことができる。
上記に述べたように、本第1の実施形態の撮像装置100では、ユーザーの指示によって静止画像を連写する際に動画表示を行うか否かを選択することができる。また、被写体の移動速度に応じて、動画表示を行いながら静止画像を連写するか否かを選択することができる。これにより、本第1の実施形態の撮像装置100は、快適な視認性と高速な移動被写体の撮影とをユーザーに提供することができる。
<第2の実施形態>
次に、被写体の移動速度によって連写シーケンスを選択する別の撮像装置について説明する。図9は、本第2の実施形態における撮像装置の概略構成を示したブロック図である。図9に示した撮像装置200は、レンズ1と、撮像部2と、画像処理部3と、表示部4と、読出シーケンス選択部6と、読出シーケンス設定部7と、駆動制御部8と、レンズ制御部9と、カメラ制御部10と、カメラ操作部11と、カメラ速度検出部12と、移動速度検出部20と、を備えている。なお、図9に示した撮像装置200の構成要素であるメモリカード5は、図1に示した撮像装置100と同様に、撮像装置200に対して着脱可能に構成されており、撮像装置200に固有の構成でなくてもよい。
図9に示した本第2の実施形態の撮像装置200は、図1に示した撮像装置100に、移動速度検出部20が追加された構成である。従って、撮像装置200において撮像装置100と同様の構成要素には、同一の符号を付与し、詳細な説明は省略する。
移動速度検出部20は、動画用の画像信号に含まれる被写体の移動速度を検出する。移動速度検出部20における被写体の移動速度の検出は、例えば、動画のフレーム間の相関関係を用いることにより検出することができる。より具体的には、例えば、被写体の移動速度Vは、被写体のフレーム間のズレ量Lと、フレーム間の時間差ΔTとから、下式(1)のように算出することができる。なお、動画表示は、予め定められた周期で動画のフレームを表示しているため、フレーム間の時間差ΔTは動画表示の周期と同様の時間である。
V=L/ΔT ・・・・・(1)
移動速度検出部20は、上式(1)によって算出した被写体の移動速度Vの情報を、読出シーケンス選択部6に出力する。
読出シーケンス選択部6は、撮像装置200が連写モードに設定された場合に、連写シーケンスに移行する前に移動速度検出部20から入力された被写体の移動速度Vの情報に基づいて、連写を行うときの連写シーケンス(動画非表示連写シーケンスまたは動画表示連写シーケンス)を選択する。なお、読出シーケンス選択部6による連写シーケンスの選択は、予め定められた被写体の移動速度の閾値に基づいて行われる。例えば、移動速度検出部20から入力された被写体の移動速度Vが、予め定められた被写体の移動速度の閾値よりも大きい(移動速度が速い)場合には、連写速度を優先した動画非表示連写シーケンスを選択し、予め定められた被写体の移動速度の閾値よりも小さい(移動速度が遅い)場合には、動画表示を優先した動画表示連写シーケンスを選択する。
なお、撮像装置200においては、撮像装置200のユーザーが、撮像装置200を連写モードに選択した際の指示によって、連写シーケンスの選択方法が切り替えられる。すなわち、撮像装置200のユーザーが、動画非表示連写シーケンスまたは動画表示連写シーケンスを直接選択した場合には、図1に示した撮像装置100と同様に、選択された連写シーケンスとなる。また、連写シーケンスを自動で選択する指示を行い、さらに、カメラ速度検出部12による自動選択が指示された場合には、図1に示した撮像装置100と同様に、カメラ速度検出部12から入力されたカメラ速度情報に含まれる被写体の移動速度に基づいて、連写シーケンスが選択される。また、連写シーケンスを自動で選択する指示を行い、さらに、移動速度検出部20による自動選択が指示された場合には、移動速度検出部20から入力された被写体の移動速度Vの情報に基づいて、連写シーケンスが選択される。
なお、撮像装置200においては、駆動制御部8によって行われる固体撮像素子21の駆動制御や、読出シーケンス(動画表示シーケンス、動画非表示連写シーケンス、動画表示連写シーケンス)は、図1に示した第1の実施形態の撮像装置100と同様であるため、詳細な説明は省略する。
上記に述べたように、本第2の実施形態の撮像装置200では、ユーザーの指示によって静止画像を連写する際に動画表示を行うか否かを選択することができる。また、被写体の移動速度に応じて、動画表示を行いながら静止画像を連写するか否かを選択することができる。これにより、本第2の実施形態の撮像装置200においても、第1の実施形態の撮像装置100と同様に、快適な視認性と高速な移動被写体の撮影とをユーザーに提供することができる。
なお、移動速度検出部20において、被写体の移動速度を検出する場合、撮像装置200が固定されているときには、動画用の画像信号に含まれる被写体の領域から移動速度を検出することができる。しかし、ユーザーが被写体の動きに追従しているときには、被写体の領域から移動速度を検出すると、実際の被写体の移動速度と異なる移動速度を検出してしまうことがある。このようなときには、例えば、動画用の画像信号に含まれる被写体の領域と異なる背景の領域に基づいて、移動速度を検出するようにすることもできる。また、例えば、カメラ速度検出部12が検出した撮像装置200自体の動きの情報と、動画用の画像信号に含まれる被写体の領域または背景の領域とに基づいて、移動速度を検出するようにすることもできる。
<第3の実施形態>
次に、被写体の移動速度によって連写シーケンスを選択する、さらに別の撮像装置について説明する。図10は、本第3の実施形態における撮像装置の概略構成を示したブロック図である。図10に示した撮像装置300は、レンズ1と、撮像部2と、画像処理部3と、表示部4と、読出シーケンス選択部6と、読出シーケンス設定部7と、駆動制御部80と、レンズ制御部9と、カメラ制御部30と、カメラ操作部11と、カメラ速度検出部12と、移動速度検出部20と、を備えている。なお、図10に示した撮像装置300の構成要素であるメモリカード5は、図1に示した撮像装置100および図9に示した撮像装置200と同様に、撮像装置300に対して着脱可能に構成されており、撮像装置300に固有の構成でなくてもよい。
図10に示した本第3の実施形態の撮像装置300は、図9に示した撮像装置200の駆動制御部8が駆動制御部80に変更され、カメラ制御部10がカメラ制御部30に変更された構成である。従って、撮像装置300において撮像装置200と同様の構成要素には、同一の符号を付与し、詳細な説明は省略する。
駆動制御部80は、図9に示した撮像装置200に備えた駆動制御部8と同様に、読出シーケンス設定部7またはカメラ制御部30から入力された読み出し指令に基づいて、撮像部2を駆動し、撮像部2による撮像および露光の動作を制御する。駆動制御部80は、図9に示した撮像装置200に備えた駆動制御部8内に、動画表示連写シーケンスの動作を制御する読出シーケンス制御部81を備えた構成である。なお、駆動制御部80による撮像部2の駆動制御に関する詳細な説明は、後述する。
読出シーケンス制御部81は、カメラ制御部30から入力された動画表示連写シーケンスに関する情報に基づいて、動画表示連写シーケンスにおける、静止画像用の画像信号を読み出すときのフィールド数、または動画用の画像信号を読み出すときの動画の画素数や読み出し時間および読み出し回数を制御する。そして、駆動制御部80は、読出シーケンス制御部81によって制御された動画表示連写シーケンスの設定で、撮像部2を駆動する。
カメラ制御部30は、図9に示した撮像装置200に備えたカメラ制御部10と同様に、撮像装置300の全体を制御する。カメラ制御部30は、画像処理部3から入力された記録用の画像処理を行った画像信号、表示用の画像処理を行った画像信号、カメラ操作部11からの操作入力などに基づいて、撮像装置300における撮像動作や記録動作に関する制御指令を、読出シーケンス選択部6、駆動制御部80、レンズ制御部9に出力する。また、撮像装置300における撮像動作や記録動作に関する情報を表示部4に出力すると共に、撮像装置300の設定を促すための指示要求の情報を表示部4に出力する。これにより、撮像装置300のユーザーは、現在の撮像装置300の動作状態を確認することができ、また、カメラ操作部11を操作して撮像装置300の動作において必要な設定を行うことができる。カメラ制御部30は、図9に示した撮像装置200に備えたカメラ制御部10内に、静止画像を連写する際の連写速度を設定する連写速度設定部31と、動画表示の解像度を設定する解像度設定部32とを備えた構成である。
連写速度設定部31は、静止画像を連写する際に目標とする連写速度(目標連写速度)を設定する。また、連写速度設定部31は、撮像装置300における静止画像の撮影条件などによって決まる最大の連写速度の情報を取得する最大連写速度取得機能を有している。そして、連写速度設定部31は、取得した最大の連写速度を、静止画像を連写する際の目標連写速度設定として設定する。
解像度設定部32は、動画表示の解像度を設定する。また、解像度設定部32は、撮像装置300の表示部4の性能などによって決まる動画の下限の解像度、表示時間および表示回数の情報を取得する下限解像度取得機能を有している。そして、解像度設定部32は、取得した下限の解像度、表示時間および表示回数を下限表示設定として設定する。
そして、カメラ制御部30は、連写速度設定部31によって設定された目標連写速度設定および解像度設定部32によって設定された下限表示設定を、動画表示連写シーケンスに関する情報として、駆動制御部80内の読出シーケンス制御部81に出力する。
次に、本第3の実施形態の撮像装置300の動作について説明する。本第3の実施形態の撮像装置300は、図1に示した第1の実施形態の撮像装置100、図9に示した第2の実施形態の撮像装置200と同様に、画像信号を読み出す読み出しシーケンスとして、動画表示シーケンスと、動画非表示連写シーケンスと、動画表示連写シーケンスとを有している。
なお、撮像装置300は、撮像装置100および撮像装置200と同様に、動画表示シーケンスによって動画用の画像信号を取得する際に、画素部24の行を1/3に間引いて画素28から光信号を読み出す。また、動画非表示連写シーケンスによって静止画像用の画像信号を取得する際に、画素部24を行毎に3つのフィールドに分けて画素28の読み出しを順次行う。従って、撮像装置300においては、駆動制御部80によって行われる固体撮像素子21の駆動制御や、動画表示シーケンスおよび動画非表示連写シーケンスの動作は、図1に示した第1の実施形態の撮像装置100および図9に示した第2の実施形態の撮像装置200と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、撮像装置300では、動画表示連写シーケンスの動作が、撮像装置100および撮像装置200と異なる。より具体的には、動画表示連写シーケンスにおける画素部24を行毎に分割するフィールド数が、動画の読み出し回数に応じて変更される。また、動画表示連写シーケンスにおける連写速度が、動画の画素数や読み出し時間に応じて変更される。これらの動画表示連写シーケンスにおける変更は、カメラ制御部30内の連写速度設定部31による目標連写速度設定および解像度設定部32による下限表示設定に応じて行われる。
<第2の読出シーケンス(動画表示連写シーケンス:動画表示優先)>
図11は、本第3の実施形態の撮像装置300において動画表示を行いながら静止画像を連写するタイミングの第1の例を示したタイミングチャートである。図11に示した動画表示連写シーケンスのタイミングチャートでは、図8に示した動画表示連写シーケンスのタイミングチャートと同様に、静止画像用の画像信号を読み出すための画素28の駆動と、動画用の画像信号を読み出すための画素28の駆動とが、交互に行われる。ただし、図11においては、画素部24を行毎に5つのフィールドに分けて、それぞれのフィールドに属する画素28の読み出しを順次行っている。なお、図11における画素部24を行毎に分けるフィールドの分割数は、連写速度設定部31によって設定された目標連写速度設定および解像度設定部32によって設定された下限表示設定に基づいて、読出シーケンス制御部81によって決定されたものである。なお、図11は、2枚の静止画像用の画像信号を連続して取得する間に、18フレームの動画用の画像信号が読み出される場合を示している。
より具体的に、図11に示した動画表示連写シーケンスのタイミングチャートについて説明する。静止画像用の画像信号を取得するとき、リセット信号読出期間において、フィールドf_A、フィールドf_B、フィールドf_C、フィールドf_D、フィールドf_Eの順番でリセット信号の読み出しを行う。また、リセット信号を読み出すフィールドとフィールドとの間(例えば、フィールドf_Aとフィールドf_Bとの間)に、リセット信号の読み出しを完了していないフィールド(図11においては、フィールドf_E)を用いて、動画用の画像信号の読み出しを行う。なお、リセット信号の読み出しを完了していないフィールドf_Eを用いて動画用の画像信号の読み出しを行う理由は、図8において説明した理由と同様である。
そして、最後に、フィールドf_Eのリセット信号を読み出した後に、静止画像の露光期間において、画素部24内の全ての画素28の露光を同時に開始する。
そして、光信号読出期間において、フィールドf_A、フィールドf_B、フィールドf_C、フィールドf_D、フィールドf_Eの順番で光信号の読み出しを行う。また、光信号を読み出すフィールドとフィールドとの間(例えば、フィールドf_Aとフィールドf_Bとの間)に、光信号の読み出しを完了したフィールド(図11においては、フィールドf_A)を用いて、動画用の画像信号の読み出しを行う。なお、光信号の読み出しを完了したフィールドf_Aを用いて動画用の画像信号の読み出しを行う理由は、図8において説明した理由と同様である。このようにして、動画用の画像信号の読み出しを行いながら、複数の静止画像用の画像信号を連続して読み出す。
上記に述べたように、図11に示した動画表示連写シーケンスにおいても、動画非表示連写シーケンスのように、連写速度を最大にすることができないが、静止画像を連写している期間中においても動画表示を継続して行うことができる。そして、図11に示した動画表示連写シーケンスにおいては、フィールド数を5フィールドに増やしているため、1フィールドあたりの動画用の画像信号に含まれる画素数が減るが、それぞれのフィールドにおいて動画用の画像信号の読み出しに要する時間を短くすることができる。その結果、動画表示のフレームレートが高くなり、静止画像の連写撮影中の動画表示をより滑らかにすることができる。そして、本第3の実施形態の撮像装置300のユーザーは、表示部4に表示された滑らかな動画の画像を確認しながら被写体の動きに追従した静止画像の連写を行うことができる。
また、図11に示した動画表示連写シーケンスでは、静止画像用の画像信号の読み出しも5フィールドに増やしているが、この場合であっても連写速度は、図8に示した動画表示連写シーケンスと同様である。すなわち、画素部24を行毎に分けるフィールド数が異なるのみであり、読み出す静止画像用の画像信号の画素数に変わりはないため、静止画像用の画像信号の読み出しに要する時間に変わりはない。
このように、撮像装置300では、図11に示したように、画素部24を行毎に分割するフィールド数を増やすことによって動画表示をより滑らかにすることができる。なお、上記に述べたように、フィールド数の増加に伴って動画用の画像信号に含まれる画素数は減少していく。従って、撮像装置300において増やすことができるフィールド数は、解像度設定部32が取得した撮像装置300に備えた表示部4の性能(例えば、下限の解像度)によって許容できる範囲までとなるが、被写体の移動速度に応じて適切なフレームレートの動画表示とすることができるため、より快適な視認性と移動被写体の撮影とをユーザーに提供することができる。
<第2の読出シーケンス(動画表示連写シーケンス:連写速度優先)>
図12は、本第3の実施形態の撮像装置300において動画表示を行いながら静止画像を連写するタイミングの第2の例を示したタイミングチャートである。図12に示した動画表示連写シーケンスのタイミングチャートでは、図8および図11に示した動画表示連写シーケンスのタイミングチャートと同様に、静止画像用の画像信号を読み出すための画素28の駆動と、動画用の画像信号を読み出すための画素28の駆動とが、交互に行われる。そして、図12においては、図8に示した動画表示連写シーケンスと同様に、画素部24を行毎に3つのフィールドに分けて、それぞれのフィールドに属する画素28の読み出しを順次行っている。ただし、図12では、動画の画素数を図8に示した動画表示連写シーケンスの半分(画素数=1/2は、間引き率=2倍)にしている。図12は、2枚の静止画像用の画像信号を連続して取得する間に、10フレームの動画用の画像信号が読み出される場合を示している。これは、図8に示した動画表示連写シーケンスと同様の動画表示のフレームレートである。なお、図12における動画の画素数(間引き率)は、連写速度設定部31によって設定された目標連写速度設定および解像度設定部32によって設定された下限表示設定に基づいて、読出シーケンス制御部81によって決定されたものである。
より具体的に、図12に示した動画表示連写シーケンスのタイミングチャートについて説明する。静止画像用の画像信号を取得するとき、リセット信号読出期間において、フィールドf_A、フィールドf_B、フィールドf_Cの順番でリセット信号の読み出しを行う。また、リセット信号を読み出すフィールドとフィールドとの間(例えば、フィールドf_Aとフィールドf_Bとの間)に、リセット信号の読み出しを完了していないフィールド(図12においては、フィールドf_C)を用いて、動画用の画像信号の読み出しを行う。このとき、フィールドf_Cに属する画素28をさらに1/2に間引いて(例えば、フィールドf_Cに属する画素部24の行を1/2に間引いて)、動画用の画像信号の読み出しを行う。
そして、最後に、フィールドf_Cのリセット信号を読み出した後に、静止画像の露光期間において、画素部24内の全ての画素28の露光を同時に開始する。
そして、光信号読出期間において、フィールドf_A、フィールドf_B、フィールドf_Cの順番で光信号の読み出しを行う。また、光信号を読み出すフィールドとフィールドとの間(例えば、フィールドf_Aとフィールドf_Bとの間)に、光信号の読み出しを完了したフィールド(図12においては、フィールドf_A)を用いて、動画用の画像信号の読み出しを行う。このとき、フィールドf_Aに属する画素28をさらに1/2に間引いて(例えば、フィールドf_Aに属する画素部24の行を1/2に間引いて)、動画用の画像信号の読み出しを行う。このようにして、動画用の画像信号の間引き読み出しを行いながら、複数の静止画像用の画像信号を連続して読み出す。
上記に述べたように、図12に示した動画表示連写シーケンスにおいても、動画非表示連写シーケンスのように、連写速度を最大にすることができないが、静止画像を連写している期間中においても動画表示を継続して行うことができる。そして、図12に示した動画表示連写シーケンスにおいては、動画用の画像信号に含まれる画素数を減らしているため、表示される動画の画素数が減るが、それぞれのフィールドにおいて動画用の画像信号の読み出しに要する時間を短くすることができる。その結果、静止画像用の画像信号を取得するフィールド間の時間間隔が短くなり、静止画像用の画像信号の読み出しに要する合計の時間も短くなる。すなわち、連写速度を向上することができる。
このように、撮像装置300では、動画用の画像信号の画素数を減らすことによって、被写体の移動速度に応じてより最適な動画表示を行いながら、静止画像の撮影条件などによって決まる目標連写速度または目標連写速度に近い連写速度まで連写速度を向上した静止画像の連写撮影を行うことができる。なお、動画表示連写シーケンスにおける最大の連写速度は、解像度設定部32が取得した撮像装置300に備えた表示部4の性能(例えば、下限の解像度)によって許容できる範囲までとなるが、動画表示を行いながらも、被写体の移動速度に応じて適切な連写速度とすることができるため、快適な視認性とより高速な移動被写体の撮影とをユーザーに提供することができる。
上記に述べたように、本第3の実施形態の撮像装置300では、ユーザーの指示によって静止画像を連写する際に動画表示を行うか否かを選択することができる。また、被写体の移動速度に応じて、動画表示を行いながら静止画像を連写するか否かを選択することができる。これにより、本第3の実施形態の撮像装置300においても、第1の実施形態の撮像装置100および第2の実施形態の撮像装置200と同様に、快適な視認性と高速な移動被写体の撮影とをユーザーに提供することができる。
なお、本第3の実施形態の撮像装置300の連写モードにおいて、連写シーケンスを自動で選択する場合、例えば、以下のような手順(連写シーケンス選択手順)によって、動画非表示連写シーケンスまたは動画表示連写シーケンスの選択、および動画表示連写シーケンスにおけるフィールドの分割数や、動画の画素数(間引き率)などの設定が行われる。
(手順1):読出シーケンス選択部6は、カメラ速度検出部12、移動速度検出部20から連写シーケンスに移行する前の被写体の移動速度の情報を取得する。
(手順2):読出シーケンス選択部6は、被写体の移動速度が、予め定められた被写体の移動速度の閾値よりも大きい(移動速度が速い)場合には、連写速度を優先した動画非表示連写シーケンスを選択し、連写シーケンス選択手順を終了する。また、予め定められた被写体の移動速度の閾値よりも小さい(移動速度が遅い)場合には、動画表示を優先した動画表示連写シーケンスを選択し、手順3に進む。
(手順3):読出シーケンス制御部81は、連写速度設定部31から、今回の静止画像の連写撮影における目標連写速度設定の情報を取得する。また、解像度設定部32から、表示部4における下限表示設定の情報を取得する。
(手順4):読出シーケンス制御部81は、被写体の移動速度が予め定められた連写速度を優先する閾値までの範囲内である場合には、例えば、図12に示したような連写速度を優先した動画表示連写シーケンスの設定を行い、連写シーケンス選択手順を終了する。また、読出シーケンス制御部81は、被写体の移動速度が予め定められた連写速度を優先する閾値よりも小さい(さらに移動速度が遅い)場合には、例えば、図11に示したような動画表示を優先した動画表示連写シーケンスの設定を行い、連写シーケンス選択手順を終了する。
なお、手順4において、連写速度を優先した動画表示連写シーケンスの設定を行う場合には、連写速度が、目標連写速度となるように、動画表示連写シーケンスにおけるフィールド数および動画の画素数(間引き率)を決定する。このとき、読出シーケンス制御部81は、動画の画素数(間引き率)を上げて、目標連写速度を確保できるように、動画の画素数や読み出し時間および読み出し回数を制御するが、下限表示設定の動画表示は確保できるようにする。また、下限表示設定の動画表示が確保できない場合には、連写速度を下げていく。
また、手順4において、動画表示を優先した動画表示連写シーケンスの設定を行う場合には、例えば、動画表示シーケンスと同様の動画の画素数や読み出し時間および読み出し回数となるように、動画表示連写シーケンスにおけるフィールド数および動画の画素数(間引き率)を決定する。このとき、読出シーケンス制御部81は、連写速度を下げていくが、連写速度が予め定められた速度以下となるような場合は、動画の画素数(間引き率)を上げて、最低限の連写速度を確保できるようにする。
このように、本第3の実施形態の撮像装置300では、動画表示連写シーケンスにおいて静止画像用の画像信号を読み出すときのフィールド数や、動画用の画像信号を読み出すときの動画の画素数(間引き率)、読み出し時間、および読み出し回数を、被写体の移動速度に応じた設定にすることができる。なお、フィールド数や、動画の画素数(間引き率)、読み出し時間、および読み出し回数の設定は、例えば、被写体の移動速度に応じたテーブル情報を予め準備しておき、このテーブル情報に基づいて、対応する被写体の移動速度に応じた設定を行うようというような方法がある。
ここで、動画表示連写シーケンスにおけるフィールド数の設定と動画の周期および静止画像の連写間隔の例について説明する。動画表示連写シーケンスにおいて、フィールド数や動画の画素数(間引き率)などを決定する際には、動画表示連写シーケンスにおける静止画像用の画像信号の1フィールドの画素数、動画用の画像信号の1フレームに含まれる画素数、動画用の画像信号を読み出す周期、および静止画像の連写速度を表す連写間隔が考慮される。
動画表示連写シーケンスにおける静止画像用の画像信号の1フィールドの画素数Pxfは、全ての画素数Pxと、静止画のフィールド数fとから、下式(2)のように算出することができる。
Pxf=Px/f ・・・・・(2)
また、動画表示連写シーケンスにおける動画用の画像信号の1フレームに含まれる画素数PxFは、全ての画素数Pxと、動画のフレーム数Fと、間引き率Rtとから、下式(3)のように算出することができる。
PxF=(Px/F)/Rt ・・・・・(3)
また、動画表示連写シーケンスにおける動画用の画像信号を読み出す周期(動画の周期)Pmは、全ての画素の読み出し時間Trと、静止画のフィールド数fと、動画のフレーム数Fと、間引き率Rtとから、下式(4)のように算出することができる。
Pm=(Tr/f)+((Tr/F)/Rt) ・・・・・(4)
ここで、上式(4)の右辺の第1項(Tr/f)は、1フィールドの静止画像用の画像信号の読み出し時間、右辺の第2項((Tr/F)/Rt)は、1フレームの動画用の画像信号の読み出し時間を表している。また、動画の周期Pmは、静止画像用の画像信号の取得における1フィールドの画像信号(リセット信号読出期間におけるリセット信号、および光信号読出期間における光信号)を読み出す周期に相当する。
また、動画表示連写シーケンスにおける静止画像の連写速度を表す連写間隔Tcは、動画の周期Pm(1フィールドの静止画像用の画像信号を読み出す周期)と、静止画のフィールド数fとから、下式(5)のように算出することができる。
Tc=(Pm×f)×2 ・・・・・(5)
ここで、上式(5)の右辺の第1項(Pm×f)は、静止画像の露光期間の前後におけるリセット信号読出期間または光信号読出期間を表している。そして、上式(5)の右辺の第2項で“2”を乗算することによって、静止画像用の画像信号を取得する全ての期間を表している。ただし、実際には静止画像の露光期間も含まれるため、実際の静止画像の連写撮影における連写間隔は、上式(5)によって算出した連写間隔Tcに静止画像の露光期間を加算した時間の間隔となる。
図13は、本実施形態の撮像装置における動画の画素数および周期と静止画像の連写間隔との関係をまとめた図である。図13は、画素部24内の全ての画素数を600万画素(6M)とし、この600万画素を1/10[sec]で読み出す場合を例とした場合の、上記に述べた動画表示連写シーケンスにおける、それぞれの値を算出した例を示している。図13の上段、中段、下段は、それぞれ、図8、図11、図12に示した動画表示連写シーケンスにおける静止画像用の画像信号の1フィールドの画素数Pxf、動画用の画像信号の1フレームに含まれる画素数PxF、動画の周期Pm、連写間隔Tcを示している。なお、実際の静止画像の露光期間は、静止画像の撮影条件などによって決まり、必ずしも同じ時間とならない。このため、図13では、説明を容易にするという目的から、連写間隔Tcにおける静止画像の露光期間を“0”として省略した場合を示すこととする。
図13を見てわかるように、動画の画素数(間引き率)が同じである場合、すなわち、図13の上段(図8)と中段(図11)とを比較した場合は、動画のフレーム数が多い方が、動画の周期Pmは短くなる。そして、このときの連写間隔Tcは、同じである。
また、図13を見てわかるように、動画の画素数(間引き率)が異なる場合、すなわち、図13の上段(図8)と下段(図12)とを比較した場合は、動画の画素数が少ない(間引き率が高い)方が、連写間隔Tcが短くなる。なお、図13の下段(図12)においては、動画の画素数が少ない(間引き率が高い)ことによって、動画の周期Pmも少し短くなっている。
このように、本第3の実施形態の撮像装置300では、動画表示連写シーケンス内の静止画像用の画像信号の読み出し動作と、動画用の画像信号の読み出し動作とを制御することができるため、被写体の移動速度に応じて、より最適な動画表示を行いながら静止画像の連写撮影を行うことができる。
なお、本第3の実施形態の撮像装置300の連写モードにおいては、ユーザーが静止画像用の画像信号を読み出すときのフィールド数、または動画用の画像信号を読み出すときの動画の画素数や読み出し時間および読み出し回数を変更するようにすることもできる。例えば、連写シーケンスにおける現在の設定の状態を表示部4に表示する。そして、ユーザーは、表示部4に表示された連写シーケンスの設定を確認しながら、カメラ操作部11を操作して、フィールド数や動画の画素数(間引き率)などを決定する。
上記に述べたように、本発明を実施するための形態によれば、ユーザーの指示または被写体の移動速度に応じて、動画表示を行いながら静止画像を連写するか否かを選択することができる。すなわち、連写中に動画表示を行わない動画非表示連写シーケンス(第1の読出シーケンス)、または連写を行いながら動画表示を行う動画表示連写シーケンス(第2の読出シーケンス)のいずれか一つの読み出しシーケンスを選択することができる。また、本発明を実施するための形態によれば、ユーザーの指示または被写体の移動速度に応じて、動画表示連写シーケンス(第2の読出シーケンス)における、静止画像用の画像信号を読み出すための画素の駆動(静止画読出シーケンス)と、動画用の画像信号を読み出すための画素の駆動(動画読出シーケンス)とを制御することができる。これにより、撮影状況が被写体の移動速度が大きいシーンなどに変化した場合においても、表示装置の表示が黒表示や同一画面の連続表示というような、不要な画像をユーザーに見せる機会を排除することができる。その結果、撮像装置のシステム全体として、ユーザーに快適な視認性と高速な移動被写体の撮影とを確保することができる。
なお、本発明のある態様に係る撮像装置における読出制御部は、本実施形態においては、例えば、駆動制御部8と、垂直制御回路26と、水平制御回路27とに対応する。また、本発明のある態様に係る移動速度検出部は、本実施形態においては、例えば、移動速度検出部20またはカメラ速度検出部12に対応し、最大連写速度取得部は、例えば、連写速度設定部31に対応し、下限解像度取得部は、例えば、解像度設定部32に対応する。また、本発明のある態様に係る入力受付部は、本実施形態においては、例えば、カメラ操作部11およびカメラ制御部10に対応し、出力部は、例えば、表示部4に対応する。
なお、本発明を実施するための形態では、連写シーケンスに移行する前にカメラ速度検出部12または移動速度検出部20が検出した被写体の移動速度に基づいて、読出シーケンス選択部6が、連写を行うときの連写シーケンス(動画非表示連写シーケンスまたは動画表示連写シーケンス)を選択する場合について説明した。しかし、読出シーケンス選択部6が連写シーケンスを選択するタイミングは、本発明を実施するための形態に限定されるものではない。例えば、静止画像の連写撮影の動作中においても、カメラ速度検出部12または移動速度検出部20が検出した被写体の移動速度に基づいて、連写を行うときの連写シーケンスの選択を切り替えるようにすることもできる。また、同様に、例えば、静止画像の連写撮影の動作中においても、カメラ速度検出部12または移動速度検出部20が検出した被写体の移動速度に基づいて、動画表示連写シーケンスにおけるフィールド数や、動画の画素数(間引き率)、読み出し時間、および読み出し回数を切り替えるようにすることもできる。
なお、本発明を実施するための形態においては、動画表示連写シーケンスにおいて、静止画像用の画像信号の読み出しと、動画用の画像信号を読み出しとが、交互に行われる場合について説明した。しかし、動画表示連写シーケンス内の動作は、本発明を実施するための形態に限定されるものではない。例えば、動画表示連写シーケンスにおいて、動画用の画像信号の読み出し回数を減らしたり、逆に増やしたりすることもできる。
なお、上記に述べたように、動画用の画像信号に含まれる画素数を減らすほど、動画用の画像信号の読み出しに要する時間が短くなり、滑らかな動画表示または連写速度の向上をすることができる。ただし、上記に述べたように、画素数を減らすほど、動画表示の解像度は減少する。このため、例えば、連写シーケンスに移行する前の動画用の画像信号から被写体に応じた動画表示が許容できる解像度の下限を決めた上で、動画表示連写シーケンス内の動作を制御することにより、快適な動画表示を行いながら静止画像を連写する連写速度を上げることができる。また、逆に被写体の移動速度、輝度から撮像装置が実行することができる最大の連写速度を決定し、その上で動画表示連写シーケンス内の動作を制御して、動画表示のフレームレートと解像度とを決めることによって、快適な静止画像の連写撮影も行うことができる。
また、本発明における回路構成および駆動方式の具体的な構成は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更をすることができる。例えば、画素の構成要素および駆動方法が変わった場合においても、例えば、撮像部2や固体撮像素子21内の構成要素や回路構成に応じて駆動方法を変更することによって対応することができる。
また、画素の行方向および列方向の配置は、本発明を実施するための形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において画素を配置する行方向および列方向の数を変更することができる。
また、本発明を実施するための形態では、動画用の画像信号を用いずに被写体の移動速度を検出する場合の例として、ジャイロセンサーを用いて撮像装置自体の動きを検出することによって、被写体が移動する速度を検出する場合について説明した。しかし、動画用の画像信号を用いずに被写体の移動速度を検出する方法は、本発明を実施するための形態に限定されるものではない。例えば、被写体の移動速度を検出するための専用のセンサを用いることもできる。
以上、本発明を実施するための形態をもとに説明したが、各構成要素や各処理プロセスの任意の組み合わせ、本発明の表現をコンピュータプログラムプロダクトなどに変換したものもまた、本発明の態様として有効である。ここで、コンピュータプログラムプロダクトとは、プログラムコードが記録された記録媒体(DVD媒体、ハードディスク媒体、メモリ媒体など)、プログラムコードが記録されたコンピュータ、プログラムコードが記録されたインターネットシステム(例えば、サーバとクライアント端末を含むシステム)など、プログラムコードが記録された記録媒体、装置、機器やシステムをいう。この場合、上述した各構成要素や各処理プロセスは各モジュールで実装され、その実装されたモジュールからなるプログラムコードはコンピュータプログラムプロダクト内に記録される。
例えば、本発明のある態様に係るコンピュータプログラムプロダクトは、撮像素子上に配置された複数の画素からの画素信号の読み出しを制御する読出制御モジュールと、連写を目的として前記画素信号を読み出す第1の読出シーケンスと、連写を行いながら動画表示を行うことを目的として前記画素信号を読み出す第2の読出シーケンスと、を少なくとも設定可能な読出シーケンス設定モジュールと、前記読み出された画素信号に基づいて、前記第1の読出シーケンスまたは前記第2の読出シーケンスを選択する読出シーケンス選択モジュールと、をコンピュータに実行させるためのプログラムコードが記録されたコンピュータプログラムプロダクトである。
また、例えば、図1に示した撮像装置100の各構成要素による処理を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、撮像装置100に係る上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
また、本発明のある態様に係る撮像装置は、撮像素子上に配置された複数の画素からの画素信号の読み出しを制御する読出制御手段と、連写を目的として前記画素信号を読み出す第1の読出シーケンスと、連写を行いながら動画表示を行うことを目的として前記画素信号を読み出す第2の読出シーケンスと、を少なくとも設定可能な読出シーケンス設定手段と、前記読み出された画素信号に基づいて、前記第1の読出シーケンスまたは前記第2の読出シーケンスを選択する読出シーケンス選択手段と、を備えることを特徴とする撮像装置であってもよい。
また、本発明のある態様に係る撮像装置は、撮像素子上に配置された複数の画素からの画素信号の読み出しを制御する読出制御手段と、連写を目的として前記画素信号を読み出す第1の読出シーケンスと、連写を行いながら動画表示を行うことを目的として前記画素信号を読み出す第2の読出シーケンスと、を少なくとも設定可能な読出シーケンス設定手段と、被写体が移動する速度を検出する移動速度検出手段、前記移動速度検出手段が検出した前記被写体の移動速度に基づいて、前記第1の読出シーケンスまたは前記第2の読出シーケンスを選択する読出シーケンス選択手段と、を備えることを特徴とする撮像装置であってもよい。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の代替物、変形、等価物による変更を行うこともできる。従って、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決められるものではなく、請求項によって決められるべきであり、均等物の全ての範囲も含まれる。また、上述した特徴は、いずれも、好ましいか否かを問わず、他の特徴と組み合わせてもよい。また、請求項において、明示的に断らない限り、各構成要素は1またはそれ以上の数量である。また、請求項において「〜のための手段」のような語句を用いて明示的に記載する場合を除いて、請求項が、ミーンズ・プラス・ファンクションの限定を含むものと解してはならない。