JP5515380B2 - 固定子、モータ及び圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、固定子と、この固定子を適用したモータ及び圧縮機に関する。
従来、固定子の歯に巻線を直接巻きつけた集中巻方式のモータでは、その巻線方法によっては、隣り合う各異相コイル(導線)がスロット内部で占める占積率が高くなるため、スロット内部で異相コイル間の距離を十分に確保できない場合がある。このような場合、各異相コイルが相互に接近することによって相間絶縁が破壊され、この絶縁破壊に起因したモータ焼損が生じうる。そこで、このようなモータ焼損を未然に防止する技術として、スロット内部の異相コイル間に形成されるスロット内空間にV字形状の相間絶縁紙を介挿し、介挿された相間絶縁紙によって異相コイル間の絶縁破壊を防止する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−112488号公報
しかしながら、上述した従来の技術では、相間絶縁紙をスロット内空間に介挿する際に相間絶縁紙の位置決めが困難であるという問題があった。また、従来の技術では、介挿された相間絶縁紙がスロット内空間を上下方向に移動することを規制できない。つまり、相間絶縁紙がスロット内空間の上下方向に抜けてしまい、異相コイル間の絶縁破壊を防止できないという問題があった。
本発明の目的は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、スロット内空間に介挿する相間絶縁紙の位置決めを容易に実現できると共に、相間絶縁紙のスロット内空間における上下方向の抜けを防止可能な固定子、モータ及び圧縮機を提供することである。
第1の発明に係る固定子は、環状に配列されかつ電線を巻回するための複数の歯部を有するコアと、前記コアの隣り合う2つの歯部間にそれぞれ配置された複数の仕切部材と、前記コアの端部に配置されたインシュレータとを備え、前記仕切部材の一部が嵌挿されかつ前記仕切部材の前記コアの軸方向への移動を規制する保持溝が設けられ、前記保持溝は、前記インシュレータと前記歯部との間に形成されている。
この固定子では、仕切部材の一部を保持溝によって案内できるため、仕切部材の位置決めを簡単に実現できると共に、仕切部材がコアの軸方向へ移動することを規制できる。
この固定子では、インシュレータと歯部の間の空きスペースを利用して保持溝を設けることで、この空きスペースを有効に活用できると共に、インシュレータに保持溝を別途形成する場合に比べてインシュレータの加工が容易である。
なお、「仕切部材」には、互いに隣り合う歯部に巻回された電線間に介挿される相間絶縁紙や、歯部間に形成されたスロットから電線がコアの径方向内側に向けてはみ出すことを規制するウェッジ等が含まれる。
第2の発明に係る固定子は、環状に配列されかつ電線を巻回するための複数の歯部を有するコアと、前記コアの隣り合う2つの歯部間にそれぞれ配置された複数の仕切部材とを備え、前記仕切部材の一部が嵌挿されかつ前記仕切部材の前記コアの軸方向への移動を規制する保持溝が設けられ、前記保持溝は、前記コアに形成されるとともに、前記コアの端部で塞がれている。
この固定子では、仕切部材の一部を保持溝によって案内できるため、仕切部材の位置決めを簡単に実現できると共に、仕切部材がコアの軸方向へ移動することを規制できる。
この固定子では、コアを加工することにより、容易に保持溝を形成できる。
この固定子では、保持溝で保持された仕切部材がコアの端部から離れる方向に移動することを規制でき、仕切部材がコアの軸方向に沿って上方向あるいは下方向に移動することを規制できる。
第3の発明に係る固定子は、第1または第2の発明に係る固定子において、インシュレータは、コアの両端部にそれぞれ配置されている。
この固定子では、コアの両端部に配置された一対のインシュレータを用いてコアの軸方向に沿った上下両方向で仕切部材の位置決めを行うことができるため、1つのインシュレータを用いてコアの軸方向に沿った片方向のみで仕切部材の位置決めを行う場合に比べて、仕切部材の位置決めを正確に実現できる。また、コアの軸方向に沿った上下両方向への仕切部材の移動を規制できるため、1つのインシュレータを用いて片方向への仕切部材の移動のみを規制する場合と比べて、仕切部材の抜けをより確実に防止できる。
の発明に係る固定子は、第1〜第の発明のいずれかに係る固定子において、保持溝の奥部は、鋭角に形成されている。
この固定子では、保持溝に嵌挿された仕切部材の先端部を、保持溝の内部形状に合わせて窄ませることで、仕切部材の先端部が保持溝の内面に対して接触する面積を大きくできるため、仕切部材を強固に保持できる。よって、仕切部材のコアの軸方向への抜けをより確実に防止できる。
の発明に係る固定子は、第1〜第の発明のいずれかに係る固定子において、仕切部材は、保持溝に嵌挿される嵌挿部を備え、嵌挿部が保持溝の奥部に向かう方向に付勢されるように構成されている。
この固定子では、仕切部材の嵌挿部に対して作用する保持溝の奥部に向けた付勢力によって、仕切部材を強固に保持できる。したがって、仕切部材の抜けをより確実に防止できる。
の発明に係るモータは、第1〜第の発明のいずれかに係る固定子と、コアの内側に配置された回転子とを備えている。
このモータでは、第1〜第10の発明に係る固定子と同様の効果を得ることができる。
の発明に係る圧縮機は、第の発明に係るモータを備えている。
この圧縮機では、第11の発明に係るモータと同様の効果を得ることができる。
の発明に係る圧縮機は、第の発明に係る圧縮機において、CO冷媒を圧縮する。
この圧縮機では、冷媒にCO冷媒を用いた場合、冷媒R410やR22等のCO冷媒以外の冷媒を用いた場合と比較して、単位容積当たりの冷凍能力が大きいため、そのモータ出力もより大きいものが要求される。よって、従来よりも固定子の占積率を高める必要が生じ、電線間の距離が近づくため、コアの歯部間における相間絶縁が特に重要になる。
また、占積率が高まると、歯部間に形成されたスロットから、電線がコアの径方向内側に向けてはみ出しやすくなるため、このようなはみ出しを規制するウェッジ等の仕切部材が特に重要になる。
また、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機は、圧縮機内部の差圧が大きく、差圧による押し上げ荷重が仕切部材に作用し、仕切部材が抜けやすいため、仕切部材を強固に保持できることが特に重要となる。さらに、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機は、使用する油の粘度が高く、冷媒と共に流れる油が仕切部材に作用する衝撃力が大きく、仕切部材が抜けやすいため、仕切部材を強固に保持できることが特に重要となる。したがって、本発明は、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機で特に有効である。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、仕切部材の一部を保持溝によって案内できるため、仕切部材の位置決めを簡単に実現できると共に、仕切部材がコアの軸方向へ移動することを規制できる。
第1の発明では、インシュレータと歯部の間の空きスペースを利用して保持溝を設けることで、この空きスペースを有効に活用できると共に、インシュレータに保持溝を別途形成する場合に比べてインシュレータの加工が容易である。
第2の発明では、仕切部材の一部を保持溝によって案内できるため、仕切部材の位置決めを簡単に実現できると共に、仕切部材がコアの軸方向へ移動することを規制できる。
第2の発明では、コアを加工することにより、容易に保持溝を形成できる。
第2の発明では、保持溝で保持された仕切部材がコアの端部から離れる方向に移動することを規制でき、仕切部材がコアの軸方向に沿って上方向あるいは下方向に移動することを規制できる。
また、第3の発明では、コアの両端部に配置された一対のインシュレータを用いてコアの軸方向に沿った上下両方向で仕切部材の位置決めを行うことができるため、1つのインシュレータを用いてコアの軸方向に沿った片方向のみで仕切部材の位置決めを行う場合に比べて、仕切部材の位置決めを正確に実現できる。また、コアの軸方向に沿った上下両方向への仕切部材の移動を規制できるため、1つのインシュレータを用いて片方向への仕切部材の移動のみを規制する場合と比べて、仕切部材の抜けをより確実に防止できる。
また、第の発明では、保持溝に嵌挿された仕切部材の先端部を、保持溝の内部形状に合わせて窄ませることで、仕切部材の先端部が保持溝の内面に対して接触する面積を大きくできるため、仕切部材を強固に保持できる。よって、仕切部材のコアの軸方向への抜けをより確実に防止できる。
また、第の発明では、仕切部材の嵌挿部に対して作用する保持溝の奥部に向けた付勢力によって、仕切部材を強固に保持できる。したがって、仕切部材の抜けをより確実に防止できる。
また、第の発明では、第1〜第の発明に係る固定子と同様の効果を得ることができる。
また、第の発明では、第の発明に係るモータと同様の効果を得ることができる。
また、第の発明では、冷媒にCO冷媒を用いた場合、冷媒R410やR22等のCO冷媒以外の冷媒を用いた場合と比較して、単位容積当たりの冷凍能力が大きいため、そのモータ出力もより大きいものが要求される。よって、従来よりも固定子の占積率を高める必要が生じ、電線間の距離が近づくため、コアの歯部間における相間絶縁が特に重要になる。
また、占積率が高まると、歯部間に形成されたスロットから、電線がコアの径方向内側に向けてはみ出しやすくなるため、このようなはみ出しを規制するウェッジ等の仕切部材が特に重要になる。
また、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機は、圧縮機内部の差圧が大きく、差圧による押し上げ荷重が仕切部材に作用し、仕切部材が抜けやすいため、仕切部材を強固に保持できることが特に重要となる。さらに、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機は、使用する油の粘度が高く、冷媒と共に流れる油が仕切部材に作用する衝撃力が大きく、仕切部材が抜けやすいため、仕切部材を強固に保持できることが特に重要となる。したがって、本発明は、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機で特に有効である。
本発明の第1参考例に係るロータリ圧縮機の概略構成図である。 図1に示すステータの上面視図である。 図1に示すインシュレータの上面視図である。 相間絶縁紙の斜視図である。 図2に示す一点鎖線で囲まれた部分(スロット内空間の周辺部分)の拡大図である。 図5に示す一点鎖線(断面)から矢印Aの方向を見た図である。 本発明の第1実施形態に係るロータリ圧縮機のステータの上面視図である。 ウェッジの正面視図である。 図7に示す一点鎖線で囲まれた部分(スロット内空間の周辺部分)を拡大した図である。 図9に示す一点鎖線(断面)から矢印Aの方向を見た図である。 本発明の第2実施形態に係るロータリ圧縮機のステータの上面視図である。 相間絶縁紙の正面視図である。 図11に示す一点鎖線で囲まれた部分(スロット内空間の周辺部分)を拡大した図である。 図13に示す一点鎖線(断面)から矢印Aの方向を見た図である。 本発明の第3実施形態に係るロータリ圧縮機のステータの上面視図である。 図15に示す一点鎖線で囲まれた部分(スロット内空間の周辺部分)を拡大した図である。 本発明の変形例を示した説明図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る固定子、モータ及び圧縮機について説明する。
(第1参考例)
以下、図面に基づいて、本発明の第1参考例に係る圧縮機について説明する。図1は、本発明の第1参考例に係るロータリ圧縮機の概略構成図である。
<ロータリ圧縮機の全体構成>
図1は、本発明の第1参考例に係る圧縮機の概略構成図である。2シリンダ型のCO冷媒用ロータリ圧縮機1(圧縮機)は、アキュムレータ2から導入されるCO冷媒を圧縮して、その上端部に配置された排出流路11から圧縮した圧縮冷媒を排出するものである。ロータリ圧縮機1は、図1に示すように、密閉ケーシング10と、密閉ケーシング10内に配置される駆動機構としてのモータ20と、このモータ20によって駆動される圧縮機構30とを備えている。このロータリ圧縮機1は、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機であって、密閉ケーシング10内において、圧縮機構30がモータ20の下側に配置される。また、密閉ケーシング10の下部には、圧縮機構30の各摺動部に供給される潤滑油40が貯留されている。
<モータの構成>
モータ20は、シャフト50と、このシャフト50が回転可能に取り付けられたロータ51(回転子)と、このロータ51の径方向外側にエアギャップを介して配置されるステータ52(固定子)とを有している。ロータ51は、積層された電磁鋼板からなるロータ本体と、このロータ本体に埋設された磁石とを有している。ステータ52は、コア53と、このコア53の両端部のそれぞれに対向して配置されたインシュレータ54、55と、後述するコイル68〜73(電線)とを有している。
コア53は、例えば積層された複数の鋼板からなり、密閉ケーシング10に焼き嵌め等によって嵌め込まれている。インシュレータ54、55は、例えば、液晶ポリマー(LCP)やポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリイミドやポリエステル等の耐熱性の良い樹脂材料で構成される。なお、インシュレータ54、55は、その強度を向上させるために、例えばガラス繊維入りの材料で構成しても良い。
モータ20は、ステータ52で発生する電磁力により、ロータ51をシャフト50と共に回転させる。シャフト50は、上述したロータ51と共に回転することによって、圧縮機構30のローラ34及びローラ37を回転させる。このシャフト50には、後述するフロントシリンダ33のシリンダ室B1内に位置するように偏心部50aが設けられると共に、リアシリンダ36のシリンダ室B2内に位置するように偏心部50bが設けられている。これらの偏心部50a、50bには、ローラ34、37がそれぞれ装着されている。これにより、シャフト50の回転に伴って、偏心部50aに装着されるローラ34がシリンダ室B1で回転すると共に、偏心部50bに装着されるローラ37がシリンダ室B2で回転する。なお、偏心部50aと偏心部50bとは、シャフト50の回転方向に180°ずれた位置に配置されている。
<圧縮機構の構成>
圧縮機構30は、駆動機構20のシャフト50の回転軸に沿って上から下に向かって、2重構造となっているフロントマフラ31と、フロントヘッド32と、フロントシリンダ33及びローラ34と、ミドルプレート35と、リアシリンダ36及びローラ37と、リアヘッド38と、リアマフラ39とを有している。
フロントマフラ31は、フロントヘッド32に設けられる吐出ポート(図示せず)から吐出された冷媒を消音して1次空間に吐出する。このフロントマフラ31は、フロントヘッド32に取り付けられる。フロントヘッド32は、フロントシリンダ33の上面に接合されており、シリンダ室B1の上端の開口を塞いでいる。このフロントヘッド32には、シリンダ室B1において圧縮された冷媒を、上記したフロントマフラ31によって形成されるマフラ空間A1に吐出するための吐出ポート(図示せず)が設けられている。
フロントシリンダ33には、その中央部分にシリンダ室B1が設けられる。シリンダ室B1には、シャフト50の回転に伴って偏心回転運動するローラ34が配置されている。このシリンダ室B1は、上記した吐出ポートを介してマフラ空間A1に連通している。したがって、シャフト50の偏心部50aに装着されるローラ34の偏心回転運動によって圧縮された冷媒は、シリンダ室B1からマフラ空間A1に導かれる。
ローラ34は、シリンダ室B1の内周面に沿って偏心回転運動を行い、アキュムレータ2から吸入された冷媒を圧縮する。ローラ34の外周面には、図示しないブレードが配置されており、これらのローラ34及びブレードは、それぞれ、別体として構成されている。ミドルプレート35は、フロントシリンダ33とリアシリンダ36との間に配置される。このミドルプレート35は、フロントシリンダ33のシリンダ室B1の下方の開口を閉塞し、且つ、リアシリンダ36のシリンダ室B2の上方の開口を閉塞している。
リアシリンダ36、ローラ37、リアヘッド38及びリアマフラ39は、各機能からみて、上記したフロントシリンダ33、ローラ34、フロントヘッド32及びフロントマフラ31と同様であるので、その説明を省略する。なお、リアシリンダ36のシリンダ室B2において圧縮された冷媒は、リアヘッド38とリアマフラ39とにより形成されるマフラ空間(図示せず)を通過した後、リアヘッド38とリアシリンダ36とミドルプレート35とフロントシリンダ33とに連通する連通孔(図示せず)、及び、フロントヘッド32に形成される導入ポート(図示せず)を介して、マフラ空間A1に導かれる。
<ステータ>
図2は、図1に示すステータ52の上面視図である。図3は、図1に示すインシュレータ54の上面視図である。図4は、後述する相間絶縁紙82(仕切部材)の斜視図である。図2に示すように、ステータ52は、コア53の径方向内側に向けて突出すると共に、シャフト50の軸中心の周りに等間隔で設けられた6つのティース56〜61(歯部)を有している。また、このようにして設けられたティース56〜61は、それぞれが略同一の形状に形成されている。
<インシュレータ>
また、図3に示すように、インシュレータ54は、各ティース56〜61と略同一の形状に形成された突出部62〜67を有している。なお、図3では図示を省略したが、図1に示すインシュレータ55についても、インシュレータ54と同様に、各ティース56〜61と略同一の形状に形成された各突出部を有している。このように形成された各突出部62〜67には、図2に示すように、その先端部62a〜67aを除いて、各ティース56〜61と共に、コイル68〜73(電線)がそれぞれ巻回されている。
また、これらのコイル68〜73からは、外部から電源の供給を受けるための3本のリード線74が引き出されている。このようにして引き出された各リード線74は、その先端がコネクタ75に接続されると共に、その後端が密閉ケーシング10に形成されたターミナルピン10a(図1参照)に接続されている。そして、各リード線74は、それぞれ、U相、V相及びW相の3相に制御される。
また、コイル68、69間、コイル69、70間、コイル70、71間、コイル71、72間、コイル72、73間、コイル73、68間には、この順番で、スロット内空間76〜81が順次に形成されている。なお、この「スロット内空間」は、スロット内部の異相コイル間に形成される空間を意味しており、「スロット」は、コイルが入る部分も含めたティース間の全空間を意味する。また、形成された各スロット内空間76〜81には、相間絶縁紙82(図4参照)がそれぞれ介挿されている。図4に示すように、この相間絶縁紙82は、一対の嵌挿部82a、82bと、これらの嵌挿部82a、82bの間に配置された中間部82cを有しており、この中間部82cの略中央が折れ曲がることにより、その断面がV字状になっている。
図5は、図2に示す一点鎖線で囲まれた部分(コイル73、68間に形成されたスロット内空間81の周辺部分)を拡大した図である。図6は、図5に示す一点鎖線(断面)から矢印Aの方向を見た図である。図5に示すように、インシュレータ54の各突出部67、62の先端部67a、62aのスロット内空間81を介して対向する外面には、軸方向に沿って延在する一対の略矩形状の保持溝67b、62bが形成されている。なお、各突出部62〜67はいずれも略同一形状であるため、図5では各突出部63〜66の図示を省略したが、省略したこれらの突出部63〜66についても、その先端部63a〜66aにおいて、突出部67、62と同様の保持溝が形成されている。
図5に示すように、相間絶縁紙82がスロット内空間81内に介挿された状態で、嵌挿部82bは保持溝67bで保持されると共に、嵌挿部82aは保持溝62bで保持される。このような状態で、中間部82cは、嵌挿部82bが保持溝67bの奥部67cに向かう方向に付勢すると共に、嵌挿部82aが保持溝62bの奥部62cに向かう方向へと付勢する。このような付勢力によって、図5の一点鎖線で囲まれた部分(保持溝67bの周辺部分)の拡大図に示すように、嵌挿部82bの先端部は、保持溝67bの内部へと押圧され、略隙間のない状態で保持溝67bに強固に保持されている。
なお、インシュレータ55はインシュレータ54と略同一の形状であるため図5では図示を省略したが、このインシュレータ55においてティース61、56に対応する位置に形成された各突出部についても同様に、その先端部に形成された各保持溝の奥部で嵌挿部82b、82aが保持されている。具体的には、図6に示すように、嵌挿部82bは、インシュレータ54においてティース61に対応する位置に配置された突出部67の先端部67aに形成された保持溝67bの内部で保持されると共に、インシュレータ55においてティース61に対応する位置に配置された突出部90の先端部90aに形成された保持溝90bの内部で保持されている。
また、図6に示すように、突出部67に形成された保持溝67bは、ティース61の端部から離れた位置(上端)において塞がれている。また、突出部90の保持溝90bも保持溝67bと同様に、ティース61の端部から離れた位置(下端)において塞がれている。つまり、各保持溝67b、90bは、スロット内空間81の上下両方向に閉じるようにして構成されている。
[第1参考例の圧縮機の特徴]
以上、第1参考例では、相間絶縁紙82を一対の保持溝67b、90bによって案内できるため、相間絶縁紙82の位置決めを簡単に実現できる。
また、インシュレータ54、55に長尺の保持溝67b、90bを形成することで、相間絶縁紙82の位置決めを確実に実現できる。
また、各保持溝67b、90bで保持された相間絶縁紙82がスロット内空間81の上下方向に移動することを規制できる。
また、相間絶縁紙82の嵌挿部82b、82aに対して保持溝67b、62bの各奥部67c、62cに向かう方向に作用する付勢力によって、相間絶縁紙82を保持溝67b、62bで強固に保持できる。
また、一対のインシュレータ54、55を用いて相間絶縁紙82の位置決めを行うことができるため、1つのインシュレータのみを用いる場合と比べて位置決めを正確に実現できる。また、スロット内空間81内の上下両方向への相間絶縁紙82の移動を規制できるため、1つのインシュレータのみを用いて上下いずれか片方向への相間絶縁紙82の移動を規制する場合と比べて、相間絶縁紙82の抜けをより確実に防止できる。
また、第1参考例のロータリ圧縮機1のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、冷媒R410やR22等のCO冷媒以外の冷媒を用いた場合と比較して、単位容積当たりの冷凍能力が大きいため、そのモータ20の出力もより大きいものが要求される。よって、従来よりもステータ52の占積率を高める必要が生じ、電線間の距離が短くなるため、電線間の相間絶縁が特に重要になる。
また、第1参考例のロータリ圧縮機1のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、圧縮機内部の差圧が大きく、差圧による押し上げ荷重が相間絶縁紙82に作用し、相間絶縁紙82が抜けやすいため、相間絶縁紙82を強固に保持できることが特に重要となる。さらに、第1実施形態のロータリ圧縮機1のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、冷媒にCO冷媒を用いた場合、使用する油の粘度が高く、冷媒と共に流れる油が相間絶縁紙82に作用する衝撃力が大きく、相間絶縁紙82が抜けやすいため、相間絶縁紙82を強固に保持できることが特に重要となる。したがって、本発明は、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機で特に有効である。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態に係る圧縮機について、図7〜図10を参照して説明する。第1参考例で説明した要素と同一の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図7は、ステータ152の上面視図であり、図8は、後述するウェッジ84(仕切部材)の正面視図である。図9は、図7に示す一点鎖線で囲まれた部分(スロット内空間81の周辺部分)を拡大した図であり、図10は、図9に示す一点鎖線(断面)から矢印Aの方向を見た図である。
この第1実施形態は、図7に示すように、各スロット内空間76〜81からコイル68〜73がコア53の内径側にはみ出すことを防止するウェッジ84が設けられた点と、後述するように奥部を鋭角に形成した保持溝で相間絶縁紙82を保持固定した点で、第1参考例のロータリ圧縮機1と相違する。このようなウェッジ84は、例えば絶縁樹脂等で構成され、図8に示すように、右端84a及び左端84bを有している。
図9に示すように、ティース61と、インシュレータ154の突出部167の先端部167aとの間には、保持溝86が形成されると共に、ティース56と、インシュレータ154の突出部162の先端部162aとの間には、保持溝85が形成されている。また、保持溝86、85は、その最奥部86a、85a(奥部)が鋭角に形成されている。そして、このように形成された保持溝86、85には、ウェッジ84の左端84b及び右端84aがそれぞれ嵌挿されている。
図9の一点鎖線で囲まれた部分(保持溝86の周辺部分)の拡大図に示すように、左端84bは保持溝86の内部形状に合わせて窄んだ状態で、保持溝86に嵌挿されている。また、右端84aについても、左端84bと同様に、保持溝85の内部形状に合わせて窄んだ状態で保持溝85に嵌挿されている。
また、図9に示すように、インシュレータ154の各突出部167、162の先端部167a、162aのスロット内空間81を介して対向する外面には、スロット内空間81の上下方向に開放した状態で軸方向に延在すると共に、その各奥部167c、162cが鋭角に形成された一対の保持溝167b、162bが設けられている。そして、このように形成された保持溝167b、162bには、相間絶縁紙82の嵌挿部82b、82aがそれぞれ嵌挿されている。
図9の一点鎖線で囲まれた部分(保持溝167bの周辺部分)の拡大図に示すように、嵌挿部82bは、中間部82cの付勢力によって、保持溝167bの奥部167cへと押圧され、保持溝167bの形状に合わせて窄んだ状態で保持溝167bに嵌挿されている。また、嵌挿部82aについても嵌挿部82bと同様に、中間部82cの付勢力によって、保持溝162bの奥部162cへと押圧され、保持溝162bの形状に合わせて窄んだ状態で保持溝162bに嵌挿されている。
なお、各ティース56〜61及び各突出部162〜167はいずれも略同一形状であるため、各ティース57〜60及び各突出部163〜166について図9では図示を省略したが、各ティース57〜60と、各突出部163〜166の先端部163a〜166aとの間にも、保持溝85、86と同様の保持溝が形成され、形成された各保持溝には、ウェッジ84がそれぞれ嵌挿されていると共に、各先端部163a〜166aには、先端部167a、162aと同様の保持溝が形成されている。
また、インシュレータ155はインシュレータ154と略同一形状であるため図9では図示を省略したが、このインシュレータ155においてティース61、56に対応する位置に形成された各突出部についても同様に、ティース61、56との間に奥部を鋭角に形成した保持溝が設けられ、このようにして設けられた保持溝には、ウェッジ84が嵌挿されている。また、このインシュレータ155においてティース61、56に対応する位置に形成された各突出部についても同様に、その先端部に形成された各保持溝の奥部で相間絶縁紙82の嵌挿部82b、82aがそれぞれ保持されている。
具体的には、図10に示すように、ウェッジ84の左端84bは、インシュレータ154においてティース61に対応する突出部167の先端部167aとティース61との間に形成された保持溝86に、図に示す最奥部86aの位置において嵌挿されると共に、インシュレータ155においてティース61に対応する突出部190の先端部190aと、ティース61との間に形成された保持溝91に、図に示す最奥部91aの位置において嵌挿されている。また、図10に示すように、左端84bの上端は保持溝86の最奥部86aよりも上側に位置している。一方、左端84bの下端は保持溝91の最奥部91aよりも下側に位置している。
また、図10に示すように、相間絶縁紙82の嵌挿部82bは、インシュレータ154においてティース61に対応する位置に配置された突出部167の先端部167aに形成された保持溝167bの内部で保持されると共に、インシュレータ155においてティース61に対応する位置に配置された突出部190の先端部190aに形成された保持溝190bの内部で保持されている。
[第1実施形態の圧縮機の特徴]
以上、第1実施形態では、第1参考例と同様の効果を得ることができる。さらに、インシュレータ154、155とティース61の間の空きスペースに保持溝86、91を設けることで、この空きスペースを有効に活用できると共に、インシュレータ154、155に対して保持溝を別途設ける場合に比べて、インシュレータ154、155の加工が容易である。
また、ウェッジ84の左端84b及び右端84aを保持溝86、85の各内部形状に合わせて窄ませることにより、左端84b及び右端84aが保持溝86、85の内面にそれぞれ接触する接触面積を大きくできるため、ウェッジ84をより強固に保持溝86、85で保持できる。したがって、コア53の軸方向へのウェッジ84の抜けをより確実に防止できる。
また、相間絶縁紙82とウェッジ84の両方を用いることにより、各スロット内空間76〜81からコイル68〜73がコア53の内径側にはみ出すことを、より確実に防止できる。
また、第1実施形態のロータリ圧縮機のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、冷媒R410やR22等のCO冷媒以外の冷媒を用いた場合と比較して、単位容積当たりの冷凍能力が大きいため、そのモータ出力もより大きいものが要求される。よって、従来よりもステータ152の占積率を高める必要が生じ、このように占積率が高まると、各スロット内空間76〜81からコイル68〜73がコア53の径方向内側に向けてはみ出しやすくなるため、このようなはみ出しを規制するウェッジ84が特に重要になる。
また、第1実施形態のロータリ圧縮機のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、圧縮機内部の差圧が大きく、差圧による押し上げ荷重がウェッジ84に作用し、ウェッジ84が抜けやすいため、ウェッジ84を強固に保持できることが特に重要となる。さらに、第1実施形態のロータリ圧縮機のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、冷媒にCO冷媒を用いた場合、使用する油の粘度が高く、冷媒と共に流れる油がウェッジ84に作用する衝撃力が大きく、ウェッジ84が抜けやすいため、ウェッジ84を強固に保持できることが特に重要となる。したがって、本発明は、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機で特に有効である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る圧縮機について、図11〜図14を参照して説明する。第1参考例で説明した要素と同一の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図11は、ステータ252の上面視図であり、図12は、後述する相間絶縁紙182(仕切部材)の正面視図である。図13は、図11に示す一点鎖線で囲まれた部分(スロット内空間81の周辺部分)を拡大した図であり、図14は、図13に示す一点鎖線(断面)から矢印Aの方向を見た図である。
この第2実施形態は、図11に示すように、インシュレータ254の各先端部262a〜267aに代えて、コア253の径方向内側に向けて突出する6つのティース256〜261(歯部)に相間絶縁紙182を保持固定するための保持溝を形成した点で、第1参考例のロータリ圧縮機1と相違する。この相間絶縁紙182は、図12に示すように、一対の嵌挿部182a、182bと、これらの嵌挿部182a、182bの間に配置された中間部182cを有しており、この中間部182cの略中央が折れ曲がることで、その断面がV字状になっている。
図13に示すように、コア253の各ティース261、256のスロット内空間81を介して対向する外面には、軸方向に沿って延在する一対の略矩形状の保持溝261a、256aが形成されている。なお、各ティース256〜261はいずれも略同一形状であるため、図13では各突出部257〜260の図示を省略したが、省略したこれらの突出部257〜260についても、各ティース261、256と同様の保持溝が形成されている。図13に示すように、相間絶縁紙182は、スロット内空間81内に介挿された状態で、嵌挿部182bが保持溝261aで保持されると共に、嵌挿部182aが保持溝256aで保持されている。
このような状態で、中間部182cは、嵌挿部182bが保持溝261aの奥部261bに向かう方向に付勢すると共に、嵌挿部182aが保持溝256aの奥部256bに向かう方向へと付勢する。このような付勢力によって、図13の一点鎖線で囲まれた部分(保持溝261aの周辺部分)の拡大図に示すように、嵌挿部182bの先端部は、保持溝261aの内部へと押圧され、略隙間のない状態で保持溝261aに強固に保持される。また、図14に示すように、ティース261に形成された保持溝261aは、ティース261の両端部(上端部及び下端部)において塞がれている。また、図14では図示を省略したが、ティース256に形成した保持溝256aについても同様に、ティース256の両端部(上端部及び下端部)において塞がれている。つまり、各保持溝261a、256aは、スロット内空間81の上下両方向に閉じるようにして構成されている。
[第2実施形態の圧縮機の特徴]
以上、第2実施形態では、第1参考例と同様の効果を得ることができる。さらに、各ティース261、256の各保持溝261a、256aにより保持された相間絶縁紙182がスロット内空間81の上下方向に移動することを規制できる。
また、相間絶縁紙182の嵌挿部182b、182aに対して保持溝261a、256aの各奥部261b、256bに向かう方向に作用する付勢力によって、相間絶縁紙182を保持溝261a、256aで強固に保持できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る圧縮機について、図15及び図16を参照して説明する。第1参考例で説明した要素と同一の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。図15は、ステータ352の上面視図であり、図16は、図15に示す一点鎖線で囲まれた部分(スロット内空間81の周辺部分)を拡大した図である。
この第3実施形態は、図15に示すように、各スロット内空間76〜81からコイル68〜73がコア353の内径側にはみ出すことを防止するウェッジ84が設けられた点と、図16に示すように、相間絶縁紙82の各嵌挿部82b、82aを、図9と同様に、各奥部167c、162cが鋭角に形成された各保持溝167b、162bで保持固定した点で、第1実施形態のロータリ圧縮機1と相違する。
図16に示すように、コア353の各ティース361、356のスロット内空間81を介して対向する外面には、軸方向に沿って延在する一対の略矩形状の保持溝361a、356aが形成されており、これらの保持溝361a、356aの各奥部361b、356bは鋭角に形成されている。そして、このように形成された保持溝361a、356aには、ウェッジ84の左端84b及び右端84aがそれぞれ嵌挿されている。なお、各ティース356〜361はいずれも略同一形状であるため、図16では各突出部357〜360の図示を省略したが、省略したこれらの突出部357〜360についても、各ティース361、356と同様の保持溝が形成されている。
図16の一点鎖線で囲まれた部分(保持溝361aの周辺部分)の拡大図に示すように、左端84bは保持溝361aの形状に合わせて窄んだ状態で、この保持溝361aに嵌挿されている。また、図16に示すように、右端84aについても、左端84bと同様に、保持溝356aの形状に合わせて窄んだ状態で、この保持溝356aに嵌挿されている。
[第3実施形態の圧縮機の特徴]
以上、第3実施形態では、第1参考例と同様の効果を得ることができる。さらに、左端84b及び右端84aを保持溝361a、356aの各内部形状に合わせて窄ませることにより、保持溝361a、356aの内面に接触する接触面積を大きくできるため、ウェッジ84をより強固に保持溝361a、356aで保持できる。したがって、コア353の軸方向へのウェッジ84の抜けをより確実に防止できる。
また、相間絶縁紙82とウェッジ84の両方を用いることにより、各スロット内空間76〜81からコイル68〜73がコア353の内径側にはみ出すことを、より確実に防止できる。
また、第3実施形態のロータリ圧縮機のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、冷媒R410やR22等のCO冷媒以外の冷媒を用いた場合と比較して、単位容積当たりの冷凍能力が大きいため、そのモータ出力もより大きいものが要求される。よって、従来よりもステータ352の占積率を高める必要が生じ、このように占積率が高まると、各スロット内空間76〜81からコイル68〜73がコア353の径方向内側に向けてはみ出しやすくなるため、このようなはみ出しを規制するウェッジ84が特に重要になる。
また、第3実施形態のロータリ圧縮機のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、圧縮機内部の差圧が大きく、差圧による押し上げ荷重がウェッジ84に作用し、ウェッジ84が抜けやすいため、ウェッジ84を強固に保持できることが特に重要となる。さらに、第4実施形態のロータリ圧縮機のように冷媒にCO冷媒を用いた場合では、冷媒にCO冷媒を用いた場合、使用する油の粘度が高く、冷媒と共に流れる油がウェッジ84に作用する衝撃力が大きく、ウェッジ84が抜けやすいため、ウェッジ84を強固に保持できることが特に重要となる。したがって、本発明は、冷媒にCO冷媒を用いた圧縮機で特に有効である。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
なお、上述した第1参考例では、形成された各スロット内空間76〜81に、V字形状の相間絶縁紙82をそれぞれ介挿する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、この相間絶縁紙82に代えて、図8に示すウェッジ84を介挿してもよい。
なお、上述した第1参考例では、相間絶縁紙82は、その断面をV字状に形成する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。相間絶縁紙やウェッジの形状は任意に変更可能である。
なお、上述した第1参考例では、相間絶縁紙82をスロット内空間81内に介挿した状態で、その嵌挿部82bが保持溝67bで保持されると共に、その嵌挿部82aが保持溝62bで保持される例について述べたが(図5参照)、本発明はかかる参考例に限定されるものではない。例えば、相間絶縁紙82をスロット内空間81内に介挿した状態で、嵌挿部82bのみが保持溝67bで保持されてもよく、嵌挿部82aのみが保持溝62bで保持されてもよい。
なお、上述した第1実施形態では、ウェッジ84を、各保持溝86、85で保持すると共に、相間絶縁紙82を、各保持溝167b、162bで保持する例について述べたが(図9参照)、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、ウェッジ84のみを、各保持溝86、85で保持してもよく、このウェッジ84の代わりに相間絶縁紙82を各保持溝86、85で保持してもよい。さらに、相間絶縁紙82のみを、各保持溝167b、162bで保持してもよく、この相間絶縁紙82の代わりにウェッジ84を各保持溝167b、162bで保持してもよい。
なお、上述した第1実施形態では、ウェッジ84の左端84b及び右端84aを、それぞれ、保持溝86、85で保持する例について述べたが(図9参照)、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、ウェッジ84の左端84bのみが保持溝86で保持されてもよく、ウェッジ84の右端84aのみが保持溝85で保持されてもよい。
なお、上述した第1実施形態では、相間絶縁紙82をスロット内空間81内に介挿した状態で、その嵌挿部82bが保持溝167bで保持されると共に、その嵌挿部82aが保持溝162bで保持される例について述べたが(図9参照)、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、相間絶縁紙82をスロット内空間81内に介挿した状態で、嵌挿部82bのみが保持溝167bで保持されてもよく、嵌挿部82aのみが保持溝162bで保持されてもよい。
なお、上述した第2実施形態では、相間絶縁紙182を、各保持溝261a、256aで保持する例について述べたが(図13参照)、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、この相間絶縁紙182に代えて、図8に示すウェッジ84を保持してもよい。
なお、上述した第3実施形態では、ウェッジ84を、各保持溝361a、356aで保持すると共に、相間絶縁紙82を、各保持溝167b、162bで保持する例について述べたが(図16参照)、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、ウェッジ84のみを、各保持溝361a、356aで保持してもよく、このウェッジ84の代わりに相間絶縁紙82を各保持溝361a、356aで保持してもよい。さらに、相間絶縁紙82のみを、各保持溝167b、162bで保持してもよく、この相間絶縁紙82の代わりにウェッジ84を各保持溝167b、162bで保持してもよい。
なお、上述した第1参考例、第1実施形態〜第3実施形態の「一対」という記載は、「ペア」を意味するが、同じ形状である必要はない。具体的には、一対の保持溝について、いずれかの保持溝を略矩形状に形成し、他方の保持溝の奥部を鋭角に形成するような場合が含まれる。
なお、上述した第1参考例、第1実施形態〜第3実施形態では、本発明を2シリンダ型のCO冷媒用ロータリ圧縮機に適用する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。本発明は、1シリンダ型ロータリ圧縮機にも適用可能であり、ロータリ圧縮機以外のスクロール圧縮機等にも適用可能である。
なお、上述した第1参考例、第1実施形態〜第3実施形態では、本発明を、インシュレータを用いた集中巻方式の固定子に適用する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。本発明は、インシュレータを用いない集中巻方式の固定子にも適用可能である。
なお、上述した第1参考例、第1実施形態〜第3実施形態では、ローラ34及びブレードを、それぞれ、別体として構成する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。ローラ34及びブレードを一体として構成してもよい。
なお、上述した第1参考例、第1実施形態〜第3実施形態では、本発明を、コア端面に配置されたインシュレータを用いた集中巻方式の固定子に適用する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。本発明は、コアの端部に組み付けられ、スロット部の絶縁機能を兼ね備えたインシュレータを用いた集中巻方式の固定子にも適用可能である(図17参照)。
なお、本発明は、図17に示すように、スロットの絶縁用も兼ねたスロットセル一体型インシュレータ454、455にも適用可能である。図17に示すように、これらのインシュレータ454、455は、相互の位置合わせを行った上で、コア453に形成した各スロット内部で相互に嵌合可能な構成となっている。また、図17に示すように、コア453の各ティース456〜461には、奥部を鋭角に形成した保持溝が形成されており、これらの保持溝には、コイルがコア453の内径側にはみ出すことを防止するための複数のウェッジ184が保持されている。
1 ロータリ圧縮機
20 モータ
51 ロータ(回転子)
52、152、252、352 ステータ(固定子)
53、253、353 コア
54、55、154、155、254、255 インシュレータ
56〜61、256〜261、356〜361 ティース(歯部)
68〜73 コイル(電線)
82、182 相間絶縁紙(仕切部材)
82a、82b、182a、182b 嵌挿部
82c、182c 中間部
84 ウェッジ(仕切部材)
84a 右端
84b 左端

Claims (8)

  1. 環状に配列されかつ電線を巻回するための複数の歯部を有するコアと、
    前記コアの隣り合う2つの歯部間にそれぞれ配置された複数の仕切部材と
    前記コアの端部に配置されたインシュレータとを備え、
    前記仕切部材の一部が嵌挿されかつ前記仕切部材の前記コアの軸方向への移動を規制する保持溝が設けられ
    前記保持溝は、前記インシュレータと前記歯部との間に形成されていることを特徴とする固定子。
  2. 環状に配列されかつ電線を巻回するための複数の歯部を有するコアと、
    前記コアの隣り合う2つの歯部間にそれぞれ配置された複数の仕切部材とを備え、
    前記仕切部材の一部が嵌挿されかつ前記仕切部材の前記コアの軸方向への移動を規制する保持溝が設けられ
    前記保持溝は、前記コアに形成されるとともに、前記コアの端部で塞がれていることを特徴とする固定子。
  3. 前記インシュレータは、前記コアの両端部にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固定子。
  4. 前記保持溝の奥部は、鋭角に形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の固定子。
  5. 前記仕切部材は、前記保持溝に嵌挿される嵌挿部を備え、
    前記嵌挿部が前記保持溝の奥部に向かう方向に付勢されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の固定子。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の固定子と、
    前記コアの内側に配置された回転子とを備えることを特徴とするモータ。
  7. 請求項6記載のモータを備えたことを特徴とする圧縮機。
  8. CO冷媒を圧縮することを特徴とする請求項7記載の圧縮機。
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