JP5525389B2 - 車両用灯具及びその回転シェード - Google Patents
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Description
また、シェードが小径部、大径部及び円錐部からなり、カットオフラインの形状は小径部、大径部及び円錐部の上側の接平面に応じた形状となるから、カットオフラインの位置を変化させることができたものとして、カットオフラインの基本的な形状は変化させることができない。例えば、対向車がいない場合、光軸を通る鉛直面よりも右側の照射範囲(明部)を、光軸を通る水平面よりも上に大きく広げつつ、光軸を通る鉛直面よりも左側の照射範囲を、光軸を通る水平面よりも下のみにすることはできない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、斜めカットオフラインが形成される位置を固定するとともに、上下方向の照射範囲を左右非対称にできるようにし、更に左側又は右側の照射範囲を左右に移動できるようにすることである。
また、大径部は軸線方向一の側に端面を有するから、端面よりも軸線方向一の側では光が遮光されず、端面よりも軸線方向他の側では光が遮光される。そのため、光軸よりも軸線方向一の側では、光軸を通る水平面よりも上が明部とならず、光軸よりも軸線方向他の側では、光軸を通る水平面よりも上が明部となる。したがって、照射範囲が、軸線方向一の側と他の側とでは非対称になる。
また、回転シェードが軸線方向に移動可能であるから、端面の軸線方向の位置が変化し、光軸を通る水平面よりも上の明部と暗部の境界線が軸線方向に移動する。そのような明暗境界線の移動が、回転シェードの回転ではなく、回転シェードの直動によってもたらされるから、遮光される光を最小限に抑えることができる。そのような明暗境界線の移動が、投影レンズやリフレクタの動きではなく、回転シェードの動きによって実現されたので、光軸が左右に振れない。そのため、運転手は前方の見え方の変化に違和感を覚えない。
また、第一円柱面と第二円柱面の段差が螺旋面であるから、回転シェードが軸線方向に移動するものとしても、その螺旋面のうち第二円柱面の水平な接平面よりも上に突き出た部分の位置は変わらない。そのため、斜めカットオフラインの位置が変わらず、対向車の運転手が眩惑しないようにすることができる。
回転シェード50の回転軸52,53がそれぞれ軸受32,33に挿入されて、回転シェード50が軸受32,33によって支持されている。回転軸52,53のラジアル荷重が軸受32,33に受けられ、回転軸52,53が軸受32,33に対して軸方向(軸線51の方向)にスライドするとともに、軸線51を中心にした周方向に回転する。これら軸受32,33は、それぞれ固定部材34,35によって枠体21の後ろ側に固定されている。軸受32が開口22の左脇に配置され、軸受33が開口22の右脇に配置されている。回転軸52が左側に配置され、回転軸53が右側に配置され、回転シェード50が開口22の下部を左右に横切っている。回転シェード50は、投影レンズ6の後ろ側焦点F3の近傍で左右に延在しており、回転シェード50の軸線51は、水平になっている。
また、この車両用灯具1は不図示の他車検出センサ及び配光選択スイッチ等を備える。他車検出センサは、電子カメラ及び画像処理回路等を有し、車両の前方にある他車(対向車や先行車)の位置を検出するものである。配光選択スイッチは、ハンドル近傍に設けられている。
この車両用灯具1では、直動駆動部60によって回転シェード50が左右に直動されたり、回転駆動部70によって回転シェード50が回転されたりする。回転シェード50の左右方向の位置や回転位置が変化することによって、配光パターン(照射範囲)が変化する。以下、図14〜図18を参照して、回転シェード50の位置と配光パターンとの関係について具体的に説明する。ここで、図14〜図18のうち(a)図は、回転シェード50が特定の位置にある場合に回転シェード50を正面から見て示した図面である。(b)図は、回転シェード50が(a)図に示す位置にある場合に、車両用灯具1から前方に所定距離離れた仮想スクリーンに形成される配光パターンを示した等照度線図である。図14〜図18の(b)図において、横軸は、基準水平面Hと基準鉛直面Vと仮想スクリーンの交点をゼロ°として左右の角度を表し、縦軸は、基準水平面Hと基準鉛直面Vと仮想スクリーンの交点をゼロ°として上下の角度を表す。
運転手が配光選択スイッチを操作して、ロービームを選択すると、その旨を表す信号がスイッチから制御部90に出力される。そうすると、直動駆動部60のモータ61と回転駆動部70のモータ71が制御部90によって駆動されるとともに、同調制御される。
運転手が配光選択スイッチを操作して、ハイビームを選択すると、その旨を表す信号がスイッチから制御部90に出力される。そうすると、直動駆動部60のモータ61と回転駆動部70のモータ71が制御部90によって駆動されるとともに、同調制御される。
運転手が配光選択スイッチを操作して、ADBを選択すると、その旨を表す信号がスイッチから制御部90に出力される。そうすると、直動駆動部60のモータ61と回転駆動部70のモータ71が制御部90によって駆動されるとともに、同調制御される。
本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、幾つかの変形例を挙げる。以下に挙げる変形例は、可能な限り組み合わせてもよい。
上記車両用灯具1は左側通行用の右の前照灯であるが、右側通行用の左の前照灯やその回転シェードは、この車両用灯具1や回転シェード50を左右に反転させたものである。つまり、車両用灯具1や回転シェード50の鏡像体が、右側通行用の左の前照灯やその回転シェードである。
回転シェード50が、単一の駆動源によって軸線51の方向に移動するとともに、周方向に回転するものとしてもよい。この場合、カム、歯車列等の各種伝動機構によって単一の駆動源の動力を直動成分と回転成分に分解し、直動成分が回転シェード50に伝達することで回転シェード50が軸線51の方向に移動し、回転成分が回転シェード50に伝達することで回転シェード50が周方向に回転する。もちろん、回転成分の速度と、直動成分の速度は、螺旋面59aの螺旋形状に応じたものであり、螺旋面59aのうち第二円柱面56aの水平な接平面よりも上に突き出た部分は左右に移動しない。
螺旋面59aが右ねじの螺旋面であってもよい。その場合でも、傾斜面59bは、螺旋面59aの右縁に連なる。
2 リフレクタ
3 反射面
5 バルブ
6 投影レンズ
20 遮光装置
32,33 軸受
50 回転シェード
51 軸線
52,53 回転軸
54 第一扇形柱部
54a 第三円柱面
54d,54e,56d 平坦面
55 大径部
55a 第一円柱面
55d 段差面
55g 端面
56 小径部
56a 第二円柱面
56d 平坦面
57 第二扇形柱部
57a 第四円柱面
58 第三扇形柱部
59 段差部
59a 螺旋面
59b 傾斜面
60 直動駆動部
70 回転駆動部
Claims (15)
- 軸線方向に移動可能に設けられるとともに、前記軸線の回りの周方向に回転可能に設けられる回転シェードであって、
前記軸線の回りに形成された第一円柱面を有し、前記軸線方向一の側に端面を有する大径部と、
前記第一円柱面が占める周方向の範囲と同じ範囲で前記軸線の回りに形成されるとともに前記第一円柱面の半径よりも小さい半径となる第二円柱面を有し、前記大径部における軸線方向他の側に連なる小径部と、
前記第一円柱面と前記第二円柱面の境界となる段差部と、を備え、
前記段差部が、前記第一円柱面と前記第二円柱面を繋ぐとともに前記軸線の回りに形成された螺旋面を有することを特徴とする車両用灯具の回転シェード。 - 前記端面が前記軸線に対して垂直であることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の回転シェード。
- 前記軸線の回りに形成された第三円柱面を有し、前記軸線に直交する断面が扇形状であり、前記大径部における軸線方向一の側に連なる扇形柱部を更に備え、
前記第三円柱面が占める周方向の範囲が、前記第一円柱面及び前記第二円柱面が占める周方向の範囲内に含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具の回転シェード。 - 前記段差部が、前記螺旋面における前記軸線方向他の側に連なり、前記第一円柱面と前記第二円柱面を繋ぎ、前記第一円柱面から前記第二円柱面にむけて下りに傾斜した傾斜面を更に有し、
前記第三円柱面が占める周方向の範囲が、前記傾斜面が占める周方向の範囲内に含まれることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具の回転シェード。 - 前記傾斜面が、前記第一円柱面から前記第二円柱面にむけて縮径するよう前記軸線の回りに形成された円錐面であることを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具の回転シェード。
- 前記第三円柱面の半径が、前記第一円柱面の半径よりも小さく、
前記大径部が、前記第一円柱面と前記第三円柱面を繋ぐとともに前記第一円柱面から前記第三円柱面にむけて下りに傾斜した段差面を有することを特徴とする請求項3から5の何れか一項に記載の車両用灯具の回転シェード。 - 前記第一円柱面及び前記第二円柱面が占める周方向の範囲が、180°であり、
前記小径部が、前記第二円柱面の周方向一の側の縁と他の側の縁とを繋いで前記軸線を通る平坦面を有し、
前記扇形柱部の扇形断面の中心角を挟む二面のうち一方が、前記平坦面と面一に設けられていることを特徴とする請求項3から6の何れか一項に記載の車両用灯具の回転シェード。 - 光源と、
前記光源からの光を前方に反射させるリフレクタと、
前記リフレクタからの反射光を前方に投影する投影レンズと、
前記投影レンズの後ろ側焦点の近傍で左右に延在し、左右の軸線方向に移動可能に設けられるとともに、前記軸線の回りの周方向に回転可能に設けられる回転シェードと、を備え、
前記回転シェードが、
前記軸線の回りに形成された第一円柱面を有し、前記軸線方向一の側に端面を有する大径部と、
前記第一円柱面が占める周方向の範囲と同じ範囲で前記軸線の回りに形成されるとともに前記第一円柱面の半径よりも小さい半径となる第二円柱面を有し、前記大径部における軸線方向他の側に連なる小径部と、
前記第一円柱面と前記第二円柱面の境界となる段差部と、を備え、
前記段差部が、前記第一円柱面と前記第二円柱面を繋ぐとともに前記軸線の回りに形成された螺旋面を有することを特徴とする車両用灯具。 - 前記端面が前記軸線に対して垂直であることを特徴とする請求項8に記載の車両用灯具。
- 前記軸線の回りに形成された第三円柱面を有し、前記軸線に直交する断面が扇形状であり、前記大径部における軸線方向一の側に連なる扇形柱部を更に備え、
前記第三円柱面が占める周方向の範囲が、前記第一円柱面及び前記第二円柱面が占める周方向の範囲内に含まれることを特徴とすることを特徴とする請求項8又は9に記載の車両用灯具。 - 前記段差部が、前記螺旋面における前記軸線方向他の側に連なり、前記第一円柱面と前記第二円柱面を繋ぎ、前記第一円柱面から前記第二円柱面にむけて下りに傾斜した傾斜面を更に有し、
前記第三円柱面が占める周方向の範囲が、前記傾斜面が占める周方向の範囲内に含まれることを特徴とする請求項10に記載の車両用灯具。 - 前記傾斜面が、前記第一円柱面から前記第二円柱面にむけて縮径するよう前記軸線の回りに形成された円錐面であることを特徴とする請求項11に記載の車両用灯具。
- 前記第三円柱面の半径が、前記第一円柱面の半径よりも小さく、
前記大径部が、前記第一円柱面と前記第三円柱面を繋ぐとともに前記第一円柱面から前記第三円柱面にむけて下りに傾斜した段差面を有することを特徴とする請求項10から12の何れか一項に記載の車両用灯具。 - 前記第一円柱面及び前記第二円柱面が占める周方向の範囲が、180°であり、
前記小径部が、前記第二円柱面の周方向他の側の縁と一の側の縁とを繋いで前記軸線を通る平坦面を有し、
前記扇形柱部の扇形断面の中心角を挟む二面のうち一方が、前記平坦面と面一に設けられていることを特徴とする請求項10から13の何れか一項に記載の車両用灯具。 - 前記回転シェードを前記軸線方向に移動させる直動駆動部と、
前記回転シェードを前記軸線の回りの周方向に回転させる回転駆動部と、を更に備えることを特徴とする請求項8から14の何れか一項に記載の車両用灯具。
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