JP5528363B2 - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関する。
SiやSi材料を深掘エッチングする技術としては、いわゆるボッシュプロセスが知られている(特許文献1)。このボッシュプロセスでは、等方エッチングを行うエッチングステップと、堆積により側壁に保護膜を形成するデポステップとが交互に繰り返される。しかし、エッチングステップとデポステップでは、ガス種、ガス流量、及びチャンバ内の圧力等のプロセスレシピが異なるため、ステップの切換(エッチングプロセスからデポプロセスへの切換又はその逆の切換)の際にチャンバ内の圧力が一時的ないし過渡的に不安定となり、最適な圧力での処理ができない。
ボッシュプロセスにおいてステップ切換時にチャンバ内の圧力が不安定となることについて、図16を参照してより具板的に説明する。この図16において、例えば「ガスA」がエッチングステップで使用されるガスで、「ガスB」がデポステップで使用されるガスである。この例では、エッチングステップのガス流量はデポステップのガス流量よりも大きい。チャンバ内の圧力は圧力変動の計測結果に基づくバルブの開度により制御される。そのため、例えば、エッチングステップからデポステップに切り換えられてガス流量が変化すると、符号Aで示すように圧力が不安定な領域が生じる。デポステップからエッチングステップに切り換えられた場合にも、ガス流量の変化による圧力変動に伴ってバルブの開度が制御されるので符号Aで示すように圧力が不安定な領域が生じる。
ステップ切換時に一時的ないし過渡的であってもチャンバ内の圧力が不安定な領域(符号A,A’)が存在すると、エッチングレートの低下やプラズマの不安定化の原因となる。
特開2007−129260号公報
本発明は、エッチングステップとデポステップを交互に繰り返すプラズマ処理において、ステップ切換時のチャンバ内の圧力を安定させることを課題とする。
本発明の第1の態様は、被処理材が収容されたチャンバ内でプラズマを発生させ、前記被処理材をエッチングするエッチングステップと、前記被処理材に対して堆積により保護膜を形成するデポステップとを交互に複数回繰り返すプラズマ処理方法であって、前記チャンバ内を排気する真空排気部と前記チャンバとの間に前記チャンバ内の圧力を制御するためのバルブを設け、前記エッチングステップのうちの少なくともいずれか1つは、予め定められた時間だけ前記バルブの開度を目標値で維持する開度制御モードと、この開度制御モードに続いて前記チャンバ内の圧力を目標値で維持するように前記バルブの開度を制御する圧力制御モードと含み、前記デポステップのうちの少なくともいずれか1つは、予め定められた時間だけ前記バルブの開度を目標値で維持する開度制御モードと、この開度制御モードに続いて前記チャンバ内の圧力を目標値で維持するように前記バルブの開度を制御する圧力制御モードと含み、前記エッチングステップ及び前記デポステップの前記開度制御モードにおける前記目標値は一定値であり、前記エッチングステップの前記圧力制御モードにおける前記バルブの開度を記憶し、次回以降の前記エッチングステップの前記開度制御モードの前記目標値として使用し、前記デポステップの前記圧力制御モードにおける前記バルブの開度を記憶し、次回以降の前記デポステップの前記開度制御モードの前記目標値として使用する、プラズマ処理方法を提供する。
エッチングステップ及びデポステップの開始時に予め定められた時間だけバルブの開度を目標値で維持する開度制御モードを実行することで、ステップ切換時にもチャンバ内の圧力がオーバーシュートすることなく短時間で安定し、ステップ切換時の一時的ないしは過渡的なチャンバ圧力の変動が抑制される。開度制御モード終了後、目標値で圧力を維持するようにバルブの開度を制御する圧力制御モードを実行するが、開度制御モードを実行することで圧力を安定化させた後であるので、微調整程度のバルブの制御でチャンバ内の圧力を維持できる。このように、ステップ切換時に開度制御モードを実行することで、チャンバ内の圧力を安定させることができる。
エッチングステップ(デポステップ)の圧力制御モードにおけるバルブの開度を記憶し、次回以降のエッチングステップ(デポステップ)の開度制御モードにおける目標値として使用すること、すなわち開度制御モードにおける目標値の更新を行うことで、開度制御モードにおける開度の目標値と最適な開度とのずれのエッチングステップ及びデポステップを繰り返しに伴う増大を抑制し、ステップ切換時にチャンバ内の圧力が安定するまでの時間の増加を抑制できる。
本発明の第2の態様は、被処理材が収容されるチャンバと、前記チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生源と、前記チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、前記チャンバ内を排気する真空排気部と前記チャンバとの間に設けられた前記チャンバ内の圧力を制御するためのバルブと、前記被処理材をエッチングするエッチングステップと、前記被処理材に対して堆積により保護膜を形成するデポステップとを交互に複数回繰り返すように、少なくとも前記プラズマ発生源、前記ガス供給部、及び前記バルブを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記エッチングステップのうちの少なくともいずれか1つでは、予め定められた時間だけ前記バルブの開度を目標値で維持する開度制御モードと、この開度制御モードに続いて前記チャンバ内の圧力を目標値で維持するように前記バルブの開度を制御する圧力制御モードとを実行し、前記デポステップのうちの少なくともいずれか1つでは、予め定められた時間だけ前記バルブの開度を目標値で維持する開度制御モードと、この開度制御モードに続いて前記チャンバ内の圧力を目標値で維持するように前記バルブの開度を制御する圧力制御モードとを実行し、前記エッチングステップ及び前記デポステップの前記開度制御モードにおける前記目標値は一定値であり、前記制御部は記憶部を備え、前記制御部は、前記エッチングステップの前記圧力制御モードにおける前記バルブの開度を前記記憶部に記憶し、この記憶部に記憶された前記バルブの開度を次回以降の前記エッチングステップの前記開度制御モードの前記目標値として使用し、前記デポステップの前記圧力制御モードにおける前記バルブの開度を前記記憶部に記憶し、この記憶部に記憶された前記バルブの開度を次回以降の前記デポステップの前記開度制御モードの前記目標値として使用する、プラズマ処理装置を提供する。
本発明に係るプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置では、交互に繰り返されるエッチングステップやデポステップにおいて、ステップ切換時に予め定められた時間だけバルブの開度を目標値で維持する開度制御モードを実行した後、目標値で圧力を維持するようにバルブの開度を制御する圧力制御モードを実行することで、ステップ切換時のチャンバ内の圧力を安定させることができる。その結果、一定時間内のエッチングステップとデポステップの繰り返し回数が増加してエッチングレートが向上する。また、ステップ切換時のチャンバ内の圧力が安定することでステップ切換時におけるプラズマの挙動が安定するので、処理品質が向上する。また、エッチングステップ(デポステップ)の圧力制御モードにおけるバルブの開度を記憶し、次回以降のエッチングステップ(デポステップ)の開度制御モードにおける目標値として使用すること、すなわち開度制御モードにおける目標値の更新を行うことで、開度制御モードにおける開度の目標値と最適な開度とのずれのエッチングステップ及びデポステップを繰り返しに伴う増大を抑制し、ステップ切換時にチャンバ内の圧力が安定するまでの時間の増加を抑制できる。
本発明の第1実施形態に係るドライエッチング装置の模式図。 第1実施形態に係るドライエッチング装置のブロック図。 第1実施形態における深掘エッチング処理のフローチャート。 図3の第1のエッチングステップのフローチャート。 図3の第1のデポステップのフローチャート。 図3の第2のエッチングステップのフローチャート。 図3の第2のデポステップのフローチャート。 第1実施形態における深掘エッチング処理を示すタイムチャート。 本発明の第2実施形態に係るドライエッチング装置のブロック図。 第2実施形態における深掘エッチング処理のフローチャート。 図10の第1のエッチングステップのフローチャート。 図10の第1のデポステップのフローチャート。 第2実施形態における深掘エッチング処理を示すタイムチャート。 開度制御モードのブロック図。 圧力制御モードのブロック図。 従来の深掘エッチング処理を示すタイムチャート。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2は本発明の第1実施形態に係るプラズマ処理方法(ドライエッチング方法)を実行するプラズマ処理装置であるドライエッチング装置1を示す。本実施形態のドライエッチング装置1は、Si又はSi系材料の基板に対し、等方エッチングを行うエッチングステップと、堆積により側壁に保護膜を形成するデポステップとを交互に複数回繰り返すことで、高アスペクト比のエッチング(深堀エッチング)を実行する。
ドライエッチング装置1はチャンバ(真空容器)2を備える。チャンバ2の頂部の上方には上部電極としてのアンテナ3が配置されている。アンテナ3は整合回路4Aを介して第1の高周波電源部5Aに電気的に接続されている。一方、チャンバ2内の底部側には、基板(被処理材)21が配置されるステージ6がアンテナ3と対向するように配置されている。本実施形態におけるステージ6は下部電極としても機能し、整合回路4Bを介して第2の高周波電源部5Bに電気的に接続されている。
チャンバ2のガス導入口2aには、ガス源7Aからの「ガスA」を流量を制御してチャンバ2内に供給する第1の流量調整部8Aと、ガス源7Bからの「ガスB」を流量を制御してチャンバ2内に供給する第2の流量調整部8Bとが接続されている。第1及び第2の流量調整部8A,8Bは、それぞれマスフローコントローラを備える。本実施形態では、ガス源7Aの「ガスA」がエッチングステップに使用され、ガス源7Bの「ガスB」がデポステップに使用される。
チャンバ2の排気口2bには、チャンバ2内を真空排気するための真空ポンプを含む真空排気部11が排気口2bに接続された排気路9の末端に接続されている。また、排気路9の中間部にはチャンバ2内の圧力を制御するための圧力制御バルブ12が配置されている。圧力制御バルブ12は、例えばバタフライバルブのような開度調整可能なバルブである。排気口2bの圧力制御バルブ12と真空排気部11の間の領域の圧力を検出する圧力計13が設けられている。
主制御部14は、第1及び第2の流量調整部8A,8Bと第1及び第2の高周波電源部5A,5Bとを含むドライエッチング装置1の全体の動作を制御して深堀エッチングを実行する深堀エッチング処理部14aを備える。また、主制御部14は圧力制御バルブ12の開度を含む処理条件を記憶する記憶部14bを備える。本実施形態では、主制御部14の記憶部14bには、それぞれバルブ開度A1,A2,B1,B2が記憶される開度記憶領域16a,16b,16c,16dが設けられている。
圧力制御バルブ制御部15は圧力制御バルブ12の制御を行う。圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御には、2種類の制御モード、すなわち開度制御モードと圧力制御モードとがある。圧力制御バルブ制御15は主制御部14と共に本発明における制御部を構成する。
開度制御モードでは、主制御部14によって設定された圧力制御バルブ12の開度(目標値)を一定に保つ制御が行われる。本実施形態では開度制御モードにおける目標値はエッチングステップやデポステップの繰り返しに伴って更新される一定値である。しかし、開度制御モードにおける目標値は固定値であってもよいし、関数(ステップ関数、ランプ関数等)であってもよい。図14を併せて参照すると、開度制御モードでは、圧力制御バルブ制御部15が目標値(開度)に対応する操作量(開度)を圧力制御バルブ12に指示し、それによって制御量としてのチャンバ2内の圧力が変化する。開度制御モードは一種のオープンループ制御としてとらえることができる。
一方、圧力制御モードでは、主制御部14によって設定された圧力(目標値)を一定に保つように、圧力制御バルブ12の開度が制御される。本実施形態では圧力制御モードにおける目標値はエッチングステップやデポステップの繰り返しに伴って更新される一定値である。しかし、圧力制御モードにおける目標値は固定値であってもよいし、関数(ステップ関数、ランプ関数等)であってもよい。図15を併せて参照すると、圧力制御モードで、圧力制御バルブ制御部15は圧力計13の測定値(圧力)を参照しつつ目標値(圧力)に対応する操作量(開度)を圧力制御バルブ12に指示し、それによって制御量としてのチャンバ2内の圧力が変化する。圧力制御モードは一種のフィードバック制御としてとらえることができる。
次に、図3から図7のフローチャートと図8のタイムチャートをさらに参照して、本実施形態のドライエッチング装置1により実行される深掘エッチング処理を説明する。
まず、基板21をチャンバ2内に搬入してステージ6上に載置する基板受入処理が実行される(図3のステップS3−1)。次に、プラズマ着火処理が実行される(図3のステップS3−2,図8の時刻t0〜t1)。本実施形態におけるプラズマ着火処理では、ガス源7A,7Bから第1及び第2の流量調整部8A,8Bを介してチャンバ2内にガスAとガスBを所定流量で導入しつつ、真空排気部11による排気を行い圧力制御バルブ12の開度制御によってチャンバ2内を所定圧力に維持する。その後、アンテナ3に対して高周波電源5Aから高周波電力を供給してチャンバ2内にプラズマを発生させる。なお、エッチングステップとデポステップではステージ6に対して高周波電源5Bから高周波電力(バイアス電力)が供給されるが、プラズマ着火処理ではステージ6に対するバイアス電圧の供給は行われない。
プラズマ着火後、エッチングステップとデポステップを交互に繰り返すこと深掘エッチングが実行される(図3のステップS3−3〜S3−6,図8の時刻t1〜時刻t7)。エッチングの終点が検知されてプロセス終了となると(図3のステップS3−7)、第1及び第2の高周波電源5A,5Bからアンテナ3とステージ6への高周波電力の供給は停止されてチャンバ2のプラズマは消滅する(図3のステップS3−8)。その後、チャンバ2内から基板21を搬出する処理が実行される(図3のステップS3−9)。
以上が1回の深掘エッチング処理の開始から終了までの概要であり、通常この深掘エッチング処理は複数回繰り返される。以下の説明では、基板21のロット変更、基板21の品種変更、又は処理条件(ガス種、ガス流量、チャンバ2内の圧力)等の条件が変更があった後の最初に実行される深掘エッチング処理を「1回目の深掘エッチング処理(1回目のプラズマ処理)」と呼び、この「1回目の深掘エッチング処理」の後にさらに繰り返される同一条件の深掘エッチングを「2回目以降の深掘エッチング処理(2回目以降のプラズマ処理)」という。
1回の深掘エッチング処理に着目した場合、前述のようにエッチングステップとデポステップが交互に繰り返される(図3のステップS3−3,図8の時刻t1〜時刻t7)。以下の説明では、1回の深掘エッチング処理を開始後に最初に実行されるエッチングステップ、すなわち1回の深掘エッチング処理を開始後に実行される1回目のエッチングステップを「第1のエッチングステップ」と呼ぶ。同様に、1回の深掘エッチング処理を開始後に最初に実行されるデポステップ、すなわち1回の深掘エッチング処理を開始後に実行される1回目のデポステップを「第1のデポステップ」と呼ぶ。また、以下の説明では、1回の深掘エッチング処理を開始後に実行される2回目以降のエッチングステップ、すなわち第1のエッチングステップ終了後に実行される後続のエッチングステップを、「第2のエッチングステップ」と呼ぶ。同様に、1回の深掘エッチング処理を開始後に実行される2回目以降のデポステップ、すなわち第1のデポステップ終了後に実行される後続のデポステップを「第2のデポステップ」と呼ぶ。
プラズマ着火処理後に第1のエッチングステップが実行される(図3のステップS3−3,図8の時刻t1〜t2)。第1のエッチングステップでは、まず開度制御モードMvでの圧力制御バルブ12の制御が実行され、その後で圧力制御モードMpでの圧力制御バルブ12の制御が実行される。第1のエッチングステップの詳細は、図4に示す通りである。まず、主制御部14は、圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを開度制御モードMvに設定する(ステップS4−1)。また、主制御部14は、この開度制御モードMvにおけるバルブ開度を、記憶部14bの記憶領域16aに記憶された初期値であるバルブ開度A1に設定する(ステップS4−2)。圧力制御バルブ制御部15は、圧力制御バルブ12の開度を設定されたバルブ開度A1(目標値)に維持ないし固定する。
記憶部14bの記憶領域16aには、基板21の材質、種類、処理条件(ガス種、ガス流量、チャンバ2内の圧力)等に応じ、実験的に求めた値、理論的に算出した値、統計的ないしは経験的に得られた値がバルブ開度A1として予め記憶されている。ステップS4−2において、現在実行中の深掘エッチング処理が1回目の深掘エッチング処理であれば、この予め記憶されたバルブ開度A1が圧力制御バルブ制御部15に出力される。後述するように深掘エッチング処理を実行する度に、記憶部14bの記憶領域16aに記憶されるバルブ開度A1の値は更新される。ステップS4−2において、現在実行中の深掘エッチング処理が2回目以降の深掘エッチング処理であれば、直前の深掘エッチング処理で更新されたバルブ開度A1が圧力制御バルブ制御部15に出力される。
また、主制御部14は、第1の流量調整部8Aからチャンバ2に供給されるエッチングステップ用のガスAを所定の流量(流量FA1)に設定し、第2の流量調整部8Bからチャンバ2に供給されるデポステップ用のガスBの流量を0に設定する(ステップS4−3)。
開度制御モードMv、すなわち圧力制御バルブ12の開度が開度A1で固定された状態は、エッチングステップの初期段階、すなわち時刻t1から所定時間が経過するまで(図8の時刻t1’まで)継続する(ステップS4−4)。
ステップS4−4で所定時間が経過すると、主制御部14は圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを圧力制御モードMpに設定する(ステップS4−5)。また、主制御部14は、この圧力制御モードにおけるチャンバ2内の圧力の目標値を圧力Vaに設定する(ステップS4−6)。圧力制御バルブ制御部15は、設定された圧力Vaにチャンバ2内の圧力を保つように、圧力計13で検出された圧力を参照しつつ圧力制御バルブ12の開度を制御する。圧力制御モードMpは、所定時間が経過して第1のエッチングステップの終了となるまで(図8の時刻t2まで)継続する(ステップS4−7)。これにより圧力制御バルブ12のバルブ開度は、ガスAが流量FA1で供給されるチャンバ2内の圧力を圧力Vaで維持するのに最適な開度で安定する。
第1のエッチングステップが終了すると、その時点での圧力制御バルブ12のバルブ開度が、バルブ開度A1として記憶部14bの記憶領域16aに記憶され、かつバルブ開度A2として記憶部14bの記憶部16bに記憶される。つまり、現在の圧力制御バルブ12のバルブ開度でバルブ開度A1,A2が更新される。
第1のエッチングステップが終了すると、引き続いて第1のデポステップが実行される(図3のステップS3−4,図8の時刻t2〜t3)。言い換えれば、第1のエッチングステップから第1のデポステップに制御が切り換えられる。
第1デポステップでは、まず開度制御モードMvでの圧力制御バルブ12の制御が実行され、その後で圧力制御モードMpでの圧力制御バルブ12の制御が実行される。第1のデポステップの詳細は、図5に示す通りである。まず、主制御部14は、圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを開度制御モードMvに設定する(ステップS5−1)。また、主制御部14は、この開度制御モードMvにおけるバルブ開度を、記憶部14bの記憶領域16cに記憶された初期値であるバルブ開度B1に設定する(ステップS5−2)。圧力制御バルブ制御部15は、圧力制御バルブ12の開度を設定されたバルブ開度B1(目標値)に維持ないし固定する。
記憶部14bの記憶領域16cには、基板21の材質、種類、処理条件(ガス種、ガス流量、チャンバ2内の圧力)等に応じ、実験的に求めた値、理論的に算出した値、統計的ないしは経験的に得られた値がバルブ開度B1として予め記憶されている。ステップS5−2において、現在実行中の深掘エッチング処理が1回目の深掘エッチング処理であれば、この予め記憶されたバルブ開度A1が圧力制御バルブ制御部15に出力される。後述するように深掘エッチング処理を実行する度に、記憶部14bの記憶領域16cに記憶されるバルブ開度B1の値は更新される。ステップS5−2において、現在実行中の深掘エッチング処理が2回目以降の深掘エッチング処理であれば、直前の深掘エッチング処理で更新されたバルブ開度B1が圧力制御バルブ制御部15に出力される。
また、主制御部14は、第2の流量調整部8Bからチャンバ2に供給されるエッチングステップ用のガスBを所定の流量(流量FB1)に設定し、第1の流量調整部8Aからチャンバ2に供給されるデポステップ用のガスAの流量を0に設定する(ステップS5−3)。
開度制御モードMv、すなわち圧力制御バルブ12の開度が開度A1で固定された状態は、エッチングステップの初期段階、すなわち時間t2から所定時間が経過するまで(図8の時刻t2’まで)継続する(ステップS5−4)。
ステップS5−4で所定時間が経過すると、主制御部14は圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを圧力制御モードMpに設定する(ステップS5−5)。また、主制御部14は、この圧力制御モードにおけるチャンバ2内の圧力の目標値を圧力Vbに設定する(ステップS5−6)。圧力制御バルブ制御部15は、設定された圧力Vbにチャンバ2内の圧力を保つように、圧力計13で検出された圧力を参照しつつ圧力制御バルブ12の開度を制御する。圧力制御モードMpは、所定時間が経過して第1のエッチングステップの終了となるまで(図8の時刻t3まで)継続する(ステップS4−7)。これにより圧力制御バルブ12のバルブ開度は、ガスBが流量FB1で供給されるチャンバ2内の圧力を圧力Vbで維持するのに最適な開度で安定する。
第1のデポステップが終了すると、その時点での圧力制御バルブ12のバルブ開度が、バルブ開度B1として記憶部14bの記憶領域16cに記憶され、かつバルブ開度B2として記憶部14bの記憶部16cに記憶される。つまり、現在の圧力制御バルブ12のバルブ開度でバルブ開度B1,B2が更新される。
再度図3を参照すると、第1のエッチングステップ(S3−3)とそれに続く第1のデポステップ(S3−4)の終了後、プロセス終了となるまで、第2のエッチングステップと第2のデポステップとが交互に繰り返して実行される(ステップS3−5〜S3−7)。
第2のエッチングステップ及び第2のデポステップのいずれについても、まず開度制御モードMvでの圧力制御バルブ12の制御が実行され、その後で圧力制御モードMpでの圧力制御バルブ12の制御が実行される。要するに、第2のエッチングステップと第2のデポステップ間でのステップ切換時には、直ちに圧力制御モードMpを実行するのではなく、予め定められた時間だけ開度制御モードMvが実行される。
第2のエッチングステップの詳細は、図6に示す通りである。まず、主制御14は、圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを開度制御モードMvに設定する(ステップS6−1)。また、主制御部14は、この開度制御モードMvにおけるバルブ開度を、記憶部14bの記憶領域16bに記憶された初期値であるバルブ開度A2に設定する(ステップS4−2)。圧力制御バルブ制御部15は、圧力制御バルブ12の開度を設定されたバルブ開度A2(目標値)に維持ないし固定する。
ステップS6−2において、現在実行中の第2のエッチングステップが1回目の第2のエッチングステップ(図8において時刻t3〜t4)であれば、第1のエッチングステップの終了時に記憶領域16bに記憶されたバルブ開度A2(図4のステップS4−8)が、圧力制御バルブ制御部15に出力される。一方、ステップS6−2において、現在実行中の第2のエッチングステップが2回目以降の第2のエッチングステップ(図8において時刻t5〜t6)であれば、直前の第2のエッチングステップで更新された記憶領域16bのバルブ開度A2(図6のステップS6−8)が圧力制御バルブ制御部15に出力される。
ステップS6−3において、主制御部14は、第1の流量調整部8Aからチャンバ2に供給されるエッチングステップ用のガスAを所定の流量(流量FA2)に設定し、第2の流量調整部8Bからチャンバ2に供給されるデポステップ用のガスBの流量を0に設定する。
開度制御モードMv、すなわち圧力制御バルブ12の開度が開度A2で固定された状態は、エッチングステップの初期段階、すなわち時刻t3,t5から所定時間が経過するまで(図8の時刻t3’,t5’まで)継続する(ステップS6−4)。
ステップS6−4で所定時間が経過すると、主制御部14は圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを圧力制御モードMpに設定する(ステップS6−5)。また、主制御部14は、この圧力制御モードにおけるチャンバ2内の圧力の目標値を圧力Vaに設定する(ステップS6−6)。圧力制御バルブ制御部15は、設定された圧力Vaにチャンバ2内の圧力を保つように、圧力計13で検出された圧力を参照しつつ圧力制御バルブ12の開度を制御する。圧力制御モードMpは、所定時間が経過して第2のエッチングステップの終了となるまで(図8の時刻t4,t6まで)継続する(ステップS6−7)。これにより圧力制御バルブ12のバルブ開度は、ガスAが流量FA2で供給されるチャンバ2内の圧力を圧力Vaで維持するのに最適な開度で安定する。
第2のエッチングステップが終了すると、その時点での圧力制御バルブ12のバルブ開度が、バルブ開度A2として記憶部16bに記憶される。つまり、現在の圧力制御バルブ12のバルブ開度でバルブ開度A2が更新される。
第2のデポステップの詳細は、図7に示す通りである。まず、主制御14は、圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを開度制御モードMvに設定する(ステップS7−1)。また、主制御部14は、この開度制御モードMvにおけるバルブ開度を、記憶部14bの記憶領域16dに記憶された初期値であるバルブ開度B2に設定する(ステップS7−2)。圧力制御バルブ制御部15は、圧力制御バルブ12の開度を設定されたバルブ開度B2(目標値)に維持ないし固定する。
ステップS7−2において、現在実行中の第2のデポステップが1回目の第2のデポステップ(図8において時刻t4〜t5)であれば、第1のデポステップの終了時に記憶領域16dに記憶されたバルブ開度B2(図5のステップS5−8)が、圧力制御バルブ制御部15に出力される。一方、ステップS7−2において、現在実行中の第2のエッチングステップが2回目以降の第2のエッチングステップ(図8において時刻t6〜t7)であれば、直前の第2のエッチングステップで更新された記憶領域16dのバルブ開度B2(図7のステップS7−8)が圧力制御バルブ制御部15に出力される。
ステップS7−3において、主制御部14は、第2の流量調整部8Bからチャンバ2に供給されるデポステップ用のガスBを所定の流量(流量FB2)に設定し、第1の流量調整部8Aからチャンバ2に供給されるエッチングステップ用のガスAの流量を0に設定する。
開度制御モードMv、すなわち圧力制御バルブ12の開度が開度B2で固定された状態は、エッチングステップの初期段階、すなわち時刻t4,t6から所定時間が経過するまで(図8の時刻t4’,t6’まで)継続する(ステップS7−4)。
ステップS7−4で所定時間が経過すると、主制御部14は圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを圧力制御モードMpに設定する(ステップS7−5)。また、主制御部14は、この圧力制御モードにおけるチャンバ2内の圧力の目標値を圧力Vbに設定する(ステップS7−6)。圧力制御バルブ制御部15は、設定された圧力Vbにチャンバ2内の圧力を保つように、圧力計13で検出された圧力を参照しつつ圧力制御バルブ12の開度を制御する。圧力制御モードMpは、所定時間が経過して第2のデポステップの終了となるまで(図8の時刻t5,t7まで)継続する(ステップS7−7)。これにより圧力制御バルブ12のバルブ開度は、ガスBが流量FB2で供給されるチャンバ2内の圧力を圧力Vbで維持するのに最適な開度で安定する。
第2のデポステップが終了すると、その時点での圧力制御バルブ12のバルブ開度が、バルブ開度B2として記憶部16dに記憶される。つまり、現在の圧力制御バルブ12のバルブ開度でバルブ開度B2が更新される。
エッチングステップ及びデポステップの時間、並びに開度制御モード及び圧力制御モードは特に限定されない。通常、エッチングステップ及びデポステップの継続時間はそれぞれ2秒以上5秒以下程度である。この場合には開度制御モードの継続時間は少なくとも0.3秒以上程度必要であり、好ましくは0.3秒以上1.0秒以下に設定される。エッチングステップやデポステップの継続時間から開度制御モードの継続時間を引いた残りの時間が圧力制御モードの継続時間となる。
本実施形態では、第2のエッチングステップについて、第1のデポステップからの切換時には予め定められた時間だけ(図8において時刻t3〜t3’)、圧力制御バルブ12の開度を第1のエッチングステップの終了時の開度A2で維持する。また、第2のエッチングステップについて、第2のデポステップからの切換時には、予め定められた時間だけ(図8において時刻t5〜t5’)、圧力制御バルブ12の開度を直前の第2のエッチングステップの終了時の開度A2で維持する。同様に、第2のデポステップについて、第2のエッチングステップからの切換時には予め定められた時間だけ(図8において時刻t4〜t4’,時刻t6〜t6’)、圧力制御バルブ12の開度を第1のデポステップ終了時又は第2のエッチングステップの終了時の開度B2で維持する。つまり、第2のエッチングステップ及び第2のデポステップにおいて予め定められた時間だけ圧力制御バルブ12の開度を直前のステップにおける開度で維持している。その結果、エッチングステップからデポステップへ、又はその逆のステップ切換時にもチャンバ2内の圧力がオーバーシュートすることなく短時間で安定する。つまり、予め定められた時間だけバルブの開度を固定する開度制御モードMvとすることで、ステップ切換時の一時的ないしは過渡的なチャンバ2内の圧力の変動が抑制される。その後、予め定められた圧力を維持するように圧力制御バルブ12の開度を制御する圧力制御モードMpとなるが、一定時間だけ開度制御モードMvとすることで圧力を安定化させた後であるので、微調整程度の圧力制御バルブ12の制御でチャンバ2内の圧力を維持できる。このように、ステップ切換時に予め定めた時間だけ圧力制御バルブ12の開度を維持(固定)することで、チャンバ2内の圧力を安定させることができる。その結果、一定時間内のエッチングステップとデポステップの繰り返し回数が増加してエッチングレートが向上する。また、ステップ切換時のチャンバ2内の圧力が安定することでステップ切換時におけるプラズマの挙動が安定するので、処理品質が向上する。
エッチングステップ及びデポステップを繰り返し実行すると、デポの付着等によりチャンバ2内部の状態が変化する。このチャンバ2内部の状態変化に伴いチャンバ2内を所望の圧力にするための最適な圧力制御バルブ12の開度も徐々に変化する。従って、開度制御モードにおける開度の目標値を固定すると、エッチングステップ及びデポステップを繰り返すうちに目標値と最適な開度とのずれが増大するのでステップ切換時にチャンバ内の圧力が安定するまでの時間が長くなる。これに対し、本実施形態では、第2のエッチングステップ(第2のデポステップ)の圧力制御モードにおける圧力制御バルブのバルブ開度A2(B2)を記憶し、直後の第2のエッチングステップ(第2のデポステップ)の開度制御モードにおける目標値として使用すること、すなわち開度制御モードにおける目標値の更新を行うことで、開度制御モードにおける開度の目標値と最適な開度とのずれのエッチングステップ及びデポステップを繰り返しに伴う増大を抑制している。その結果、ステップ切換時にチャンバ2内の圧力が安定するまでの時間の増加を抑制できる。
(第2実施形態)
図9に示す本発明の第2実施形態のドライエッチング装置1は、第1のエッチングステップと第2のエッチングステップのいずれについても開度制御モードMvを実行せず、圧力制御モードMpのみを実行する。言い換えれば、第1実施形態では予めバルブ開度A1,A2を、実験等で求めた上で記憶部14bに記憶させておく事前の準備が必要であったが、本実施形態ではそのような事前の準備を必要としない点で第1実施形態よりも優れている。そのため、主制御部14の記憶部14bはバルブ開度A1,B1を記憶するための記憶領域16a,16c(図2参照)を備えていない。なお、ドライエッチング装置1の他の構成は図1に示す第1実施形態の場合と同じである。
図10から図12のフローチャートと図13のタイムチャートをさらに参照して、本実施形態のドライエッチング装置1により実行される深掘エッチング処理を説明する。
まず、図10のステップS10−1〜S10−9に示す深掘エッチン処理の開始から終了までの概要は、図3のステップS3−1〜S3−9に示す第1実施形態の場合と同様であるが、第1のエッチングステップ(S10−3)と第1のデポステップ(S10−4)は第1実施形態と異なる。
図11は、本実施形態における第1のエッチングステップの詳細を示す。まず、主制御14は、圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを圧力制御モードMpに設定する(ステップS11−1)。また、主制御部14は、この圧力制御モードMpにおけるチャンバ2内の圧力の目標値をVaに設定する(ステップS11−2)。圧力制御バルブ制御部15は、設定された圧力Vaにチャンバ2内の圧力を保つように、圧力計13で検出された圧力を参照しつつ圧力制御バルブ12の開度を制御する。また、主制御部14は、第1の流量調整部8Aからチャンバ2に供給されるエッチングステップ用のガスAを所定の流量(流量FA1)に設定し、第2の流量調整部8Bからチャンバ2に供給されるデポステップ用のガスBの流量を0に設定する(ステップS11−3)。圧力制御モードMpは、第1のエッチングステップ開始から所定時間が経過するまで(図13の時刻t1〜t2)継続する(ステップS11−4)。圧力制御バルブ12のバルブ開度は、第1のエッチングステップの初期段階では不安定であるが、第1のエッチングステップの終了に近い段階ではガスAが流量FA1で供給されるチャンバ2内の圧力を圧力Vaで維持するのに最適な開度となって安定する。第1のエッチングステップが終了すると、その時点での圧力制御バルブ12のバルブ開度が、バルブ開度A2として記憶部14bの記憶部16bに記憶される。つまり、現在の圧力制御バルブ12のバルブ開度でバルブ開度A2が更新される(ステップS11−5)。
図12は、本実施形態における第1のデポステップの詳細を示す。まず、主制御14は、圧力制御バルブ制御部15による圧力制御バルブ12の制御モードを圧力制御モードMpに設定する(ステップS12−1)。また、主制御部14は、この圧力制御モードMpにおけるチャンバ2内の圧力の目標値をVbに設定する(ステップS12−2)。圧力制御バルブ制御部15は、設定された圧力Vbにチャンバ2内の圧力を保つように、圧力計13で検出された圧力を参照しつつ圧力制御バルブ12の開度を制御する。また、主制御部14は、第2の流量調整部8Bからチャンバ2に供給されるデポステップ用のガスBを所定の流量(流量FB1)に設定し、第1の流量調整部8Aからチャンバ2に供給されるエッチングステップ用のガスAの流量を0に設定する(ステップS12−3)。圧力制御モードMpは、第1のデポステップ開始から所定時間が経過するまで(図13の時刻t2〜t3)継続する(ステップS12−4)。圧力制御バルブ12のバルブ開度は、第1のデポステップ初期段階では不安定であるが、第1のデポステップの終了に近い段階ではガスBが流量FB1で供給されるチャンバ2内の圧力を圧力Vbで維持するのに最適な開度となって安定する。第1のデポステップが終了すると、その時点での圧力制御バルブ12のバルブ開度が、バルブ開度B2として記憶部14bの記憶部16dに記憶される。つまり、現在の圧力制御バルブ12のバルブ開度でバルブ開度B2が更新される(ステップS12−5)。
第1のエッチングステップ及び第1のデポステップの実行後に交互に繰り返される第2のエッチングステップと第2のデポステップ(図10のステップ10−5,S10−6,図13の時刻t3〜t4)は、第1実施形態と同様である(図6〜図8参照)。
第2実施形態のその他の構成及び作用も第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形可能である。
例えば、1回目の深掘エッチング処理における第1のエッチングステップと第1のデポステップのいずれについても開度制御モードMvを実行せず、圧力制御モードMpのみを実行する一方、2回目以降の深掘エッチング処理における第1のエッチングステップと第1のデポステップのいずれについても、まず開度制御モードMvでの圧力制御バルブ12の制御を実行し、その後で圧力制御モードMpでの圧力制御バルブ12の制御を実行してもよい。
図4のステップS4−8、図5のステップS5−8、図6のステップS6−8、図7のステップS7−8、図11のステップS11−5、図12のステップS12−5、図16のステップS16−5、及び図17のステップS17−5における、記憶部14bの記憶領域16a〜16dに記憶されたるバルブ開度A1〜B2の更新は、必ずしもエッチングステップやデポステップが終了した時点での圧力制御バルブ12の開度を使用する必要はない。つまり。エッチングステップやデポステップにおいて圧力制御モードMpに移行した後であってチャンバ2内の圧力が安定した時点での圧力制御バルブ12の開度でバルブ開度A1〜B2の更新を行っても良い。要するに、エッチングステップ(デポステップ)の圧力制御モードでの圧力制御バルブ12の開度を記憶しておき、次回以降のいずれのエッチングステップ(デポステップ)で開度制御モードで使用される目標値としてもよい。より具体的には、記憶しておいた圧力制御モードでの開度を、第1実施形態の第2のエッチングステップ(第2のデポステップ)のように直後の第2のエッチングステップ(第2のデポステップ)の開度制御モードの目標値として使用してもよく、何回目か後のエッチングステップ(デポステップ)の開度制御モードの目標値としてもよく、次にの深掘処理1回目のエッチングステップ(デポステップ)の開度制御モードの目標値としてもよい。
1 ドライエッチング装置
2 チャンバ
2a ガス導入口
2b 排気口
3 アンテナ
4A,4B 整合回路
5A 第1の高周波電源部
5B 第2の高周波電源部
6 ステージ
7A,7B ガス源
8A 第1の流量調整部
8B 第2の流量調整部
9 排気路
11 真空排気部
12 圧力制御バルブ
13 圧力計
14 主制御部
14a 深堀エッチング処理部
14b 記憶部
15 圧力制御バルブ制御部
16a,16b,16c,16d 開度記憶領域
21 基板

Claims (2)

  1. 被処理材が収容されたチャンバ内でプラズマを発生させ、前記被処理材をエッチングするエッチングステップと、前記被処理材に対して堆積により保護膜を形成するデポステップとを交互に複数回繰り返すプラズマ処理方法であって、
    前記チャンバ内を排気する真空排気部と前記チャンバとの間に前記チャンバ内の圧力を制御するためのバルブを設け、
    前記エッチングステップのうちの少なくともいずれか1つは、予め定められた時間だけ前記バルブの開度を目標値で維持する開度制御モードと、この開度制御モードに続いて前記チャンバ内の圧力を目標値で維持するように前記バルブの開度を制御する圧力制御モードと含み、
    前記デポステップのうちの少なくともいずれか1つは、予め定められた時間だけ前記バルブの開度を目標値で維持する開度制御モードと、この開度制御モードに続いて前記チャンバ内の圧力を目標値で維持するように前記バルブの開度を制御する圧力制御モードとみ、
    前記エッチングステップ及び前記デポステップの前記開度制御モードにおける前記目標値は一定値であり、
    前記エッチングステップの前記圧力制御モードにおける前記バルブの開度を記憶し、次回以降の前記エッチングステップの前記開度制御モードの前記目標値として使用し、
    前記デポステップの前記圧力制御モードにおける前記バルブの開度を記憶し、次回以降の前記デポステップの前記開度制御モードの前記目標値として使用する、プラズマ処理方法。
  2. 被処理材が収容されるチャンバと、
    前記チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生源と、
    前記チャンバ内にガスを供給するガス供給部と、
    前記チャンバ内を排気する真空排気部と前記チャンバとの間に設けられた前記チャンバ内の圧力を制御するためのバルブと、
    前記被処理材をエッチングするエッチングステップと、前記被処理材に対して堆積により保護膜を形成するデポステップとを交互に複数回繰り返すように、少なくとも前記プラズマ発生源、前記ガス供給部、及び前記バルブを制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記エッチングステップのうちの少なくともいずれか1つでは、予め定められた時間だけ前記バルブの開度を目標値で維持する開度制御モードと、この開度制御モードに続いて前記チャンバ内の圧力を目標値で維持するように前記バルブの開度を制御する圧力制御モードとを実行し、
    前記デポステップのうちの少なくともいずれか1つでは、予め定められた時間だけ前記バルブの開度を目標値で維持する開度制御モードと、この開度制御モードに続いて前記チャンバ内の圧力を目標値で維持するように前記バルブの開度を制御する圧力制御モードとを実行し、
    前記エッチングステップ及び前記デポステップの前記開度制御モードにおける前記目標値は一定値であり、
    前記制御部は記憶部を備え、
    前記制御部は、
    前記エッチングステップの前記圧力制御モードにおける前記バルブの開度を前記記憶部に記憶し、この記憶部に記憶された前記バルブの開度を次回以降の前記エッチングステップの前記開度制御モードの前記目標値として使用し、
    前記デポステップの前記圧力制御モードにおける前記バルブの開度を前記記憶部に記憶し、この記憶部に記憶された前記バルブの開度を次回以降の前記デポステップの前記開度制御モードの前記目標値として使用する、プラズマ処理装置。
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