JP5525765B2 - 超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法 - Google Patents

超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5525765B2
JP5525765B2 JP2009142367A JP2009142367A JP5525765B2 JP 5525765 B2 JP5525765 B2 JP 5525765B2 JP 2009142367 A JP2009142367 A JP 2009142367A JP 2009142367 A JP2009142367 A JP 2009142367A JP 5525765 B2 JP5525765 B2 JP 5525765B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
ultrasonic
cleaning liquid
cleaned
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009142367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010287841A (ja
Inventor
真樹 大川
謙二 木下
英之 町田
広毅 高橋
勝啓 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kokusai Electric Semiconductor Service Inc
Original Assignee
Kokusai Electric Semiconductor Service Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusai Electric Semiconductor Service Inc filed Critical Kokusai Electric Semiconductor Service Inc
Priority to JP2009142367A priority Critical patent/JP5525765B2/ja
Publication of JP2010287841A publication Critical patent/JP2010287841A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5525765B2 publication Critical patent/JP5525765B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Description

本発明は、半導体集積装置用基板、表示装置用ガラス基板、フォトマスク用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、フィルム基板、機械部品等に対して、超音波振動を照射した水や薬液を用いて超音波洗浄処理を行う超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法に関する。
近年、半導体集積装置の製造工程では、配線パターンの微細化と、製造に用いられるシリコンウェハの大口径化とともに、精密加工品を洗浄する高度な洗浄技術が要求されている。配線パターンとシリコンウェハと精密加工品とは、被洗浄物である。
上述した洗浄技術には、特に、極微小の粒子の除去、使用する薬液の量の削減、酸化・エッチング量の抑制、新規の配線の材料及び新規の絶縁膜の材料への対応が求められている。
このような対応のために、一般的に洗浄技術は、薬液をベースとした化学的作用によって被洗浄物を洗浄する。しかしながらこのような洗浄技術では、酸化・エッチング量が過剰である、新規の配線の材料及び新規の絶縁膜の材料を変質させることがある。そのためこのような理由から、上述した洗浄技術では、近年の被洗浄物への洗浄のための対応が困難となりつつある。
そのためこれらを鑑みて、近年の洗浄技術では、薬液を使用しない物理的作用によって被洗浄物を洗浄する期待が高まっている。
物理的作用による洗浄技術には、洗浄性能に優れている例えば超音波洗浄が挙げられる。超音波洗浄とは、周波数が20kHz以上の音波(1秒間に2万回の振動)である機械振動(超音波振動)が照射された気体または液体等の媒質を用いて被洗浄物を洗浄処理する洗浄方法である。このような超音波振動の物理的な作用によって、洗浄効果が発現する。
なお一般に半導体集積装置の製造工程では、周波数が500kHz以上の高周波帯超音波を利用した超音波洗浄が適用される。
また上述したような超音波洗浄は、バッチ式(浸漬式)洗浄と枚葉式洗浄との両方に対応する。バッチ式洗浄とは、洗浄液を貯留した処理槽の中に被洗浄物を収容(浸漬)して超音波洗浄する洗浄方法である。枚葉式洗浄とは、被洗浄物に対して洗浄液を吐出しながら超音波洗浄する洗浄方法である。
例えば特許文献1には、超音波音圧の絶対値を表わす測定が行え、その超音波音圧測定値を表示することのできる超音波音圧測定装置が開示されている。この超音波音圧測定装置は、超音波洗浄に用いられる超音波音圧を正確に測定する。
特開2007−292625号公報
被洗浄物である例えば上述したような半導体集積装置の配線パターンは、上述したように微細化により、物理的な作用に対する耐性が低下してしまう。そのため配線パターンは、超音波洗浄によってダメージを受けてしまう(破壊される)虞が生じる。よって、半導体集積装置の製造工程では、超音波洗浄を利用する洗浄工程が限られてしまう虞が生じる。
そのため本発明は、上記事情に鑑み、被洗浄物に対するダメージを抑え、所望な洗浄性能を発揮することができる超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法を提供することを目的とする。
本発明は目的を達成するために、洗浄液を用いて被洗浄物を超音波洗浄処理する洗浄処理部と、前記洗浄液に対して超音波振動を照射する振動子と、前記振動子を圧電効果によって超音波振動させるために、所望の周波数で、且つ所望の振幅の電気信号を前記振動子に付与する発振器と、前記洗浄液中に所望の気体を溶解する気体溶解部と、前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度を測定する気体濃度測定部と、超音波洗浄のための所望の条件と、前記被洗浄物に残留している除去すべき対象物の粒子の数に基づく洗浄性能との関係と、超音波洗浄のための前記所望の条件と、超音波洗浄によってダメージを受けた前記被洗浄物の主面における素子の数を示す前記被洗浄物に対するダメージとの関係とを格納するデータベースを有し、前記データベースに基づいて、前記被洗浄物に対するダメージを所望する値以下に抑制しつつ所望する洗浄性能を発揮するための超音波の出力範囲を算出する制御部と、を具備し、前記制御部は、前記気体濃度測定部で測定された前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度と、前記超音波の出力範囲との関係に基づいて、前記発振器が前記振動子へ付与する超音波の出力値を、前記超音波の出力範囲内で駆動するように制御し、前記発振器が前記振動子に付与する電気信号を制御することを特徴とする超音波洗浄装置を提供する。
また本発明は目的を達成するために、被洗浄物を超音波洗浄処理する洗浄処理部を少なくとも備えた前記に記載の超音波洗浄装置で実施される超音波洗浄処理方法において、洗浄液に所望の気体を溶解し、前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度を測定し、前記測定された前記気体の濃度に応じて超音波の出力値を算出し、前記洗浄液に供給される前記超音波が前記算出した出力値となるように、前記洗浄液に超音波振動を照射する振動子に接続された発振器を制御することを特徴とする超音波洗浄処理方法を提供する。
本発明によれば、被洗浄物に対するダメージを抑え、所望な洗浄性能を発揮することができる超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波洗浄装置の構成を示す図である。 図2は、超音波の出力値と、洗浄性能との関係を示す図である。 図3は、窒素の濃度と、洗浄性能との関係を示す図である。 図4は、超音波の出力値と、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物の主面における素子の数との関係を示す図である。 図5は、窒素の濃度と、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物の主面における素子の数との関係を示す図である。 図6は、窒素の濃度と超音波の出力値と最適な超音波の出力範囲との関係を示す図である。 図7は、本実施形態における超音波洗浄装置の動作を示すフローチャートである。 図8は、本発明の第2の実施形態に係る超音波洗浄装置の構成を示す図である。 図9は、本実施形態における超音波洗浄装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図1乃至図7を参照して本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態では、超音波洗浄装置1は、被洗浄物800に対して、超音波振動を照射した例えば水や薬液等の液体を用いて超音波洗浄処理を行う。
本実施形態では、洗浄液700を貯留した処理槽110の中に被洗浄物800を収容し、洗浄液700に浸漬された状態の被洗浄物800を超音波洗浄するバッチ式洗浄が用いられる。
このバッチ式洗浄によって超音波洗浄される被洗浄物800には、例えば機械部品等が好適である。
超音波洗浄装置1は、洗浄液700を用いて被洗浄物800を超音波洗浄処理する洗浄処理部100と、洗浄液700に対して超音波振動を照射する振動子200と、振動子200を圧電効果によって超音波振動させるために、所望の周波数(周波数が例えば20kHz以上)で、且つ所望の振幅の電気信号を振動子200に付与する発振器300と、洗浄液700中に所望の気体410を溶解する気体溶解部400と、洗浄液700に溶解している気体410の濃度を測定する気体濃度測定部500と、超音波洗浄のための所望の条件と、被洗浄物800に残留している除去すべき対象物の粒子の数に基づく洗浄性能との関係と、超音波洗浄のための所望の条件と、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数を示す被洗浄物800に対するダメージとの関係とを格納するデータベースに基づいて、被洗浄物800に対するダメージを所望する値以下に抑制しつつ所望する洗浄性能を発揮するための超音波の出力範囲を算出し、気体濃度測定部500で測定された洗浄液700に溶解している気体410の濃度と、超音波の出力範囲との関係に基づいて、発振器300が振動子200へ付与する超音波の出力値を制御し、発振器300が振動子200に付与する電気信号を制御する制御部600とを有している。
洗浄処理部100は、被洗浄物800を収容して洗浄液700を貯留する処理槽110と、処理槽110が貯留する洗浄液700を準備する洗浄液準備機構120と、処理槽110に貯留された洗浄液700に対して振動子200によって照射される超音波振動を伝播する伝播液130を貯留する伝播槽140と、伝播槽140が貯留する伝播液130を準備する伝播液準備機構150とを有している。
処理槽110は、超音波振動の透過性が高く、使用劣化による発塵の恐れがなく、金属成分の溶出の虞がない材質で形成されている。このような材質は、例えば石英ガラスである。処理槽110は、収容する被洗浄物800の形状を特に限定しないが、上述したように機械部品等の被洗浄物800を収容することが好適である。
処理槽110の底部110a付近には、洗浄液準備機構120によって準備された洗浄液700を洗浄液準備機構120から処理槽110に供給する供給配管111が配設されている。この供給配管111は、気体溶解部400と接続している。また処理槽110の上面110bは、開放されている。そのため処理槽110の上端110cの外周面110dには、処理槽110からオーバーフローした洗浄液700を一時的に貯留する外槽112が配設されている。この外槽112には、一時的に貯留した廃液となる洗浄液700を外槽112から排液する排液配管113が接続している。
洗浄液準備機構120は、洗浄液700を処理槽110に貯留させるように、洗浄液700を準備する。この洗浄液準備機構120は、処理槽110(より詳細には気体溶解部400)に供給する洗浄液700を一時的に貯留するタンク121と、タンク121に一時的に貯留されている洗浄液700の温度を調整する温度調整部である温調機122と、処理槽110(より詳細には気体溶解部400)に供給される洗浄液700の流速を所望の速度となるように制御する流速制御部であるポンプ123と、ポンプ123によって流速を制御された洗浄液700を気体溶解部400に供給する供給配管124とを有している。供給配管124は、気体溶解部400と接続している。
伝播槽140において、伝播液130は、処理槽110の底部110aと振動子200の上面(振動面)200aとの間に介在し、処理槽110に貯留された洗浄液700に対して振動子200から照射された超音波振動を伝播する。この伝播液130は、超音波振動の伝播を妨げる気泡を発生させず、且つ振動子200の振動面200aで発生する熱を効率よく放出させる液体が望ましい。この液体は、気体が溶解していない水である。
伝播槽140の底部140aの一部には、開口部140bが配設されている。開口部140bには、振動子200が取り付けられている。伝播槽140には、伝播液準備機構150から伝播槽140に伝播液130を供給する供給配管141と、廃液となる伝播液130を伝播槽140から排液する排液配管142とが配設されている。
伝播液準備機構150は、伝播液130を伝播槽140に貯留させるように、伝播液130を準備する。伝播液準備機構150は、伝播槽140に供給される伝播液130を一時的に貯留するタンク151と、タンク151に貯留された伝播液130に予め溶解された気体を除去する溶解気体除去機構152とを有している。
振動子200は、振動面200aにおいて発生した超音波振動を、伝播液130を介して処理槽110の底部110aに伝播させ、処理槽110の底部110aを透過させて、処理槽110内の洗浄液700に照射する。超音波振動を照射された洗浄液700は、超音波振動の物理的な作用によって、被洗浄物800に対して洗浄作用をもたらす。
発振器300は、信号出力線320を有している。信号出力線320は、振動子200と接続しており、制御部600によって制御された振動子200に付与する電気信号を振動子200に伝達する。これにより発振器300は、振動子200を超音波振動させる。
気体溶解部400は、洗浄液準備機構120から供給された洗浄液700に対して所望の気体410を溶解する。この気体410は、例えば、水素と、ヘリウムと、窒素と、酸素と、ネオンと、アルゴンと、クリプトンと、キセノンと、ラドンと、二酸化炭素と、アンモニアとの少なくとも1つから構成される。
気体溶解部400は、供給配管124における洗浄液700に予め溶解された気体を洗浄液700から除去する溶解気体除去機構440と、溶解気体除去機構440によって気体を除去された洗浄液700に気体410を供給する気体供給部420と、溶解気体除去機構440にて気体を除去された供給配管111における洗浄液700に気体供給部420から放出された気体410を供給する気体供給配管430とを有している。
気体濃度測定部500は、供給配管111によって気体溶解部400から処理槽110に供給される洗浄液700において、この洗浄液700に溶解している気体410の濃度を測定する。気体濃度測定部500は、供給配管111より分岐し、気体410の濃度を測定するために供給配管111に流れる洗浄液700を分岐させる分岐配管510と、洗浄液700に溶解している気体410の濃度を測定するために分岐配管510から流れた洗浄液700を一時的に貯留する測定槽520と、測定槽520に貯留された洗浄液700を加熱する加熱部であるヒータ530と、ヒータ530で加熱された洗浄液700から洗浄液700に溶解している気体410の濃度を測定する測定部である測定センサ540とを有している。
なお分岐配管510は、処理槽110と供給配管111と供給配管124と気体供給配管430との少なくとも1つから分岐していればよい。つまり気体濃度測定部500は、洗浄液700に溶解している気体410の濃度を測定するために、洗浄処理部100と、気体溶解部400と、洗浄処理部100と気体溶解部400とを連結する供給配管111と供給配管124との、少なくとも1つから分岐していればよい。
ここで測定センサ540による洗浄液700に溶解している気体410の濃度の測定について説明する。
測定センサ540は、まずヒータ530によって加熱された洗浄液700の温度変化の結果を基に、洗浄液700の熱伝導度を測定する。この熱伝導度は、洗浄液700の組成と、気体410の組成と、洗浄液700に溶解している気体410の濃度とに依存する。本実施形態では、洗浄液700の組成と、気体410の組成とは、予め所望に設定されている。そのため洗浄液700の組成と、気体410の組成とが予め所望に設定されていると、測定センサ540は、測定した熱伝導度を基に、洗浄液700に溶解している気体410の濃度を測定できることとなる。このように本実施形態では、予め所望に設定されている洗浄液700の組成と気体410の組成と、測定センサ540によって測定された熱伝導度とを基に、洗浄液700に溶解している気体410の濃度を測定する。
なお測定センサ540は、この測定結果を制御部600に出力する。この測定結果とは、洗浄液700に溶解している気体410の濃度を示す濃度情報である。
制御部600は、信号入力線610と、信号出力線620と、記録装置630と、中央演算処理装置640と、操作部650と、表示部660とを有している。
信号入力線610は、測定センサ540と中央演算処理装置640とに接続している。信号入力線610は、測定センサ540によって測定された測定結果を測定センサ540から中央演算処理装置640に入力する。この測定結果とは、上述した洗浄液700に溶解している気体410の濃度を示す濃度情報である。
信号出力線620は、発振器300と中央演算処理装置640とに接続している。信号出力線620は、振動子200に付与する制御された電気信号を入力信号として中央演算処理装置640から発振器300に入力する。
記録装置630は、信号入力線610と中央演算処理装置640とを通じて入力された濃度情報を記録する。また記録装置630は、超音波洗浄のための所望の条件と洗浄性能との関係と、超音波洗浄のための所望の条件と被洗浄物800に対するダメージとの関係とのデータベースを格納する。
超音波洗浄のための所望の条件は、振動子200の振動面200aの寸法(大きさ)と、発振器300が振動子200に対して付与する電気信号の周波数及び振幅(超音波の出力値)と、洗浄液700の組成及び温度と、洗浄液700に溶解する気体410の組成及び濃度とによって構成される。気体410の濃度は、測定センサ540によって測定された濃度情報を基にしている。
また洗浄性能は、上述したように被洗浄物800に残留している除去すべき対象物の粒子の数に基づいている。より詳細には洗浄性能は、超音波洗浄処理前、超音波洗浄処理後及び乾燥処理後に、被洗浄物800に残留している除去すべき対象物の粒子の数を測定することによって求められる。さらなる詳細については後述する。
この洗浄性能は、超音波洗浄のための所望の条件と、上述した超音波洗浄処理によって被洗浄物800から除去すべき対象物の種類とに依存する。
また被洗浄物800に対するダメージとは、超音波洗浄処理後及び乾燥処理後における、上述したように超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数を示す。この超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数は、超音波洗浄のための所望の条件と、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の種類とに依存する。
なおデータベースには、被洗浄物800の形状と種類と、超音波洗浄処理によって被洗浄物800から除去する対象物の種類と、超音波洗浄によってダメージを受ける被洗浄物800の主面における素子と、後述する図6に示す窒素の濃度と超音波の出力値と最適な超音波の出力範囲との関係を示す情報がさらに格納される。
中央演算処理装置640は、記録装置630に格納されたデータベースに基づいて、被洗浄物800に対するダメージを所望する値以下に抑制しつつ所望する洗浄性能を発揮するための超音波の出力範囲を算出し、気体濃度測定部500で測定された洗浄液700に溶解している気体410の濃度(前述した濃度情報)と、超音波の出力範囲との関係に基づいて、発振器300が振動子200へ付与する超音波の出力値を制御し、発振器300が振動子200に付与する電気信号を制御する。
具体的には、中央演算処理装置640は、データベースに基づいて超音波の出力範囲を算出し、算出した超音波の出力範囲に基づいて、洗浄液700に溶解している気体410の濃度に対応する超音波の出力値にて超音波振動させるように発振器300を制御する。
操作部650は、記録装置630に格納されるデータベースを入出力するための例えばタッチパネルやキーボード等である。入出力するものは、上述したように例えば超音波洗浄のための所望の条件と、洗浄性能と、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数などである。
表示部660は、洗浄液700中における気体410の濃度の設定値と測定値、超音波出力の設定値、記録装置630に格納されるデータベースの入出力状況、中央演算処理装置640での処理状況等を表示する。
次に超音波の出力範囲を算出する方法について図2乃至図6を参照して説明する。
まず操作部650によって入力されるデータベースの一例を説明する。この一例は、超音波洗浄のための所望の条件と、被洗浄物800の形状と種類と、超音波洗浄処理によって被洗浄物800から除去する対象物の種類と、超音波洗浄によってダメージを受ける被洗浄物800の主面における素子とである。
振動子200の振動面200aの寸法は、例えば縦317mm、横317mmである。
発振器300から出力される電気信号の周波数は、例えば1820kHzである。
超音波の出力値は、例えば0W〜1200Wである。
洗浄液700は、例えば温度が摂氏25度の水である。
洗浄液700に溶解する気体410は、例えば濃度が0ppm〜20ppmの窒素である。
被洗浄物800は、例えば直径200mmのシリコンウェハである。
被洗浄物800から除去する対象物は、例えば粒径が200nm〜5000nmのシリコン粒子である。
被洗浄物800の主面における素子は、例えば材質が多結晶シリコンの配線パターンである。配線パターンの配線は、例えば幅50nm、高さ140nmを有し、各配線間の間隙幅は例えば50nmである。
次に超音波の出力範囲を算出する具体的な方法について説明する。
処理槽110は、洗浄液700を貯留し、被洗浄物800を収容する。この状態で超音波洗浄処理が5分間実行される。超音波洗浄処理については、図7を参照して詳細に後述する。超音波洗浄処理後、被洗浄物800は、処理槽110から引き上げられる。そして被洗浄物800に対して、イソプロピルアルコールを用いた置換雰囲気下または窒素雰囲気下での高速スピン回転による乾燥処理が実行される。
このとき超音波洗浄処理によって、下記に示す第1乃至第3の事項が発現する。
第1の事項
振動子200によって洗浄液700に対して超音波振動が照射されると、洗浄液700には、圧力の高い領域と、圧力の低い領域とが周期的に発生する。
第2の事項
洗浄液700において圧力の低い領域では、飽和蒸気圧の低い成分である窒素が容易に気泡群を形成する。気泡群とは、種々の径を持つ気泡によって構成される集団である。気泡群の中には、照射された超音波振動に共振するのに最適な径を持つ気泡(共振気泡)が存在する。
第3の事項
共振気泡が、超音波振動との共振によって運動エネルギーを得て、被洗浄物800の主面を摩擦しながら移動速度Vにて移動することによって、被洗浄物800の主面における粒子を除去する。この粒子とは、上述した被洗浄物800から除去する対象物である、粒径が200nm〜5000nmのシリコン粒子である。
なお参考文献1または参考文献2によると、共振気泡の移動速度の最大値Vは、(1)式で求められる。
Figure 0005525765
Figure 0005525765
Figure 0005525765
Figure 0005525765
Figure 0005525765
I:音響強度、k:波数、R:共振気泡の半径、P:実効音圧、f:周波数、ν:振動速度。
c:窒素を含む洗浄液700の平均音速
η:窒素を含む洗浄液700の平均粘度
ρ:窒素を含む洗浄液700の平均密度
K:窒素を含む洗浄液700の平均弾性率
式(1)乃至式(5)をまとめると式(6)が得られる。
Figure 0005525765
超音波の出力値が増大すると、振動速度ν が増大し、式(6)より移動速度Vも増大する。
なお参考文献3によると、η、ρ、Kは、窒素の体積分率ξ を用いて、式(7)乃至式(9)から求められる。
Figure 0005525765
Figure 0005525765
Figure 0005525765
ηH2O:洗浄液700(ここでは、上述した水である)の粘度 891μPa・S
ρH2O:洗浄液700(ここでは、上述した水である)の密度 10000kg/m
H2O:洗浄液700(ここでは、上述した水である)の弾性率 2GPa
ηN2:窒素の粘度 18μPa・S
ρN2:窒素の密度 1.25kg/m
N2:窒素の弾性率 141kPa
参考文献1 K.Yoshioka, Y. Kawashima, H. Hirano:Acustica, 5, 173 (1955)
参考文献2 阿座上瑞美, 菊池廣:表面技術, 47, 39 (1996)
参考文献3 実吉純一, 菊池善充, 熊本乙彦 監修:超音波技術便覧, 151 (1991)
また上述した第1乃至第3の事項によって図2に示すような、超音波洗浄のための所望の条件である超音波の出力値と、洗浄性能との関係が取得される。
図2に示す洗浄性能は、上述したように、超音波洗浄処理前、超音波洗浄処理後及び乾燥処理後に、被洗浄物800に残留している除去すべき対象物の粒子の数を測定することによって求められる。
即ち、超音波洗浄処理前に被洗浄物800に残留している対象物の粒子数をN0、超音波洗浄処理後及び乾燥処理後に被洗浄物800に残留している対象物の粒子数をNとすると、
洗浄性能(%)=100×(N0−N)/N
という式によって、洗浄性能は算出される。
なお被洗浄物800に残留している除去すべき対象物の粒子の数は、ウェハ表面検査装置(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、型式:LS−6000)を用いて散乱光を検出する方法によって測定される。
図2に示すように、超音波の出力値が増大すると、窒素の濃度がどんな値でも、洗浄性能は向上することがわかる。また各窒素の濃度において、超音波の出力値が一定の値を超えると、洗浄性能は飽和することがわかる。
そのため洗浄効果が発現する(洗浄性能>0%となる)ために必要な最低の超音波の出力値は、洗浄液700に溶解している窒素の濃度に依存することがわかる。さらに窒素の濃度が高い場合、超音波の出力値が小さくても洗浄効果が発現することがわかる。また、窒素の濃度が低い場合、超音波の出力値が大きくても洗浄効果が発現しにくいことがわかる。なお、窒素の濃度が0ppmである場合、超音波の出力値を大きくしても洗浄効果は全く発現しないこととなる。
つまり上述した図2と前述した第1乃至第3の事項と式(1)乃至式(9)とをまとめると、超音波の出力値が増大すると、前述した圧力の低い領域における圧力が著しく低下するため共振気泡の量が増大し、振動速度νが増大する。これにより移動速度Vも増大するため、洗浄性能が向上する。
また窒素の濃度が増大すれば、超音波の出力値が小さくても、共振気泡の量が増大するため、洗浄効果は発現する。また窒素の濃度が減少すれば、超音波の出力値が大きくても、共振気泡の量が減少するため、洗浄効果は発現しにくい。また、窒素の濃度が0ppmである場合、超音波の出力値が増大しても、気泡群自体が発生しないため、洗浄効果が全く発現しないこととなる。
また上述した第1乃至第3の事項によって、図2と共に、図3に示すような、測定センサ540によって測定された窒素の濃度と、洗浄性能との関係が取得される。なお図3に示す洗浄性能は、図2と同様の手法によって求められる。
図3に示すように、各超音波の出力値において、窒素の濃度が増大すると、洗浄性能は向上することがわかる。しかし各超音波の出力値において、窒素の濃度がある一定の値を超えると、洗浄性能は低下することがわかる。
そのため洗浄効果が発現する(洗浄性能>0%となる)ために必要な最低の窒素の濃度は、超音波の出力値に依存することがわかる。さらに図3に示すように超音波の出力値が300Wでは濃度12ppm以上の窒素、超音波の出力値が600Wでは10ppm以上の窒素、超音波の出力値が1200Wでは8ppm以上の窒素が必要であることがわかる。また図3に示すように、超音波の出力値が小さいほど、過剰な窒素の濃度によって洗浄性能の低下が顕著であることがわかる。
ここで図3において過剰な窒素の濃度による洗浄性能の低下について、前述した第1乃至第3の事項と式(6),(7),(9)とを用いて説明する。
前述した第1乃至第3の事項において、洗浄液700に溶解している窒素の濃度が過剰になると、窒素の体積分率ξ が増大する。これにより式(7)乃至式(9)より平均粘度ηと平均密度ρとが減少し、平均弾性率Kが著しく減少する。結果として、式(6)より移動速度Vが減少するため、洗浄性能は低下する。
また上述した第1乃至第3の事項によって、図2と図3と共に、図4に示すような、超音波洗浄のための所望の条件である超音波の出力値と、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数との関係が取得される。
図4において、窒素の濃度は、例えば12ppmである。超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数は、超音波洗浄処理後及び乾燥処理後に、欠陥検査装置(KLA−Tencor製,型式:ILM−2350)及び欠陥レビューSEM装置(日本電子株式会社製,型式:JWS−7555S)を用いて、測定される。図4に示すように、超音波の出力値がある一定の値を超えると、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子が発生し、超音波の出力値の増大とともに、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数は増加することがわかる。
また上述した第1乃至第3の事項によって、図2乃至図4と共に、図5に示すような、窒素の濃度と、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数との関係が取得される。
図5において、超音波の出力値は、例えば1200Wである。超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数は、図4と同様の手法によって測定される。
また超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子は、下記に示す第4乃至第6の事項によってよって発現する。
第4の事項
振動子200によって洗浄液700に対して超音波振動が照射されると、洗浄液700の中には、圧力の高い領域と、圧力の低い領域とが周期的に発生する。
第5の事項
急激な圧力の変化に伴い、洗浄液700の慣性力が発生する。慣性力は、式(5)で示される実効音圧Pに比例する。
第6の事項
前述した慣性力が、被洗浄物800の主面に配置する素子に作用し、素子が倒壊する。このように被洗浄物800の主面における素子は、超音波洗浄によってダメージを受ける。
このように第4乃至第6の事項と図5に示すように、窒素の濃度が増大すると、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数は減少することがわかる。窒素の濃度が例えば20ppmの場合、超音波の出力値が例えば1200Wと大きくても、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数はほぼ0となることがわかる。逆に、窒素の濃度が例えば0ppmに近づくにつれて、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数は著しく増大することがわかる。
ここで図5において過剰な窒素の濃度による超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数の低下について、前述した第4乃至第6の事項と式(4),(5),(8),(9)とを用いて説明する。
前述した第4乃至第6の事項によると、超音波の出力値が増大すると、式(5)における振動速度νが増大し、前述した慣性力が増大するため、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数が増大する。また窒素の濃度が増大すれば、窒素の体積分率ξ が増大し、式(4)と式(8)と式(9)とにより平均音速cと平均密度ρともに減少し、式(5)より実効音圧Pが減少し、前述した慣性力が減少する。これにより超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数が減少する。
また図2乃至図5をまとめると、図6に示すような窒素の濃度と超音波の出力値と最適な超音波の出力範囲との関係が算出される。
図6において実線で示す曲線は、図2及び図3から求められる、80%以上の洗浄性能を得る超音波の出力値の最小値を示す。また破線は、図4及び図5から求められる、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子が発生する際の超音波の出力値の最小値を示す。網掛けで示した領域αは、最適な超音波の出力範囲となる。この最適な超音波の出力範囲とは、超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子が発生せず、且つ80%以上の洗浄性能を得る超音波の出力範囲である。
例えば気体濃度測定部500によって測定され、洗浄液700に溶解している気体410である窒素の濃度が15ppmである場合、最適な超音波の出力範囲を基に、最適な超音波の出力範囲は、900W〜1200Wである。よって、制御部600は、超音波の出力値が900W〜1200Wになるように、発振器300を制御する。
図6に示す、窒素の濃度と超音波の出力値と最適な超音波の出力範囲との関係は、上述したように、被洗浄物800の形状と種類と、超音波洗浄処理によって被洗浄物800から除去する対象物の種類と、超音波洗浄によってダメージを受ける被洗浄物800の主面における素子と共に、記録装置630(データベース)に格納される。
次に図7を参照して本実施形態における超音波洗浄装置1の動作について説明する。
伝播液準備機構150は伝播液130の供給を開始し、伝播液130が伝播槽140に貯留する(Step1)。より詳細には、タンク151に一時的に貯留されている伝播液130は、伝播液130に溶解された気体を溶解気体除去機構152によって除去され、供給配管141を経由して伝播槽140へ供給される。さらに伝播液130は、伝播槽140から排液配管142を経由して排出される。
なお伝播液130の供給は、被洗浄物800が処理槽110に収容される前から、被洗浄物800に対する超音波洗浄処理が完了するまで、常時継続される。
被洗浄物800は、処理槽110に収容される(Step2)。
洗浄液準備機構120は、気体溶解部400に対して、洗浄液700の供給を開始する(Step3)。より詳細には、タンク121に一時的に貯留されている洗浄液700は、温調機122によって温度を調整され、ポンプ123によって所望の速度の流速となるように流速を制御される。そして洗浄液700は、ポンプ123によって供給配管124を経由して気体溶解部400へ供給される。
なお洗浄液700の供給は、被洗浄物800に対する超音波洗浄処理が完了するまで、常時継続される。
気体溶解部400は、洗浄液700から洗浄液700に溶解された気体を除去し、洗浄液700に対して気体410を供給し、気体410が供給された洗浄液700を処理槽110及び気体濃度測定部500へ供給する(Step4)。より詳細には、気体溶解部400において、洗浄液700は、洗浄液700に溶解された気体を溶解気体除去機構440によって除去され、気体供給配管430を経由して気体供給部420によって気体410を供給される。この後、洗浄液700は、供給配管111に流れる。
なお気体の除去と気体410の供給と洗浄液700の供給とは、被洗浄物800に対する超音波洗浄処理が完了するまで、常時継続される。
気体濃度測定部500は、洗浄液700に溶解している気体410の濃度を測定し、測定によって得られた濃度情報を制御部600へ出力する(Step5)。
より詳細には、供給配管111に流れた洗浄液700の一部は、分岐配管510を経由して、測定槽520に貯留される。そして測定槽520に貯留された洗浄液700はヒータ530によって加熱され、洗浄液700に溶解している気体410の濃度が測定センサ540によって測定される。気体410の濃度情報は、測定センサ540から信号入力線610を通じて制御部600に入力される。測定された洗浄液700は、分岐配管510を経由して、再び供給配管111に流れる。
なお濃度の測定と制御部600への濃度情報の入力とは、被洗浄物800に対する超音波洗浄処理が完了するまで、常時継続される。
洗浄液準備機構120は、処理槽110にて洗浄液700がオーバーフローするまで、洗浄液700を処理槽110に供給する(Step6)。これにより被洗浄物800は、洗浄液700中に浸漬された状態となる。そして洗浄液700は、処理槽110をオーバーフローした後、外槽112にて一時的に貯留され、排液配管113を経由して、排出される。
制御部600は、データベースに基づいて、図2乃至図6にて示した最適な超音波の出力範囲を算出する。そして制御部600は、気体410の濃度情報と、超音波の出力範囲との関係に基づいて、発振器300が振動子200へ付与する超音波の出力値を制御し、発振器300が振動子200に付与する電気信号を制御する(Step7)。
具体的には、制御部600は、算出された超音波の出力範囲に基づいて、気体濃度測定部500から出力された濃度情報に対応する超音波の出力値にて、超音波振動させるように発振器300を制御する。このように制御部600は、超音波の出力範囲に基づいて、洗浄液700に溶解している気体410の濃度と、発振器300から振動子200へ付与される超音波の出力値とを対応させる。
最適な超音波の出力範囲の算出と、気体410の濃度に対応する振動子200へ付与する超音波の出力値の制御とは、Step5に同期して常時継続される。
なおデータベースについては、図2乃至図6を参照して上述しているために詳細な説明は省略する。
またここでStep7におけるデータベースに基づく超音波の出力範囲の算出について説明する。
例1:窒素の濃度が15ppmである場合。
この場合、図6に示すように、最適な超音波の出力範囲は、900W〜1200Wである。よって、制御部600は、超音波の出力値が900W〜1200Wになるように、発振器300を制御する。
例2:窒素の濃度が8ppmである場合。
この場合、図6に示すように、最適な超音波の出力範囲は存在しない。よって、制御部600は、被洗浄物800に対するダメージ(超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数)を抑制すべく、超音波の出力値が0Wになるように、発振器300を制御し、超音波洗浄作用を減退させる。次に、表示部660は、窒素の濃度が異常である旨のアラームを表示するとともに、記録装置630はアラームの発生履歴を記録する。
このように制御部600は、気体410の濃度の値が所望する値以下である場合、発振器300から振動子200へ付与する超音波の出力値が所望する値以下になるように発振器300を制御する。これにより制御部600は、超音波洗浄処理作用を減退させる。
発振器300は、制御部600によって制御され、振動子200に付与する電気信号を信号出力線320を通じて振動子200に伝達し、振動子200を超音波振動させる(Step8)。振動子200の超音波振動と同時に、被洗浄物800は超音波洗浄処理される。
発振器300は、振動子200の超音波振動を停止させる(Step9)。停止後、洗浄液準備機構120は、洗浄液700を一定時間継続して処理槽110に供給する。超音波洗浄処理によって被洗浄物800から除去された対象物は、処理槽110からオーバーフローする洗浄液700とともに、外槽112へ流れ、排液配管113を経由して、排出される。
被洗浄物800は、処理槽110から引き上げられ、図示しない乾燥装置へ搬送される(Step10)。なお洗浄液700が薬液である場合、被洗浄物800は、リンス処理を経て、乾燥装置へ搬送される。
これにより動作が終了する。
このように本実施形態では、データベースに基づいて超音波の出力範囲を算出し、算出した超音波の出力範囲に基づいて、洗浄液700に溶解している気体410の濃度に対応する超音波の出力値にて、超音波振動させるように発振器300を制御する。
これにより本実施形態では、危険性や有害性を有する化学物質または高圧環境を準備することなく、洗浄液700に均一に気体410を存在させるための時間を必要とせず、被洗浄物800に対するダメージ(超音波洗浄によってダメージを受けた被洗浄物800の主面における素子の数)を所望する値以下に抑え、かつ所望な洗浄性能を発揮することができる。
また本実施形態では、処理槽110において、洗浄液700に浸漬された状態の被洗浄物800を超音波洗浄するために、被洗浄物800の面をもらすことなく正確且つ精緻に超音波洗浄することができる。
次に本発明に係わる第2の実施の形態について図8と図9とを参照して説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
本実施形態では、被洗浄物800に対して洗浄液を吐出しながら被洗浄物800を超音波洗浄する枚葉式洗浄が用いられる。
この枚葉式洗浄によって超音波洗浄される被洗浄物800には、例えば半導体集積装置用基板、表示装置用ガラス基板、フォトマスク用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、フィルム基板等の基板が好適である。
超音波洗浄装置1は、洗浄処理部100と、発振器300と、気体溶解部400と、気体濃度測定部500と、制御部600とを有している。
洗浄処理部100は、洗浄液700を準備する洗浄液準備機構120と、被洗浄物800を保持する保持機構170と、保持機構170を回転させることによって被洗浄物800を回転する回転機構180と、洗浄液準備機構120によって準備され、発振器300によって超音波振動を伝播された超音波振動を伝播された洗浄液700を、被洗浄物800の主面に向けて吐出する吐出部であるノズル190とを有している。
保持機構170は、複数のチャックピン171と、スピンベース172とを有している。チャックピン171は、基板などの平板形状の被洗浄物800を保持する。そのためチャックピン171は、スピンベース172の上面の周縁部に沿って、少なくとも3本以上配設されている。スピンベース172は、チャックピン171を保持し、回転機構180によって回転する保持回転部である。
回転機構180は、スピンベース172の下面側に配設されている。回転機構180は、回転軸181と、モータ182とを有している。回転軸181の上端は、スピンベース172の下面の中央部に固定されている。回転軸181の下端は、モータ182に連結している。モータ182が駆動すると、回転軸181が回転する。これによってスピンベース172が回転し、チャックピン171によって保持されている被洗浄物800はスピンベース172と一体的に水平回転する。
ノズル190は、チャックピン171に保持される被洗浄物800の主面に対向するように、保持機構170の上方に配設されている。ノズル190は、供給配管111と連結し洗浄液700を被洗浄物800に供給する供給配管191と、供給配管191に配設され、供給配管191における洗浄液700に対して超音波振動を照射する振動子192とを有している。
供給配管191の出口であるノズル190の吐出口190aは、スピンベース172の上面に対向する。ノズル190内において、供給配管111との連結部分である供給配管191の入口190bと、供給配管191の出口との間には、開口部190cが配設されている。この開口部190cには、振動子192の振動面192aが取り付けられている。振動子192は、発振器300に接続される。
次に図9を参照して本実施形態の超音波洗浄装置1の動作について説明する。
なお本実施形態では、洗浄液700は、洗浄液準備機構120と、気体溶解部400と、供給配管111と、入口190bとを経由し、振動子192の振動面192aから超音波振動を照射されて、吐出口190aに到達し、保持機構170によって保持されている被洗浄物800の主面に向けて吐出口190aから吐出される。
超音波洗浄装置1の動作において、Step3乃至Step5の動作とStep7の動作とが順次行われる。
被洗浄物800は、チャックピン171によって保持される(Step31)。
モータ182は、駆動し、回転軸181とスピンベース172とを通じて、被洗浄物800を水平回転させる(Step32)。Step32は、被洗浄物800に対する超音波洗浄処理が完了するまで、常時継続される。
発振器300は、振動子192を超音波振動させる(Step33)。これにより振動子192は、洗浄液700に超音波振動を照射する。
ノズル190は、被洗浄物800の主面に向けて、洗浄液700を吐出する(Step34)。このとき被洗浄物800は、モータ182によって水平回転しながら、超音波振動を照射された洗浄液700によって超音波洗浄処理される。
ノズル190は洗浄液700の吐出を停止し、発振器300は、振動子192の超音波振動を停止させる。この後、モータ182は、一定時間継続して、被洗浄物800を水平回転させる(Step35)。
なお洗浄液700が薬液である場合、ノズル190がリンス処理された水を被洗浄物800の主面に向けて吐出した後に、モータ182は、一定時間継続して、被洗浄物800を水平回転させる。
超音波洗浄処理によって被洗浄物800から除去された対象物は、被洗浄物800の水平回転によって遠心方向(被洗浄物800の中心から外形に向う方向)に流れる洗浄液とともに排出される(Step36)。
モータ182は、停止し、被洗浄物800の水平回転を停止させる(Step37)。
被洗浄物800は、スピンベース172から引き上げられ、次工程へ搬送される(Step38)。
このように本実施形態では、保持機構170によって被洗浄物800を保持し、回転機構180によって保持機構170を回転させることで被洗浄物800を回転し、超音波振動を照射された洗浄液700を被洗浄物800にむけて吐出しても、上述した第1の実施形態と同様の効果をえることができる。
また本実施形態では、伝播液準備機構150と振動子200とが不要であるために、超音波洗浄装置1全体をコンパクト且つ安価にすることができる。
また本実施形態では、被洗浄物800が基板の場合に、特に有効である。
なお上述した第1,2の実施形態において、超音波洗浄装置1は、半導体集積装置用基板、表示装置用ガラス基板、フォトマスク用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、フィルム基板、機械部品等に対して、超音波振動を照射した水や薬液を用いて超音波洗浄処理を行う。
なお上述した第1,2の実施形態において、半導体集積装置の製造方法は、半導体集積装置の製造工程の少なくとも1つにおいて、超音波洗浄装置1を用いて被洗浄物800を洗浄処理する。
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
1…超音波洗浄装置、100…洗浄処理部、110…処理槽、111…供給配管、112…外槽、113…排液配管、120…洗浄液準備機構、121…タンク、122…温調機、123…ポンプ、124…供給配管、130…伝播液、140…伝播槽、141…供給配管、142…排液配管、150…伝播液準備機構、151…タンク、152…溶解気体除去機構、170…保持機構、171…チャックピン、172…スピンベース、180…回転機構、181…回転軸、182…モータ、190…ノズル、191…供給配管、192…振動子、192a…振動面、200…振動子、300…発振器、320…信号出力線、400…気体溶解部、410…気体、420…気体供給部、430…気体供給配管、440…溶解気体除去機構、500…気体濃度測定部、510…分岐配管、520…測定槽、530…ヒータ、540…測定センサ、600…制御部、610…信号入力線、620…信号出力線、630…記録装置、640…中央演算処理装置、650…操作部、660…表示部、700…洗浄液、800…被洗浄物。

Claims (7)

  1. 洗浄液を用いて被洗浄物を超音波洗浄処理する洗浄処理部と、
    前記洗浄液に対して超音波振動を照射する振動子と、
    前記振動子を圧電効果によって超音波振動させるために、所望の周波数で、且つ所望の振幅の電気信号を前記振動子に付与する発振器と、
    前記洗浄液中に所望の気体を溶解する気体溶解部と、
    前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度を測定する気体濃度測定部と、
    超音波洗浄のための所望の条件と、前記被洗浄物に残留している除去すべき対象物の粒子の数に基づく洗浄性能との関係と、超音波洗浄のための前記所望の条件と、超音波洗浄によってダメージを受けた前記被洗浄物の主面における素子の数を示す前記被洗浄物に対するダメージとの関係とを格納するデータベースを有し、前記データベースに基づいて、前記被洗浄物に対するダメージを所望する値以下に抑制しつつ所望する洗浄性能を発揮するための超音波の出力範囲を算出する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、前記気体濃度測定部で測定された前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度と、前記超音波の出力範囲との関係に基づいて、前記発振器が前記振動子へ付与する超音波の出力値を、前記超音波の出力範囲内で駆動するように制御し、前記発振器が前記振動子に付与する電気信号を制御することを特徴とする超音波洗浄装置。
  2. 前記洗浄処理部は、
    前記被洗浄物を収容して前記洗浄液を貯留する処理槽と、
    前記処理槽が貯留する前記洗浄液を準備する洗浄液準備機構と、
    前記処理槽に貯留された前記洗浄液に対して前記振動子によって照射される超音波振動を伝播する伝播液を貯留する伝播槽と、
    前記伝播槽が貯留する前記伝播液を準備する伝播液準備機構と
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の超音波洗浄装置。
  3. 前記洗浄処理部は、
    前記洗浄液を準備する洗浄液準備機構と、
    前記被洗浄物を保持する保持機構と、
    前記保持機構を回転させることによって前記被洗浄物を回転する回転機構と、
    前記洗浄液準備機構によって準備され、前記発振器によって超音波振動を伝播された前記洗浄液を、前記被洗浄物の主面に向けて吐出する吐出部と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の超音波洗浄装置。
  4. 前記制御部は、前記被洗浄物を超音波洗浄処理する工程において、前記気体濃度測定部で測定された前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度と、前記超音波の出力範囲との関係に基づいて、前記発振器が前記振動子へ付与する超音波の出力値を制御し、前記発振器が前記振動子に付与する電気信号を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  5. 前記制御部は、前記被洗浄物を超音波洗浄処理する工程において、前記処理槽に前記被洗浄物を収容して前記洗浄液中に前記気体を溶解した後、前記気体濃度測定部で測定された前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度と、前記超音波の出力範囲との関係に基づいて、前記発振器が前記振動子へ付与する超音波の出力値を制御し、前記発振器が前記振動子に付与する電気信号を制御することを特徴とする請求項2に記載の超音波洗浄装置。
  6. 前記制御部は、前記気体濃度測定部で測定された前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度に対応する前記超音波の出力範囲が前記データベースに存在しないとき、前記超音波の出力値を低下させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  7. 被洗浄物を超音波洗浄処理する洗浄処理部を少なくとも備えた請求項1に記載の超音波洗浄装置で実施される超音波洗浄処理方法において、
    洗浄液に所望の気体を溶解し、
    前記洗浄液に溶解している前記気体の濃度を測定し、
    前記測定された前記気体の濃度に応じて超音波の出力値を算出し、前記洗浄液に供給される前記超音波が前記算出した出力値となるように、前記洗浄液に超音波振動を照射する振動子に接続された発振器を制御することを特徴とする超音波洗浄処理方法。
JP2009142367A 2009-06-15 2009-06-15 超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法 Active JP5525765B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009142367A JP5525765B2 (ja) 2009-06-15 2009-06-15 超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009142367A JP5525765B2 (ja) 2009-06-15 2009-06-15 超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010287841A JP2010287841A (ja) 2010-12-24
JP5525765B2 true JP5525765B2 (ja) 2014-06-18

Family

ID=43543296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009142367A Active JP5525765B2 (ja) 2009-06-15 2009-06-15 超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5525765B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11752529B2 (en) 2015-05-15 2023-09-12 Acm Research (Shanghai) Inc. Method for cleaning semiconductor wafers
JP6592303B2 (ja) 2015-08-14 2019-10-16 株式会社Screenホールディングス 基板洗浄方法および基板洗浄装置
KR102517666B1 (ko) * 2017-11-15 2023-04-05 에이씨엠 리서치 (상하이), 인코포레이티드 반도체 웨이퍼를 세정하는 시스템
CN108012438B (zh) * 2017-11-24 2019-09-24 江门市奔力达电路有限公司 一种pcb板油墨清洗工艺
CN110769613A (zh) * 2019-11-08 2020-02-07 深圳天安骏业投资发展(集团)有限公司 一种pcba超声波清洗系统及其清洗方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007173677A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置
JP2009054919A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010287841A (ja) 2010-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5525765B2 (ja) 超音波洗浄装置及び超音波洗浄処理方法
JP4532580B2 (ja) 超音波洗浄装置
JP5019370B2 (ja) 基板の洗浄方法および洗浄装置
JP2012081430A (ja) 超音波洗浄装置
JP4934739B2 (ja) 超音波洗浄装置及び超音波洗浄方法
TW200804008A (en) Method and apparatus for cleaning substrate, and program recording medium
JP5891085B2 (ja) 基板処理装置および基板処理方法
US20070084481A1 (en) System and method of cleaning substrates using a subambient process solution
JP2007059868A (ja) 基板処理装置
JP2007173677A (ja) 基板処理装置
JP4800146B2 (ja) 超音波洗浄装置
JP2008288541A (ja) 枚葉式洗浄装置
JP4815000B2 (ja) 超音波洗浄装置
JP3997150B2 (ja) 基板製造装置および製造方法
JP4638338B2 (ja) 石英ガラス治具又は部材の洗浄方法及び超音波洗浄装置
JP2011183300A (ja) 超音波洗浄装置
JP2009032710A (ja) 基板処理装置
JP2014067864A (ja) 基板洗浄装置及び基板洗浄方法
WO2008050832A1 (fr) Appareil et procédé de nettoyage de substrat, programme et support d'enregistrement
JP4957277B2 (ja) 洗浄装置および洗浄方法
JP2008244271A (ja) 基板処理装置
JP4007742B2 (ja) 超音波洗浄方法
JP2000262989A (ja) 基板洗浄装置
JP2000354835A (ja) 超音波洗浄処理方法及びその装置
JP2015126167A (ja) 基板洗浄装置および基板洗浄方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140129

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20140311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5525765

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250