JP7539050B2 - 永久磁石同期モータ、圧縮機、及び機器 - Google Patents

永久磁石同期モータ、圧縮機、及び機器 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石同期モータ、この永久磁石同期モータを用いた圧縮機、及びこの圧縮機を用いた機器に関する。
特許文献1は、回転電機の発生すべき周方向トルクの低下抑制と、回転電機に発生する径方向の電磁加振力低減との両立を図ることができる回転電機を開示している。
特許文献1では、ティース部のうちエアギャップ付近に軸方向連通穴を設けることで、周方向トルクの低下を抑制している。
特開2015-96022号公報
固定子ティースに作用する電磁加振力は、回転子の回転位置や通電電流により変化し、ティース部の中心から反回転方向側で電磁加振力を強める半径方向力が最大になることを見出したが、磁束の流れの調整とともにトルクを低下させないことが重要である。
本発明は、半径方向力の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる永久磁石同期モータ、この永久磁石同期モータを用いたエアーコンディショナー、除湿機、ヒートポンプ式給湯機、冷蔵庫(家庭用冷蔵庫、業務用冷蔵庫)、製氷機、ショーケース、ヒートポンプ式洗濯乾燥機、自動販売機、等に使用される圧縮機、及び、この圧縮機を用いた機器を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の永久磁石同期モータは、回転軸を中心に回転自在に配置された回転子と、前記回転子とエアギャップを介して配置された固定子とを有し、前記固定子は、前記回転軸を中心とした環状の固定子ヨークと、前記固定子ヨークから前記回転子に向かって延出した複数の固定子ティースと、前記固定子ティース間に形成されるスロットとを有し、前記スロットには巻線が配置され、前記固定子ティースは、前記巻線が巻かれる固定子ティース基部と、前記固定子ティース基部の先端で前記回転子との対向面を形成する固定子ティース先端部とを有し、前記固定子ティース先端部に、少なくとも2つの小孔を配置し、それぞれの前記小孔の断面形状を円形とし、前記小孔と前記対向面との間を前記小孔の前記直径よりも小さい寸法としてそれぞれの前記小孔を前記対向面に沿う方向に並べて配置し、前記小孔を、前記固定子ティース基部の周方向幅寸法範囲内と、前記周方向幅寸法範囲外に配置し、前記固定子ティース基部の前記周方向幅寸法範囲内に位置する前記小孔を、前記固定子ティース先端部に作用するティース方向力の変動幅が小さくなる区間に配置し、前記周方向幅寸法範囲外に位置する前記小孔を、トルクが増大する区間に配置することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の永久磁石同期モータにおいて、前記固定子ティース基部の周方向幅寸法中心をティース基部仮想中心線とし、前記周方向幅寸法範囲内に配置する前記小孔を、前記ティース基部仮想中心線より前記回転子の反回転方向に配置したことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の永久磁石同期モータにおいて、前記周方向幅寸法範囲外に配置する前記小孔を、前記回転子の回転方向に配置したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の永久磁石同期モータにおいて、前記周方向幅寸法範囲外に配置する前記小孔を、前記回転子の反回転方向に配置したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石同期モータにおいて、それぞれの前記小孔を、前記対向面からの距離を異ならせて配置したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の永久磁石同期モータにおいて、前記固定子は、複数枚の固定子コアを前記回転軸の軸方向に積層して構成され、一部の前記固定子コアには、前記小孔を形成し、他の前記固定子コアには、前記小孔を形成しないことを特徴とする。
請求項7記載の本発明の圧縮機は、請求項6に記載の永久磁石同期モータを用い、前記永久磁石同期モータと圧縮機構部とをシャフトで連結し、前記圧縮機構部側に、前記小孔を形成しない前記固定子コアを配置し、前記圧縮機構部から離れた側に、前記小孔を形成する前記固定子コアを配置することを特徴とする。
請求項8記載の本発明の圧縮機は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石同期モータを用い、前記永久磁石同期モータと圧縮機構部とをシャフトで連結し、前記圧縮機構部によって冷媒を圧縮することを特徴とする。
請求項9記載の本発明の機器は、請求項7又は請求項8に記載の圧縮機、凝縮器、減圧装置、及び蒸発器を配管によって環状に接続したことを特徴とする。
本発明によれば、固定子ティース先端部の異なる場所で異なるタイミングにより回転子の回転に伴う磁束の流れを調整でき、小孔を設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、半径方向力の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
本発明の実施例1による永久磁石同期モータを用いた圧縮機の構成を示す縦断面図 本実施例による永久磁石同期モータの構成図 本実施例による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図 本実施例によるティース方向(半径方向)力とトルクとを示すグラフ 小孔の配置角度に対するティース方向(半径方向)力の変動幅とトルクの関係を示すグラフ 2つの小孔の配置を、X、A1、A2、B1、B2、B3とした時の、ティース方向(半径方向)力の変動幅とトルクの関係を示すグラフ 本発明の実施例2による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図 本実施例によるティース方向(半径方向)力とトルクとを示すグラフ 本発明の実施例3による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図 本実施例によるティース方向(半径方向)力とトルクとを示すグラフ 他の実施例による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図 他の実施例による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図 本発明の実施例4による永久磁石同期モータを用いた圧縮機の要部を示す構成図 図13に示す実施例によるトルク変動を示すグラフ 本発明の実施例5による永久磁石同期モータを用いた圧縮機の要部を示す構成図
本発明の第1の実施の形態による永久磁石同期モータは、固定子ティース先端部に、少なくとも2つの小孔を配置し、それぞれの小孔の断面形状を円形とし、小孔と対向面との間を小孔の直径よりも小さい寸法としてそれぞれの小孔を対向面に沿う方向に並べて配置し、小孔を、固定子ティース基部の周方向幅寸法範囲内と、周方向幅寸法範囲外に配置し、固定子ティース基部の周方向幅寸法範囲内に位置する小孔を、固定子ティース先端部に作用するティース方向力の変動幅が小さくなる区間に配置し、周方向幅寸法範囲外に位置する小孔を、トルクが増大する区間に配置するものである。本実施の形態によれば、固定子ティース先端部の異なる場所で異なるタイミングにより回転子の回転に伴う磁束の流れを調整でき、小孔を設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による永久磁石同期モータにおいて、固定子ティース基部の周方向幅寸法中心をティース基部仮想中心線とし、周方向厚み範囲内に配置する小孔を、ティース基部仮想中心線より回転子の反回転方向に配置したものである。本実施の形態によれば、ティース方向(半径方向)力の変動低減とトルク低下抑制を両立できる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による永久磁石同期モータにおいて、周方向幅寸法範囲外に配置する小孔を、回転子の回転方向に配置したものである。本実施の形態によれば、小孔を設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)力の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による永久磁石同期モータにおいて、周方向幅寸法範囲外に配置する小孔を、回転子の反回転方向に配置したものである。本実施の形態によれば、トルクの局所的な最大値を低減できる。
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による永久磁石同期モータにおいて、それぞれの小孔を、対向面からの距離を異ならせて配置したものである。本実施の形態によれば、回転子の回転に伴う固定子に作用する磁束や、固定子ティース方向(半径方向)力に応じた配置とすることができ、磁束の流れを調整でき、小孔を設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)の変動を小さくできる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による永久磁石同期モータにおいて、固定子は、複数枚の固定子コアを回転軸の軸方向に積層して構成され、一部の固定子コアには、小孔を形成し、他の固定子コアには、小孔を形成しないものである。本実施の形態によれば、小孔を形成しない固定子コアと、小孔を形成する固定子コアとでは、トルク脈動位相がずれるため、これらの固定子コアを積層することでトルクの脈動を低減できる。
本発明の第7の実施の形態による圧縮機は、第6の実施の形態による永久磁石同期モータを用い、永久磁石同期モータと圧縮機構部とをシャフトで連結し、圧縮機構部側に、小孔を形成しない固定子コアを配置し、圧縮機構部から離れた側に、小孔を形成する固定子コアを配置するものである。本実施の形態によれば、圧縮機構部から離れた側に、ティース方向(半径方向)力の変動が小さい固定子コアを配置することで、回転子の支持の剛性が増加する。
本発明の第8の実施の形態による圧縮機は、第1から第6のいずれかの実施の形態による永久磁石同期モータを用い、永久磁石同期モータと圧縮機構部とをシャフトで連結し、圧縮機構部によって冷媒を圧縮するものである。本実施の形態によれば、トルクを低下させることなく、低振動による低騒音と、高効率の圧縮機を実現できる。
本発明の第9の実施の形態による機器は、第7又は第8の実施の形態による圧縮機、凝縮器、減圧装置、及び蒸発器を配管によって環状に接続したものである。本実施の形態によれば、トルクを低下させることなく、低振動による低騒音と、高効率な機器を実現できる。
以下、本発明の実施例1について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施例による永久磁石同期モータを用いた圧縮機の構成を示す縦断面図である。
本実施例による圧縮機10は、密閉容器1内に、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部2と、圧縮機構部2を駆動する永久磁石同期モータ3とを備えている。
密閉容器1内は、圧縮機構部2によって、一方の容器内空間と他方の容器内空間に分割している。そして、他方の容器内空間には、永久磁石同期モータ3を配置している。
また、他方の容器内空間は、永久磁石同期モータ3によって、圧縮機構側空間と貯オイル側空間に分割している。そして、貯オイル側空間には、貯オイル部4を配置している。
密閉容器1には、吸入管5と吐出管6とが溶接によって固定されている。吸入管5と吐出管6とは密閉容器1の外部に通じ、冷凍サイクルを構成する部材と接続されている。吸入管5は密閉容器1の外部から冷媒ガスを導入し、吐出管6は一方の容器内空間から密閉容器1の外部に冷媒ガスを導出する。
主軸受部材7aは、密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどで固定され、シャフト8(回転子3aの回転軸)を軸支している。シャフト8は、一方を主軸受部材7aで軸支され、他方を軸受7bで軸支される。この主軸受部材7aには、固定スクロール2aがボルト止めされている。固定スクロール2aと噛み合う旋回スクロール2bは、主軸受部材7aと固定スクロール2aとで挟み込まれている。固定スクロール2a及び旋回スクロール2bは、スクロール式の圧縮機構部2を構成している。
旋回スクロール2bと主軸受部材7aとの間には、オルダムリングなどによる自転拘束機構9を設けている。自転拘束機構9は、旋回スクロール2bの自転を防止し、旋回スクロール2bが円軌道運動するように案内する。旋回スクロール2bは、シャフト8の上端に設けている偏心軸にて偏心駆動される。この偏心駆動により、固定スクロール2aと旋回スクロール2bとの間に形成している圧縮室は、圧縮機構部2の外周から中央部に向かって移動し、容積を小さくして圧縮を行う。
永久磁石同期モータ3は、回転軸8を中心に回転自在に配置された回転子3aと、回転子3aとエアギャップを介して配置された固定子3bとを有する。
冷媒は、吸入管5から圧縮機構部2に吸入され、圧縮機構部2で圧縮される。その後、冷媒は、吐出管6から吐出される。
本実施例による機器は、圧縮機10、凝縮器61、減圧装置62、及び蒸発器63が配管によって環状に接続されている。凝縮器61では吐出管6から吐出される冷媒を凝縮し、減圧装置62では凝縮器61で凝縮された冷媒を減圧し、蒸発器63では減圧装置62で減圧された冷媒を蒸発させる。
蒸発器63で蒸発された冷媒は、吸入管5から圧縮機10に戻される。
図2は本実施例による永久磁石同期モータの構成図であり、図2(a)は図1に示す圧縮機に装着された状態での断面図、図2(b)は図2(a)からシャフト及び回転子を外した状態を示す断面図、図2(c)は図2(a)から密閉容器及び巻線を外した状態を示す断面図である。
回転子3aはシャフト8に固定され、固定子3bは密閉容器1に固定される。本実施例による圧縮機では、回転子3aの回転軸はシャフト8となる。
回転子3aは磁性体で構成され、回転子3aの内部には複数のスリットが設けられ、これらのスリットにはそれぞれ永久磁石11が配置されている。
固定子3bは、複数枚の固定子コア30が回転子3aの回転軸8の軸方向に積層されて構成される。固定子コア30は、回転子3aの回転軸8を中心とした環状の固定子ヨーク31と、固定子ヨーク31から回転子3aに向かって延出した複数の固定子ティース32と、固定子ティース32間に形成されるスロット40とを有している。スロット40には巻線50が配置される。
図3は本実施例による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図である。
本実施例による固定子コア30の固定子ティース32は、絶縁材(図示せず)を介して巻線50(図2参照)が巻かれる固定子ティース基部32aと、固定子ティース基部32aの先端で回転子3a(図2参照)との対向面35を形成する固定子ティース先端部32bとを有している。
固定子ティース先端部32bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法tよりも両側に張り出して形成される。
固定子ティース先端部32bには、少なくとも2つの小孔70a、70bを対向面35に沿う方向に並べて配置している。ここで、小孔70a、70bは、磁気抵抗を高めるものであり、非磁性であれば効果が高く、空隙でも樹脂が埋まっていてもよい。
小孔70aは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、小孔70bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置している。
これらの小孔70a、70bを配置することで、固定子ティース先端部32bの異なる場所で異なるタイミングにより回転子3aの回転に伴う磁束の流れを調整でき、小孔を設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t中心をティース基部仮想中心線Aとすると、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置する小孔70aを、ティース基部仮想中心線Aより回転子3aの反回転方向に配置する。
このように小孔70aを配置することで、ティース方向(半径方向)力の変動低減とトルク低下抑制を両立できる。
また、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置する小孔70bを、回転子3aの回転方向に配置する。
このように小孔70bを配置することで、小孔70bを設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)力の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
なお、小孔70aの直径を70at、小孔70bの直径を70btとすると、直径70atと直径70btは、1mm以上、小孔70aと対向面35との間は0.5mm以上、小孔70bと対向面35との間は0.5mm以上であることが好ましい。
図4は本実施例によるティース方向(半径方向)力とトルクとを示すグラフである。
図4(a)は、1つの固定子ティース先端部に作用するティース方向(半径方向)力と回転子3aの回転角との関係を示している。従来例は、小孔を設けていないものである。
固定子ティース先端部32bは、回転子3aが回転することで回転子磁極数に応じた周期成分のティース方向(半径方向)力を受ける。本実施例は、6極モータであり、1つの固定子ティース先端部に作用するティース方向(半径方向)力は、回転角度60°で一周期成分を有するティース方向(半径方向)力である。
また、本実施例では、3相モータであり、固定子ティース先端部32bに作用する力の変動は、電気角で120°、回転角で40°ティース方向(半径方向)力の変動位相がずれる。
ティース方向(半径方向)力の変動幅が大きいことは、固定子ティース32の振動が大きくモータの振動も大きくなるので、固定子3bの外周を圧縮機10の外壁内に接触固定させている一般的なロータリ圧縮機やスクロール圧縮機の振動が大きい要因となる。
ティース方向(半径方向)力の変動幅を低減させることで、低振動なモータおよび圧縮機10を実現できる。
ティース方向(半径方向)力は、固定子ティース先端部32bに均一に作用せず、回転子3aの回転に伴い局所的に作用する箇所が変化する。
本実施例によれば、図4(a)に示すように、回転子3aの回転に伴い局所的に作用するティース方向(半径方向)力を効果的に低減することができる。回転角20°~50°に区間で従来例と比べてティース方向(半径方向)力が減少している。ティース方向(半径方向)の変動力比は従来例と比較して98%である。
一方、図4(b)に示すように、従来例のトルクと本実施例のトルクを比較すると、本実施例のトルクの最大値、最小値は増加しているが平均トルクは従来モータと同等であることが分かる。
図5は、小孔の配置角度に対するティース方向(半径方向)力の変動幅とトルクの関係を示すグラフである。固定子ティース基部仮想中心線A上を小孔の配置角度0°とし、回転方向側を負の角度、回転方向側を正の角度で示している。
図5に示すように、小孔70a、70bのいずれか一つの小孔70のみを固定子ティース先端部配置し、配置角度を変えると、ティース方向(半径方向)力の変動幅とトルクは変化する。ここで、ティース方向(半径方向)力の変動幅を小さくすることは、振動低減に有効である。
小孔の配置角度が、図5に示すA区間(概ね-14°~-10°)であればトルクが増大し、B区間(概ね-2°~7°)であればティース方向(半径方向)力の変動幅の低減効果が大きい。
よって、小孔70a、70bをA区間とB区間に配置することで、低振動と高トルクを両立できる。
図6は、孔無X、1つの小孔配置A1、A2、2つの小孔配置B1、B2、B3とした時の、ティース方向(半径方向)力の変動幅とトルクの関係を示すグラフである。
A区間で-12.5°にのみ小孔を配置したA1は、孔無Xに対して高トルクであるが、低振動に有効なティース方向(半径方向)力の変動幅の低減効果が少ない。B区間で5°にのみ小孔を配置したA2は、孔無Xに対して、低振動に有効なティース方向(半径方向)力の変動幅の低減効果が大きいが、トルクが低下する。
2つの小孔配置B1、B2、B3では、A区間ではトルクが増加する小孔配置角度-12.5°に小孔を配置し、B区間ではティース方向(半径方向)力の変動幅の低減する1.5°から5°に小孔を配置する。B1は-12.5°と1.5°に小孔を配置し、B2は-12.5°と5°に小孔を配置し、B3は-12.5°と3°に小孔を配置している。
特に、B3では、孔無Xと同一トルクで、ティース方向(半径方向)力の変動幅を大きく低減でき、低振動でトルク低減のない高効率なモータを実現できる。
図7は本発明の実施例2による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図である。なお、小孔以外の構成は実施例1と同一であるので説明を省略する。
本実施例では、図3に示す実施例1に対して、小孔70aの直径を、小孔70bよりも大きくし、また対向面35から小孔70aまでの距離を、対向面35から小孔70bまでの距離よりも大きくしている。
図8は本実施例によるティース方向(半径方向)力とトルクとを示すグラフである。
図8(a)は、1つの固定子ティース先端部32bに作用するティース方向(半径方向)力と回転子3aの回転角との関係を示している。従来例は、小孔を設けていないものである。
固定子ティース先端部32bは、回転子3aが回転することで回転子磁極数に応じた周期成分のティース方向(半径方向)力を受ける。本実施例は、6極モータであり、1つの固定子ティース先端部に作用するティース方向(半径方向)力は、回転角度60°で一周期成分を有するティース方向(半径方向)力である。
また、本実施例では、3相モータであり、固定子ティース先端部32bに作用する力の変動は、電気角で120°、回転角で40°ティース方向(半径方向)力の変動位相がずれる。
ティース方向(半径方向)力の変動幅が大きいことは、固定子ティース32の振動が大きくモータの振動も大きくなるので、固定子3bの外周を圧縮機10の外壁内に接触固定させている一般的なロータリ圧縮機やスクロール圧縮機の振動が大きい要因となる。
ティース方向(半径方向)力の変動幅を低減させることで、低振動なモータおよび圧縮機10を実現できる。
ティース方向(半径方向)力は、固定子ティース先端部32bに均一に作用せず、回転子3aの回転に伴い局所的に作用する箇所が変化する。
本実施例では、小孔70aの直径を、小孔70bよりも大きくし、また対向面35から小孔70aまでの距離を、対向面35から小孔70bまでの距離よりも大きくしているので、ティース方向(半径方向)力の最大値を低減することができ、回転角20°~50°に区間で従来例と比べてティース方向(半径方向)力が減少している。ティース方向(半径方向)の変動力比は従来例と比較して90%に低減し、更に低振動なモータを提供することができる。
一方、図8(b)に示すように、従来例のトルクと本実施例のトルクを比較すると、本実施例では高トルク区間が多く、最小値は低下しているが、平均トルクは従来モータと同等であることが分かる。
図9は本発明の実施例3による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図である。なお、小孔以外の構成は実施例1と同一であるので説明を省略する。
本実施例による固定子コア30の固定子ティース32は、巻線50(図2参照)が巻かれる固定子ティース基部32aと、固定子ティース基部32aの先端で回転子3a(図2参照)との対向面35を形成する固定子ティース先端部32bとを有している。
固定子ティース先端部32bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法tよりも両側に張り出して形成される。
固定子ティース先端部32bには、少なくとも2つの小孔70a、70bを対向面35に沿う方向に並べて配置している。ここで、小孔70a、70bは、磁気抵抗を高めるものであり、非磁性であれば効果が高く、空隙でも樹脂が埋まっていてもよい。
小孔70aは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、小孔70bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置している。
これらの小孔70a、70bを配置することで、固定子ティース先端部32bの異なる場所で異なるタイミングにより回転子の回転に伴う磁束の流れを調整でき、小孔を設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t中心をティース基部仮想中心線Aとすると、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置する小孔70aを、ティース基部仮想中心線Aより回転子3aの反回転方向に配置する。
このように小孔70aを配置することで、ティース方向(半径方向)力の変動低減とトルク低下抑制を両立できる。
また、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置する小孔70bを、回転子3aの反回転方向に配置する。
このように小孔70bを配置することで、トルクの局所的な最大値を低減できる。
なお、小孔70aの直径を70at、小孔70bの直径を70btとすると、直径70atと直径70btは、1mm以上、小孔70aと対向面35との間は0.5mm以上、小孔70bと対向面35との間は0.5mm以上であることが好ましい。
図10は本実施例によるティース方向(半径方向)力とトルクとを示すグラフである。
図10(a)は、1つの固定子ティース先端部に作用するティース方向(半径方向)力と回転子3aの回転角との関係を示している。従来例は、小孔を設けていないものである。
固定子ティース先端部32bは、回転子3aが回転することで回転子磁極数に応じた周期成分のティース方向(半径方向)力を受ける。本実施例は、6極モータであり、1つの固定子ティース先端部に作用するティース方向(半径方向)力は、回転角度60°で一周期成分を有するティース方向(半径方向)力である。
また、本実施例では、3相モータであり、固定子ティース先端部32bに作用する力の変動は、電気角で120°、回転角で40°ティース方向(半径方向)力の変動位相がずれる。
ティース方向(半径方向)力の変動幅が大きいことは、固定子ティース32の振動が大きくモータの振動も大きくなるので、固定子3bの外周を圧縮機10の外壁内に接触固定させている一般的なロータリ圧縮機やスクロール圧縮機の振動が大きい要因となる。
ティース方向(半径方向)力の変動幅を低減させることで、低振動なモータおよび圧縮機10を実現できる。
ティース方向(半径方向)力は、固定子ティース先端部32bに均一に作用せず、回転子3aの回転に伴い局所的に作用する箇所が変化する。
本実施例によれば、図10(a)に示すように、回転子3aの回転に伴い局所的に作用するティース方向(半径方向)力を効果的に低減することができる。回転角10°~50°に区間で従来例と比べてティース方向(半径方向)力が減少している。ティース方向(半径方向)の変動力比は従来例と比較して98%である。
一方、図10(b)に示すように、従来例のトルクと本実施例のトルクを比較すると、本実施例のトルクの最大値が減少し、最小値が増加し、トルク脈動が1/3となっている。なお、平均トルクは従来例と同等である。トルク脈動の低減は,ねじれ方向の振動を低減し,指令電流に対するトルクの変動が小さいので制御性の向上にも寄与する。
図11及び図12は、それぞれ他の実施例による永久磁石同期モータの固定子コアを示す要部構成図である。なお、小孔以外の構成は実施例1と同一であるので説明を省略する。
図11(a)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、3つの小孔70a、70b、70cを設けている。
小孔70a、70cは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、小孔70bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置している。
このように、小孔70a、70b、70cを3つ以上とすることもできる。3つ以上の小孔70a、70b、70cを設けることで、固定子ティース先端部32bの異なる場所で異なるタイミングにより回転子3aの回転に伴う磁束の流れを調整しやすく、小孔70a、70b、70cを設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
図11(b)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、断面形状を四角形とした小孔71a、71bを設けている。小孔71aは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、小孔71bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置している。図11(b)では、2つの小孔71a、71bを設けた場合を示しているが、3つ以上とすることもできる。
図11(c)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、断面形状を三角形とした小孔72a、72bを設け、三角形の直線部を対向面35側としている。小孔72aは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、小孔72bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置している。図11(c)では、2つの小孔72a、72bを設けた場合を示しているが、3つ以上とすることもできる。
図11(d)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、断面形状を三角形とした小孔72a、72bを設け、三角形の頂点部を対向面35側としている。小孔72aは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、小孔72bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置している。図11(d)では、2つの小孔72a、72bを設けた場合を示しているが、3つ以上とすることもできる。
図11(e)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、断面形状を四角形とした小孔71a、71bを設け、小孔71aは四角形の直線部を対向面35側とし、小孔71bは四角形の頂点部を対向面35側としている。小孔71aは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、小孔71bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外に配置している。図11(e)では、2つの小孔71a、71bを設けた場合を示しているが、3つ以上とすることもできる。
なお、図11(b)及び図11(e)では断面形状を四角形とした小孔71a、71bを示し、図11(c)及び図11(d)では、断面形状を三角形とした小孔72a、72bを示したが、断面形状は、その他の多角形であってもよい。
図12(a)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、断面形状を楕円形とした小孔73a、73cを固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、断面形状が円形の小孔70bを固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外で回転子3aの回転方向に配置している。小孔73a、73cは楕円の長辺を半径方向としている。図12(a)では、2つの小孔73a、73cを設けた場合を示しているが、3つ以上とすることもできる。
図12(b)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、断面形状を楕円形とした小孔73aを固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、断面形状を楕円形とした小孔73bを固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外で回転子3aの反回転方向に配置している。小孔73a、73bは楕円の長辺を回転方向としている。図12(b)では、2つの小孔73a、73bを設けた場合を示しているが、3つ以上とすることもできる。
図12(c)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、断面形状を楕円形とした小孔73aを固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、断面形状を楕円形とした小孔73bを固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外で回転子3aの回転方向に配置している。小孔73aは楕円の長辺を半径方向とし、小孔73bは楕円の長辺をティース基部仮想中心線Aに対して傾斜させた方向としている。図12(c)では、2つの小孔73a、73bを設けた場合を示しているが、3つ以上とすることもできる。
図12(d)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、3つの小孔70a、70b、70dを設けている。
小孔70aは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に配置し、小孔70bは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外で回転子3aの回転方向に配置し、小孔70dは、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外で回転子3aの反回転方向に配置している。
このように、3つ以上の小孔70a、70b、70dを設けることで、固定子ティース先端部の異なる場所で異なるタイミングにより回転子の回転に伴う磁束の流れを調整しやすく、小孔70a、70b、70cを設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
図12(e)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に3つの小孔70a、70c、70eを設け、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外で回転子3aの反回転方向に小孔70dを設けている。
図12(e)では、2つの小孔70a、70cに対して小孔70eを、対向面35からの距離を異ならせて配置している。
このように対向面35からの距離を異ならせて3つの小孔70a、70c、70eを配置することで、回転子3aの回転に伴う固定子3bに作用する磁束や、固定子ティース32方向力に応じた配置とすることができ、磁束の流れを調整でき、小孔を設けない場合と同等のトルクを維持しつつ、ティース方向(半径方向)の変動を小さくできる。
図12(f)に示す固定子コア30の固定子ティース先端部32bには、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲内に設けた小孔70aと、固定子ティース基部32aの周方向幅寸法t範囲外で回転子3aの回転方向に小孔70bを設けている。そして、2つの小孔70a、70bの大きさを異ならせている。このように、小孔70a、70bの大きさを異ならせても良い。なお、図11(a)から図12(e)においても、小孔70a、70b、70c、70d、71a、71b、72a、72b、73a、73bの大きさを異ならせてもよい。
図11(b)から図12(c)に示すように、少なくとも1つの小孔71a、71b、72a、72b、73a、73b、73cの断面形状を、四角形、三角形、多角形、又は楕円形とすることができ、四角形、三角形、多角形、又は楕円形が直線部を備えているため、小孔71a、71b、72a、72b、73a、73b、73cと小孔71a、71b、72a、72b、73a、73b、73cとの間隔の最小距離を安定して確保でき、加工誤差による磁気抵抗のばらつきを抑制することができる。
このような本実施例による永久磁石同期モータ3を用いることで、トルクを低下させることなく、低振動による低騒音と、高効率の圧縮機10を実現できる。
また、このような本実施例による永久磁石同期モータ3を用いた圧縮機10を用いた機器は、低振動による低騒音と、高効率を実現できる。
図13は本発明の実施例4による永久磁石同期モータを用いた圧縮機の要部を示す構成図である。
図13(a)では、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部2と、圧縮機構部2を駆動する永久磁石同期モータ3との配置を示している。圧縮機構部2と永久磁石同期モータ3とはシャフト8で連結している。圧縮機構部2はロータリ圧縮機構である。
永久磁石同期モータ3は、回転子3aと固定子3bとを有している。固定子3bは、複数枚の固定子コア30が回転子3aの回転軸8の軸方向に積層されて構成される。
固定子コア30は、図2を用いて説明したように、環状の固定子ヨーク31と、複数の固定子ティース32とを有し、固定子ティース32間にはスロット40を形成し、スロット40には巻線50が配置される。
本実施例では、固定子コア30として、小孔70a、70bを形成する固定子コア30aと、小孔70a、70bを形成しない固定子コア30bとを用いている。
図13(b)は、小孔70a、70bを形成する固定子コア30aを示し、図13(c)は、小孔70a、70bを形成しない固定子コア30bを示している。なお、図13(b)に示す固定子コア30aは、図7で既に説明した固定子コア30である。
そして、図13(a)に示すように、圧縮機構部2側に、小孔70a、70bを形成しない固定子コア30bを積層し、圧縮機構部2から離れた側に、小孔70a、70bを形成する固定子コア30aを積層する。
固定子コア30aのティース方向(半径方向)力の変動は固定子コア30bのティース方向(半径方向)力より小さい。従って、特に回転子3aが圧縮機構部2で片持ち支持されているロータリ圧縮機では、圧縮機構部2から遠い位置に、ティース方向(半径方向)力の変動が小さい固定子コア30aを配置することで、シャフト8のたわみを小さくできる。
回転子3aが圧縮機構部2で片持ち支持されている場合には、シャフト8のたわみによる傾きでエアギャップの偏芯が発生しやすく、圧縮機構部2から遠い位置ほどエアギャップが狭くなるので摺動損が増加する。本実施例のように、エアギャップが狭くなる位置に固定子コア30aを配置することで、そこに働くティース方向(半径方向)の磁気吸引力を小さくできるため、摺動損低減や、シャフト8のたわみの減少により、低振動による低騒音で信頼性の高い圧縮機10を提供できる。
なお、図13(a)では、圧縮機構部2を永久磁石同期モータ3の下方に配置した圧縮機10を示しているが、圧縮機構部2を永久磁石同期モータ3の上方に配置した圧縮機であっても、あるいは、圧縮機構部2と永久磁石同期モータ3とを横方向に配置して用いる圧縮機であっても同様である。
また、図13(b)では、図7に示す固定子コア30を示しているが、図3、図9、図11(a)から図11(e)、及び図12(a)から図12(f)に示す固定子コア30を用いても同様である。
図14は図13に示す実施例によるトルク変動を示すグラフである。
図14に示すように、固定子コア30aのみで固定子コア30を構成した実施例2(図7)、固定子コア30bのみで固定子コア30を構成した従来例、及び実施例3(固定子コア30aと固定子コア30b)のトルクを比較すると、本実施例の平均トルクは従来モータと同等であり、本実施例は固定子コア30aのみで固定子コア30を構成した実施例2よりも更にトルク脈動が減少していることが分かる。
図15は本発明の実施例5による永久磁石同期モータを用いた圧縮機の要部を示す構成図である。
図15(a)では、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部2と、圧縮機構部2を駆動する永久磁石同期モータ3との配置を示している。圧縮機構部2と永久磁石同期モータ3とはシャフト8で連結している。圧縮機構部2は図1に示すスクロール圧縮機構である。
永久磁石同期モータ3は、回転子3aと固定子3bとを有している。固定子3bは、複数枚の固定子コア30が回転子3aの回転軸8の軸方向に積層されて構成される。
固定子コア30は、図2を用いて説明したように、環状の固定子ヨーク31と、複数の固定子ティース32とを有し、固定子ティース32間にはスロット40を形成し、スロット40には巻線50が配置される。
本実施例では、固定子コア30として、小孔70a、70bを形成する固定子コア30aと、小孔70a、70bを形成しない固定子コア30bとを用いている。
図15(b)は、小孔70a、70bを形成する固定子コア30aを示し、図15(c)は、小孔70a、70bを形成しない固定子コア30bを示している。なお、図15(b)に示す固定子コア30aは、図7で既に説明した固定子コア30である。
そして、図15(a)に示すように、圧縮機構部2側と、圧縮機構部2から離れた側に、小孔70a、70bを形成しない固定子コア30bを積層し、これらの固定子コア30bの間に、小孔70a、70bを形成する固定子コア30aを積層する。
固定子コア30aのティース方向(半径方向)力の変動は固定子コア30bのティース方向(半径方向)力より小さい。従って、特に回転子3aが圧縮機構部2と軸受7bで両持ち支持されているスクロール圧縮機では、圧縮機構部2から遠い位置にティース方向(半径方向)力の変動が小さい固定子コア30aを配置することで、シャフト8のたわみを小さくできる。
回転子3aが圧縮機構部2と軸受7bとで両持ち支持されている場合には、軸のたわみが生じやすい軸支持間の中央近傍に、固定子コア30aを配置することでシャフト8のたわみの減少により、低振動による低騒音で信頼性の高い圧縮機10を提供できる。なお、圧縮機構部2側が軸受7b側より大径や軸長が長い高剛性のシャフト8を用いる場合には、圧縮機構部2側に固定子コア30bを配置し、圧縮機構部2側から遠い位置に固定子コア30aを配置してもよい。
なお、図15(a)では、圧縮機構部2を永久磁石同期モータ3の上方に配置した圧縮機を示しているが、圧縮機構部2を永久磁石同期モータ3の下方に配置した圧縮機であっても、あるいは、圧縮機構部2と永久磁石同期モータ3とを横方向に配置して用いる圧縮機10であっても同様である。
また、図15(b)では、図7に示す固定子コア30を示しているが、図3、図9、図11(a)から図11(e)、及び図12(a)から図12(f)に示す固定子コア30を用いても同様である。
なお、周方向に分割され固定子に高密度巻線を施した後に周方向に配列して合体した、いわゆる分割コアや、固定子ヨークの一部が接合した状態で高密度巻線を施した後にヨーク部を変形や可動させて周方向に密着させた固定子を用いたモータに、本実施の形態で示した小孔配置コアを用いてもよい。
分割コア固定子や固定子ヨークの一部が接合した固定子は、周方向に一体の一般的な固定子と比べて剛性が低い。また、高密度巻線のためティースとヨークの角度が直角となったT字状の固定子では、ティースとティースの中間のヨーク部の幅寸法が小さくなることでも剛性が低い。本発明の永久磁石同期モータは、分割コアに対しても半径方向力の変動を小さくでき、低振動による低騒音と、高効率を実現することができる。
本発明の永久磁石同期モータは、スクロール圧縮機やロータリ圧縮機に適しているが、レシプロ式圧縮機やその他の圧縮機にも用いることができる。
1 密閉容器
2 圧縮機構部
2a 固定スクロール
2b 旋回スクロール
3 永久磁石同期モータ
3a 回転子
3b 固定子
4 貯オイル部
5 吸入管
6 吐出管
7a 主軸受部材
7b 軸受
8 シャフト(回転子の回転軸)
8a 偏心軸部
9 自転拘束機構
10 圧縮機
11 永久磁石
30、30a、30b 固定子コア
31 固定子ヨーク
32 固定子ティース
32a 固定子ティース基部
32b 固定子ティース先端部
35 対向面
40 スロット
50 巻線
61 凝縮器
62 減圧装置
63 蒸発器
70a、70b、70c、70d、71a、71b、72a、72b、73a、73b 小孔
t 周方向幅寸法
A ティース基部仮想中心線

Claims (9)

  1. 回転軸を中心に回転自在に配置された回転子と、
    前記回転子とエアギャップを介して配置された固定子と
    を有し、
    前記固定子は、
    前記回転軸を中心とした環状の固定子ヨークと、
    前記固定子ヨークから前記回転子に向かって延出した複数の固定子ティースと、
    前記固定子ティース間に形成されるスロットと
    を有し、
    前記スロットには巻線が配置され、
    前記固定子ティースは、
    前記巻線が巻かれる固定子ティース基部と、
    前記固定子ティース基部の先端で前記回転子との対向面を形成する固定子ティース先端部と
    を有し、
    前記固定子ティース先端部に、少なくとも2つの小孔を配置し、
    それぞれの前記小孔の断面形状を円形とし、
    前記小孔と前記対向面との間を前記小孔の前記直径よりも小さい寸法としてそれぞれの前記小孔を前記対向面に沿う方向に並べて配置し、
    前記小孔を、前記固定子ティース基部の周方向幅寸法範囲内と、前記周方向幅寸法範囲外に配置し
    前記固定子ティース基部の前記周方向幅寸法範囲内に位置する前記小孔を、前記固定子ティース先端部に作用するティース方向力の変動幅が小さくなる区間に配置し、
    前記周方向幅寸法範囲外に位置する前記小孔を、トルクが増大する区間に配置する
    ことを特徴とする永久磁石同期モータ。
  2. 前記固定子ティース基部の周方向幅寸法中心をティース基部仮想中心線とし、
    前記周方向幅寸法範囲内に配置する前記小孔を、前記ティース基部仮想中心線より前記回転子の反回転方向に配置した
    ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石同期モータ。
  3. 前記周方向幅寸法範囲外に配置する前記小孔を、前記回転子の回転方向に配置した
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の永久磁石同期モータ。
  4. 前記周方向幅寸法範囲外に配置する前記小孔を、前記回転子の反回転方向に配置した
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の永久磁石同期モータ。
  5. それぞれの前記小孔を、前記対向面からの距離を異ならせて配置した
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石同期モータ。
  6. 前記固定子は、複数枚の固定子コアを前記回転軸の軸方向に積層して構成され、
    一部の前記固定子コアには、前記小孔を形成し、
    他の前記固定子コアには、前記小孔を形成しない
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の永久磁石同期モータ。
  7. 請求項6に記載の永久磁石同期モータを用い、
    前記永久磁石同期モータと圧縮機構部とをシャフトで連結し、
    前記圧縮機構部側に、前記小孔を形成しない前記固定子コアを配置し、
    前記圧縮機構部から離れた側に、前記小孔を形成する前記固定子コアを配置する
    ことを特徴とする圧縮機。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石同期モータを用い、
    前記永久磁石同期モータと圧縮機構部とをシャフトで連結し、
    前記圧縮機構部によって冷媒を圧縮する
    ことを特徴とする圧縮機。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の圧縮機、凝縮器、減圧装置、及び蒸発器を配管によって環状に接続した
    ことを特徴とする機器
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