JP5521012B2 - フォトリソグラフシステムに用いられるプログラム可能な照明装置 - Google Patents

フォトリソグラフシステムに用いられるプログラム可能な照明装置 Download PDF

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Description

本発明は、概して、フォトリソグラフシステムに関し、特に、フォトリソグラフシステムに用いられるプログラム可能な照明装置に関する。
フォトリソグラフシステムは、基本的な構成要素として、光源を有する照明装置、回路パターンが付されたレチクル、投影レンズ、および感光性(例えば、フォトレジストでコートされたような)ウエハを備えている。この照明装置は、光源からの光でレチクルを照射する。当該レチクルを透過、あるいは当該レチクルから反射した光は、投影レンズによって感光性ウエハの表面に結像する。次に、感光性ウエハに対して、ウエハの表面にパターンを形成する処理がなされる。このフォトリソグラフ露光プロセスおよびその後のプロセスは、複数の異なるレチクルを用いて繰り返され、集積回路を規定する半導体構造がウエハの表面に形成される。
フォトリソグラフシステムでは、境界が明瞭な領域(すなわち、「露光野」)を介して感光性ウエハに正確な量の露光エネルギ(すなわち、「照射線量」)を供給することが求められる。従来のフォトリソグラフシステムは、典型的に、照明装置内の光路に配置されている機械的なブレードで形成された、照射線量を規定するシャッターを有している。機械的な開口も露光野の寸法を規定するのに使用される。
米国特許第7,177,099号明細書 米国特許第7,148,953号明細書 米国特許第7,116,496号明細書 米国特許第6,863,403号明細書 米国特許第6,813,098号明細書 米国特許第6,381,077号明細書 米国特許第5,410,434号明細書 米国特許第4,441,791号明細書 米国特許第4,615,595号明細書 米国特許第4,956,610号明細書
フォトリソグラフプロセスが解像度および焦点深度に関して最大のプロセスウィンドウを有するように、フォトリソグラフシステムが適切な照射線量を維持することが重要である。適切な照射線量の維持は、シャッタータイミング(具体的にはシャッタースイッチング)、すなわち、オフ−オン−オフ移行タイミングに依存する。要求される照射線量が少ない場合、シャッターが開いている時間量は、シャッターブレードをスイッチするのに必要な時間量に相当するか、あるいはより小さくなる。シャッターブレードの速さおよび加速度を劇的に増加させること無くシャッターブレードのスイッチ時間を制御する効果的な手法は無い。しかしながら、このやり方は、機械的事由によって制限される。必要とされるさらなる加速および減速は、フォトリソグラフシステムの性能に不利な影響を与える光学システムの振動を引き起こす。このため、従来の機械的なシャッターを用いて、フォトリソグラフシステムの運用に不利な影響を与えることなく照射線量を小刻みに変更することは困難であった。
さらに、フォトリソグラフシステムに異なったサイズのレチクルを提供するようにしてもよい。レチクルの回路パターンが付された領域は、レチクル野と呼ばれる。レチクル野は、ウエハの露光野の寸法に対応する寸法に形成されている。レチクル野の露光は、意図される露光野よりも広い範囲の露光をもたらす必要はない。したがって、フォトリソグラフシステムは、通常、露光野の寸法を規定するための、前述した機械的開口を含んでいる。この機械的開口は、露光野のサイズ要求と物理的に整合するように調整される必要がある。機械的開口は、機械的に動かされるブレードを有しているので、システム不具合の原因およびフォトリソグラフシステムの平均故障間隔(MTBF)に悪影響を与えるおそれがある。
一部のフォトリソグラフ露光において、ウエハの縁に沿ったフォトレジストの環状部(例えば、2から4mm)は露光されない状態のままで残すことが求められる。このことは、フォトリソグラフ露光工程の後に電気めっき工程が施される必要のあるウエハの場合にあり得る。通常、ウエハ上におけるいくつかの露光野上のフォトレジストは、ウエハの縁まで露光されることになる。現在、ウエハの縁近辺のフォトレジストへの露光を防止するために、機械的リングシステムが使用されている。しかしながら、この機械的な対処方法は、確実なものではなく、フォトリソグラフシステムのMTBFに悪影響を与えるおそれのある失敗を起こしがちである。
本発明の一局面は、光路を通じて、レチクル野を有するレチクルを照射するフォトリソグラフシステムに用いられるプログラム可能な照明装置である。このプログラム可能な照明装置は、光学軸に沿って順に、化学光を生成する光源、および照明装置からの化学光を受けるように構成されている第1光学システムを有している。第1光学システムは、受けた化学光から均一化化学光を形成するように構成されている少なくとも一つの均一化エレメントを有している。プログラム可能なマイクロミラー装置は、第1光学システムの下流側に配置されているとともに、複数のマイクロミラーのアレイを有している。各マイクロミラーは、その向きを調整することができる。プログラム可能なマイクロミラー装置は、これら調整可能なマイクロミラーの向きを設定することにより、均一化光を受けるとともに選択的に反射させるように配置されている。プログラム可能な照明装置は、また、プログラム可能なマイクロミラー装置に使用可能に接続されているとともに、1以上の調整可能なマイクロミラーの向きを制御するように構成されているコントロールユニットを有している。第2光学システムは、選択的に反射された均一化光を光路に沿って受けるとともに、レチクル野の少なくとも一部を照射する照射野を形成するように配置されている。
プログラム可能な照明装置において、光源は、紫外線波長を含む化学光を生成するように構成されているのが好適である。
プログラム可能な照明装置において、コントロールユニットは、調整可能なマイクロミラーの向きの選択を、均一化化学光を光路の内側に反射させる第1反射状態と、光路の外側に反射させる第2反射状態との間で変えることにより、プログラム可能なマイクロミラー装置をシャッターとして操作するように構成されているのが好適である。
プログラム可能な照明装置は、さらに、第2選択方向に設定されたプログラム可能なマイクロミラー装置によって、光路の外へ屈折された均一化化学光を受けるように配置されたビームダンプを有するのが好適である。
プログラム可能な照明装置において、コントロールユニットは、プログラム可能なマイクロミラー装置を操作して開口を規定するように構成されているのが好適である。
プログラム可能な照明装置において、コントロールユニットは、a)レチクル野を通して照射野を走査すること、およびb)1回の露光において、非走査照射野を用いてレチクル野を照射することの少なくともいずれか一方を実施するように構成されているのが好適である。
プログラム可能な照明装置において、コントロールユニットは、マイクロミラーが実質的に均一な反射をするように構成されている場合において、プログラム可能なマイクロミラー装置を操作して照射野における強度不均一性の量を現在の強度均一性の量と比べて減少あるいは最小化するように構成されているのが好適である。
本発明の他の局面は、フォトレジストで被覆されているとともに縁を有するウエハ上に露光野を形成するためのフォトリソグラフシステムである。このフォトリソグラフシステムは、上述したプログラム可能な照射システム、投影レンズ、およびコントロールユニットを有している。投影レンズは、レチクルとウエハとの間に使用可能に配設されている。コントロールユニットは、プログラム可能なマイクロミラー装置を操作して、露光野が形成されていないフォトレジストにおいて環状縁部除外領域を規定するように構成されている。
本発明の別の局面は、フォトリソグラフシステムに支持されるレチクルのレチクル野を照射して、半導体ウエハに支持されるとともに外縁を有するフォトレジスト層に露光野を形成する方法である。この方法は、化学光を生成するとともに、当該化学光を均一化して、均一化化学光を形成する工程を有している。この方法は、また、マイクロミラーアレイを形成する複数のマイクロミラーのそれぞれを選択した向きに向けるように構成されているプログラム可能なマイクロミラー装置からの(つまり、当該装置が発した)均一化化学光を選択的に反射する工程を有している。この方法は、また、選択的に反射された均一化化学光から、レチクル野の少なくとも一部をレチクル野の露光時間の間照射する照射野を形成する工程を有している。
この方法は、さらに、露光野が形成されていないフォトレジストにおける環状縁部除外領域を規定するように複数のマイクロミラーを構成する工程を有するのが好適である。
この方法は、さらに、照射野における均一化化学光の量を制御するシャッターを規定するように複数のマイクロミラーを構成する工程を有するのが好適である。
この方法は、さらに、照射野の寸法を規定する照明装置開口を規定するように複数のマイクロミラーを構成する工程を有するのが好適である。
この方法は、さらに、レチクル野を通して照射野を走査する工程、およびマイクロミラーアレイの選択向きを変化させてレチクル野を走査する間、照射野を変更させる工程を有するのが好適である。
この方法において、照射野の変更は、フォトレジスト層の外縁に隣接する環状除外ゾーンにおいて露光野の一部が形成されるのを回避することを含んでいる。
この方法は、さらに、照射野を用いてレチクル野を照射する工程、およびレチクル野露光時間中に、マイクロミラーアレイの選択向きを変えることによって照射野を変更する工程を有するのが好適である。
この方法は、さらに、レチクル野露光時間中に、a)1以上のマイクロミラーのオン状態およびオフ状態の間を急速に変動させる工程、およびb)1以上のマイクロミラーがオン状態になる時間量を変化させる工程の少なくとも一方を有するのが好適である。
この方法において、照射野の変更は、フォトレジスト層の外縁に隣接する環状除外ゾーンにおいて露光野の一部が形成されるのを回避することを含んでいる。
この方法は、さらに、マイクロミラーが実質的に均一な反射をするように構成されている場合において、複数のマイクロミラーのそれぞれを選択した向きに設定することによって照射野における強度不均一性の量を現在の強度均一性の量と比べて減少あるいは最小化する工程を含むのが好適である。
この方法は、複数のレチクル照射を実施して、フォトレジスト層において、それぞれに対応する複数の露光野を形成する工程、およびマイクロミラーをオンあるいはオフにすることによって、複数のレチクル照射を行うレチクル野露光時間を規定する工程を有するのが好適である。
この方法は、複数のレチクル照射を実施して、フォトレジスト層において、それぞれに対応する複数の露光野を形成する工程を有するのが好適である。複数の露光野の少なくとも一つは、ウエハの縁に隣接する露光野縁部を有している。この方法は、また、さらに、非露光野縁部と、少なくとも一つの露光野縁部とで相違する照射野強度分布を規定する工程を有するのが好適である。
本発明のさらなる特徴及び利点は、下記の詳細な説明(発明を実施するための形態)に明記されている。また、それらの一部は詳細な説明の記載内容から当業者にとって直ちに明白となるか、下記の詳細な説明、特許請求の範囲、添付図面を含む、ここに記載された発明を実施することによって認識される。
上記の背景技術に関する記載及び下記の本発明の詳細な説明に関する記載は、特許請求の範囲に記載されているように、本発明の本質及び特徴を理解するための概略または枠組みを提供するものであることを理解すべきである。添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の様々な実施形態を図示するものであり、本明細書の記載とともに、本発明の原則及び実施を説明するための一助となる。
本発明のプログラム可能な照明装置の使用に適したUVリソグラフシステムの例の概略図である。 レチクル野を規定するレチクルパターンおよび走査された照射野の例を示すレチクルの一例についての概略正面図である。 走査される照射野の一例および走査された照射野に関する露光野の一例を示す概略図である。 図2Aと同様の図であり、全体照射野の一例を示している。 図2Bと同様の図であり、対応する露光野に応じた寸法の全体画像野の一例を示している。 図1のフォトリソグラフシステムでその表面に露光野が形成された半導体ウエハの平面図である。 本発明に係るプログラム可能な照明装置の一例についての実施例を示している。 図4のプログラム可能な照明装置に使用されるプログラム可能なマイクロミラー装置の一例を示す概念図である。 フォトレジストの環状縁部が露光されるのを防止するため、どのように露光野縁部が除外されるのかを示す、ウエハの一部の拡大図である。
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照する。なお、添付の図面に、実施形態の一例を図示する。図中、同一または同様の部分を参照する為、可能な限り同一または同様の参照番号及び符号を使用する。
本発明は、とりわけ、レチクルあるいはマスクを用いるフォトリソグラフシステムに使用されるプログラム可能な照明装置が対象とされる。フォトリソグラフシステムの一例を最初に述べ、続いて、当該フォトリソグラフシステムの一例での使用に適したプログラム可能な照明装置の一例について詳述する。
(フォトリソグラフシステム)
本発明の実施例の一例は、本発明のプログラム可能な照明装置を使用するフォトリソグラフシステムである。ここで述べられるプログラム可能な照明装置が使用に供され得るフォトリソグラフシステムは、米国特許第7,177,099号明細書、第7,148,953号明細書、第7,116,496号明細書、第6,863,403号明細書、第6,813,098号明細書、第6,381,077号明細書、および第5,410,434号明細書に開示されている。これら特許の明細書はすべて本明細書において援用される。
図1は、本発明のプログラム可能な照明装置の使用に適したフォトリソグラフシステム200の一例の概略図である。フォトリソグラフシステム200は、光学軸Aに沿って順に、後に詳述するプログラム可能な照明装置10、レチクル面RPでレチクルステージ220によって支持されたレチクル210(例えば、回路パターンが付されたマスク)、投影レンズ230、およびウエハ面WPでウエハステージ250によって支持されたウエハ240を有している。レチクル210は、パターン構成要素212を有しているとともにレチクル野RFを規定する、回路パターンが付された領域211を有している。ウエハ240は、外縁241(図3参照)を有している。
ウエハ240は、プログラム可能な照明装置10に設けられた光源310で生成される光(すなわち、「化学光」)Lによって活性化される、ウエハ240の表面の感光性コーティング242(例えば、フォトレジスト)を有している。一例において、化学光Lは、紫外線波長を有しており、より詳しい例を挙げれば、g線波長、h線波長、i線波長、248nm波長、および193nm波長のうちのいずれか一つを有している。
フォトリソグラフシステム200は、また、プログラム可能な照明装置10に対して使用可能に接続されたコントローラ260、レチクルステージ220、およびウエハステージ250を有している。コントローラ260は、フォトリソグラフシステム200の運転を制御するように構成されている。一例のコントローラ260は、パーソナルコンピュータあるいはワークステーションといったコンピュータを有している。一例において、コントローラ260は、命令を含み、コンピュータによって読み込み可能な媒体に格納されるとともに、フォトリソグラフシステム200の様々な構成要素を制御する装置制御ソフトウェアを有している。
プログラム可能な照明装置10は、レチクル面RPに対応する照射面ILPにおいて照射野ILF(図2A参照)を生成するように構成されている。照射野ILFは、均一化化学光L’を有しているとともに、対応するウエハ露光時間の間、ウエハ面WPにおいて対応する画像野IFを投影レンズ230が形成するように、レチクル野露光時間の間、レチクル野RFの少なくとも一部を照射する。ウエハステージ250は、画像野IFがウエハ240の異なった部分に配置することができて、ウエハ240上(具体的には、感光性コーティング242において)に様々な露光野EFを形成できるように、移動できるようになっている(例えばコントローラ260からの制御信号SCWにより)。一例において、レチクルステージ220は、コントローラ260からの制御信号SCRにより、移動できるようになっている。
したがって、プログラム可能な照明装置10からの均一化化学光L’は、レチクル野RFを規定する、回路パターンが付された領域211の少なくとも一部を照射する。すると、照射されたレチクル野RFの一部は、投影レンズ230を介してウエハ240の感光性コーティング242上に結像される。実施例の一つにおいて、図1において矢印ARで示すとともに、図2Aおよび図2Bにおいて概略的に示すように、レチクル210およびウエハ240は、照射野ILFがレチクル野RFを走査するようにしてウエハ240の上から画像野IFを走査して互いに一緒に動く。この操作により、照射野ILFあるいは画像野IFよりも広い、走査された露光野EFが形成される。そして、この処理は、ウエハ240の異なる(未露光の)領域に繰り返される。この印刷手法は、「ステップ・アンド・スキャン」として、当該技術において言及される。
別の例において、照射野ILFは、レチクル野RFの全体を一度に照射する。1回の露光により一つの露光野EFが形成される。そして、ウエハ240は、移動された後、1回の静止露光が繰り返される。この印刷手法は、「ステップ・アンド・リピート」と呼ばれる。図2Cには、図2Aと同様の図であり、ステップ・アンド・リピート印刷に用いられる全体照射野ILFの一例が示されている。図2Dは、図2Bと同様の図であり、ステップ・アンド・リピート印刷に用いられる対応露光野EFに対応するサイズの全体画像野IFの一例が示されている。
図3を参照するに、ウエハ240上における感光性コーティング242に形成された露光野EFは、順に、通常のフォトリソグラフおよび半導体処理技術を用いた集積回路チップの形成に使用される。
(プログラム可能な照明装置)
図4は、プログラム可能な照明装置10の一例に係る概略図である。プログラム可能な照明装置10は、プログラム可能な照明装置10を通してレチクル210に至る化学光L(均一化化学光L’を含む)の光路OPの中央軸を規定する、光学軸A1を有している。光学軸A1は、フォトリソグラフシステム200の光学軸Aに一致している。プログラム可能な照明装置10は、光学軸A1に沿って配置されているとともに、前述の(均一化されていない)化学光Lを放射する前述の光源310を有している。光源310の一例は、図示するように、水銀アークランプを有している。水銀アークランプは、水銀アークバルブ312および反射鏡314を有している。1つ以上の発光ダイオード(LED)、あるいは1つ以上のレーザーを有するLED光源といった、他の種類の光源310を使用してもよい。
プログラム可能な照明装置10は、任意に、光学軸A1に沿って光源310の直下流側に配置されており、光路OPを折り曲げるとともに装置の小型化に寄与する折り返しミラー320を有している。折り返しミラー320は、また、コールドミラーであってもよい。つまり、折り返しミラー320は、光源310から放射された非化学波長によって生成される、光源310からの熱を除去するために冷却されてもよい。また、光学フィルター322を光路OP上(例えば、図示するように折り返しミラー320の上流側に隣接させて)に設けてもよい。光学フィルター322は、光源310から放射される非化学波長を実質的にブロックあるいは反射させつつ、化学光Lを透過させるように構成されている。
また、プログラム可能な照明装置10は、任意に、光学軸A1に沿って、折り返しミラー320の下流側に第1光学システム340、表面352および裏面353を有するプログラム可能なマイクロミラー装置350、および第2光学システム360を有している。表面352は、後に詳述するように、調整可能な複数のマイクロミラー要素356(すなわち、複数のマイクロミラー)を有している。第1光学システム340は、光源310からの光Lを受けるとともに、当該光Lをプログラム可能なマイクロミラー装置350の表面352に向かわせるように構成されている。一例において、第1光学システム340は、化学光Lを受けるとともに、当該化学光Lを均一化化学光L’にする。均一化化学光L’は、プログラム可能なマイクロミラー装置350の表面352に入射する。表面352における、均一化化学光L’の強度均一性の一例は、プラスマイナス2%あるいはこれよりも良好(つまり、プラスマイナス1%といったように小さい)である。ここで、均一化化学光L’は、当該均一化化学光L’の方がより均一な強度分布を有していることを除き、化学光Lと同じである。
一の実施例において、第1光学システム340は、少なくとも一つのライトパイプおよび/または少なくとも一つの拡散要素(つまり、拡散器。ディフューザー)といった、少なくとも一つの光均一化要素342を有している。また、第1光学システム340は、一例において、光均一化要素342の入光端および出光端にそれぞれ隣接配置された、集束レンズ330および結像レンズ332を有してもよい。また、一の実施例において、第1光学システム340は、縮小倍率M1(すなわち、等倍よりも小さい倍率)を有している。
一例において、少なくとも一つの光均一化要素342は、規定された寸法の出力端343を有している。光均一化要素342の出力端343は、この出力端343の像サイズがプログラム可能なマイクロミラー装置350の表面352の寸法に実質的に一致するように、第1光学システム340によって、約2x(つまり、倍率M1=プラスマイナス0.5)まで縮小される。第1光学システム340の縮小倍率M1の正確な値は、光均一化要素342の出力端343の寸法、およびプログラム可能なマイクロミラー装置350の表面352の寸法に依存する。一例において、光均一化要素342の出力端343に隣接する結像レンズ332は、要求される縮小倍率M1を提供する。
第2光学システム360は、プログラム可能なマイクロミラー装置350の表面352で反射された均一化化学光L’を受けるとともに、レチクル面RPに対応する照射面ILPにおいて照射野ILFを規定するために、当該化学光L’をレチクル210に向けるように構成されている。照射野ILFは、レチクル野RFの少なくとも一部を照射する。一の実施例において、第2光学システム360は、プログラム可能なマイクロミラー装置350の表面で反射された、均一化化学光L’における強度均一性の程度を維持するように構成されている。表面352からの均一化化学光L’の反射の特性については、後に詳述する。
第2光学システム360は、集光レンズ362および集束レンズ364を有するものを例として図示される。これらレンズ362および364は、それぞれ、1つ以上のレンズ要素で構成されているが、図面では概略的に1つの要素として示されている。一例において、レンズ362および364は、互いに協働してリレーレンズシステムを規定するように構成されている。
一の実施例において、第2光学システム360は、プログラム可能なマイクロミラー装置350の表面352で反射された均一化化学光L’を取り込むとともに、レチクル野RFと同じ大きさの照射野ILFを形成するために選択された倍率を有している。一例において、複数のマイクロミラー356(図5と関連して後に説明される)がx1ミクロンの寸法を有しているとともに、照射野ILFにおける明から暗への遷移距離をx2としたとき、第2光学システム360は、倍率M2=x2/x1を有することになる。例において、マイクロミラー寸法x1=20ミクロン、および明−暗遷移距離x2=100ミクロンの場合、倍率M2=5(あるいは「5X」)となる。より明瞭な明−暗遷移が許容される場合、倍率M2はx2/x1よりも小さくすることができる。しかしながら、倍率を大きくすると問題が生じやすくなることに注意すべきである。なぜならば、1つのマイクロミラー356によって規定される照射野ILFの面積は、過大になりがちだからである。
また、第2光学システム360は、マイクロミラー356同士の間(図5参照)の隙間357(すなわち、「デッドゾーン」)を解消するために、ある場合において好ましくないおそれのある事実を考慮に入れて選択された解像度R2を有するように設計されてもよい。したがって、第2光学システム360の解像度R2を、隙間357をぼやけさせて照射野ILFが実質的に均一に見える(例えば、プラスマイナス2%内)ような点にするように設定するのが好適である。一例において、解像度R2は、1つのマイクロミラー356に隣接する隙間357を加えた1ピリオド(P2)で規定される(図5参照)。このような解像度R2は、実質的に隙間357をぼやけさせるとともに、一般的に、照射野ILFにおける照明を平均化する役割を有している。
図4を再び参照するに、プログラム可能な照明装置10は、下記のように、プログラム可能なマイクロミラー装置350の表面から散乱した光L”を受けるように配置されたビームダンプ370を有している。ビームダンプ370は、拡散光L”を吸収するか、さもなければ、拡散光L”が光路OPに戻ること、および、具体的には、レチクル野RFに到達することを防止するように構成されている。
プログラム可能な照明装置10は、プログラム可能なマイクロミラー装置350に使用可能に接続されているとともに、マイクロミラー装置350の運転を制御するコントロールユニット400を有している。コントロールユニット400は、また、コントローラ260に使用可能に接続されている。コントロールユニット400の一例として、モーションコントローラを挙げることができる。コントロールユニット400は、プログラム可能であり、また、制御信号SC1を介してプログラム可能なマイクロミラー装置350の運転および状態を制御する。コントローラ260は、同じく、制御信号SC2を介してコントロールユニット400の運転を制御する。
(プログラム可能なマイクロミラー装置)
図5は、プログラム可能なマイクロミラー装置350の一例の平面−立面図である。プログラム可能なマイクロミラー装置350は、表面352上において、調整可能な複数のミラー要素356(つまり、複数のマイクロミラー)のアレイを有している。互いに隣り合った複数のマイクロミラー356は、上述した隙間357によって分離されている。プログラム可能なマイクロミラー装置350の一例は、テキサス州オースティンのテキサス・インストルメント社のDLPRチップである。プログラム可能なマイクロミラー装置350の別の例としては、微小電気機械システム(MEMS)が含まれ得る。プログラム可能なマイクロミラー装置350の例は、米国特許第4,441,791号明細書、第4,615,595号明細書、および第4,956,610号明細書に記載されており、これら明細書は、本明細書に援用される。
複数の調整可能なマイクロミラー356はアドレス可能であり、また、コントロールユニット400は、調整可能な複数のマイクロミラー356同士の向きのパターンを選択的に制御するために、調整可能なマイクロミラー356をアドレスするようにプログラムされ得る。マイクロミラー356同士の向きのパターンは、例えば、当該マイクロミラー356同士の複数の向きの関係の中から選択するやり方や、1の選択パターンから別の選択パターンに変更するやり方がある。一例において、コントロールユニット400のプログラム可能性は、コンピュータが判読可能な媒体に記述された命令群が格納された、当該コントロールユニット400内のソフトウェアあるいはファームウェアによって実現される。この命令群によって、プログラム可能なマイクロミラー装置350のアドレス可能なマイクロミラー356のアレイは、選択されたマイクロミラーの向きに形成される。
プログラム可能なマイクロミラー装置350の一例は、約100万から200万個の調整可能なマイクロミラー356(例えば、1,000×1,000アレイ)を有しており、各マイクロミラー356は、一辺が10から20ミクロンの略正方形状をしている。それぞれの調整可能なマイクロミラー356は、個々にアドレス可能であり、また、一の実施例において、各マイクロミラーは、2つの物理的な反射状態の内の1つに移るようにプログラムされ得る。一の実施例において、与えられた調整可能なマイクロミラー356は、第1の状態において、中間基準方向を基準として約プラス10度の方向に傾けられており、第2の状態において、中間基準方向を基準として約マイナス10度の方向に傾けられている。
図示するように、図5におけるいくつかの調整可能なマイクロミラー356(2つのマイクロミラー356に参照番号356−1が付されている)は、表面352によって大略規定された平面Pに対して実質的に平行である第1の状態の向きになっている。参照番号356−2が付された他の調整可能なマイクロミラーは、平面Pとは平行でない(つまり、平面Pに対して角度をなす)第2の状態として図示されている。したがって、調整可能なマイクロミラー356−1に入射した均一化化学光L’は、一の方向(例えば、光路OPに沿う方向)に反射される。その一方で、調整可能なマイクロミラー356−2に入射した均一化化学光L’は、別の方向(例えば、光路OPから外れる方向)に反射されるとともに、例えば図4に示すようにビームダンプ370に向かう拡散光L”を形成する。
プログラム可能なマイクロミラー装置350の構成の一例において、調整可能なマイクロミラー356は、光路OPに沿うとともに第2光学システム360に向かう、入射均一化化学光L’を反射させるときには「オン」反射状態にあり、光路OPを外れてビームダンプ370に向かう、拡散光L”としての入射均一化化学光L’を反射させるときには「オフ」反射状態にある。一例において、「オン」状態にあるマクロミラー356の全てが、同じ向きかつ同じ時間量(つまり、全ての「オン」ミラーは、振動したり、「オフ」にならない)の入射均一化化学光L’を反射させる場合、調整可能なマイクロミラー356のアレイは、実質的に均一な反射性を有する平面ミラーの役割を果たす。
プログラム可能な照明装置10において、プログラム可能なマイクロミラー装置350を最も効率的に使用することを目的として、調整可能な各マイクロミラー356は、均一化化学光L’を効率的に反射させなければならない。したがって、一の実施例において、調整可能なマイクロミラー356は、均一化化学光L’を光学的に反射させるような(例えば、多層の)反射性被膜を有している。
図4を再び参照するに、一の実施例において、プログラム可能な照明装置10は、冷却ユニット420に対して使用可能に接続された冷却エレメント410を有している。冷却エレメント410は、プログラム可能なマイクロミラー装置350に対向して(例えば、裏面353上に、あるいは近接して)使用可能に配設されている。つまり、冷却エレメント410は、マイクロミラー装置350との間で熱交換が可能な状態になっており、このため、当該冷却エレメント410は、プログラム可能なマイクロミラー装置350からの熱を除去することができる。冷却ユニット420は、冷却液422を冷却エレメント410に通して、プログラム可能なマイクロミラー装置350の温度を臨界温度(例えば、60℃)以下に維持するように構成されている。一例において、冷却ユニット420は、コントローラ260に使用可能に接続されており、また、コントローラ260からの制御信号SC3によって制御される。
(シャッターの構成)
一の実施例において、プログラム可能なマイクロミラー装置350は、コントロールユニット400のプログラミングにより、シャッターとして動作する。全ての調整可能なマイクロミラー356が「オフ」反射状態にあるとき、均一化化学光L’は、プログラム可能なマイクロミラー装置350からレチクル210に伝わらない。つまり、照射野ILFはオフになる。同様に、全ての調整可能なマイクロミラー356が「オン」反射状態にあるとき、均一化化学光L’は、プログラム可能なマイクロミラー装置350からレチクル210に伝わる。つまり、照射野ILFはオンになる。
フォトリソグラフシステムにおけるシャッターには、全露光時間の1%未満の時間で開から閉(あるいは、閉から開)に遷移しなければならないといった必要条件がある。いくつかの高感度レジストでは、100ミリ秒(ms)以下の露光時間が求められる。したがって、1ms未満のシャッター遷移時間を有することが求められる。数ミリ秒のスイッチングタイムで動作する機械式シャッターと比べて、調整可能なマイクロミラー356は、オン反射状態からオフ反射状態の間を非常に速く(つまり、ミリ秒以下のスイッチングタイムで)遷移させることができる。これにより、低レベル露光であっても、照射線量を精細に制御することができる。
さらにいえば、商業的に使用可能な、プログラム可能なマイクロミラー装置350の信頼性(つまり、MTBF)は、一般に、機械式シャッター(例えば、因数が約1,000)のそれよりも良好である。加えて、調整可能なマイクロミラー356それぞれの質量は非常に小さいことから、プログラム可能なマクロミラー装置350は、フォトリソグラフシステム200の性能を悪化させ得る振動を生じさせない。
(縁部保護の構成)
図6は、2つの露光野EFに沿う感光性コーティング242の環状縁部244を示す、ウエハ240の拡大図である。一の実施例において、プログラム可能なマイクロミラー装置350は、露光野EFによって環状縁部244の露光が避けられるように構成されている。これにより、機械的な縁保護リングを用いる必要が無くなる。
この縁部保護機能は、感光性コーティング242(図3参照)上に形成された様々な露光野EFの位置をコントローラ260が監視することによって達成される。図6において右端の露光野EFの露光野部EFPによって示されているように、環状縁部244まで延入し、あるいは環状縁部244に重なる露光野EFのために、コントローラ260は、制御信号SC2中に、プログラム可能なマイクロミラー装置350がレチクル野RFの一部分のみを選択的に照射するようにする、コントロールユニット400用の命令群を有している。この選択的照射は、図6における右端の露光野EFに示すように、問題のある露光野EFが感光性コーティング242の環状縁部244に延入あるいは重ならないように、問題のある露光野EFの大きさを減少させるように設定されている。右端の露光野EFの露光野部EFPは、現実に形成されたものではなく、また、右端の露光野EFの外縁EFEは、環状縁部244の内側の湾曲に実質的に対応している。
したがって、露光野縁部EFの先端は、環状縁部244の境界に沿って精細に切り取られ得る。一例において、縁部の保護は、機械的な縁部保護リングの配置精度よりも一般的に良好な約20から40ミクロンの範囲の精度で維持される。したがって、縁部保護機能は、動的かつオンザフライで実行することが可能である。
この特徴を実行するためには、ステージの動きおよびフィールドサイズに合わせるようにマイクロミラーアセンブリをプログラムする必要がある。ウエハの位置および寸法に基づく露光野EFに関連してウエハ縁位置を算出する必要がある。例えば、ウエハ240がツール上に載置されたときのウエハ寸法(つまり、直径200あるいは300mm)は、よく知られている。ウエハ240の中心は、ウエハ240(未だ全く露光されていないもの)上にあるアライメントマークから算出される。これにより、ウエハ240の周長が算出される。周辺が露光野EFに交差する場合、コントロールユニット400は、周辺に沿った露光に対応する複数のマイクロミラーといったマイクロミラーアレイをオフ(つまり、露光停止)にする指示を行う。
(開口の構成)
本発明の一局面には、プログラム可能な照明装置10の表面352における開口354(図1および図4参照)を規定するためにプログラム可能なマイクロミラー装置350を使用することも含まれる。多数の調整可能なマイクロミラー356(例えば、1,000×1,000アレイ)を用いて、また、個別にアドレス可能なマイクロミラー356を用いて、調整可能なマイクロミラー356から反射した均一化化学光L’の強度プロファイルを非常に高い精度で規定することが可能となる。それぞれが、一辺が10ミクロンの正方形状である調整可能なマイクロミラー356であることから、プログラム可能なマイクロミラー装置350から反射した均一化化学光L’の強度プロファイルは、約10ミクロンの精度で規定される。プログラム可能なマイクロミラー装置350が必要なレチクル野RFの寸法を規定できるように、コントロールユニット400をプログラムしてもよい。一例において、34mmの寸法の照射野ILFは、約34ミクロン以内に規定される。対応する露光野EFが露光野EF同士の間のけがき線に対応できるように照射野ILFを規定することが求められる。けがき線空間は、典型的には、約75から100ミクロンである。これは有利に働くことになる。なぜならば、製造時において、ウエハ240上におけるダイおよびフィールドのサイズは、製品ごとに変更することができるからである。したがって、フォトリソグラフシステムには、露光野EFの面積を変更できることが求められる。これは、現在、レチクル面RPにおいて機械的な開口を調整することによって達成されている。
(照明装置の均一性のコントロール)
したがって、露光プロセス中に、残りのマイクロミラー356をオンあるいはオフにスイッチしつつ、いくつかの調整可能なマイクロミラー356をオフにすることで、露光野EFの大きさを制御することができる。
一例において、照射野IFLの照明均一性は、調整可能なマイクロミラー356の選択的な構成により、向上(例えば、プラスマイナス1%、あるいはそれよりも良好な均一性に)する。一例において、選択的な反射には、高い頻度(例えば、キロヘルツあるいはそれ以上)で一つ以上の調整可能なマイクロミラー356をオン/オフすることが含まれる。他の例において、選択的な反射には、照明の非均一性の既知の領域を補うために、選択した調整可能なマイクロミラー356を他のミラーよりも早期に止めることが含まれる。この種類の、プログラム可能なマイクロミラー装置350の選択的なプログラミングは、マイクロミラー356が均一な反射(つまり、全てのマイクロミラー356は、プログラム可能なマイクロミラー装置350の表面352が実質的に平面鏡のようにふるまうよう、全て同じ向きに設定されている。)をする場合において、照射野ILFにおける強度不均一性の量を現在の強度不均一性の量に比べて減少あるいは最小化させるのに使用し得る。このように光学システム340および360の空間的な非均一性が補われる。
プログラム可能なマクロミラー装置350の選択的なプログラミングは、照明非均一性を補うのに使用される。化学光Lおよび均一化化学光L’の強度における空間的な非均一性は、この光が光路OPを横切る際に、発生し得る。一例において、非均一性は、第1光学システム340および/または第2光学システム360、あるいは光路OPにおける他の要素における欠陥に起因して生じる。別の実施例において、空間的な強度不均一性は、第1光学システム340が光均一化要素342の出力端343をプログラム可能なマイクロミラー装置350の表面352に結像したときに生じる。別の実施例において、空間的な強度不均一性は、第2光学システムがプログラム可能なマイクロミラー装置350の表面をレチクル210の表面に結像したときに生じる。ウエハ240における空間的な非均一性は、対応する露光野EFを形成するために、投影レンズ230が、照射されたレチクル野RFを感光性コーティング242に結像するときに生じ得る。
一例において、プログラム可能なマイクロミラー装置350の選択的なプログラミングによって達成される、照明の非均一性の補正により、プログラム可能な照明装置10における他の要素の許容性が低くなる。
プログラム可能なマイクロミラー装置350の選択的なプログラミングは、これらだけでなく他の種類の源から生じる、空間的な照明の非均一性の補正に用いることができる。一例において、空間的な照明の非均一性の補正には、ウエハ面WPにおける静的な(つまり、シャッターは連続的に開くことになる)照明の均一性を測定する工程が含まれる。典型的には、ウエハ面WPにおける強度が空間的に不意に変化することはなく、また、数百ミクロンの空間的な解像度での測定が許容される。
したがって、図4を参照するに、光検知器520の前に小さな(500ミクロン未満の)開口512を規定する開口部材510を有する強度メータ500が示されている。光検知器520は、コントローラ260(あるいは、図示しない別体のコンピュータ)に使用可能に接続されている。強度メータ500は、露光野EFが形成される部分を越えて当該強度メータを移動させることにより、ウエハ面WPにおける照明の均一性をマッピングするのに用いることができる。一回の測定は、ウエハ面WPにおいてxおよびy方向に1mmずつ行うことができる。一度、この強度マッピングが実施され、また、強度分布が調べられると、この情報は、マイクロミラー356の「オン」持続時間を調整することによる、露光中における照明の均一性の向上に使用することができる。例えば、もし、ウエハ面WPにおける一つの領域が、5%高い強度(ウエハ240の残余と比べて)を有しているとすれば、プログラム可能なマイクロミラー装置350を制御するコントロールユニット400を、この特定の領域が露光中に5%短い時間だけ露光されるようにプログラムすることができる。もし、別の領域が3%低いのであれば、この特定の領域に関連するマイクロミラー356は、この領域が3%長い露光時間を有するように制御されることになる。このようにして、動的シャッターは、静的な強度不均一性を向上させ得る(つまり、減少させるか、あるいは実質的に消滅させてしまう)。
当業者には明白であるが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明に対して様々な修正及び変更を加えることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等範囲内において本発明の修正及び変更を包含する。

Claims (20)

  1. レチクル野を有するレチクルを光路に沿って照射し、表面と、縁と、前記縁に隣接する環状縁部を含むフォトレジストの被膜とを有するウエハ上に露光野を形成するフォトリソグラフシステムであって、
    化学光を生成する光源と、
    前記照明装置からの前記化学光を受けるように構成されているとともに、受けた前記化学光から均一化化学光を形成するように構成されている少なくとも一つの均一化エレメントを有している第1光学システムと、
    向きを調整することができる複数のマイクロミラーのアレイを有しており、前記調整可能なマイクロミラーの向きの設定により前記均一化化学光を受けるとともに選択的に反射させるように配置されたプログラム可能なマイクロミラー装置と、
    前記プログラム可能なマイクロミラー装置に使用可能に接続されているとともに、1以上の前記調整可能なマイクロミラーの向きを制御するように構成されているコントロールユニットと、
    選択的に反射された前記均一化光を光路に沿って受けるとともに、前記レチクル野を照射する照射野を形成するように配置された第2光学システムと
    前記レチクルと前記ウエハとの間に使用可能に配設された投影レンズと、
    を備え、
    前記投影レンズは、照射された前記レチクル野に基づいて前記フォトレジストに露光野を結像し、
    前記露光野は、前記レチクル野が全面的に照射された場合において前記フォトレジストの前記環状縁部に少なくとも部分的に重なる少なくとも一つの露光野縁部を含み、
    前記コントロールユニットは、前記プログラム可能なマイクロミラー装置の前記マイクロミラーの向きを制御して、前記露光野縁部が前記フォトレジストの前記環状縁部に延入しないように前記レチクルを部分的に照射する
    フォトリソグラフシステム。
  2. 前記光源は、紫外線波長を含む前記化学光を生成するように構成されてい
    請求項1に記載のフォトリソグラフシステム
  3. 前記コントロールユニットは、前記調整可能なマイクロミラーの向きの選択を、前記均一化化学光を前記光路の内側に反射させる第1反射状態と、前記光路の外側に反射させる第2反射状態との間で変えることにより、前記プログラム可能なマイクロミラー装置をシャッターとして操作するように構成されている、請求項1または2に記載のフォトリソグラフシステム
  4. 前記第2選択方向に設定された前記プログラム可能なマイクロミラー装置によって、前記光路の外へ屈折された前記均一化化学光を受けるように配置されたビームダンプをさらに備えている、請求項1から3のいずれかに記載のフォトリソグラフシステム
  5. 前記コントロールユニットは、前記プログラム可能なマイクロミラー装置を操作して開口を規定するように構成されている、請求項1から4のいずれかに記載のフォトリソグラフシステム
  6. 前記コントロールユニットは、a)前記レチクル野を通して前記照射野を走査すること、およびb)1回の露光において、非走査照射野を用いて前記レチクル野を照射することの少なくともいずれか一方を実施するように構成されている、請求項1から5のいずれかに記載のフォトリソグラフシステム
  7. 前記コントロールユニットは、前記マイクロミラーが実質的に均一な反射をするように構成されている場合において、前記プログラム可能なマイクロミラー装置を操作して前記照射野における強度不均一性の量を現在の強度均一性の量と比べて減少あるいは最小化するように構成されている、請求項1から6のいずれかに記載のフォトリソグラフシステム
  8. フォトリソグラフシステムに支持されるレチクルのレチクル野を照射して、半導体ウエハに支持されるとともに外縁と、前記外縁に隣接する環状縁部とを有するフォトレジスト層に露光野を形成する方法であって、
    均一化化学光を生成する工程と、
    マイクロミラーアレイを形成する複数のマイクロミラーのそれぞれを選択した向きに向けるように構成されているプログラム可能なマイクロミラー装置からの前記均一化化学光を選択的に反射する工程と、
    前記選択的に反射された均一化化学光から、前記レチクル野を照射する照射野を形成して、前記レチクル野が全面的に照射された場合において前記フォトレジストの前記環状縁部に少なくとも部分的に重なる少なくとも一つの露光野縁部を形成する工程と
    前記プログラム可能なマイクロミラー装置を制御して、前記露光野縁部が前記フォトレジストの前記環状縁部に延入しないように前記レチクルを部分的に照射する工程と
    を備える方法。
  9. 照射野における均一化化学光の量を制御するシャッターを規定するように前記複数のマイクロミラーを構成する工程をさらに備える、請求項に記載の方法。
  10. 前記照射野の寸法を規定する照明装置開口を規定するように前記複数のマイクロミラーを構成する工程をさらに備える、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記レチクル野を通して前記照射野を走査する工程と、
    前記マイクロミラーアレイの選択向きを変化させて前記レチクル野を走査する間、前記照射野を変更させる工程と
    をさらに備える、請求項から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記ウエハは、寸法を有し、
    前記ウエハ上の異なる位置で露光野を形成する工程をさらに備え
    前記プログラム可能なマイクロミラー装置を制御する工程は、前記ウエハの寸法および前記露光野の位置に基づいていずれの露光野が、少なくとも一つの露光野縁部を構成するかを決定することを含む
    請求項から11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記照射野による前記レチクル野の照射中に、a)1以上の前記マイクロミラーのオン状態およびオフ状態の間を急速に変動させる工程、b)1以上の前記マイクロミラーがオン状態になる時間量を変化させる工程の少なくとも一方を有する
    請求項8から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記マイクロミラーが実質的に均一な反射をするように構成されている場合において、複数の前記マイクロミラーのそれぞれを選択した向きに設定することによって前記照射野における強度不均一性の量を現在の強度均一性の量と比べて減少あるいは最小化する工程をさらに備える、請求項から13のいずれかに記載の方法。
  15. 複数のレチクル照射を実施して、前記フォトレジスト層において、それぞれに対応する複数の露光野を形成する工程
    前記マイクロミラーをオンあるいはオフにすることによって、複数のレチクル照射を行う前記レチクル野露光時間を規定する工程
    をさらに備える、請求項から14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記複数の露光野の少なくとも一つは、露光野縁部を有しており、複数のレチクル照射を実施して、前記フォトレジスト層において、それぞれに対応する複数の露光野を形成する工程
    非露光野縁部と、少なくとも一つの前記露光野縁部とで相違する照射野強度分布を規定する工程をさらに備える、請求項から14のいずれかに記載の方法。
  17. 前記環状縁部は、2mmから4mmの幅を有する請求項8から16のいずれかに記載の方法。
  18. 寸法および外縁を有するウエハ上に支持されると共に、前記外縁に隣接する環状縁部を含むフォトレジスト層に露光野を形成する方法であって、 それぞれに向きを調整可能なマイクロミラーを有するプログラム可能なマイクロミラー装置に均一化化学光を照射する工程と、 前記プログラム可能なマイクロミラー装置の前記マイクロミラーからの前記均一化化学光を選択的に反射する工程と、 レチクル野を有するレチクルを繰り返し照射して、前記フォトレジスト層の異なる位置に、前記レチクル野が全面的に照射された場合において前記フォトレジストの前記環状縁部に延入する少なくとも一つの露光野縁部を含む複数の露光野を形成する工程と、 少なくともいくつかのマイクロミラーの向きを調整して、前記露光野縁部が前記フォトレジストの前記環状縁部に延入しないように前記レチクル野を前記照射野で部分的に照射する工程とを備える方法。
  19. 前記環状縁部は、2mmから4mmの幅を有する請求項18に記載の方法。
  20. 少なくともいくつかのマイクロミラーの向きを調整する工程は、前記ウエハの寸法および前記露光野の異なる位置に基づいて行われる請求項18または19に記載の方法。
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