JP5516886B2 - 車両搭載タンク - Google Patents
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Description
ところで、車両の加減速時には、慣性により燃料が燃料タンク内を移動する。特に、急激な加減速が行なわれた場合には、燃料タンク内で流動する燃料がタンク内機器に勢いよく衝突し、タンク内機器を破損させてしまう虞がある。
また、燃料タンクは、燃料吸入管から吸入できずに残留する燃料を極力少なくするために、燃料吸入管の先端を配置する略中央部から周囲に向けて浅くなるように底壁を傾斜させていることが一般的である。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車両衝突時における車両搭載タンク内の液体の流動によるタンク内機器の破損を、重量増加を抑えつつ防止することが可能な車両搭載タンクを提供することにある。
また、請求項3の車両搭載タンクでは、請求項1または2において、タンク内機器の下方かつ車両前方に水平方向に延びるバッフルプレートを更に備えたことを特徴とする。
このように、タンク内機器へ液体が強く押し寄せる方向を覆うように仕切り部材を設けるので、車両の前方衝突時における車両搭載タンク内での液体の流動に対応して必要な箇所にのみ仕切り部材を設けることができ、重量増加を抑えることが可能となる。
また、請求項2の発明によれば、右壁部及び左壁部の少なくとも一方が、後方に向かって左右方向外方に傾斜して配置されることで、前方から向かってくる液体が左右方向外方に導かれ、仕切り部材への衝突時の液体の衝撃を軽減させることができる。よって、仕切り部材の強度を低下させることができる。
また、請求項4の発明によれば、車両衝突時に車両搭載タンク内で流動する燃料のレベリングバルブへの衝突を防止することで、レベリングバルブの破損を防止することができる。よって、衝突時におけるレベリングバルブからの燃料漏れを防止することができ、車両衝突時の安全性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料タンク1の構造を示す斜視図。図2は同燃料タンク1の側面図である。図3は、燃料タンク1の内部構造を示す上面図である。
図1、2に示すように、車両に搭載された燃料タンク1(車両搭載タンク)は、アッパータンク2及びロアタンク3を上下に重ねてフランジ4を溶接して構成されている。燃料タンク1は、車両の限られたスペースに配置されているので、その車両のスペースに合わせて形状が決定されている。本実施形態では、燃料タンク1は車両のシート5の下に配置されており、アッパータンク2の前壁部2aが、前端から後方に向かって上方に傾斜するように形成されている。
図1〜3に示すように、レベリングバルブ10の前方、及び左右側方には、隙間をおいて、レベリングバルブ10の側面を覆うようにバルブ保全プレート13(仕切り部材)が設けられている。バルブ保全プレート13は、略コの字型に折り曲げた板状部材から構成されており、レベリングバルブ10の前方を覆う前壁部13aと、レベリングバルブ10の右方を覆う右壁部13bと、レベリングバルブ10の左方を覆う左壁部13cとにより構成されている。前壁部13a、右壁部13b及び左壁部13cは、夫々上端がアッパータンク2の上壁2bの内壁面に溶接によって固定され、レベリングバルブ10の側面に沿って下方に延びるように配置されている。また、右壁部13b及び左壁部13cは、夫々後方に向かって左右に広がるような形状となっている。
まず、燃料タンク1内の前部で下方から上方に移動する際に、バッフルプレート14によって燃料の流れが阻害され、その流速が低下する。
車両走行状態から車両の前方が衝突したときには、車両の速度が急激に変化するので、慣性による燃料の移動エネルギーは非常に大きなものとなる。これに伴い燃料の波が衝突するバルブ保全プレート13は、強度を高くする必要があり、例えば板厚を比較的厚くしたり、補強材等を多く設けたりする必要がある。しかしながら、本実施形態では、前方衝突時における燃料タンク1内での燃料の流動を鑑みて、レベリングバルブ10の前方及び左右方向にバルブ保全プレート13を設け、後方にはバルブ保全プレート13を設けていない。このようにレベリングバルブ10の後方にバルブ保全プレート13を設けないことにより、例え強度が高く必要とされていてもバルブ保全プレート13全体の重量を抑えることができる。また、レベリングバルブ10の側方に接続されているチューブ12の邪魔にならずにバルブ保全プレート13を設置することができる。
また、バッフルプレート14がバルブ保全プレート13の下端に近接した位置から前方に延びているので、バルブ保全プレート13に向かって下方からせり上がってくる燃料の流れを阻害し、その流速を抑えることができる。よって、燃料タンク1の前壁部2aに跳ね返り、バルブ保全プレート13に衝突する燃料の勢いを低下させることが可能となり、更にレベリングバルブ10の保護を図ることができるとともに、バルブ保全プレート13の必要強度を低下させることが可能となる。
また、本実施形態では、バルブ保全プレート1等の仕切り部材によりレベリングバルブ10を保護する対象としているが、本発明はこれに限定するものではなく、レベリングゲージ、バルブ等その他タンク内機器を保護対象としてもよい。
2 アッパータンク
3 ロアタンク
10 レベリングバルブ
13 バルブ保全プレート
13a 前壁部
13b 右壁部
13c 左壁部
14 バッフルプレート
Claims (4)
- 液体を貯留するとともに、壁面から内部に突出するようにタンク内機器を備えた車両搭載タンクであって、
前記タンク内機器の側方を覆う仕切り部材を備え、
当該仕切り部材は、板状部材をコの字状に折り曲げて形成され、前記タンク内機器の車両前方を覆う前壁部と、前記タンク内機器の車両右方を覆う右壁部と、前記タンク内機器の車両左方を覆う左壁部とを含んで構成され、前記タンク内機器の車両後方を除き少なくとも車両前方を覆い、車両の前方衝突時において少なくとも前記タンク内機器に対して最も強く前記液体が押し寄せる方向を遮るように配置されることを特徴とする車両搭載タンク。 - 前記右壁部及び前記左壁部の少なくとも一方が、車両後方に向かって車両左右方向外方に傾斜して配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両搭載タンク。
- 前記タンク内機器の下方かつ車両前方に水平方向に延びるバッフルプレートを更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両搭載タンク。
- 前記液体は燃料であり、
前記タンク内機器は、前記車両搭載タンク内への燃料補充時に内部の空気を抜く空気孔を開放するとともに、前記車両搭載タンクが所定角以上傾斜したときに前記空気孔を遮断するレベリングバルブであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両搭載タンク。
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