JP5519624B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機に関する。
空気調和機(空調機、空調設備)においては、熱交換器を凝縮器として利用する際に、凝縮域の冷媒温度と過冷却域の冷媒温度との差異が大きくなる。このため、特にクロスフィンチューブ型熱交換器を複数列で形成した場合、凝縮域の冷媒の保有する熱が、フィンにおける列間を伝導して(列を跨いで伝導して)、過冷却域の低温の冷媒に移動する現象が生じる。そのため、凝縮器としての性能が低下するという課題がある。この課題を解決する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。
特開平8−54194号公報
空気との伝熱性能を高めるために、フィンに切り起こしが設けられることがある。一方で、フィンにおける列間の熱伝導を防止するために、フィンの一部を切断して切り込みが設けられることもある、また、空気との伝熱性能を高めるとともに、前記のような熱伝導を防止するために、切り込みと切り起こしとを併用することもある。しかしながら、このような技術を単に用いても、熱伝導防止及び伝熱性能向上の技術としては依然として不十分なものであった。
本発明は前記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、空気との伝熱性能がよりいっそう向上した空気調和機を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、切り起こし及び切り込みを所定の配置にすることで前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、空気との伝熱性能がよりいっそう向上した空気調和機を提供することができる。
本実施形態の空気調和機100の全体構成を示す図である。 本実施形態の空気調和機100に適用される室内熱交換器6の構成を示す図である。 室内熱交換器6に適用される、第1実施形態の再熱器6bの構成を示す図である。 室内熱交換器6に適用される、第1実施形態の再熱器6bの構成を示す図である。 室内熱交換器6に適用される、第1実施形態の再熱器6bの接続部近傍を拡大した図である。 再熱器6bにおける、全放熱量を示すグラフである。 再熱器6bにおける、全放熱量を示すグラフである。 再熱器6bにおける、1列目からの放熱量を示すグラフである。 室内熱交換器6に適用される、第2実施形態の再熱器6bBの構成を示す図である。 室内熱交換器6に適用される、第2実施形態の再熱器6bBの構成を示す図である。 室内熱交換器6に適用される、第3実施形態の再熱器6bCの構成を示す図である。 室内熱交換器6に適用される、第4実施形態の再熱器6bDの構成を示す図である。 室内熱交換器6に適用される、第5実施形態の再熱器6bEの構成を示す図である。 室内熱交換器6に適用される、第6実施形態の冷却器6aAの構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。はじめに、図1及び図2を参照しながら、本実施形態の空気調和機についての全体構成を説明する。その後、図3〜図8を参照しながら、本実施形態の空気調和機を構成する熱交換器の構成を説明する。なお、図9〜図14は、図1〜図8を参照しながら説明する第1実施形態の変更例である
[1.第1実施形態]
第1実施形態の空気調和機は、ヒートポンプ型空気調和機である。具体的には、図1(冷凍サイクル系統図)に示す第1実施形態の空気調和機100は、圧縮機1と、四方弁2と、室外熱交換器3と、室外送風機4と、膨張弁5と、室内熱交換器6と、室内送風機7と、により構成される。なお、図1において、冷媒の流れは図中の矢印で示している。
空気調和機100の冷房運転時(図1(a))、圧縮機(コンプレッサ)1で圧縮された冷媒は、四方弁2を介して室外熱交換器3に供給される。この時、四方弁2の向きは、図1(a)に示すように予め設定されている。そして、室外熱交換器3に供給された冷媒は、室外送風機4によって導入される室外空気と熱交換することによって放熱し、凝縮液化する。その後、室外熱交換器3で凝縮した液冷媒は、膨張弁5で減圧され温度が下がり、室内熱交換器6に至る。このようにして室内熱交換器6に供給された冷媒は、室内熱交換器6で室内送風機7によって導入される室内空気と熱交換される。そして、室内空気から熱を奪って冷媒は蒸発し、再度圧縮機1に供給される。この際、室内に排出される空気は冷風となる。
一方、空気調和機100の暖房運転時には、四方弁2の向きが図1(b)に示すように設定される。そのため、圧縮機1で圧縮された冷媒は、はじめに室内熱交換器6に供給及び熱交換されて凝縮される。具体的には、圧縮機1で圧縮されて温度が上がった冷媒は、室内熱交換器6において熱を室内へ放出し(即ち温風が排出される)、冷媒自身は凝縮する。その後、膨張弁5で減圧後、室外熱交換器3で室外送風機4によって外部の熱を用いて蒸発する。その後、再び圧縮機1に冷媒は供給される。
図2は、空気調和機100に適用される室内熱交換器6の構成を詳細に示す図である。より具体的には、図2は、室内熱交換器6の側面図であり、冷媒は伝熱管13内を紙面に垂直な方向を通流している。室内風は、図示のように、室内熱交換器6を構成する冷却器6a及び再熱器6b(いずれも後記する)の全面に接触する。そして、接触して加熱された空気は室内に放出される。また、図2では、暖房運転時の冷媒の流れ方向を示している。従って、冷房運転時の冷媒の流れ方向は図示の方向の逆向きとなる。
室内熱交換器6は、冷却器6aと、再熱器6bと、減圧弁8と、により構成されている。冷却器6aと再熱器6bとは、減圧弁8を介して直列に接続されている。冷却器6a及び再熱器6bはいずれも熱交換器である。冷却器6a及び再熱器6bは何れも切り込み10を備える。この点についての詳細は後記するが、図2においては図示の簡略化のために、一部の部材を省略して記載している。
冷却器6aは切り込み10により3列に分けられた熱交換器となっている。これらの切り込み10により、伝熱管13同士の熱伝導を抑制することができる。冷却器6aには、冷媒が2つに分岐して供給され、それぞれが独立した伝熱管13を通流する。冷却器6aから冷媒が独立して排出された後、冷媒は再び1系統に合流する。再熱器6bも切り込み10により分けられ、3列の熱交換器となっている。ただし、風下側の2列(列6b2,列6b3)は2系統(2本の伝熱管13)で構成され、風上側の1列(列6b1)はこれらの2系統が合流した1系統である。
減圧弁8は所謂再熱除湿運転を行う場合に利用されるが、冷房運転や暖房運転時には減圧幅が小さくなるように制御される。
空気調和機100(室内熱交換器6)の暖房運転時、圧縮機1(図1参照)から吐出された高温・高圧の冷媒は、冷却器6aの風下側の2個所から分岐して流入する。そして、伝熱管13内を破線で示すように風上側へと流れ、その間に接触する空気へ放熱する。これにより、空気が加熱され、加熱された空気(温風)が室内に供給される。
冷却器6aから排出され冷媒は合流し、減圧弁8を介して再び2つの伝熱管13に分岐して再熱器6bに供給される。再熱器6bに供給される冷媒は、液体と気体との二相状態になっている。そして、再熱器6bにおいて冷媒がさらに空気へ放熱することで、冷媒は液化する。一方で、加熱された空気は室内に放出される。
再熱器6bでは、風下側に行くほど徐々に空気温度が上昇することになる。そのため、凝縮域に対して低温となる過冷却域の冷媒は、風上側(列6b1)を流れるように構成している。また、過冷却域の冷媒の伝熱管13内における熱伝達率を高めるために、系統数を2系統から1系統へと減じて流速を上げている。従って、概ね凝縮過程の冷媒(気体)が再熱器6bの風上側から2列目(列6b2)と3列目(列6b3)との2系統を通流する。一方、液化した冷媒は、風上側1列目(列6b1)の1系統を通流する。
再熱器6bのフィン9は、3列(列6b1,列6b2,列6b3)で一体構造となっている。そのため、凝縮過程にある2列目(凝縮域;列6b2)の冷媒が放出した熱が、液化して低温となった1列目(過冷却域;列6b1)の冷媒へと、フィン9を介して流入する可能性がある。そして、このようなことが生じると、冷媒の有する熱が空気ではなく冷媒自身に戻るため、放熱効率が低下する。即ち、このようなフィン9を介した冷媒間の熱移動は、冷媒から空気への放熱量を減少させるため、暖房能力の低下となるため好ましくない。このため、冷却器6a及び再熱器6b(即ち室内熱交換器6)では、各列の間に切り込み10等を設け、列間の熱伝導を抑制している。これにより伝熱管13同士の熱移動を防止する。
次に、空気調和機100の室内熱交換器6を構成する再熱器6bの構成について、図3〜図8を参照しながら詳細に説明する。なお、図3〜図5において、白抜きの矢印は空気の流れる方向を示している。また、図1及び図2と同じ部材や領域については同じ符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
図3は、図2で示した再熱器6bの冷媒の通流方向に垂直な方向の側面図である。熱交換器としての再熱器6bは、図3に示すように、フィン9と、フィン9を貫通し、千鳥状に設けられる複数の伝熱管13と、フィン9表面に設けられ切り込み10及び切り起こし12と、を有するクロスフィンチューブ型熱交換器である。
具体的には再熱器6bにおいては、冷媒は、千鳥状に配置された伝熱管13の内部を通流している。再熱器6bは、前記のように3列で構成されている。そして、各列の間に設けた切り込み10(10a,10b)により、前記のように各列間での熱伝導を抑制している。また、各切り込み10にはその途中に接続部11(11a,11b)が設けられているので、接続部11が無い場合と比較して、フィン9の強度が確保されている。また、各伝熱管13(13a,13b,13c)は略同方向に並列し、それらの間には、列方向に伸びた切り起こし12(12a,12b,12c,12d)が配置されている。これにより、冷媒の熱を無駄なく空気に伝達することができ、空気とフィン9との伝熱性能が高められる。
ここで、1列目と2列目との間に設けられた切り込み10aには、接続部11aが1列目の隣接する2本の伝熱管13a間(段ピッチ)の略中央(略中央付近)に設けられている。さらに、接続部11aの風上側には、接続部11aの長さよりも列方向の長さが長い切り起こし12aが隣接して配置されている。また、破線で示す風上側の伝熱管13aの中心を結ぶ中心線20aと、2列目の伝熱管13bの中心を結ぶ中心線20bとから等しい距離にある列間中心線21aに対して、切り込み10aは風上側の切り起こし12a側に偏心されて配置されている。
なお、本実施形態において、切り込み10aを切り起こし12a側に偏心させるとは、切り込み10aと同一直線状に設けられている接続部11aを、隣接する伝熱管13の間に設けられた切り起こし12aに近づけることと同義である。従って、切り込み10aを切り起こし12a側に偏心させる場合、切り込み10aの列間中心線21aからの偏心幅が長くなると、切り込み10aと切り起こし12aとの距離は短くなる。即ち、偏心幅が決定されると、接続部11aと切り起こし12aとの間の距離も決定されることになる。切り込み10bについても同様である。
これらの点を、図4を参照しながらさらに詳細に説明する。1列目と2列目との間に設けられた切り込み10aは、冷媒流れに垂直な方向で、風上側に隣接する切り起こし12aと、風下側に隣接する切り起こし12bとの間に設けられる。具体的な位置としては、列間中心線21aよりも切り起こし12a寄り(風上側)に切り込み11aが配置されている。つまり、冷媒流れに垂直な方向として、切り起こし12aと接続部11aとの間の距離は、切り起こし12bと接続部11aとの間の距離よりも短くなっている。
即ち、切り込み10aと切り起こし12aとの間隔30aが、切り込み10bと切り起こし12cとの間隔30bよりも狭くなるように、風上側に偏心させてこれらを設けている。切り込み10aをこのように配置することで、切り込み10aと切り起こし12aとの間のフィン幅を狭めて、過冷却域の冷媒が通流するフィン領域の断面積を縮小することができる。
この点を、図5を参照しながらさらに詳細に説明する。図5は、図4のA部を拡大した図である。切り込み10aには、長さ(幅)がW1の接続部11aが配置されている。また、長さ(幅)がW2の切り起こし12aが接続部11aの風上側に隣接して設けられている。さらに、切り起こし12aの両側に配設される伝熱管13a,13a間の距離(伝熱管13a,13aの中心間距離)はW3である。
前記したように、伝熱管13aを通流する冷媒の温度と、伝熱管13bを通流する冷媒の温度とを比較すると、過冷却域である伝熱管13aを通流する冷媒の温度の方が低い。そして、この温度差が大きければ大きいほど、空気への放熱効率(暖房運転時の場合)が高いことになる。そこで、伝熱管13bから伝熱管13aへの熱伝導を防止することが重要である。
伝熱管13bから伝熱管13aに熱伝導する場合、最短の熱伝導距離は、各伝熱管13a,13bの中心を結ぶ直線(図中二点鎖線)となる。しかしながら、再熱器6bにおいては切り込み10aが設けられているため、熱伝導時の最短経路は、接続部11aの端部を通る直線(太実線)となる。しかも、再熱器6bにおいては、切り込み10a及び接続部11aがより風上側に移動されて設けられているため、最短距離がいっそう長くなる。従って、熱伝導距離が伸びるため、伝熱管13同士で熱伝導が生じにくいという利点がある。
しかも、図5に太実線で示す熱伝導の最短ルート上には、切り起こし12aが存在している。即ち、伝熱管13aの中心と切り込み10aの端部(即ち接続部11aの端部)とを結ぶ直線が、伝熱管13a間に設けられる切り起こし12aと交わるように切り起こし12aが配設されている。従って、切り込み10a及び接続部11aによって熱伝導距離を長くすることができることに加え、切り込み10aと切り起こし12aとに上下を挟まれた矩形領域の上下の間隔を狭くすることで、この矩形領域における熱伝導時の断面積を低減し、熱伝導を抑制することができる。即ち、1列目の伝熱管13aと2列目の伝熱管13bとの間の熱伝導を抑制することができる。
また、切り込み10aを風上側へ偏心させることによって、2列目の伝熱面積を大きく設けることができる。これにより、2列目のフィン9から空気への放熱量を増大させることができる。
さらに、段ピッチ中央近傍は、伝熱管13から最も離れている。そのため、伝熱管13からの熱が伝達しにくいため、中央近傍からの放熱量が低くなる(即ちフィン効率が低くなる)可能性がある。しかしながら、再熱器6bにおいては、切り込み10aと切り起こし12bとの間隔が広くなっている。従って、2列目の段ピッチ中央近傍では、伝熱面積が広いため伝熱管13bから熱伝導しやすく、フィン効率が低下しにくい。即ち、空気への放熱効率の低下が起きにくい。このように、切り込み10aを偏心させることによって拡がった2列目の伝熱面積を有効に活用できる。
また、接続部11aが、風上側の伝熱管13aの段ピッチ中央付近に配置されているので、切り込み10aを風上側に移動させることによって、前記したように伝熱管13aと伝熱管13bとの熱伝導距離を長くすることができる。これにより、熱伝導抑制に対してさらに効果を高めることができる。
以上のように、列間中心線21aに対して切り込み10aを偏心させることによって、1列目では、切り込み10aと切り起こし12a間との距離を狭めて熱伝導を抑制し得る。さらに、2列目では、熱伝導可能なフィン面積を増大せしめて、かつ段ピッチ中央近傍への熱伝導を促進させてフィン効率を改善することで、伝熱性能を向上させることができる。
また、伝熱管13bから伝熱管13aへの熱伝導が抑制されると、1列目のフィン9の表面温度は低下する。これにより、伝熱管13aからフィン9へ熱が伝わり易くなり、空気への放熱が起き易くなる。即ち、1列目での冷媒からの放熱量が増大して、暖房能力が増大することになる。また、凝縮域での伝熱性能改善と伝熱面積増加とは、ともに空気への放熱量増大となるので、暖房能力が増大することになる。従って、1列目及び2列目両方で空気との伝熱量を増大させることができ、省エネルギ性の高い空気調和装置を提供することができる。
なお、本実施形態においては、伝熱管13bと伝熱管13cとの間で生じうる熱伝導については考慮していない。この点については、図6を参照しながら後記する。
図6は、図5におけるW1及びW2を変えた場合の、1列目及び2列目からの全放熱量の変化を示すグラフである。横軸は、W1とW2との差分をW3で除した値Rw(=(W2−W1)/W3)である。また、縦軸は、1列目及び2列目からの全放熱量である。なお、全放熱量の項目において、3列目(図5においては図示せず。図3における列6b3)からの放熱量は考慮していない。
図6に示すように、Rwが0.15のとき、全放熱量が極小(最小)となる。この現象は以下の理由に基づく。即ち、Rwを小さくする、換言するとW1を大きくしたり、W2を小さくしたり、W3を大きくしたりすると、伝熱管13a,13b間で熱伝導が増大する。そのため、2列目からの放熱量が増加する。しかしながら、このような場合には、1列目の放熱量が減少する。
一方、Rwを大きくする、換言するとW1を小さくしたり、W2を大きくしたり、W3を小さくしたりすると、伝熱管13a,13b間で熱伝導が抑制される。そのため、2列目からの放熱量が減少する。しかしながら、このような場合には、1列目の放熱量が増加する。これらのことから、両者のバランスにより極小となる条件が存在していることを示している。
Rwが0.15よりも小さくなると、全放熱量は増大する傾向となる。しかし、前記のように、熱伝導の影響が大きく1列目からの放熱量が小さくなる。そのため、冷媒の過冷却を図るという観点からは好ましくない。従って、冷媒の過冷却を図るという観点で、熱伝導の影響を抑制しつつ、全放熱量を増大させることが好ましい。具体的には、Rwを0.15以上とすることが好ましく、0.2以上とすることがより好ましい。従って、Rwがこれらの範囲を満たして、接続部11a、切り起こし12a及び伝熱管13aが配設されることが好ましい。
具体的には、例えば、W1=2mm、W2=13mm、W3=20mmとなるように再熱器6bを設計する。このようにした場合、Rwは0.55となり、熱伝導による影響を抑制しつつ、全体としての放熱量を増大できる。なお、第1実施形態では、これらの値となるように再熱器6bを設計している。
また、幅W3に対する幅W1の比率(接続比率Rc)と全放熱量との関係を図7に示す。横軸は、接続比率Rc(=W1/W3)、縦軸は全放熱量である。全放熱量は完全に分割した場合(即ち、接続部11aを設けない場合)に相当する接続比率0(即ち、W1=0)を起点として、接続比率を大きくすることで一旦増加し、Rcが0.2で極大(最大)となった後低下する。その後、Rcが0.6よりも大きくなると、Rcが0の場合よりも低下する。
なお、図7に示すグラフは、図5に示す切り起こし12aが設けられていない場合に得られるグラフである。そのため、切り起こし12aが設けられた図5に示す再熱器6bの場合、Rcが0の時の全放熱量よりも大きな全放熱量となる時のRcは、0.6よりも大きくなる。これは、Rcを大きく設定しても、切り起こし12aの存在により、熱伝導が阻害されるためである。
従って、切り起こし12aの形状によらずに全放熱量を増大させるためには、Rcが0.6以下となるように接続部11aの幅W1及びピッチW3を設定することが好ましい。即ち、W1をW3で除した値(即ちRc)が0.6以下になるように、接続部11a及び伝熱管13aが配設されていることが好ましい。
中でも、接続部11a及び伝熱管13aを、Rcが0.2以下となるように配設することがより好ましい。ただし、Rcを0.2以下に低下させると、全放熱量がピークよりも低下する。しかしながら、図8に示すように、1列目からの放熱量は、Rcが0.2より小さな領域で急激に増大する。
空気調和機への適用を考えた場合、熱伝導の影響をできるだけ排除して、1列目からの放熱量を増やし、過冷却度を大きくとることが好ましい。これにより、熱交換器における凝縮エンタルピ差を拡大させることができる。そのため、放熱量を一定とするための冷媒循環量の抑制が可能となり、圧縮機の仕事量(即ち、運転コスト)を低減できる。
これらのことを鑑みても、1列目からの放熱量を増大させるために、Rcを0.2以下とすることが好ましい。特に、第1実施形態では、前記のようにW1=2mm、W2=13mm、W3=20mmとしている。そのため、Rc=W1/W3=0.1であり、1列目からの放熱量を増大させることができる。従って、再熱器6bを適用した空気調和機は、性能が特に高められたものとなる
ところで、再熱器6bは、図3等に示すように、3列(列6b1,6b2,6b3)で構成されている。そして、再熱器6b(より具体的には、列6b3の伝熱管13c)には、前記のように2相状態の冷媒が流入する。そのため、2列目の伝熱管13b及び3列目の伝熱管13cを通流する冷媒はともに凝縮域であるため、通流する冷媒の温度は略一定である。従って、これらの列間で熱伝導はほとんど生じない。
このような熱伝導を考慮しなくてよい場合には、切り込み10bを制限無く偏心させると、2列目の伝熱面積が小さくなることがある。また、切り込み10bと2列目の切り起こし12cとの距離が狭まり、熱伝導が抑制されるためフィン効率が低下することもある。
そこで、再熱器6bにおいては、2列目と3列目との間の切り込み10bを、図3に示すように、列間中心線21b(伝熱管13bの中心同士を結ぶ線と伝熱管13cの中心同士を結ぶ線との中間に位置する線)上に設ける構成にしている。これにより、2列目及び3列目での伝熱性能を高いまま維持することができる。
また、再熱器6bにおいては、2列目と3列目との間に設けた接続部11bの長さを、図3に示すように、1列目と2列目との間に設けた接続部11aの長さよりも長くしている。1列目と2列目との間では、前記のように冷媒の温度差があるため、熱伝導が生じ易い。そこで、このような熱伝導を抑制することが好ましい。従って、接続部11aは狭いことが好ましい。
一方、2列目と3列目との間では、前記のように冷媒の温度差がほとんど無いため、熱伝導が生じにくい。この場合、2列目では接続部11bを設けることによって、接続部11b近傍のフィン9が3列目の伝熱管13cによって加熱される。そのため、フィン効率がいっそう良好なものになり、放熱量が増加することになる。従って、2列目と3列目との間では、接続部11bを広めに設けることで、熱伝導による伝熱性能を確保することができる。また、接続部11bの幅を長くすることで、フィン強度を高めることもできる。
以上のように、再熱器6bでは、1列目と2列目との間の熱伝導を抑制することができる。そして、このような熱伝導に起因する接触空気への放熱量の低下を抑制しつつ、2列目と3列目とのフィン効率を向上させている。これにより、空気への放熱量を増加させることができ、熱交換器6全体としての放熱性能を高めることができる。即ち、省エネルギ性が向上する。従って、再熱器6bを室内機の再熱器として用いて空気調和機100を構成することで、凝縮性能が高く、暖房運転時に効率良く運転することができる。
[2.第2実施形態]
次に、図9及び図10を参照しながら、第2実施形態に係る再熱器6bBの構成を説明する。なお、以下の説明では、前記した再熱器6bとの相異点について主に説明し、同様の内容についての説明は簡略化のために省略する。また、図3に示す再熱器6bと同じ部材については同じ符号を付すものとし、その詳細な説明を省略する。さらに、再熱器6bB以外の空気調和機の構成は、前記した内容と同様である。
図9及び図10に示す再熱器6bBにおいては、接続部11a,11bの位置が前記した再熱器6bでの位置と異なっている。具体的には、再熱器6bBにおける接続部11aは、2列目の伝熱管13bの段ピッチ中央(略中央)に設けられている。即ち、1列目の伝熱管13aの下側に隣接して設けられている。
さらに、接続部11bは、3列目の伝熱管13cの段ピッチ中央部近傍に設けられている。即ち、3列目の切り起こし12dの上側に隣接して設けられている。
また、切り込み10aは、列間中心線21aに対して、風下側(中心線20b側に)に偏心して設けられている。そして、列間中心線21aから切り起こし12bまでの距離は、列間中心線21aから切り起こし12aまでの距離よりも、短くなっている。
図9に示す構成を、図10を参照しながらさらに詳細に説明する。切り込み10aが風下側に変身していることは前記のとおりであるが、切り込み10aと2列目の最も風上側に配置された切り起こし12bとの間隔31aが、切り込み10bと3列目の最も風上側に配置された切り起こし12dとの間隔31bよりも、狭くなっている。即ち、図10に示す間隔31aは、間隔31bよりも狭くなっている。
再熱器6bBにおいては、切り込み10aと切り起こし12bとの間の距離が狭くなる。2列目におけるフィン9の伝熱面積が減少するため、1列目への熱伝導が抑制される。さらには、再熱器6bと同様に、伝熱管13aと伝熱管13bとの熱伝導距離が長くなり、熱伝導が抑制される。
ただし、再熱器6bとは異なり、2列目の伝熱面積が小さくなっている一方、1列目の伝熱面積が大きくなっている。このため、1列目からの放熱効率が上昇する。これにより、フィン効率が向上する。そのため、1列目からの放熱量を増大させられ、伝熱管13aを通流する過冷却度を確保し易くなる。
また、再熱器6bBにおいても、接続部11bの幅が接続部11aの幅よりも大きく設定されている。これにより、フィン強度を高めることができるとともに、熱交換器全体としての伝熱性能を向上させている。即ち、省エネルギ性が向上する。従って、再熱器6bBを室内機の再熱器として用いて空気調和機100を構成することで、凝縮性能が高く、暖房運転時に効率良く運転することができる。
[3.第3実施形態]
次に、図11を参照しながら、第3実施形態に係る再熱器6bCの構成を説明する。なお、以下の説明では、図3等に示す再熱器6bとの相異点について主に説明し、同様の内容についての説明は簡略化のために省略する。また、図3に示す再熱器6bと同じ部材については同じ符号を付すものとし、その詳細な説明を省略する。さらに、再熱器6bC以外の空気調和機の構成は、前記した内容と同様である。なお、図11においては、中心線20a,20b,20c及び列間中心線21a,21bの記載を省略している。
再熱器6bCにおいては、伝熱管13aの太さが、図3に示す再熱器6bにおける伝熱管13aの太さよりも太くなっている。即ち、再熱器6bCにおける伝熱管13aの内径は、再熱器6bにおける伝熱管13aの内径よりも太くなっている。即ち、熱交換器6を構成する再熱器6bCにおいては、再熱器6bCを構成する複数の伝熱管のうち、伝熱管13aの内径は、他の伝熱管13の内径とは異なる(太い)ものになっている。つまり、再熱器6bCには、内径の異なる伝熱管13が含まれている。
さらに、接続部11bは、3列目の伝熱管13cの段ピッチ中央部近傍に設けられている。
再熱器6bCにおいても、接続部11bの幅が接続部11aの幅よりも大きく設定されている。これにより、フィン強度を高めることができるとともに、熱交換器全体としての伝熱性能を向上させている。
また、再熱器6bCにおいても、切り込み10aは、伝熱管13aと伝熱管13bとの間の列間中心線(図3における列間中心線21aに相当。図11では図示しない)に対し、切り起こし12a側に偏心している。また、切り込み10bは、伝熱管13bと伝熱管13cとの間の列間中心線(図3における列間中心線21bに相当。図11では図示しない)上に設けられている。これらの点は、図3に示した再熱器6bと同様である。
また、再熱器6bCにおいては、切り込み10aと切り起こし12aの間の距離32aが、切り込み10bと切り起こし12cの間の距離32bよりも短くなるように設定している。このように、1列目の伝熱管13aの内径が太くなった場合でも、切り込み10aを風上側に偏心させる(即ち、切り起こし12aに近づけて1列目の伝熱面積を減少させる)ことで、再熱器6bと同様に、熱伝導を抑制することができる。
また、2列目の伝熱面積が広がるため、2列目のフィン効率を向上させることができ、熱交換器としての伝熱性能を高めることができる。即ち、省エネルギ性が向上する。従って、再熱器6bCを室内機の再熱器として用いて空気調和機100を構成することで、凝縮性能が高く、暖房運転時に効率良く運転することができる。
[4.第4実施形態]
次に、図12を参照しながら、第4実施形態に係る再熱器6bDの構成を説明する。なお、以下の説明では、図3等に示す再熱器6bとの相異点について主に説明し、同様の内容についての説明は簡略化のために省略する。また、図3に示す再熱器6bと同じ部材については同じ符号を付すものとし、その詳細な説明を省略する。さらに、再熱器6bD以外の空気調和機の構成は、前記した内容と同様である。
再熱器6bDにおいては、3本の切り込み10(10a1,10a2,10a3)の、列間中心線21aに対する偏心幅がそれぞれ異なっている。即ち、列間中心線21aから切り込み10a1までの距離が最も短く、列間中心線21aから切り込み10a3までの距離が最も長くなっている。
さらに、図示はしていないが、伝熱管13a(13a1,13a2,13a3,13a4)を通流する冷媒の温度がそれぞれ異なっている。具体的には、伝熱管13a1、伝熱管13a2、伝熱管13a3及び伝熱管13a4の順で冷媒が通流し、冷媒の温度が徐々に低下するようになっている。即ち、伝熱管13a1を通流する冷媒の温度が最も高く、伝熱管13a4を通流する冷媒の温度が最も低くなっている。従って、再熱器6bDにおいては、伝熱管13a1,13a2,13a3,13a4を通流する冷媒の温度と、伝熱管13b(図12においては3本)を通流する冷媒とのそれぞれの温度差に応じ、列間中心線21aに対する切り込み10aの偏心幅が設定されている。
1列目の伝熱管13aの温度が一定或いは略一定である場合、例えば図3で示したように、接続部11を1列目の伝熱管13aの段ピッチ中央近傍に配置することで、接続部11から隣接する2本の伝熱管13aまでの距離を等しくすることができる。これにより、熱伝導の影響も同等となる。しかし、再熱器6bの使用環境によっては、過冷却域の冷媒温度は徐々に低下し、隣接する2本の伝熱管13aを通流する冷媒の温度が前記のように異なることがある。そのため、冷媒流れの下流側となる伝熱管13a4の方が熱伝導の影響が大きくなる。
2列目の伝熱管13bから1列目の伝熱管13aへの熱伝導は、温度差が大きい場合に顕著になる。従って、列間の温度差の小さい(即ち、通流する冷媒温度が最も高いため、2列目のフィン温度と最も近い)伝熱管13a1近傍では、偏心幅を小さくした方が好ましい。このようにすることで、伝熱面積をより適切に確保することができる。そのため、再熱器6bDにおいては、列間の温度差は過冷却域における冷媒の下流(伝熱管13a4)に向かうほど大きいので、下流に向かうほど偏心幅を大きくしている。
つまり、再熱器6bDにおいては、温度差が小さく熱伝導の影響を受けにくい伝熱管13a1近傍では、切り込み10a1の偏心幅を小さくする。一方で、温度差がある程度大きく熱伝導の影響を受けやすい伝熱管13a2,13a3近傍では、伝熱管13a2及び13a3近傍の切り込み10a2の偏心幅を大きく設定する。温度差が特に大きく熱伝導の影響を特に受けやすい伝熱管13a4近傍では、伝熱管13a4近傍の切り込み10a3の偏心幅をさらに大きくして配置している。これらのことをまとめると、伝熱管13a(13a1、13a2、13a3、13a4)を通流する冷媒の温度と、伝熱管13bを通流する冷媒の温度との温度差が大きいほど、列間中心線21aに対する切り込み10a(10a1、10a2、10a3)の偏心幅が大きく設定されている。
このように、列間の温度差が小さい領域では、切り込みの偏心幅を小さくする。これにより、熱伝導の影響の小さな領域では、1列目の伝熱面積が過度に小さくなることを避けることができる。その結果、高い伝熱性能を維持できる。また、列間の温度差の大きい領域では、切り込みの偏心幅を大きくする。これにより、伝熱面積を減少させて熱伝導の抑制効果を高め、伝熱性能の向上を図っている。
以上の構成によれば、熱交換器全体としての伝熱性能を改善でき、省エネルギ性の高い空気調和機を提供することができる。即ち、省エネルギ性が向上する。従って、再熱器6bDを室内機の再熱器として用いて空気調和機100を構成することで、凝縮性能が高く、暖房運転時に効率良く運転することができる。
[5.第5実施形態]
次に、図13を参照しながら、第5実施形態に係る再熱器6bEの構成を説明する。なお、以下の説明では、図3等に示す再熱器6bとの相異点について主に説明し、同様の内容についての説明は簡略化のために省略する。また、図3に示す再熱器6bと同じ部材については同じ符号を付すものとし、その詳細な説明を省略する。さらに、再熱器6bE以外の空気調和機の構成は、前記した内容と同様である。
再熱器6bEにおいては、接続部11a1の位置が再熱器6bとは異なっている。具体的には、再熱器6bでは伝熱管13aの段ピッチ中央近傍に接続部11aが設けられていたが、再熱器6bEでは紙面左方向にやや偏心して設けている。即ち、接続部11a2は、伝熱管13b2の中心から冷媒流れに垂直な方向に延ばした直線上に設けられているが、接続部11a1は、伝熱管13b1の中心から冷媒流れに垂直な方向に延ばした直線に対して紙面左側に偏心して設けられている。なお、第5実施形態においても第4実施形態と同様、冷媒は伝熱管13a1側から伝熱管13a4側に向かって順に通流し、徐々に温度が低下しているものとする。
1列目の伝熱管13a温度が一定であると仮定した場合、接続部11を1列目の段ピッチ中央近傍に配置することで、接続部11から隣接する2本の伝熱管13aまでの距離を等しくすることができる。これにより、熱伝導の影響も同等となる。しかし、再熱器6bの使用環境によっては、過冷却域の冷媒温度は徐々に低下し、隣接する2本の伝熱管13aの温度が異なることがある。そのため、冷媒流れの下流側となる伝熱管13a4の方が熱伝導の影響が大きくなる。
そこで、再熱器6bEでは、接続部11aに近い1列目の伝熱管13a1,13a2のうち、冷媒流れで上流側となる伝熱管13a1側に、段ピッチ中央部から偏心させて配置する。即ち、接続部11aは、伝熱管13a1,13a2の中心部から、伝熱管13a1,13a2内部を通流する冷媒流れの上流側となる伝熱管13a1側に偏心されている。これにより、温度差がより大きくなる下流側の伝熱管13a2への熱伝導による影響を抑制し、より過冷却を取り易い熱交換器とすることができる。
さらに、再熱器6bEでは、接続部11a1のみ偏心させ、接続部11a2は偏心させていない。過冷却域の冷媒温度は、冷媒温度が高い条件では空気との温度差が大きく、放熱量が大きくなるため、冷媒の温度変化も大きくなる。一方、冷媒温度が低下してくると空気との温度差が小さくなるので、放熱量が小さくなり温度変化も小さくなる。
冷媒流れの上流側に配置された接続部11a1に近い2本の伝熱管13a1,13a2の各温度差は、接続部11a2に近い2本の伝熱管13a3,13a4の各温度差よりも大きい。従って、温度差が小さい領域、即ち接続部11a2は偏心させていないが、温度差が大きな領域、即ち接続部11a1は偏心させている。
以上の構成にすることで、熱交換器全体としての伝熱性能を改善でき、省エネルギ性の高い空気調和機を提供することができる。即ち、省エネルギ性が向上する。従って、再熱器6bEを室内機の再熱器として用いて空気調和機100を構成することで、凝縮性能が高く、暖房運転時に効率良く運転することができる。
[6.第6実施形態]
次に、図14を参照しながら、第6実施形態を説明する。前記した第1実施形態〜第5実施形態はいずれも再熱器6bに関するものであったが、列間で温度差がある熱交換器という点で冷却器と再熱器とは同じであるので、第6実施形態では冷却器6aAの構成を説明する。冷却器6aAは、前記のように、高温の冷媒ガスが流入し、気体と液体との二相状態で冷媒が排出されるものである。
冷媒は、風下側の3列目(列6a3)から気体状態で流入する。そして、冷媒は放熱しながら2列目(列6a2)、1列目(列6a1)へとこの順で通流し、凝縮されるようになっている。2列目と1列目は二相状態であり、気体状態となっているのは流入時の3列目である。従って、2列目を通流する冷媒と3列目を通流する冷媒との間に、列間に大きな温度差が生じることになる。
そこで、冷却器6aAでは、2列目と3列目との間に設けた切り込み10bを、接続部11bに隣接する切り起こし12d側に偏心させる。これにより、切り込み10bと切り起こし12dとの間の距離を狭めて、3列目の伝熱管13cから2列目の伝熱管13bへの熱伝導を抑制することができる。
また、伝熱管13b及び伝熱管13c間の熱伝導距離を延ばし、熱伝導を抑制する。さらには、2列目の伝熱面積を増大させて、2列目における放熱量を増大させることができる。またさらには、切り込み10bと切り起こし12cとの間の距離を拡げることによって、フィン熱伝導を促進させてフィン効率を高め、フィン9からの放熱量をさらに増大させることができる。
以上の構成にすることで、熱交換器全体としての伝熱性能を改善でき、省エネルギ性の高い空気調和機を提供することができる。即ち、省エネルギ性が向上する。従って、冷却器6aAを室内機の冷却器として用いて空気調和機100を構成することで、凝縮性能が高く、暖房運転時に効率良く運転することができる。
[7.変更例]
以上、図面を参照しながら本実施形態を説明したが、本実施形態は以上の内容に限定されるものではない。例えば、以上の説明は、主に空気調和機の暖房運転時を例に説明したが、冷房運転時でも同様の説明が適用される。
また、例えば、2列目と3列目との間には切り込み10bを設けないようにしてもよい、これにより、フィン強度のさらなる向上を図ることができる。
また、各接続部11に隣接していない(対面していない)切り起こし12は必須の部材ではなく、必要に応じて削減してもよい。
また、図11を参照しながら説明した第3実施形態においては、伝熱管の太さはどのように異なっていてもよい。即ち、第3実施形態では伝熱管13aが太くなっているが、伝熱管13aを細くしてもよい。このような場合には、細い伝熱管13aに対応させて切り込み10aを偏心させて、切り起こし12aとの距離を狭くすればよい。
また、図12を参照しながら説明した第4実施形態においては、接続部11aを2列目の伝熱管13bの段ピッチ中央近傍(即ち列間中心線21a上)に配置し、切り込み10a1を風下側に偏心させるとしてもよい。この場合も、伝熱管13a1側の偏心幅が小さく、伝熱管13a4側の偏心幅が大きくなる。
さらに第4実施形態では、1列目の冷媒の流れが2系統若しくはそれ以上の系統数になっていてもよい。このような場合には、冷媒流れに沿って偏心幅を適宜変更すればよい。
また、図13を参照しながら説明した第5実施形態においては、接続部11a2を、偏心幅が接続部11a1に対して小さくなるように偏心させてもよい。
また、図14を参照しながら説明した第6実施形態においては、接続部11bを2列目の伝熱管13bの段ピッチ中央近傍に配置し、切り込み10bを風上側に偏心させてもよい。また、再熱器6bに適用した場合と同様、切り込み10bの列間中心線からの偏心幅や、接続部の段ピッチ中央からの偏心幅を、吐出ガス冷媒の流れ方向にあわせて適宜変更すればよい。これにより、伝熱性能の向上効果が得られる。
また、各実施形態において、フィン9は3列になっているが、2列であってもよく、4列以上であってもよい。また、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、各実施形態の構成を適宜組み合わせて実施してもよい。
そして、以上のように変更しても、本実施形態の効果と同様の効果が奏される。
6 室内熱交換器(熱交換器)
6a 冷却器
6b 再熱器
10 切り込み
10a 切り込み(第1切り込み)
10b 切り込み(第2切り込み)
11 接続部
11a 接続部(第1接続部)
11b 接続部(第2接続部)
12 切り起こし
12a 切り起こし(第1切り起こし)
12b 切り起こし
12c 切り起こし(第2切り起こし)
12d 切り起こし
13 伝熱管
13a 伝熱管(第1の複数の伝熱管を構成する伝熱管)
13b 伝熱管(第2の複数の伝熱管を構成する伝熱管)
13c 伝熱管(第3の複数の伝熱管を構成する伝熱管)
20a 中心線(第1の複数の伝熱管の中心同士を結ぶ線)
20b 中心線(第2の複数の伝熱管の中心同士を結ぶ線)
20c 中心線(第3の複数の伝熱管の中心同士を結ぶ線)
21a 列間中心線(第1列間中心線)
21b 列間中心線(第2列間中心線)

Claims (12)

  1. フィンと、前記フィンを貫通し、千鳥状に設けられる複数の伝熱管と、前記フィン表面に設けられ切り込み及び切り起こしと、を有するクロスフィンチューブ型熱交換器を備える空気調和機であって、
    前記熱交換器は、
    前記フィンの風上側に配設される第1の複数の伝熱管と、前記フィンの風下側に配設される第2の複数の伝熱管と、は略同方向に配列され、
    前記第1の複数の伝熱管同士の間には切り起こしが設けられ、
    前記第1の複数の伝熱管と前記第2の複数の伝熱管との間には切り込みが設けられ、該切り込みと隣接する別の切り込みとの間には接続部が設けられ、
    該接続部の長さは、前記第1の複数の伝熱管のうちの隣接する伝熱管間の長さよりも短く、
    前記接続部に隣接して、前記接続部の長さよりも長い切り起こしを設け、
    前記第1の複数の伝熱管と前記第2の複数の伝熱管との間に設けられる前記切り込みは、前記第1の複数の伝熱管の中心同士を結ぶ線と前記第2の複数の伝熱管の中心同士を結ぶ線との中間に位置する第1列間中心線に対し、前記第1の複数の伝熱管又は前記第2の複数の伝熱管側に偏心して配設され
    前記第2の複数の伝熱管の風下側に第3の複数の伝熱管が前記フィンを貫通して設けられ、
    前記第1の複数の伝熱管、前記第2の複数の伝熱管及び前記第3の複数の伝熱管は略同方向に配設され、
    前記第1の複数の伝熱管と前記第2の複数の伝熱管との間には、切り込みとしての第1切り込みと接続部としての第1接続部とが設けられ、
    前記第2の複数の伝熱管及び前記第3の複数の伝熱管の間には、切り込みとしての第2切り込みと接続部としての第2接続部とが設けられ、
    前記第1切り込みは、前記第1列間中心線に対して偏心して設けられているとともに、
    前記第2切り込みは、前記第2の複数の伝熱管の中心同士を結ぶ線と、前記第3の複数の伝熱管の中心同士を結ぶ線との中間に位置する第2列間中心線上に設けられている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  2. 請求項1に記載の空気調和機において、
    前記接続部が、前記第1の複数の伝熱管のうちの隣接する伝熱管間の略中央に設けられ、
    前記第1の複数の伝熱管と前記第2の複数の伝熱管との間に設けられる前記切り込みが、前記第1列間中心線に対し、前記第1の複数の伝熱管側に偏心して配設されている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  3. 請求項1に記載の空気調和機において、
    前記接続部が、前記第2の複数の伝熱管のうちの隣接する伝熱管間の略中央に設けられ、
    前記第1の複数の伝熱管と前記第2の複数の伝熱管との間に設けられる前記切り込みが、前記第1列間中心線に対し、前記第2の複数の伝熱管側に偏心して配設されている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  4. 請求項に記載の空気調和機であって、
    前記第1接続部に隣接する第1切り込みと、該第1切り込みに隣接する第1切り起こしとの距離が、前記第2接続部に隣接する第2切り込みと、該第2切り込みに隣接する第2切り起こしとの距離よりも短くなっている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の空気調和機であって、
    前記第2接続部の長さが、前記第1接続部の長さよりも長くなっている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載の空気調和機であって、
    前記熱交換器を構成する前記複数の伝熱管は、内径が異なる伝熱管を含んでいる
    ことを特徴とする、空気調和機。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載の空気調和機であって、
    前記第1の複数の伝熱管を構成する伝熱管を通流する冷媒の温度と、前記第2の複数の伝熱管を構成する伝熱管を通流する冷媒の温度との温度差が大きいほど、前記第1列間中心線に対する切り込みの偏心幅が大きく設定されている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載の空気調和機であって、
    前記接続部が、前記第1の複数の伝熱管を構成する隣接する伝熱管の中心部から、該伝熱管内部を通流する冷媒流れの上流側となる伝熱管側に偏心されている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載の空気調和機であって、
    前記第1の複数の伝熱管を構成する伝熱管の中心と、前記第1の複数の伝熱管と前記第2の複数の伝熱管との間に設けられる切り込みの端部と、を結ぶ直線が、前記第1の複数の伝熱管間に設けられる切り起こしと交わるように前記切り起こしが配設されている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  10. 請求項1〜の何れか一項に記載の空気調和機であって、
    前記接続部の長さをW1、該接続部に隣接して設けられる切り起こしの長さをW2、並びに、該切り起こしの両側に配設される伝熱管間の距離をW3とする場合、下記式(1)
    Figure 0005519624
    を満たして、前記接続部、前記切り起こし及び前記伝熱管が配設されている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の空気調和機であって、
    前記接続部の長さをW1、該接続部に隣接して設けられる切り起こしの両側に配設される伝熱管間の距離をW3とする場合、
    W1をW3で除した値が0.6以下になるように、前記接続部及び前記伝熱管が配設されている
    ことを特徴とする、空気調和機。
  12. 請求項11に記載の空気調和機であって、
    W1をW3で除した値が0.2以下になるように、前記接続部及び前記伝熱管が配設されている
    ことを特徴とする、空気調和機。
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