JP5525977B2 - 不織布製吸着プレート - Google Patents

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本発明は紙,フィルム,ウエハ,ガラス板,金属板等のワークを搬送あるいは固定するため、ロボットの手部分など真空吸着装置の吸着面に使用し、ワークに皺や吸着跡が残らず、また吸着汚れ等を発生させることのない不織布製吸着プレートに関するものである。
液晶用ガラス板や半導体ウエハの精密切断や精密加工においてはワークが位置ずれしないように確実に固定されることが必要であり、その際の固定装置として真空吸着装置が一般的に使用されている。
ところで、真空吸着装置は上記の如くワークを安定して確実に固定しなければならない関係上、吸着面が重要な役割を有しており、従来より吸着面構造に関して種々の提案がなされ、ワークに皺や吸着跡が残らなくするため、また均一に吸着がなされるためにスポンジとネオプレンにより構成された吸着部材(例えば特許文献1参照)や、ワークを高精度に保持固定するため超高分子量ポリエチレンかならる多孔質シート(例えば特許文献2参照)、あるいはステンレスまたは真鍮の焼結金属からなる多孔質吸着プレート(例えば特許文献3参照)、更に吸着面の気孔径を小さくしてより吸着を均一に行うためのセラミックス系多孔質材料(例えば特許文献4参照)などが提案されて来た。
特開2002−127067号公報 特開平8−169971号公報 特開平6−71854号公報 特開2004−59295号公報
しかし、上記各提案に係る吸着面部材は、先ず、吸着面に用いられている材料のスポンジは耐摩耗性に劣り、また多孔質シート,焼結金属とか多孔質セラミックスは一般的に通気量が少なく充分な吸着力が得難く、しかも曲げ硬さが大きいため圧縮時の密着性が乏しく、更に高価であるなどの各欠点を有している。
本発明は上述の如き実状に対処し、特に熱接着性不織布の使用に着目し、夫々に適合する熱接着性不織布を吸着面側ならびに真空吸引側に使用することを見出し、吸着面はワークに皺や吸着跡を発生させることなく、一方、吸引面は強い吸引力でワークを強固に把持,固定,移動を可能ならしめる不織布製吸着プレートを提供することを目的とするものである。
即ち、上記目的に適合する本発明の吸着プレートは、真空吸引によって紙,フィルム,ガラス板,金属板等を搬送あるいは固定する真空吸着装置の吸着面に用いられる不織布製の吸着プレートであって、吸着面側Aは低融点繊維90〜100重量%、該低融点繊維よりも融点が70℃以上高い繊維が10〜0重量%からなり混綿,カーディング,交絡加工後、熱接着された目付50〜200g/m2,嵩密度0.60〜1.20g/cm3の熱接着タイプの不織布であり、一方、真空吸引側Bは低融点繊維20〜90重量%、低融点繊維よりも融点が70℃以上高い繊維80〜10重量%の比率で混綿、カード,交絡加工後熱接着された目付300〜800g/m2、嵩密度0.10〜0.50g/cm3の熱接着タイプの不織布であって、前記両不織布A,Bは積層され外周が熱プレスにて融着されて、非融着部の通気量が50〜150cc/cm2/sec,融着部の通気量が5cc/cm2/sec以下の特性を有していることを特徴とする。
なお、上記不織布に使用される低融点繊維は融点が100〜200℃、繊維径が1〜70dtex、繊維長が1〜100mmである変性ポリエステル繊維,変性ナイロン繊維,ポリプロピレン,ポリエチレンなどのオレフィン繊維あるいはポリエステル/ナイロンなどの芯鞘構造の繊維、あるいは繊維断面の半分がポリプロピレン、半分がポリエチレンなどの2成分系繊維より選ばれた少なくとも1種の繊維であり、また該繊維よりも融点が70℃以上高い繊維は繊維径が1〜70dtex、繊維長が1〜100mmのポリエステル繊維,ナイロン繊維,レーヨン繊維より選ばれた少なくとも1種の繊維が用いられる。
本発明は上記の如く吸着プレートが比較的安価な不織布で構成され、吸着面は低融点繊維を多く含み平滑な加圧・加熱された比較的嵩密度の大きい接着タイプの不織布であるからワークに皺や吸着跡が発生することなく、また吸引面は吸着面に比し低融点繊維量が少なく、嵩密度の小さい熱接着タイプの不織布で構成されているため吸引力(吸着力)が強く、ワークを強固に把持、固定し、移動を可能とし、ロボットの手部分など、真空吸着装置の吸着面に使用して頗る優れた効果を有している。
本発明に係る吸着プレートの1例を示す平面図である。 上記吸着プレートのX−X断面図である。 同吸着プレートの使用態様図である。
以下、本発明について添付図面を参照し詳しく説明するが、本発明はこれらの説明に拘束されることなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更して実施し得ることは勿論である。
図1は本発明に係る吸着プレートの1例を示す平面図、図2は図1のX−X断面図であり、これら図において1は吸着プレートで、図示の如く吸着面を形成する熱接着不織布Aと真空吸引側に使用される熱接着不織布Bの両不織布を積層することによって構成されていると共に、その外周において熱プレスなどにより融着されて融着部Cとして前記両不織布A,Bを一体化している。
ここで、上記吸着面に使用される熱接着不織布Aとしては低融点繊維90〜100重量%、低融点繊維よりも融点が70℃以上高い繊維が10〜0重量%からなり、混綿,カーディング,ニードルパンチ加工又は水流交絡加工による交絡加工後、熱接着された目付50〜200g/m2、嵩密度0.60〜1.20g/cm3の熱接着タイプの不織布が用いられる。
低融点繊維としては通常の熱カレンダー,ホットプレス等にて溶融固化するタイプの繊維であれば特に限定されるまのではなく、例えば変性ポリエステル繊維,変性ナイロン繊維,ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、あるいはポリエステル/ナイロンなどの芯鞘構造又は繊維断面の半分がポリプロピレン,他の半分がポリエチレンの2成分系繊維などの複合繊維が通常、使用される。
また、これら低融点繊維は、融点が10〜200℃,繊維径が1〜70デシテックス(dtex),繊維長が1〜100mmであることが一般に好ましい。勿論、混綿,カーディング,ニードルパンチ加工あるいは水流交絡加工などの交絡加工が可能であれば上記に拘るものではない
しかし、繊維が1dtex以下になると混綿,カーディングが難しくなるという欠点があり、70dtex以上になると使用される繊維の本数が減少し、不織布の均一性が低下する欠点が発生するので好ましくない。また繊維長が1mm以下になると、繊維の絡みが悪くなり、均一な不織布となり難い欠点があり、繊維長が100mm以上になると混綿,カーディングが難しくなるので一般的には好ましくない。
一方、 前記低融点繊維よりも融点が70℃以上高い繊維はレギュラータイプのポリエステル繊維,ナイロン繊維,レーヨン繊維,木綿などが含まれ、これら繊維も前記と同じく混綿,カーディング,交絡加工などから繊維径1〜70dtex、繊維長1〜100mmであることが好ましい。この低融点繊維よりも70℃以上高い繊維は、前記低融点繊維に対し少なく10〜0重量%、即ち、10重量%以下の混綿で、混綿しない場合であってもよい。
なお、上記低融点繊維の融点よりも70℃以上高い融点をもつ繊維を10重量%以下含むか、または全く含まない低融点繊維100重量%からなる繊維をカード,ニードルパンチ又は水流交絡加工による交絡処理後、熱プレス等により加熱接着した吸着面側の熱接着タイプ不織布は目付が50〜200g/m2,嵩密度が0.60〜1.20g/cm3であることが好ましい。目付が50g/m2以下では繊維量少なく、均一で平滑な面が得られない難があり、また、目付が200g/m2以上になると熱圧着・融着された繊維の層が厚く形成されるため、著しく通気量の低下を招き、ワークを吸着,固定する力が乏しくなる。従って目付は50〜200g/m2の範囲が好適であり、より好ましくは75〜150g/m2である。
また、嵩密度は0.60g/cm3以下であると表面の平滑性が充分でなく、吸着,搬送を繰り返しているうちに毛羽だってくるという欠点があり、1.20g/cm3以上になると低融点繊維に融着,固化が進捗しすぎて通気量を著く阻害する難があるので、前記の如く0.60〜1.20g/cm3が好ましく、とりわけ0.7〜1.1g/cm3はより好適である。
なお、上記吸着面に用いられる熱接着不織布Aの製造工程である混綿,カーディング,交絡加工は何れも特定の設備,条件の必要はなく、既存のニードルパンチ不織布,水流交絡不織布の製造方法で充分可能である。なお、上記熱接着不織布Aは吸着面が紙,フィルムなどのワークに皺を発生させたり、吸着跡を残すことなく吸着させることにあり、表面の均一性,平滑性が重要であり、不織布にあっては充分に繊維が熱によって溶融、平滑化されている必要がある。そのため熱処理条件としては、使用される低融点繊維の融点からプラス10℃の範囲の温度にて加圧・熱処理するのが好ましい。但し、生産性を向上させるため融点よりも20℃以上高い温度にて処理する場合は接触時間を短くする配慮が必要であり、接触時間が長くなると、全面融着固化し、著しく通気性を阻害するため好ましくない。
一方、前記吸着面側の不織布Aに積層される真空吸引側に使用される熱接着不織布Bを構成する繊維は、通常の熱接着工程、即ち、エアスルータイプのオーブン、コンベア式熱風循環式乾燥機などにて繊維が溶融・固化する繊維であれば特に限定されるものではなく、使用しうる繊維としては上記熱接着不織布Aで使用される低融点繊維、即ち変性ポリエステル繊維、変性ナイロン繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維、あるいはポリエステル/ナイロンなどの芯鞘構造の繊維、あるいは繊維断面の半分がポリプロピレン、半分がポリエチレンの2成分系繊維などの低融点繊維と該低融点繊維よりも融点が70℃以上高い繊維として、レギュラータイプのポリエステル繊維,ナイロン繊維,セルロース系繊維のレーヨン繊維、木綿などである。
この熱接着不織布Bの主たる目的は、熱接着不織布Aを介して吸引される空気が均一に吸引されるべく空気の通過する流露を調整することにある。但し、通気量は多いほうが好ましいために、熱接着の方法は熱接着不織布Aと異なり、エアスルータイプの熱処理が好ましい。そのため不織布製造に使用される低融点繊維は、繊維径1〜70dtexの変性ポリエステル繊維などを20〜90重量%、低融点繊維よりも融点が70℃以上高い繊維が繊維径1〜70dtexのレギュラーポリエステル繊維などを80〜10重量%の比率で混綿、カード、交絡加工を行った後、低融点繊維の融点よりもプラス10℃以下の範囲の温度にてウエブが嵩高いままの状態で熱処理を行うのが好ましい。しかし、場合によってはニードルパンチや水流交絡による加工のみで熱処理工程を省略することも可能である。熱接着不織布Bの製造工程である混綿、カーディング加工もいずれも特定の設備、条件は必要ではなく、通常の不織布の製造方法で可能である。
熱接着不織布Bは混綿、カード,交絡加工のみ、あるいは更に熱接着された目付300〜800g/m2の交絡あるいは熱接着タイプの不織布である。不織布の目付が300g/m2以下では繊維量が少なく均一な空気の流路が得られない。また、不織布の目付が800g/m2以上になると、繊維の層が厚く、著しく通気量の低下を招きワークを吸着・固定する力が乏しくなり好ましくない。従って熱接着不織布Bの好ましい目付の範囲は、300〜800g/m2であり、特に450〜650g/m2は効果的である。また、該不織布の嵩密度は、0.1〜0.5g/cm3、好ましくは0.2〜0.3g/cm3である。嵩密度0.1g/cm3以下であると繊維間の固着が充分でなく、真空吸着するとプレートが変形するという欠点があり、嵩密度0.5g/cm3以上になると低融点繊維に融着・固化が進捗しすぎて通気量を著しく阻害するという欠点がある。
かくして吸着プレートとすべく得られた上記の熱接着不織布Aと熱接着不織布Bを次に重ね合わせ、吸引した際に周囲からエアーが進入するのを防止するのと同時に吸着プレート本体に取り付け易くするために、外周を7〜20mmホットプレスにて融着・固化し、両熱接着不織布A,Bを一体化させる。この際、融着部C以外の部分においては、通気量の低下を招かない溜めに可能な限り嵩高く仕上げるのが望ましい。また、外周の融着部は、装着を容易にすると共に、非融着部以外からエアーが漏れ混入し吸着力が低下することを防止している。従って非融着部の通気量を50〜150cc/cm2/sec,融着部の通気量を5cc/cm2/sec以下とすることが好適である。
なお、以上の熱接着不織A,Bよりなる吸着プレートにおいて、不織布A,Bは使用目的,使用場所により熱成型される前に常用の加工方法、即ち、含浸加工,コーティング加工あるいはスプレー加工により帯電防止剤,難燃剤などを付与することも好適である。
図3は上記吸着プレート1を真空吸着装置などの吸着部をなす真空ポート2に取り付け使用している場合を示しており、吸引プレート1をワーク固定部をなす真空ポート2内に熱接着不織布Aを吸着面側に、一方、熱接着不織布Bを吸引側に配して穴あき板4を介し取り付け、吸引部3より吸引することによりワークを随時、固定・保持せしめるようになている。
なお、吸着プレート1は図1においては長方形状となっているが、正方形,円形,楕円形など、吸着部の構造に合わせて適宜形状に形成することができる。
以上のようにして本発明吸着プレートはワークの搬送あるいは固定に随時使用され、前述した効果を発揮することができる。
以下、更に本発明の実施例を比較例と共に説明する。
実施例1
繊度4.4dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:170℃)80重量%と、繊度17dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:170℃)20重量%を均一に混綿し、次いでカーディングし目付約100g/m2、厚さ0.10mmとし、引き続き、表面から深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2のニードルパンチ加工を施したのち、220℃の熱処理を施したものを吸着面側の不織布Aとし、繊度22dtex、繊維長64mmの低融点ポリエステル繊維(融点:200℃)70重量%と、繊度4.4dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:130℃)15重量%と繊度17dtex、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)15重量%を均一に混綿し、次いでカーディングし目付約500g/m2、厚さ2.24mmの繊維層とし、引き続き、表面に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2、裏面に同様に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2のニードルパンチ加工を施したのち、220℃の熱処理を施したものを真空吸引側の不織布Bとして、上記両不織布A,Bを積層後、外周部を幅15mmで全周を表面温度200℃の熱プレスにて融着・成型し、吸着プレートを作成した。
実施例2
繊度4.4dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:170℃)80重量%と、繊度17dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:170℃)20重量%を均一混合し、次いでカーディングし目付約100g/m2、厚さ0.12mmの繊維層とし、引き続き、表面に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2のニードルパンチ加工を施したのち、220℃の熱処理を施したものを吸着面側の不織布Aとし、繊度22dtex、繊維長64mmの低融点ポリエステル繊維(融点:200℃)70重量%と、繊度4.4dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:130℃)15重量%と繊度17dtex、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)15重量%を均一混綿し、次いでカーディングし目付約600g/m2、厚さ2.32mmの繊維層とし、引き続き、表面に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2、裏面に同様に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2のニードルパンチ処理を施したのち、220℃の熱処理を施したものを真空吸引側の不織布Bとした。次いで前記不織布A,Bを積層後、外周部を幅15mmで全周を表面温度200℃の熱プレスにて融着・成型し、吸着プレートを作成した。
比較例1
繊度4.4dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:170℃)80重量%と、繊度17dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:170℃)20重量%を均一混合し、次いでカーディングし目付約100g/m2、厚さ0.90mmの繊維層とし、引き続き、表面に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2のニードルパンチ加工を施したのち、220℃の熱処理を施したものを吸着綿側の不織布Aとし、繊度22dtex、繊維長64mmの低融点ポリエステル繊維(融点:200℃)70重量%と、繊度4.4dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点:130℃)15重量%と繊度17dtex、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)15重量%を均一混綿し、次いでカーディングし目付約900g/m2、厚さ3.51mmの繊維層とし、引き続き、表面に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2、裏面に同様に深さ9mm,打ち込み本数60本/cm2のニードルパンチ加工を施したのち、220℃の熱処理を施したものを真空吸引側の不織布Bとした。次いで前記両不織布A,Bを積層後、外周部を幅15mmで全周を表面温度200℃の熱プレスにて融着・成型し、吸着プレートを作成した。
比較例2
繊度22dtex、繊維長64mmの低融点ポリエステル繊維(融点:200℃)70重量%と、繊度4.4dtex、繊維長51mmの低融点ポリエステル繊維(融点130℃)15重量%と繊度17dtex、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)15重量%を均一混綿し、次いでカーディングして目付約600g/m2、厚さ2.24mmの繊維層とし、引き続き、表面に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2、裏面に同様に深さ9mm、打ち込み本数60本/cm2のニードルパンチ加工を施したのち、220℃の熱処理を施したものの外周部を幅15mmで全周にわたり表面温度200℃の熱プレスにて融着・成型し、吸着プレートを作成した。
次いで上記各実施例,比較例により得られた各吸着プレートについて嵩密度,通気量,平滑性を対比するため下記試験方法に基づいて試験を行った。結果を下記表1に示す。
試験方法
1.厚さ JISL−1913 6.1に準拠した。
2.目付 JISL−1913 6.2に準拠した。
3.嵩密度 目付と厚さから算出した。
4.通気量 カトーテック製通気量試験機にて測定した。
5.平滑性 目視と触感で評価した。
Figure 0005525977
上記表より本発明に係る吸着プレートは通気量,平滑性の総合において各比較例より優れていることが理解される。
本発明による不織布製吸着プレートは、紙,フィルム,ウェハ,ガラス板,金属板等のワークに皺が発生したり吸着跡が残らず、また吸着汚れ等を発生させることのない真空吸着装置の吸着部の部材として使用される。
1:吸着プレート
A:吸着面側不織布
B:真空吸引側不織布
C:融着部
2:真空ポート
3:吸引部
4:穴あき板

Claims (2)

  1. 真空吸引によって紙,フィルム,ガラス板,金属板等を搬送あるいは固定する真空吸着装置の吸着面に用いられる不織布製の吸着プレートであって、低融点繊維90〜100重量%、低融点繊維よりも融点が70℃以上高い繊維が10〜0重量%からなり、混綿,カーディング,交絡加工後、熱接着された目付50〜200g/m2、嵩密度0.60〜1.20g/cm3の熱接着タイプの不織布Aを吸着面側とし、低融点繊維20〜90重量%、低融点繊維よりも融点が70℃以上高い繊維80〜10重量%の比率で混綿、カード加工後、熱接着された目付300〜800g/m2で嵩密度が0.10〜0.50g/cm3の熱接着タイプの不織布Bを真空吸引側として、上記両不織布A,Bを積層し、外周を熱プレスで融着して形成され、非融着部の通気量が50〜150cc/cm2/sec,融着部の通気量が5cc/cm2/sec以下の特性を有してなることを特徴とする不織布製吸着プレート。
  2. 熱接着タイプの不織布に使用される低融点繊維が融点100〜200℃、繊維径が1〜70dtex、繊維長が1〜100mmである変性ポリエステル繊維、変性ナイロン繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン繊維あるいはポリエステル/ナイロンなどの芯鞘構造の繊維、あるいは繊維断面の半分がポリプロピレン、半分がポリエチレンなどの2成分系繊維から選ばれた繊維であり、該繊維よりも融点が70℃以上高い繊維が繊維径1〜70dtex、繊維長1〜100mmのポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維から選ばれた繊維である請求項1記載の不織布製吸着プレート。
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