JP5515976B2 - デジタルオーディオミキサ - Google Patents
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Description
セットアップAに対応したスナップショットデータを、セットアップBに設定されているミキサにリコールした場合、図9(b)に示す通り、リコール先ではセットアップ設定の相違部分92(セットアップBのヒシ型部分91aに対応する部分)について、スナップショットデータリコール以前の値が残り、スナップショットデータが反映されなかった。
図1において、符号100で示すブロックはセットアップAを示し、符号110のブロックはセットアップBを示す。セットアップA、Bをそれぞれ合同な方形で描くことで、それぞれに含まれるセットアップ要素が共通していることを表現した。セットアップAのブロック100内の円形部分101と、セットアップBのブロック110内のヒシ形部分111は、セットアップA、Bのセットアップ要素中の相違部分を示す。
図3は、信号処理回路16が実行するミキシング処理の構成を説明するブロック図である。ミキサ1は複数の入力チャンネル(Input_Channel)30を有する。なお、本明細書では「チャンネル」という文言を「ch」と表記することがある。各入力ch30には、オーディオ信号I/O15から供給された複数N個のオーディオ信号In_1〜In_Nが1つずつ割り当てられる。
chタイプとしてMonoが設定された各入力ch(モノラルch)は、それぞれ独立して制御される。モノラルchは、1chモノラル構成の信号が入力される入力chに対して設定される。
chタイプとしてST_L及びST_Rが設定された2つの入力ch(ステレオch)は1組のステレオchグループを形成する。ステレオchグループでは、1グループ内の各入力chのパラメータの一部が相互にリンクして制御される。リンクするパラメータは、1グループ内の各入力chで同じ値に設定される。スレテオchは、2chステレオ構成の2つの信号を入力する2つの入力chに対して設定される。
chタイプとしてSurround_L,Surround_C,Surround_R,Surround_Ls,Surround_Rs及びSurround_LFEが設定された6つの入力ch(サラウンドch)は1組のサラウンドchグループを形成する。サラウンドchグループでは1グループ内の各入力chのパラメータの一部が相互にリンクして制御される。リンクするパラメータは、1グループ内の各入力chで同じ値に設定される。サラウンドchは、5.1chサラウンド構成の6つの信号を入力する6つの入力chに対して設定される。
バスタイプとしてMonoが設定された各MIXバス31(モノラルバス)は、1つずつ独立したバスとして使用及び制御され、それぞれ1ch単独のモノラル信号を出力する。
バスタイプとしてST_L及びST_Rが設定された2つのMIXバス31(ステレオバス)は1組のステレオバスグループを形成し、1グループを形成する2つのMIXバス31から2chステレオ構成の2つの出力信号を出力する。ステレオバスグループの各バスは、パラメータの一部が相互にリンクする。
バスタイプとしてSurround_L,Surround_C,Surround_R,Surround_Ls,Surround_Rs,及びSurround_LFEが設定された6つのMIXバス31(サラウンドバス)は1組のサラウンドバスグループを形成し、1グループを形成する6つのMIXバス31から5.1chサラウンド構成の6つの出力信号を出力する。サラウンドバスグループは、パラメータの一部が相互にリンクする。
タイプ表示欄60の右端に設けられたリスト表示ボタン62の操作に応じて、当該表示欄60には、選択可能なタイプを示す文字列を一覧列挙したリストがドロップダウン表示される。オペレータは、表示されたリストから1つのタイプを選択することで、対応するMIXバスのタイプを設定できる。
オペレータは、ミキサ1を使用する現場の状況(必要な入出力ch数や、入出力chのタイプ)に対応するセットアップデータ41を呼び出すだけで、煩雑なステレオchグループ設定やサラウンドchグループの設定作業等を個別に行うことなく、一括して簡単に所望のミキシング処理の構成(セットアップ)を信号処理回路16に設定できる。
この場合、前記の相違部分122(図1の符号122)については、スナップショットデータ51をそのままカレントメモリに上書きすることはできないので、以下に述べる所定の修正ルールに従い、スナップショットデータ51のパラメータの値52を、リコール先となるカレントメモリに対応するセットアップデータ41に合わせて修正する。
第1の修正ルールは、セットアップデータ41(セットアップ設定)の違いに応じてスナップショットデータ51の一部を修正するために適用する修正ルールである。一例として、入力ch設定データ42におけるchタイプの設定が異なる場合に適用する修正ルールを説明する。
(1)リコール元(スナップショットデータ51)のモノラルchのパラメータの値を、リコール先(ミキサのカレントメモリ)のステレオchグループに上書きする場合:リコール元のモノラルchのパンパラメータの値が中央(Center)を示す値に修正され、修正後の値がリコール先のステレオchグループの各chのパンパラメータとして書き込まれる。つまり、リコール元(スナップショットデータ51)のパンパラメータの値は無視して、別の値に置き換える。
また、パンパラメータ以外のパラメータについては、リコール元のモノラルchの各パラメータの値を、修正なしにそのままリコール先のステレオchグループの2chに展開して上書きする。例えば、リコール先のステレオchグループの一方のch(例えば奇数番号ch)に対応するリコール元のモノラルchのパラメータの値を、リコール先(ミキサのカレントメモリ)のステレオchグループの各chに上書きし、リコール先のステレオchグループの他方のch(偶数番号)に対応するリコール元のモノラルchのパラメータの上書きは行わない。これにより、リコール先のステレオchグループの2chにおいて、スナップショットリコールの結果に対して、相互にリンクすべきパラメータの値のリンクを保つことができる。
なお、パンパラメータ以外のパラメータのうち音量レベル(フェーダ)パラメータについては、リコール元のモノラルchのパンパラメータの値に応じて、リコール先の対応するステレオchグループの2chの音量レベルを修正してもよい。すなわち、リコール元のモノラルchのパンパラメータの値に対応する2ch間左右音量レベルのバランスを、リコール先のステレオchグループの各chの音量レベルに上書きする。
また、リコール元のモノラルchのパラメータを、リコール先のサラウンドchグループに上書きする場合も、上記ステレオchグループの場合と同様な修正ルールに則り、パンパラメータは無視し、且つ、それ以外の各パラメータについては、リコール元のモノラルchのパラメータを、リコール先のサラウンドchグループの6chに展開する。
また、リコール元の入力chがサラウンドchグループの「Surround_LFE」の場合、リコール先のモノラル入力chのパンパラメータに対して、中央(Center)を示す値を書き込み、また、リコール元サラウンドchのその他のパラメータの値は、修正せずにそのまま、リコール先のモノラルchの対応するパラメータの値に上書きする。
第2の修正ルールは、一致部分121に該当するパラメータと相違部分122に該当するパラメータの間に依存関係がある場合に適用する修正ルールである。一例として、一致部分121に該当するパラメータと、相違部分122に該当するパラメータの間にパラメータリンク機能が設定されている場合を説明する。パラメータリンク機能とは、同種の複数chにおける同種のパラメータの値を相互にリンクさせる機能である。パラメータリンク機能によれば、パラメータリンクが組まれた複数chのうちのいずれか1つのchのパラメータがマスタパラメータとなり、パラメータリンクが組まれた複数chのうちのマスタパラメータ以外の各パラメータ(スレーブパラメータ)の値が、マスタパラメータの値に追従して、何らかの値に設定される。
パラメータリンク機能に関して適用される第2の修正ルールは、カレントメモリにおいてパラメータリンクに組まれた一群のchが、前述した2つのセットアップ間の一致部分と相違部分にまたがって存在する場合、スナップショットデータ51に含まれた複数のパラメータのうち1つのパラメータリンクに組まれた一群のスレーブパラメータの値を、個々のchが一致部分121に該当するか、相違部分122に該当するのかの区別に関係なく、そのパラメータリンクにおけるマスタパラメータの値に追従して修正し、修正したパラメータの値をカレントメモリに上書きする、というものである。つまり、スナップショットデータのリコール結果においても、パラメータリンク機能が作用する。スレーブパラメータの値をマスタパラメータの値に追従させる動作は、周知のパラメータリンク機能と同じもので、例えば、スレーブパラメータの値をマスタパラメータの値と同じ値に設定することや、或いは、マスタパラメータの値が変化したときに、その変化分に応じてスレーブパラメータの値を変更することなどが含まれる。
オペレータは、操作子13を用いて、スナップショットデータメモリ50に保存された複数のスナップショットデータ51のうち1つをリコールする指示を行うことができる。図7は、オペレータによるスナップショットデータリコール指示に応じて、CPU10が実行する処理のフローチャートである。図7は、一例として、スナップショットデータ51とカレントメモリにおける全ての入力chに関するセットアップ設定について、1chずつ一致・不一致を判断して、スナップショットデータ51をリコールする処理を示す。CPU10は、指示されたスナップショットデータ51を、スナップショットデータメモリ50から読み出す。読み出したスナップショットデータ51にはセットアップ名53が含まれているので、当該スナップショットデータ51の使用するセットアップデータ41を特定できる。
ステップS1において、CPU10は、全ての入力chについてステップS2以下の処理を行ったかどうか判断し、未処理のchが有る場合(ステップS1のNO)、1chずつ処理対象に設定して、設定された処理対象の1chに対してステップS2〜ステップS7の処理を行う。
chタイプが一致する場合(ステップS2のYES)、CPU10は、ステップS4において、通常ルールに基づいて、スナップショットデータ51における当該処理対象chのパラメータを、カレントメモリにおける当該入力chのパラメータの値に上書きする。通常ルールとは、リコール元のスナップショットデータ51をそのままカレントメモリの対応する値に上書きすることである。
パラメータリンク機能が設定されていない場合(ステップS5のNO)、CPU10は、ステップS7において、通常ルールに基づいて、スナップショットデータ51における当該処理対象chのパラメータを、カレントメモリにおける当該入力chのパラメータの値に上書きする。
リコール元のスナップショットデータとリコール先のカレントメモリとでセットアップに相違部分122がなければ、ステップS2をYESに、ステップS5をNOに、それぞれ分岐するので、通常ルールによりリコール元のスナップショットデータがリコール先のカレントメモリにそのまま上書きされる。なお、第1の修正ルール及び第2の修正ルールが適用されない相違部分については、従来と同様に処理する。例えば、リコールによるカレントメモリ上書きを行わずに、カレントメモリの内容を残してよい。この処理も通常ルールを適用したリコール(ステップS4、S7)に含まれる。
Claims (2)
- 複数のチャンネルと複数のバスを用いてオーディオ信号に対する信号処理を行うデジタルオーディオミキサであって、
それぞれ異なる信号処理の構成を規定するセットアップ情報を複数記憶するセットアップ情報記憶手段と、
前記セットアップ情報記憶手段のうちいずれか1つのセットアップ情報が設定され、設定されたセットアップ情報に基づく構成で、前記オーディオ信号に対する信号処理を実行する信号処理手段と、
前記信号処理手段が現在実行している信号処理を制御するために利用される複数の制御データを記憶するカレントメモリ手段と、
前記カレントメモリ手段に記憶された複数の制御データと、それら複数の制御データが利用される前記信号処理の構成を規定するセットアップ情報を対応付けたスナップショットデータを複数記憶するスナップショットデータ記憶手段と、
オペレータの指示に応じて、前記スナップショットデータの1つをリコールするスナップショットデータリコール手段であって、前記リコール指示されたス ナップショットデータに含まれるセットアップ情報が、当該リコール指示の時点でカレントメモリ手段に記憶された複数の制御データに対応する信号処理の構成と完全に一致する場合、当該スナップショットデータの複数の制御データを前記カレントメモリ手段に上書きし、他方、前記セットアップ情報が前記信号処理の構成と部分的に一致する場合、当該スナップショットデータに含まれる複数の制御データのうちの、前記部分的に一致している制御データを前記カレントメモリ手段に上書きするとともに、前記部分的に一致している制御データ以外の制御データを、所定の修正ルールに基づき修正し、修正された制御データを該カレント メモリ手段に上書きするスナップショットデータリコール手段
を具備するデジタルオーディオミキサ。 - 前記スナップショットデータリコール手段は、前記部分的に一致している1又は複数の制御データと、該部分的に一致している制御データ以外の1又は複数の 制御データが互いにリンクすべき複数の制御データである場合、それら互いにリンクすべき複数の制御データのうち1つのマスタ制御データに従って、互いにリンクすべき複数の制御データのうちの前記マスタ制御データ以外の制御データを修正して、修正された制御データを前記カレントメモリ手段に上書きすることを 特徴とする請求項1に記載のデジタルオーディオミキサ。
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