JP7153624B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類等の洗濯を行う洗濯機(洗濯乾燥機)に関し、特に、洗剤を投入する洗剤投入部の構造に関する。
一般に、洗濯機には、洗濯機本体の上部に洗剤を一時的に収容するための洗剤ボックスが備えられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の洗濯機は、洗濯機本体の上部に設けられた洗剤ボックス(41)と、洗剤ボックス(41)内に設けられた洗剤ケース(42)と、洗剤ケース(42)の縁に装着された遮蔽板(44)と、洗剤蓋(44)と、を備えている。
特許文献1の洗剤ケース(42)の場合は、洗剤投入口が、粉末液体洗剤投入室(40A)と、液体洗剤投入室(40B)と、ソフト仕上剤投入室(40C)との三つに区画されている。洗剤ケース(42)に供給された水は、洗剤ケース(42)の側面に形成された給水口(42c,42d)から吐出されて、渦を巻くように流れて液体洗剤を薄めて(溶かして)サイホン内の流出口(42i,42j)から洗剤ボックス(41)内に流れるようになっている。
特開2013-48699号公報(図7~図13)
特許文献1に記載の洗濯機では、洗剤投入室の開口部を広くするほど、渦水流の流速が低下して、洗剤が溶け残る可能性が増加するという問題点があった。
また、供給する水が高水圧の場合は、水流が強いため、洗剤ボックス(41)内に洗剤が大きく広がる。その広がった洗剤の一部は、供給した水で流し切れないことがあった。
そこで、本発明は、洗剤投入部内の洗剤がスムーズに流れるようにすることができる洗濯機を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、洗濯機本体の上部に設けられて洗濯に使用する洗濯用薬剤が投入される洗濯用薬剤投入部を備えた洗濯機であって、前記洗濯用薬剤投入部は、前記洗濯機本体の上部に形成された洗濯用薬剤投入部設置口に設けられた洗濯用薬剤ボックスと、前記洗濯用薬剤ボックス内に着脱可能に装着され、上方を開放して形成された開口部、及び、前記洗濯用薬剤投入部内に給水する給水口を有する洗濯用薬剤ケースと、を備え、前記洗濯用薬剤投入部は、複数種の洗濯用薬剤をそれぞれ投入する洗濯用薬剤投入室が区画形成され、複数の洗濯用薬剤投入室は、前記洗濯機本体の間口方向に並べて配置され、前記洗濯用薬剤ケースは、前記複数の洗濯用薬剤投入室の間に、前記給水口が形成された壁部から当該給水口に対向する壁部側に向けて延設されて、前記給水口から供給された水を流す給水溝と、前記給水溝内に突出形成された突起と、前記給水溝の幅方向の一方側に形成された仕切部と、前記給水溝の幅方向の他方側に形成された仕切部と、前記仕切部の前記突起の上流側及び下流側に形成された複数の切欠部と、を有し、前記洗濯用薬剤投入室のうちの一つは、前記洗濯用薬剤としての洗剤を投入する洗剤投入室であり、前記洗剤投入室には、複数の前記切欠部を介して、一方向から前記洗剤を溶かす水が供給され、前記切欠部の高さは、上流側に配置された切欠部よりも下流側に配置された切欠部の方が高く形成されていることを特徴とする。
本発明は、洗剤投入部内の洗剤がスムーズに流れるようにすることができる洗濯機を提供することができる。
本発明の実施形態に係る洗濯機を示す外観斜視図である。 洗剤投入部を示す分解斜視図である。 洗剤投入部を示す分解断面図である。 洗剤ボックスと洗剤ケースと遮蔽板とを組み付けた洗剤投入部の状態を示す要部斜視図である。 洗剤ボックスと洗剤ケースと遮蔽板とを組み付けた洗剤投入部の状態を示す要部平面図である。 図5のVI-VI断面図である。 図5のVII-VII断面図である。 洗剤ケースの平面図である。 図8のIX-IX断面図である。 図8のX-X断面図である。 図8のXI-XI断面図である。 洗剤ケースの外観斜視図である。
以下、図1~図12を参照して本発明の実施形態に係る洗濯機Aについて説明する。
≪洗濯機≫
図1に示すように、本発明の洗濯機Aは、洗剤投入部(洗濯用薬剤投入部)4を備えた洗濯機であればよく、その形式等は特に限定されない。つまり、洗濯機Aは、不図示の電熱ヒータや電動送風機等の乾燥機構を備えたドラム式洗濯乾燥機でも、ドラム式洗濯機でも、縦型洗濯機でもよい。以下、本発明の洗濯機Aの一例として、ドラム式洗濯機を例に挙げて説明する。
洗濯機Aは、水平若しくはやや斜めに配置された回転軸を軸回りに回転ドラム3が回転することによって、衣類投入口1bから投入された衣類を洗濯する装置である。洗濯機Aは、洗濯機本体1、扉2、外槽(図示省略)、回転ドラム3、洗剤投入部4、洗剤処理液自動投入装置5、操作パネル6、ダンパ(図示省略)等を備えている。洗濯機Aの洗濯機本体1の上面部には、洗剤投入部4、洗剤処理液自動投入装置5、操作パネル6等が設置されている。洗濯機Aの前面部には、衣類等の洗濯物を出し入れする衣類投入口1bと、衣類投入口1bを開閉する扉2と、が設けられている。
≪洗濯機本体≫
図1に示すように、洗濯機本体1は、洗濯機Aの外観形状を形成すると共に、洗濯機Aの構成部品を包み込んで保持する筐体によって構成されている。洗濯機本体1は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせて略箱形形状に形成されている。洗濯機本体1の前面に設けられた前面カバー1cの内側には、ベローズ(図示省略)、外槽(図示省略)、回転ドラム3、モータ(図示省略)等が配置されている。洗濯機本体1の上面に設けられた上面カバー1dには、洗剤投入部4が設けられる洗剤投入部設置口1aと、操作パネル6が設けられる操作パネル設置口1eと、洗剤処理液自動投入装置5が設けられたタンク収容部1fと、が形成されている。洗濯機本体1内の下部には、不図示のダンパ、排水ホース、ベース9等が設置されている。
図1または図2に示すように、洗剤投入部設置口1aには、この洗剤投入部設置口1aの周縁部下面に洗剤ボックス41のフランジ部41aが固定されている。また、洗剤投入部設置口1aの開口端内側には、洗剤蓋44の上面が、上面カバー1dと面一の状態に閉塞するように上下方向に開閉自在に軸支されている。洗剤投入部設置口1aは、上面カバー1dの前端部左側に横長に形成されている。
図1に示すように、操作パネル設置口1eには、操作パネル6が上面カバー1dと面一の状態に設置されている。操作パネル設置口1eは、上面カバー1dの前端部の洗剤投入部設置口1aの右隣に横長に形成されている。操作パネル6には、電源スイッチ、各種操作ボタン、表示器等が設けられている。
タンク収容部1fには、不図示の洗剤タンク及び柔軟剤タンクが収容されて、タンク蓋体51が開閉自在に配置されている。
前記洗濯機本体1において、洗剤投入部設置口1a、操作パネル設置口1e及びタンク収容部1fの周縁部下面には、不図示の補強部材が設置されている。
≪外槽≫
図1に示すように、外槽(図示省略)は、洗い及びすすぎの際に、使用する水が注がれて一時的に貯留されるドラム形の水槽である。外槽(図示省略)は、衣類投入口1b側が開口された有底円筒体からなる。
≪回転ドラム≫
前記回転ドラム3は、洗濯する衣類が収容されて、底面中心に設けられた回転軸がモータ(図示省略)によって回転されることで、全体が回転駆動する内槽である。回転ドラム3は、前端が開口された有底円筒状(ドラム形状)に形成された洗濯槽(洗濯槽兼乾燥槽)からなる。回転ドラム3には、この内部及び外部に水が流通する多数の孔が穿設されている。
≪洗剤投入部≫
図2及び図3に示すように、前記洗剤投入部4は、洗剤(粉末洗剤、液体洗剤)、漂白剤)、柔軟剤(ソフト仕上剤)等の洗剤(洗濯用薬剤)が投入される部位である。洗剤投入部4は、上面部に配置された洗剤蓋44(図1参照)を上下方向に回動させて開口部4aを開放すれば、洗剤や柔軟剤をそれぞれ投入可能な洗剤投入室(洗濯用薬剤投入室)40が現れて、それぞれの洗剤を投入可能になる。洗剤投入部4は、洗剤ボックス(洗濯用薬剤ボックス)41と、洗剤ケース(洗濯用薬剤ケース)42と、遮蔽板43と、洗剤蓋44と、を主に備えて構成されている。
図3に示すように、洗剤投入部4には、給水管挿着部41i及び給水管挿着部41jにそれぞれ連結される給水管(図示省略)によって水が側方(後側側壁)から洗剤投入室40内(洗剤ケース42内)に供給される。
洗剤投入部4の開口部4aは、前記洗濯機本体1(図1参照)の洗剤投入部設置口1a内に内嵌するように開閉可能に軸支された洗剤蓋44によって開閉される略容器形状の洗剤ケース42(洗剤ボックス41)の開口部位である。開口部4aは、原則的に、手動で洗剤を投入する際に洗剤蓋44を開放して、それ以外ときは洗剤蓋44で閉塞されている。
≪洗剤ボックス≫
前記洗剤ボックス41は、図1に示す洗濯機本体1の上面前側左端部に形成された洗剤投入部設置口1aに挿着される樹脂製の外ケース体である。図2及び図3に示すように、洗剤ボックス41は、平面視して左右方向に長い長方形の箱体からなる。
図2または図3に示すように、洗剤ボックス41には、フランジ部41a、係止孔41b、係止部41c、ねじ挿入孔41d、ケース支持部41e、軸支片41f、洗剤ケース収納部41g、後側側壁41h、給水管挿着部41i,41j、洗剤送出管挿着部41k、傾斜底面部41p、山状突起41q等が一体形成されている。
フランジ部41aは、洗剤ボックス41の外周部に形成された四角形の鍔状部位(枠状部位)である。フランジ部41aは、図1に示す洗剤投入部設置口1aの周縁の前面カバー1c、上面カバー1d、及び、操作パネル6の下側に隠れた状態に配置されている。図2に示すように、フランジ部41aには、係止孔41b、係止部41c、ねじ挿入孔41d、及び、ノブ係止部41uが形成されている。
図2に示す係止孔41bは、洗剤投入部設置口1a(図1参照)の周縁部に配置された補強部材(図示省略)、及び、洗濯機本体1に突出形成された弾性係止片(図示省略)が係合する矩形の孔である。
係止部41cは、洗剤投入部設置口1a(図1参照)の周縁部、補強部材(図示省略)、及び、操作パネル6(図1参照)に形成された複数の係止部位(図示省略)がそれぞれ係止する弾性係止片である。
ねじ挿入孔41dは、補給部材(図示省略)にフランジ部41aをねじ止めする複数の雄ねじ部材(図示省略)がそれぞれ挿入されるねじ孔である。
つまり、前記洗剤ボックス41は、フランジ部41aの係止孔41b及び係止部41cを、洗剤投入部設置口1a(図1参照)の周縁部の補強部材(図示省略)、洗濯機本体1及び操作パネル6(図1参照)に設けられた不図示の弾性係止片または係合部に弾性支持することで保持される。さらに、洗剤ボックス41は、フランジ部41aのねじ挿入孔41dを補強部材にねじ止めすることで、しっかりと固定されている。
図2に示すように、ケース支持部41eは、洗剤ケース42を洗剤ボックス41内に挿入した際に、開口縁部42aが載置されて、洗剤ケース42を下側から支持する部位である。ケース支持部41eは、フランジ部41aの内縁側に、洗剤蓋44の厚さ分だけ一段下がった段差状に形成されている。ケース支持部41eは、側面視して洗剤ケース収納部41gの開口端に、前下がりの平らな斜面状に形成されている。ケース支持部41eの左右の後側両端部には、洗剤蓋44の軸部(図示省略)がそれぞれ回動自在に軸合される軸支片41fが上方向に向けて突設されている。ケース支持部41eの斜めの平らな表面には、洗剤蓋44を閉じた際に、洗剤蓋44の内側面の周縁部に設けられたパッキン(図示省略)の先端面が密着するように形成されている。ケース支持部41eの洗剤ケース収納部41gの開口端内には、洗剤ケース42の開口縁部42aが略面一に内嵌されている。
図2に示すように、ノブ係止部41uは、洗剤蓋44を閉じた際に、開閉ロックノブ44a(図1参照)が係止して閉塞状態を保持する部位である。
このため、環状のケース支持部41eには、洗剤蓋44が洗剤投入室40を開閉自在に配置されて、洗剤蓋44を閉めた際に、環状のパッキン(図示省略)の先端全体が弾接し、洗剤ケース42を内嵌した洗剤ケース収納部41g内が密閉状態に保持される。
前記した一対の軸支片41fは、洗剤蓋44の軸部(図示省略)を着脱可能な状態に軸支する軸孔を有する左右一対の弾性舌片からなる。軸支片41fは、ケース支持部41eの後側の左右端部から上方向に向かって突設されている。
図2に示すように、洗剤ケース収納部41gは、洗剤ケース42の洗剤投入室40が挿入配置される部位であって、洗剤ケース42内から流出して落下した洗剤や、水を受ける窪みである。洗剤ケース収納部41gは、平面視して略長方形に形成されている。洗剤ケース収納部41gは、ケース支持部41eの中心側(内側)に、背面視して底面が左下がりに斜めになっている四角形の容器状に形成されている。
図3に示すように、後側側壁41hは、洗剤ケース収納部41gの後側側面を形成する内壁である。後側側壁41hには、給水管(図示省略)の先端部が接続される給水管挿着部41i,41j及び洗剤送出管挿着部41kが設けられている。洗剤ケース収納部41gの内側の後側側壁41hには、洗剤ケース42の給水口42c,42dに合致する位置(延長線上の位置)に給水管挿着部41i,41jが形成されている。後側側壁41hの外壁面には、円筒状の給水管挿着部41i,41j及び洗剤送出管挿着部41kがそれぞれ後方に向けて突出形成されている。
図3に示すように、給水管挿着部41i,41j及び洗剤送出管挿着部41kは、不図示の給水管及び洗剤送出管の先端部を接続するためのジョイント部である。
給水管挿着部41iは、背面視及び側面視して、後側側壁41hの略中央部位に設置されて、後記する洗剤ケース42の給水口42cに連通している。
給水管挿着部41jは、背面視して後側側壁41hの右寄りの位置に前方向に向けて形成されて、洗剤ケース42の給水口42dに連通している。
洗剤送出管挿着部41kは、背面視して後側側壁41hの左下端部の位置に前後方向に向けて設置されて、傾斜底面部41pの最も低い位置に形成されている。
図3に示すように、傾斜底面部41pは、洗剤ケース収納部41gの内底面である。傾斜底面部41pは、右側から左側方向の洗剤送出管挿着部41kに向かって斜めに下降するように形成されている。
山状突起41qは、傾斜底面部41p上を流れる水が渦を巻くようにガイドするための膨出部である。山状突起41qは、洗剤ケース収納部41g内に洗剤ケース42を内嵌させた際に、粉末液体洗剤投入室40Aの内底42eの下面に突設されたリブ42wに当接した状態に配置される(図6参照)。山状突起41qは、平面視してJ字状(略円弧状)に形成されて、洗剤送出管挿着部41kの洗剤ケース収納部41g側の周辺を適宜な間隔を介して囲むように配置されている。
≪洗剤ケース≫
図2及び図3に示すように、洗剤ケース42は、洗剤ボックス41内に着脱可能に装着される内ケース体である。洗剤ケース42の開口部4a内に形成された洗剤投入室40は、粉末液体洗剤投入室40Aと、柔軟剤投入室40Bと、に区画されている。また、洗剤ケース42は、洗剤蓋44を開放して開口部4aから洗剤、柔軟剤が手動的に投入されると共に、その洗剤、柔軟剤を流すための水を洗剤投入部4内に給水する給水口42c,42dを有している。
洗剤ケース42には、それぞれ後記する開口縁部42a、壁部42b,42g、給水口42c,42d、内底42e,42f、壁部42g、排出孔42h、流出口42i1,42i2、給水溝42j、内筒部42k、突起42m、係止部42n、仕切部42o,42p、側口42q1,42q2、切欠部42r,42s,42t、凸形状部42u、段差部42v、リブ42w、投入室前側給水路42x等が一体形成されている。
<洗剤投入室>
図4や図5に示すように、洗剤投入室40は、洗剤が投入される窪みである。洗剤投入室40は、略同じ開口面積で左右二つに区画形成されている。即ち、洗剤投入室40内には、粉末液体洗剤投入室40A(左側)と、柔軟剤投入室40B(右側)とが、洗濯機本体1(図1参照)の間口方向(左右方向)に並べて配置されている。ちなみに、図4及び図5において、符号43は水が跳ね上がって飛散するのを防止する遮蔽板であり、符号43eは遮蔽板43の本体から前方に庇状に延出する庇状突起である。この庇状突起43eは、給水溝42j(図8参照)を流れる水が跳ね上がって飛散するのを防止する。
<粉末液体洗剤投入室>
図8に示すように、粉末液体洗剤投入室40Aには、内底42eに流出口42i1が形成され、壁部42bに側口42q1が形成されている。給水口42cから給水溝42jを介して粉末液体洗剤投入室40A内に供給された水(洗剤溶かし水)は、給水溝42jから左方向に粉末液体洗剤投入室40Aに流れ込んで粉末洗剤等を溶かし、流出口42i1及び側口42q1から洗剤ボックス41内に流れ込む。即ち、粉末液体洗剤投入室40A内の洗剤は、給水溝42jから左方向に流れ出す水(図8の実線の太矢印参照)によって溶かされ、流出口42i1及び側口42q1から洗剤ボックス41へと排出される。ちなみに、給水溝42jは所定長を有するが、給水口42cからの水(洗剤溶かし水)は、給水溝42jの一部分からだけでなく、粉末液体洗剤投入室40Aへと向かう実線の太矢印で示すように、その長さ方向の全体から均等に(カーテン状に近い水流となるように)粉末液体洗剤投入室40Aへと流れ出すよう構成されている。この構成の詳細は後記するが、渦を作るように水を流す特許文献1とは相違する。
なお、図8において、右方向を向いた破線の太矢印は、給水溝42jからオーバーフローした水の流れを示しており、オーバーフローした水は、後記するオーバーフロー溝42p1及びオーバーフロー流出口42p2から洗剤ボックス41内に流れ込む。この水も洗剤を溶かすのに寄与する。
<柔軟剤投入室>
柔軟剤投入室40Bには、内底42fに流出口42i2を有する内筒部42k(図3及び図6参照)が形成されている。図8に示すように、給水口42dから柔軟剤投入室40B内に供給された水は、時計回り方向に渦を巻くように流れて液体洗剤を薄めて、サイホン45(図6参照)内の流出口42i2から洗剤ボックス41内に流れ込む。
<開口縁部>
図2に示すように、開口縁部42aは、洗剤ケース42の上部周縁部に形成された枠状部位である。開口縁部42aは、洗剤ケース42を洗剤ケース収納部41g内に挿入した際に、着脱自在に内嵌される。つまり、洗剤ケース42は、洗剤ボックス41に対して着脱自在に係合され、洗剤ケース42が汚れた場合に、洗剤ボックス41から取り外して洗浄可能になっている。洗剤ケース42の開口縁部42aの後側縁部には、後記する遮蔽板43の掛止部43aが係合配置される係止部42nが切欠形成されている。
<係止部>
その係止部42nは、側面視して逆J字状に形成された掛止部43aが掛止される部位である。係止部42nは、洗剤ケース42の開口縁部42aに、遮蔽板43(図3参照)の長手方向に長さに略一致する長さに切欠形成されている。
<壁部>
図2に示すように、壁部42b,42gは、洗剤ケース42の後側及び前側の側壁である。図3に示すように、後側の壁部42bには、二つの給水口42c,42dが形成されている。後側の壁部42bには、給水口42c,42dが隠れるように、遮蔽板43が装着されている。また、後側の壁部42bには、前側の壁部42gに向けて、給水溝42jと、仕切部42o,42pと、オーバーフロー溝42p1と、が形成されている。
図2に示すように、後側の壁部42gには、給水溝42j内の水を洗剤ケース42外の洗剤ボックス41内に排出する排出孔42hが形成されている。
<給水口>
図3に示すように、給水口42c,42dは、洗剤投入部4内にそれぞれ水を噴射して給水する部位である。給水口42c,42dは、壁部42bの後方側から洗剤投入部4内に水がそれぞれ流入するように形成された左右二つの吐出口からなる。
図7に示すように、左側の給水口42cの前側には、給水口42cの開口端から隙間を介して遮蔽板43の飛散防止板部43dが斜め下方に向けて配置されている。また、右側の給水口42dの前側には、給水口42dの開口端から隙間を介して遮蔽板43が斜め下方に向けて配置されている。このため、給水口42c,42dから前方向に噴射された水は、上方向に流れることが抑制されて、下方向に流れるようになっている。
また、給水口42c,42d及び給水管挿着部41i,41j(図8参照)は、側面視して洗剤ボックス41の開口縁最下端部41tよりも下方の位置に形成されている。かかる構成によれば、遮蔽板43を取り付けるのを忘れた場合であっても、給水口42c,42dから前方に向けて噴射された水が、洗剤投入部4から外部に流出したり、飛散したりし難い構造になっている。
図7に示すように、給水口42cは、左側の粉末液体洗剤投入室40Aと、右側の柔軟剤投入室40Bとの中間位置の壁部42bに形成されて、粉末液体洗剤投入室40Aに水を給水する口である。左側の給水口42cの上側開口端部には、下端部を面取り状に斜めにカットして、給水口42cに供給された水を下方向に向けて流れるように指向性を持たせると共に、給水口42cを流れる水の勢いを低下させるための規制板部42c1(図9及び図10参照)が形成されている。
図8に示すように、左側の給水口42cの後側には、給水溝42jを介して粉末液体洗剤投入室40A内に水を供給する給水管(図示省略)を接続するための給水管挿着部41iが形成されている。
右側の給水口42dの後側には、柔軟剤投入室40B内に水を供給する給水管(図示省略)を接続するための給水管挿着部41jが形成されている。
<給水溝>
図8及び図12に示すように、給水溝42jは、給水口42cから放出された水を、給水口42cに対向する位置に形成された排出孔42hの方向に流すための流路を形成する溝である。給水溝42jは、仕切部42oと仕切部42pによって縦断面視して凹溝状に形成されている(水を溜められる構造に形成されている)。給水溝42j内には、突起42mと、隙間Sと、凸形状部42uと、投入室前側給水路42xと、が形成されている。給水溝42jの幅方向の一方側(粉末液体洗剤投入室40A側)には、切欠部42r,42s,42tが形成された仕切部42oが設けられている。給水溝42jの幅方向の他方側(柔軟剤投入室40B側)には、給水溝42j内から溢れた水を、図8の太い破線の太矢印に示すように、給水溝42jの外に流すオーバーフロー用の堰(仕切部42p)が設けられている。
<突起>
図9に示すように、突起42mは、側面視して給水溝42j内の給水口42cの開口端(給水溝42jの始端)の近傍に配置された山形状突起からなる。突起42mは、切欠部42r,42s,42tの高さよりも高く、仕切部42oの高さと略同じか、それよりも高い高さまで突出している。突起42mは、給水口42c側に傾斜面42m1を有し、排出孔42h側に傾斜面42m2を有し、側面視して三角形状に形成されている。傾斜面42m1,42m2は、水平方向に対して略45度の角度に傾いて形成されている。
仮に、突起42mが存在しない場合(つまり隙間Sが給水溝42jの幅方向一杯の場合)、給水口42cから給水溝42jに流れ込んだ水は、主に給水溝42jの終端の切欠部42tやその手前の切欠部42sから粉末液体洗剤投入室40Aに流れ込む量が多くなる。本実施形態では、給水溝42jに突起42mを設けて、給水溝42jの始端側の切欠部42rからも粉末液体洗剤投入室40Aに水が流れ込むようにしている。つまり、突起42mによって、3つの切欠部42r,42s,42tから均等に粉末液体洗剤投入室40Aに水が流れ込むようにして、洗剤を粉末液体洗剤投入室40Aで良好に溶かすことができるようにした。ちなみに、突起42mの高さが低い場合、給水溝42jを流れる水が突起42mを乗り越えやすくなるので、切欠部42rを介して粉末液体洗剤投入室40Aに流れ込む水の量が少なくなる。
<隙間>
図8に示すように、隙間Sは、突起42mと仕切部42pとの間に形成された空間である。隙間Sは、給水口42cから放出された水の一部を、給水溝42j内の下流側の凸形状部42u側に流す流路を形成している。ちなみに、隙間Sが広い場合(断面積が広い場合)、給水溝42jから、切欠部42rを介して粉末液体洗剤投入室40Aに流れ込む水の量は少なくなる。この結果、切欠部42s,42tを介して粉末液体洗剤投入室40Aに流れ込む水の量は多くなる。
<凸形状部>
図8に示すように、凸形状部42uは、給水口42cから給水溝42jに供給され、隙間Sを通過したり突起42mを乗り越えたりした水を、切欠部42s,42tを介して粉末液体洗剤投入室40A流出するように案内する部材である。図8に示すように、凸形状部42uは、平面視して、給水溝42jの終端側になるほど、給水溝42jの幅が狭くなるような三角形状をしている。この凸形状部42uの平面視した形状(三角形状の角度)は、切欠部42s,42t、さらには切欠部42rから均等な流量で粉末液体洗剤投入室40Aに水が流れ込むように設定されている。
また、図9に示すように、凸形状部42uは、断面視して略山形状突起に構成されている。凸形状部42uは、この略山形状突起の前側(給水口42c側)の傾斜面42u1で、給水溝42jを流れる水を堰き止めるようにしている。一方、略山形状突起の後ろ側(排出孔42h側)の傾斜面42u2は、水が凸形状部42uを乗り越えるような場合、コアンダ効果により(さらに重力により)、乗り越えた水を後ろ側の斜面に沿わせて円滑に排出孔42hに導くようにしている。ちなみに、凸形状部42uの頂点を過ぎたあたりは、排出孔42hへ向けての比較的なだらかな傾斜となって、乗り越えた水を排出孔42hに円滑に案内するようにしている。なお、コアンダ効果は、噴流が近くの壁に引き寄せられる効果のことである。
また、図8に示すように、凸形状部42uと、左側(粉末液体洗剤投入室40A側)の仕切部42oとの間には、給水溝42j内の水を投入室前側給水路42xに放出する連通路42u3が形成されている。
<投入室前側給水路>
投入室前側給水路42xは、右側の仕切部42pからオーバーフロー溝42p1内に流れ込んだ水(図8の破線の太矢印)の一部を凸形状部42uと前側の壁部42gとの間、及び、左側の仕切部42oと前側の壁部42gとの間を通って、粉末液体洗剤投入室40Aに流すための流路である。
<切欠部>
図8に示すように(また既に説明したように)、切欠部42r,42s,42tは、給水溝42j内の水を左側の粉末液体洗剤投入室40Aに放出するための溝である。図9及び図10に示すように、切欠部42r,42s,42tは、仕切部42oの突起42mの上流側及び下流側に形成された側面視して凹溝形状に形成されている。図9に示すように、切欠部42r,42s,42tの高さは、上流側に配置された切欠部42rよりも、下流側に配置された切欠部42s,42tの高さH1,H2の方が高く形成されている。つまり、切欠部42r,42s,42tは、後側に配置されるのに従って段々と高く配置されるように形成されている。これにより、前記の通り、給水溝42jの水(洗剤溶かし水)は、均等に(カーテン状に近い水流となるように)粉末液体洗剤投入室40Aへと流れ出す。なお、本実施形態では、切欠部は、符号42r,42s,42tの3つであるが、その数は、適宜変更しても構わない。
<段差部>
図7及び図8に示すように、段差部42vは、給水溝42j内から切欠部42r,42s,42tを超えて流れ落ちた水を横方向に拡散させるための段差状に形成された部位である。段差部42vは、仕切部42oの左側下端部(粉末液体洗剤投入室40A側の下端部)に形成されている。なお、段差部42vは、下流側の流出口42i1に向かう(図8の左方向に向かう)下り勾配になっているが、その勾配の度合いは、他の部分よりも緩やかになっており、水を横方向に拡散させて、流れの均等化を図るようにしている。
<排出孔>
図8または図9に示すように(また既に説明したように)、排出孔42hは、前側の壁部42gにおいて、給水口42cに対向する位置に形成されて、給水口42cからの給水が多いような場合に、供給された水を洗剤ケース42外の洗剤ボックス41内に排出する孔である。排出孔42hは、給水口42cの横幅よりも横長に形成された長方形の孔からなる。排出孔42hの下側開口縁42h1は、凸形状部42uの尾根(頂点)の高さよりも低い位置に形成されている。
<内底>
図8に示すように、粉末液体洗剤投入室40Aの内底42eには、流出口42i1が形成されている。流出口42i1は、粉末液体洗剤投入室40A内の洗剤及び水を洗剤ケース42の下側の洗剤ボックス41上に排出するための貫通孔である。流出口42i1は、洗剤ボックス41の下端部に形成された洗剤送出管挿着部41kに連通している。
また、図8に示すように、柔軟剤投入室40Bの内底42fには、流出口42i2を有する内筒部42kが上方向に突出形成されている。流出口42i2は、柔軟剤投入室40B内にある柔軟剤及び水を、洗剤ケース42の下側の洗剤ボックス41の傾斜底面部41p上に排出するための管路である。
<リブ>
図6及び図7に示すように、前記したリブ42wは、内底42eの下面から山状突起41qの尾根に向けて下方向に突設されて、粉末液体洗剤投入室40A内の水、洗剤、漂白剤の流れる方向を規制する板状のガイド部である。リブ42wは、山状突起41qと同様に、平面視してJ字状(略円弧状)に形成されて、洗剤送出管挿着部41kの洗剤ケース収納部41g側の周辺を適宜な間隔を介して囲むように配置されている。
<流出口及び側口>
図3に示すように、流出口42i1,42i2は、洗剤ケース42内の洗剤、柔軟剤、水を洗剤ボックス41内に放出するための円筒状の放出口である。
流出口42i1は、粉末液体洗剤投入室40Aの内底42eの最も低い位置である洗剤送出管挿着部41kの近傍に形成されている。
流出口42i2は、柔軟剤投入室40Bの内底42fの最も低い位置であるサイホン45の近傍に形成されている。
<サイホン>
図3に示すように、サイホン45は、柔軟剤投入室40Bの内底42fに存在する水、柔軟剤を外筒部43b内に吸い上げて、外筒部43b内にある内筒部42kの流出口42i2から流出させるサイホン機構を構成するものである。サイホン45は、流出口42i2を有する内筒部42kと、内筒部42kに隙間を介して被せた外筒部43bと、を備えて構成されている。
<内筒部及び外筒部>
図3に示すように、内筒部42kは、柔軟剤投入室40Bの内底42fから上方向に向けて突出形成された円筒状の流出路である。内筒部42kの外周部の下端部には、六つの補強リブが等間隔で放射方向に形成されて、外筒部43bを内筒部42kに外嵌させた際に、外筒部43bの下端と、内底42fとの間に流路を形成する空間ができるように間隔を維持されている。
外筒部43bは、内筒部42kに隙間(流路を形成する空間)を介して被せたサイホンキャップである。
≪遮蔽板≫
図3に示す前記遮蔽板43は、給水口42c,42dから噴射される水の流れを粉末液体洗剤投入室40A、及び、柔軟剤投入室40Bの内底42e,42f方向に流れるように規制して、水が洗剤投入室40外に飛散するのを抑制する樹脂製板部材である。遮蔽板43は、洗剤ケース42の開口縁部42aに着圧自在に掛止されている。また、遮蔽板43は、前記したサイホン45のサイホンキャップの役目を果たす外筒部43bが一体形成され、サイホン機構の一部も兼ねている。
このため、遮蔽板43は、サイホンキャップが一体形成されていることで、サイホンキャップが水の水圧によって内筒部42kから抜け落ちるのを防止することができる。
図2や図3に示すように、遮蔽板43には、掛止部43a、外筒部43b、飛散防止板部43d、庇状突起43e、係合溝43g、投入洗剤表示部43k,43m等が形成されている。
また、図2や図3に示すように、掛止部43aは、前記洗剤ケース42の係止部42nに掛止される側面視して略逆U字状の部位である。遮蔽板43は、この掛止部43aを係止部42nに掛止することで、洗剤ケース42に取り付けられる。
図2に示すように、飛散防止板部43dは、遮蔽板43の上端部から斜め下方に向けて形成された平板状部位である。飛散防止板部43dの下端部には、給水溝42jを覆う庇状突起43eと、前記サイホン45の外側半体を構成する外筒部43b(サイホンキャップ)と、が一体形成されている。
図2または図3に示すように、庇状突起43eは、側面視して逆L字形状に形成され、縦断面視して略凹部形状に形成された板状突起である。前記したように、庇状突起43eは、給水口42c及び給水溝42jの上側に配置されて、給水溝42jを流れる水が跳ね上がって飛散するのを防止する。
係合溝43gは、遮蔽板43を洗剤ケース42に組み付けた際に、仕切部42p(オーバーフロー用の堰)の上部に隙間を介して係合する溝である。係合溝43gは、庇状突起43eの下側右端部に形成された逆U字状の溝からなる。
<投入洗剤表示部>
投入洗剤表示部43k,43mは、粉末液体洗剤投入室40Aと、柔軟剤投入室40Bとに投入する洗剤名をそれぞれ表示する表示部である。投入洗剤表示部43k,43mは、遮蔽板43の粉末液体洗剤投入室40A、柔軟剤投入室40B側の側壁に配置されている。
投入洗剤表示部44fは、洗剤蓋44において粉末液体洗剤投入室40Aの近傍の基端部に配置され、例えば「洗剤」、「漂白剤」の文字が刻印等によって表示されている。
投入洗剤表示部44gは、洗剤蓋44において、柔軟剤投入室40Bの近傍の基端部に配置され、例えば「柔軟剤」の文字が刻印等によって表示されている。
≪洗剤蓋≫
図1に示す前記した洗剤蓋44は、洗剤ボックス41のフランジ部41aに形成された軸支片41fに回動自在に軸支され、開口部4aを開閉する蓋部材である。洗剤蓋44の基端部の左右には、軸支片41fに軸支される軸部(図示省略)が着脱及び開閉自在に軸支されている。洗剤蓋44の先端側(前側)には、洗剤蓋44を閉めたときに、自動的にノブ係止部41u(図2参照)に係止して、洗剤蓋44をロック・アンロック状態に係止・離脱可能な開閉ロックノブ44aが設けられている。洗剤蓋44の下面周囲には、洗剤蓋44を閉じた際に、洗剤ケース42の周囲のケース支持部41eに密着状態に弾接するパッキン((図示省略)が設けられている。
≪作用≫
次に、添付図面を参照しながら本発明に係る洗濯機Aにおける洗剤投入部4等の作用を説明する。
図10に示すように、給水口42cから放出された水は、その給水口42cから前方に向けて流れる。その水は、まず、給水口42cの前方に配置された給水溝42j内に流出して、仕切部42oの切欠部42r,42s,42tから均等に粉末液体洗剤投入室40Aに流れ込む(図8の実践の太矢印)。図7に示すように、切欠部42r,42s,42tを乗り越えて粉末液体洗剤投入室40Aに流れ込んだ水は、仕切部42oの下端部にある段差部42vに当たることで、横方向に広がって粉末液体洗剤投入室40A内を流れる。このため、粉末液体洗剤投入室40Aの洗剤は、スムーズに流出口42i1内に流れる。
また、図8に示すように、給水口42cから給水溝42j内に放出された水が多い場合は、仕切部42p(オーバーフロー用の堰)を乗り越えて、オーバーフロー溝42p1及びオーバーフロー流出口42p2内に流れ込む(破線の太矢印)。オーバーフロー溝42p1内に流れ込んだ水は、投入室前側給水路42x、粉末液体洗剤投入室40A内から洗剤、漂白剤と共に、流出口42i1を介して洗剤ボックス41内に流れ込む。
また、図6に示すように、オーバーフロー流出口42p2内に流れ込んだ水は、洗剤ボックス41の傾斜底面部41p上に落下して、傾斜底面部41p上を山状突起41q側に流れた後、山状突起41qによって渦を巻くようにガイドされながら洗剤送出管挿着部41k内に流れ込む。
図6に示すように、給水口42dから放出された水は、給水口42dから前方向に放出される。給水口42dから放出された水は、その前側に遮蔽板43が配置されていることで、遮蔽板43の後側面に当たって勢いを低下された後、遮蔽板43にガイドされながら斜め下方向の内底4fに向かって流れる。このため、水が、粉末液体洗剤投入室40Aの開口部4a方向(上方向)に向けて放出されて、洗剤投入部4外に流れ出るのを抑制することができる。
柔軟剤投入室40Bの内底4fに流れた水は、内底4f上を平面視して時計方向に回転するように渦を巻いて、柔軟剤投入室40B内の柔軟剤を水で希釈しながら柔軟剤投入室40Bが水で満たされる。そして、内筒部42kは、頂上の流出口42i2から溢れ出すことでサイホン45としての機能を始める。その水は、サイホン機構で流出口42i2内に吸い上げられて、洗剤ボックス41内の傾斜底面部41pに落下した後、山状突起41qによって渦を巻くようにガイドされながら洗剤送出管挿着部41k内に流れ込む。
これにより、洗剤投入部4内の洗剤がスムーズに流れるようにすることができるので、洗剤が洗剤投入部4内に残留して溜まるのを解消することができる。
また、図2に示すように、洗剤蓋44(図1参照)、遮蔽板43及び洗剤ケース42を洗浄する場合は、まず、洗剤蓋44を取り外して洗浄する。
遮蔽板43及び洗剤ケース42を洗浄する場合は、洗剤蓋44を開けて、そのまま手で掴んで引き上げれば、洗剤ボックス41から取り外して容易に洗浄することができる。このため、洗剤投入部4を容易に清潔にすることができる。
このように、本発明は、図1、図2、図8、あるいは、図9に示すように、洗濯機本体1の上部に設けられて洗濯に使用する洗濯用薬剤が投入される洗濯用薬剤投入部4を備えた洗濯機Aであって、洗濯用薬剤投入部4は、洗濯機本体1の上部に形成された洗濯用薬剤投入部設置口1aに設けられた洗濯用薬剤ボックス41と、洗濯用薬剤ボックス41内に着脱可能に装着され、上方を開放して形成された開口部4a、及び、洗濯用薬剤投入部4内に給水する給水口42c,42dを有する洗濯用薬剤ケース42と、を備え、洗濯用薬剤投入部4は、複数種の洗濯用薬剤をそれぞれ投入する洗濯用薬剤投入室40A,40Bが区画形成され、複数の洗濯用薬剤投入室40A,40Bは、洗濯機本体1の間口方向に並べて配置され、洗濯用薬剤ケース42は、複数の洗濯用薬剤投入室40A,40Bの間に、給水口42cが形成された壁部42bから当該給水口42cに対向する壁部42g側に向けて延設されて、給水口42cから供給された水を流す給水溝42jと、給水溝42j内に突出形成された突起42mと、給水溝42jの幅方向の一方側に形成された仕切部42oと、給水溝42jの幅方向の他方側に形成された仕切部42pと、仕切部42oの突起42mの上流側及び下流側に形成された複数の切欠部42r,42s,42tと、を有し、洗濯用薬剤投入室40A,40Bのうちの一つは、洗濯用薬剤としての洗剤を投入する洗剤投入室40Aであり、洗剤投入室40Aには、複数の切欠部42r,42S,42tを介して、一方向から洗剤を溶かす水が供給される。
かかる構成によれば、洗剤ケース42は、給水口42cから供給された水を流す給水溝42jと、給水溝42j内に形成された突起42mと、を有することで、切欠部42r~42tから洗剤投入室40Aに向けて一方向に、水(洗剤溶かし水)を均等に放出することができる。このため、洗剤投入部4内の洗剤がスムーズに流れるようにするので、洗剤が洗剤投入部4内に残留して溜まったり、洗剤ケース42の内壁に付着したりするのを解消することができる。
また、図9に示すように、切欠部42r,42s,42tの高さは、上流側に配置された切欠部42sよりも下流側に配置された切欠部42s,42tの方が高く形成されている。
かかる構成によれば、切欠部42r~42tは、上流側に配置された切欠部42sよりも下流側に配置された切欠部42s,42tの高さを高く形成することで、それぞれの切欠部42r~42tから放出される水の量を均一化することができる。これにより、給水溝42j内の水が、洗剤投入部4内の一方向に向けて均等に放出して洗剤を流すことができるので、洗剤が洗剤投入部4内に残留して溜まるのを解消することができる。
また、図10に示すように、突起42mの上流側の側面には、傾斜面42m1,42m2が形成されている。
かかる構成によれば、突起42mは、傾斜面42m1,42m2を有しているが、給水口42cから供給された水をコアンダ効果によって突起42mの頂点から下流側の42m2に沿って円滑に流すことができる。このため、遮蔽板43を洗剤ボックス41に取り付けるのを忘れたとしても、給水口42cから給水が洗剤ボックス41外に溢れ出るのを抑制することができる。
また、図8及び図11に示すように、給水溝42jの幅方向の他方側の仕切部42pは、給水溝42j内から溢れた水を給水溝42j外に流すオーバーフロー用の堰42pとして機能する。
かかる構成によれば、洗剤投入部4は、給水溝42jにオーバーフロー用の堰42pを形成したことで、給水溝42j内の所望以上の水量が溜まった場合に、給水溝42j内の水をオーバーフロー用の堰42pから排出させることができる。
また、図6~図8に示すように、切欠部42r,42s,42tの下側の内底42eには、切欠部42r,42s,42tから流れ落ちた水を横方向に拡散させる段差部42vが形成されている。
かかる構成によれば、洗剤投入部4は、切欠部42r~42tの下側の内底42eに段差部42vがあることで、切欠部42r~42tから落下した水を横方向に拡散させて、洗剤投入部4内の洗剤をスムーズに流すことができる。
[変形例]
なお、前記したように実施形態では、洗濯機Aの一例として乾燥機能を備えていないドラム式洗濯機を例に挙げて説明したが、洗剤投入部4を有する洗濯機Aであれば適用可能である。洗濯機Aは、縦型洗濯機や、洗濯乾燥を行う機能を備えた縦型洗濯乾燥機や、ドラム式洗濯乾燥機であっても構わない。
1 洗濯機本体(筐体)
1a 洗剤投入部設置口(洗濯用薬剤投入部設置口)
4 洗剤投入部(洗濯用薬剤投入部)
4a 開口部
40 洗剤投入室(洗濯用薬剤投入室)
40A 粉末液体洗剤投入室(洗濯用薬剤投入室、洗剤投入室)
40B 柔軟剤投入室(洗剤投入室)
41 洗剤ボックス(洗濯用薬剤ボックス)
42 洗剤ケース(洗濯用薬剤ケース)
42a 開口縁部
42b,42g 壁部
42c,42d 給水口
42e,42f 内底
42h 排出孔
42i1,42i2 流出口
42j 給水溝
42m 突起
42m1,42m2 傾斜面
42o 仕切部
42p 仕切部(オーバーフロー用の堰)
42r,42s,42t 切欠部
42v 段差部
43 遮蔽板
A 洗濯機(ドラム式洗濯機、縦型洗濯機、乾燥洗濯機)

Claims (4)

  1. 洗濯機本体の上部に設けられて洗濯に使用する洗濯用薬剤が投入される洗濯用薬剤投入部を備えた洗濯機であって、
    前記洗濯用薬剤投入部は、前記洗濯機本体の上部に形成された洗濯用薬剤投入部設置口に設けられた洗濯用薬剤ボックスと、
    前記洗濯用薬剤ボックス内に着脱可能に装着され、上方を開放して形成された開口部、及び、前記洗濯用薬剤投入部内に給水する給水口を有する洗濯用薬剤ケースと、
    を備え、
    前記洗濯用薬剤投入部は、複数種の洗濯用薬剤をそれぞれ投入する洗濯用薬剤投入室が区画形成され、
    複数の洗濯用薬剤投入室は、前記洗濯機本体の間口方向に並べて配置され、
    前記洗濯用薬剤ケースは、前記複数の洗濯用薬剤投入室の間に、前記給水口が形成された壁部から当該給水口に対向する壁部側に向けて延設されて、前記給水口から供給された水を流す給水溝と、
    前記給水溝内に突出形成された突起と、
    前記給水溝の幅方向の一方側に形成された仕切部と、
    前記給水溝の幅方向の他方側に形成された仕切部と、
    前記仕切部の前記突起の上流側及び下流側に形成された複数の切欠部と、を有し、
    前記洗濯用薬剤投入室のうちの一つは、前記洗濯用薬剤としての洗剤を投入する洗剤投入室であり、前記洗剤投入室には、複数の前記切欠部を介して、一方向から前記洗剤を溶かす水が供給され
    前記切欠部の高さは、上流側に配置された切欠部よりも下流側に配置された切欠部の方が高く形成されていること
    を特徴とする洗濯機。
  2. 前記突起の上流側の側面には、傾斜面が形成されていること
    を特徴とする請求項に記載の洗濯機。
  3. 前記給水溝の幅方向の他方側の前記仕切部は、前記給水溝内から溢れた水を前記給水溝外に流すオーバーフロー用の堰として機能すること
    を特徴とする請求項1または請求項に記載の洗濯機。
  4. 前記切欠部の下側の内底には、前記切欠部から流れ落ちた水を横方向に拡散させる段差部が形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の洗濯機。
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