JP5517126B2 - 土砂の投入装置及び投入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、土砂の投入装置及び投入方法に関するものである。
従来から、港湾工事の埋立、防波堤や護岸等の構造物の築造、浅場造成あるいは干潟造成等に係る土砂投入工に、トレミー管を用いた工法が採用されている(例えば、特許文献1)。図9に示されるように、トレミー管10は、水底GLの近傍まで延びるようにして、例えば土運船12の船首部分に固定して用いられる管体であり、その頭頂部にはホッパー14が設けられている。そして、土運船12の船倉に積載された土砂20を、クラムシェル18等によってホッパー14に投入することで、土砂20は、トレミー管10内を落下し、先端部16の開口から水底GLへと放出される。トレミー管10内を土砂20が落下する間は、土砂20が周辺の水中に拡散しないことから、全開バージ(船体中央を前後に貫く回転軸を中心として、船体が二分割するように開扉することで、船倉に積載された積載材料を船底から水中へと大量に投下する形式の土運船)を用いた工法と比較して、投入予定地に効率よく土砂を投入することが可能である。又、土砂20がトレミー管10から放出され、水中を自由落下する距離が短いため、全開バージを用いた水面付近からの土砂投入と比較して、周辺水域の濁りの発生も抑えられる。
更に、内管と外管とを配した二重構造のトレミー管も開発されている。この二重トレミー管は、土砂投入時における水循環を内管と外管との間の空間に誘起して、トレミー管内の土砂の閉塞を防ぎ、トレミー管内の土砂の落下速度の制御と汚濁流出の低減とを企図したものである(例えば、特許文献2)。
特開2000−64285 特開2002−129568
以上の如く、従来から土砂投入工に広く用いられているトレミー管であるが、濁り抑制効果の更なる向上が求められている。しかも、過去に埋立用材料を得る目的等のため海底土砂を採取した掘り跡(浚渫窪地)が沿岸環境の悪化の一因となっており、近年では、浚渫窪地を埋め戻すことが検討されている。しかしながら、浚渫窪地の底部には無酸素・硫化物水隗が存在する可能性があり、浚渫窪地への土砂投入が、無酸素・硫化物水隗の拡散を引き起こすことも懸念される。そこで、このような場合にも、土砂投入に起因する水流の発生を可能な限り抑えるために、トレミー管を用いた工法は有効である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トレミー管を用いた土砂投入工において、周辺水域の濁りや流動の発生を、より効果的に抑えることにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)トレミー管と、該トレミー管の先端部に設けられ、その直径方向へと任意に拡張ないし格納可能なカバーとを含み、
前記カバーは、前記トレミー管の管壁に対し、前記トレミー管の中心軸と直交するピボット軸により軸着された複数のフレームと、該複数のフレーム間に張られた幕体と、前記フレームを前記ピボット軸に対し回転させる駆動手段とを含み、
前記駆動手段は、前記トレミー管の管壁に沿って移動可能なスライドと、該スライド及び前記フレームを連結し、前記スライドの移動に応じ、前記フレームの前記ピボット軸回りの回動を許容する連結手段として、前記スライドと前記フレームの前記ピボット軸とは反対側の端部と、を連結するワイヤを含み、前記スライドから前記ワイヤが繰り出され又は引き込まれることで、
前記カバーは、前記トレミー管の管壁と平行な格納位置と、前記トレミー管の中心軸に直交する平面状ないし先端方向へ向けて下降傾斜する円錐面状に広がる開放位置との間で、任意に開閉可能である土砂の投入装置(請求項1)。
本項に記載の土砂の投入装置は、トレミー管の先端部に設けられたカバーを、土砂の投入時に開くことで、トレミー管の先端部を中心として、その周囲に広がる一定範囲において、カバーにより水底との間に水深方向に狭い空間(以下、本説明では「水深方向狭空間」という。)を形成する。そして、トレミー管の基端部から投入され、トレミー管を落下して先端部から放出される土砂の流れを、この水深方向狭空間にて整流し、周辺水域の濁りや流動の発生を抑えるものである。
水深方向狭空間では、トレミー管の先端部の開口から放出される土砂が水底に沿って広がり、これと対向するように、この土砂の流れとカバーとの間に、トレミー管へ向かって流れ込む水の層が形成され、結果として、土砂の流れは水底に沿った薄い層となって拡散し、周辺部の水の攪拌が抑えられる。
又、スライドの移動が連結手段を介してフレームに伝達されることで、スライドの管壁に沿った移動に伴い、フレームのピボット軸回りの回動が引き起こされ、カバーを、格納位置と開放位置との間で、任意に開閉させるものである。
なお、連結手段としては、スライドと、フレームの中間部ないし前記ピボットとは反対側の端部とを連結するワイヤを用い、トレミー管の管壁に沿ったスライドの移動に伴い、ワイヤがスライドから繰出されるような、ワイヤの掛け回しを構築するものである。又、連結手段として、スライドと、フレームの中間部ないし前記ピボットとは反対側の端部とを単純にワイヤで連結しても良く、更には、傘の骨組み類似のリンク機構を採用して、スライドと、フレームの中間部ないし前記ピボットとは反対側の端部とを連結することも可能である。
又、駆動手段によって、フレームをピボット軸回りに回転させることにより、カバーを、格納位置と開放位置との間で、任意に開閉させるものである。フレームは、格納位置ではトレミー管の管壁と平行に束ねられ、このとき、フレーム間に張られた幕体は、フレーム間に折り込まれるようにして閉じ、トレミー管の水中での移動による水の抵抗の増加を回避する。一方、フレームが、トレミー管の中心軸に直交する平面状に位置し、若しくは先端方向へ向けて下降傾斜する開放位置にあると、幕体はフレーム間に帆を張るようにして広がり、水底との間に水深方向狭空間を形成する。そして、トレミー管の先端部から放出される土砂の流れを、この水深方向狭空間にて整流し、周辺水域の濁りや流動の発生を抑えるものである。
又、カバーは、トレミー管の管壁に対し、トレミー管の中心軸と直交するピボット軸により軸着された複数のフレームと、複数のフレーム間に張られた幕体と、フレームをピボット軸に対し回転させる駆動手段とを含み、駆動手段は、トレミー管の管壁に沿って移動可能なスライドと、スライド及びフレームを連結し、スライドの移動に応じ、フレームのピボット軸回りの回動を許容する連結手段として、スライドとフレームのピボット軸とは反対側の端部と、を連結するワイヤを含み、スライドからワイヤが繰り出され又は引き込まれるものである。そして、少なくともトレミー管の水中への設置時及び撤去時には、スライドがトレミー管の先端部から遠ざかるにつれワイヤが引き込まれ、フレームの先端部をトレミー管の管壁へと近づけ、トレミー管の管壁と平行な格納位置へとカバーを閉じることで、トレミー管の水中での移動による水の抵抗の増加を回避する。又、土砂の投入時には、スライドがトレミー管の先端部に近づくにつれワイヤが繰り出され、トレミー管の中心軸に直交する平面状ないし先端方向へ向けて下降傾斜する、円錐面状に広がる開放位置へとカバーを開くことで、トレミー管の先端部を中心とした一定範囲において、カバーにより水底との間に水深方向狭空間を形成する。そして、トレミー管の先端部から放出される土砂の流れを、この水深方向狭空間にて整流する。
)上記()項において、前記スライドは、一定幅のリングであり、前記トレミー管の管壁に当接するガイドローラを備える土砂の投入装置(請求項2)
本項に記載の土砂の投入装置は、一定幅のリングであるスライドが、ガイドローラを介してトレミー管の管壁に当接することで、トレミー管の管壁に沿った円滑な移動が可能となる。
)上記()()項において、前記トレミー管の管壁には、トレミー管の中心軸に沿って延設されたガイドレールが設けられ、前記スライドには、前記ガイドレールに係合するガイド溝が設けられている土砂の投入装置(請求項3)
本項に記載の土砂の投入装置は、スライドのガイド溝が、トレミー管の中心軸に沿って延設されたガイドレールと係合していることにより、スライドが、トレミー管の管壁回りに不用意に回転することを防止するものである。
)上記()から()項において、該スライドを前記トレミー管の中心軸と平行な方向に移動させるための動力伝達手段を備える土砂の投入装置。
本項に記載の土砂の投入装置は、動力伝達手段によって、スライドをトレミー管の中心軸と平行な方向に移動させることで、カバーを、格納位置と開放位置との間で、任意に開閉させるものである。
動力伝達手段としては、例えば、スライドに滑車を設けてウインチ等から引き出されるワイヤを滑車に掛け回すことで、構成されるものである。
)(1)から(4)項記載の土砂の投入装置を用いた、土砂の投入方法であって、トレミー管の先端部に、その直径方向へと拡張するようにカバーを張った状態で、土砂を投入する土砂の投入方法(請求項4)。
本項に記載の土砂の投入方法は、トレミー管の先端部に、その直径方向へと拡張するようにカバーを張ることで、トレミー管の先端部を中心として、その周囲に広がる一定範囲において、カバーにより水底との間に水深方向狭空間を形成する。そして、トレミー管の基端部から投入され、トレミー管を落下して先端部から放出される土砂の流れを、この水深方向狭空間にて整流し、周辺水域の濁りや流動の発生を抑えるものである。
)上記()項において、前記カバーを、前記トレミー管の管壁と平行な格納位置と、前記トレミー管の中心軸に直交する平面状ないし先端方向へ向けて下降傾斜する円錐面状に広がる開放位置との間で開閉し、少なくとも前記トレミー管の水中への設置時及び撤去時には前記カバーを閉じ、土砂の投入時には前記カバーを開く土砂の投入方法(請求項5)。
本項に記載の土砂の投入方法は、少なくともトレミー管の水中への設置時及び撤去時には、トレミー管の管壁と平行な格納位置へとカバーを閉じることで、トレミー管の水中での移動による水の抵抗の増加を回避する。又、土砂の投入時には、トレミー管の中心軸に直交する平面状ないし先端方向へ向けて下降傾斜する、円錐面状に広がる開放位置へとカバーを開くことで、トレミー管の先端部を中心とした一定範囲において、カバーにより水底との間に水深方向狭空間を形成する。そして、トレミー管の先端部から放出される土砂の流れを、この水深方向狭空間にて整流する。
)上記()()項において、少なくとも前記トレミー管の水中への設置時及び撤去時には、前記フレームを前記トレミー管の中心軸と平行にして前記カバーを閉じ、土砂の投入時にはフレームを前記トレミー管の中心軸と直交ないし先端方向へ向けて下降傾斜させて前記カバーを開く土砂の投入方法(請求項6)。
本項に記載の土砂の投入方法は、フレームをピボット軸回りに回転させることにより、カバーを、格納位置と開放位置との間で、任意に開閉させるものである。フレームは、格納位置ではトレミー管の管壁と平行に束ねられ、このとき、フレーム間に張られた幕体は、フレーム間に折り込まれるようにして閉じ、トレミー管の水中での移動による水の抵抗の増加を回避する。一方、フレームが、トレミー管の中心軸に直交する平面状に位置し、若しくは先端方向へ向けて下降傾斜する開放位置にあると、幕体はフレーム間に帆を張るようにして広がり、水底との間に水深方向狭空間を形成する。そして、トレミー管の先端部から放出される土砂の流れを、この水深方向狭空間にて整流し、周辺水域の濁りや流動の発生を抑えるものである。
本発明はこのように構成したので、トレミー管を用いた土砂投入工において、周辺水域の濁りや流動の発生を、より効果的に抑えることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る土砂の投入装置の、トレミー管先端部近傍の模式図であり、(a)はカバーが格納位置にある状態を、(b)はカバーの展開途中を、(c)はカバーが開放位置にある状態を示すものである。 図1に示されたトレミー管先端部近傍の平面図であり、(a)はカバーが開放位置にある状態を示すものであり、(b)は(a)のD部分の拡大図、(c)は(b)の側面図である。 図1に示されたトレミー管先端部近傍の、カバーのフレームをピボット軸に対し回転させる駆動手段を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のA線断面図、(c)は(a)のB線断面図、(d)は(a)のC線断面図である。 図3に示された駆動手段の、スライドを示す模式図であり、(a)は部分平面図、(b)はガイドレール及びガイド溝部の断面図、(c)はガイドローラ部の断面図である。 本発明の実施の形態に係る土砂の投入装置の、カバーの応用例を示すものであり、(a)はトレミー管の水中への設置時及び撤去時を、(b)はカバーが格納位置にある状態を、(c)はカバーの展開途中を、(d)はカバーが開放位置にある状態を示すものである。 本発明の実施の形態に係る土砂の投入装置の、トレミー管のカバーの形状例を示す模式図である。 図6に示されたT1型のカバーを備えるものと、カバーを備えないものとで、土砂投入実験を行った結果を示すものであり、(a)は、土砂投入により発生した最大水平流速を示し、(b)は、土砂投入により発生した縣濁層厚を示すものである。 (a)は、図6に示された、T1型のカバーを備えるトレミー管とカバーを備えないトレミー管T0とで、土砂投入実験を行ったときの、縣濁層厚比を示すものであり、(b)は図6に示された、T1〜T4型のカバーを備えるトレミー管とカバーを備えないトレミー管T0との、縣濁層厚比を示すものである。 従来のトレミー管を用いた土砂の投入装置の模式図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、投入装置及びトレミー管の全体構成は、図9に示された従来技術と同様であることから、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
本発明の実施の形態に係る土砂の投入装置トレミー管10には、図1及び図2(a)に示されるように、カバー22が設けられている。このカバー22は、トレミー管10の先端部16に、トレミー管10の管壁と平行な格納位置(図1(a))と、トレミー管10の中心軸に直交する平面状に広がる開放位置(図1(c)、図2(a))との間で、任意に開閉可能なものである。
カバー22は、トレミー管10の管壁に対し、トレミー管の中心軸C10と直交するピボット軸24により軸着された複数のフレーム26と、複数のフレーム26間に張られた幕体28と、フレーム26をピボット軸24に対し回転させる駆動手段30とから成るものである。
ここで、フレーム26は、図示の例では、2本の定尺の山形鋼をT字形に重ね合わせて固定したものを、トレミー管10の外周に均等に6本配置している。又、例えば、直径2mのトレミー管10に対して、4mのフレーム26が用いられる。一方、幕体28は、水中での使用に耐えるだけの耐久性を有するシート部材であれば良く、例えば、キャンバスシート等が利用可能である。そして図2(a)に示されるように、カバー22がその開放位置で、概略六角形をなすように、隣接するフレーム26間に張られ、図2(b)(c)に示されるように、ボルト32等の固定手段によりフレーム26に固定される。なお、カバー22の面積については、使用されるトレミー管10や施工現場の条件等に応じ、適宜設定されるものである。又、フレーム26の形状についても、みぞ形鋼等の他形状を用いることが可能であり、その長さや本数も、適宜決定されるものである。
駆動手段30は、図3、図4に示されるように、トレミー管10の管壁に沿って移動可能なスライド34と、スライド34及びフレーム26を連結し、スライド34の移動に応じ、フレーム26のピボット軸24回りの回動を許容する連結手段36とを含んでいる。ここで、スライド34は、一定幅のリングであり、トレミー管10の管壁に当接するガイドローラ38を備えることで、トレミー管10の管壁に沿った円滑な移動が可能となっている。
加えて、トレミー管10の管壁には、トレミー管の中心軸に沿って延設されたガイドレール40が設けられ、スライド34には、ガイドレール40に係合するガイド溝42が設けられている。よって、スライド34が、トレミー管10の管壁回りに不用意に回転することを防止することができる。なお、ガイドレール40の両端部に設けられたストッパ41(図3(a))は、スライド34の移動端部位置を定めるものである。
又、図示の連結手段36は、スライド34と、フレーム26のピボット24とは反対側の端部に設けられたブラケット44とを連結する、ワイヤ46を用いたものである。より具体的には、ワイヤ46は、フレーム26の先端部のブラケット44と、トレミー管の先端部16外壁にピボット軸24と隣接して設けられたブラケット47との間に、スライド34の滑車48を介して張設されている。そして、図1(c)に示されるように、スライド34がトレミー管の先端部16に近づくにつれ、スライド34の滑車からワイヤ46が繰出されてフレーム26の先端部をトレミー管10の直径方向外側へと開く。逆に、図1(a)に示されるように、スライド34がトレミー管の先端部16から遠ざかるにつれ、スライド34の滑車へとワイヤ46が引き込まれてフレーム26の先端部をトレミー管10の管壁へと近づける。
なお、図示は省略するが、連結手段36として、傘の骨組み類似のリンク機構を採用して、スライド34とフレーム26の中間部ないし先端部とを連結することとしても、スライド34の移動に応じたフレーム26の開閉動作が実現される。
更に、図示の例では、スライド34に滑車50を設けて、ウインチ等から引き出されるワイヤ52を滑車50に掛け回すことで、スライド34をトレミー管10の中心軸C10と平行な方向に移動させるための、動力伝達手段が構成されるものである。
そして、スライド34の移動が連結手段36を介してフレーム26に伝達されることで、スライド34の移動に伴い、フレーム26のピボット軸24回りの回動が引き起こされ、カバー22を、格納位置と開放位置との間で、任意に開閉させるものである。
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。
すなわち、本発明の実施の形態に係る土砂の投入装置は、トレミー管10の先端部16に設けられたカバー22を、土砂の投入時に開くことで、トレミー管10の先端部16を中心として、その周囲に広がる一定範囲において、カバー22により水底GLとの間に水深方向狭空間を形成するものである。そして、トレミー管10の基端部から投入されトレミー管10を落下して先端部16から放出される土砂の流れを、この水深方向狭空間にて整流し、周辺水域の濁りや流動の発生を抑えるものである。水深方向狭空間では、トレミー管10の先端部16の開口から放出される土砂が水底GLに沿って広がり、これと対向するように、この土砂の流れとカバー22との間に、トレミー管10へ向かって流れ込む水の層が形成され、結果として、土砂の流れは水底GLに沿った薄い層となって拡散し、周辺部の水の攪拌が抑えられることとなる。
又、少なくともトレミー管10の水中への設置時及び撤去時には、トレミー管10の管壁と平行な格納位置へとカバー22を閉じることで(図1(a))、トレミー管10の水中での移動による水の抵抗の増加を回避し、従来と何ら変わることなくトレミー管10を取り扱うことが可能となる。又、土砂の投入時には、トレミー管10の中心軸C10に直交する平面状に広がる開放位置へとカバー22を開くことで(図1(c)、図2(a))、トレミー管10の先端部16を中心とした一定範囲において、カバー22により水底との間に水深方向狭空間を形成することが出来る。
より具体的には、駆動手段30によって、フレーム26をピボット軸24回りに回転させることにより、カバー22を、格納位置と開放位置との間で、任意に開閉させることが出来る。フレーム26は、格納位置ではトレミー管10の管壁と平行に束ねられ(図1(a)、図3(a))、このとき、フレーム26間に張られた幕体28は、フレーム26間に折り込まれるようにして閉じ、トレミー管10の水中での移動による水の抵抗の増加を回避することができる。一方、フレーム26が、トレミー管10の中心軸C10に直交する平面状に位置する(開放位置)と、幕体28はフレーム26間に帆を張るようにして広がり(図1(c)、図2(a))、水底GLとの間に、水深方向狭空間を形成することが出来るものである。
なお、図5には、図1〜図4に示されたカバー22の応用例が示されている。ここで、図1〜図4の例と同一部分若しくは相当する部分には、同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図5の例では、フレーム26はトレミー管10の管壁に沿って移動可能な固定リング56に軸着され、その自重により、フレーム26の先端部は固定リング56の下方に釣り下げられている。又、固定リング56は、連結ワイヤ58によってスライド34に釣り下げられている。そして、フレーム26の中間部には、スライド34の滑車(図3の滑車48参照)にかけまわされたワイヤ52が連結されている。更に、トレミー管10の先端部16には、固定リング56の脱落を防止するための、フランジ状の固定リングストッパ60(図5(a))が装着されている。さらに、固定リング56には、昇降ワイヤ62が連結されている。
そして、トレミー管の水中への設置時及び撤去時には、図3(a)に示されるように、固定リング56とスライド34とが重なった状態で、フレーム26がトレミー管10の管壁の周囲に位置するように、昇降ワイヤ62によって固定リング56を釣り下げる。そして、トレミー管10の設置が完了すると、固定リング56を固定リングストッパ60に当接する位置まで下降させる。このとき、フレーム26は、トレミー管10の管壁に沿った状態で、トレミー管10の先端部16から突出する(格納位置)。この状態から、図3(c)に示されるように、ワイヤ52によりスライド34を上昇させ、図3(d)に示されるように、先端方向へ向けて下降傾斜する円錐面状に広がった状態が、カバー22の開放位置となる。
なお、図5の例においても、図1〜図4の例と同様の駆動手段を採用することも可能である。又、図1〜図4の例においても図5の例と同様に、先端方向へ向けて下降傾斜する円錐面状に広がった状態を、カバー22の開放位置とし、トレミー管10の管壁に沿った状態で、トレミー管10の先端部16から突出した状態を、格納位置とすることも可能である。その他、図5の例において、図1〜図4の例と同様の作用効果については、説明を省略する。
又、図示は省略するが、トレミー管10の管壁に対しフレーム26を軸着するピボット軸24の回転中心を、図1〜図5の例のごとく管壁の接線方向に設けるのではなく、管壁の法線方向に設け、各フレーム26が、管壁の接線と平行な面上で揺動することにより、カバー22が開閉するものであっても良い。
図6〜図8には、本発明の効果についての実証実験の結果が示されている。
本実証実験では、図6に示される、カバーを備えない従来のトレミー管T0、管の下端部にて平面状に広がるカバーを備えるトレミー管T1、T1のカバー周端部から更に下方にカーテン状に垂れた形状のカバーを備えるトレミー管T2、T2の平面状に広がる部分の取り付け高さを上方に移動させ、その分、カーテン上に垂れ下がる部分を長くしたカバーを備えるトレミー管T3、及び、管の下端部にて先端方向へ向けて下降傾斜する円錐面状に広がるカバーを備えるトレミー管T4を対象とした。
図中の、トレミー管T0の下端部と水底GLとの距離hc、トレミー管T1のカバー下面と水底GLとの距離hh、トレミー管T2のカバーの、カーテン上に垂れ下がる部分の下端部と水底GLとの距離hv、トレミー管T3のカバー下面水底GLとの距離hc’は、hv<hc=hh<hc’となっている。
又、実証実験は、浚渫粘性土を投入した施工事例を模擬した1/40スケールの水理模型実験とし、トレミー管への土砂投入によって発生した流速及び縣濁層の厚さを計測し、実際の値に換算した。
図7(a)は、図6のT0及びT1のトレミー管について、いわゆる単管トレミー及び二重管トレミーの双方で、土砂投入により発生した最大水平流速を示しているが、単管トレミー及び二重管トレミーのいずれも、ほぼ全てのポイントで従来型T0よりもカバーを備えるT1の流速が低下しており、その低減率は最大38%であった。
又、図7(b)は、図7(a)と同様T0及びT1のトレミー管について、土砂投入により発生した縣濁層厚を示すものであるが、全てのポイントで従来型T0よりもカバーを備えるT1の縣濁層厚が低下していることが解る。
更に、図8(a)は、カバーを備えるT1形トレミー管の縣濁層の厚さを、従来型T0の縣濁層の厚さで序したもの(縣濁層厚比)であるが、カバーを備えるT1の縣濁層厚は、従来型T0に比して、単管トレミーの場合75%程度、二重管トレミーの場合は60%程度に低下することが解る。
最後に、図8(b)は、単管トレミーを対象に、図6のT1〜T4のトレミー管について、従来型T0との縣濁層厚比を示している。ここでは、T1〜T4の何れも、縣濁層厚比が1を下回っていることから、トレミー管の下端部にカバーを装着して土砂投入工を実施することで、濁りの発生を抑えることが出来ることが確認された。
10:トレミー管、16:先端部、22:カバー、24:ピボット軸、26:フレーム、28:幕体、30:駆動手段、34:スライド、36:連結手段、38:ガイドローラ、40:ガイドレール、42:ガイド溝、 44、47:ブラケット、 46、52:ワイヤ、 48、50:滑車、56:固定リング、58:連結ワイヤ、60:固定リングストッパ、62:昇降ワイヤ

Claims (6)

  1. トレミー管と、該トレミー管の先端部に設けられ、その直径方向へと任意に拡張ないし格納可能なカバーとを含み、
    前記カバーは、前記トレミー管の管壁に対し、前記トレミー管の中心軸と直交するピボット軸により軸着された複数のフレームと、該複数のフレーム間に張られた幕体と、前記フレームを前記ピボット軸に対し回転させる駆動手段とを含み、
    前記駆動手段は、前記トレミー管の管壁に沿って移動可能なスライドと、該スライド及び前記フレームを連結し、前記スライドの移動に応じ、前記フレームの前記ピボット軸回りの回動を許容する連結手段として、前記スライドと前記フレームの前記ピボット軸とは反対側の端部と、を連結するワイヤを含み、前記スライドから前記ワイヤが繰り出され又は引き込まれることで、
    前記カバーは、前記トレミー管の管壁と平行な格納位置と、前記トレミー管の中心軸に直交する平面状ないし先端方向へ向けて下降傾斜する円錐面状に広がる開放位置との間で、任意に開閉可能であることを特徴とする土砂の投入装置。
  2. 前記スライドは、一定幅のリングであり、前記トレミー管の管壁に当接するガイドローラを備えることを特徴とする請求項1記載の土砂の投入装置。
  3. 前記トレミー管の管壁には、前記トレミー管の中心軸に沿って延設されたガイドレールが設けられ、前記スライドには、前記ガイドレールに係合するガイド溝が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の土砂の投入装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の土砂の投入装置を用いた、土砂の投入方法であって、前記トレミー管の先端部に、その直径方向へと拡張するように前記カバーを張った状態で、土砂を投入することを特徴とする土砂の投入方法。
  5. 前記カバーを、前記トレミー管の管壁と平行な格納位置と、前記トレミー管の中心軸に直交する平面状ないし先端方向へ向けて下降傾斜する円錐面状に広がる開放位置との間で開閉し、少なくとも前記トレミー管の水中への設置時及び撤去時には前記カバーを閉じ、土砂の投入時には前記カバーを開くことを特徴とする請求項4記載の土砂の投入方法。
  6. 少なくとも前記トレミー管の水中への設置時及び撤去時には、前記フレームを前記トレミー管の中心軸と平行にして前記カバーを閉じ、土砂の投入時にはフレームを前記トレミー管の中心軸と直交ないし先端方向へ向けて下降傾斜させて前記カバーを開くことを特徴とする請求項4又は5記載の土砂の投入方法。
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