JP5517100B2 - 表面被覆wc基超硬合金製インサート - Google Patents

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本発明は、高熱発生を伴うとともに、切刃部に対して高負荷が作用する鋼や鋳鉄等の高速重切削加工において、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性および耐摩耗性を発揮する表面被覆WC基超硬合金製インサート(以下、被覆超硬インサートという)に関するものである。
従来、鋼や鋳鉄の旋削用切削工具としては、超硬合金製工具基体に硬質被覆層を形成した表面被覆超硬合金製インサートが広く知られており、例えば、Ti,Ta,Nb等を含有するWC基超硬合金からなる基体表面に、結合相含有割合が高い領域を形成するとともに、さらに、エッジ部のCo含有量を、超硬合金内部のCo含有量の0.65〜0.75(但し、体積比)とした超硬合金基体に、硬質被覆層を形成した表面被覆WC基超硬合金製インサート(従来被覆超硬インサート1という。例えば、特許文献1参照)が知られており、この従来被覆超硬インサート1が高速切削加工においてすぐれた耐摩耗性を発揮することも知られている。
一方、Ti,Ta,Nb,V,Mo等を含有するWC基超硬合金からなる基体表面に、結合相含有割合が高い領域を形成するとともに、さらに、エッジ部のCo含有量を、超硬合金内部のCo含有量よりも多くした超硬合金基体に、硬質被覆層を形成した表面被覆WC基超硬合金製インサート(従来被覆超硬インサート2という。例えば、特許文献2参照)が知られており、この従来被覆超硬インサート2を切削加工に用いた場合には、エッジ部の破損を防止できることが知られている。
特開2008−521628号公報 特表平8−506620号公報
近年の切削加工装置の高性能化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工はますます高速化、高効率化の傾向にあるが、上記の従来被覆超硬インサート1,2においては、これを、通常条件の切削加工に用いた場合には特段の問題は生じないが、例えば、高熱発生を伴うと同時に、エッジ部に高負荷が作用する高速高送り切削、高速高切込み切削等の高速重切削加工に用いた場合には、チッピング、欠損等が発生し、或いは、耐摩耗性の低下によって、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
例えば、従来被覆超硬インサート1においては、エッジ部の靭性が十分でないためにチッピングや欠損を発生しやすく、また、従来被覆超硬インサート2においては、エッジ部の耐熱塑性変形性が十分でないために偏摩耗を生じやすく、これらが原因となって、工具寿命に至るという問題点がある。
したがって、高熱発生を伴うとともに、エッジ部に高負荷が作用する鋼や鋳鉄の高速重切削加工においても、すぐれた耐チッピング性及び耐摩耗性を発揮する表面被覆WC基超硬合金製インサート(被覆超硬インサート)の開発が望まれている。
本発明者等は、上記の課題に応えるため、WC基超硬合金からなる基体の成分および焼結条件について鋭意研究したところ、以下の知見を得た。
すなわち、従来のWC超硬合金製インサート(例えば、従来被覆超硬インサート1,2)は、通常、原料粉末として、所定粒径のWC粉末、Co粉末、TiC粉末、TiN粉末、TaC粉末、NbC粉末等を所定割合に配合し、さらにバインダーと溶剤を加えて混合し、これを乾燥後、所定圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を、所定の焼結条件で焼結してWC超硬合金製インサートの素材を製造し、これを研削して、所定インサート形状およびホーニング量に加工することによって得ている。
本発明者等は、上記従来のWC超硬合金製インサートの製法において、WC超硬合金の原料粉末として、所定粒径のWC粉末、Co粉末に、少なくともZrCもしくはZrCN粉末のうちの1種または2種を必須の粉末成分として添加し、次いで、プレス成形により圧粉体を作製し、これを例えば、昇温スピード2〜15℃/min,N圧力0.06〜6.7KPaにて1400〜1500℃の間の所定温度まで加熱昇給温し、その後、圧力を保持しながら10〜75%のNをArで置換して、N/Ar混合雰囲気として、1時間保持焼成後冷却するという条件下で焼結を行い、次いで、これを研削して、所定インサート形状およびホーニング量に加工し、この上に硬質被覆層を蒸着形成することにより、WC超硬合金製インサート基体の表面に、5〜35μmの平均厚さのCo富化表面領域が形成されるとともに、WC基超硬合金製インサート基体のエッジ部のCo含有量が、超硬合金内部のCo含有量の0.80〜0.95(但し、質量比)であり、また、エッジ部のZr含有量が、超硬合金内部のZr含有量の1.10〜1.45(但し、質量比)である本発明のWC超硬合金製インサートを得ることができる。
なお、WC基超硬合金製インサート基体のエッジ部の概略模式図は、図2に示すとおりである。
そして、上記所定のCo質量比、Zr質量比を有するエッジ部を備えた本発明の被覆超硬インサートは、高熱発生を伴い、かつ、エッジ部に高負荷が作用する鋼や鋳鉄の高速重切削加工に用いた場合にも、エッジ部はこれに満足できる靭性と耐熱塑性変形性を相兼ね備えるため、長時間の使用に亘って、すぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮することを見出したのである。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 原料として少なくともWC粉末、Co粉末を含むとともに、さらに、ZrC粉末およびZrCN粉末のうちの1種または2種を含む配合原料を成型、焼結して得られるWC基超硬合金を基体とし、この基体上に硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆超硬合金製インサートにおいて、
上記WC基超硬合金の基体表面には、5〜35μmの平均厚さのCo富化表面領域が形成され、かつ、上記WC基超硬合金の基体の縦直角断面において、すくい面および逃げ面からの距離が100μm以内である100μm四方の領域内であって、しかも、Co富化表面領域を除外したWC基超硬合金の基体エッジ部のCo含有量及びZr含有量は、それぞれ、超硬合金内部のCo含有量の0.80〜0.95および超硬合金内部のZr含有量の1.10〜1.45(但し、いずれも質量比)であることを特徴とする表面被覆超硬合金製インサート。
(2) 原料として、Ti、Ta、Nb、Hfの炭化物および炭窒化物のうちの1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする前記(1)に記載の表面被覆超硬合金製インサート。」
を特徴とするものである。
ここで、「超硬合金内部」とは、WC基超硬合金の基体の成分組成がほぼ一定となるようなWC基超硬合金の基体の内部領域(例えば、基体の中心部)をいう。
本発明の構成について、以下に説明する。
本発明被覆超硬インサートの超硬合金基体は、例えば、所定粒径のWC粉末、Co粉末に少なくともZrC粉末を添加して、所定配合比の原料粉末を形成した後、バインダーと溶剤を加えて混合し、これを乾燥後、所定圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形した後、この圧粉体を、例えば、昇温スピード2〜15℃/min,N圧力0.06〜6.7KPaにて1400〜1500℃の間の所定温度まで加熱昇給温し、その後、圧力を保持しながら10〜75%のNをArで置換して、N/Ar混合雰囲気として、1時間保持焼成後冷却するという条件下で焼結を行い、次いで、これを研削して、所定インサート形状およびホーニング量に加工することにより得る。
原料粉末の配合比は、質量比で、
WC粉末:Co粉末:Zr化合物粉末
=(73.0〜95.5%):(4.0〜12.0%):(1.0〜8.0%)
であることが望ましい。
原料粉末成分としては、従来用いられているTi,Ta,Nb,Hfを添加することももちろん可能である。
本発明では、必須成分として添加される上記Zr化合物粉末に加えて、高温特性を改良する目的でTi,Ta,Nb,Hfの炭化物および炭窒化物のうちの1種または2種以上をさらに含有することが望ましい。
上記の製造法で得られたZr化合物(あるいは更にTi,Ta,Nb,Hfの炭化物、炭窒化物等)が含有されている本発明の超硬合金基体に、当業者に広く知られている硬質被覆層(TiN層、TiCN層、Al層等)を、化学蒸着によって被覆形成することにより、本発明被覆超硬インサートを作製する。
得られた本発明被覆超硬インサートの超硬基体表面と硬質被覆層との界面近傍を、光学顕微鏡を用いて観察すると、図1に示されるように、基体表面には、5〜35μmの平均厚さのCo富化表面領域が形成されていることが観察される。
形成されるCo富化表面領域の厚さは、焼結時の温度、時間、圧力等によって影響されるが、Co富化表面領域が5μmよりも薄くなると、高速重切削加工において、耐チッピング性、耐欠損性の向上が期待できず、一方、Co富化表面領域が35μmよりも厚くなると、耐熱塑性変形性が低下し偏摩耗を生じやすくなることから、Co富化表面領域の平均厚さは、5〜35μmとする。
次に、本発明被覆超硬インサートWC基超硬合金基体のエッジ部とWC超硬合金基体内部のCo含有量及びZr含有量は、以下のようにして測定する。
ここで、本発明でいう“エッジ部”とは、前記WC基超硬合金基体の縦直角断面において、すくい面および逃げ面からの距離が100μm以内であることを満足する100μm四方の領域内で、Co富化表面領域を除外した領域であるとして定義する。エッジ部においては、WC基超硬合金基体の内部と比べて多くのZrが含有されている。
なお、エッジ部は、図2における超硬基体表面と硬質被覆層との界面近傍の概略断面模式図において斜線領域として示す。
測定は、電子線マイクロアナライザ(以下、EPMAで示す)を用いて、前記WC基超硬合金基体の縦断面にて行った。
上記の測定によると、エッジ部のCo含有量及びZr含有量は、それぞれ、超硬合金内部のCo含有量の0.80〜0.95および超硬合金内部のZr含有量の1.10〜1.45(但し、いずれも質量比)であることがわかる。
エッジ部のCo含有量及びZr含有量は、焼結条件、特に、昇温時のN圧力、および、焼成時のNとArの混合比によって以下のように大きく影響される。
昇温時のN圧力と、焼成時のN/Ar混合ガス中のN分圧の差が大きいと、エッジ部のCo含有量が相対的に低くなり、Zr含有量が相対的に高くなる。逆に、昇温時のN圧力と、焼成時のN/Ar混合ガス中のN分圧の差が小さいと、エッジ部のCo含有量が相対的に高くなり、Zr含有量が相対的に低くなる。
エッジ部におけるCo含有量が0.80未満であると、エッジ部の靭性が不十分であって、耐チッピング性、耐欠損性の向上を期待することはできず、一方、エッジ部におけるCo含有量が0.95を超えると、エッジ部の耐熱塑性変形性が低下傾向を示すようになるため、偏摩耗が発生しやすくなり、耐摩耗性が劣化することから、エッジ部のCo含有量は、超硬合金内部のCo含有量の0.80〜0.95(但し、質量比)と定めた。
さらに、エッジ部の耐熱塑性変形性の良否は、エッジ部に存在するZr成分及びZr含有量が大きな影響を与える。即ち、焼結後の超硬基体のエッジ部に、超硬基体内部に存在するZr含有量の1.10〜1.45(但し、質量比)のZrが存在すると、エッジ部には、WCを含む炭化物の強固なスケルトン構造が形成され、その結果として、エッジ部の耐熱塑性変形性が向上する。しかし、エッジ部のZr含有量が1.10未満の場合には、相対的に前記炭化物のスケルトン構造が所望の耐熱塑性変形性を示さなくなることから偏摩耗が発生しやすくなり、一方、エッジ部のZr含有量が1.45を超えるような場合には、相対的にエッジ部の靭性が低下するためにチッピングや欠損が発生しやすくなることから、エッジ部のZr含有量は1.10〜1.45(但し、質量比)と定めた。
本発明被覆超硬インサートは、上記Zr化合物に加え、その成分として更に、Ti,Ta,Nb,Hfの炭化物、炭窒化物等を含有することができる。
特に、上記Zr化合物に加えて、Ti,Ta,Nb,Hfの炭化物、炭窒化物のうちの1種または2種以上をさらに含有した場合には、より刃先温度が高温となる高速加工条件下での耐摩耗性の向上が図られる。
本発明の表面被覆超硬合金製インサートによれば、特に、基体エッジ部のCo含有量及びZr含有量は、超硬合金内部のCo含有量、Zr含有量の、それぞれ、0.80〜0.95および1.10〜1.45(但し、いずれも質量比)とされ、エッジ部が靭性と耐熱塑性変形性を相兼ね備えることにより、高熱発生を伴い、かつ、エッジ部に高負荷が作用する鋼や鋳鉄等の高速重切削加工において、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮し、その結果、長期の使用にわたってすぐれた切削性能を発揮することができる。
本発明の表面被覆超硬合金製インサート4の超硬基体表面と硬質被覆層との界面近傍の光学顕微鏡写真を示す。 本発明の表面被覆超硬合金製インサートの超硬基体表面と硬質被覆層との界面近傍の断面模式図を示す。
次に、本発明の表面被覆超硬合金製インサートについて、実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも0.5〜3μmの範囲内の所定の平均粒径を有するWC粉末、Co粉末、ZrC粉末、ZrCN粉末、NbC粉末、TiCN粉末、TiC粉末、TaC粉末、Cr粉末を、表1に示される割合に配合し、さらにバインダーと溶剤を加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形した。
このプレス成形により得た圧粉体を、表2に示す焼結条件で焼結し、本発明の被覆超硬インサート素材1〜10を製造した。
これらの被覆超硬インサート素材から研削にて、CNMG120408(ホーニング量0.07mm)に規定されるインサート形状およびホーニング量に加工し、本発明の被覆超硬インサート基体1〜10を製造した。
さらに、上記本発明の被覆超硬インサート基体1〜10の表面に、各種の硬質被覆層を形成し、表3に示す本発明の表面被覆超硬合金製インサート1〜10以下、実施例1〜10というを製造した。
実施例1〜10の表面被覆超硬合金製インサートについて、それぞれの超硬インサート基体の表面のCo富化表面領域の厚さを、前記超硬インサートを縦断面方向に鏡面ラップした後に光学顕微鏡観察によって求めた。
なお、図1に、本発明の表面被覆超硬合金製インサート4の超硬基体表面と硬質被覆層との界面近傍の光学顕微鏡写真を示す。
さらに、実施例1〜10の表面被覆超硬合金製インサートの内部のCo含有量、Zr含有量、また、エッジ部のCo含有量、Zr含有量を、前記本発明超硬合金製インサートの縦断面における当該箇所をEPMAにより測定し、エッジ部のCo含有量、Zr含有量と、インサートの内部のCo含有量、Zr含有量の比の値を求めた。
これらの測定結果を、表3に示す。
Figure 0005517100
Figure 0005517100
Figure 0005517100
比較のため、原料粉末として、いずれも0.5〜3μmの範囲内の所定の平均粒径を有するWC粉末、Co粉末、ZrC粉末、ZrCN粉末、NbC粉末、TiCN粉末、TiC粉末、TaC粉末、Cr粉末を、表4に示される割合に配合し、さらにバインダーと溶剤を加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、 このプレス成形により得た圧粉体を、表5に示す焼結条件で焼結し、比較例の被覆超硬インサート素材1〜10を製造した。
これらの被覆超硬インサート素材から研削にて、CNMG120408(ホーニング量0.07mm)に規定されるインサート形状およびホーニング量に加工し、比較例の被覆超硬インサート基体1〜10を製造した。
さらに、上記比較例の被覆超硬インサート基体1〜10の表面に、各種の硬質被覆層を形成し、表6に示す比較例の表面被覆超硬合金製インサート1〜10以下、比較例1〜10というを製造した。
比較例1〜10の表面被覆超硬合金製インサートについて、それぞれの超硬インサート基体の表面のCo富化表面領域の厚さを、前記比較超硬インサートを鏡面ラップした後に光学顕微鏡観察によって求めた。
さらに、比較例1〜10の表面被覆超硬合金製インサートの内部のCo含有量、Zr含有量、また、エッジ部のCo含有量、Zr含有量を、前記比較例超硬合金製インサートの縦断面における当該箇所をEPMAにより測定し、エッジ部のCo含有量、Zr含有量と、インサートの内部のCo含有量、Zr含有量の比の値を求めた。
これらの測定結果を、表6に示す。
Figure 0005517100
Figure 0005517100
Figure 0005517100
つぎに、上記の実施例1〜10および比較例1〜10について、いずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
被削材:JIS・S50Cの1溝スリット入り丸棒、
切削速度: 400 m/min.、
切り込み: 2.0 mm、
送り: 0.45 mm/rev.、
の条件(以下、切削条件1という)での炭素鋼の乾式高速高送り切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、200m/min、0.3mm/rev)、
被削材:JIS・SNCM439の1溝スリット入り丸棒、
切削速度: 350 m/min.、
切り込み: 1.5 mm、
送り: 0.45 mm/rev.、
の条件(以下、切削条件2という)での合金鋼の乾式高速高送り切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、180m/min、0.25mm/rev)、
を行い、
逃げ面摩耗幅が0.3mmに達するまでの時間を測定した。
これらの切削加工試験結果を表7に示した。
Figure 0005517100
表3,6,7の結果からみて、本発明の表面被覆超硬合金製インサートにおいては、特に、Co含有量の質量比、Zr含有量の質量比が、それぞれ、0.80〜0.95および1.10〜1.45となっているエッジ部が形成されていることによって、高熱発生を伴い、かつ、エッジ部に高負荷が作用する鋼や鋳鉄等の高速重切削加工において、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性をと耐摩耗性を発揮し、その結果、長期の使用にわたってすぐれた切削性能を発揮することができるのに対して、比較例の表面被覆超硬合金製インサートでは、チッピングの発生あるいは耐摩耗性の劣化によって、短時間で寿命に至ることは明らかである。
本発明の表面被覆超硬合金製インサートは、高速重切削加工に用いられた場合、長期間の使用にわたってすぐれた切削性能を維持することができるばかりでなく、工具寿命の延命化も図られ、さらに、本発明の表面被覆超硬合金製インサートは、耐チッピング性および耐摩耗性が求められる各種被削材のインサートとして用いることが可能であり、切削加工の省エネ化、低コスト化に十分満足に対応できるものである。

Claims (2)

  1. 原料として少なくともWC粉末、Co粉末を含むとともに、さらに、ZrC粉末およびZrCN粉末のうちの1種または2種を含む配合原料を成型、焼結して得られるWC基超硬合金を基体とし、この基体上に硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆超硬合金製インサートにおいて、
    上記WC基超硬合金の基体表面には、5〜35μmの平均厚さのCo富化表面領域が形成され、かつ、上記WC基超硬合金の基体の縦直角断面において、すくい面および逃げ面からの距離が100μm以内である100μm四方の領域内であって、しかも、Co富化表面領域を除外したWC基超硬合金の基体エッジ部のCo含有量及びZr含有量は、それぞれ、超硬合金内部のCo含有量の0.80〜0.95および超硬合金内部のZr含有量の1.10〜1.45(但し、いずれも質量比)であることを特徴とする表面被覆超硬合金製インサート。
  2. 原料として、Ti、Ta、Nb、Hfの炭化物および炭窒化物のうちの1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の表面被覆超硬合金製インサート。
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