JP5519603B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、洗剤投入部の高さ方向の省スペース化を図り、回転ドラムと、洗濯物を出し入れする扉との位置を従来よりも高い位置に配置して、楽な姿勢で洗濯物を出し入れすることができるドラム式洗濯機を提供することを課題とする。
図1に示すように、この発明のドラム式洗濯機Aは、少なくとも洗剤投入部4を備えた洗濯機であれば適応可能であり、不図示の電熱ヒータや電動送風機等の乾燥機構を備えたドラム式洗濯乾燥機であってもよい。以下、ドラム式洗濯機A(以下、適宜に「洗濯機A」ともいう)を例に挙げて説明する。
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。
≪洗濯機の構成≫
図1に示すように、洗濯機A(ドラム式洗濯機)は、この洗濯機Aの筐体1の上面部に洗剤投入部4が設けられ、筐体1の前面部に衣類等の洗濯物を出し入れする衣類投入口1bが設けられて、略ドラム形の回転ドラム3の回転軸がやや斜めになっており、その回転軸回りに回転ドラム3が回転することによって、衣類投入口1bから投入された衣類を洗濯する装置である。洗濯機Aは、それぞれ後記する筐体1、外槽2、回転ドラム3、洗剤投入部4、給水ユニット5、操作パネル6、ダンパ7、扉8等を備えている。
図1に示すように、筐体1は、ドラム式洗濯機Aの外観形状を形成すると共に、その洗濯機Aの構成部品を包み込んで保持するハウジングである。この筐体1は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせて略箱形形状に形成されている。筐体1には、前面に設けられた前面カバー1cに前記衣類投入口1bが形成され、前面カバー1cの内側にベローズ(図示省略)、外槽2、回転ドラム3、モータ(図示省略)等が配置されている。筐体1において、前面カバー1cの上部と、上面に設けられた上面カバー1dの前端部との間には、前記洗剤投入部4が設けられる洗剤投入部設置口1aと、操作パネル6が設けられる操作パネル設置口1eと、が形成されている。上面カバー1dの下には、前記給水ユニット5、給水管P1,P2、洗剤送出管P3(図2参照)等が内設されている。筐体1内の下部には、ダンパ7、排水ホース(図示省略)、ベース9等が設置されている。
前記筐体1において、洗剤投入部設置口1a及び操作パネル設置口1eの周縁部下面には、不図示の補強部材が設置されている。
外槽2は、洗い及びすすぎの際に、使用する水が注がれて一時的に貯留されるドラム形の水槽であり、衣類投入口1b側が開口された有底円筒体からなる。外槽2の後部底面には、一端側内に回転ドラム3が回転自在に軸支され、他端側にモータ(図示省略)の回転軸が軸支されている。外槽2の内側には、前記回転軸を後部底面に固定した回転ドラム3が、その回転軸を軸支することで、回転可能な状態に収納されている。その外槽2は、前面部が、ベローズ(図示省略)によって筐体1の前側内壁に弾性的に支持され、下面部が、ダンパ7により弾性的に支持され、さらに、上面部が、補助ばね(図示省略)で筐体1の天井面に弾性的に吊り下げられている。
図1に示すように、前記回転ドラム3は、洗濯する衣類が収容される内槽であり、前端が開口された有底円筒状(ドラム形状)に形成された洗濯槽(洗濯槽兼乾燥槽)である。回転ドラム3には、この内部及び外部に水が流通する多数の孔が穿設されている。回転ドラム3は、底面中心に不図示の回転軸を介在してモータ(図示省略)に連結されて、そのモータによって回転されるようになっている。
なお、回転ドラム3の高さ位置について、後記するように、洗剤投入部4が上面給水ではなく、側面(背面)給水であるので、上面から給水するものよりも、洗剤投入部4の厚さを薄くすることができる。その分、回転ドラム3を高い位置に配置している。
図1に示すように、前記洗剤投入部4は、粉末洗剤、液体洗剤(あるいは漂白剤)、ソフト仕上剤(柔軟剤)等の洗剤が投入される部位であり、例えば、筐体1の上面左側前端部に配置されている。洗剤投入部4は、上面部に配置された洗剤蓋44を上下方向に回動させて開口部4aを開放すれば、洗剤や柔軟剤をそれぞれ投入可能な洗剤投入室40が現れて、それぞれの洗剤を投入することができるようになっている。
なお、洗剤投入室40(粉末洗剤投入室40A、液体洗剤投入室40B、ソフト仕上剤投入室40C)は、空間(場所)の名称であり、洗剤ケース42により区画される。
図1に示すように、前記洗剤ボックス41は、筐体1の上面前側左端部に形成された洗剤投入部設置口1aに挿着される外ケース体であり、合成樹脂によって形成されている。洗剤ボックス41は、平面視して左右方向に長い長方形をしている。
図3に示すように、洗剤ボックス41には、それぞれ後記するフランジ部41a、係止孔41b、係止部41c、ねじ挿入孔41d、段差部41e、軸支片41f、洗剤ケース収納部41g、後側側壁41h、給水管挿着部41i,41j、洗剤送出管挿着部41k、ロック爪41m,41n,41o(図5参照)、傾斜底面部41p、リブ41q等が一体形成されている。
ねじ挿入孔41dは、補給部材(図示省略)にフランジ部41aをねじ止めするねじ(図示省略)が挿入される孔であり、フランジ部41aに複数形成されている。
このように環状の段差部41eには、洗剤蓋44が洗剤投入室40を開閉するように回動自在に配置されて、洗剤蓋44を閉めた際に、環状のパッキン部材44dの先端全体が弾接し、洗剤ケース42を内嵌した洗剤ケース収納部41g内が密閉状態に保持される。
給水管挿着部41iは、背面視及び側面視して、後側側壁41hの略中央部位に設置されて、後記する給水口42cに連通している(図4参照)。
給水管挿着部41jは、背面視して後側側壁41hの右寄りの位置に前方向に向けて形成されて、後記する給水口42dに連通している(図4参照)。
洗剤送出管挿着部41kは、背面視して後側側壁41hの左下端部の位置に前後方向に向けて設置されて、後記する傾斜底面部41pの最も低い位置に形成されている。
リブ41qは、洗剤ケース収納部41g内に洗剤ケース42を内嵌させた際に、粉末洗剤投入室40Aの下面が当接して支持される支柱である。このリブ41qは、平面視してJ字状(略半円筒状)に形成され、洗剤送出管挿着部41kの洗剤ケース収納部41g側の前側周辺を適宜な間隔を介して囲むように配置されている。
図3に示すように、洗剤ケース42は、洗剤ボックス41内に着脱可能に装着される内ケース体であり、前記のように洗剤投入室40が粉末洗剤投入室40Aと、液体洗剤投入室40Bと、ソフト仕上剤投入室40Cとに区画されている。また、洗剤ケース42は、洗剤蓋44を開放して開口部4aから洗剤が投入されると共に、その洗剤を溶かして流す水が給水口42c,42dから給水される。洗剤ケース42には、それぞれ後記する開口縁部42a、壁部42b、給水口42c,42d、内底42e,42f,42g、流出口42h,42i,42j、内筒部42k,42m、切欠部42n、仕切板42o,42p、側口42q、後側切欠部42r、前側切欠部42s等が一体形成されている。
また、前記のとおり、サイホンは省略してある。すなわち、内筒部42k,42mに被せてサイホンを形成して、液体洗剤投入室40B、ソフト仕上剤投入室40Cに溜まった水を流出口42i,42jから排出させるキャップは省略してある。
図4に示すように、開口縁部42aは、洗剤ケース42の上部周縁部に形成された枠状部位であり、洗剤ケース収納部41g内に着脱自在に内嵌されている。つまり、洗剤ケース42は、洗剤ボックス41に対して着脱自在に係合され、洗剤ケース42が汚れた場合に、洗剤ボックス41から取り外して洗浄できるようになっている。
壁部42bは、洗剤投入室40の側壁であり、洗剤投入室40の内壁側が洗剤ケース42によって形成されている。
図4に示すように、給水口42c,42dは、洗剤投入部4内にそれぞれ水を噴射して給水する部位であり、壁部42bの後方側から洗剤投入部4内に水がそれぞれ流入するように形成された左右2つの吐出口からなる。給水口42c,42dは、いずれも、洗剤投入部4の高さ寸法H(図5参照)以内の壁部42bの位置(高さHよりも低い位置)に設けられている。
また、図1に示すように、給水口42c,42dは、洗剤ケース42の壁部42bに配置されていることにより、給水ユニット5を洗剤ボックス41の後方に配置できるため、給水ユニット5の高さ分だけ、洗剤投入部4の高さを低く設定して、回転ドラム3と、洗濯物を出し入れする扉8との位置を高い位置に設定することに寄与することができる。
右側の給水口42dの後側には、前記左側の給水口42cと同様に、洗剤ボックス41に形成された給水管挿着部41j内に挿着された給水管P2の先端部が係合されている。
また、図4に示すように、給水口42c,42dの後面部には、給水管P1,P2の先端部上側半体部位が係合する半円状の係合突起42t,42uがそれぞれ形成されている。この係合突起42t,42uは、給水管P1,P2の先端部上側半体部位が係合することにより、洗剤ケース42を洗剤ケース収納部41g内に安定した状態で支持する役目も果たす(図6(a)、(b)参照)。
内底42e,42f,42gは、粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40Bとソフト仕上剤投入室40Cとにそれぞれ区画された各洗剤投入室40に形成されている。
流出口42h,42i,42jは、各粉末洗剤投入室40A、液体洗剤投入室40B及びソフト仕上剤投入室40C内にある洗剤及び水を、洗剤ケース42の下側の洗剤ボックス41の傾斜底面部41p上に排出するための管路であり、各洗剤投入室40内の内底42e,42f,42gに形成されている。
図3に示すように、流出口42h(図6(b)参照)の下方部位は、円筒状に形成され、洗剤ケース42を洗剤ボックス41に内嵌した際に、その円筒状の流出口42hが略半円状のリブ41q内に係合されて支持されるように組み付けられる。流出口42h内には、異物が通過するのを防止する十字状の通過防止部が形成されている。
また、洗剤ケース42のソフト仕上剤投入室40Cの下面には、洗剤ボックス41の傾斜底面部41pの上面に当接する支柱42vが下方に向けて突設されている。
側口42qは、粉末洗剤投入室40Aの左側側壁に形成された横孔であり、流出口42h,42i,42jに連通している。
図4に示すように、仕切板42oは、粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40Bを仕切る隔壁であり、この仕切板42oの前後端部には、粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40Bとに連通する後側切欠部42r及び前側切欠部42sが形成されている。粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40B内の水は、後側切欠部42r及び前側切欠部42sを通って自由に粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40Bとの間を往来可能になっている。
図4に示すように、後側切欠部42rは、給水口42cに前方にある仕切板42oの上側後端部を切欠形成されて、粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40Bとを連通させた流路である。このため、仕切板42oの上側後端部は、側面視して溝状(凹部状)に形成されている。
前側切欠部42sは、仕切板42oの上側前端部を前下りに傾斜するように切欠形成されて、粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40Bとを連通させた流路となる部位である。このため、仕切板42oの上側後端部は、側面視して三角溝状に形成されている。
仕切板42pは、液体洗剤投入室40Bとソフト仕上剤投入室40Cとを仕切る隔壁である。
図4(a)に示すように、洗剤投入室40は、洗剤が投入される窪みであり、仕切板42oと仕切板42pとによって三つに区画形成されている。その洗剤投入室40は、粉末洗剤が投入される粉末洗剤投入室40Aと、液体洗剤が投入される液体洗剤投入室40Bと、ソフト仕上剤が投入されるソフト仕上剤投入室40Cとが、筐体1(図1参照)の間口方向に並べて配置されてなる。
図4に示すように、粉末洗剤投入室40Aには、内底42eに流出口42hが形成され、壁部42bに側口42qが形成されている。給水口42cから粉末洗剤投入室40A内に供給された水は、時計回り方向に渦を捲くように流れて粉末洗剤を溶かして流出口42h、側口42qから洗剤ボックス41内に流れ込む。
液体洗剤投入室40Bには、内底42fに流出口42iを有する内筒部42kが形成されている。給水口42cから液体洗剤投入室40B内に供給された水は、反時計回り方向(矢印j方向)に渦を捲くように流れて液体洗剤を薄めてサイホン(図示省略)内の流出口42iから洗剤ボックス41内に流れ込む。給水口42cの中央部前方には、仕切板42oが配置されて、給水口42cから噴射された水が、粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40Bとに均等に二分されるようになっている。仕切板42oは、後側切欠部42r及び前側切欠部42sがあるので、粉末洗剤投入室40Aと液体洗剤投入室40Bとに大きな水位の差が出ないようになっている。
図3において、サイホンを構成する外筒部(キャップ)は、省略してあるが、液体洗剤投入室40B内に存在する水を外筒部(図示省略)と内筒部42kとの隙間内に吸い上げて、内筒部42kの流出口42hから流出させるものとする。この点は、ソフト仕上剤投入室40Cにおいても同じであるので説明を省略する。
なお、内筒部42k,42mの外周部の下端部には、六つの補強リブが60度の等間隔で放射方向に向けて形成されて補給されている。
図3に示すように、洗剤蓋44は、洗剤ボックス41に回動自在に軸支され、開口部4aを開閉する蓋部材であり、洗剤蓋44の基端部の左右に設けられた軸部44a,44bを回動自在かつ着脱自在に軸支片41f,41fに軸合して配置されている。
洗剤蓋44には、後記する軸部44a,44b、軸部操作ノブ44c、パッキン部材44d、開閉ロックノブ44e、投入洗剤表示部44f,44g,44hが形成されている。
軸部44a,44bは、洗剤蓋44の基端部(後端部)の左右に設けられた円柱形状の突起からなる。左側の軸部44aは、軸部操作ノブ44cと一体に左右方向に移動可能に設けられて、外方向に向かって突出するようにばね部材(図示省略)によって常時押圧された状態に設けられている。
そして、軸部操作ノブ44cを右方向にスライドさせてばね部材(図示省略)を圧縮させれば、軸部44aが洗剤蓋44の左端面から没入して洗剤蓋44を軸支片41f,41fから離脱できるようになっている。
他方の軸部44bは、洗剤蓋44の右端面に一体形成した凸部状からなる。
図3に示すように、パッキン部材44dは、洗剤蓋44を閉じた際に、洗剤ケース42の周囲の段差部41eに密着状態に弾接して、洗剤投入室40の洗剤及び水が外部に漏れるのを防止するパッキンである。このパッキン部材44dは、矩形リング形状のゴム製部材からなり、洗剤蓋44の下面に固着されている。
開閉ロックノブ44eは、洗剤蓋44の先端部中央に回動自在に弾性支持され、洗剤蓋44を閉めたときに自動的にノブ係止部41uに係止して、洗剤蓋44をロック・アンロック状態に係止・離脱できるようになっている。開閉ロックノブ44eは、使用者が指でノブを押しながら引き上げることで、開放できるようになっている。
投入洗剤表示部44f,44g,44hは、前記パッキン部材44dの基端側の内側側縁部に設けられ、各粉末洗剤投入室40A、液体洗剤投入室40B、ソフト仕上剤投入室40Cに投入する洗剤名を表示する部位である。投入洗剤表示部44f,44g,44hは、パッキン部材44dの外側にあるので、洗剤などが固着して、表示文字が見え難くなることを防止することができる。
投入洗剤表示部44fは、洗剤蓋44において粉末洗剤投入室40Aの近傍の基端部に配置され、例えば「粉末洗剤」の文字がシールまたは刻印によって表示されている。
投入洗剤表示部44gは、洗剤蓋44において液体洗剤投入室40Bの近傍の基端部に配置され、例えば「液体洗剤」、「漂白剤」の文字がシールまたは刻印によって表示されている。
投入洗剤表示部44hは、洗剤蓋44においてソフト仕上剤投入室40Cの近傍の基端部に配置され、例えば「ソフト仕上剤」の文字がシールまたは刻印によって表示されている。
次に、図1〜図6を参照しながら本発明に係るドラム式洗濯機Aにおける洗剤投入部4等の動きと水の流れについての一例を工程順に説明する。
図3に示すように、給水口42c,42dは、洗剤ケース42の壁部42bに配置されている。このため、給水口42c,42dに水を供給するための給水ユニット5は、図2に示すように、洗剤ボックス41の後方に配置されて、上方にないので、給水ユニット5の高さ分だけ、洗剤投入部4の高さを低く設定して、回転ドラム3と、洗濯物を出し入れする扉8との位置を高い位置に設定することができる。その結果、洗濯物を回転ドラム3内に出し入れする作業が行い易くなる。
また、洗剤ケース42も洗剤ボックス41に対して着脱自在なため、容易に洗浄することができる。
そして、粉末洗剤投入室40A内の水は、時計回り方向に渦を捲くように流れながら、流出口42hと側口42qから洗剤ボックス41内に落下して洗剤送出管P3から外槽2(図1参照)内に送られる。
また、手動的にすすぎ給水時に、洗剤蓋44を開放してソフト仕上剤をソフト仕上剤投入室40Cに投入し、洗剤蓋44を閉めて、ソフト仕上剤投入室40Cに給水してもよい。
つまり、本発明は、口径の大きい給水管P1,P2を給水口42c,42dに取り付けていることによって、給水口42c,42dから噴射される水の勢いが適度に弱く規制され、また、洗剤投入室40が洗剤蓋44を閉じることで、パッキン部材44dによって密閉状態になるため、粉末洗剤投入室40A、液体洗剤投入室40B、ソフト仕上剤投入室40Cに給水された水が外部に飛散したり、漏れ出すことがない。
このため、ソフト仕上剤は、洗濯する際に、始めに洗剤投入部4内に投入しても、洗濯の最中のすすぎ工程時に投入してもどちらでもよい。
洗剤ケース42を洗浄する場合は、洗剤蓋44を開けて、そのまま手で掴んで引き上げれば洗剤ケース42を洗剤ボックス41から取り外して容易に洗浄することができる。このため、洗剤投入部4内を容易に清潔にすることができる。
このため、本発明の第1実施形態は、洗剤投入部4の高さH(図5参照)を低くした分だけ、洗濯機Aの回転ドラム3や、洗濯物を回転ドラム3に出し入れする扉8との位置を高い位置に配置して、洗濯物の出し入れを楽な姿勢で行えるようにすることができる。
次に、図7〜図13を参照して本発明に係るドラム式洗濯機Bの第2実施形態を説明する。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の第2実施形態に係るドラム式洗濯機を示す外観斜視図である。図8は、本発明の第2実施形態に係るドラム式洗濯機における洗剤投入部への給水経路を示す要部概略斜視図である。図9は、本発明の第2実施形態に係るドラム式洗濯機における洗剤投入部の分解斜視図である。図10は、本発明の第2実施形態に係るドラム式洗濯機における洗剤投入部を示す要部斜視図である。図11は、本発明の第2実施形態に係るドラム式洗濯機における遮蔽板を示す図であり、(a)は背面図、(b)は右側面図である。図12は、洗剤投入部の洗剤蓋を閉塞した状態のときの図10のX−X線断面図である。図13は、洗剤投入部の洗剤蓋を閉塞した状態のときの図10のY−Y線断面図である。
図9に示すように、洗剤ケース42には、開口縁部42aの後側縁部には、後記する遮蔽板43の掛止部43a(図12及び図13参照)が係合配置される切欠部42nが形成されている。
切欠部42nは、遮蔽板43(図10参照)の長手方向に長さに略一致する長さに形成されて、遮蔽板43の上端部が係合すると共に、前記掛止部43aが掛止されるように形成されている。
壁部42bには、この後方側の壁部42bに遮蔽板43が配置され、遮蔽板43で隠れるようにして二つの給水口42c(図12参照)、給水口42d(図13参照)が形成されている。
図12に示すように、左側の給水口42cの前側には、給水口42cの開口端から隙間L1を介して遮蔽板43の飛散防止板部43dが斜め下方に向けて配置されている。このため、給水口42cから前方向に噴射された水は、内底42eに向かって下方に流れるようになっている。
図13に示すように、右側の給水口42dの前側には、給水口42dの開口端から隙間L2を介して前記遮蔽板43が配置されている。このため、給水口42dから前方向に噴射された水は、内底42eに向かって斜め下方に向かって流れるようになっている。
図10に示すように、洗剤ケース42に形成された給水口42c,42d(図9参照)の洗剤投入部4の内側には、給水口42c,42d(図9参照)から前方に向けて噴射された水の流れを内底42e,42f,42g方向に規制して指向させる遮蔽板43が設置されている。
図10に示すように、サイホン45は、粉末洗剤投入室40A及び液体洗剤投入室40B内の内底42f,42gに存在する水を外筒部43b,43c内に吸い上げて、その外筒部43b,43c内にある内筒部42k,42mの流出口42h,42iから流出させるサイホン機構を構成するものである。このサイホン45は、流出口42h,42iを有する内筒部42k,42mと、この内筒部42k,42mに隙間を介して被せた外筒部43b,43cと、を備えてなる。
図10に示すように、内筒部42kは、液体洗剤投入室40Bの内底42fから上方向に向けて突出形成された円筒状の流出路であり、洗剤ケース42に一体形成されている。
内筒部42mは、ソフト仕上剤投入室40Cの内底42gから上方向に向けて突出形成された円筒状の流出路であり、洗剤ケース42に一体形成されている。
内筒部42k,42mの外周部の下端部には、六つの補強リブが等間隔で放射方向に向けて形成されて補給されている。
外筒部43bは、内筒部42kに隙間(流路を形成する空間)を介して被せたサイホンキャップであり、遮蔽板43の下端部前側に一体形成されている。
外筒部43cは、内筒部42mに隙間(流路を形成する空間)を介して被せたサイホンキャップであり、遮蔽板43の下端部前側に一体形成されている。このように形成された外筒部43b,43cは、内筒部42k,42mから抜け難く、かつ、この部材を設けても部品点数が増加することがない。
前記遮蔽板43は、洗剤ケース42の開口縁部42aに掛止され、給水口42c,42dから噴射される水の流れを粉末洗剤投入室40A、液体洗剤投入室40B及びソフト仕上剤投入室40Cの各内底42e,42f,42g方向に向けて流れるように規制して、水が洗剤投入室40外に飛散するのを抑制する樹脂製板部材である。また、遮蔽板43は、前記したサイホン45のサイホンキャップの役目を果たす二つの外筒部43b,43cが一体形成され、サイホン機構の一部も兼ねている。
飛散防止板部43dは、遮蔽板43の上端部から斜め下方に向けて形成された平板状部位であり、この飛散防止板部43dの下端部に前記サイホン45の外側半体を構成する外筒部43b,43c(サイホンキャップ)が一体形成されている。
庇状突起43eには、この庇状突起43e内に前記仕切板42o(図10参照)の後端部が挿入した状態に配置される係合溝43gが形成されている。
庇状突起43fには、この庇状突起43f内に前記仕切板42p(図10参照)の後端部が挿入した状態に配置される係合溝43hが形成されている。
庇状突起43fの後側上部には、前記係合突起42t(図9参照)の外側上面に係合する円弧状溝43iが切欠形成されている。
補強部43jは、洗剤ケース42の各洗剤投入室40の内壁面に当接して支持する突片であり、遮蔽板43の各所を補強するための補強用リブとしての機能も果たす。
次に、遮蔽板43を備えた洗剤投入部4内に水を吸水した場合について説明する。
図12に示すように、給水管P1から噴射される水は、給水口42cから前方向(矢印a方向)に噴射される。その給水口42cの前側に遮蔽板43が配置されていることよって、水は、遮蔽板43の後側面に当たって噴射の勢いを低下された後、遮蔽板43にガイドされながら斜め下方向(矢印d方向)の内底42eに向かって流れる。その水が、粉末洗剤投入室40Aの開口部4a方向(上方向)に向けて噴射されて、洗剤投入部4外に流れ出るのを抑制することができる。
また、給水管P1は、一般に使用されるφ10の配管よりも口径が、その二倍のφ20の断面積の大きな配管を使用しているので、給水管P1から噴射される勢いが、従来よりも低く抑えられている。これにより、水が噴射の勢いで上部の開口部4a方向に噴き上がって、洗剤投入部4外に飛散するのを抑制することができる。
このため、ソフト仕上剤は、洗濯する際に、始めに洗剤投入部4に投入しても、洗濯の最中のすすぎ工程時に投入してもどちらでもよい。
また、サイホンキャップ単体は、小さいもので、紛失し易いが、遮蔽板43と一体となっているので、その可能性が低くなる。
遮蔽板43及び洗剤ケース42を洗浄する場合は、洗剤蓋44を開けて、そのまま手で掴んで引き上げれば洗剤ボックス41から取り外して容易に洗浄することができる。このため、洗剤投入部4を容易に清潔にすることができる。
なお、前記第1及び第2実施形態では、洗濯機A,Bの一例として乾燥機能を備えていないドラム式洗濯機を例に挙げて説明したが、洗剤投入部4を有する洗濯機A,Bであれば適用可能であり、縦型洗濯機や、洗濯乾燥を行う洗濯機や、ドラム式洗濯乾燥機であっても構わない。
1a 洗剤投入部設置口
2 外槽
3 回転ドラム
4 洗剤投入部
4a 開口部
40 洗剤投入室
40A 粉末洗剤投入室(洗剤投入室)
40B 液体洗剤投入室(洗剤投入室)
40C ソフト仕上剤投入室(洗剤投入室)
41 洗剤ボックス
42 洗剤ケース
42a 開口縁部
42b 壁部
42c,42d 給水口
42e,42f,42g 内底
42h,42i,42j 流出口
42k,42m 内筒部
43 遮蔽板
43b,43c 外筒部
44 洗剤蓋
45 サイホン
A,B 洗濯機(ドラム式洗濯機、乾燥洗濯機)
Claims (4)
- 洗濯機の筐体と、
前記筐体内に弾性支持される外槽と、
前記外槽内に回転自在に支持される回転ドラムと、を備えたドラム式洗濯機であって、
前記筐体は、この筐体の前面カバーの上部と、前記筐体の上面部に設けられた上面カバーの前端部との間の傾斜部に、操作パネル、及び、洗剤を投入する洗剤投入部を有し、
前記洗剤投入部は、この洗剤投入部の上面に設けられた開口部と、
後端部の軸部を中心として上方向に回動して前記開口部を開く洗剤蓋と、
この洗剤投入部の高さ寸法内の壁部に設けられ、当該洗剤投入部内に給水する給水口と、を有し、
前記給水口は、前記壁部の後方側から前記洗剤投入部内に水が流入するように形成されると共に、
前記給水口の前記洗剤投入部内側には、この給水口から噴射される水の流れを内底方向に規制する遮蔽板が設置されている
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 前記洗剤投入部は、複数種の洗剤をそれぞれ投入する洗剤投入室が区画形成され、
この複数の洗剤投入室は、前記筐体の間口方向に並べて配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。 - 前記洗剤投入部には、前記内底に形成され、流出口を有する内筒部と、
この内筒部に隙間を介して被せた外筒部と、を備えてなるサイホンが配置され、
前記外筒部は、前記遮蔽板に一体形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯機。 - 前記洗剤投入部は、前記筐体の上部に形成された洗剤投入部設置口に設けられた洗剤ボックスと、
この洗剤ボックス内に着脱可能に装着され、前記開口部及び前記給水口を有する洗剤ケースと、
この洗剤ケースの開口縁部に掛止され、前記給水口から噴射される水の流れを前記内底方向に規制する遮蔽板と、を備え、
前記洗剤蓋は、前記洗剤ボックスに回動自在に軸支されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のドラム式洗濯機。
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