JP5517074B2 - 持出部材の設置構造、及び外設部材の取付構造 - Google Patents
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Description
他方、二酸化炭素を減少させるために、屋根面を緑化して温度低下や光合成を行わせる試みも盛んに行われている。
しかし、この特許文献1では、既存の屋根瓦に代えて特殊な支持瓦を取り付けるものである。即ちこの特許文献1における支持瓦は、その上に縦桟や横桟などを支持するために特殊な瓦を備え、どのような瓦にも対応できるものではなかった。また、ここでは機能パネルの重量がメインであるが、全加重を数枚の支持瓦で受けなければならず、個々の支持瓦への付加が大きいものであった。さらに、既存の屋根瓦を部分的に撤去して固定する場合、下地構成が木造(合板)のために、安定した強度を得ることができないという問題もあった。
なお、このとき用いられる持出金具は、精密な金型を用いて作製されるものであって、極めて高い精度で量産される。
また、これらのスペーサを用いた高さ調整は極めて面倒な作業であり、さらに部品点数も増え、コストが増加するという問題なども生じるものであった。
そこで、本発明は、下地面の不陸や瓦屋根を構成する屋根材の高さ寸法等の違い(不揃い)に対してスペーサを用いることなく、しかも容易に高さ方向の微妙な位置調整を行うことができ、太陽電池システムや緑化構造等をも取り付けることができる持出部材の設置構造、その設置施工方法、及びそれを用いた外設部材の取付構造、改修構造を提案することを目的とする。
なお、本発明の取り付け対象である瓦屋根は、和がわら、S瓦等の波形に表れるもの、平板瓦、スレート等の平坦状に表れるもの等の、周縁が重合状に接続されるものをさす。
また、桁行き方向への位置調整は、締着具の溝部への締め付け位置の調整により容易に行うことができる。
さらに、持出部材は下地フレームを介して構造材に固定するため、瓦屋根を構成する屋根瓦に負担を与えることなく、圧壊や破損を生ずるおそれもなく、安定した強度を得ることができる。また、どのような仕様の瓦屋根にも適用でき、どのような仕様の太陽電池パネル等の外設部材にも、或いは改修屋根にも適用できる。
以下に、この下地フレームを構成する固定部、受支部について順に説明する。なお、この下地フレームとしては、アルミ押出型材等の金属材が用いられることが多いが、特にその素材を限定するものではない。
前記下地フレームの固定部は、桁行き方向に下地面上に沿わせる部位を指すものであって、後述する図示実施例のように略平坦状に形成されることが多いが、特に限定されるものではない。そして、この固定部は、長ボルト等の固定具によって下地の裏面側に配設される構造材に固定される。
前記下地フレームの受支部は、下地面に対して傾斜しており、長さ方向に延在する溝部を有し、該溝部は、締着具を内部に収納する構成である。詳しくは締め付けボルトの頭部を溝部内に遊嵌(保持)して雄ネジ部分を溝部外へ突出させた構成であり、締め付けナットを締め付けない状態では溝部方向(桁行き方向)にスライド状に移動可能である。
以下に、この持出部材を構成する取付部、折曲部、支持部について、順に説明する。この持出部材についても前述のように素材を限定するものではないが、外設部材を支持する強度を有することが望ましいため、アルミ押出成形品やメッキ鋼板、ステンレス鋼板等のプレス加工品などが望ましい。
前記持出部材の取付部は、前記下地フレームの受支部に取り付ける部分を指すものであって、この取付部が取り付けられる受支部は、前述のように下地面に対して傾斜しているので、この取付部もその受支部に沿うように傾斜状に形成される。
この取付部には長孔が設けられるが、この長孔は高さ調整を目的として設けるので、この取付部の傾斜方向に沿うように形成される。
前記持出部材の折曲部は、少なくとも一部が屋根材同士の重合部分に介在する(挟まれる)部分を含むものであって、屋根材同士の重合部分が略平坦状に形成される場合には、この折曲部も略平坦状に形成すればよいし、重合部分が傾斜状に形成される場合には、この折曲部も傾斜状に形成すればよい。
この支持部は、前述のように外設部材又は支持部材を支持する部位を指すものであって、予め上方へ延在する取付ボルトが立設されるようにしてもよい。
前記受部材は、特にその形状や構成等を限定するものではないが、後述する図示実施例のように略U字状のピース材としてもよく、所定間隔を隔てて配設された複数の受部材に対し、長尺な支持部材を取り付けるようにしてもよい。すなわち、ピース状の受部材は、汎用のレンチ等の治具を用いて支持部に取り付ける際に支障がなく、長尺な支持部材の取り付けを容易にする位置規制の役割も果たす。
なお、この支持部材は、前記受部材を介して取り付けることに限定するものではなく、前記第2縦部の上部又は前記支持部に直接的に取り付けてもよい。
この外設部材の配設位置は、前記支持部材の任意の位置に取り付けることができるので、屋根面の任意の位置に取り付けることができる。
また、この持出部材1aの縦部12aは、前記取付部11aから略垂直片状に上方へ延在し、その上端が一方の屋根材(重合側)3Aの裏面に臨み、他方の屋根材(被重合側)3Aの側縁に沿う。
さらに、この持出部材1Aの被重合部13aは、前記第1縦部12aの上端から傾斜状に延在し、左右に隣接する屋根材3A,3Aの重合部分に介在する。なお、図示実施例では、左方側及び奥方側へ下り傾斜する形状とした。
また、この持出部材1Aの縦部14aは、前記被重合部13aの先端から略垂直片状に上方へ延在し、その上端には横片状の支持部15aが延設されている。
この支持部15aには、孔151が形成され、該孔151には裏面側から取付ボルト1bが貫通して溶接されることにより上方へ立設する構成である。
この下地フレーム2は、下地面に沿うフランジ状の固定部21,21に、固定具2b,2bにて構造材4Aに固定され、前記持出部材1Aの取付部11を受ける前記傾斜状の受支部22には、長さ方向に延在する溝部221が形成されている。
上記溝部221は、締着具である締め付けボルト2cの頭部を内部に遊嵌(保持)して雄ネジ部分を溝部外へ突出させることができ、締め付けナット2dを締め付けない状態では溝部221方向(桁行き方向)にスライド状に移動可能であり、締め付けナット2dを締め付けることにより所望の位置に固定できる。
なお、前述のように受金具5Bは角度を調整して取り付けるようにしたので、この支持部材5の配設は、その受部材5B,5Bに跨る(架け渡す)ように上方から嵌め付ければよく、この状態で側方からビス等の固着具5c,5cで受部材5Bに容易に固定することができる。
図示実施例の太陽電池パネル8は、表面側に透光材が配された太陽電池81と、その端縁を保持すると共に裏面側に中空のスペース部分を備えるフレーム材82とが一体的に取り付けられた構成である。
前記太陽電池パネル8における太陽電池81としては、多結晶,単結晶,アモルファス等、どのようなものを用いてもよい。一般的に太陽電池は、導電性基体、裏面反射層、光電変換部材としての半導体層、透明導電層から構成され、上記導電性基体としては、例えば鋼板、銅、チタン、アルミニウム、ステンレス、カーボンシートを用いることができ、その他にも導電層が設けられたポリエステル、ポリイミド、ポリエチレンナフタライド、エポキシ等の樹脂フィルムやセラミックス等を用いることもできる。前記半導体層は特に限定するものではなく、アモルファスシリコン半導体、多結晶シリコン半導体、結晶シリコン半導体、銅インジウムセレナイド等の化合物半導体を用いることができる。例えば近年提案された可撓性を有するアモルファスシリコン太陽電池は極めて薄肉で軽量であるため好ましい。
そして、桁行き方向に隣接する太陽電池パネル8,8間には、押さえ部材6Eを取り付けた。
そして、左右の起立片62,62と隆状部63との間が、排水部61であり、雨水を流れ方向に流す役割を果たす。また、起立片62,62のフランジ状の上端には、桁行き方向に配設されたジョイント部材を兼ねる流水部材6B,6Bが固定具6d,6dにて固定され、流水部材6B,6Bの流水空間64,64から導かれた雨水も、排水部61に集められて水下側へ排水される。
また、左右に隣接する前記太陽電池パネル8,8の表面側には、各太陽電池パネル8,8のフレーム82,82を押さえる押さえ部材6Eが配され、上方から固着具6fを前記縦支持材6A(の隆状部63)に打ち込んで取り付けている。
さらに、持出部材1Aは下地フレーム2を介して構造材4Aに固定するため、瓦屋根を構成する屋根瓦に負担を与えることなく、圧壊や破損を生ずるおそれもなく、安定した強度を得ることができる。また、図示したような瓦屋根の仕様や外設部材8の仕様に全く関係なく取り付けられるもので、どのような仕様の瓦屋根にも適用でき、どのような仕様の太陽電池パネル等の外設部材8にも、或いは改修屋根にも適用できる。
更に、前記第1実施例では、前述のように支持部15aに外設部材8として太陽電池パネルを構築したが、この外設部材8としては、それに限定するものではなく、屋根面に適用される外設部材であれば、例えば緑化構造でも、雪止め金具でもよいし、避雷針、アンテナなどでもよい。
この外設部材の配設位置は、前記支持部材の任意の位置に取り付けることができるので、屋根面の任意の位置に取り付けることができる。
さらに、外設部材に代えて改修屋根を構築して改修構造に適用してもよい。
11a,11b 取付部
12a,12b 縦部
13a,13b 被重合部
14a,14b 縦部
15a,15b 支持部
2 下地フレーム
21 固定部
22 受支部
221 溝部
2b 固定具
2c 締着具(締め付けボルト)
2d 締め付けナット
3A,3B 屋根材(屋根瓦)
4A 構造材(躯体)
4B 野地板
4c 横桟(桟木)
5 支持部材
5B 受部材
5c 止め金具
6A 縦支持材
6B 流水部材
7A 垂木
7B 固定部材
7c 固着具
7D 断熱材
7E 保持部材(吊子)
7F 下部保持部材(タイトフレーム)
7G 上部保持部材(受支材)
8 外設部材(太陽電池システム)
Claims (2)
- 瓦屋根上に設置する外設部材を取り付けるために下地フレームを介して持出部材を設置する構造であって、
前記下地フレームは、下地面上に沿わせる固定部と、該固定部から起立し、締着具を内部に収納して長さ方向に延在する溝部を有すると共に下地面に対して傾斜している受支部とを備え、
前記持出部材は、少なくとも前記溝部と交わる方向に延在する長孔を有する取付部と、少なくとも一部が瓦屋根を構成する屋根材同士の重合部分に介在する折曲部と、外設部材又は支持部材を支持する支持部とを備え、
桁行き方向に沿うように下地フレームを構造材上に固定し、この下地フレームの受支部の溝部から突出する締着具を、持出部材の取付部の長孔に挿通させて位置調整して固定することを特徴とする持出部材の設置構造。 - 瓦屋根に請求項1に記載の持出部材の設置構造を設置し、さらにその支持部に外設部材を直接的又は支持部材を介して間接的に取り付けてなることを特徴とする外設部材の取付構造。
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