JP5517772B2 - 噛合チェーン式昇降装置 - Google Patents
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Description
このような噛合チェーン式昇降装置では、相互に噛み合う内歯プレート間および相互に噛み合う外歯プレート間のそれぞれに微小なクリアランスが形成された状態で一対の噛合チェーンが相互に噛み合って剛直化する。
また、噛合チェーン310がそのチェーン幅方向についてもプレート間隔がやや広がってしまうような形で撓むため、前述した分岐方向の片側への湾曲と同様の問題点が生じてしまう。
また、従来の噛合チェーン式昇降装置では、特許文献1に示されるように、一対の噛合チェーンの剛直方向および分岐方向を含む仮想平面に平行に折り畳まれる昇降補助ガイド手段がこの仮想平面の両側に設置されているため、内歯プレートや外歯プレートのプレート面に平行な方向に沿った一対の噛合チェーンの湾曲状態を回避することが昇降補助ガイド手段の構造上困難であるという問題点があった。
加えて、従来の噛合チェーン式昇降装置では、一対の噛合チェーンの湾曲状態を矯正する構造を昇降補助ガイド手段に持たせるためには部品点数の増大を伴うため、部品コストの増大を招くとともに部品を組み上げる製造コストの増大を招くという問題点があった。
また、部品点数の増大に伴って昇降補助ガイド手段の重量が増大するため、一対の噛合チェーンに加わる負荷の増大を回避することができないという問題点があった。
なお、本発明で言う「仮想上限位置」とは、一対の自立矯正手段が設置されていない状態で一対の噛合チェーンを湾曲させることなく垂直方向に剛直化させた場合に昇降テーブルを到達させることができる最も高い到達位置をいう。
また、一対の自立矯正手段は、一対の噛合チェーンの湾曲状態を矯正するように相互に自立矯正力の大きさが調整された構成を有しているものであれば、一対の噛合チェーンから一対の自立矯正手段までの距離が相互に異なっていてもよい。
また、本発明の噛合チェーン式昇降装置においては、チェーン幅方向に並列配置する内リンクユニットの列数は、単列、または、2列や3列などの複列のいずれであっても良く、内リンクユニットがチェーン幅方向に複数配置されている場合には、一対の噛合チェーンの一方を構成する外歯プレートと内歯プレートが、これに対向する他方の噛合チェーンを構成する外歯プレートと内歯プレートに対してチェーン幅方向の複列に亙ってそれぞれフック状、所謂、チャック状に多重かつ強固に噛み合うので、噛合チェーンのチェーン幅方向に生じがちな座屈を確実に抑制してチェーン幅方向への湾曲状態が回避されるとともに分岐方向への湾曲状態も確実に回避することができる。
また、本発明の噛合チェーン式昇降装置では、一対の噛合チェーンのチェーン幅方向の両側域の少なくとも一方にも自立矯正手段が設けられて一対の噛合チェーンのチェーン幅方向に沿った湾曲状態がより一層回避されてもよい。
また、本発明の噛合チェーン式昇降装置では、弾性部材は、一対の噛合チェーンの剛直化に応じて自立矯正力を作用させる構造を有するものであればよく、例えば、ワイヤーなどの線形状弾性部材、鎖チェーンなどの鎖状弾性部材、ローラチェーンなどのリンク体状弾性部材、または鋼材などの棒状弾性部材であってもよい。
ここで、図1は、本発明の第1実施例である噛合チェーン式昇降装置の斜視図であり、図2は、図1からチェーン貫通プレートおよび屈曲アーム機構を除いた斜視図であり、図3は、駆動スプロケットの近傍を示す斜視図であり、図4は、噛合チェーンの分解組み立て状態を示す斜視図であり、図5は、屈曲アーム機構が伸張状態にある噛合チェーン式昇降装置の正面図であり、図6は、屈曲アーム機構が伸張状態にある噛合チェーン式昇降装置の側面図であり、図7は、屈曲アーム機構が伸張状態にある噛合チェーン式昇降装置の背面図であり、図8は、本発明の第2実施例である噛合チェーン式昇降装置の正面図であり、図9は、棒状弾性部材が伸張状態にある噛合チェーン式昇降装置の側面図である。
[第1実施例]
なお、駆動スプロケット140は、不図示の駆動モータによって回転駆動される駆動軸141の回転動作に応じて駆動されるため、前述した昇降テーブル150を水平に維持した状態で昇降テーブル150上の被搬送物が昇降移動される。
すなわち、図1、図5ないし図7に示すように、一対の噛合チェーン110の自立矯正力Fを発生させる一対の屈曲アーム機構160が、一対の噛合チェーン110の分岐方向に沿った一対の噛合チェーン110の両側域で上端および下端を昇降テーブル150およびチェーン貫通プレート130にそれぞれ固定接続させた状態で一対の噛合チェーン110から等距離に設置されているとともにチェーン貫通プレート130の上面から昇降テーブル150の仮想上限位置までの高さH0より短いとともに相互に等しい全長H1を有していることにより、剛直化された一対の噛合チェーン110の垂直方向への駆動に伴い分岐方向に沿った一対の噛合チェーン110の両側域から昇降テーブル150に自立矯正力Fが作用するため、昇降補助ガイド手段を用いる場合に比べて製造コスト、部品点数および重量の増大を回避するとともに剛直化した一対の噛合チェーン110の湾曲状態を回避して被搬送物を到達させるべき位置に正確に被搬送物を昇降移動させることを実現するようになっている。
[第2実施例]
なお、第1実施例の噛合チェーン式昇降装置100と共通する部分については、100番代の符号を200番台の符号に読み替えることで、詳細な説明を省略する。
そして、一対の噛合チェーン210の自立矯正力Fを発生させる一対の棒状弾性部材260が、一対の噛合チェーン210の分岐方向に沿った一対の噛合チェーン210の両側域で上端および下端を昇降テーブル250およびチェーン貫通プレート230にそれぞれ固定接続させた状態で一対の噛合チェーン210から等距離に設置されているとともにチェーン貫通プレート230の上面から昇降テーブル250の仮想上限位置までの高さH0より短いとともに相互に等しい全長H2を有している。
110,210,310 ・・・ 噛合チェーン
111,311 ・・・ 内歯プレート
112,312 ・・・ 外歯プレート
113 ・・・ ブシュ
114 ・・・ 連結ピン
120 ・・・ チェーン収納プレート
121 ・・・ チェーン収納溝
130 ・・・ チェーン貫通プレート
131 ・・・チェーン貫通穴
140 ・・・駆動スプロケット
141 ・・・ 駆動軸
150,250,350 ・・・ 昇降テーブル
160 ・・・ 屈曲アーム機構
161 ・・・ 関節
162 ・・・ アーム
170 ・・・ 連結用剛性部材
260 ・・・ 棒状弾性部材
G ・・・ 設置面
H0 ・・・ チェーン貫通プレートから仮想上限位置までの高さ
H1 ・・・ 伸張状態にある屈曲アーム機構の全長
H2 ・・・ 伸張状態にある棒状弾性部材の全長
Claims (5)
- フック形状を有する内歯プレートと該内歯プレートに対してチェーン長手方向に半ピッチ分ずらして重なり合うとともにフック形状を有する外歯プレートと前記内歯プレート同士をチェーン幅方向に連結固定するブシュと前記外歯プレートにチェーン幅方向で連結固定される連結ピンとを備えているとともに設置面上で相互に噛み合って対向配置した状態で一体に剛直化するとともに相互に噛み外れて分岐自在となる一対の噛合チェーンと、該一対の噛合チェーンを噛み外れた状態で収納するチェーン収納溝を形成したチェーン収納プレートと、前記一対の噛合チェーンを剛直化させた状態で貫通させるチェーン貫通穴を有して前記チェーン収納プレートに水平な状態で固定されたチェーン貫通プレートと、前記一対の噛合チェーンを駆動する駆動用スプロケットと、前記一対の噛合チェーンのチェーン上端に取り付けられて前記一対の噛合チェーンの昇降動作に応じて被搬送物を昇降させる昇降テーブルとを備えた噛合チェーン式昇降装置であって、
前記一対の噛合チェーンの自立矯正力を発生させる一対の自立矯正手段が、前記一対の噛合チェーンの両側域で上端および下端を前記昇降テーブルおよびチェーン貫通プレートにそれぞれ固定接続させた状態で前記一対の噛合チェーンに前記自立矯正力を作用させるように設けられていることを特徴とする噛合チェーン式昇降装置。 - 前記一対の自立矯正手段が、前記チェーン貫通プレートの上面から前記昇降テーブルの仮想上限位置までの高さより短いとともに相互に等しい全長を有し、前記一対の噛合チェーンの両側域で前記一対の噛合チェーンから等距離に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の噛合チェーン式昇降装置。
- 前記一対の自立矯正手段が、関節を介して相互に接続された複数のアームを各々有してチェーン幅方向に屈曲する一対の屈曲アーム機構であり、
前記全長が、前記屈曲アーム機構を垂直方向に伸張させた状態における屈曲アーム機構の最大長であることを特徴とする請求項2に記載の噛合チェーン式昇降装置。 - 前記一対の屈曲アーム機構を相互に連結する連結用剛性部材が、前記一対の屈曲アーム機構に差し渡し状態で固定接続されていることを特徴とする請求項3に記載の噛合チェーン式昇降装置。
- 前記自立矯正手段が、前記一対の噛合チェーンの剛直方向を長手方向とする線状、鎖状、または棒状の弾性部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の噛合チェーン式昇降装置。
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