JP5519261B2 - エンジン装置 - Google Patents

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本発明は、エンジン装置に関する。
従来、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して、排気ガスを浄化する排気浄化装置は公知である(例えば、特許文献1)。
従来の排気浄化装置を備えるエンジン装置の一例として、エンジン装置100がある(図17及び図18参照)。エンジン装置100は、排気ガスを排出する排気口部104、及び燃焼用空気を取り入れる吸気口部105、を有するディーゼルエンジン(以下、「エンジン」)101と、エンジン101の排気ガスを浄化する排気浄化装置102と、を備える。
排気浄化装置102は、エンジン101のフライホイールハウジング103の上部に固定され、左端部がエンジン101の排気口部104(排気マニホールド)に対向し、右端部がエンジン101の吸気口部105(吸気マニホールド)に対向するハウジング部106と、エンジン101の排気口部104から排出される前記排気ガスを取り入れる排気ガス導入部107と、前記排気ガス中の未燃成分を酸化除去する酸化触媒コンバータ108と、前記排気ガス中の粒子状物質を捕集するパティキュレートフィルタ109(DPF:Diesel Particulate Filter)と、前記排気ガスの排出音を低減するサイレンサ部110と、前記排気ガスを排出する排気ガス排出部111と、を備える。
排気浄化装置102においては、ハウジング部106の左端部に排気ガス導入部107が配置され、ハウジング部106の右端部に排気ガス排出部111が配置されている(図17参照)。また、ハウジング部106内においては、ハウジング部106の左端部から右端部に向けて、酸化触媒コンバータ108→パティキュレートフィルタ109→サイレンサ部110、の順に、これらが左右方向に一直線上に配置されている。
エンジン101の排気ガスは、排気口部104を通じて排気浄化装置102の排気ガス導入部107に取り入れられた後、ハウジング部106内を、酸化触媒コンバータ108→パティキュレートフィルタ109→サイレンサ部110、の順に流れていき、最終的に、排気ガス排出部111から大気中に排出される。排気ガスがパティキュレートフィルタ109を通る際、排気ガス中のPMがパティキュレートフィルタ109に捕集され、堆積する。このようにして排気ガス中のPMが除去される。
エンジン101において、定格運転時(最大出力運転時)等、排気ガスが高温になるとき、高温の排気ガスが排気ガス導入部107に取り入れられる。このとき、ハウジング部106内に取り入れられた高温の排気ガスによってパティキュレートフィルタに堆積しているPM(カーボン等)が一気に酸化(再燃焼)することがある。この場合、PMの再燃焼によって大きな発熱が生じるので、排気ガスがパティキュレートフィルタ109→サイレンサ部110と流れる際に十分に温度低下せずに、高温の状態で排気ガス排出部111から排出されることとなる。
しかし、前述のようなエンジン101と排気浄化装置102との配置関係では、排気浄化装置102の排気ガス排出部111が、エンジン101の吸気口部105側に位置しており、吸気口部105と近接した状態にある。これにより、PMの再燃焼によって高温の排気ガスが排気ガス排出部111から排出されるとき、高温の排気ガスが吸気口部105近傍で排出されることになり、エンジン101の吸気口部105から取り入れられる燃焼用空気の温度(吸気温度)が上昇しやすくなる。そして、吸気温度が上昇すると、エンジン101性能の低下(エンジン101の熱負荷の増大、NOx排出量の増加、エンジン101出力低下等)を招くという問題が生じる。
特開2008−255858号公報
本発明は、吸気口部から取り入れられる燃焼用空気の温度上昇を抑制可能なエンジン装置を提供する。
請求項1においては、排気マニホールド及び吸気マニホールドと、前記排気マニホールドから排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置とを備えるエンジン装置であって、前記排気浄化装置は、一端部が前記排気マニホールド側に位置し、他端部が前記吸気マニホールド側に位置するように、前記エンジンに取り付けられるハウジング部と、前記ハウジング部の一端部に配置され、排気マニホールドに接続される排気ガス導入部と、前記ハウジング部内に配置される酸化触媒コンバータと、パティキュレートフィルタと、前記パティキュレートフィルタ側からの排気ガスの排出音を低減するサイレンサ部と、排気ガスを前記ハウジング部外へ排出する排気ガス排出部とを備え、前記酸化触媒コンバータ、パティキュレートフィルタ、及びサイレンサ部が、前記ハウジング部の一端側から他端側に向かった後に、他端側から一端側に向かう経路に沿って配置され、前記ハウジング部は、一端部から他端部に向かう延在方向と直交する断面の形状が楕円形状に形成され、前記酸化触媒コンバータ及び前記パティキュレートフィルタは、前記延在方向に直列して配置され、前記サイレンサ部は、前記酸化触媒コンバータ及び前記パティキュレートフィルタに対して、前記延在方向と並行する方向にずれた位置に配置され、前記ハウジング部内に、前記酸化触媒コンバータ及び前記パティキュレートフィルタに対して並行するずれた位置には、前記パティキュレートフィルタと連通される他端室、前記排気ガスの排気音を減衰させる第一膨張室及び第二膨張室、並びに前記排気ガス排出部と連通される一端室が順に配置され、前記サイレンサ部は、前記他端室と前記第二膨張室とを第一パイプ及び第二パイプで連通させ、更に前記第二膨張室と前記第一膨張室とを連通させ、前記第一膨張室と前記一端室とを第三パイプで連通させ、排気ガスが、前記他端室、前記第一パイプ及び第二パイプ、前記第二膨張室、前記第一膨張室、前記第三パイプ、前記一端室の順に流れて、前記排気ガス排出部に到達するものである。
請求項2においては、排気マニホールド及び吸気マニホールドと、前記排気マニホールドから排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置とを備えるエンジン装置であって、前記排気浄化装置は、一端部が前記排気マニホールド側に位置し、他端部が前記吸気マニホールド側に位置するように、前記エンジンに取り付けられるハウジング部と、前記ハウジング部の一端部に配置され、排気マニホールドに接続される排気ガス導入部と、前記ハウジング部内に配置される酸化触媒コンバータと、パティキュレートフィルタと、前記パティキュレートフィルタ側からの排気ガスの排出音を低減するサイレンサ部と、排気ガスを前記ハウジング部外へ排出する排気ガス排出部とを備え、前記酸化触媒コンバータ、パティキュレートフィルタ、及びサイレンサ部が、前記ハウジング部の一端側から他端側に向かった後に、他端側から一端側に向かう経路に沿って配置され、前記ハウジング部は、一端部から他端部に向かう延在方向と直交する断面の形状が円形状に形成され、前記ハウジング部内は、前記延在方向と直交する方向に中央で二分割されることによって、前記延在方向と直交する断面の形状が、それぞれ半月形状になる第一空間及び第二空間に分割され、前記酸化触媒コンバータは、前記第一空間内に配置され、かつ、前記延在方向の断面が前記第一空間の断面形状に応じた半月形状に形成される第一酸化触媒コンバータ及び第二酸化触媒コンバータを有し、前記延在方向に直列に配置され、前記パティキュレートフィルタは、前記第一空間内に配置されると共に、断面が半月形状に形成される第一パティキュレートフィルタ、及び前記第二空間内に配置されると共に断面が半月形状に形成される第二パティキュレートフィルタを有し、前記第一パティキュレートフィルタ及び前記第二パティキュレートフィルタは、前記第一空間と第二空間内にて位置が同じになるように並列して配置され、前記ハウジング部内における前記第一パティキュレートフィルタ及び第二パティキュレートフィルタに対して前記延在方向にずれた位置には、前記第一空間と前記第二空間とを連通し、前記第一空間内の前記第一パティキュレートフィルタを通過した排気ガスを、前記第二空間内の前記第二パティキュレートフィルタへと供給する供給パイプが設けられるものである。
請求項1に記載のエンジン装置によれば、吸気マニホールドから取り入れられる燃焼用空気の温度上昇を抑制可能である。
また、ハウジング部の長さを短縮でき、これにより、ハウジング部を吸気マニホールドから離間して配置できるので、吸気マニホールドがハウジング部から発せられる輻射熱の影響を受けることが抑制される。
従って、吸気マニホールドから取り入れられる燃焼用空気の温度上昇を抑制できる。
また、酸化触媒コンバータ及びパティキュレートフィルタの配置スペースを確保しつつ、サイレンサ部の配置スペースを確保でき、これにより騒音悪化を抑制できる。
また、酸化触媒コンバータ及びパティキュレートフィルタの配置スペースを確保しつつ、サイレンサ部の配置スペースを確保でき、これにより騒音悪化を抑制できる。
請求項2に記載のエンジン装置によれば、酸化触媒コンバータ及びパティキュレートフィルタをそれぞれ分割して、ハウジング部内に配置するように構成することで、酸化触媒コンバータ及びパティキュレートフィルタの容積を確保でき、排気浄化装置の性能低下を抑制できる。
本発明に係るエンジン装置の実施の一形態であるエンジン装置の概略構成図である。 図1を矢印A方向から見た図である。 図1を矢印B方向から見た図である。 図1に示す排気浄化装置のC−C断面図である。 図1に示す排気浄化装置のD−D断面図である。 図2及び図3に示す排気浄化装置のE−E断面図である。 図4に示す排気浄化装置のサイレンサ部の別実施形態を示す図である。 図5に示す排気浄化装置のサイレンサ部の別実施形態を示す図である。 排気浄化装置の別実施形態の断面図である。 排気マニホールドを備えるエンジンの全体的な構成を示す正面図である。 同じく左側面図である。 同じく右側面図である。 排気マニホールドを備えるエンジンの排気系を示す模式図である。 (a)第一実施形態に係る排気マニホールドおよびサイレンサの組立構成を示す右側面図、(b)同じく正面図である。 排気マニホールドを備えるエンジンの排気系を示す模式図である。 排気マニホールドを備えるエンジンの排気系を示す模式図である。 従来の排気浄化装置を適用したエンジンを示す図である。 図13を矢印X方向から見た図である。
以下に、本発明に係るエンジン装置の実施の一形態であるエンジン装置ENについて説明する。なお、図1、図2及び図3に示すように、ディーゼルエンジン1(以下、「エンジン1」)の前後左右上下方向を以下の説明における前後左右上下方向と規定する。
図1に示すように、エンジン装置ENは、エンジン1、及びエンジン1から排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置2を備える。
エンジン1は、例えば農業・建設用の車両(トラクタ、バックホー等)、船舶、あるいは発電機、揚水ポンプ等の作業機に搭載され、作業機が作動するのに必要な駆動力を発生する。
図1、図2及び図3に示すように、エンジン1は、ピストン、前記ピストンを収容するシリンダを含むシリンダブロック3、前記シリンダの上部開口を塞ぐようにシリンダブロック3に取り付けられるシリンダヘッド4、及びピストンにコンロッドを介して接続されるクランクシャフト5、を備える。エンジン1は、後述する吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程を順に繰り返すことによって、駆動力を発生する。
吸気行程では、前記ピストンが下死点まで下がり、エンジン1の外気が、前記ピストンと前記シリンダとシリンダヘッド4との間に形成される燃焼室に、供給される。なお、前記燃焼室に供給されるエンジン1の外気を燃焼用空気とする。圧縮行程では、前記ピストンが上死点まで上がり、これにより前記燃焼室内の燃焼用空気が圧縮される。この圧縮により空気が高温となりこの圧縮行程の終わり近くで燃焼室内の燃料が噴射される。この燃料は自己着火(自然着火)して燃焼する。膨張行程では、燃焼により急激に温度と圧力が上昇して前記ピストンが下死点まで下がる。排気行程では、前記ピストンが上死点まで上がり、前記燃料の燃焼により生じたガス、すなわち排気ガスが前記燃焼室から流出する。
上記吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程に示す前記ピストンの上下往復運動に伴って、前記ピストンに接続されているクランクシャフト5が回転運動する。このときのクランクシャフト5の回転力が作業機の車輪等に伝達されて、作業機が作動する。
エンジン1は、排気口部6、吸気口部7、及びフライホイールハウジング8、をさらに備える。
排気口部6は、エンジン1の外周に設けられる開口部であり、排気マニホールド6a、排気バルブ等を介して前記燃焼室に接続されており、燃料の燃焼によって生じた排気ガスをエンジン1外に排出する。上記排気行程においては、前記排気バルブが開かれる。これにより、排気ガスが前記燃焼室から流出して、排気口部6(排気マニホールド6a)からエンジン1外に排出される。
吸気口部7は、エンジン1の外周に設けられる開口部であり、エアクリーナ、吸気マニホールド7a、吸気バルブ等を介して前記燃焼室に接続されており、燃焼用空気を取り入れる。上記吸気行程においては、前記吸気バルブが開かれる。これにより、燃焼用空気が、吸気口部7(吸気マニホールド7a)に取り入れられて、前記燃焼室に供給される。
フライホイールハウジング8は、フライホイール8aを内部に収容するものである。フライホイール8aは、クランクシャフト5に接続され、クランクシャフト5の回転に伴って回転可能である。上記ピストンの上下往復運動に伴ってクランクシャフト5が回転運動するが、フライホイール8aは、このときのクランクシャフト5の回転速度の変動を抑制する慣性マスとして機能する。
排気浄化装置2、排気口部6、吸気口部7、及びフライホイールハウジング8は、エンジン1(具体的にはシリンダブロック3及びシリンダヘッド4)の外周における同一側(後側)に配置されている。排気口部6及び吸気口部7は、互いに左右に所定間隔を開けて配置されている。排気口部6(排気マニホールド6a)はエンジン1の外周における左端に配置されており、吸気口部7(吸気マニホールド7a)はエンジン1の外周における右端に配置されている。フライホイールハウジング8は、排気口部6及び吸気口部7の下方に配置されており、エンジン1の外周における下端に配置されている。
排気浄化装置2は、エンジン1の排気ガスに含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集することによって、エンジン1の排気ガスを浄化する。
図4、図5及び図6に示すように、排気浄化装置2は、ハウジング部11、排気ガス導入部12、酸化触媒コンバータ13、パティキュレートフィルタ14、サイレンサ部15、及び排気ガス排出部16、を備える。
排気ガス導入部12は、エンジン1の排気ガスをハウジング部11内に導入するものであり、排気口部6(排気マニホールド6a)と接続される。排気ガス排出部16は、排気ガス導入部12を通じてハウジング部11内に導入された排気ガスをハウジング部11外へ排出するものであり、排気ガス導入部12と共にハウジング部11の長手方向の一端部(図1におけるハウジング部11の左端部)に配置される。つまり、排気ガス導入部12と排気ガス排出部16はハウジング部11の長手方向における同一端側に配置されると共に、互いに近接した位置に配置されている。ハウジング部11内(ハウジング部11の内周面で囲まれる空間)には、酸化触媒コンバータ13、パティキュレートフィルタ14及びサイレンサ部15が排気ガスの流れの上流側から下流側へ向かって順に並べられて収容されている。排気ガス導入部12からハウジング部11内に取り込まれたエンジン1の排気ガスは、酸化触媒コンバータ13→パティキュレートフィルタ14→サイレンサ部15の順に流れていき、排気ガス排出部16からハウジング部11外へ排出される。このように、排気ガス導入部12を介してハウジング部11内に導入されたエンジン1の排気ガスは、排気ガス導入部12と同一端側に近接した状態で配置されている排気ガス排出部16から排出される。つまり、排気ガス排出部16から排出される排出ガスは、エンジン1の吸気口部7(吸気マニホールド7a)と離間した位置からハウジング部11外に排出されることとなり、高温の排気ガスが吸気口部7(吸気マニホールド7a)に取り込まれることがない(図1及び図3参照)。
ハウジング部11は、排気浄化装置2の主たる構造体をなす部材であり、酸化触媒コンバータ13、パティキュレートフィルタ14及びサイレンサ部15を収容する。
ハウジング部11は、楕円リング形状の断面を有して(図5参照)、俵形状に形成されている。すなわち、ハウジング部11は中空の楕円柱形状に形成されている。ハウジング部11は、フライホイールハウジング8の上端に取付ステー9を介して固定可能に構成され(図2及び図3参照)、即ちエンジン1に取り付け可能に構成されている。
ハウジング部11がフライホイールハウジング8に固定されているとき、ハウジング部11の長手方向における一端(図1における左端)が排気口部6(排気マニホールド6a)に略対向し、ハウジング部11の長手方向における他端(図1における右端)が吸気口部7(吸気マニホールド7a)に略対向する。
ハウジング部11内は遮蔽板17によって第一室18と第二室(他端室19・第一膨張室20・第二膨張室21・一端室22)とに仕切られている(図4参照)。第一室18は、その長手方向を左右方向として、ハウジング部11内の前側に配置されている(図4参照)。前記第二室は、その長手方向を左右方向として、他端室19・第一膨張室20・第二膨張室21・一端室22から構成され、ハウジング部11内の後側に配置されている(図4参照)。第一室18には、排気ガス導入部12が接続され、酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14が配置される。前記第二室には、排気ガス排出部16が接続され、サイレンサ部15が配置される。
図1、図2及び図4に示すように、排気ガス導入部12は、両端が開口するパイプ形状の部材である。排気ガス導入部12は、ハウジング部11の左端部の前側から前上方に向かって外方に突出するように設けられている。排気ガス導入部12は、先端部をエンジン1の排気口部6(排気マニホールド6a)に接続可能に構成されており、排気口部6(排気マニホールド6a)から排出される排気ガスを内部に取り入れる。排気ガス導入部12は、基端部をハウジング部11の左端部に取り付けて、その内部を第一室18と連通可能に構成されており、排気ガス導入部12に取り入れられた排気ガスを当該基端部から第一室18の左端部に流入させる。
酸化触媒コンバータ13は、排気ガスに含まれる未燃成分を酸化除去する。詳細には、酸化触媒コンバータ13は、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)および炭化水素(HC)を酸化して、二酸化炭素(CO2)および水蒸気(H2O)を生成する。
酸化触媒コンバータ13は、コージェライト等のセラミックス、又はステンレス等の金属で形成されており、隔壁によって仕切られた多数のセルを有するハニカム構造体である。酸化触媒コンバータ13の各セルは、多角形(四角形、六角形等)又は円形の断面形状を有する筒状部材であり、壁面にPt、Pd、Rh、又はIr等の酸化触媒を担持しており、左右方向に延在している。
図4に示すように、酸化触媒コンバータ13は、第一室18内における左側に配置されており、第一室18の広さ(左右方向と直交する断面積)に応じた大きさを有する円柱形状に形成されている(図5参照)。排気ガス導入部12を通って第一室18に流入した排気ガスは、酸化触媒コンバータ13の各セル内に左方から流入して、各セル内を右方に流れる。このとき、各セル内を流れる排気ガスが、各セルの壁面に担持されている酸化触媒に接触して、排気ガスに含まれる未燃成分が酸化除去される。
パティキュレートフィルタ14は、排気ガスに含まれる未燃成分(特にPM)を捕集し、自己再生又は強制再生により燃焼させて酸化除去する。
パティキュレートフィルタ14は、コージェライト等のセラミックスで形成されている。パティキュレートフィルタ14は、ハニカムフィルタであり、多孔体の隔壁によって仕切られる多数のセルを有する。パティキュレートフィルタ14の各セルは、多角形(四角形、六角形、八角形等)又は円形の断面形状を有する筒状部材であり、左右方向に延在している。パティキュレートフィルタ14は、ウォールフロータイプのパティキュレートフィルタであり、互いに平行に形成された各セルの隣接する左端と右端とが交互に封止されている。
図4に示すように、パティキュレートフィルタ14は第一室18内における酸化触媒コンバータ13の右方に配置されており、パティキュレートフィルタ14と酸化触媒コンバータ13とが左右方向に並んで配置されている。パティキュレートフィルタ14は、第一室18の広さ(左右方向と直交する断面積)に応じた大きさを有する円柱形状に形成されており、その径の大きさが酸化触媒コンバータ13の径の大きさと等しくなるように設定される。
パティキュレートフィルタ14は酸化触媒コンバータ13よりも排気ガスの流れの下流側に配置されている。酸化触媒コンバータ13を通過した排気ガスは、パティキュレートフィルタ14の各セル内に左方から流入して、各セル内を右方に流れる。このとき、排気ガスは、隔壁に形成される微細な孔を通過して隣接するセル内に移動しながら、右方に流れる。このとき、排気ガス中のPMが、主に、パティキュレートフィルタ14の各セルの内壁面と、隔壁の微細な孔の表面、に捕捉され、堆積していく。
サイレンサ部15は、排気ガスの排出音を低減する。サイレンサ部15は、酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14よりも排気ガスの流れの下流側に配置され、これらの酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14を通過した後の排気ガスの排出音を低減する。
図4に示すように、サイレンサ部15は、前記第二室に配置されており、酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14に対して、後方にずれた位置に配置されている。こうして、第一室18内で酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14を左から右へ向かって通過した後の排気ガスは、ハウジング部11の右端で折り返し、第一室18の後方に配置される前記第二室内でサイレンサ部15を右から左へ向かって通過するようになっている。つまり、排気ガスは、前記第二室内では、第一室18内で流れる方向とは逆方向へ流れるようになっている。
ここで、本実施形態では、図5に示すように、ハウジング部11の断面を楕円リング形状に形成し、その内部空間を楕円形状に形成することによって、円筒形状の酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14をハウジング部11内における前側(第一室18)に配置したときに、酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14の後方に十分なスペース(前記第二室)を確保している。このように確保した前記第二室をサイレンサ部15の配置スペースとして用いている。こうして、酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14を左右方向に並べて配置し、サイレンサ部15を酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14の後方に配置し、言い換えればサイレンサ部15を酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14に対して前後方向に並べて配置している。この際、サイレンサ部15をその長手方向が酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14の長手方向に対して平行となるように配置している。このように、ハウジング部11内において比較的大型の部材として構成される(サイレンサ部15等と比較して大径及び長寸に構成される)酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14を含む各部材を効率的に配置しつつ、かつ、ハウジング部11の長手方向(左右方向)と平行にサイレンサ部15を配置することが可能となる。従って、酸化触媒コンバータ13、パティキュレートフィルタ14及びサイレンサ部15をハウジング部11内に一列に並べて配置する場合に比べて、ハウジング部11の長手方向の延出長を短くすることが可能となり、ハウジング部11が排気ガス導入部12を排気口部6(排気マニホールド6a)に近接させた状態でエンジン1に取り付けられたとき、ハウジング部11とエンジン1の吸気口部7(吸気マニホールド7a)との距離を遠くすることができる。つまり、エンジン1の運転状況に応じて、ハウジング部11内に高温の排気ガスが取り入れられた際にも、高温ガスに起因するハウジング部11の輻射熱が、吸気口部7(吸気マニホールド7a)に与える影響を小さくできる(図1、図2及び図3参照)。
図4に示すように、前記第二室は、遮蔽板23・24・25によって、他端室19、第一膨張室20、第二膨張室21及び一端室22に仕切られている。他端室19、第一膨張室20、第二膨張室21及び一端室22は、右方から左方に向けて、他端室19→第一膨張室20→第二膨張室21→一端室22の順に一列に配置されている。
サイレンサ部15は、他端室19、第一膨張室20、第二膨張室21、及び一端室22を、パイプ26・27・28及び遮蔽板24に形成される孔で適宜に連通させた構造を有する。詳細には、サイレンサ部15は、他端室19と第二膨張室21とを第一パイプ26及び第二パイプ27で連通させ、第二膨張室21と第一膨張室20とを遮蔽板24に形成される複数の孔で連通させ、第一膨張室20と一端室22とを第三パイプ28で連通させた構造を有する(図6参照)。
排気ガスは、サイレンサ部15を通るとき、他端室19→第一・第二パイプ26・27→第二膨張室21→遮蔽板24に形成された孔→第一膨張室20→第三パイプ28→一端室22の順に流れる(図6参照)。排気ガスが膨張室20・21を流れる際、膨張室20・21が排気ガスの排出音の音エネルギーを膨張拡散させることによって減衰させる。これにより排気ガスの排出音が低減する。
パイプ26・27・28の構成について詳細に説明すると、図4に示すように、パイプ26・27・28は、前記第二室に配置されている。パイプ26・27・28は、それぞれ左右方向に延在しており、かつ、上下方向に並んで配置されている。第一パイプ26の下方に第三パイプ28が配置され、第三パイプ28の下方に第二パイプ27が配置されている(図5参照)。
図6に示すように、他端室19と第二膨張室21とを連通するパイプ26・27は、遮蔽板23・24を貫通した状態で、左右方向に延在している。パイプ26・27の右端部は、遮蔽板23を貫通して他端室19に対向した状態で開口している。パイプ26・27の左端側は、第二膨張室21に位置している。このパイプ26・27の左端側の外周面には、排気ガスの通過可能な孔が複数形成されている。パイプ26・27の左端は、遮蔽板25に当接しており、閉塞している。
図6に示すように、第一膨張室20と一端室22とを連通する第三パイプ28は、遮蔽板24・25を貫通した状態で、左右方向に延在している。第三パイプ28の右端側は、第一膨張室20に位置している。この第三パイプ28の右端側の外周面には、排気ガスの通過可能な孔が複数形成されている。第三パイプ28の右端は、遮蔽板23に当接しており、閉塞している。第三パイプ28の左端部は、遮蔽板25を貫通して一端室22に位置する状態で開口している。
図4に示すように、ハウジング部11内における右側には、パティキュレートフィルタ14を通過した排気ガスをサイレンサ部15に搬送する連絡パイプ29が配置されている。連絡パイプ29は、遮蔽板17を貫通した状態で、前後方向に延在している。連絡パイプ29は、パティキュレートフィルタ14と第一室18とを連通しており、連絡パイプ29の前端部が第一室18におけるパティキュレートフィルタ14の右方に配置されており、連絡パイプ29の後端部が前記第二室の他端室19に配置されている。連絡パイプ29の両端側の外周面には、排気ガスの通過可能な孔が多数形成されている。
パティキュレートフィルタ14を通過した排気ガスは、連絡パイプ29を通って、他端室19に流入し、上記したようにサイレンサ部15を通る。
図1、図2及び図4に示すように、排気ガス排出部16は、パイプ形状の部材であり、先端がハウジング部11の左端部の後側から上方へ向かって外方に突出するように設けられている。排気ガス排出部16は、先端が開口しており、基端部側の外周面には排気ガスの通過可能な孔が複数形成されている(図6参照)。排気ガス排出部16は、基端部側がハウジング部11内におけるサイレンサ部15よりも排気ガスの流れの下流側(一端室22内)に配置されており、排気ガス排出部16内が一端室22と連通されており、サイレンサ部15を通過した排気ガス(一端室22に到達した排気ガス)を排気ガス排出部16内に上記基端部側の孔から流入させ、上記先端部の開口からハウジング部11外へ排出する。
このように、エンジン1の排気ガスは、排気ガス導入部12からハウジング部11内に流れて、酸化触媒コンバータ13、パティキュレートフィルタ14の順に流れていき、連絡パイプ29で流れの方向を反転させたうえで、サイレンサ部15に流れていき、最後に排気ガス排出部16からハウジング部11外へ排出される。排気ガスが流れる際、ハウジング部11内において、排気ガスの経路が、連絡パイプ29で折り返されるようになっている。詳細には、排気ガスは、酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14を通るときに右方に流れ、そして連絡パイプ29を通るときに後方に流れ、そしてサイレンサ部15を通るときに左方に流れる(図4参照)ようになっている。
以上のように、排気ガス排出部16を排気ガス導入部12と同じくハウジング部11の左端部に配置することによって、ハウジング部11をフライホイールハウジング8に固定し、排気浄化装置2をエンジン1に取り付けたとき、排気ガス排出部16がハウジング部11の右端部にある吸気口部7(吸気マニホールド7a)から離間した状態となる(図1及び図3参照)。これにより、定格運転時等、排気ガスが、排気浄化装置2の各部位を通過して、高温の状態で排気ガス排出部16から排出されるときでも、エンジン1の吸気口部7(吸気マニホールド7a)近傍で排出されることを防止できる。従って、吸気口部7(吸気マニホールド7a)から取り入れられる燃焼用空気の温度上昇を抑制できる。
また、酸化触媒コンバータ13、パティキュレートフィルタ14及びサイレンサ部15が、ハウジング部11の左端側から右端側に向かった後に、折り返して左端側に向かう経路に沿って配置されている(図4参照)。つまり、これら部材が一直線状に配置されていないので、ハウジング部11の長手方向、ここでは左右方向の長さを短縮できる。これにより、ハウジング部11の長さを短縮した分、ハウジング部11を吸気口部7(吸気マニホールド7a)から離間して配置できるので、吸気口部7(吸気マニホールド7a)がハウジング部11から発せられる輻射熱の影響を受けることが抑制される。従って、吸気口部7(吸気マニホールド7a)から取り入れられる燃焼用空気の温度上昇を抑制できる。
また、ハウジング部11を俵形状、つまり左右方向に対して直交する断面が楕円形状になるように形成し(図5参照)、ハウジング部11において、酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14を左右方向に並べて配置し、サイレンサ部15を酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14の後方に並べて配置する(図4参照)。例えば、従前はフライホイールハウジング8上端に排気ガスの排出音を低減する機能のみを有するマフラー(サイレンサ)が固定されており、当該マフラーを排気浄化装置2に付け替える場合、作業機搭載性を悪化しないようにするためには、排気浄化装置2(ハウジング部11)のサイズは当該マフラーのサイズと同等にする必要があり、ハウジング部11の左右方向の寸法が制限される。上記した従来の排気浄化装置の一例である排気浄化装置102のように、ハウジング部106内において、酸化触媒コンバータ108、パティキュレートフィルタ109、サイレンサ部110が左右方向に一直線上に配置されるものについて、ハウジング部106の左右方向の寸法が制限される場合、酸化触媒コンバータ108、及びパティキュレートフィルタ109の左右方向の配置スペースを確保するためには、サイレンサ部110の左右方向の配置スペースが犠牲になり、サイレンサ部110の配置スペースが小さくなる。これにより、消音効果が悪化する。これに対し、排気浄化装置2においては、サイレンサ部15が酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14の後方に配置される。これにより、サイレンサ部15並びに酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14の両者がハウジング部11内の左右方向のスペースを配置スペースとしてそれぞれ利用可能となり、サイレンサ部15の左右方向の配置スペースが酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14の左右方向の配置スペースを確保するために犠牲になるようなことはない。従って、酸化触媒コンバータ13及びパティキュレートフィルタ14の配置スペースを確保しつつ、サイレンサ部15の配置スペースを確保でき、これにより消音効果を維持し、騒音悪化を抑制できる。
なお、サイレンサ部15に換えて、サイレンサ部15の別実施形態であるサイレンサ部15aを用いる構成としてもよい。
図7及び図8に示すように、サイレンサ部15aは、他端室19、第一膨張室20、第二膨張室21、及び一端室22を、パイプ26a・27a・28a及び遮蔽板23a・25aに形成される孔で適宜に連通させた構造を有する。詳細には、サイレンサ部15aは、他端室19と第二膨張室21とを第一パイプ26a及び第二パイプ27aで連通させ、第二膨張室21と一端室22とを遮蔽板25aに形成される複数の孔で連通させた構造を有する。また、サイレンサ部15aは、他端室19と第一膨張室20とを遮蔽板23aに形成される複数の孔で連通させ、第一膨張室20と一端室22とを第三パイプ28aで連通させた構造を有する。
排気ガスは、サイレンサ部15aを通るとき、他端室19→パイプ26a・27a→第二膨張室21→遮蔽板25aに形成される孔→一端室22の順に流れる。また、このとき、排気ガスは、他端室19→遮蔽板23aに形成される孔→第一膨張室20→第三パイプ28a→一端室22の順にも流れる。排気ガスが膨張室20・21を流れる際、膨張室20・21が排気ガスの排出音の音エネルギーを膨張拡散させることによって減衰させる。これにより排気ガスの排出音が低減する。
パイプ26a・27a・28aの構成について詳細に説明すると、図7に示すように、パイプ26a・27a・28aは、前記第二室に配置されている。パイプ26a・27a・28aは、それぞれ左右方向に延在しており、かつ、上下方向に並んで配置されている。第一パイプ26aの下方に第三パイプ28aが配置され、第三パイプ28aの下方に第二パイプ27aが配置されている(図8参照)。
他端室19と第二膨張室21とを連通するパイプ26a・27aは、遮蔽板23a・24aを貫通した状態で、左右方向に延在している。パイプ26a・27aの右端部は、遮蔽板23aを貫通して他端室19に対向している。このパイプ26a・27aの右端部の外周面には、排気ガスの通過可能な孔が形成されている。パイプ26a・27aの左端側は、第二膨張室21に位置している。このパイプ26a・27aの左端側の外周面には、排気ガスの通過可能な孔が形成されている。
第一膨張室20と一端室22とを連通する第三パイプ28aは、遮蔽板24a・25aを貫通した状態で左右方向に延在している。第三パイプ28aの右端部は、遮蔽板24aを貫通して第一膨張室20に対向している。この第三パイプ28aの右端部の外周面には、排気ガスの通過可能な孔が形成されている。第三パイプ28aの左端部は、遮蔽板25aを貫通して一端室22に対向している。この第三パイプ28aの左端部の外周面には、排気ガスの通過可能な孔が複数形成されている。
なお、排気浄化装置2に換えて、排気浄化装置2の別実施形態である排気浄化装置2aを用いる構成としてもよい。図9に示すように、排気浄化装置2aは、ハウジング部11a、酸化触媒コンバータ13a、パティキュレートフィルタ14a、及びサイレンサ15b、を備える。
ハウジング部11aは、フライホイールハウジング8の上端に取付ステー9を介して固定されて、エンジン1に取り付けられる(不図示)。ハウジング部11aがフライホイールハウジング8に固定されているとき、ハウジング部11aの長手方向における左端が排気口部6(排気マニホールド6a)に略対向し、ハウジング部11aの長手方向における右端が吸気口部7(吸気マニホールド7a)に略対向する。ハウジング部11aは、左右方向と直交する断面の形状が円形状となり、かつ、左端及び右端が閉塞する、円筒形状に形成されている。ハウジング部11a内における上下中央には、左右方向に延在すると共に板面が前後方向と直交する遮蔽板17aが配置されており、遮蔽板17aによってハウジング部11a内が上下に二分割されている。ハウジング部11a内にて、遮蔽板17aによって形成される空間のうち、上側に形成される空間を第一空間11bとし、下側に形成される空間を第二空間11cとする。第一空間11b及び第二空間11cは、左右方向と直交する断面の形状が半月形状に形成されている。
排気ガス導入部12は、ハウジング部11aの左端部、かつ、上端部に配置されており、ハウジング部11aから前上方に向かって外方に突出するように設けられている。
排気ガス導入部12は、先端部をエンジン1の排気口部6(排気マニホールド6a)に接続可能に構成されており、排気口部6(排気マニホールド6a)から排出される排気ガスを内部に取り入れる。排気ガス導入部12は、基端部をハウジング部11の左端部、かつ、上端部に取り付けて、その内部を第一空間11bと連通可能に構成されており、排気ガス導入部12に取り入れられた排気ガスを当該基端部から第一空間11bの左端部に流入させる。
酸化触媒コンバータ13aは、第一空間11b内に配置されており、酸化触媒コンバータ13の形状を第一空間11bの形状に応じて適宜変更したものである。酸化触媒コンバータ13aは、第一空間11b内に配置され、かつ、左右方向の断面が第一空間11bの断面形状に応じた半月形状に形成され、第一空間11bの断面形状と略同等の大きさの第一酸化触媒コンバータ13b及び第二酸化触媒コンバータ13cを有する。第一酸化触媒コンバータ13b及び第二酸化触媒コンバータ13cは、左右方向に並んで配置されている。
パティキュレートフィルタ14aは、第一空間11b内及び第二空間11c内に配置されており、パティキュレートフィルタ14の形状を第一空間11bの形状及び第二空間11cの形状に応じて適宜変更したものである。パティキュレートフィルタ14aは、第一空間11b内に配置され、左右方向の断面が第一空間11bの断面形状に応じた半月形状に形成され、第一空間11bの断面形状と略同等の大きさの第一パティキュレートフィルタ14bを有する。また、パティキュレートフィルタ14aは、第二空間11c内に配置され、左右方向の断面が第二空間11cの断面形状に応じた半月形状に形成され、第二空間11cの断面形状と略同等の大きさの第二パティキュレートフィルタ14cを有する。第一パティキュレートフィルタ14b及び第二パティキュレートフィルタ14cは、左右方向の位置が同じになるように配置されており、全体として円筒形状を形成している。
ハウジング部11a内における第一パティキュレートフィルタ14b及び第二パティキュレートフィルタ14cの右方には、第一空間11bと第二空間11cとを連通する供給パイプ11dが設けられている。供給パイプ11dは、供給パイプ11dは、遮蔽板17aを貫通した状態で、上下方向に延在している。供給パイプ11dの上端側は第一空間11b内に配置されており、供給パイプ11dの下端側は第二空間11c内に配置されている。供給パイプ11dの上端側の外周面、及び供給パイプ11dの下端側の外周面には、排気ガスの通過可能な孔が多数形成されており、第一パティキュレートフィルタ14bを通過した排気ガスが、当該孔を通じて、第一空間11b内から第二空間11c内に流入し、その後、第二パティキュレートフィルタ14cに流入するように構成されている。また、排気ガスが、供給パイプ11dを通じて第一空間11b内から第二空間11c内に、消音と共に導入される。これにより、後述するサイレンサ15bの容積を小さくしても静粛性を確保でき、サイレンサ15bの左右方向の長さを短くすることができる。
サイレンサ15bは、第二空間11c内における第二パティキュレートフィルタ14cの左方に配置されており、第二パティキュレートフィルタ14cを通過した排気ガスの排出音の音エネルギーを膨張拡散させる等して減衰させ、これにより排出音を低減する。
排気ガス排出部16は、先端がハウジング部11aの左端部、かつ、下端部から下方へ向かって外方に突出するように設けられている。排気ガス排出部16は、基端部側がハウジング部11aの第二空間11c内におけるサイレンサ15bよりも左方(排気ガスの流れの下流側)に配置されており、サイレンサ15bを通過した排気ガスを排気ガス排出部16内に基端部側の孔から流入させ、先端部の開口からハウジング部11a外へ排出する。
以上のように酸化触媒コンバータ13a及びパティキュレートフィルタ14aをそれぞれ分割して、ハウジング部11a内に配置するように構成することで、酸化触媒コンバータ13a及びパティキュレートフィルタ14aの容積を確保でき、排気浄化装置2aの性能低下を抑制できる。また、排気ガス排出部16を、排気ガス導入部12と同じように、ハウジング部11aの左端部に設けることで、エンジン1の吸気側の前記エアクリーナの搭載自由度が向上する。また、一般にパティキュレートフィルタを一つで構成すると、パティキュレートフィルタの中央にスス及びアッシュが堆積しやすいが、パティキュレートフィルタ14aを第一パティキュレートフィルタ14b及び第二パティキュレートフィルタ14cの二分割にすることで、スス及びアッシュの偏堆積を抑制できる。
以下では、ディーゼルエンジン50の排気構造について説明する。
まず、排気構造を適用したエンジン50の全体的な構成について説明する。
図10から図12に示すように、エンジン50においては、シリンダブロック51の下方にオイルパン52が配置され、シリンダブロック51の上方にシリンダヘッド53が配置される。シリンダブロック51およびシリンダヘッド53の右側方には燃料噴射装置54が配置され、シリンダブロック51の後方にフライホイール55が配置される。
シリンダブロック51ではその上部がシリンダ形成部とされ、下部がクランク室形成部とされる。シリンダ形成部にはシリンダ(気筒)が設けられると共に、ピストンが往復動可能に設けられ、これらのシリンダおよびピストンと、シリンダヘッド53とにより燃焼室が形成される。
クランク室形成部にはクランク軸が回転可能に設けられる。クランク軸はピストンにコンロッドを介して連動連結され、ピストンの往復運動をコンロッドを介して回転運動に変換可能とされる。クランク軸は更にシリンダブロック51の外部へ突出される。その一側にフライホイールが固定され、他側からエンジン50の出力が取出可能とされる。
シリンダヘッド53はシリンダブロック51の上方に配置される。シリンダヘッド53ではその内部に燃料噴射装置54に含まれる燃料噴射弁、動弁機構の一部、吸気弁、排気弁等が設けられ、上部にボンネット56が設けられる。こられの燃料噴射弁、動弁機構の一部、吸気弁、排気弁はボンネット56により被覆される。
燃料噴射弁先端のノズルは燃焼室に臨むように配置される。そして、燃料噴射装置54において、燃料が燃料タンクから燃料噴射ポンプを介して燃料噴射弁に供給されて、この燃料噴射弁により燃焼室に噴射可能とされる。
シリンダヘッド53では、また、その内部に吸気ポートおよび排気ポートが形成される。吸気ポートと排気ポートとはそれぞれシリンダヘッド53の外部に連通されるとともに、燃焼室に連通される。吸気ポートと燃焼室との間には吸気弁が設けられ、排気ポートと燃焼室との間には排気弁が設けられる。
吸気弁と排気弁とは動弁機構によりピストンの動く位置に応じて適宜に開閉作動するように構成される。そして、吸気ポートと燃焼室とが吸気弁の開閉作動により連通状態または遮断状態に切り替えられる。排気ポートと燃焼室とが排気弁の開閉作動により連通状態または遮断状態に切り替えられる。
こうして、ピストンが往復動されるとき、吸気弁が開作動された場合には、吸気ポートと燃焼室とが連通され、空気が吸気ポートから燃料室に吸入可能とされる。また、排気弁が開作動された場合には、排気ポートと燃焼室とが連通され、燃料の燃焼により発生した排気ガスが燃焼室から排気ポートへ排出可能とされる。
つづいて、エンジン50の吸気系の構成について説明する。
エンジン50の吸気系においては、エアクリーナ57がその長手方向方を前後方向として、シリンダヘッド53の右上方に配置される。エアクリーナ57とシリンダヘッド53との間にはこれらを連通させる吸気管58および吸気マニホールドが設けられる。
吸気管58はその一端部をエアクリーナ57の吸気出口59にあわせてエアクリーナ57に接続され、他端部を吸気マニホールドの吸気入口60にあわせて吸気マニホールドに接続される。吸気マニホールドはその他端部をシリンダヘッド53に形成された吸気ポートにあわせてシリンダヘッド53に固定される。
そして、エアクリーナ57とシリンダヘッド53の吸気ポートとが吸気管58および吸気マニホールドを介して連通される。これにより、空気がエアクリーナ57で浄化処理された後、吸気管58と吸気マニホールドを経て、シリンダヘッド53の吸気ポートから各シリンダに形成される燃焼室に吸入可能とされる。
つづいて、エンジン50の排気系の構成について詳細に説明する。
図13、図14に示すように、サイレンサ61は略楕円柱形状に構成される。サイレンサ61はその長手方向を排気マニホールド62の長手方向と同一方向として、排気マニホールド62の上方に配置され、シリンダヘッド53に排気マニホールド62および連絡管63を介して取り付けられる。
サイレンサ61内には隔壁が設けられ、この隔壁によりサイレンサ61内が排気入口側サイレンサ室と排気出口側サイレンサ室とに区切られる。隔壁には連通管64が貫設され、この連通管64を介して排気入口側サイレンサ室65と排気出口側サイレンサ室66とが連通される。
サイレンサ61の下部には、排気導入管67と排気排出管68とが貫設される。排気導入管67と排気排出管68とはそれぞれ上下方向に延長され、互いに前後方向に、即ちサイレンサ61の長手方向に所定間隔をとって平行に並置される。排気導入管67と排気排出管68とは固定板を介して連結され、この固定板とともにサイレンサ61と一体的に構成される。
排気導入管67はその上部でサイレンサ61内における二つのサイレンサ室のうち、一方の排気入口側サイレンサ室65に挿入されて、サイレンサ61の排気入口を形成するものとされる。排気排出管68はその上部で他方の排気出口側サイレンサ室66に挿入されて、サイレンサ61の排気出口を形成するものとされる。
排気マニホールド62は連絡管63と一体的に構成されて、連絡管63とともにシリンダヘッド53に取り付けられる。つまり、排気マニホールド62と連絡管63とが一つのユニットとして構成されて、そのユニット化されたものがシリンダヘッド53に取り付けられる。排気マニホールド62はシリンダヘッド53の左側面に沿って前後方向に延長され、シリンダヘッド53と接して並置される。
連絡管63は排気マニホールド62に沿って上下方向に延長され、エンジン50の左側面視において、一部が排気マニホールド62と重なり合うように、これと接して並置される。連絡管63の上端位置は排気マニホールド62の上端位置と同一位置とされ、下端位置は排気マニホールド62よりも下方の任意位置とされる。
排気マニホールド62の上端部の前側には第一支持部69が形成され、この第一支持部69の後方であって連絡管63の上端部に第二支持部70が形成される。第一支持部69と第二支持部70とは、ユニット化された排気マニホールド62および連絡管63の上部に前後方向に並置され、エンジン50の正面視において、互いに重なり合うように一直線上に位置して連結される。
第一支持部69には排気導入管67のフランジ形状の下端部71が固定されて、排気導入管67が排気マニホールド62にその上部で支持される。第一支持部69には、また、開口部72が上向きに開口するように設けられて、排気マニホールド62の排気出口を形成するものとされる。この開口部72が排気導入管67、ひいてはサイレンサ61の排気入口側サイレンサ室65に連通される。
第二支持部70には排気排出管68のフランジ形状の下端部73が固定されて、排気排出管68が連絡管63にその上部で支持される。この連絡管63は排気排出管68、ひいてはサイレンサ61の排気出口側サイレンサ室66に連通される。ここで、連絡管63のフランジ形状の下端部74には尾管75の上端部76が固定されて、連絡管63に支持される。
こうして、排気マニホールド62がその開口部72からなる排気出口を通じてサイレンサ61にその排気入口となる排気導入管67を介して連通される。また、連絡管63がサイレンサ61にその排気入口となる排気排出管68を介して連通される。さらに、連絡管63が尾管75に連通される。これにより、サイレンサ61が連絡管63および尾管75を介して外部に連通される。
このような構成により、エンジン50の排気系において、排気マニホールド62が連絡管63を一体としながら、シリンダヘッド53に取り付けられる。サイレンサ61が排気マニホールド62の上方でユニット化された排気マニホールド62および連絡管63のみを介してシリンダヘッド53に支持される。尾管75が連絡管63を介して排気マニホールド62、ひいてはシリンダヘッド53に支持されながら、シリンダブロック51等に支持される。
そして、エンジン50の各シリンダの燃焼室から排気ガスが排出された場合には、排出された排気ガスはシリンダヘッド53の排気ポートから排気マニホールド62に流れ、更に排気導入管67を経由してサイレンサ61内の排気入口側サイレンサ室65に導かれる。ついで排気ガスが連通管64を経由して排気出口側サイレンサ室66に流れ、その後に排気排出管68を経由して連絡管63に流れて、この連絡管63から尾管75を経由してエンジン50の外部へ排出される。
以上のように、エンジン50の排気構造は、排気ガスを排気マニホールド62からこれに接続されるサイレンサ61を経由させ、尾管75によって外部へ排出するものであって、サイレンサ61と尾管75との間にこれらを連通させる連絡管63を設け、連絡管63と排気マニホールド62とを一体的に構成したものとされる。
これにより、サイレンサ61を一体的に構成される連絡管63および排気マニホールド62に接続して支持する、つまりこの連絡管63および排気マニホールド62のみを用いてエンジン50に取り付けることが可能となる。したがって、エンジン50の排気系における組立工数および部材点数の低減させて、エンジン50の排気系をコンパクトにかつ低コストで構成することができる。また、排気マニホールド62および連絡管63へのサイレンサ61の組付精度の向上を図ることができる。
また、前述のような排気系構造は次のように構成することも可能であり、その構成について説明する。
図15に示すように、排気マニホールド62と連絡管63との間に迂回手段77が設けられる。迂回手段77は迂回通路を形成する筒状体または開口部とされ、排気マニホールド62および連絡管63と一体的に構成される。そしてこの迂回手段77を介して排気マニホールド62が連絡管63に直接連通され、排気マニホールド62の排気ガスが迂回手段77の迂回通路を経由して連絡管63に流入可能とされる。
迂回手段77には調整弁78が設けられる。調整弁78には調整手段79が連結され、この調整手段79により開閉作動させられる。ここでの調整手段79はボルトおよびナットで構成され、ユニット化された排気マニホールド62および連絡管63に取り付けられる。この調整手段79はユニット化された排気マニホールド62および連絡管63の外部から人為的に操作可能とされる。
そして、調整手段79による調整弁78の開閉作動に応じて、この調整弁78により迂回手段77の迂回通路の開閉状態、即ち排気マニホールド62と連絡管63との連通状態が調整可能とされる。つまり、排気マニホールド62から連通手段である迂回手段77の迂回通路を通じて連絡管63に流れる排気ガスの流量が、調整弁78により調整可能とされる。
このような構成により、エンジン50の排気系において、エンジン50の各シリンダに形成される燃焼室から排出された排気ガスは、排気マニホールド62まで流れた後、排気マニホールド62の排気ガスは、調整弁78が閉作動させられている場合、排気排出側へ流れる途中で分流されて迂回手段77の迂回通路に流れることはなく、排気導入管67を通じてサイレンサ61のみに流入可能とされる。
一方、排気マニホールド62の排気ガスは、調整弁78が開作動されている場合、排気排出側へ流れる途中で分流され、その一部がサイレンサ61を迂回するように迂回手段77の迂回通路を通じて連絡管63に流入可能とされ、残部が排気導入管67を経由してサイレンサ61に流入可能とされる。
そのうえで、この場合には、調整手段79により調整弁78があらかじめ開閉作動させられ、排気マニホールド62と連絡管63との連通状態が任意に設定される。つまり、排気ガスが排気マニホールド62から迂回手段77の迂回通路を通じて連絡管63に設定流量だけ流れることとされる。ただし、排気マニホールド62と連絡管63との間を遮断状態とすることも可能である。
こうして、排気マニホールド62内の背圧が所定値以下であるとき、排気ガスが主に排気マニホールド62から排気導入管67を通じてサイレンサ61に流れる。また、排気マニホールド62内の背圧が所定値を超えたとき、排気ガスの一部が排気マニホールド62からサイレンサ61を迂回して、迂回手段77の迂回通路を通じて連絡管63に設定流量だけ流れて逃がされる。これにより、排気マニホールド62内の背圧の低下が図られる。
なお、背圧の増加はエンジン出力に影響を及ぼすものであり、背圧が高いとエンジン出力が低下する。そこで、エンジン50にあわせて、あらかじめ調整手段79による調整弁78の開閉作動が適宜行われる。
以上のように、エンジン50の排気構造は、排気マニホールド62と連絡管63との間にこれらを直接連通させる迂回手段77を設けるとともに、迂回手段77に排気マニホールド62から迂回手段77を介して連絡管63へ流れる排気ガスの流量を調整する調整弁78を設けたものとされる。
これにより、エンジン50の排気系が、排気ガスを迂回手段77により排気マニホールド62からサイレンサ61を迂回させて連絡管63に流すことが可能となり、排気マニホールド62内の背圧が設定値を超える場合に、迂回手段77を流れる排気ガスの流量を調整してその低減化を図ることができる構成となる。そして、この構成において、迂回手段77を一体的に構成される連絡管63および排気マニホールド62に設けることが可能となる。したがって、エンジン50の排気系において、前述のような構成が採用される場合であっても、迂回手段77を一体的に構成された連絡管63および排気マニホールド62にあらかじめ組み付けておくことで、エンジン50の排気系における組立工数および部材点数の低減させて、エンジン50の排気系をコンパクトにかつ低コストで構成することができる。
また、調整弁78を開閉作動させる調整手段は次のように構成することも可能であり、その構成について説明する。
図16に示すように、調整手段80は、ダイヤフラムケース81と、ダイヤフラム82、連通管83とで構成され、排気マニホールド62と調整弁78との間に設けられる。この調整手段80はユニット化された排気マニホールド62および連絡管63に一体的に取り付けられる。
ダイヤフラムケース81は中空の箱状に構成され、調整弁78に近接して配置される。ダイヤフラムケース81内にはダイヤフラム82が設けられ、このダイヤフラム82によりダイヤフラムケース81内が第一圧力室84と第二圧力室85とに区切られる。ダイヤフラム82は第一圧力室84内の圧力と第二圧力室85内の圧力との圧力差に応じて変位される。
ダイヤフラムケース81の第二圧力室85側には、調整弁78の作動棒86がダイヤフラムケース81に対して移動可能に貫設される。作動棒86の一端部は第二圧力室85に挿入され、ダイヤフラム82に連結される。また、作動棒86の他端部は調整弁78の弁体に連結されて、この作動棒86によりダイヤフラム82と弁体とが連動連結される。
ダイヤフラムケース81の第一圧力室84側には、開口部87が第一圧力室84に臨むように設けられる。そして、排気マニホールド62に開口部88が設けられて、連通管83がその一端部でダイヤフラムケース81の開口部87に接続され、他端部で排気マニホールド62の開口部88に接続される。
こうして、ダイヤフラムケース81がその第一圧力室84で開口部87を通じて連通管83と連通され、排気マニホールド62が開口部88を通じて連通管83と連通される。つまり、ダイヤフラムケース81が排気マニホールド62と連通管83介して連通される。
このような構成により、エンジンの排気系において、エンジン50の各シリンダに形成される燃焼室から排出された排気ガスは、排気マニホールド62まで流れた後、排気マニホールド62内の背圧が所定値以下であるとき、排気ガスが主に排気マニホールド62から排気導入管67を通じてサイレンサ61に流れる。同時に、排気ガスの一部が排気マニホールド62から連通管83を通じてダイヤフラムケース81の第一圧力室84に流れる。
その結果、ダイヤフラムケース81において、第一圧力室84内の圧力が第二圧力室85内の圧力よりも増加され、ダイヤフラム82が第一圧力室84の容積を第二圧力室85の容積よりも大きくするように変位される。このダイヤフラム82の変位により調整弁78の作動棒86が迂回手段77に近接する側に移動され、作動棒86に連結された弁体により迂回手段77の迂回通路が閉じられる。
すなわち、調整弁78の閉作動が行われ、排気マニホールド62と連絡管63との間が遮断状態とされる。そのため、排気ガスは、排気排出側へ流れる途中で分流されて迂回手段77の迂回通路に流れることはなく、排気導入管67を通じてサイレンサ61のみに流れる。
また、エンジン50の各シリンダに形成される燃焼室から排出された排気ガスは、排気マニホールド62まで流れた後、排気マニホールド62内の背圧が所定値を超えているとき、この排気ガスの一部が主に排気マニホールド62から排気導入管67を通じてサイレンサ61に流れる。同時に、排気マニホールド62と連通するダイヤフラムケース81の第一圧力室84が負圧とされる。
その結果、第一圧力室84内の圧力が第二圧力室85内の圧力よりも減少され、ダイヤフラム82が第一圧力室84の容積を第二圧力室85の容積よりも小さくするように変位される。このダイヤフラム82の変位により調整弁78の作動棒86が迂回手段77から離間する側に移動され、作動棒86に連結された弁体により閉じられていた迂回手段77の迂回通路が開かれる。
すなわち、調整弁78の開作動が行われ、排気マニホールド62と連絡管63との間が連通状態とされる。そのため、排気ガスの一部が排気マニホールド62からサイレンサ61を迂回して、迂回手段77の迂回通路を通じて連絡管63に設定流量だけ流れて逃がされる。このサイレンサ61を迂回して流れる排気ガスの設定流量は、調整手段80によって任意に設定可能とされる。これにより、排気マニホールド62内の背圧の低下が図られる。
以上のように、エンジン50の排気構造は、調整弁78にダイヤフラム82を含む調整手段80を設け、調整手段80は、排気マニホールド62内の背圧によるダイヤフラム82の変位に応じて、調整弁78を開閉作動させるように構成したものとされる。
これにより、エンジン50の排気系が、調整手段80により排気マニホールド62内の背圧を自動制御することができる構成となる。そして、この構成において、調整手段80を迂回手段77とともに一体的に構成された連絡管63および排気マニホールド62に設けることが可能となる。したがって、エンジン50の排気系において、前述のような構成が採用される場合であっても、調整手段80を迂回手段77と共に一体的に構成された連絡管63および排気マニホールド62にあらかじめ組み付けておくことで、エンジン50けるの排気系にお組立工数および部材点数の低減させて、エンジン50の排気系をコンパクトにかつ低コストで構成することができる。
EN エンジン装置
1 ディーゼルエンジン
2・2a 排気浄化装置
6 排気口部
6a 排気マニホールド
7 吸気口部
7a 吸気マニホールド
11・11a ハウジング部
11b 第一空間
11c 第二空間
11d 供給パイプ
12 排気ガス導入部
13・13a 酸化触媒コンバータ
13b 第一酸化触媒コンバータ
13c 第二酸化触媒コンバータ
14・14a パティキュレートフィルタ
14b 第一パティキュレートフィルタ
14c 第二パティキュレートフィルタ
15 サイレンサ部
16 排気ガス排出部

Claims (2)

  1. 排気マニホールド及び吸気マニホールドと、前記排気マニホールドから排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置とを備えるエンジン装置であって、
    前記排気浄化装置は、一端部が前記排気マニホールド側に位置し、他端部が前記吸気マニホールド側に位置するように、前記エンジンに取り付けられるハウジング部と、前記ハウジング部の一端部に配置され
    排気マニホールドに接続される排気ガス導入部と、前記ハウジング部内に配置される酸化触媒コンバータと、パティキュレートフィルタと、前記パティキュレートフィルタ側からの排気ガスの排出音を低減するサイレンサ部と、排気ガスを前記ハウジング部外へ排出する排気ガス排出部とを備え、
    前記酸化触媒コンバータ、パティキュレートフィルタ、及びサイレンサ部が、前記ハウジング部の一端側から他端側に向かった後に、他端側から一端側に向かう経路に沿って配置され、
    前記ハウジング部は、一端部から他端部に向かう延在方向と直交する断面の形状が楕円形状に形成され、前記酸化触媒コンバータ及び前記パティキュレートフィルタは、前記延在方向に直列して配置され、前記サイレンサ部は、前記酸化触媒コンバータ及び前記パティキュレートフィルタに対して、前記延在方向と並行する方向にずれた位置に配置され、
    前記ハウジング部内に、前記酸化触媒コンバータ及び前記パティキュレートフィルタに対して並行するずれた位置には、前記パティキュレートフィルタと連通される他端室、前記排気ガスの排気音を減衰させる第一膨張室及び第二膨張室、並びに前記排気ガス排出部と連通される一端室が順に配置され、
    前記サイレンサ部は、前記他端室と前記第二膨張室とを第一パイプ及び第二パイプで連通させ、更に前記第二膨張室と前記第一膨張室とを連通させ、前記第一膨張室と前記一端室とを第三パイプで連通させ、排気ガスが、前記他端室、前記第一パイプ及び第二パイプ、前記第二膨張室、前記第一膨張室、前記第三パイプ、前記一端室の順に流れて、前記排気ガス排出部に到達する
    ことを特徴とするエンジン装置。
  2. 排気マニホールド及び吸気マニホールドと、前記排気マニホールドから排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置とを備えるエンジン装置であって、
    前記排気浄化装置は、一端部が前記排気マニホールド側に位置し、他端部が前記吸気マニホールド側に位置するように、前記エンジンに取り付けられるハウジング部と、前記ハウジング部の一端部に配置され、
    排気マニホールドに接続される排気ガス導入部と、前記ハウジング部内に配置される酸化触媒コンバータと、パティキュレートフィルタと、前記パティキュレートフィルタ側からの排気ガスの排出音を低減するサイレンサ部と、排気ガスを前記ハウジング部外へ排出する排気ガス排出部とを備え、
    前記酸化触媒コンバータ、パティキュレートフィルタ、及びサイレンサ部が、前記ハウジング部の一端側から他端側に向かった後に、他端側から一端側に向かう経路に沿って配置され、
    前記ハウジング部は、一端部から他端部に向かう延在方向と直交する断面の形状が円形状に形成され、前記ハウジング部内は、前記延在方向と直交する方向に中央で二分割されることによって、前記延在方向と直交する断面の形状が、それぞれ半月形状になる第一空間及び第二空間に分割され、
    前記酸化触媒コンバータは、前記第一空間内に配置され、かつ、前記延在方向の断面が前記第一空間の断面形状に応じた半月形状に形成される第一酸化触媒コンバータ及び第二酸化触媒コンバータを有し、前記延在方向に直列に配置され、
    前記パティキュレートフィルタは、前記第一空間内に配置されると共に、断面が半月形状に形成される第一パティキュレートフィルタ、及び前記第二空間内に配置されると共に断面が半月形状に形成される第二パティキュレートフィルタを有し、
    前記第一パティキュレートフィルタ及び前記第二パティキュレートフィルタは、前記第一空間と第二空間内にて位置が同じになるように並列して配置され、前記ハウジング部内における前記第一パティキュレートフィルタ及び第二パティキュレートフィルタに対して前記延在方向にずれた位置には、前記第一空間と前記第二空間とを連通し、前記第一空間内の前記第一パティキュレートフィルタを通過した排気ガスを、前記第二空間内の前記第二パティキュレートフィルタへと供給する供給パイプが設けられることを特徴とするエンジン装置。
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