JP5522326B1 - 高炉操業方法及び管束型ランス - Google Patents

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Abstract

【課題】ランスの外径を大きくすることなく、冷却能の向上と燃焼性の向上を両立させること、及び還元材原単位の低減に対して有効な高炉の操業方法及びこの方法の実施に際して用いる管束型ランスを提供すること。
【解決手段】少なくとも固体還元材をランスを使って羽口から炉内に吹き込む高炉操業方法において、高炉の炉内に固体還元材のみ、固体還元材と支燃性ガスとの2種を同時に、または、固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材との3種を同時に吹き込む際に、並列させた複数の吹き込み管を束ねてこれをランス本管内に収容してなる管束型ランスを用いて、該固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材をいずれかの前記吹き込み管を通じて吹き込む高炉操業方法および管束型ランス。
【選択図】図12

Description

本発明は、高炉の羽口から炉内に、支燃性ガスと共に、微粉炭などの固体還元材や、LNG(Liquefied Natural Gas)などの気体還元材を吹き込んで燃焼温度を上昇させることにより、生産性の向上や還元材原単位の低減を図る上で有効な高炉の操業方法及びこの方法の実施に際して用いられる管束型ランスに関するものである。
近年、炭酸ガス排出量の増加による地球温暖化が問題となっており、このことは製鉄業においても大きな課題となっている。この課題に対し、最近の高炉では、低還元材比(Reduction Agent Ratio、銑鉄1t当たりの羽口からの吹き込まれる還元材量と炉頂から装入されるコークス量との合計量)操業が推進されている。高炉は、主にコークス及び微粉炭を還元材として使用している。従って、低還元材比操業、ひいては炭酸ガス排出量の抑制を達成するためには、コークスなどを廃プラ、LNG、重油等の水素含有率の高い還元材で置換する方法などが有効である。
下記特許文献1は、複数のランスを用いて、固体還元材、気体還元材および支燃性ガスを別々のランスから吹き込むことで、固体還元材の昇温を促進して燃焼効率を向上させ、ひていは未燃粉やコークス粉の発生を抑制して、通気の改善を図ることで還元材比を削減する方法を開示している。また、下記特許文献2は、ランスを同心多重管型とし、内管からは支燃性ガスを吹き込み、内管と外管との間から気体還元材と固体還元材を吹き込む技術を開示している。また、下記特許文献3は、ランス本管の外まわりに複数の小径管を並列に配置したものを提案している。さらに、下記特許文献4は、溶融還元炉に支燃性ガスと燃料を吹き込む場合に、燃料供給管の外側に複数の吹き込み管を平行に離して配置し、一のノズルが損耗しても支燃性ガスと燃料の混合状態を常に維持できるようにした多管ノズルを開示している。
特開2007−162038号公報 特開2011−174171号公報 特開平11−12613号公報 実開平3−38344号公報
前記特許文献1に記載の高炉操業方法は、気体還元材をも吹き込む点で羽口から固体還元材(微粉炭)だけを吹き込む方法に比べると、燃焼温度の向上や還元材原単位の低減に効果があるが、吹き込み位置の調整だけでは効果が不十分である。また、前記特許文献2に開示されている多重管ランスは、ランスの冷却が必要となるため、外側の吹き込み速度を速くしなければならない。そのためには、内管と外環状管との隙間を狭くしなければならず、所定のガス量を流すことができず、必要な燃焼性が得られない恐れがある。しかも、ガス量と流速を両立させようとすると、ランス径を大きくしなければならず、ブローパイプからの送風量の低下を招く。その結果、出銑量が低下したり、ランス差し込み口の径が大きくなることに伴う周辺耐火物の破損リスクが増大する。
また、前記特許文献3に記載されている技術は、本管のまわりに小径管を複数配置したランスを用いているので、冷却能の低下による小径管閉塞のリスクが高まるだけでなく、ランスの加工コストが高くなるという問題がある。また、この技術では、多重管を途中から並列管に変化させているため、圧力損失と径が大きくなるという問題がある。
また、前述したように、高炉は、羽口からは熱風も送り込まれるが、この熱風によって固体還元材や支燃性ガスも炉内に吹き込まれる。このとき、特許文献4に記載のランスでは、固体還元材と支燃性ガスを同心二重管ランスを用いて吹き込むが、このとき、この二重管ランスの他に気体還元材を吹き込む単管ランスをこれらと並列に配置している。このランスは、送風管及び羽口の断面積に対する該ランスの専有面積が大きく、送風圧力の増加によるランニングコストの増加、あるいは羽口の背面に設置されている炉内監視窓の視野減少を招く。また、ブローパイプにランスを挿入する部分(ガイド管)が大径化することにより、ガイド管部とブローパイプとの接着面が減少し、ガイド管部の剥離が生じやすくなるという問題がある。
本発明の目的は、ランスの外径を大きくすることなく、冷却能の向上と燃焼性の向上を両立させること、及び還元材原単位の低減に対して有効な高炉の操業方法、及びこの方法の実施に際して用いる管束型ランスを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも固体還元材をランスを使って羽口から炉内に吹き込む高炉操業方法において、高炉の炉内に固体還元材のみ、固体還元材と支燃性ガスとの2種を同時に、または、固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材との3種を同時に吹き込む際に、複数の吹き込み管を並列させて束ねてこれをランス本管内に収容してなる管束型ランスを用いて、該固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材をいずれかの前記吹き込み管を通じて吹き込むことを特徴とする高炉操業方法である。
本発明の高炉操業方法において、
(1)前記固体還元材は、高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭のいずれか1種または2種からなること、
(2)前記支燃性ガスは、酸素または酸素富化空気のいずれかであること、
(3)前記気体還元材は、LNG、都市ガス、プロパンガス、水素製鉄所発生ガスあるいはシェールガスのいずれかであること、
(4)固体還元材として高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭とを吹き込む場合、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端を0〜100mm送風の上流側に位置させること、
(5)高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭と酸素とを同時に吹き込む場合、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端を0〜200mm送風の上流側に位置させること、
(6)気体還元材と固体還元材とを同時に吹き込む場合、前記管束型ランスを用い、固体還元材用吹込み管の先端に対して気体還元材用吹き込み管の先端を1〜100mm送風の上流側に位置させること、
(7)気体還元材と固体還元材と酸素とを同時に吹き込む場合、前記管束型ランスを用い、固体還元材用吹込み管の先端に対して気体還元材用吹き込み管の先端を1〜200mm送風の上流側に位置させること、
(8)固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材とを同時に吹き込む場合、固体還元材用吹き込み管に対し、その他の吹き込み管が巻き付いて一体となった管束型ランスを用いること、
がより好ましい解決手段である。
また、本発明は、高炉の羽口から炉内に、固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材のいずれか1以上を吹き込むランスであって、並列状態の複数の吹き込み管を束ねてこれをランス本管内に収容してなることを特徴とする管束型ランスを提案する。
本発明の管束型ランスにおいて、
(1)前記固体還元材は、高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭のいずれか1種または2種からなること、
(2)前記支燃性ガスは、酸素または酸素富化空気のいずれかであること、
(3)前記気体還元材は、LNG、都市ガス、プロパンガス、水素製鉄所発生ガスあるいはシェールガスのいずれかであること、
(4)固体還元材として高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭とを吹き込むランスとしては、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端が0〜100mm送風の上流側に位置していること、
(5)固体還元材として、高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭と酸素とを同時に吹き込むランスとしては、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端が0〜200mm送風の上流側に位置していること、
(6)気体還元材と固体還元材とを同時に吹き込むランスとしては、固体還元材用吹き込み管の先端に対して気体還元材用吹き込み管の先端が0〜100mm送風の上流側に位置していること、
(7)気体還元材と固体還元材と酸素とを同時に吹き込むランスとしては、固体還元材用吹き込み管の先端に対して気体還元材用吹き込み管の先端が0〜200mm送風の上流側に位置していること、
(8)前記吹き込み管は、内径が6mm以上、30mm以下であることを特徴と、
(9)前記吹き込み管は、固体還元材の吹き込み流に、支燃性ガスの吹き込み流が衝突する先端構造を有すること、
(10)支燃性ガス用吹き込み管は、先端部に縮径部を有すること、
(11)前記縮径部は、支燃性ガスの吹き込み速度が20〜200m/sとなる径を有すること、
(12)前記吹き込み管は、先端が斜めに切除されるか、または先端が曲げられた構造を有すること、
(13)固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材とを同時に吹き込むランスが、固体還元材用吹き込み管に対し、その他の吹き込み管が巻き付いて一体となっていること、
がより好ましい解決手段となる。
本発明によれば、固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材をランスによって炉内に吹き込むのに、複数の吹き込み管を並列状態に束ねて一体としこれをランス本管内に収容した構造の管束型ランスを用いることで、ランス本管の外径を大きくすることなく、しかも、吹き込み管同士を独立した状態にしておくことができるから、冷却能の向上と燃焼性の向上とを図ることができると共に、還元材原単位の低減を図ることができる。
また、本発明によれば、固体還元材用吹き込み管およびその他の吹き込み管が一塊りに並列しており、また一部が巻き付いた状態で一体となった管束型ランスを用いるので、固体還元材流の周りで気体還元材流と支燃性ガス流とが並列にまたは旋回するように流動するから、固体還元材を拡散させながら吹き込むことができる。従って、固体還元材の燃焼率がより一層向上する。
また、本発明によれば、支燃性ガス用吹き込み管の先端部に縮径部を設けるので、支燃性ガスの吹き込み流速を容易に調整することができる。
また、本発明によれば、高揮発分微粉炭、低揮発分微粉炭さらには酸素を管束型ランスから同時に吹き込む場合、高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端を、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端より0から100、または200mm送風の上流側に設定することで、燃焼性をさらに向上させることができる。
また、本発明によれば、固体還元材および気体還元材さらには酸素を管束型ランスを介して炉内に同時に吹き込む場合、気体還元材用吹き込み管の先端を、固体還元材用吹き込み管の先端より0から100、または200mm送風の上流側に設定することで、燃焼性をさらに向上させることができる。
高炉の一実施形態を示す縦断面図である。 高炉の炉内にランスから微粉炭だけを吹き込んだときの燃焼状態の説明図である。 微粉炭だけを吹き込んだときの燃焼メカニズムの説明図である。 微粉炭とLNGと酸素とを吹き込んだときの燃焼メカニズムの説明図である。 燃焼実験装置の略線図である。 ランス内の吹き込み管の説明図である。 本発明に係る管束型ランスの外観図及び配置図である。 本発明に係る管束型ランスの他の例を示す外観図である。 ランスからの吹き込み状態の説明図である。 本発明に係る管束型ランスの他の例を示す外観図である。 本発明に係る管束型ランスのさらに他の例を示す外観図である。 燃焼実験結果における酸素流速と燃焼率との関係を示すグラフである。 燃焼実験結果における流速と圧力損失との関係を示すグラフである。 燃焼実験結果におけるランス内圧力損失とランス表面温度との関係を示すグラフである。 燃焼実験結果における内管の外径とランスの外径の関係を示すグラフである。 ランス内の吹き込み管の他の例を示す略線図である。 ランスの出口流速とランス表面温度の関係を示すグラフである。 ランスからの吹き込み状態の略線図である。 ランスの吹き込み管の先端部の略線図である。 燃焼実験結果(高・低揮発分微粉炭の使用時)における燃焼率に及ぼす吹き込み材料の影響を示すグラフである。 燃焼実験結果(微粉炭、LNG、酸素の同時吹き込み時)における燃焼率に及ぼす吹き込み材料の影響を示すグラフである。
以下、本発明に係る高炉操業方法の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の高炉操業方法が適用される高炉1の全体図である。この高炉1はボッシュ部に羽口3が配置されており、その羽口3には、熱風を送風するための送風管2が接続されている。この送風管2には固体燃料等を吹き込むためのランス4が取付けてある。羽口3からの熱風吹き出し方向前方にある炉内のコークス堆積層部分には、レースウエイ5と呼ばれる燃焼空間が形成されている。溶銑は、主として、この燃焼空間のおいて生成する。
図2は、前記ランス4から羽口3を通じて固体還元材である微粉炭6だけを炉内に吹き込んだときの燃焼状態を模式的に示した図である。この図に示すように、ランス4から羽口3を通過してレースウエイ5内に吹き込まれた微粉炭6の揮発分や固定炭素は、炉内堆積コークス7と共に燃焼し、燃焼しきれずに残る炭素と灰分の集合体、即ち、チャーが、レースウエイ5から未燃チャー8として排出される。なお、前記羽口3の熱風吹き出し方向の前方における該熱風の速度は約200m/secである。一方、ランス4の先端部からレースウエイ5内に到達するまでの距離、即ち、Oが存在する領域は、約0.3〜0.5mである。従って、吹き込み微粉炭粒子の昇温や該微粉炭とOとの接触(分散性)は、実質的に1/1000秒という短時間で反応させることが必要となる。
図3は、ランス4を介して送風管2内に微粉炭(PC:Pulverized Coal)6のみを吹き込んだ場合の燃焼メカニズムを示すものである。前記羽口3からレースウエイ5内に吹き込まれた微粉炭6は、レースウエイ5内の火炎からの輻射伝熱によって粒子が加熱され、さらに輻射伝熱、伝導伝熱によって急激に温度上昇し、300℃以上昇温した時点から熱分解を開始して、揮発分に着火して燃焼し(火炎が形成され)、1400〜1700℃の温度に達する。揮発分を放出した微粉炭は前記未燃チャー8となる。このチャー8は、主に固定炭素で構成されているので、前記燃焼反応と共に炭素溶解反応も生じる。
図4は、ランス4から送風管2内に微粉炭6と共にLNG9と酸素(酸素は図示せず)とを吹き込んだ場合の燃焼メカニズムを示す。微粉炭6とLNG9と酸素との同時吹き込みは、単純に平行に吹き込んだ場合を示している。なお、図中の二点鎖線は、図3に示した微粉炭のみを吹き込んだ場合の燃焼温度を示している。このように微粉炭とLNGおよび酸素を同時に吹き込む場合、ガスの拡散に伴って微粉炭が分散し、LNGとO2の接触によってLNGが燃焼し、その燃焼熱によって微粉炭が急速に加熱、昇温すると考えられ、これによりランスに近い位置で微粉炭が燃焼する。
発明者らは、前述した知見を確かめるために、図5に示す高炉を模した燃焼実験装置を用いて燃焼実験を行った。この実験装置で使用した実験炉11内は、内部にコークスが充填されており、覗き窓からレースウエイ15の内部を観察することができる。そして、この実験装置には、送風管12が取付けられており、外部の燃焼バーナ13で生じた熱風をこの送風管12を介して実験炉11内に送風することができる。また、この送風管12内にはランス4が挿入される。そして、この送風管12では、送風中への酸素富化も可能である。なお、ランス4は、微粉炭、LNG及び酸素のいずれか一または2以上を、送風管12内を通じて実験炉11内に吹き込むことができる。一方、実験炉11内で発生する排ガスは、サイクロンと呼ばれる分離装置16で排ガスとダストに分離され、排ガスは助燃炉などの排ガス処理設備に送給され、ダストは捕集箱17に捕集される。
この燃焼実験では、ランス4として、単管ランス、同心多重管ランス(以下、「重管型ランス」と言う)、2〜3本の吹き込み管を束ねて並列状態でランス本管内の軸方向に沿って収容した管束型ランスを用いた。そして、
(1)単管型ランスから微粉炭のみを吹き込んだ場合をベースとし、
(2)従来の重管型ランスの内管から微粉炭を吹き込み、内管と中管の隙間から酸素を吹き込み、中管と外管の隙間からLNGを吹き込んだ場合、
(3)本発明に特有のものである管束型ランスのそれぞれの吹き込み管から微粉炭、LNGおよび酸素の1または2以上を吹き込んだ場合、
について、燃焼率、ランス内圧力損失、ランス表面温度ならびにランスの外径を測定した。燃焼率については、酸素の吹き込み流速を変化させて測定した。燃焼率は、レースウエイの後方からプローブで未燃チャーを回収し、その未燃量から求めた。
図6(a)には従来の重管型ランスの一例を示し、図6(b)には本発明の管束型ランスの一例を示す。該重管型ランスは、内管Iに呼び径8A、呼び厚さスケジュール10Sのステンレス鋼管を、中管Mに呼び径15A、呼び厚さスケジュール40のステンレス鋼管を、外管Oに呼び径20A、呼び厚さスケジュール10Sのステンレス鋼管を用いた。各ステンレス鋼管の諸元は図に示すとおりであり、内管Iと中管Mの隙間は1.15mm、中管Mと外管Oの隙間は0.65mmである。
また、管束型ランスでは、第1管21に呼び径8A、呼び厚さスケジュール5Sのステンレス鋼管を、第2管22に呼び径6A、呼び厚さスケジュール10Aのステンレス鋼管を、第3管23に呼び径6A、呼び厚さスケジュール20Sのステンレス鋼管を用い、これらを並列状態にして束ねた。各ステンレス鋼管は図示したとおりのものである。
実験では、図7(a)に示すように、ランス本管4a内に2〜3本の吹き込み管を並列状態となるように束ねて収容した管束型ランスの第1管21から微粉炭(PC)を吹き込み、第2管22からLNGを吹き込み、第3管23から酸素を吹き込んだ。なお、該管束型ランスの送風管(ブローパイプ)への差し込み長さは、図7(b)に示すように、200mmとした。また、酸素の流速は10〜200m/sとし、差し込み方向はランスの先端が高炉の炉内側を向くように斜めに差し込んだ。また、酸素の流速調整は、例えば図8に示すように、酸素を吹込む第3管23の先端部に縮径部23aを設け、その縮径部23a先端の内径を種々に変更することで行った。
また、吹き込みに際しては、微粉炭の吹き込み流(主流)にLNGと酸素とが衝突するように調整することが好ましい。図9(a)には、重管型ランス4からの吹き込み状態を、図9(b)には、管束型ランスからの吹き込み状態の概念を示す。図6(a)の構成からも明らかなように、従来の重管型ランスでは、図9(a)に示すように、微粉炭、酸素、LNGが互いに衝突することなく、同心円状に吹き込まれる。一方、管束型ランスでは、例えば吹き込み先端構造を調整することにより、微粉炭流、酸素流、LNG流をそれぞれ調整することができる。図9(b)に示す例は、微粉炭の主流にLNGと酸素(酸素は図示せず)とが衝突するランス先端構造としたものである。
吹き込み管の先端構造としては、その他、図10に示すように、先端を斜めに切断したものや、図11に示すように先端を曲げた構造のものも適用できる。このうち、図10は、LNGを吹き込む第2管22及び酸素を吹込む第3管23の先端を斜めに切除したものである。このように吹き込み管の先端を斜めに切除すると、吹き込まれるLNGや酸素の拡散状態を変更することができる。また、図11は、LNGを吹き込む第2管22及び酸素を吹込む第3管23の先端を湾曲したものである。このように吹き込み管の先端を湾曲すると、吹き込まれるLNGや酸素の流れの向きを変更することができる。
本発明で使用する固体還元材である微粉炭の平均的なものは、固定炭素(FC:Fixed Carbon)が71.3%、揮発分(VM:Volatile Matter)が19.6%、灰分(Ash)が9.1%のものが好ましい。この微粉炭の吹き込み条件は50.0kg/h(製銑原単位で158kg/t相当)で吹き込むことが好ましい。また、LNGの吹き込み条件は、3.6kg/h(5.0Nm/h、製銑原単位で11kg/t相当)が好ましい。送風条件は、送風温度1100℃、流量350Nm/h、流速80m/s、O富化+3.7(酸素濃度24.7%、空気中酸素濃度21%に対し、3.7%の富化)が好ましい。
図12は、前記燃焼実験における酸素流速と燃焼率との関係を示す図である。この図から明らかなように、重管型ランスでは、酸素の流速が100m/sまでの範囲、管束型ランスでは酸素の流速が150m/sまでの範囲では、酸素の流速の増加に伴って微粉炭の燃焼率も増加している。これは、重管型ランスの場合は、流速の増加により熱風に拡散するランスからの吹き込み酸素(以下、「ランス由来酸素」と言う)が減少し、微粉炭と混合する該ランス由来酸素の割合が増加したためである。一方、管束型ランスの場合は、酸素の流速の増加により熱風に拡散するランス由来酸素が減少すると共に、揮発分やLNGの燃焼により消費されるランス由来酸素が減少して、微粉炭と混合されるランス由来酸素の割合が増加したためだと考えられる。なお、重管型ランスの燃焼率のデータが、酸素流速100m/sの範囲までしかないのは、圧力損失が限界となるためである。一方、管束型ランスでは、酸素流速が150m/s以上の領域で燃焼率が低下しているが、これはランス由来酸素の流速が熱風の流速に近づき、酸素流が微粉炭流と平行に流れるため、ランス由来酸素が微粉炭と混合しないままレースウエイ奥に到達するためである。
図13には、重管型ランス(○印)と管束型ランス(△印)の圧力損失の測定結果を示す。重管型ランスとしては、3本の大小のステンレス鋼管を同心に配置した三重管ランスを用いた。その三重管ランスは、内管に呼び径8A、呼び厚さスケジュール10Sのステンレス鋼管(内径10.50mm、外径13.80mm、肉厚1.65mm)を、中管に呼び径15A、呼び厚さスケジュール40のステンレス鋼管(内径16.10mm、外径21.70mm、肉厚2.8mm)を、外管に呼び径20A、呼び厚さスケジュール10Sのステンレス鋼管(内径23.00mm、外径27.20mm、肉厚2.1mm)を用いた。なお、内管と中管の隙間は1.15mm、中管と外管の隙間は0.65mmとなった。同図から明らかなように、管束型ランスは重管型ランスに比べ、同じ断面積における圧力損失が低下している。これは、隙間の間隔が大きくなることで通気抵抗が減少したものと考えられる。
図14には、ランスの冷却能の実験結果を示す。同図から明らかなように、管束型ランスは重管型ランスに比べ、同じ圧力損失における冷却能が高くなっている。これは、通気抵抗が低いため、同じ圧力損失において流すことのできる流量が大きいためだと考えられる。
図15は、ランスの外径を例示するものである。図15(a)は非水冷型、図15(b)は水冷型のランスの例である。これらの図から明らかなように、管束型ランスは重管型ランスに比べ、ランスの外径が小さくなっている。これは、管束型ランスでは重管型ランスに比べ、流路、管の厚さ、及び水冷部の断面積を低減可能なためであると考えられる。
なお、ランス4内に並列状態で収容される吹き込み管は、例えば図16のように、微粉炭を吹き込むための吹き込み管、つまり第1管21に対して、その他の吹き込み管、つまり第2管22及び第3管23が巻き付きかつそれらの吹き込み管が一体となった管束型ランス4を使用するようにしてもよい。そして、このようなランス4を用いることにより、微粉炭流の周りでLNG流と酸素流が旋回するような流動となり、微粉炭を拡散しながら吹き込むことができ、微粉炭の燃焼率をより一層向上することができる。
ところで、前述のような燃焼温度の上昇に伴って、ランスは高温に晒され易くなる。ランスは、一般に、ステンレス鋼鋼管で構成される。ランスの外側にはウォータージャケットと呼ばれる水冷が施されている例もあるが、ランス先端までは覆うことができない。特に、この水冷の及ばないランスの先端部が熱で変形し易いことが分かった。ランスが変形する、つまり曲がると所望部位にガスや微粉炭を吹込むことができないし、消耗品であるランスの交換作業に支障がある。また、微粉炭の流れが変化して羽口に当たることも考えられ、そのような場合には羽口が損傷する恐れがある。また、例えば重管型ランスの外側管が曲がると、内側管との隙間が閉塞され、外側管からガスが流れなくなると、重管型ランスの外側管が溶損し、場合によっては送風管が破損する可能性もある。ランスが変形したり損耗したりすると、前述のような燃焼温度を確保することができなくなり、ひいては還元材原単位を低減することもできない。
水冷できないランスを冷却するためには、内部に流れるガスで冷却するしかない。内部に流れるガスに放熱して、例えばランス自体を冷却する場合、ガスの流速がランス温度に影響を与えると考えられる。そこで、発明者等は、ランスから吹込まれるガスの流速を種々に変更してランス表面の温度を測定した。実験は、二重管ランスの外側管から酸素を吹込み、内側管から微粉炭を吹込んで行い、ガスの流速調整は、外側管から吹込まれる酸素の供給量を加減した。なお、酸素は、酸素富化空気でもよく、2%以上、好ましくは10%以上の酸素富化空気を使用する。酸素富化空気を使用することによって、冷却の他、微粉炭の燃焼性の向上を図る。測定結果を図17に示す。
二重管ランスの外側管には、20Aスケジュール5Sと呼ばれる鋼管を用いた。また、二重管ランスの内側管には、15Aスケジュール90と呼ばれる鋼管を用い、外側管から吹込まれる酸素と窒素の合計流速を種々に変更してランス表面の温度を測定した。ちなみに、「15A」、「20A」はJIS G 3459に規定する鋼管外径の称呼寸法であり、15Aは外径21.7mm、20Aは外径27.2mmである。また、「スケジュール」はJIS G 3459に規定する鋼管の肉厚の称呼寸法であり、20Aスケジュール5Sは1.65mm、15Aスケジュール90は3.70mmである。なお、ステンレス鋼鋼管の他、普通鋼も利用できる。その場合の鋼管の外径はJIS G 3452に規定され、肉厚はJIS G 3454に規定される。
図17において、二点鎖線で示したように、二重管ランスの外側管から吹込まれるガスの流速の増加に伴ってランス表面の温度が低下している。しかも、二重管ランスに鋼管を用いると、ランスの表面温度が880℃を上回るとクリープ変形が起こり、ランスが曲がってしまう。従って、二重管ランスの外側管に20Aスケジュール5Sの鋼管を用い、二重管ランスの表面温度が880℃以下である場合、該二重管ランスは外側管の出口流速は20m/sec以上となる。そして、二重管ランスは、外側管の出口流速が20m/sec以上だと変形や曲がりは生じない。一方、該二重管ランスの外側管の出口流速が120m/secを超えると、設備の運用コストの点で実用的でなくなるので、該出口流速の上限は120m/secとした。ちなみに、単管ランスは二重管ランスに比べて熱負荷が少ないため、必要に応じ、出口流速を20m/sec以上とすればよい。
本発明の実施形態では、管束型ランスを構成する吹き込み管は、内径を7mm以上、30mm以下のものとすることが好ましい。吹き込み管の内径が7mm未満では、微粉炭の詰まりなどを考慮したとき詰まりが発生しやすい。そのため微粉炭を吹き込む吹き込み管を含め、組み合わせる吹き込み管の内径は7mm以上とする。また、前述したように、吹き込み管内を流れるガスで当該吹き込み管を冷却することを考慮したとき、吹き込み管の内径が30mmを超えるとガス流速の増加が困難となり、結果的に冷却不足となる。そのため、吹き込み管の内径は、30mm以下とする。好ましくは、8mm以上、25mm以下とする。
以上説明したように、本実施形態の高炉操業方法では、微粉炭(固体還元材)6、LNG(気体還元材)9、酸素(支燃性ガス)をランス4から羽口3部に同時に吹き込む場合に、夫々の吹き込み管が前記管束型ランスの外径を極端に増加させることなく、吹き込み管の隙間を大きく保つことができ、よって冷却能の確保と燃焼性の向上を両立させることができる。その結果、還元材原単位を低減させることができる。
このことは、他の実施形態として、前述の微粉炭、LNG、酸素をランス4から炉内に吹き込むのに代えて、例えば、2種の固体還元材、即ち、高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭をランス4から同時に羽口に吹き込む場合でも、該ランスの外径を極端に増加させることなく、吹き込み管同士の隙間を大きく保つことができるので、必要な冷却能の確保することができる。そして、高揮発分微粉炭(固体還元材)を吹き込む吹き込み管の先端を、低揮発分微粉炭(固体還元材)を吹き込む吹き込み管の先端より0〜200mm、より好ましくは0〜100mm程度、送風の上流側に設定した場合、燃焼性を向上させることができ、還元材の原単位を低減させることができる。
さらに、他の実施形態の高炉操業方法として、LNG(気体還元材)、微粉炭(固体還元材)をランスから同時に羽口に吹き込む場合が考えられる。この場合は、複数の吹き込み管を並列させた状態で束ねてこれをランス本管内に収容してなる管束型ランスを用いることで、ランスの外径を極端に増加させることなく、しかも吹き込み管どうしの隙間を大きく保つことができ、必要な冷却能を確保することができる。しかも、LNG(気体還元材)を吹き込む吹き込み管の先端を、微粉炭(固体還元材)を吹き込む吹き込み管の先端より0〜200mm程度、送風の上流側に設定することで、燃焼性を向上することができ、その結果、還元材原単位を低減することができる。
また、微粉炭を吹き込む第1管21に対して、その他の第2管22及び第3管23が巻き付きかつそれらの吹き込み管が一体となったランス4を使用することにより、微粉炭流の周りでLNG流と酸素流が旋回するような流動となり、微粉炭を拡散しながら吹き込むことができ、微粉炭の燃焼率をより一層向上することができる。
また、酸素スを吹き込む第3管23の先端部に縮径部を設けることにより、酸素の吹き込み流速を容易に調整することができるようになる。
なお、この実施形態において、前記固体還元材としての高揮発分微粉炭および低揮発分微粉炭とは次のようなものを用いることができる。これらの区別は、揮発分(VM:Volatile Matter)が25%以上の微粉炭を高揮発分微粉炭、揮発分が25%未満の微粉炭を低揮発分微粉炭とする。低揮発分微粉炭は、固定炭素(FC:Fixed Carbon)71.3%、揮発分19.6%、灰分(Ash)9.1%で、吹き込み条件は25.0kg/h(製銑原単位で79kg/t相当)とする。また、高揮発分微粉炭は、固定炭素52.8%、揮発分36.7%、灰分10.5%で、吹き込み条件は25.0kg/h(製銑原単位で79kg/t相当)とする。送風条件は、送風温度1100℃、流量350Nm/h、流速80m/s、O富化+3.7(酸素濃度24.7%、空気中酸素濃度21%に対し、3.7%の富化)とする。
また、高揮発分微粉炭用吹き込み管については、第2管22の先端位置を、図18に示すように、ランスの差し込み方向先方を炉内側、その反対側を送風側と定義したとき、図19aのように第1管21、第3管23の先端と同じ位置、図19bのように第1管21、第3管23の先端より送風側、図19cのように第1管21、第3管23の先端より炉内側のそれぞれについて、その位置(距離)を種々に変更することができる。
図20には、前記燃焼実験における燃焼率について示すものである。この図の横軸は、前述した低揮発分微粉炭の吹き込み管、即ち第1管21の先端に対する高揮発分微粉炭の吹き込み管、即ち第2管22の先端の送風側への位置(mm)である。また、図の縦軸は、高揮発分微粉炭の吹き込み管、即ち第2管22の先端が低揮発分微粉炭の吹き込み管、即ち第1管21の先端と同じ位置(0mm)のときとの燃焼率の差(%)である。また、図中の黒丸はランスから高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭を吹き込んだ場合、白丸はランスから高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭と酸素を吹き込んだ場合を示している。
同図から明らかなように、低揮発分微粉炭と高揮発分微粉炭を同時に吹き込む場合、管束型ランスの低揮発分微粉炭吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭吹き込み管の先端を0〜100mm送風の上流側にした場合、燃焼率が向上し、送風の上流側への距離が100mmの手前で最も燃焼率が上昇している。これは、低揮発分微粉炭吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭吹き込み管の先端を送風側寄りに配置した場合、低揮発分微粉炭が吹き込まれる前に燃焼する高揮発分微粉炭の量が増加し、高揮発分微粉炭の燃焼場が低揮発分微粉炭の吹き込み位置と重なり、低揮発分微粉炭が昇温される効果が高められたものと考えられる。このとき、高揮発分微粉炭の吹き込み管の先端が100mmを超えて送風側となると燃焼率が低下しているが、これは100mmより送風側寄りでは低揮発分微粉炭が吹き込まれる以前に高揮発分微粉炭の燃焼が終了し、その燃焼で発生した熱が送風に移行するためであると考えられる。
また、低揮発分微粉炭と高揮発分微粉炭と酸素とを同時に吹き込む場合、管束型ランスの低揮発分微粉炭吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭吹き込み管の先端を0〜200mm送風の上流側にした場合、燃焼率が向上し、送風側への距離が100mmのとき最も燃焼率が上昇している。これは、低揮発分微粉炭吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭吹き込み管の先端を送風側寄りに配置した場合、低揮発分微粉炭が吹き込まれる前に燃焼する高揮発分微粉炭の量と消費される熱風中の酸素の量が増加し、高揮発分微粉炭の燃焼場が低揮発分微粉炭の吹き込み位置と重なり、低揮発分微粉炭が昇温される効果が高められる一方、酸素吹き込み管から吹き込まれる酸素の高揮発分微粉炭燃焼による消費が抑制され、低揮発分微粉炭と酸素の混合性が向上するためであると考えられる。
また、前記図20に示す燃焼率の結果は、高揮発分微粉炭と低揮発微粉炭を同時に吹き込む例であるが、これは例えば、図21に示すLNGの吹き込みのときも同じ傾向が現れる。即ち、図21の横軸に、前述した微粉炭の吹き込み管、即ち第1管21の先端に対するLNGの吹き込み管、即ち第2管22の先端を送風の上流側に対して同じ位置(mm)とし、そして、図の縦軸を、LNGの吹き込み管、即ち第2管22の先端が微粉炭の吹き込み管、即ち第1管21の先端と同じ位置(0mm)にしたときとの燃焼率の差(%)の場合も同じである。なお、図21中の黒丸はランスからLNGと微粉炭の両方を吹き込んだ場合、一方、白丸はランスからLNGと微粉炭と酸素とを吹き込んだ場合を示している。
このように、微粉炭とLNGを同時に吹き込む場合、管束型ランスの微粉炭吹き込み管の先端に対してLNG吹き込み管の先端を0〜100mm送風の上流側にした場合、燃焼率が向上し、送風側への距離が100mmの手前で最も燃焼率が上昇している。これは、微粉炭吹き込み管の先端に対してLNG吹き込み管の先端を送風側寄りに配置した場合、微粉炭が吹き込まれる前に燃焼するLNGの量が増加し、LNGの燃焼場が微粉炭の吹き込み位置と重なり、微粉炭が昇温される効果が高められたものと考えられる。このとき、LNGの吹き込み管の先端が100mmを超えて送風側寄りとなると燃焼率が低下しているが、これは100mmより送風側では微粉炭が吹き込まれる以前にLNGの燃焼が終了し、その燃焼で発生した熱が送風に移行するためであると考えられる。
また、微粉炭とLNGと酸素とを同時に吹き込む場合、管束型ランスの微粉炭吹き込み管の先端に対してLNG吹き込み管の先端を0〜200mm送風側にした場合、燃焼率が向上し、送風側への距離が100mmのとき最も燃焼率が上昇している。これは、微粉炭吹き込み管の先端に対してLNG吹き込み管の先端を送風側に配置した場合、微粉炭が吹き込まれる前に燃焼するLNGの量と消費される熱風中の酸素の量が増加し、LNGの燃焼場が微粉炭の吹き込み位置と重なり、微粉炭が昇温される効果が高められる一方、酸素吹き込み管から吹き込まれる酸素のLNG燃焼による消費が抑制され、微粉炭と酸素の混合性が向上するためであると考えられる。
1は高炉、2は送風管、3は羽口、4はランス、5はレースウエイ、6は微粉炭(固体還元材)、7はコークス、8はチャー、9はLNG(気体還元材)、21は第1管、22は第2管、23は第3管

Claims (23)

  1. 少なくとも固体還元材をランスを使って羽口から炉内に吹き込む高炉操業方法において、高炉の炉内に固体還元材のみ、固体還元材と支燃性ガスとの2種を同時に、または、固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材との3種を同時に吹き込む際に、複数の吹き込み管を並列させて束ねてこれをランス本管内に収容してなる管束型ランスを用いて、該固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材をいずれかの前記吹き込み管を通じて吹き込むことを特徴とする高炉操業方法。
  2. 前記固体還元材は、高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭のいずれか1種または2種からなることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記支燃性ガスは、酸素または酸素富化空気のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
  4. 前記気体還元材は、LNG、都市ガス、プロパンガス、水素製鉄所発生ガスあるいはシェールガスのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
  5. 固体還元材として高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭とを吹き込む場合、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端を0〜100mm送風の上流側に位置させることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉操業方法。
  6. 高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭と酸素とを同時に吹き込む場合、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端を0〜200mm送風の上流側に位置させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の高炉操業方法。
  7. 気体還元材と固体還元材とを同時に吹き込む場合、前記管束型ランスを用い、固体還元材用吹込み管の先端に対して気体還元材用吹き込み管の先端を1〜100mm送風の上流側に位置させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の高炉操業方法。
  8. 気体還元材と固体還元材と酸素とを同時に吹き込む場合、前記管束型ランスを用い、固体還元材用吹込み管の先端に対して気体還元材用吹き込み管の先端を1〜200mm送風の上流側に位置させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の高炉操業方法。
  9. 固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材とを同時に吹き込む場合、固体還元材用吹き込み管に対し、その他の吹き込み管が巻き付いて一体となった管束型ランスを用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1に記載の高炉操業方法。
  10. 高炉の羽口から炉内に、固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材のいずれか1以上を吹き込むランスであって、並列状態の複数の吹き込み管を束ねてこれをランス本管内に収容してなることを特徴とする管束型ランス。
  11. 前記固体還元材は、高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭のいずれか1種または2種からなることを特徴とする請求項10に記載の管束型ランス。
  12. 前記支燃性ガスは、酸素または酸素富化空気のいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の管束型ランス。
  13. 前記気体還元材は、LNG、都市ガス、プロパンガス、水素製鉄所発生ガスあるいはシェールガスのいずれかであることを特徴とする請求項10に記載の管束型ランス。
  14. 固体還元材として高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭とを吹き込むランスとしては、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端が0〜100mm送風の上流側に位置していることを特徴とする請求項10または11に記載の管束型ランス。
  15. 固体還元材として、高揮発分微粉炭と低揮発分微粉炭と酸素とを同時に吹き込むランスとしては、低揮発分微粉炭用吹き込み管の先端に対して高揮発分微粉炭用吹き込み管の先端が0〜200mm送風の上流側に位置していることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1に記載の管束型ランス。
  16. 気体還元材と固体還元材とを同時に吹き込むランスとしては、固体還元材用吹き込み管の先端に対して気体還元材用吹き込み管の先端が0〜100mm送風の上流側に位置していることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1に記載の管束型ランス。
  17. 気体還元材と固体還元材と酸素とを同時に吹き込むランスとしては、固体還元材用吹き込み管の先端に対して気体還元材用吹き込み管の先端が0〜200mm送風の上流側に位置していることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1に記載の管束型ランス。
  18. 前記吹き込み管は、内径が6mm以上、30mm以下であることを特徴とする請求項10〜17のいずれか1に記載の管束型ランス。
  19. 前記吹き込み管は、固体還元材の吹き込み流に、支燃性ガスの吹き込み流が衝突する先端構造を有することを特徴とする請求項10〜18のいずれか1に記載の管束型ランス。
  20. 支燃性ガス用吹き込み管は、先端部に縮径部を有することを特徴とする請求項10〜19のいずれか1に記載の管束型ランス。
  21. 前記縮径部は、支燃性ガスの吹き込み速度が20〜200m/sとなる径を有することを特徴とする請求項20に記載の管束型ランス。
  22. 前記吹き込み管は、先端が斜めに切除されるか、または先端が曲げられた構造を有することを特徴とする請求項10〜21のいずれか1に記載の管束型ランス。
  23. 固体還元材、支燃性ガスおよび気体還元材とを同時に吹き込むランスが、固体還元材用吹き込み管に対し、その他の吹き込み管が巻き付いて一体となっていることを特徴とする請求項10〜22のいずれか1に記載の管束型ランス。
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