JP5520266B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法

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Description

本発明は液体吐出ヘッドの製造方法に係り、特に、インクジェット記録装置の記録ヘッドなどに用いられる液体吐出ヘッドの製造技術に関する。
特許文献1には、感光性樹脂を用いてインク流路パターンやノズル(吐出口)形成材料層を形成するインクジェット記録ヘッドの製造方法が開示されている。同文献1に開示の製造方法によれば、エネルギー発生素子を形成した基板の上に保護膜を介して第一の溶解可能な樹脂により第のインク流路パターンを形成し、これを被覆するように第二の溶解可能な樹脂により第二のインク流路パターンを形成する。そしてこの第二のインク流路パターンを被覆するようにノズル形成材料層を形成し、ノズル形成材料層を露光、現像することにより吐出口を形成する。その後、第一のインク流路パターン及び第二のインク流路パターンを溶解除去し、ノズル形成材料層を加熱処理により完全硬化させる。
特開2009−172900号公報
特許文献1には明示されていないが、従来の製造方法は、流路形成後、犠牲樹脂(第二の溶解可能な樹脂)を充填した後に、CMP(Chemical Mechanical Polishing;化学機械研磨)で平坦化する工程が必要である。このようなプロセスは工程が複雑であり、コストアップの問題がある。さらに、CMPによる平坦化の均一性不良や再現性不良などから、基板上に形成される複数の吐出口に関して、吐出口とエネルギー発生素子の距離を均一にできないといった問題がある。
また、犠牲樹脂を用いたプロセスでは、各工程中で溶剤やガス、熱等により、樹脂が溶解し、或いは変形する可能性があり、インク室(圧力室)の形状が変形するという問題がある。このような変形を防止するために、犠牲樹脂として耐性の強いレジストを用いると、その後の除去工程で除去性が低下し、残渣の問題やタクトが遅くなる問題が発生する。
さらに、特許文献1の製造方法のように、犠牲樹脂を被覆する樹脂を用いてノズル形成材料層を形成し、フォトリソグラフィーで吐出口等を形成すると、残渣が発生し、開口部にバリのようなものが形成され、吐出性能を劣化させるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、工程の簡略化を達成するとともに、流路形状の変形や形状のばらつきの抑制、残渣の発生を防止することができる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、液体吐出ヘッドの製造方法であって、吐出エネルギーを発生させるエネルギー発生素子が形成された基板上に、流路となる凹部と前記流路の側壁部分となる凸部とを含んだ流路パターンを形成する工程と、前記流路パターンの前記凹部を中空状態としたまま当該流路パターンを被覆するように、前記流路パターンに接する側から非感光材料層と感光性樹脂層とが順に積層された積層構造を有するドライフィルムレジストを前記基板上の前記流路パターンに重ねて形成する工程と、前記基板上の前記流路パターンに重ねて形成された前記ドライフィルムレジストの前記感光性樹脂層の一部を除去することによりノズル開口部を形成する工程と、前記ノズル開口部が形成された前記ドライフィルムレジストの前記ノズル開口部の中に残る前記非感光材料層をドライエッチングにより除去する工程と、前記ノズル開口部が形成された前記感光性樹脂層の表面に撥液層を形成する工程と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
この発明によれば、基板上に形成された流路パターンの凹部に犠牲樹脂などを充填することなく、非感光材料層と感光性樹脂層の積層構造を持つドライフィルムレジストを用いて、凹部空間を中空構造で被覆し、当該ドライフィルムレジストの感光性樹脂層にノズル開口部を形成する。このとき、非感光材料層は除去されずに残るため、中空構造の凹部空間内(流路内)に溶剤等が浸入することがない。したがって、流路内が汚れず、エネルギー発生素子へのダメージも回避できる。
ノズル開口部を形成後、ノズル開口部の中に残った非感光材料層はドライエッチングにより除去され、ノズル開口部は流路(凹部空間)と連通し、吐出口として機能する貫通孔となる。
本発明によれば、従来の製造方法と比較して、犠牲樹脂の充填、CMP研磨、犠牲樹脂の除去などの工程を省略することができ、工程の簡略化を達成できる。これにより、製造コストを削減することが可能である。また、流路内に犠牲樹脂を充填しないことから、流路形状の変形や残渣の問題も回避できる。
本発明の他の態様については、本明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法によれば、製造工程の簡略化を達成でき、低コストで液体吐出ヘッドを製造することができる。また、本発明によれば、流路形状の変形や、形状のばらつきを抑制することができ、高精度に流路形状の形成が可能である。さらに、残渣の問題も回避でき、信頼性の高い液体吐出ヘッドを作成することができる。
本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法を示した説明図 液体吐出ヘッドの製造手順を示したフローチャート 本実施形態により製造される液体吐出ヘッドの模式的断面図 ドライエッチング装置の構成図
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の説明図であり、図2はその手順をまとめたフローチャートである。ここでは、インクジェットプリンタの記録ヘッドとして用いられる液体吐出ヘッドの製造方法を例に説明する。
(工程1):まず、液体を吐出するための吐出エネルギーを発生させるエネルギー発生素子10と、そのドライバー回路(図1において不図示)やロジック回路(図1において不図示)等が形成された基板12を準備する(図1(a)、図2のS12)。
基板12としては、例えば、シリコン(Si)基板、ガラス基板、セラミック基板など各種材料の基板を用いることができる。基板12上には、複数のエネルギー発生素子10が形成されている。エネルギー発生素子10としては、電気熱変換素子(ヒータ)や圧電素子などが用いられる。例えば、液体を加熱して膜沸騰の圧力で液滴を吐出させる方式(サーマルジェット方式)のヘッドでは電気熱変換素子(ヒータ)が採用され、ピエゾジェット方式(圧電アクチュエータによってインク室の容積を拡縮してその圧力変動で液滴を吐出させる方式)のヘッドでは圧電素子が採用される。本例では、シリコン(Si)基板12上に複数の電気熱変換素子(エネルギー発生素子10)が形成されているものとして説明する。
また、図1には示されていないが、基板12には、各エネルギー発生素子10を動作させるための電気信号を伝達するための電極や配線パターン、エネルギー発生素子10を駆動制御するためのドライバー回路やロジック回路、その他の回路が形成される。
なお、基板12上には、エネルギー発生素子10や各回路を被うように絶縁層(保護層)が設けられていてもよい。
(工程2):次に、基板12上に流路パターンを形成する(図1(b)〜(d)、図2のS14)。具体的な形成方法の例として、図1(b)〜(d)の工程を説明する。
図1(b)に示すように、基板12のエネルギー発生素子10上に重ねて感光性材料層14を形成する。感光性材料層14は、感光性エポキシ(例えば、日本化薬社製SU8(商品名))、感光性ポリイミド(例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製Durimideシリーズ(商品名)、東レ社製フォトニース(商品名)など)、感光性シリコン、感光性ガラス(HOYA社製PEG3(商品名)、Shott社製FOTURAN(商品名)、Corning社製Photoform)などが挙げられる。
実施例として、感光性材料に感光性エポキシ(永久レジストと呼ばれるもの)である日本化薬社製SU8(商品名)を用い、スピンコート法により基板12上へ塗布し、ホットプレートにて60℃で90秒間、90℃で180秒間のプリベークを行い、膜厚15μmの感光性材料層14を形成した。
続いて、マスクアライナー(例えば、ズースマイクロテック社製MA−6(商品名))を用い、インク流路の側壁のパターンが形成されたマスク16を介して露光を行った(図1(c))。この時の露光量は、250mJ/cmであった。
次に、90℃で180秒間の露光後ベークを行った。その後、専用の現像液であるSU8 Developerにて6分間現像し、流路パターン18を形成した(図1(d))。現像処理によって、感光性材料層14の露光部分が除去され、インク流路の側壁となる部分が基板12上に凸部として残り、流路パターン18が形成される。現像処理によって除去された部分(符号20で示す凹部)は、インク流路(インク室)を構成する凹部空間となる。
(工程3)次に、基板12上に形成した流路パターン18に重ねて、非感光材料層22と感光性樹脂層24との積層構造からなるドライフィルムレジスト(DFR:Dry Film Resist)26を貼り付ける(図1(e)、図2のS16)。実施例として、非感光材料層22に反射防止膜(BARC:Bottom Anti-Reflection Coating)が採用された反射防止膜(BARC)付ドライフィルムレジスト26を貼り付ける。反射防止膜は、AZ社製BARCシリーズのBARLi-II(商品名)やBrewerScience社製XHRiC(商品名)を用いることができる。
永久膜のドライフィルムレジスト(感光性樹脂層24)は、東京応化工業社製TMMFS2000(商品名)、日本化薬社製XPFILMTRIALシリーズ(商品名)などを用いることができる。
実施例では、非感光材料層22の反射防止膜にBrewerScience社製XHRiC(商品名)を用い、感光性樹脂層24のドライフィルムレジストには日本化薬社製XPFILMTRIALシリーズ(商品名)を用いた。感光性樹脂層24の上に反射防止膜(非感光材料層22)を形成し、ラミネート法にて、基板12の流路パターン18上に貼り付けた。
このとき、2層構造のドライフィルムレジスト26における流路パターン18と接する側に反射防止膜(非感光材料層22)が配置される。すなわち、図1(e)に示すように、基板12側から流路パターン18、反射防止膜(非感光材料層22)、感光性樹脂層24の順に積層されたものとなる。流路となる凹部20の空間部分に犠牲樹脂などを充填することなく、流路パターン18の上に2層構造のドライフィルムレジスト26が積層され、凹部20の上を被覆して蓋をするような構成によって中空構造が作られる。
なお、実施例において、ラミネート時の温度は45℃で行った。ラミネートは、減圧状態で行っても良い。減圧状態でラミネートを行うことにより、ドライフィルムレジスト26の変形(盛り上がりなど)を抑制することができ、高精度にノズルを形成することができる。
(工程4):次に、感光性樹脂層24にノズルパターンを形成する(図1(f)、図2のS18)。ノズルパターンの形成に際しては、通常のフォトリソグラフィーの工程と同様に行えば良い。具体的な実施例では、マスクアライナー(ズースマイクロテック社製MA−6(商品名))を用い、吐出口となるノズル開口部28(吐出口)のパターンが形成されたマスク(不図示)を介して露光を行った。この時の露光量は、350mJ/cmであった。
次に、95℃で360秒間の露光後ベーク(PEB;PostExposure Bake)を行った。その後、専用の現像液であるSU8 Developerにて6分間現像し、吐出口パターンを形成した。現像処理によって、感光性樹脂層24の露光部分が除去され、ノズル開口部(吐出口)28が形成される。
このようにフォトリソグラフィーの手法を用いてドライフィルムレジスト26にノズル開口部28を形成するが、反射防止膜(非感光材料層22)は、感光性がないため、除去されずにそのまま残る。ノズル開口部28が形成されても反射防止膜(非感光材料層22)は残っているため、符号20で示した流路部分の空間(中空構造部分)の中に、現像液等の溶剤が浸入しない。このため、エネルギー発生素子10へのダメージを回避できるとともに、流路内を汚すことがなく、残渣等の問題を回避できる。また、非感光材料層22として反射防止膜を用いた場合、この反射防止膜の作用によって感光性樹脂層24の界面の反射が抑制され、ノズルの開口形状の精度も高めることができるという利点がある。
なお、仮に、本例の2層構造のドライフィルムレジスト26に代えて、単層のドライフィルムレジストを用い、フォトリソグラフィーの手法で吐出口の開口を形成した場合には、現像時に現像液等の溶剤がインク室の内部(流路内)に入り、エネルギー発生素子にダメージを与えるという問題が起こりうる。
このような問題を回避するためにも、本例のように、非感光材料層22を残してノズル開口部28を形成できる複数層の積層構造を持つドライフィルムレジストを用いる構成が好ましい。
(工程5):上述の工程4でノズル開口部28を形成した後、プラズマエッチングにより、ノズル開口部28の中に残る非感光材料層22を除去すると同時にノズル面(吐出面)に撥液膜30を形成する(図1(g)、図2のS20)。
エッチングガスとして、フッ素原子を含むガスを用いることが好ましい。例えば、六フッ化硫黄(SF)、四フッ化炭素(CF)、三フッ化窒素(NF)、三フッ化メタン(CHF)、ヘキサフルオロエタン(C)、オクタフルオロシクロブタン(C)などを用いれば良い。特に、良好な撥液膜を形成する観点から、CFが入っているガスを用いることが好ましい。
また、酸素や不活性ガスであるアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、キセノン(Xe)との混合ガス用いる。ガス流量は10〜1000sccm程度で、圧力は0.01〜13Paの範囲に調圧し、プラズマ生成用RF電源のパワーは100W〜1kW、基板バイアスのRF出力は0〜300Wで10〜300秒間のプラズマ処理を行う。
実施例として、エッチングガスにCFを用いて、プラズマエッチングにより、非感光材料層22(反射防止膜)を除去した。この場合、フッ素プラズマ処理の主な条件は、フッ素ガスとして四フッ化炭素(CF)を20sccmで圧力を0.6Paに調圧する。プラズマ生成用のRF電源の出力を500Wにし、基板に印加するバイアスの出力を50Wで60秒間処理を行えば良い。
以上の処理を行うことで、反射防止膜(非感光材料層22)のエッチングを行うと同時にノズルプレート表面の撥液処理を行うことができる。CFガスを用いることでノズルプレートの表面には、CF系のポリマーが堆積し、撥液膜30が形成され、エッチングと同時に撥液処理を行うことができる。なお、本実施例によって得られた撥液膜30の純水に対する接触角は120°であった。CFガスに限らず、CとFを含んだガスを用いてプラズマ処理を行うことにより、ドライフィルムレジスト26の吐出側の表面(ノズル面)にフッ素が堆積し、撥液膜が得られる。
また、図1には示していないが、基板12には、インク室に相当する流路となる凹部20の空間に繋がるインク供給流路(図3中の符号34)を形成することができる。例えば、基板12の裏面側からシリコン異方性エッチング等の手法で基板12の一部を除去することにより、基板12を貫通するインク供給流路34を形成することができる。
以上の工程1〜5によって、図3に示すような液体吐出ヘッド40を製造することができる。
<ドライエッチング装置の構成例>
図4は、プラズマ処理を行うためのドライエッチング装置の構成図である。ドライエッチング装置110は、例えば誘電結合方式(Inductive Coupling Plasma:ICP)の装置を用いる。その他には、ヘリコン波励起プラズマ(Helicon Wave Plasma:HWP)、電子サイクロトン共鳴(Electron Cyclotron resonance:ECR)プラズマ、マイクロ波励起表面波プラズマ(Surface Wave Plasma:SWP)などのプラズマ源を用いた方式を適用することも可能である。
ドライエッチング装置110は、チャンバ112(真空容器)内にプロセスガス(エッチングガス)を供給するプロセスガス供給部114と、チャンバ112内のガスを排気する排気部116と、チャンバ112内の圧力調整を行う圧力調整部(不図示)とを備える。プロセスガス供給部114からチャンバ112内にプロセスガスを供給しつつ、排気部116から排気を行うことにより、チャンバ112内の圧力調整が行われる。本発明の実施に際して、プロセスガス(エッチングガス)として塩素ガスと酸素ガスの混合ガスが用いられる。
チャンバ112の上面には誘電体窓118が密閉的に取り付けられており、さらに誘電体窓118の上方(大気側)にはループコイル状のアンテナ120が設置されている。アンテナ120には、マッチング回路(整合器)122を介して、プラズマ発生用の高周波電源(RF電源)124が接続されている。高周波電源124の周波数は13.56MHz以上60MHz以下の周波数帯を用いることができ、例えば13.56MHzを用いる。また、高周波電源124をパルス駆動させるようにしてもよい。
チャンバ112内にはステージ126が設置されている。このステージ126には、静電チャック又はクランプを備えた基板冷却機構(不図示)が設けられており、ステージ126上に被エッチング材となる基板128が載置される。ステージ126には、マッチング回路130を介して、バイアス印加用電源132が接続されている。バイアス印加用電源132の周波数は、200kHz以上100MHz以下を用いる。好ましくは、バイアス印加用電源132の周波数を4MHz以上27MHz以下とすることがよい。例えば、13.56MHzを用いる。
また、バイアス電源をパルス駆動する場合には、バイアス電源に、パルス駆動手段を設ければ良い。さらに、バイアス電源をパルス駆動で使用する場合には、アンテナ120(プラズマ生成用)の電源(高周波電源124)とバイアス電源(バイアス印加用電源132)のパルス周期を同期させるための手段を用いるようにすればよい。
図4のドライエッチング装置110を用い、図1(g)で説明した非感光材料層22(反射防止膜)のエッチングと撥液膜30の形成を行う。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)犠牲樹脂の充填や除去、CMPによる研磨等の工程を省略することができ、製造工程の簡略化が可能である。このためコストダウンが可能である。
(2)CMPによる平坦化の均一性不良や再現性不良などの問題がなく、ヘッド内に形成される複数の吐出口に関して、吐出口とエネルギー発生素子の距離を均一に形成することができる。
(3)犠牲樹脂を用いた従来のプロセスと比較して、溶剤やガス、熱等による樹脂の溶解、変形という問題が解消され、インク室(圧力室)等の流路形状の変形を防止できる。また、犠牲樹脂による残渣の問題もなく、精度よく複数の吐出機構を形成することができる。
(4)フォトリソグラフィーの工程によってノズル開口部を形成する際に、非感光材料層22が残り、流路パターン18の中空部(凹部20で構成される流路)の内部に現像液が入らないため、エネルギー発生素子10にダメージを与えることがない。
(5)プラズマ処理によって、非感光材料層22の除去(エッチング)工程と撥液膜30の形成(撥液処理)工程とを同時に行うことができ、製造工程の一層の簡略化が可能である。
(6)反射防止膜付のドライフィルムレジストで中空構造部分にあるエネルギー発生素子などからの反射光の影響を遮断することでノズルを精度良くノズルを形成することができる。
<変形例1>
上述の実施形態では、反射防止膜(BARC)付きドライフィルムレジストを例示したが、本発明の実施に際しては、反射防止膜に代えて、非感光材料層22にSiO膜やSiN膜などの無機膜を用いることができる。
樹脂よりも硬い無機膜を用いることにより、ノズルプレートの剛性を高めることができる。これにより、ノズルプレートの変形を抑制することができ、吐出面の平面性を向上させることができる。
<変形例2>
非感光材料層22と感光性樹脂層24の積層構造を持つドライフィルムレジスト26は、2層構造が最も簡単な構成であり、好ましい態様であるが、3層以上の複数層の積層構造を持つドライフィルムレジストを採用することも可能である。
<変形例3>
上述の実施形態では、フッ素含有ガスを用いたプラズマ処理によって、エッチングと同時に撥液処理を行う例を説明したが、エッチングによって非感光材料層22を除去する工程と、撥液層を形成する工程とを分けて、これら工程を段階的に実施する構成も可能である。この場合、エッチング条件や撥液膜の形成条件の自由度が広がる。
<装置応用例>
上記の実施形態では、インクジェット記録装置の記録ヘッドに用いられる液体吐出ヘッドを例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画する装置の液体吐出ヘッドの製造方法として、広く適用できる。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
<開示する発明の各種態様>
上記に詳述した実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):液体吐出ヘッドの製造方法であって、吐出エネルギーを発生させるエネルギー発生素子が形成された基板上に、流路となる凹部と前記流路の側壁部分となる凸部とを含んだ流路パターンを形成する工程と、前記流路パターンの前記凹部を中空状態としたまま当該流路パターンを被覆するように、前記流路パターンに接する側から非感光材料層と感光性樹脂層とが順に積層された積層構造を有するドライフィルムレジストを前記基板上の前記流路パターンに重ねて形成する工程と、前記基板上の前記流路パターンに重ねて形成された前記ドライフィルムレジストの前記感光性樹脂層の一部を除去することによりノズル開口部を形成する工程と、前記ノズル開口部が形成された前記ドライフィルムレジストの前記ノズル開口部の中に残る前記非感光材料層をドライエッチングにより除去する工程と、前記ノズル開口部が形成された前記感光性樹脂層の表面に撥液層を形成する工程と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法。
なお、基板には、エネルギー発生素子の他、エネルギー発生素子を駆動するためのドライバー回路又はロジック回路、若しくはこれらの組み合わせ、その他の回路等を形成することができる。
(発明2):発明1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記ノズル開口部が形成された前記ドライフィルムレジストを備えた前記基板にプラズマ処理を行うことにより、前記ドライエッチングを行うと同時に前記撥液層を形成することが好ましい。
ノズル開口部に残る非感光材料層をドライエッチングで除去する際に、例えば、フッ素を含んだガスを用いてプラズマ処理を行うことにより、エッチングと同時にノズルプレートの表面に(ドライフィルムレジストの吐出側の表面)に撥液膜を形成することができる。この態様によれば、ノズル孔の貫通と同時に撥液処理を行うことができ、製造工程が一層簡略化できる。
(発明3):発明2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記プラズマ処理は、フッ素含有ガスを用いることが好ましい。
特に、炭素(C)とフッ素(F)を含有したガスを用いる(CF系プラズマを用いる)ことが好ましい。例えば、四フッ化炭素(CF)、三フッ化メタン(CHF)、ヘキサフルオロエタン(C)、オクタフルオロシクロブタン(C)などを用いることができる。
(発明4):発明1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記ドライフィルムレジストは、前記非感光材料層として反射防止膜を備える構成とすることができる。
かかる態様によれば、フォトリソグラフィーの手法によってノズル開口部を形成する際に、反射防止膜の作用によってノズル開口部の形状精度が向上する。また、反射防止膜は、フォトリソグラフィーの工程によって除去されずに残るため、現像液等が中空構造(凹部空間)の内部に入ることがない。
(発明5):発明1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記ドライフィルムレジストは、前記非感光材料層として無機膜を備える構成とすることができる。
(発明6):発明5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、無機膜として、SiO膜又はSiN膜を採用することができる。
(発明7):発明1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記流路パターンを形成する工程は、前記基板上に感光性材料層を形成する工程と、当該感光性材料層に対し、前記流路の側壁に対応するパターンが形成されたマスクを介して露光を行う工程と、その露光後に現像処理を行う工程と、を含む構成とすることができる。
かかる態様によれば、所望の凹凸形状を有する流路パターンを高精度に形成することができる。
(発明8):発明1から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記流路となる前記凹部は、前記基板上の前記エネルギー発生素子の位置に対応して形成される構成とすることができる。
かかる態様によれば、エネルギー発生素子に対応した凹部(流路)と、その流路に繋がるノズル開口部とを有する吐出機構を含んだ液体吐出ヘッドを得ることができる。この態様によれば、ヘッド内に形成される複数の吐出機構に関して、ノズル開口部とエネルギー発生素子の距離を均一に形成することができる。
(発明9):発明1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記積層構造を有する前記ドライフィルムレジストは、前記流路パターンが形成された前記基板にラミネート法によって貼り付けられる構成とすることができる。
(発明10):発明9に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、さらに、前記ラミネート法による貼り合わせは減圧状態で行われることが好ましい。
減圧状態でラミネートを行うことにより、フィルムの変形(盛り上がりなど)が抑制され、精度良くノズル開口部を形成することができる。
(発明11):発明1から10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法において、前記ノズル開口部は、パターン露光後に現像処理を行うフォトリソグラフィーの工程によって形成される構成とすることができる。
かかる態様によれば、高精度にノズル開口部を形成することができる。また、現像液等が流路(中空構造の内部)に入ることがなく、残渣等の問題も回避できるとともに、エネルギー発生素子へのダメージを回避できる。
10…エネルギー発生素子、12…基板、14…感光性材料層、18…流路パターン、20…20 凹部、22…非感光材料層、24…感光性樹脂層、26…ドライフィルムレジスト、28…ノズル開口部、30…撥液膜(「撥液層」に相当)、34…インク供給流路、40…液体吐出ヘッド、110…ドライエッチング装置、112…チャンバ、114…プロセスガス供給部、116…排気部、118…誘電体窓、120…アンテナ、124…高周波電源、126…ステージ、128…基板、132…バイアス印加用電源

Claims (11)

  1. 液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    吐出エネルギーを発生させるエネルギー発生素子が形成された基板上に、流路となる凹部と前記流路の側壁部分となる凸部とを含んだ流路パターンを形成する工程と、
    前記流路パターンの前記凹部を中空状態としたまま当該流路パターンを被覆するように、前記流路パターンに接する側から非感光材料層と感光性樹脂層とが順に積層された積層構造を有するドライフィルムレジストを前記基板上の前記流路パターンに重ねて形成する工程と、
    前記基板上の前記流路パターンに重ねて形成された前記ドライフィルムレジストの前記感光性樹脂層の一部を除去することによりノズル開口部を形成する工程と、
    前記ノズル開口部が形成された前記ドライフィルムレジストの前記ノズル開口部の中に残る前記非感光材料層をドライエッチングにより除去する工程と、
    前記ノズル開口部が形成された前記感光性樹脂層の表面に撥液層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記ノズル開口部が形成された前記ドライフィルムレジストを備えた前記基板にプラズマ処理を行うことにより、前記ドライエッチングを行うと同時に前記撥液層を形成することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記プラズマ処理は、フッ素含有ガスを用いることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記ドライフィルムレジストは、前記非感光材料層として反射防止膜を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記ドライフィルムレジストは、前記非感光材料層として無機膜を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記無機膜は、SiO膜又はSiN膜であることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記流路パターンを形成する工程は、
    前記基板上に感光性材料層を形成する工程と、
    当該感光性材料層に対し、前記流路の側壁に対応するパターンが形成されたマスクを介して露光を行う工程と、
    その露光後に現像処理を行う工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記流路となる前記凹部は、前記基板上の前記エネルギー発生素子の位置に対応して形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記積層構造を有する前記ドライフィルムレジストは、前記流路パターンが形成された前記基板にラミネート法によって貼り付けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記ラミネート法による貼り合わせは減圧状態で行われることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記ノズル開口部は、パターン露光後に現像処理を行うフォトリソグラフィーの工程によって形成されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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