JP2009218262A - プラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセスチャンバ内雰囲気の濃度を瞬時に変更可能として、液晶デバイスや半導体デバイスの生産に必要なプラズマ反応処理プロセスを高い生産性で低コストに実現できること。
【解決手段】各成分ガスの温度分布式流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値は、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値とされ、かつ排出管路の圧力制御器は、変更開始から所定の微少時間に限り、圧力設定モードから弁開度設定モードに切り替えられると共に、変更直後の圧力変動を緩和すべく経験的に求められた弁開度設定値が与えられる。
【選択図】図1

Description

この発明は、液晶デバイスや半導体デバイスの製造等に好適なプラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法に関する。
この種のプラズマ反応炉処理システムは、プラズマ発生器(例えば、平行平板型電極方式、マイクロ波アンテナ方式等々)を内蔵するプロセスチャンバと、1種又は2種以上の不活性ガス源(例えば、Ar,Kr,Xe等々)のそれぞれとプロセスチャンバとを結ぶ不活性ガスの供給管路と、1種又は2種以上のプロセスガス源(例えば、H2,O2,NF3,Cl2,SiCl4,HBr,SF6,C58,CF4等々)のそれぞれとプロセスチャンバとを結ぶプロセスガスの供給管路と、プロセスチャンバと排気ポンプとを結ぶチャンバ内ガスの排出管路とを有している。
各不活性ガス及び各プロセスガスの供給管路のそれぞれには、その管路を流れるガスの流量を設定された値に調整可能な流量調整器が介在されると共に、チャンバ内ガスの排出管路には、与えられた圧力設定値と圧力計測部を介して計測された圧力計測値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する機能を有する圧力制御器とが介在されている。
ところで、この種のプラズマ反応炉処理システムにおいては、プロセスの開始時、プロセスの途中、プロセスの終了時においては、プロセスチャンバ内雰囲気の濃度変更が必要とされる。例えば、プロセスの開始時においては、不活性ガス(希釈ガス)の単独雰囲気から不活性ガスと1種又は2種以上のプロセスガスとの混合雰囲気への濃度変更が必要とされる。また、プロセスの途中においては、不活性ガスとプロセスガスとのある濃度の混合雰囲気から別の濃度の混合雰囲気又はガス種の異なる混合雰囲気への濃度変更が必要とされる場合がある。さらに、プロセスの終了時にあっては、不活性ガスとプロセスガスとの混合雰囲気から不活性ガスの単独雰囲気への濃度変更が必要とされる。
一般に、この濃度変更は、各成分ガスの供給管路のそれぞれに介在された流量調整器に対して新たな流量設定値を与えることにより実現される。従来、このような目的に使用される流量調整器としては、ガス供給開始直後にも安定的にガス流量を制御可能な圧力制御式のものが採用されていた(特許文献1参照)。ここで、圧力制御型流量調整器とは、与えられた流量設定値と圧力計測部を介して計測された流体圧力に対応する流量検出値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する機能を有する流量調整器であり、ガス供給開始直後から流量設定値通りの流量が得られる。
しかし、流量調整器として圧力制御型流量調整器を採用したとしても、各成分ガスの流量調整器に対して新たな流量設定値を与えて流量を変化させると、プロセスチャンバ内ガスの排出管路に圧力制御器が介在されていたとしても、プロセスチャンバ内には比較的に大きな圧力変動が生ずると言う問題点があった。
斯かる問題点は、プロセスチャンバ内ガスの排出管路に介在された開度可変型流体制御弁又は排気速度可変型排気ポンプにより、圧力制御型流量調整器による流量変更と連動して、排気量を瞬時に変更(増大)することで解決された(特許文献2参照)。
特開2000−200780号公報 特開2002−203795号公報
しかし、特許文献2に記載されたプラズマ反応炉処理システムを用いた電子装置の製造方法にあっても、流れ易さや排気され易さは各ガス種毎に異なるから、流量調整器による流量変更と連動して、排気量を瞬時に変更したとしても、流量調整器による流量変更に起因するプロセスチャンバ内の圧力変動を完全に吸収することはできないという問題点があった。
加えて、圧力制御型流量調整器は、他の流量調整器に比べて、一般に高価であり、この種のプラズマ反応処理システムを実現する上でコストの面でも問題があった。
一方、上記の目的に用いられる流量調整器としては他に、温度分布式流量調整器がある。ここで、温度分布式流量調整器とは、与えられた流量設定値と温度差計測部を介して計測された温度差に対応する流量検出値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する機能を有する流量調整器をいう。
この温度分布式流量調整器は、ガス供給開始直後に未制御ガスを生じやすく、それによりガスの過剰流入を招くという問題点を有しているものの、圧力制御型流量調整器に比して安価であり、この種のプラズマ反応処理システムのコスト低下を図る上では非常に好ましいものであった。
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、プロセスガスの流量調整器として、システムの低コスト化を図る上で有利な温度分布式流量調整器を採用しつつ、プロセスの開始時、プロセスの途中、プロセスの終了時等々において、プロセスチャンバ内雰囲気の濃度を瞬時に変更可能として、液晶デバイスや半導体デバイスの生産に必要なプラズマ反応処理プロセスを高い生産性で低コストに実現できるようにしたプラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法を提供することにある。
この発明の他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記載を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上記の発明が解決しようとする課題は、つぎのような構成よりなるプラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法により解決することができる。
すなわち、この運転制御方法が適用されるプラズマ反応炉処理システムは、プラズマ発生器を内蔵するプロセスチャンバと、1種又は2種以上の不活性ガス源のそれぞれとプロセスチャンバとを結ぶ不活性ガスの供給管路と、1種又は2種以上のプロセスガス源のそれぞれとプロセスチャンバとを結ぶプロセスガスの供給管路と、プロセスチャンバと排気ポンプとを結ぶチャンバ内ガスの排出管路とを有する。
また、不活性ガスの供給管路及びプロセスガスの供給管路のそれぞれに、与えられた流量設定値と温度計測部を介して計測された流体温度に対応する流量検出値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する機能を有する温度分布式流量調整器と供給管路を開閉する電磁弁が介在されており、また、チャンバ内ガスの排出管路には、与えられた圧力設定値と圧力計測値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する第1の動作モードと、開度設定値と開度現在値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する第2の動作モードと、を有する圧力制御器とが介在されている。
本発明は、このようなプラズマ反応炉処理システムにおいて、濃度変更する不活性ガスおよびプロセスガスに対応した供給管路に介在された流量調整器に対して流量設定値として略ゼロを与える第1のステップと、前記濃度変更する不活性ガスおよびプロセスガスに対応した供給管路に介在された電磁弁を開状態とする第2のステップと、前記濃度変更する不活性ガスおよびプロセスガスに対応した供給管路に介在された流量調整器に対して新たな流量設定値を与える第3のステップを有する。
このような構成によれば、流量調整器によって流量設定値が一度ゼロに変更された状態で、電磁バルブが開状態とされるため、その後新たに流量設定値が与えられた場合でも、直ちに流量調整ができ、これにより、未制御ガス容量を最小限にすることができる。
また、前記第3のステップにおいて、流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値のそれぞれは、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値とされており、加えて、チャンバ内ガスの排出管路には、与えられた圧力設定値と圧力計測部を介して計測された圧力計測計測値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する第1の動作モードとを有する圧力制御器が介在される。
このような構成によれば、プロセスガスの濃度変更に際して、各成分ガスの供給管路に介在された流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値は、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値とされるから、各成分ガスの供給管路に介在された流量調整器により流量変更を行ったとしても、流量変更分は互いに相殺されて、プロセスチャンバ内に圧力変動は生じないか、圧力変動が生ずるとしてもそれは僅かの値に留まることとなる。そのため、その程度の圧力変動であれば、チャンバ内ガスの排出管路に介在された圧力制御器が作用して、チャンバ内圧力の変動は直ちに整定される。
好ましい実施の形態においては、前記第3のステップにおいて、流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値のそれぞれには、変更開始から所定の微少時間に限り、変更後に減少する成分ガスについては減少方向の超過分が、変更後に増加する成分ガスについては増加方向の超過分が、それぞれ加算されており、かつ減少方向の超過分総量と増加方向の超過分総量とは等しくなるように設定されている。
このような構成によれば、変更開始から所定の微少時間に限り、各流量調整器による流量値は、目的とする増加目標値を超過して増加、又は目的とする減少目標値を超過して減少するから、プロセスチャンバの容量が比較的に大きい場合にも、プロセスチャンバ内雰囲気の濃度は濃度変更開始から速やかに目標濃度に到達して、その後、整定されることとなる。しかも、流量が超過する期間にあっても、減少方向の超過分総量と増加方向の超過分総量とは等しくなるように設定されているため、それらの超過総領同士は互いに相殺されて、圧力変動に寄与することはない。
本発明のさらに好ましい形態においては、排出管路に介在された圧力制御器は、変更開始から所定の微少時間に限り、第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替え、かつ変更直後の圧力変動を緩和すべく経験的に求められた弁開度設定値を与える第4のステップをさらに有する。
このような構成によれば、各成分ガスの供給管路に介在された流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値は、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値であっても、ガス種毎に流れ易さの相違や排気のされ易さの相違により、プロセスチャンバ内に圧力変動が生ずる場合には、排出管路に介在された圧力制御器は、変更開始から所定の微少時間に限り、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えられると共に、変更直後の圧力変動を緩和すべく経験的に求められた弁開度設定値が与えられるため、そのようなガス種に起因する圧力変動については、弁開度が瞬時に追従することで、忽ちにして緩和される。
本発明に係る製造装置の特徴であるプロセスガスの濃度変更が、プロセス開始時、プロセス途中、又はプロセス終了時のいずれの場合にも適用可能であることは言うまでもない。
このような発明にあっては、他の流量調整器に対して比較的安価な温度分布式流量制御器を用いてプラズマ反応処理システムを実現することができるため、システム実現の為のコストの低下に大いに寄与する。
また、反応炉内に導入されたプロセスガスを直ちにプラズマ化してプラズマ反応処理に寄与させることができるから、プロセスガスの利用効率が向上して、その分製造コストが低下する。加えて、反応処理開始前の待ち時間も大幅に減少させることが可能であるから、工程のTAT(Turn-Around Time)の短縮化により生産性も向上する。
また、プラズマ反応処理の完了と共に、直ちにプロセスガスの供給を停止し、その後、速やかにプラズマ発生器に対するプラズマ発生停止指令を与えることができるから、プラズマ反応に寄与しないプロセスガスが無駄に使用されることを防止して、プロセスガスの利用効率の向上を通じて製造コストの低下を図ることができる。
また、反応処理終了後の待ち時間も大幅に減少させることが可能であるから、工程のTAT(Turn-Around Time)の短縮化により生産性も向上する。
また、供給されたプロセスガスは直ちにプラズマ反応処理に寄与することに加え、プラズマ反応処理開始に際して、電力が無駄に消費されることがなく、これにより生産性の向上とプロセスガスの節減に加えて、電力エネルギーの節減を通じて、低コスト化を極限まで追求することができる。
さらに、電力が絶たれてプラズマ反応処理が終了すると共に、プロセスガスの供給も停止されるため、プロセスガスが無駄に消費されることがなく、これにより生産性の向上とプロセスガスの節減に加えて、電力エネルギーの節減を通じて、低コスト化を極限まで追求することができる。
本発明によれば、プロセスガスの濃度変更に際して、各成分ガスの供給管路に介在された流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値は、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値とされるから、各成分ガスの供給管路に介在された流量調整器により流量変更を行ったとしても、流量変更分は互いに相殺されて、プロセスチャンバ内に圧力変動は生じないか、圧力変動が生ずるとしてもそれは僅かの値に留まることとなる。そのため、その程度の圧力変動であれば、チャンバ内ガスの排出管路に介在された圧力制御器が作用して、チャンバ内圧力の変動は直ちに整定される。
また、各成分ガスの供給管路に介在された流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値は、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値であっても、ガス種毎の流れ易さの相違や排気のされ易さの相違により、プロセスチャンバ内に圧力変動が生ずる場合がある。その場合であっても、排出管路に介在された圧力制御器を、変更開始から所定の微少時間に限り、第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えると共に、変更直後の圧力変動を緩和すべく経験的に求められた弁開度設定値を与えれば、そのようなガス種に起因する圧力変動については、弁開度が瞬時に追従することで、忽ちにして緩和される。
以下に、本発明に係るプラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法の好適な実施の一形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
プラズマ反応炉システムの全体構成図が図1に示されている。同図に示されるように、このプラズマ反応炉処理システム100は、プラズマ発生器1aを内蔵するプロセスチャンバ1と、1種又は2種以上の不活性ガス源(この例では、Ar,Kr,Xe)のそれぞれとプロセスチャンバ1とを結ぶ不活性ガスの供給管路と、1種又は2種以上のプロセスガス源(この例では、H2,O2,NF3,Cl2,SiCl4,HBr,SF6,C58,CF4)のそれぞれとプロセスチャンバ1とを結ぶプロセスガスの供給管路と、プロセスチャンバ1と排気ポンプ(Pump)5とを結ぶチャンバ内ガスの排出管路とを有する。
不活性ガスの供給管路及びプロセスガスの供給管路のそれぞれには、マス・フロー・コントローラ(以下、MFCと言う)が介在されている。
このMFCは、測定部の抵抗体間の温度差と対象となる流体の流量とが一定の関係にあるという原理を利用したもので、質量流体の計測に用いられる電子式質量流量計として知られている。このような機能を有するMFCとしては、様々なメーカから種々の製品が市販されており、一例としては、図1おけるMFC11には株式会社堀場エステック製の型式SEC−Z512MO−SUC−Ar−1SLM−24W2、MFC9には型式SEC−Z512MO−SUC−Ar−300sccm−24W2、MFC3には型式SEC−Z512MO−SUC−HBr−300sccm−24W2、MFC6には型式SEC−Z512MO−SUC−O2−100sccm−24W2等を採用し得る。
より具体的に説明すれば、Arガスの供給管路は、上段シャワープレートへの導入用ポート2へと向かう第1の供給管路と、下段シャワープレートへの導入用ポート3へと向かう第2の供給管路とに分岐されている。そして、第1の供給管路には、手動弁MV11、MFC11、ストップ弁として機能する電磁弁SV11が介在され、第2の供給管路には、手動弁MV9、MFC9、電磁弁SV9か介在されている。したがって、MFC11、及び/又は、MFC9の流量設定値を操作することで、Arガスの流量を制御可能とされている。
Krガス及びXeガスの供給経路についても同様である。したがって、MFC10、及び/又は、MFC8の流量設定値を操作することで、Krガス又はXeガスの流量を制御可能とされている。
2ガスの供給管路は、そのまま、下段シャワープレートへのガス導入用ポート3へと繋がれており、この管路には、手動弁MV7、MFC7、電磁弁SV7が介在されている。したがって、MFC7の流量設定値を操作することで、H2ガスの流量を制御可能とされている。
HBrガス、SF6ガス、C58ガスの供給管路についても同様である。したがつて、MFC2又はMFC3の流量設定値を操作することで、HBrガス、SF6ガス、C58ガスの流量を制御可能とされている。
2ガスの供給管路は、手動弁MV6、MFC6、電磁弁SV6を経由したのち、上段シャワープレートへの導入用ポート2へと向かう第1の供給管路と、下段シャワープレートへの導入用ポート3へと向かう第2の供給管路とに分岐されている。そして、第1の供給管路には手動弁MV62が介在され、第2の供給管路には手動弁MV61が介在されている。したがって、MFC6の流量設定値を操作することで、O2ガスの流量を制御可能とされている。
NF3ガス、Cl2ガス、SiCl4ガスの供給管路についても同様である。したがって、MFC5又はMFC4の流量設定値を操作することで、NF3ガス、Cl2ガス、SiCl4ガスの流量を制御可能とされている。
MFCの概略構成図が図2(a)に示されている。同図に示されるように、MFCは制御部51と、制御弁52と、流量計測部53とを有する。制御部51内には、図示を省略するが、増幅回路と流量演算回路と、比較回路と、弁駆動回路とが含まれている。当業者によく知られるように、流量計測部53においては、抵抗温度係数の大きい抵抗体間の温度差が、ブリッジ回路等を介して検出されたのち、増幅回路にて増幅され、対応する流量検出信号に変換される。この流量検出信号は比較回路にて流量設定信号と比較され、それらの偏差信号が求められる。弁駆動回路は、その偏差信号の値が減少する方向へと制御弁52の開度を制御する。
一方、チャンバ内ガスの排出管路には、与えられた圧力設定値と圧力計測部を介して計測された圧力計測値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する機能を有する圧力制御器として機能するオート・プレッシャ・コントローラ(以下、APCと言う)4が介在されている。
APC4の概略構成図が図2(b)に示されている。同図に示されるように、APCは制御部41と制御弁42とを内蔵する。制御部41は、与えられた圧力設定値とプロセスチャンバに取り付けられた圧力計測部43を介して計測された圧力計測値との偏差が減少する方向へと制御弁42の開度を自動的に変更する第1の動作モード(圧力設定モード)と、与えられた開度設定値と開度現在値との偏差が減少する方向へと制御弁42の開度を自動的に変更する第2の動作モード(開度設定モード)とを有する。このような機能を有するAPCとしては、様々なメーカから種々の製品が市販されており、一例としては、VAT SKK VACUUM LTD社製の型式コントローラ PM−3,コントローラバルブF61−87665−18等を挙げることができる。
プラズマ発生器の構成例が図3に示されている。プラズマ発生器1aとしては、平行平板型電極方式のものと、マイクロ波アンテナ方式のものとが挙げられる。
平行平板型電極方式のプラズマ発生器は、図3(a)に示されるように、平行平板型電極(プラズマ励起電極112と電極113とで構成される)と、それに高周波電力を供給するためのRF電源7、8(図1参照)と、プロセス用ガス等を供給するシャワープレート115と、それらを収容するチャンバ111とにより構成される。そして、供給されたプロセス用ガスに平行平板電極により高周波を印可することで、プロセス用ガスは励起されてプラズマ状態となる。一方、マイクロ波アンテナ方式のプラズマ発生器は、図3(b)に示されるように、高周波電力を利用する代わりに、マイクロ波駆動回路117で駆動されるマイクロ波アンテナ116からマイクロ波をチャンバ111内に放射して、プロセス用ガスを励起するものである。いずれのプラズマ発生器においても、プラズマ電源(RF電源7,8やマイクロ波電源6等々)をオンオフすることにより、プラズマの発生又は停止を制御することができる。
図1に戻って、プラズマ反応炉処理システムに含まれるMFC1〜11、電磁弁SV1〜SV11、APC4、マイクロ波電源6、RF電源7,8の制御は、この例にあっては、プログラマブル・コントローラ(以下、PLCと言う)9を使用して行われる。PLC9は、通信11を介して、操作・表示部として機能するプログラマブル・ターミナル(以下、PTと言う)10と繋がれている。
すなわち、PLC9とMFC1〜MFC11との間は、DA/ADユニットを含むPLCインタフェース9aを介して接続される。PLC9と電磁弁SV1〜SV11との間は、DOユニットを含むPLCインタフェース9bを介して接続される。PLC9とマイクロ波電源6との間は、DA/ADユニットやDO/DIユニットを含むPLCインタフェース9cを介して接続される。PLC9とAPC4との間は、RS232Cを含むPLCインタフェース9dを介して接続される。さらに、PLC9とRF電源7,8との間は、DA/ADユニットやDO/DIユニットを含むPLCインタフェース9eを介して接続される。そして、PLC9は、後述する図11のフローチャートに示される処理を、ユーザプログラムを介して実行することにより、本発明の製造方法を実現する。
次に、本発明に係るプラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法の要部である濃度変更制御について説明する。本発明方法の特徴とするところは、プロセスガスの濃度変更に際して、各成分ガスの供給管路に介在されたMFC(温度分布式流量調整器)に対して与えられる新たな流量設定値として、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値を採用することにある。
本発明の濃度変更制御の説明図が図4に示されている。今仮に、濃度変更前のプロセスガス濃度をA1(例えば、0%)、プロセスガス供給量をF11(例えば、0sccm)、不活性ガス供給量をF21(例えば、420sccm)とし、濃度変更後のプロセスガス濃度をA2(例えば、24%)、プロセスガス供給量をF13(例えば、100sccm)、不活性ガス供給量をF23(例えば、320sccm)とすると、本発明の濃度変更制御にあっては、各成分ガスの供給管路に介在されたMFC(温度分布式流量調整器)に対して与えられる新たな流量設定値(F13,F23)として、濃度変更の前後で総流量値が同一(F11+F21=F13+F23=K)となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度(A2)から逆算することにより求められた値(F13=A2×K,F23=(1−A2)×K)を採用する。
このようにして求められた流量設定値(F13,F23)を各MFCに与えれば、濃度変更の前後において、チャンバ内総流量は原理的に増加しないから、濃度変更に際してプロセスチャンバ内の圧力が大きく変動(増加)することはなくなり、チャンバ内圧力は瞬時に整定する筈である。
もっとも、このような方法を一律に採用すると、濃度変更前後における各ガスの流量変動幅が制限されることから、ガス種による流れ難さやプロセスチャンバの容量が大きい場合などにあっては、目的とするプロセスガス濃度に達するまでに時間が掛かり、結局、プロセス開始に遅れを生ずる。
そこで、この例にあっては、個々の成分ガスの新たな流量設定値には、変更開始から所定の微少時間(Δt)に限り、変更後に減少する成分ガスについては減少方向の超過分(−ΔF)を、変更後に増加する成分ガスについては増加方向の超過分(+ΔF)を、それぞれ加算すると共に、減少方向の超過分総量と増加方向の超過分総量とは等しくなるように設定している。
なお、減少方向の超過分総量と増加方向の超過分総量とが等しくなるという条件を満たせば、超過分は複数パルスで実現してもよい。複数パルスの一例として、超過分が2パルスである場合の説明図が図5に示されている。同図において、個々の成分ガスの新たな流量設定値は、先ず,変更開始から所定の微小時間(Δt1)内においては、変更後に減少する成分ガスについては減少方向の超過分(−ΔF1)を、変更後に増加する成分ガスについては増加方向の超過分(+ΔF1)を、それぞれ加算すると共に、減少方向の超過分総量と増加方向の超過分総量とは等しくなるように設定される。さらに、その後の所定の微小時間(Δt2)内においても、変更後に減少する成分ガスについては減少方向の超過分(−ΔF2)を、変更後に増加する成分ガスについては増加方向の超過分(+ΔF2)を、それぞれ加算すると共に、減少方向の超過分総量と増加方向の超過分総量とは等しくなるように設定される。
このような超過分加算方式によれば、濃度変更開始から所定の微少時間(Δt)に限っては、総流量は一定に維持しつつも、個々のガス種については大きな流量変動が生ずるため、目的とするプロセスガス濃度に達するまでの時間を短縮することができる。なお、図5中(e)は、微小時間内におけるAPCの開度を示したものである。また、所定の微少時間(Δt)は、本実施例ではPLC9の制御周期から、0.5秒とした。
次に、本発明の濃度変更制御(図4参照)による制御結果と従来の濃度変更制御による制御結果とを具体的なプラズマ反応炉処理システムを例に挙げて説明する。マイクロ波方式のプラズマ発生器(図3(b)参照)を使用して、プラズマ励起エッチングによりpoly−Si膜をエッチングする。チャンバ容量は53リットル、チャンバ内ガス流量は合計420cc/minで、ガス種はプロセスガス種をHBr、プラズマ励起ガスを不活性ガスであるArとした。定常状態におけるHBr、Arの濃度比はそれぞれ24%、76%を目標とした。また、プロセスチャンバ内目標圧力を30mTorr、プラズマ発生用マイクロ波は2.45GHz、自己バイアス電圧用高周波は13.56MHz、基板温度は20℃、プロセス処理反応時間は30秒とした。
本発明の濃度変更制御(図4参照)使用時のガス濃度変化が図6に、従来の濃度変更制御使用時のガス濃度変化が図7にそれぞれ示されている。
従来の濃度変更制御を使用した場合には、図7に示されるように、時刻t21にプラズマ電源をONしたのち、時刻t22にプロセスガスの供給を開始すると、その後、プロセスガスの濃度が整定する時刻t23までには、約7秒の時間が掛かる。したがって、この従来例にあっては、プロセスガス供給開始後、RF電源をオンにして、プロセス処理反応を開始するまでには、ガス濃度及び圧力が整定するための待ち時間(約7秒)が必要とされる。そして、この待ち時間中に供給されたプロセスガスは、プロセス処理反応に一切使用されずに、プロセスチャンバから排気され、無駄となる。
本発明の濃度変更制御を使用した場合には、図6に示されるように、時刻t11にプラズマ電源をONしたのち、時刻t12にプロセスガスの供給を開始すると、その後、プロセスガスの濃度が整定する時刻t13までには、約1秒程度の時間しか掛からない。したがって、プロセスガス供給開始後、RF電源をオンにして、プロセス処理反応を開始するまでには、ガス濃度及び圧力が整定するための待ち時間として約1秒があれば足りることが判る。この整定時間はプロセスガス濃度の過渡状態に起因するエッチング、或いは成膜の不規則さがプロセスの目的に応じて許容範囲に収まる程度の短さであればよい。RF電源のオンとプロセスガスの供給開始はほぼ同時(例えば、プロセスガス濃度の変化開始から整定までの間にRFオンする等)にしてもよい。
このように、従来方法ではプロセス処理反応時間30秒に対し、プロセス処理反応開始の待ち時間が7秒と高比率であったが、本発明方法では待ち時間が1秒以下となり飛躍的に工程時間が短縮されるとともに、待ち時間中に供給されるプロセスガスが不要となるためプロセスガスの有効利用が可能となる。
なお、上述の例では、不活性ガスであるアルゴンガス(Ar)から不活性ガスとプロセスガスとの混合気(Ar/HBr:76対24)へのガス切替えが行われて、poly−Siエッチングプロセスが開始されるように構成したが、これは本発明の一例に過ぎないものと理解されるべきである。
すなわち、本発明の濃度変更制御は、プロセスガス(A)からプロセスガス(B)への切替えをプラズマ電源を投入したままの状態にて行う場合にも適用することができる。このようなプラズマ発生中のプロセスガス切替えが行われると、処理対象となる基板上に、種類の異なる複数種の膜を積層成長されることが可能となる。また自己バイアス電圧を印加することにより、種類の異なる複数種の膜をエッチングすることも可能となる。
ところで、図8に示されるように、チャンバ内に複数のガス種(Ar、HBr、O2)が存在する場合、それぞれのガスで流量が等しいのにチャンバ内圧力に差が見られる。これはガス種依存によるガスの流れ易さの違い、またはポンプへの排気の流れ易さの違いによるためである。ガス流量が同じでもガス種が違うとチャンバ内圧力に差がみられるため、混合ガスにおいても総流量が同じでもガス比率が違うとチャンバ内圧力に差が出てしまう。したがって、ガス種、ガス比率が変わる際に圧力を一定にする場合、たとえ総流量が一定でも、APC4による圧力制御が必要になる。
すなわち、各成分ガスの供給管路に介在されたMFC(温度分布式流量調整器)に対して与えられる新たな流量設定値が、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値であっても、ガス種毎に流れ易さの相違や排気のされ易さの相違により、プロセスチャンバ内になおも圧力変動が生ずる場合が想定される。
このような場合には、排出管路に介在されたAPC4(図1参照)は、変更開始から所定の微少時間に限り、第1の動作モード(圧力設定モード)から第2の動作モード(弁開度設定モード)に切り替えられると共に、変更直後の圧力変動を緩和すべく経験的に求められた弁開度設定値が与えられるため、そのようなガス種に起因する圧力変動については、弁開度が瞬時に追従することで、忽ちにして緩和される。なお、ここで、第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替えるのは、第1の動作モード(圧力設定モード)よりも第2の動作モード(弁開度設定モード)の方が、目的とする弁開度へと短時間で達することができるからである。
ここで、図9及び図10に示されるように、APC4に内蔵される制御弁の開度とチャンバ内圧力との間には、チャンバ内ガス流量をパラメータとして、一定の関係が見られる。したがって、この関係を元に、また実験を繰り返すことにより、濃度変更直後の圧力変動を緩和するに必要な弁開度設定値を求め、こうして求められた弁開度設定値を、第1の動作モードから第2動作モードへと切り替えた上で、APC4に与えるのである。
より具体的には、図11に示されるように、時刻t31においてプロセスガスの供給を開始(濃度変更)すると共に、APC4の動作モードを第1の動作モード(圧力設定モード)から第2の動作モード(弁開度設定モード)へと切り替え、同時に、変更直後の圧力変動を緩和すべく経験的に求められた弁開度設定値をAPC4に与えるのである。
すると、ガス種の相違等に起因する濃度変更時の圧力変動は、第1の動作モード(圧力設定モード)による緩やかな整定を待つことなく、第2の動作モード(弁開度設定モード)により瞬時にかつ強制的に制定されることとなる。
そして、この第2の動作モード(弁開度設定モード)による制御を併用すれば、各成分ガスのMFC(温度分布式流量調整器)に対して与えられる新たな流量設定値を、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値とする制御については、ガス種の相違を考慮することが不要となり、その分だけ制御の複雑さを回避することができる。なお、第1の動作モードから第2動作モードへと切り替え(時刻t31)てから、第1の動作モードに戻る(時刻t32)までの時間、すなわち第1の動作モードから第2動作モードへと切り替えている微少時間は、本実施例ではPLC9の制御周期から0.5秒とした。また、この切換えはガス流量値の変更と同時に行っても良いし、異なるタイミングで行っても良い。
本発明が適用された製造方法(図4及び図11の制御を含む)の一例を示すフローチャートが図12に示されている。この例にあっては、不活性ガスとしてはArが、またプロセスガスとしてはHBrが採用されている。なお、このフローチャートで示される一連の処理は、PLC9にて実現することができる。
先ず、ステップ1201では、ArガスのMFCに対するAr流量値がゼロに設定される。続くステップ1202では、Arガスバルブ(ArガスのMFCの二次側に介在された電磁弁)が開かれる。ステップ1203ではArガスのMFCに対するAr流量値設定、及び、APCに対する圧力設定(第1の動作モードにおける圧力設定)が同時に行われる。これにより、チャンバ内にはArガスが導入されかつその圧力はAPCの第1の動作モード(圧力設定モード)の作用で所定圧力に整定される。
続くステップ1204では、マイクロ波電源6に対するマイクロ波パワー値設定が行われる。続くステップ1205では、マイクロ波パワーON(マイクロ波電源の投入)が行われる。
続くステップ1206では、HBrガスのMFCに対するHBr流量値がゼロに設定される。続くステップ1207では、HBrガスバルブ(HBrガスのMFCの二次側に介在された電磁弁)が開かれる。
続くステップ1208では、HBr流量値設定(図4の超過分ΔFを含むF12)、Ar流量値変更(図4の超過分ΔFを含むF22)、及び、APCの開度設定(第2の動作モードにおける開度設定)が同時に行われる。ステップ1209では、HBr流量値変更(図4のF13)、及び、Ar流量値変更(図4のF23)が同時に行われる。また、必要により、APCの開度設定が行われる。このステップ1209は必要により、図5に示すように複数回実行される。続くステップ1210では、APC圧力変更(第2の動作モードから第1の動作モードへの変更)が行われる。ステップ1211で、RF電源7,8に対するRFパワー値設定(下部電極に対するRFパワーの設定)が行われ、ステップ1212では、RFパワーONが行われる。これにより、プロセス開始の準備が完了する。その後、その時々のプロセス内容に合わせて、RFパワー値の変更を行って、半導体製造プロセス又は液晶製造プロセス等々を実施する。
プロセスが完了したならば、続くステップ1213において、RFパワーOFFが行われ、ステップ1214において、HBrガスバルブ閉、及び、Ar流量値変更が行われ、続くステップ1215において、マイクロ波パワーOFFが行われる。続いてステップ1216において、Arガスバルブ閉、及び、APC開度全開が行われる。
以後、一連の製造工程が継続する限り(ステップ1217でNO)、プロセスに応じて使用するプロセスガス(図12においてHBrに相当するガス)を切り替えながら、ステップ1201〜ステップ1216の処理が繰り返し実行される。一連の製造工程が終了したならば(ステップ1217でYES)、処理は終了する。以上のように、本発明の実施形態によれば、プロセスガス切り替え時において、異なるプロセス処理を、反応を途中で停止することなく連続して行えるため、工程全体の時間短縮が図れる。
上述のように、本発明の濃度変更処理を含む製造方法は、例えば、PLC9を使用して、MFC1〜MFC11、電磁弁SV1〜SV11、APC4、マイクロ波電源6、RF電源7,8等々を適宜に制御することで実現することができる。
最後に、本発明の効果を従来例と比較しつつ説明するためのフローチャートが図13に示されている。
図13(a)に示されるように、従来の製造方法にあっては、プロセスガスを供給開始(不活性ガスからプロセスガスへの切替)した後に(ステップ1310)、プロセスチャンバ内のプロセスガスの濃度および圧力が目標値に安定するのを待ってから(ステップ1311)、プラズマ電源をONさせてプロセス処理反応を開始する(ステップ1312)。そして、プロセス処理反応終了時には、プラズマ電源をOFFしてプロセス処理反応を終了し(ステップ1313)、その後にプロセスガスを供給停止(プロセスガスから不活性ガスへの切替)して(ステップ1314)、プロセスチャンバ内のガス濃度および圧力が目標値に安定するまで、次工程のための処理(例えば、プロセスチャンバのドアを開けて基板を取り出すなど)を行わずに待つ(ステップ1315)。この場合、チャンバ内のガス濃度および圧力の安定を待つ時間は何の処理も行われない無駄な時間となっている。
これに対して、本発明では図13(b)に示されるように、プロセスガス供給開始(ステップ1320)とプラズマ電源ON(ステップ1321)をほぼ同時に行ってもよく、同様にプラズマ電源OFF(ステップ1322)とプロセスガス供給停止(ステップ1323)をほぼ同時に行ってもよい。従来と異なり、これが可能であるのは、プロセスチャンバ1内でガス濃度は瞬時に目的値まで達して安定し、ガスを供給した瞬間からプロセス処理を実行することが可能であるためである。ここで、プロセスガスは、材料ガス(プロセスによって生成される膜等の材料となるガス)と不活性ガスとの混合気である場合もあるし、材料ガスのみである場合もある。
また、本発明では図13(c)に示されるように、プロセスチャンバにおいてプラズマ電源をONした後に(ステップ1330)、プロセスガスを供給開始(不活性ガスからとプロセスガスへの切替)する(ステップ1331)。そしてプロセス終了時にはプロセスガスを供給停止(プロセスガスから不活性ガスへの切替)してから(ステップ1332)、プラズマ電源をOFFする(ステップ1333)。従来と異なり、これが可能であるのは、プロセスチャンバ1内でガス濃度は瞬時に目的値まで達して安定し、ガスを供給した瞬間からプロセス処理を実行することが可能であるためである。
このとき、プロセスガスの供給開始(不活性ガスからプロセスガスへの切替)とプラズマ電源ONをほぼ同時に行ってもよく、同様にプロセスガスの供給停止(プロセスガスから不活性ガスへの切替)とプラズマ電源OFFとをほぼ同時に行ってもよい。ここで、プロセスガスは、材料ガス(プロセスによって生成される膜等の材料となるガス)と不活性ガスとの混合気である場合もあるし、材料ガスのみである場合もある。
本発明によれば、他の流量調整器に対して比較的安価な温度分布式流量制御器を用いてプラズマ反応処理システムを実現することができるため、システム実現のためのコストの低下に大いに寄与する。
また、反応炉内に導入されたプロセスガスを直ちにプラズマ化してプラズマ反応処理に寄与させることができるから、プロセスガスの利用効率が向上して、その分製造コストが低下する。加えて、反応処理開始前の待ち時間も大幅に減少させることが可能であるから、工程のTAT(Turn-Around Time)の短縮化により生産性が向上し、製造コストの低下を図ることができる。
また、プラズマ反応処理の完了と共に、直ちにプロセスガスの供給を停止し、その後、速やかにプラズマ発生器に対するプラズマ発生停止指令を与えることができるから、プラズマ反応に寄与しないプロセスガスが無駄に使用されることを防止して、プロセスガスの利用効率の向上を通じて製造コストの低下を図ることができる。
また、反応処理終了後の待ち時間も大幅に減少させることが可能であるから、工程のTAT(Turn-Around Time)の短縮化により生産性も向上する。
また、供給されたプロセスガスは直ちにプラズマ反応処理に寄与することに加え、プラズマ反応処理開始に際して、電力が無駄に消費されることがなく、これにより生産性の向上とプロセスガスの節減に加えて、電力エネルギーの節減を通じて、低コスト化を極限まで追求することができる。
さらに、電力が絶たれてプラズマ反応処理が終了すると共に、プロセスガスの供給も停止されるため、プロセスガスが無駄に消費されることがなく、これにより生産性の向上とプロセスガスの節減に加えて、電力エネルギーの節減を通じて、低コスト化を極限まで追求することができる。
本発明のプラズマ反応炉処理システムを用いた電子装置の製造方法は、半導体装置、太陽電池、大型平面ディスプレイ装置(液晶表示装置や有機EL表示装置等)、その他の電子装置の製造において、基板のプラズマ反応処理(プラズマ酸化処理、プラズマ窒化処理、プラズマCVD処理、プラズマエッチング処理、プラズマアッシング処理等)やチャンバー内壁等のプラズマクリーニング処理に適用することができる。すなわち、本発明の方法は電子装置一般の製造に用いて好適である。
プラズマ反応炉処理システムの全体構成図である。 MFC及びAPCの概略構成図である。 プラズマ発生器の構成例を示す図である。 プロセス開始時の濃度変更制御の説明図(その1)である。 プロセス開始時の濃度変更制御の説明図(その2)である。 本発明方法使用時のガス濃度変化を示す図である。 従来方法使用時のガス濃度変化を示す図である。 プロセスチャンバ内におけるガス流量と圧力との関係を3種類のガス種のそれぞれについて示す図である。 APCにおけるバルブ開度とプロセスチャンバ内圧力との関係(ガス流量100sccm)を示す図である。 APCにおけるバルブ開度とプロセスチャンバ内圧力との関係(ガス流量500sccm)を示す図である。 プロセスガスの供給とAPCの動作モードとの関係を示すタイムチャートである。 本発明が適用された運転方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の効果を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 プロセスチャンバ
1a プラズマ発生器
2 第1の導入ポート
3 第2の導入ポート
4 APC(圧力調整器)
5 排気ポンプ
6 マイクロ波電源
7 RF電源(13.56MHz)
8 RF電源(2MHz)
9 プログラマブル・コントローラ(PLC)
9a〜9e PLCのインターフェース
10 プログラマブル・ターミナル(PT)
11 通信
MV 手動弁
MFC マス・フロー・コントローラ(温度分布式流量調整器)
SV 電磁弁(ストップ弁)
41 制御部
42 制御弁
43 圧力計測部
51 制御部
52 制御弁
53 流量計測部
100 プラズマ反応炉処理システム

Claims (4)

  1. プラズマ発生器を内蔵するプロセスチャンバと、
    1種又は2種以上の不活性ガス源のそれぞれとプロセスチャンバとを結ぶ不活性ガスの供給管路と、
    1種又は2種以上のプロセスガス源のそれぞれとプロセスチャンバとを結ぶプロセスガスの供給管路と、
    プロセスチャンバと排気ポンプとを結ぶチャンバ内ガスの排出管路とを有し、
    不活性ガスの供給管路及びプロセスガスの供給管路のそれぞれには、与えられた流量設定値と温度計測部を介して計測された流体温度に対応する流量検出値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する機能を有する温度分布式流量調整器と供給管路を開閉する電磁弁が介在され、かつ
    チャンバ内ガスの排出管路には、与えられた圧力設定値と圧力計測値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する第1の動作モードと、開度設定値と開度現在値との偏差が減少する方向へと流量制御弁の開度を自動的に変更する第2の動作モードと、を有する圧力制御器とが介在されている、プラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法であって、
    濃度変更する不活性ガスおよびプロセスガスに対応した供給管路に介在された流量調整器に対して流量設定値として略ゼロを与える第1のステップと、
    前記濃度変更する不活性ガスおよびプロセスガスに対応した供給管路に介在された電磁弁を開状態とする第2のステップと、
    前記濃度変更する不活性ガスおよびプロセスガスに対応した供給管路に介在された流量調整器に対して新たな流量設定値を与える第3のステップを有し、かつ
    前記第3のステップにおいて、流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値のそれぞれは、濃度変更の前後で総流量値が同一となることを条件として、想定される変更後のプロセスガス濃度から逆算することにより求められた値とされている、
    ことを特徴とするプラズマ反応を用いた電子装置の製造方法。
  2. 前記第3のステップにおいて、流量調整器に対して与えられる新たな流量設定値のそれぞれには、変更開始から所定の微少時間に限り、変更後に減少する成分ガスについては減少方向の超過分が、変更後に増加する成分ガスについては増加方向の超過分が、それぞれ加算されており、かつ減少方向の超過分総量と増加方向の超過分総量とは等しくなるように設定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法。
  3. 排出管路に介在された圧力制御器を、変更開始から所定の微少時間に限り、第1の動作モードから第2の動作モードへと切り替え、かつ変更直後の圧力変動を緩和すべく経験的に求められた弁開度設定値を与える第4のステップをさらに有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法。
  4. プロセスガスの濃度変更が、プロセス開始時、プロセス途中、又はプロセス終了時のプロセスガスの濃度変更を含む、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ反応炉を用いた電子装置の製造方法。
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