JP5529626B2 - シミュレーション方法、及びシミュレーション装置 - Google Patents

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空気入りタイヤを複数要素でモデル化したタイヤモデルを、路面を複数要素でモデル化した路面モデルに接触させて転動させることによりタイヤの性能を予測するシミュレーション方法、及びシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置に関する。
空気入りタイヤの開発において、有限要素法などの数値解析手法や計算機環境の発達により、実際に空気入りタイヤを製造し、自動車に装着して走行試験を行わなくても、新たに設計した空気入りタイヤの走行性能や特性といったタイヤ性能の予測・評価が可能になった(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたシミュレーション方法では、流体モデルの流速、流体モデルがタイヤモデルの表面に及ぼす圧力、流体モデルの流量、流体モデルがタイヤモデルを路面モデルの表面から離れる方向へ押し上げる力(流体反力)などの評価値を算出し、可視化できる。
また、特許文献1では、算出された流速、圧力、流量、流体反力などの流体モデルの評価値と、ハイドロプレーニング現象が発生する速度の実測値とを比較した結果から、流体モデルの評価値によってハイドロプレーニング性能に対する優劣を予測できることが記載されている。
特許3133738号公報 第2図
近年、タイヤには、高いレベルの排水性、雪上性能、騒音性能などが要求されるようになってきており、新たに設計したタイヤを評価するシミュレーションにおいても、実際の使用状態に近い結果が得られることが望まれている。
しかしながら、特許文献1に記載されたシミュレーション方法では、流速、圧力、流量、流体反力などの流体モデルの評価値をハイドロプレーニング性能を表す指標にできるが、ハイドロプレーニング現象が発生する速度を予測することはできない。そのため、特許文献1に記載されたシミュレーション方法によるシミュレーション結果では、厳密な評価が行えない場合が出てきた。
そこで、本発明は、空気入りタイヤのハイドロプレーニング現象の発生を高い精度で予測できるシミュレーション方法、及びシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、以下の特徴を備える。少なくともタイヤのトレッド部に形成された溝と陸部との基本構造及び材質を有限個の要素に分割したタイヤモデルと、路面を有限個の要素に分割した路面モデルと、前記タイヤと前記路面との間に介在する流体を有限個の要素に分割した流体モデルとを設定し、前記タイヤモデル、前記流体モデル及び路面モデルに境界条件を設定し、前記タイヤモデル、前記流体モデル及び路面モデルの物理量変化を計算するシミュレーション方法であって、前記流体モデルが配置された路面モデル上を転動する前記タイヤモデルの回転速度が時間経過とともに上昇するように前記タイヤモデルに回転トルクを付与するトルク付与ステップと、前記路面モデル上を転動する前記タイヤモデルが前記路面モデル上を所定の方向に進む並進速度を算出する並進速度算出ステップと、前記タイヤモデルの回転速度を算出する回転速度算出ステップと、前記タイヤモデルの外径と並進速度とによって決まる標準回転速度と、前記回転速度算出ステップにおいて算出された回転速度との差分が所定の閾値に達したときの前記並進速度をハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定するステップとを有することを要旨とする。
従来のシミュレーション方法では、流速、圧力、流量、流体反力などの流体モデルの評価値をハイドロプレーニング性能を表す指標として使用していたが、本発明の特徴によれば、タイヤモデルの外径と並進速度とによって決まる標準回転速度と、回転速度算出ステップにおいて算出された回転速度との差分が所定の閾値に達したときの並進速度をハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定する。このように、本発明によれば、ハイドロプレーニング現象が発生する速度を予測することができる。従って、従来のシミュレーション方法に比べて、ハイドロプレーニング現象の発生を高い精度で予測できる。
本発明によれば、空気入りタイヤのハイドロプレーニング現象の発生を高い精度で予測できるシミュレーション方法、及びシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置を提供できる。
図1は、本発明の実施形態に係るシミュレーション方法を説明するフローチャートである。 図2は、本実施形態に係るシミュレーション方法において作成されるタイヤモデル、及び路面モデルの斜視図である。 図3は、本実施形態に係るシミュレーション方法において作成される流体モデルの斜視図である。 図4は、本実施形態に係るシミュレーション方法において算出されるタイヤの並進速度と、回転速度との関係を説明する関係図である。 図5は、本発明の実施形態に係るシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置の構成図である。 図6(a)は、本発明の実施形態に係るシミュレーション方法によるハイドロプレーニング現象の発生速度の算出に使用する実施例1のタイヤモデルのフットプリントの平面図であり、図6(b)は、実施例2のタイヤモデルのフットプリントの平面図である。
本発明に係るシミュレーション方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)シミュレーション方法、(2)シミュレーション装置、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
(1)シミュレーション方法
図1は、本実施の形態にかかるシミュレーション方法を説明するフローチャートである。ステップS1では、シミュレーション方法の評価対象とする新たな空気入りタイヤを設計する。具体的には、空気入りタイヤのタイヤのタイヤサイズ、形状、構造、材料、トレッドパターンなどを定める。
ステップS2において、タイヤモデル設定ステップが実行される。ステップS2は、少なくとも空気入りタイヤの形状、構造、材料を有限個の要素に分割したタイヤモデルを設定するとともに、空気入りタイヤのトレッド部に形成された溝と陸部との基本構造を有限個の要素に分割したトレッドパターンモデルが設定される。
ステップS2では、新たに設計された空気入りタイヤに基づいて数値解析上のモデル(タイヤモデルという)が作成される。タイヤモデルを作成するための数値解析手法として、本実施形態では、有限要素法(FEM)を適用する。タイヤモデルは、実際の空気入りタイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘインプット可能なデータ形式に数値化したものである。
ステップS2で作成されるタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割(例えば、メッシュ分割)によって、複数の要素に分割されている。要素分割とは、空気入りタイヤ、路面、流体等を有限個の小部分(要素という)に分割することをいう。すなわち、タイヤモデルは、複数個の要素から構成されている。有限要素法は、例えば、変形、熱、粘弾性などの物理量の計算を、空気入りタイヤを構成する全要素について個別に計算した後、全要素に対する計算結果を積算することによって、タイヤモデル全体の物理量を算出する方法である。
図2は、ステップS2で作成されるタイヤモデル10及びステップS3で作成される路面モデル20の斜視図である。図3は、ステップS4で作成される流体モデル30の一部の斜視図である。
ステップS2では、まず、タイヤ径方向及びトレッド幅方向断面のモデル(タイヤ断面モデルという)が作成され、続いて、タイヤ断面モデルをタイヤ周方向に一周分展開したタイヤの3次元モデル(タイヤモデル10)が作成される。タイヤモデル10は、例えば、設計図面から採取したデータに基づいて作成される。或いは、空気入りタイヤの外形をレーザー形状測定器等で計測して採取したデータに基づいて作成される。また、タイヤの断面内のゴム、ベルト、プライ、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねた補強材などのタイヤモデルにおけるタイヤ内部の構造が、設計図面から採取したデータ、或いは実際のタイヤから採取したデータに基づいて、それぞれ有限要素法のモデル化手法に基づいてモデル化される。
続いて、ステップS3では、路面モデル設定ステップが実行される。路面モデル設定ステップでは、路面を有限個の要素に分割した路面モデル20が作成される。路面モデル設定ステップでは、摩擦係数μを選択することで、乾燥状態、濡れ状態、氷上、雪上、非舗装等の実際の路面状態を再現させることができる。路面モデル20は、流体モデルの少なくとも一部と接していればよく、流体モデルと重複して配置することも可能である。
ステップS4では、流体モデル設定ステップが実行される。流体モデル設定ステップは、路面モデル設定ステップにおいて設定された路面モデル上に流体の膜(水膜)を有限個の要素に分割した流体モデル30を設定する。流体モデル30は、タイヤモデル10が移動する領域に設定される。タイヤモデル10を転動させる(以下、タイヤ転動という)シミュレーションを実行する場合には、タイヤモデル10の進行方向に、タイヤ一回転分以上の広さを有する流体モデル30を作成する。また、流体モデル30は、タイヤモデル10の転動にあわせて並進させることもできる。この場合、流体の領域を小さくすることができるため、計算時間を短縮することが可能となる。
次に、ステップS5において、境界条件が設定される。タイヤモデル10の一部と、路面モデル20との間に流体モデル30が介在するように、タイヤモデル10、路面モデル20及び流体モデル30の間に境界条件が設定される。流体モデル30がタイヤモデル10の溝への流入する、又は流出する境界条件が与えられる。また、タイヤモデル10に所定の内圧が設定される。また、タイヤモデル10には、予め定められた負荷荷重、及び回転トルクが付与される。ステップS5には、トルク付与ステップが含まれる。
続いて、タイヤモデル10の変形計算(ステップS6)と、流体計算(ステップS8)とが実行される。タイヤモデル10と流体モデル30の変形の過渡的な状態を表すモデルを作成するために、タイヤモデル10の変形計算及び流体モデル30の流体計算をそれぞれ所定期間内に複数回実行する。所定期間とは、例えば、1msecに設定することができる。すなわち、タイヤモデル10の変形計算と流体計算は、所定期間が経過するまで繰り返し実行される。タイヤモデル10の変形計算と流体計算とは、どちらが先に実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。
ステップS10では、タイヤモデル10の変形計算と流体計算をそれぞれ所定期間(一例として1msec)実行した後、タイヤモデル10の変形に応じて、タイヤモデル10と流体モデル30との境界面の境界条件を更新する。
一般的に、タイヤが路面に滑りによるロスがなく正しくグリップして転動している状態では、路面を転動するタイヤの回転速度は、タイヤが路面上を所定の方向に進むときの並進速度とタイヤの外径とによって決まる(標準回転速度という)。しかし、ハイドロプレーニング現象が発生すると、タイヤと路面との間に介在する流体(水)の流体反力によってタイヤが路面から離れる方向に浮き上がるため、回転トルクが付与されたタイヤにおいては、タイヤと路面とが密着して転動していたときに比べてタイヤの回転速度が速まる。
そこで、ウェット路面におけるタイヤの回転速度と、標準回転速度とが乖離し始めたことを検出することによってハイドロプレーニング現象の発生を判断することができる。
本実施形態に係るシミュレーション方法では、タイヤモデルの外径と並進速度とによって決まる標準回転速度と、回転速度算出ステップにおいて算出された回転速度との差分が所定の閾値に達したときの並進速度をハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定する。
本実施形態に係るシミュレーション方法では、流体モデルが配置されていない路面モデル(ドライ路面)上を転動するタイヤモデルの回転速度を標準回転速度とし、流体モデルが配置されている路面モデル(ウェット路面)上を転動するタイヤモデルの回転速度とを比較する。図4は、本実施形態に係るシミュレーション方法において算出されるタイヤの並進速度と回転速度との関係を説明する関係図である。
図4に示すように、流体モデルが配置されていない路面モデル上を転動するタイヤモデルの回転速度(標準回転速度VBという)のときの路面モデルに対するタイヤモデルの相対速度を並進速度Uとする。また、流体モデルが配置されてる路面モデル上を転動するタイヤモデルの回転速度(予測回転速度VPという)のときの路面モデルに対するタイヤモデルの相対速度を並進速度Uとする。
実施形態では、標準回転速度VBが時間経過とともに上昇するようにタイヤモデルに回転トルクを付与したときの標準回転速度VBと並進速度Uとの関係と、予測回転速度VPが時間経過とともに上昇するようにタイヤモデルに回転トルクを付与したときの予測回転速度VPと並進速度Uとの関係とを比較することによって、ハイドロプレーニング現象が発生する速度を算出する。すなわち、ある並進速度Uにおいて、標準回転速度VBと予測回転速度VPとの差が所定の閾値に達したとき、この並進速度Uをハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定する。
ステップS11において、タイヤモデル10の並進速度が算出される。ステップS11には、相対速度算出ステップが含まれる。
ステップS12において、流体モデル30が配置された路面モデル20をタイヤモデル10が並進速度Uで移動するときのタイヤモデル10の予測回転速度VPと、流体モデル30が配置されていない路面モデル20をタイヤモデル10が同じ並進速度Uで移動するときのタイヤモデル10の標準回転速度VBとの差が所定の閾値に達するか閾値以上である場合(ステップS12;yes)に、ステップS13において、並進速度Uで移動するときのタイヤモデル10の予測回転速度VPをハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定する。
予測回転速度VPと標準回転速度VBとの差が所定の閾値よりも小さければ(ステップS12;no)、ステップS5に戻り、タイヤモデル10の回転速度を設定し、ステップS5〜ステップS12を繰り返す。実施形態のシミュレーション方法では、タイヤモデル10に付与する回転トルクを時間経過とともに上昇させて、タイヤモデル10と流体モデル30との物理量変化を連続して算出し、予測回転速度VPと標準回転速度VBとの差が閾値以上になるまで並進速度Uを上昇させて、ステップS5〜ステップS12を繰り返す。
ステップS1〜S14の一連の処理を実行することによって、タイヤモデルのハイドロプレーニング現象の発生速度を決定する。この処理によって決定されたハイドロプレーニング現象の発生速度が、予め定めた許容範囲内に収まるか否かによって、ステップS1で設定した設計案のタイヤモデルの良否判定を行うステップを更に設けることができる。更に、設計案のタイヤモデルを取り替えながら複数のタイヤモデルに対して、ハイドロプレーニング現象の発生速度を決定するルーチンを設けることができる。
(2)シミュレーション装置
図5には、本発明の実施形態に係るタイヤ性能予測方法を実行するタイヤ性能予測装置としてのコンピュータ300の概略が示されている。図5に示すように、コンピュータ300は、半導体メモリー、ハードディスクなどの記憶部(不図示)、処理部(不図示)などを備えた本体部310と、入力部320と、表示部330とを備える。処理部は、図1を用いて説明したシミュレーション方法を実行する。
標準回転速度VBと並進速度Uとが対応付けされたテーブルとして用意され、記憶部などに格納されていてもよい。
コンピュータ300は、図示しないが着脱可能な記憶媒体と、この記憶媒体に対して書き込み・読み出しを可能にするドライバが備えられていてもよい。図1を用いて説明したシミュレーション方法を実行するプログラムを予め記憶媒体に記録しておき、記憶媒体から読み出されたプログラムを実行してもよい。コンピュータ300の記憶部にプログラムを格納(インストール)して実行してもよい。コンピュータ300は、図示しないが、例えば、ネットワークに接続可能であってもよい。ネットワークを介して、シミュレーション方法を実行するプログラムを取得してもよい。
(3)作用・効果
実施形態に係るシミュレーション方法によれば、タイヤモデル10の外径と並進速度とによって決まる標準回転速度と、回転速度算出ステップにおいて算出された回転速度との差分が所定の閾値に達したときの並進速度をハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定する。このように、実施形態に係るシミュレーション方法によれば、ハイドロプレーニング現象の発生を高い精度で予測できる。
実施形態に係るシミュレーション方法によれば、流体モデル30が配置されていない路面モデル20上を転動するタイヤモデル10の並進速度が所定速度のときのタイヤモデル10の回転速度と、流体モデル30が配置された路面モデル20上を転動するタイヤモデル10の並進速度が所定速度と同じ速度であるときのタイヤモデル10の回転速度との差が所定の閾値に達したとき、所定速度をハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定する。これにより、ハイドロプレーニング現象が発生する速度を精度良く予測できる。
(4)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例が明らかとなる。例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
本実施形態に係るシミュレーション方法では、数値解析手法として、有限要素法を用いた場合について説明したが、差分法や有限体積法を用いることもできる。
タイヤモデル10の並進速度とは、実施形態では、路面モデル20上を転動するタイヤモデル10が路面モデル20上を所定の方向に進む速度であると説明しているが、計算機上では、タイヤモデル10に対して、路面モデル20及び流体モデル30相対的に移動するように設定されていてもよく、タイヤモデル10と路面モデル20との相対速度であってもよい。
本発明に係る実施形態は、先行文献として挙げた、本出願人によって出願されたシミュレーション方法に関連する技術(特許3133738号公報)における大域解析(Global・Analysis:以下、G解析という)と局所解析(Local・Analysis:以下、L解析という)とを組み合わせたGL解析(Global−Local・Analysis)に利用することもできる。GL解析の詳細は、上記公報に開示されているため詳細な説明を省略する。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
図6(a)は、ハイドロプレーニング現象の発生速度の算出に使用する実施例1のタイヤモデル100のフットプリントの平面図であり、図6(b)は、実施例2のタイヤモデル200のフットプリントの平面図である。
タイヤモデル100は、主溝111,112,113,114を有する。タイヤモデル100のショルダー部には、主溝111に連通するラグ溝121,122,123,124と、主溝114に連通するラグ溝131,132,133,134とが形成されている。
タイヤモデル200は、主溝211,212,213を有する。タイヤモデル200のショルダー部には、主溝211に連通するラグ溝221,222,223,224と、主溝213に連通するラグ溝231,232,233,234とが形成されている。
図6(a)、図6(b)に示した溝構造を有し、以下の条件に設定されたタイヤにつき、本実施形態に係るシミュレーション方法を用いてハイドロプレーニング現象が発生する速度を算出した。
タイヤサイズ:195/65R15
タイヤ内圧:210kPa
軸荷重:450kgf
水膜厚さ:10mm
スリップ角:0°
キャンバー角:0°
本実施形態に係るシミュレーションにおいてタイヤモデルの回転速度がドライ路面走行時の回転速度に対して10%増加したときのタイヤモデルの並進速度をハイドロプレーニング現象の発生速度と決定した。また、実際の走行試験を行ってハイドロプレーニング現象が発生する速度を計測した。シミュレーションによって算出されたハイドロプレーニング現象の発生速度と実測値とを比較した。結果を表1に示す。
Figure 0005529626
表1に示すように、本実施形態に係るシミュレーションによって算出されたハイドロプレーニング現象の発生速度は、実測値との乖離が3%以下であり、精度の高いシミュレーション結果が得られることがわかった。
10…タイヤモデル、 20…路面モデル、 30…流体モデル、 300…コンピュータ、 310…本体部、 320…入力部、 330…表示部、 U…並進速度、 VB…標準回転速度、 VP…予測回転速度

Claims (3)

  1. 少なくともタイヤのトレッド部に形成された溝と陸部との基本構造及び材質を有限個の要素に分割したタイヤモデルと、路面を有限個の要素に分割した路面モデルと、前記タイヤと前記路面との間に介在する流体を有限個の要素に分割した流体モデルとを設定し、前記タイヤモデル、前記流体モデル及び路面モデルに境界条件を設定し、前記タイヤモデル、前記流体モデル及び路面モデルの物理量変化を計算するシミュレーション方法であって、
    前記流体モデルが配置された路面モデル上を転動する前記タイヤモデルの回転速度が時間経過とともに上昇するように前記タイヤモデルに回転トルクを付与するトルク付与ステップと、
    前記路面モデル上を転動する前記タイヤモデルが前記路面モデル上を所定の方向に進む並進速度を算出する並進速度算出ステップと、
    前記タイヤモデルの回転速度を算出する回転速度算出ステップと、
    前記タイヤモデルの外径と並進速度とによって決まる標準回転速度と、前記回転速度算出ステップにおいて算出された回転速度との差分が所定の閾値に達したときの前記並進速度をハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定するステップと
    を有するシミュレーション方法。
  2. 前記ハイドロプレーニング現象が発生する速度を決定するステップでは、
    前記流体モデルが配置されていない路面モデル上を転動するタイヤモデルの並進速度が所定速度のときのタイヤモデルの回転速度と、
    前記流体モデルが配置された路面モデル上を転動するタイヤモデルの並進速度が前記所定速度と同じ速度であるときの前記タイヤモデルの回転速度との差が所定の閾値に達したとき、前記所定速度をハイドロプレーニング現象が発生する速度に決定する請求項1に記載のシミュレーション方法。
  3. 前記請求項1または2に記載のシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置。
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